皆さんは山は好きですか？私、真鍋いつきは嫌いです。

え？運動が趣味なのになんで登山は嫌いなのかって？

まあ嫌なことがあったんですよ…。

それを知りたい？ちょっと勘弁してください…今でもうなされるんだから。

どうしても知りたいと…。

…わかりました。あまり気乗りしませんがお話ししましょう。

あれは何年か前の夏、モバPさんと一緒に登山に行った時の話です。

その日はとてもよく晴れていて絶好の登山日和で暑かったんですけど風が心地よく、さらっとした暑さでした。

その時登った山は高さがそんなにあるわけではないのですが頂上付近にロープ場があり
そこが難所で年に何人かはなくなっている人がいる山でした。

朝の9時ごろから登りはじめ、天候にも恵まれたせいか予定より1時間くらい早く頂上に着くことができたんですよね。

そのため頂上でちょっと多めに休憩を取って帰りはゆっくり降りようということになったんですよ。

頂上でお弁当を食べたり、景色を楽しんだりしてとても楽しかったです。

…その時までは。

やがて時間になり下山を始めたんですよね。

来た時と同じようにおしゃべりをしながら降りていると途中でいろんな人とすれ違いました。

一人で黙々と登る人もいれば、私たちのように2人できている人も。

そのたびに挨拶をするんですが、まあ山でのマナーみたいなもので

自分がされると返すし相手にすると相手から帰ってきます。

そんな感じトラブルもなく5合目付近まで来たときあるパーティーにあったんです。

10人くらいの大所帯でみんな下を向いていて、服に結構な泥がついていたり破れていたりする人がほとんどでした。

なんか変だなーと思っていたんですけど登山をしていると変な人はそれなりに見ますから
そんな感じかなと思ったんです。

そしていつものように挨拶をしようとしたんです。

だけどしようとしたときにモバPさんが「挨拶はしなくていいから俺がいいというまで絶対に顔を上げるな」と言われたんです。

なんでだろうと思ったんですけど山歴は私より長いし従いました。

そうして下を向いているとその人たちとすれ違いました・

「あれ？」と思ったんですよね。

登山靴を履いているんだから足跡が地面についたり、クマが出る山だからみんなしているはずのクマよけ鈴の音もしなかったり。

なんか怖くなってモバPさんの手を握るとモバPさんも手が震えてました。

そうして顔を下に向けながらそのパーティーの通過を待ちました。

何分くらい待ったかって？そうですね…、10分くらいでしょうか？

たかが10分ですがとても長く感じました。

そうしてそのパーティーが過ぎ去ったあと

モバPさんが「もう顔を上げて大丈夫だ」といったので顔をあげました。

なんか不気味なパーティーだったねとモバPさんに言うとあいつらは「スイカ」
だといわれました。

何だろうと思って聞いてみると「スイカ」というのは不幸にも山で墜落死した人のことで
これに山で出会って顔を見てしまうとあの仲間に入るといわれているというのです。

昔から山では経験者→初心者もしくは経験が浅い人→経験者
という順に歩くのも道に注意したりする他にこの「スイカ」を早く見つけるためという理由もあると教えてくれました。

「これからも山を登ったりするならいつきも覚えておいたほうがいい」と珍しく真剣に
モバPさんは言いました。

ふだん幽霊の話とかは笑い飛ばす人なのにね。

その後は変なこともなく下山し、家に帰りました。

嫌な話だなあと今でも思います。

え？怖くもないって。

実はモバPさん死んでるんですよ。

この後すぐに。

山での墜落死で。

これだけなら不幸な偶然ですけど手を握って下を向いていたときモバPさん言ってたんですよね。

すごい小さな声で。

何をって？


「笑　顔　の　俺　が　あ　の　中　に　い　る」って言ってたんですよ。


もしかしたら、いやモバPさんは自分のスイカを見てしまったんでしょうね。

それから私は登山をやめました。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　終わり

元ネタは山怪スレの「スイカ」という話です。
興味のある方は是非ご一読を
本当にあるかは知りませんし、山登りが好きな人からすれば噴飯ものかもしれませんが。

では、依頼してきます。

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山怪スレってオカ板？