みほ「麻子さんが転校!?」
麻子「ああ。世話になったな」
みほ「そんな!? 急にどうして!?」
麻子「おばあが急逝して親戚に引き取られることになった」
みほ「うそ……」
麻子「山陰地方を母港とする学園艦に引っ越す。もう会うこともないだろう」クルッ
みほ「そ、そんなっ!! 待って!!」
麻子「達者でな」スタ スタ
みほ「行かないでっ!! 麻子さぁぁぁんっ!!」
――――――・・・・
ガバッ
みほ「はぁ、はぁ……」
みほ「……夢、かぁ」
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―夜中 みほの部屋―
みほ(汗びっしょり……着替えなきゃ……)ウンショ
みほ(時計は……)チラッ
[03:12]
みほ(まだ夜中……)
みほ(……なんであんな夢見ちゃったんだろう)
みほ(……今寝たら夢の続きを見ちゃうのかな)コロン
みほ「ボコ、おいで……」スッ ダキッ
みほ「…………」ギュッ
みほ「……っ……うぅ……」グスッ
みほ「……ぃゃ……だぁ……」ウルウル
みほ「……ぅゎぁぁ……ぁ……っ……」ポロポロ
―朝 通学路―
みほ「…………」トボトボ
沙織「み~ぽりんっ! おっはよー!」
華「おはようございます、みほさん」ニコ
みほ「あ、うん……おはよう」
沙織「んー? どしたのみぽりん、なんか元気ない――うわっ!? 目が腫れてるよ!?」
華「クマもできてますが、何かあったのですか?」オロオロ
みほ「その、昨日眠れなくて……大したことじゃないんだけどね」エヘヘ
沙織「大したことじゃなくないよぉ! 何か悩んでるの!? つらいことがあったの!?」
華「わたくしたちで力になれることはないですか?」
みほ「え、えっとね……」
―昼 食堂―
沙織「――ってことで、みぽりんは今朝悪夢にうなされちゃったんだって」
優花里「西住殿ぉっ! 大丈夫ですかぁ!?」ウルッ
みほ「うん。心配かけちゃってごめんね」
優花里「不肖秋山優花里、西住殿の夢の中に馳せ参じてお救い出来なかったことが一生の不覚ですぅ!」
沙織「そんな無茶な」
みほ「なんだか恥ずかしいな。この歳になって怖い夢を見たくらいで泣いちゃうなんて」
華「みほさんはまだうら若き少女なのですから、恥ずかしがることはないです」
沙織「そうだよ! ってか、みぽりんを泣かせるくらい怖い夢ってどんなだったの?」
みほ「あ、ぅ……」
華「沙織さん。口にするのも恐ろしいから怖い夢なのですよ」
沙織「あ、そっか。ごめん、みぽりん」
みほ「ううん。ホント、別に怖いっていう夢じゃなくてね」
みほ「……麻子さんが転校する夢だったの」
沙織「え? 麻子が転校? なんで?」ポカン
みほ「……麻子さん、転校しないよね?」
沙織「しないよー! するわけないじゃん! なんだ、そんな夢だったんだ」ホッ
みほ「ね、ねぇ沙織さん。どうしてしないって言い切れるの? だって、もしお婆さんが、その……」ゴニョゴニョ
沙織「へ? あー、なるほどね」
沙織「久子おばあが亡くなっても麻子の親戚は大洗に居るし、居なくても転校するわけないよ」
みほ「そう、なの?」
沙織「当たり前じゃん! だって、あの麻子だよ?」
みほ「そっか……」
みほ(わたし、麻子さんのこと、知らなかったんだなぁ……)
みほ(同じチームの仲間なのに……お友達なのに……)
みほ(だからあんな夢を……)シュン
沙織「それにね! あのおばあはまだまだ長生きするって!」
華「つまり、みほさんの取り越し苦労だった、ということですか?」
優花里「そうだったのですね! いやあ、西住殿の心配事が元々無かったならそれに越したことはありません!」
みほ「うん……そうだね」
沙織「ねえ、みぽりん。麻子に会いに行く? そしたらもっと安心できるんじゃない?」
みほ「えっ?」
―格納庫―
沙織「麻子ーっ! お昼寝してないで出ておいでー!」
優花里「そんなトトロか何かを呼び出すみたいに」
みほ「ま、麻子さんに悪いよぅ」
沙織「いいのいいの、いつも寝てるんだから」
\キュポラッ/
麻子「なんだ、騒がしい……。人がせっかくⅣ号の中で寝ていたのに……」ウトウト
沙織「いいから降りてきて。みぽりんが麻子とお話したいって」
麻子「西住さんが?」
みほ「あ、いや、えっと、その……」モジモジ
麻子「―――わたしが転校、か」
みほ「なんかごめんね、麻子さん」
麻子「何を謝る。むしろわたしはちょっと嬉しいぞ」
沙織「なんで?」
麻子「わたしが転校することになったら、西住さんは泣いて引き止めてくれる、ということだろう?」
みほ「ふぇっ!? あ、それは、もちろんだけど……」
沙織「たしかに、みぽりんに泣きながら『行かないでーっ!』って言われたら嬉しいかも!」
華「西住さんなら誰に対してもそうすると思いますよ」ウフフ
優花里「西住殿は優しいですからね」ウンウン
麻子「いや、わたしもそう思う。だが、少しだけ自信が無かった」
みほ「えっと……?」
麻子「おばあの言う通り、わたしは無愛想だからな」
麻子「可愛げのないわたしが西住さんにどう思われてるかはちょっとだけ気にしてたんだ」
みほ「そっ、そんなことないよ! 麻子さんのこと、とっても素敵なお友達だって思ってるよ!」アワアワ
沙織「麻子、もしかしてみぽりんをいじって楽しんでる?」
みほ「ふぇ?」
麻子「バレたか」
沙織「こらーっ! 麻子ーっ!」ポカポカ
麻子「暴力反対」
みほ「あ、あはは……」
優花里「なんだ、そういうことでしたか」ホッ
華「わたくしたちも、麻子さんのことは素敵なお友達だと思っていますよ」ニコ
みほ(でも、やっぱりわたしは麻子さんのことがわからない時がある)
みほ(今も沙織さんみたいに気づけなかったし……)
みほ(どうしたら麻子さんのことをもっと知ることができるんだろう……)
―放課後―
みほ「…………」コクッ コクッ
沙織「やっと終わったー! みぽりん、学校終わったよ?」ユサユサ
みほ「ふぇ……え、えっ?」キョロキョロ
華「ボーっとしていらっしゃいましたね。やはり寝不足がたたっているのかも知れません」
沙織「授業中はちゃんと起きてたのにね。みぽりん、今日はもう帰って休んだ方がいいよ」
みほ「う、うん。そうしようかな」
みほ(でも、その前に……)
沙織「それじゃ、わたしは華とデートっ!」ダキッ
華「もう男の方は諦めたのですね」ウフフ
沙織「それは違うよ!?」
―格納庫―
みほ(来ちゃった……)
みほ(Ⅳ号の中へ……ハッチを開けて……)ハッチッ
―Ⅳ号戦車内部―
みほ(よいしょっと……)スタッ
みほ(麻子さん、よくここでお昼寝してるけど、体痛くないのかな?)コロン
みほ(小さい時から戦車に乗ってるけど、中で寝たことは一度もなかったなぁ)
みほ(ここで眠ったら、なにかわかるかも……)
みほ(ちょっとだけ、ちょっとだけ……)ウトウト
『わたしの特等席で寝てる不届き者は誰だ』
みほ「っ!?」ビクッ!
ゴチンッ!
みほ「あうっ!? あいたたた……」ヒリヒリ
\キュポラッ/
麻子「なんてな、冗談―――す、すまん。まさか頭をぶつけるとは」オロオロ
みほ「ううん、わたしがドジだから……」ヒリヒリ
みほ「麻子さんはどうしてここに?」
麻子「昼寝の途中でたたき起こされたから寝足りなかったんだ。西住さんこそどうしてだ?」
みほ「えっと……麻子さんがたまにここで寝てるから、気持ちいいのかなって」
麻子「ああ、ここはいいぞ。静かだし、狭くて暗くて安心する」
みほ「それ、わかる気がする」アハハ
麻子「本が読みにくいのが玉に瑕だから、ブックライトを自動車部につけてもらおうかと考えている」
みほ「戦車のバッテリー使うんだ」フフッ
麻子「なにより鉄がひんやりと冷たくて気持ちいい」
みほ「枕も持ち込んでるよね、麻子さん」
麻子「それにだ。ここで寝ると、とても良い夢を見られる」
みほ「良い夢……?」
麻子「あんこうチームのみんなで戦車道をやっている夢だ」
みほ「それっていつもと変わらないような」
麻子「敵が空から降ってきたり、地面から湧いてきたりもする」
みほ「それじゃ戦略の立てようがないよ」アハハ
麻子「そんな中にあっても、西住さんの指揮のもと、わたしのテクニックで砲弾をかわすんだ」
みほ「なんだか楽しそう」
麻子「楽しいぞ。なんなら一緒に夢を見てみるか?」
みほ「そんな器用なこと、できるかな……」
麻子「西住さんに不可能は無い」
みほ「あ、ありがとう……?」
みほ(でも、一緒の夢を見るって、ちょっと素敵かも……)
みほ(もしできたら、もっと麻子さんのこと、わかるかな……?)
麻子「ほら。少し狭いが、沙織のネコ顔クッションをこうして……これで2人寝れるぞ」
みほ「ホ、ホントにいいの? わたし、邪魔じゃない?」
麻子「邪魔なわけあるか。もっと身を寄せてくれ」
みほ「は、はい! うんしょ……」
麻子「おお、夢にまで見た西住さんの添い寝」
みほ「ふぇっ!?」
麻子「冗談だ」フフッ
みほ「麻子さんの冗談にはまだ慣れないな……」
麻子「慣れられても困る」
麻子「人の体温はやっぱり気持ちがいい……」ウトウト
みほ「ふふっ。麻子さんってやっぱりネコさんみたいだね」
麻子「西住さん、わたしを抱きしめてくれ……頼む……」ウトウト
みほ「えっと、それも冗談?」
麻子「冗談じゃない。わたしの肩を蹴っている分、少しくらい頼みを聞いてくれ」
みほ「わ、ごめんねっ!? うん、わたしで良ければ」ギュッ
麻子「ふぉぉ……。沙織には無い独特の精神的な優しみが……」
みほ「たまにボコぐるみを抱きしめてるからかな……」ギュッ
中断します
乙
素晴らしい展開
乙 続きはよ
>>8
×華「西住さんなら誰に対してもそうすると思いますよ」ウフフ
〇華「みほさんなら誰に対してもそうすると思いますよ」ウフフ
ドゴォン! ズバァン!
みほ「ねえ、麻子さん。砲撃音がするんだけど……」
麻子「秋山さんのケータイの着信音だろ……気にするな……」スゥスゥ
ドゴォン! ズバァン!
みほ「近づいてきてるような……」
麻子「だいじょうぶだ……そんなことより寝たい……」スゥスゥ
沙織「大丈夫じゃないよーっ! もう、麻子がそんなだからわたしが操縦手やらなきゃじゃん!」ガチャガチャ
キュラキュラキュラキュラ!!
麻子「もっと優しく運転しろ。履帯切れるぞ」
沙織「んもーっ!」
華「後方に敵発見! 沙織さん、全速力でここから逃げてください!」
沙織「あれっ、これどっちで前進するの!?」ガチャガチャ
優花里「砲塔回しました! 五十鈴殿、発砲許可を!」
華「まだです……今ですっ!」
優花里「ってーっ!」ズバァァァァンッ!!
優花里「ああーっ!? 敵車両が後方3回宙返りで避けました!?」
沙織「体操かな!?」
みほ「わ、わたしも手伝おうか?」
優花里「いえ、西住殿はそのまま寝ていてください! わたしがお守り致しますっ!」
麻子「いや、わたしが守る」ダキッ
みほ「え、ええっ!?!?」カァァ
麻子「西住さんの睡眠は安眠戦士マコリンが守る!」ザッパーンッ!
みほ「安眠戦士マコリン!?」
沙織「もーっ! イチャついてないで、早く助けてよーっ!」
バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!
華「て、敵戦車、ビームを撃ってきました!」
みほ「えぇっ!?」
沙織「ひぇぇ~っ!?」
麻子「ほら、沙織……そこにボタンがあるだろ?」
沙織「こ、これ!?」(EPS)ポチッ
ブルルルルルルンッ! ブロロロロロロ!!
沙織「超加速っ!?」
華「あ~れ~」ピューッ
優花里「ああっ! 五十鈴殿が風圧で車外に飛ばされました!」
みほ「は、華さぁんっ!?」
―――――――・・・・
みほ「―――華さんを助けないとっ!」ガバッ
ゴチンッ!
みほ「あうっ!? あいたたた……」ジンジン
みほ「……あ、夢」ポカン
みほ「…………」
みほ「……ふふっ」
みほ「あは、あはは……くふふっ……」
みほ「変な夢……ふふっ……」
みほ「はぁ……でも、どこからが夢だったんだろう……?」
みほ「あ、あれ? 麻子さんは?」キョロキョロ
\キュポラッ/
みほ「ふぅ……。って、ここ、格納庫じゃない……?」キョロキョロ
―夜 学園艦の端―
みほ「まだ夢の中に居るのかな……」
麻子「起きたのか」
みほ「あ、麻子さん。良かった、麻子さんが居てくれて」
麻子「西住さんを置いてはいけないだろう。そんなことをしたら泣かせてしまう」
みほ「そ、そのことは忘れてくださいっ!」カァァ
麻子「一生忘れない」ニヤニヤ
みほ「もう……でも、どうしてここへ?」
麻子「海が見たくなってな。西住さんを起こさないよう運転したが、上手くいったらしい」
みほ「麻子さんの運転技術は本当にすごいよね」
麻子「西住さんのムチャ振りのタマモノだな」
みほ「だって、麻子さんならできるって信じてたから」
麻子「お、おう」テレッ
みほ「?」
―Ⅳ号戦車の上―
麻子「ほら、西住さん。月がキレイだ」
みほ「……うん。今日って満月だったんだね」
麻子「夜はわたしの時間だからな」
みほ「あははっ。ホント、夜は元気だよね」
麻子「朝は何故来るのだろう。来なければいいのに」
みほ「初めて麻子さんと会った時もそんなこと言ってたね」フフッ
麻子「……あの時、見ず知らずのわたしに肩を貸してくれて、その……ありがとう」
みほ「えっと……どういたしまして?」
麻子「違う。あれが無かったら、わたしは書道を辞めてまで戦車道を選択していなかった」
みほ「そうなの……かな? でも、幼馴染の沙織さんもやってたわけだし……」
麻子「このわたしが、わたしを見捨てて先に学校へ行くような人間の下につくと思うか?」
みほ「あ……」
麻子「つまり、そういうことだ」
麻子「本当に良い夢を見させてもらった。全国優勝や廃校撤回に関しては、見るだけじゃなく叶えてしまったな」
麻子「遅刻取り消しの件もあるが、それ以上に戦車道を通して大切な景色をたくさん見た。今もとても楽しいし充実感がある」
麻子「朝がつらすぎて死にたいと思っていた毎日を、西住さんが寝覚めよくしてくれたんだ」
麻子「そう考えると、西住さんとの出会いには感謝せざるを得ない」
みほ「わ、わたしなんて、そんな……」
麻子「謙遜は美徳だが、今くらいはよせ。わたしと距離を置かずに話してみてほしい」
みほ「う、うん。頑張るっ」
麻子「こうして珍しく心の内をペラペラしゃべるのはこの時間帯くらいなもんだからな」
みほ「自分で珍しいって言っちゃうんだ」
麻子「西住さんに『ありがとう』なんてほとんど言ったことないだろ?」
みほ「うん。『悪かった』とか『借りを返す』だもんね」
みほ「園さんに遅刻を消してもらった時には大声で言ってたけど、現金だなぁって思ったよ」フフッ
麻子「うっ……あんまり素直でも西住さんに言われると堪えるものがあるな……」
みほ「……こうやって2人きりでしゃべるのも、なんだか久しぶりだね」
麻子「いつも口うるさいのが間に居たからな」
みほ「沙織さんのこと? でも、そういう幼馴染ってちょっと憧れるよ」
麻子「ただの腐れ縁だ」
みほ(えっと、これって照れ隠しなのかな? そんな気がする……)
みほ「……ふふっ。なんだか、麻子さんの言葉の裏にあるものがわかってきたかも」
麻子「ど、どういう意味だ?」
みほ「んー? 教えてあげない、かな」
麻子「おぉ……西住さんにいじわるをされるとは、なかなか貴重な体験」
みほ「い、いじわるなんてつもりはっ」アワアワ
麻子「フフフ。わたしを出し抜くのは、西住さんじゃ100年早いな」
みほ「も、もう……」
麻子「今日、どうせ沙織から、わたしが転校するわけない、とか言われたんだろ?」
みほ「え? う、うん」
麻子「それで、だったらどうして自分はそんな夢を見たんだろ、とか考えた」
みほ「……うん」
麻子「それは西住さんがわたしのことをよく知らないからだ、と結論を出した」
みほ「…………」シュン
麻子「沈黙は肯定だな。それで戦車で寝てみようとしてたわけだ」
麻子「やっぱり西住さんの思考回路はおもしろい」フフッ
みほ「……麻子さんは、わたしのこと、よくわかってくれてるんだね」
麻子「まあな。だが、西住さんがわたしのことをよく知らないのは当然だろう」
みほ「……どうして?」
麻子「わたしはわたしのことを教えるつもりが無いからだ。教えるのは下手だしな」
みほ「そうなの?」キョトン
麻子「自分から教えなくても、今の西住さんみたいにわかってくれればいいと思っている」
みほ「麻子さん……!」パァァ
麻子「ま、西住さんにわたしがみんなを見捨ててさっさと転校する奴だと思われてたのは心外だが」
みほ「も、もうっ! それは言わないでってばぁ!」アセッ
麻子「わかってる。夢は所詮夢だ、それ以上でも以下でもない」
麻子「西住さんは過去に黒森峰の仲間たちと別れた経験があるから、より一層リアルに感じられたんだろう」
みほ「……そうなの、かな」
麻子「そうだ。だから西住さんは別におかしいことはない」
麻子「わたしのことをよく知らないとか、理解してないとか、そういうことじゃないんだ」
みほ「で、でもね、麻子さん」
みほ「わたしが麻子さんのことをもっと知りたいって思ったのも本当だから……」
みほ「……麻子さんと、もっといっぱいおしゃべりして、もっともっと仲良くなっていけばいいんだよね」
麻子「西住さん流の答えが出たか。ここに連れ出したのは正解だったらしい」フッ
みほ「麻子さんには助けられてばっかりだね」エヘヘ
麻子「わたしは西住戦車の足だからな。車長を目標地点へ導くのは当然の役目だ」
みほ「ありがと」ニコ
麻子「おう。もっと感謝してくれ」
みほ「ふふっ。うん、もっと感謝しちゃう」ダキッ
麻子「うおっと」
みほ「麻子さん、わたしのお友達で居てくれてありがとう。大好き」ギュッ
麻子「……ああ。わたしも、西住さんのことは嫌いじゃない」
みほ「えー? "嫌いじゃない"?」
麻子「べ、別に言わなくても通じるだろ」プイッ
みほ「ふふっ」ギュッ
今日はここまで(あと少しで終わります)
乙乙です
乙
みほまことか超期待
イイぞいいぞ
みほまこいいぞ~
沙織「ヒューヒュー! お熱いねえ、お2人さんっ!」
みほ「っ!?!?」ビクッ
沙織「なになにー? 2人で抜け駆けー?」キャーッ!
華「胸襟を開いて語らい合うことは素敵なことかと」ウフフ
優花里「ぐぬぬ……! 冷泉殿ばっかりずるいですよぉ!」
みほ「さ、3人とも、居たんだ……」ドキドキ
麻子「せっかく西住さんが大胆になりかけていたのに」
みほ「ふぇっ!?!?」カァァ
沙織「ええっ!? もうそんな関係なの!?」イヤーン!
華「沙織さん、優花里さん。あとは若い2人に任せて、歳よりは散歩でもしましょうか」オホホ
優花里「いや、わたしたち同い年ですよね?」
みほ「ちょっと、あの、麻子さん!? 違うって言ってよぉ!」ユサユサ
麻子「何を言う。みほはわたしのコレだ」フッ
みほ「どれかな!?」
沙織「キャー! 名前呼びーっ! キャー!」
華「あらあら」ウフフ
優花里「待ってくださいっ! 西住殿はみんなのものですよぅ!」
みほ「優花里さんは何を言ってるの!?」
麻子「みほはわたしのことを隅々まで知りたいんだそうだ」ニヤニヤ
みほ「そ、それはそうだけど、言い方!」
沙織「そうなんだー!! そうなんだー!!」キャイキャイ!
華「お赤飯を炊かないとですね」ホクホク
優花里「ええい、パンツァー・フォーだぜぇぇぇ!」グルグル
みほ「ちょ、あの、えと―――――コラァァ~~~ッ!!」
みほ「わたしは今怒ってます」プンプン
沙織「ごめんなさい……」
華「すみませんでした……」
優花里「反省してますぅ……」
麻子「…………」
みほ「冷泉さん?」ニコ
麻子「う゛……ご、ごめんなさい」
みほ「まったくもう」
みほ(今のわたし、沙織さんみたい)フフッ
沙織「いやー、怒ったみぽりんなんて初めてかも」
華「なかなか無いことですね」
優花里「こ、これはこれで……」
麻子「永久保存版だ」
みほ「みんな?」ニコ
一同「「「「すいません……」」」」
麻子「それじゃ、帰るか。戦車で送っていくぞ」
沙織「いや、さすがに近所迷惑だから学校まででいいよ」
華「それでは麻子さん、運転よろしくお願いします」
麻子「任された」
沙織「あ、みんなで晩ご飯食べない? 今日のお詫びにわたしが作ってあげるよ!」
みほ「わあ! 沙織さんのご飯、楽しみだなぁ!」
沙織「みぽりん家に行って大丈夫?」
みほ「うんうん! ぜひ来てよ!」
華「途中で食材を買っていきましょう!」
優花里「武部殿はアンツィオに行って料理の腕に磨きをかけたんじゃないですか?」
沙織「い、いやー、それはー……」
麻子「体重は増えたそうだ」
沙織「ま、麻子ーっ!」
みほ「ふふっ」ニコ
みほ(なんだか、またひとつみんなと仲良くなれた気がするなぁ……)
―車道 Ⅳ号戦車内部―
キュラキュラキュラ…
優花里「西住殿。今日はよく寝れそうですか?」
みほ「うーん、さっきここで寝ちゃったから、どうかなぁ」
麻子「わたしの抱き心地が随分良かったらしい。抜け出すのに苦労した」
優花里「Ⅳ号の中で一緒に寝たんですかぁ!? 色々と羨ましいですぅ!」
麻子「まあな」ドヤッ
みほ「あ! そう言えば、麻子さんと同じ夢、見れなかったなぁ」
みほ(やっぱり、同じ夢なんて見れるわけない、よね……)シュン
麻子「なんだ、そんなことか。西住さんの夢は、このわたし――」
麻子「―――安眠戦士マコリンが守ってやる」
みほ「えっ……!」トクン
沙織「なんでみぽりんは『マコリン』でトキめいてるの?」ポカン
華「さぁ……?」
優花里「西住情勢は複雑怪奇ですね……」
みほ「ま、麻子さんっ!! どうしてそれをっ!?」ドキドキ
麻子「寝言で言ってた」
みほ「あ……」
みほ「…………」
みほ「……///」カァァ
麻子「安心しろ。わたしはみほだけの安眠戦士マコリンだからな」ニヤニヤ
みほ「わああああっ!! は、恥ずかしいからやめてぇぇぇっ!!」ジタバタ
麻子「恥ずかしがるみほが"嫌いじゃない"」ニヤニヤ
みほ「もーっ! 麻子さんのいじわるーっ!」プクーッ
麻子「1人で寝るのが怖いなら、今日はわたしを抱きしめて寝てもいいぞ」
みほ「あ、それはちょっとお願いしたいかも……じゃなくてっ!」
麻子「フフフ」
麻子(これからも同じ夢を見させてくれ、西住さん……)
麻子「婚活戦士さおりん」
沙織「飛び火した!?」
おわり
これはほっこり良いものを見た
乙です!
乙!
作者乙です
このままもっと色々良いまこみほ書いてくれて良いのよ
乙
まこみほってかみほがいじられ系は意外に珍しいな
もっとまこみほ書いてくれ
みぽりんや沙織みたいな友達がいれば永眠戦士おばぁも安心だろうな
乙でした!
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