【ガルパン】みほ「戦車道ができるくらい子どもがほしいかな」 (54)


―放課後 教室―


沙織「ところで、みんなは何人くらい子どもが欲しい?」

優花里「出ました、ゼクシィ武部殿の脈絡無き導入」

沙織「その名前やめてッ!?」

華「言い出しっぺの法則というものがあるそうですが」

沙織「わたしはぁ、野球チームができるくらいほしいかなぁ♪」

麻子「どこで読んだんだ、そんなネジの外れたセリフ」

沙織「ひどい!?」

華「みほさんはどうですか?」

みほ「わたし? わたしは……」



みほ「戦車道ができるくらい子どもがほしいかな」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1479272187



_人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人_
>  戦車道ができるくらい子どもがほしいかな  <
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優花里「」

麻子「」

沙織「」

華(お腹空きました……)

みほ「あ、あれ? みんな、どうしちゃったのかな?」

麻子「それはギャグで言ってるのか」

みほ「ううん。家族で戦車道の試合ができたら楽しそうだなぁって子どもの頃から思ってたの」

麻子「単に大家族に憧れているというわけではないのか」

優花里「あぁ、なるほど。西住殿の場合は特殊な事情があったんですね」ホッ

沙織「よかったよ、ギリギリみぽりんらしくて」

優花里「『西住殿の闇は深い』ネタだったらキャラ崩壊注意!って書いてないことを叩かれますからね」

華「1レス目に注意書きしてもまとめサイトに転載された時に消されたりしますからね」

沙織「2人は何の話をしてるの?」

※キャラ崩壊注意


みほ「でもその夢は西住の家を出た時に諦めたんだけどね……」アハハ

沙織「みぽりん……」ウルッ

優花里「まだ夢を諦めるには早いですよぅ!」

みほ「そ、そうだよね。わたしの戦車道みたいに、自分の道を切り開けばいいんだよね」

沙織「まずは良い相手を見つけるところから始めないとね!」

優花里「あ、婚活戦士殿は話をそっちに持っていかないでくださいね」

沙織「なんかゆかりん風当り強くない?」

麻子「実際そんなに子どもを授かるとなると大変だぞ」

みほ「コウノトリさんには頑張ってもらわないとだね!」

沙織「コウノトリさん顎関節症になっちゃうよ!?」


沙織「ってゆーかみぽりん、子どもの作り方知らないの?」

みほ「作り方?」ポカン

優花里「ホントに知らないみたいですね」

麻子「いいか、西住さん。子どもというのはな、男女がセッ―――」

優花里「スターーップ!!」

沙織「ド直球!?」

優花里「こういう時こそ五十鈴殿のお花を使った例え話です!」

華「チ〇コとマ―――」

沙織「コラーーッ!!」


華「何でもお花で例えられると思ったら大間違いです!」プンプン

優花里「失礼しました……」

沙織「もうみぽりんに子どもの作り方を教える話はいいよー」

優花里「別のSSで読んだことありますしね」

麻子「にしても、家族で戦車道とは」

みほ「ね! みんなもやりたいと思うよね、家族で戦車道!」

沙織「それは……」

華「どうでしょう……」


沙織「てかさ、何人産めば戦車道のチームができるの?」

優花里「戦車にもよりますが、1車両平均4人の搭乗員が必要と考えて、対聖グロ親善試合での5両編成を基準にするなら」

華「20人ですね」

沙織「あの時のわたしたちも22人だったしそのくらいかー」

麻子「いや、その倍は必要だ。女児出生率は51%だから最低でも40人は産む計算になる」

沙織「そっか! 戦車道って男の子はやらないもんね」

みほ「でも、それだと戦車道のチームはできても戦車道の試合はできないよね」

沙織「え?」

優花里「はい?」

華「……つまり、2チーム分の人数がほしい、と?」

みほ「うんっ!」

一同「」


麻子「全車両CV33でいいんじゃないか」

みほ「それはダメです」

優花里「それはダメですね」

沙織「そこはこだわるんだ……」

華「ですが『とつきとおか』で80人も一生のうちに産めないですよね」

優花里「単純計算で約68年かかってしまいます」

沙織「わー超高齢出産だー」

麻子「ギネス記録としては69人を産んだロシア人女性が居るらしい」

沙織「ろくじゅうきゅう!?」

優花里「兵士が畑でとれる国は恐ろしいですね……」

みほ「それじゃ、わたしはギネス記録を更新しないとだね」アハハ

沙織「やるならミルクセーキ早飲みとかにして!?」


麻子「ミルクセーキ早飲み……なんと甘美な響き……」ダラーッ

華「タカアンドトシのタカさんに挑戦状を送り付けましょう!」

沙織「その話後でいいかな!?」

優花里「話を戻しますが、そのロシアの方はどうやってそんなに子どもを産んだんです?」

麻子「40年間かけ、双子16組、三つ子17組、四つ子4組を産んだそうだ」

華「その手がありましたか!」

沙織「その手は無いと思うよ?」

みほ「なら五つ子ちゃんが16回産まれれば戦車道ができるね」ニコ


沙織「ねえなんでみぽりんは笑顔なの?」

優花里「これが西住流なのでしょう」

沙織「それ便利すぎるよ……」


麻子「多生児の多産は非現実的だ。それより試験管ベビーの方がまだ可能性がある」

沙織「いや倫理観と経済性と法的な問題があるよね?」

みほ「あ、そこは西住の力でなんとかするので大丈夫です」

華「西住とはいったい」

ケイ「『人生、サイコー!』(邦題)って映画には、精子提供によって533人の父親になった男が登場するわ!」

優花里「どぅわぁ!? いったいどこから!?」

みほ「ごひゃくさんじゅうさんにん!?」

沙織「いやみぽりん、そこより先に驚くところあるよね!?」

ケイ「アメリカンなギャグテイスト満載だけど、最後はすっごく感動するハートウォーミングなストーリーなの!」

華「ですがそれは男性だから成し得るのであって、体外受精でもその人数の母親になるのは無理なのではないですか?」

麻子「生物学的母親になるのは無理だが、代理母出産制度を利用すれば遺伝学的母親にはなれる」

ケイ「となると国外でトライするしか無いわね」

沙織「え、これそういう話? どこに向かってるの?」


優花里「ケイさんは生徒会室の方へ向かわれました」

沙織「なんだったんだろ……えっと、どこまで話したっけ」

麻子「あとは社会学的母親か」

沙織「そうだよ! 孤児院を開けば戦車道の試合ができるくらいの人数のお母さんになれるよ!」

優花里「里親になるという方向性もありますね」

みほ「里親はちょっと違うかな」

華「でしたら養子縁組というのはどうでしょう。それこそ西住流らしいような気がしますが」

優花里「40人もの養子って法的に問題は無いんですか?」

麻子「民法に人数制限は無い。しかも西住姓を名乗れる」

沙織「おおっ! これ、最適解じゃない?」

みほ「うーん……」

麻子「みんな冷静になれ。40人も女の子ばかり養子をとるのはおかしいぞ」


麻子「もう一つ考え方がある。『西住さんの子ども』という枠に義娘や孫の世代を含めればいい」

優花里「なるほどっ! それなら西住殿の『家族で戦車道』の理念を達成できますね!」

みほ「……うんっ! それってすごく素敵かも!」

麻子「日本が双系社会で良かったな」

華「今までの遠回りはなんだったんでしょう」

沙織「でも、それでも大変そうだよ?」

麻子「仮に1組の夫婦から平均2人の子どもが産まれるとする」

麻子「戦車道2チーム分の40人の女性からなる家族になるためには……」

麻子「……西住さんは20人産む必要がある」

沙織「えっ!?」


麻子「西住さんがx人の子どもを産むと、x組のカップルが誕生する」

優花里「全員ご結婚できればいいですが」

麻子「この世代の女性はお嫁さんを含めてx人」

麻子「x組のカップルから2x人の子どもが産まれれば、この世代の女性はx人」

華「半分は男の子でしたね」

麻子「両世代合わせてx+x=2x人が女性だ。で、40人以上必要だから」

麻子「2x≧39+1(西住さん本人)……つまり、西住さんは20人以上産む必要がある」

沙織「全然現実的じゃないよっ!?」

優花里「ひ孫の世代まで入れると、西住殿が現役から退いてしまいますぅ」

みほ「いったい、どうしたら……」


まほ「ま゜ったゃーっ!」ガララッ


一同「ぶふぅっ!!」


みほ「お、お姉ちゃん!?」

麻子「劇場版ネタはずるい……」プルプル

優花里「どこから声出てるんですかあれ……」プルプル

沙織「ってか、ここ大洗女子の学園艦だよね……」プルプル

まほ「みほ。私の子どももお前の戦車道チームに入れてもらえないか?」ニコ

みほ「お姉ちゃん……ありがとう!」

華「美しい姉妹愛なんですか?」

沙織「いやわたしに聞かれても」

麻子「そうなると計算は半分になる。2人で10人ずつ産めば大丈夫だ」

優花里「もう感覚が麻痺してますが、それでもスゴイ数ですよ?」

華「戦時中のようです」


しほ「話は聞かせてもらった」ガララッ! ピシャ! バターンッ!


一同「ぶふぅっ!!」


みほ「お母さん!?」

まほ「お母様!?」

麻子「おいドア壊れたぞ」

優花里「すごい筋力ですね」

沙織「ここ熊本かな?」

しほ「みほ。私のこどももお前の戦車道チームに入れてもらえないか?」

沙織「それって姉妹増やすってことですよね!?」

優花里「最近そういうSSを読んだ気がします」

麻子「仮に西住しほさんが2人新たに女の子を産めば、西住4姉妹はそれぞれ5人産めばいい計算だ」

華「年齢差がすごいことになりそうですが」

麻子「もう真面目に計算するのも馬鹿らしくなってきた」

しほ「常夫さんには頑張ってもらいます」

沙織「お母さん何言ってるの!?」

中断します

のっけからとんでもなくてワロタ

しぽりんに罵倒されながら子供を作りたい

何かで「何人も産んでたら最後の方は産道が開ききって産まれた事に気づかなかった」とか見たことがある

たかちゃんと子作りしたい

でもみぽりんはまぽりんとの間に子供を産むわけだから交代で産んでいっても大変だよね。

男と違って卵子に限りがあるから大変だよな…

常夫さんが超頑張るから
3人孕ませるから

まっ↑たー↓は見たことあったけど
ま゚ったゃーは初めて見た

しかも発音してみると再現度高くて笑うしかない

>>21
おはパッチョ

みぽりんがあんこうさんたちを孕ませるんや


華「でも、そうすると子どもたちの名前はどうしましょう」

優花里「『むほ』とかじゃないですか? なんか複数のSSでよく見ますよ?」

沙織「ゆかりん、もうそれいいから」

優花里「天衣無――」

沙織「やめよう!?」

まほ「なんだか急に知波単に短期転校したくなってきた」

沙織「それはちょっと違くないですか?」

麻子「そのルールだと、いずれ『ぺほ』さんとか『つぃほ』さんが誕生するぞ」

沙織「拗音まで!?」

みほ「いや、『ほ』の字にこだわりはないからね?」

しほ「えっ」

みほ「えっ」


優花里「姉住殿と母住殿も生徒会室へ向かわれました」

沙織「すごく気疲れしたよぉ……」

麻子「話を戻すが、大家族は大変だぞ。たとえ実家がお手伝いさんの居る旧家だろうとな」

華「ガルパンで大家族と言えばローズヒップさんですね」

優花里「たしか、曾祖母、祖父母、両親、兄姉7人、兄嫁2人、兄の子3人とご本人の18人家族でしたっけ」

沙織「えっゆかりん怖い。普通に怖い」

優花里「ちょ!? ドン引きしないでくださいよ! 敵の調査は徹底的に、がモットーなだけですぅ!」

みほ「ローズヒップさん、大変だったのかな」

麻子「聞いてみるか。呼べば来そうな気がするが」


ローズヒップ「呼ばれなくても登場するのがわたくしですわー!」ガチャーン!


沙織「窓からっ!?」


ローズヒップ「まず皆さんに最初に言っておきたいことがありますの!」

沙織「話が急かな!?」

ローズヒップ「大家族=計画性の無いおバカみたいなレッテル貼りはやめてくださいまし!」

優花里「なんだか社会派ですね」

ローズヒップ「それぞれの家族にそれぞれの人間模様があるのですわ!」

華「様々な花があるからこそ花は美しいのです(?)」

みほ「たまにテレビでやってますよね、大家族の番組」

優花里「ビッグダディでしたっけ」

ローズヒップ「無理に感動を誘う話に仕立て上げるのはどうかと思いますわ」

沙織「ってそっちは否定的なんだ」

麻子「汚い部分も含めて人間だからな」


みほ「ローズヒップさんは大家族で大変だったことってありますか? ……って、あれ?」キョロキョロ

沙織「もう居なくなってる!?」

優花里「もはや忍者ですね」

麻子「何しにきたんだ」

みほ「快活なローズヒップさんを見たら、家族でプロリーグ規模の試合をしたくなってきたよ!」

沙織「何言ってるの!? 何を学んだの!?」

麻子「30両編成×2チームだから240人の女の戦いだ」

華「イメトレでもしてみましょうか」

みほ「イメトレ?」

華「もしもみほさんが240人の子どもたちのお母様だったら」



ポワ ポワ ポワ …



沙織(なにこのショートコントの導入みたいなの)


――――――


みほ「こほさん、袋小路に気をつけて相手を撹乱してください」

こほ「おっけー」

みほ「さほさん、互いの位置の把握、情報を密にしてください」

さほ「了解!」

みほ「はほさん、ゆほさん、HS0017地点までは極力発砲を避けてください」

はほ&ゆほ「「はいっ!」」

みほ「それではこれより最後の作戦、みほみほ作戦を開始します!」


りゃほ「すいません、ハシビロコウさんチームやられました! ごめんなさい!」

りゃほ「あとはお姉ちゃんたち、よろしくお願いします!」

ヴぃほ「でも敵チームもお姉ちゃんたちじゃない?」

さほ『みんな怪我してない!?』

りゃほ「りゃほ大丈夫です!」

ヴぃほ「ヴぃほ元気です!」

ゐほ「ゐほ無事で~す」

むぃほ「むぃほ絶好調ーっ!」

でぃぉほ「でぃぉほも平気です! かほもだいじょーぶって言ってまーす!」

??「……お姉ちゃん」

でぃぉほ「なに? かほ」

くゎほ「……私の名前、『かほ』じゃなくて『くゎほ』」


――――――


アンチョビ「結局安直な名前ネタじゃないかぁーーっ!!!」

みほ「安直さん!?」

アンチョビ「アンザイ! じゃなかったアンチョビ! なんだそのいかにもオツムが足りなそうな名前!」

アンチョビ「ってゆーかツッコミどころあり過ぎだろ!?」

アンチョビ「なんだよ『みほみほ作戦』って!? 紛らわしい名前を利用した作戦なのか!?」

アンチョビ「『くゎほ』と『かほ』の発音区別しにくいよ! 日本人にはハードル高いよ!!」

アンチョビ「ハシビロコウッ!!」バンッ!

優花里「さすがガルパン界一のツッコミ、アンチョビさんです!」

アンチョビ「そんな二つ名があるのかッ!?」

沙織「アンチョビさんが来てくれて助かりました! もうツッコミで疲れちゃって」

アンチョビ「そうか! 私が来たからにはもう大丈夫……ってツッコミしにきたわけじゃないからな!?」

華「これが本場のノリツッコミですね! 勉強になります」フムフム

アンチョビ「本場ってなんだ!?」


アンチョビ「というか、扉も壊れてるし窓も割れてるが何があったんだ?」

みほ「かくかくしかじかで。それよりどのようなご用件ですか?」

アンチョビ「いや、この教室には用はなかったんだが」

優花里「そう言えば色んな人がうちの学校に集まってるみたいですが、何かあるんですか?」

アンチョビ「ああ、今生徒会室で……おっと、これは言っちゃいけなかったな」

沙織「えぇ~、そこまで言ったら教えてくださいよ~」

アンチョビ「ダメったらダメだ! 言ったら西住流家元に怒られちゃうからな!」

みほ「お母さんに?」

アンチョビ「それ以上聞くな! 絶対聞くなよ! もうどんなに聞かれても答えないからな!」

華「これはフリなんでしょうか」

ペパロニ「あっ、姐さん! こんなとこでオリーブオイル売ってないで早く『西住姉妹になろう会議』に行くッスよ!」

優花里「西住姉妹に……」

みほ「なろう会議?」

アンチョビ「ペ・パ・ロ・ニィ~~ッ!!!」


―生徒会室―


みほ「……お母さん。えっと、これは、どういう……」


愛里寿「こ、こんにちは」

ミカ「~♪」ポロロン

カチューシャ「すやぁ……」

西「恐縮であります!」ビシィ!


優花里「おお、大学選抜チーム戦の時の隊長格の皆さんが勢ぞろいしています!」

ダージリン「ちなみにローズヒップはもう帰りましたわ」

沙織「早っ!?」

麻子「本当に何しに来たんだ」

桃「全く、狭苦しいったらありゃしない」

杏「まぁまぁ」


しほ「……見つかってしまったわね」

まほ「みほ。私から説明しよう」

みほ「う、うん……」


まほ「今日の会合はお母様の発案だ」

まほ「それも、みほの子どもの頃の夢を叶えてやりたい、という思いから生まれたもの」

まほ「実はお母様はみほの子どもの頃の夢を叶えてやりたいとずっと思っていたんだ」

沙織「お母さん良い人」

みほ「でも、それって……」

優花里「家族で戦車道、というやつですか」

みほ「そうなの? お母さん」

しほ「…………」


まほ「しかしながら到底難しい話だ。普通では叶うものではない」

まほ「そこで考えた。家族を作るのが無理なら、家族になってしまえばいい、と」

華「どういうことでしょう」

まほ「なに、ただの比喩だ。家族のごとき絆を結ぶほど深い仲となる友を得る、ということ」

優花里「つまり義兄弟の誓い、じゃなかった、義姉妹の誓いというやつですね!」

まほ「最初は黒森峰でそれが実現できるよう、みほを陰ながら応援していたが……」

優花里「校風が合わなかったんでしょうね」

まほ「そうだな。結局、みほを追い詰める結果になってしまった」

みほ「お姉ちゃん……」


まほ「だが、逆境の中、みほは何物にも代えがたい仲間たちを得た」

まほ「君たちだ。そうだろ、みほ」

みほ「……うん」

沙織「なんだか照れちゃうね」

華「まさに金蘭の契り……鋼鉄のように硬く、その美しさは香り高き蘭のごとし」

麻子「気付いたら西住さんの友になっていた」

優花里「あんこうチームだけじゃなく、大洗女子戦車道の全員が仲間ですよ!」

まほ「それだけじゃない。みほと戦ったチームはことごとくみほに惹かれ、好敵手として認めてきた」

みほ「そうなの、かな」

まほ「ああ。今日こうして集まっているのも、みんなみほが大好きだからだ」

みほ「えへへ……」


沙織「それで、今日集まって何を話していたんですか?」

まほ「簡単に言えば強化合宿についてだ。今度の長期休暇を利用してな」

まほ「10日間西住本家に宿泊し、技術のみならずその精神性までも学んでもらう」

優花里「に、西住流を学べるんですか!?」

まほ「従来の西住流だけじゃない。みほが自ら切り開いた新しい戦車道の形を含めてだ」

みほ「ええっ!?」

まほ「それは言葉で説明できない類のものだ。みほの人生哲学に通じている」

沙織「それってみぽりんの実力をお母さんも認めてるってこと?」

しほ「戦車道にまぐれはあり得ません」

みほ「お母さん……!」


まほ「参加者には期間中私たちの義姉妹となってもらう」

まほ「大学選抜チーム戦の時は同じ学校のチームメイトとなったわけだが、これよりもさらに強固な連帯感」

まほ「寝食を共にするだけでなく義姉妹として振る舞うことで、より互いを理解し高め合おうという企画だ」

しほ「私の娘となるからには、他人と思わず徹底的に扱くので覚悟しておくように」

麻子「生物的や法的にではなく、精神的な繋がりで姉妹となるのか」

優花里「なんだかすごいです……!」

華「わたくしも参加したいです!」

沙織「わたしもー!」

杏「大洗女子の分はもう用意してあるよ。あとはみんなの希望次第だけど」


まほ「まあ、元はお母様の、娘の夢を叶えてやりたいという遠回りな老婆心なのだがな」フッ

しほ「まほ、口が過ぎます。あくまで公平無私に今後のプロリーグや世界大会のためを思ってのこと」

しほ「若手の育成なくしてプロ選手の育成は成し得ません」

まほ「失礼しました。それで、みほ」

みほ「は、はい」

まほ「ここに居る皆がお前の姉妹だ。家族だ。それも自主的に家族になりたいと言う者ばかり」

まほ「どうだ。戦ってみたいか?」

みほ「…………」



みほ「―――はいっ!」


みほ「でもお姉ちゃん、わたし抜きで勝手にお話を進めるのはずるいよ」

まほ「ここでみほが良い返事をくれなかったら企画は全て白紙撤回していたよ。お母様が」

しほ「まほ」

優花里「でもどうしてうちの生徒会室で会議を?」

まほ「話がまとまったらすぐみほに教えて驚かせてやりたかったんだ。お母様が」

しほ「まほ」

沙織「そう言えばうちの教室に突撃したのは?」

まほ「あれはお母様がこらえきれずみほに会いたくなったのを止めようとしたら流れでああなった」

まほ「まぁ、結局お母様も後から突撃してきたが」

しほ「まほ」

まほ「ふふっ……」


ケイ「そういうわけだから、よろしくね! ミホ!」ダキッ

みほ「あ、はい! ……ケイお姉ちゃん」テレッ

ケイ「KAWAII! このトキメキが西住流なのね!」

アンチョビ「いや違うだろたぶん」

ペパロニ「みほ姐さんと盃を交わすッス!」

アンチョビ「お前はなにか勘違いしてないか?」

カチューシャ「ちょっとミホーシャ! 私にも敬意を払いなさい!」

みほ「えっと、カチューシャお姉ちゃん?」

沙織「どっちかっていうと妹だよね」

愛里寿「みほさんとまた戦える……みほお姉ちゃんと!」キラキラ

みほ「うんっ。よろしくね、愛里寿ちゃん」ニコ

まほ「そういうのは後にしてくれ。それよりもまずやることがあるだろう」

優花里「各校への合宿告知の通達ですか?」

まほ「いいや、そうじゃない。これからするのは―――」



まほ「―――ソウルネーム決めだッ!」



沙織「え゛っ!?」


西住ケホ「なんだか咳込んでる人みたい! AHAHA!」

西住カホーシャ「まあ、悪くないわ。普通に可愛いし」

西住ダホ「こんな格言を知ってる? 人は3つの名前を持―――」

西住きぬほ「私のようなものがこのような立派な名前を頂いていいのだろうか……いやよくない……いやいい……」

西住ミカホ「『ほ』の字にこだわるのはきっと大切なことなんだろうね」ポロロン

西住ありほ「母上にバレませんように……」

西住アンチョホ「私の名前おかしくないか!? 本名から取って『ちほ』でよくないか!?」

西住ペパホ「えーかわいいッスよ、アンチョホ姐さんっ!」

みほ「か、かわいいよ、アンチョホお姉ちゃん……」フフッ

西住アンチョホ「今笑っただろ!? おかしいと思ってるだろ!?」

みほ「そ、そんなことないよ、アンチョホお姉ちゃん……」フフッ

西住カホーシャ「ちょっとうるさいわよ! アンチョホーシャ!」

西住アンチョホ「アンチョホーシャ!?」

みほ「くふふっ……」プルプル


西住アンチョホ「―――私の名前で遊ぶなぁーーっ!!」




まほ「……みほの笑顔が見れてよかったですね、お母様」

しほ「……ええ」


しほ「なお」

しほ「私がみほに教える予定だったのに先にバラしたアンチョホには西住流の制裁があります」

西住アンチョホ「」







おわり

乙ホ

ホにこだわる所に狂気を感じる(作者の)

ばらしたのはペパホなのにww



どうなるかと思ったけど
終わりよければすべてよし

乙ー

読了およびレスありがとうございます
今さらですが男女の出生性比率は1.05(女児100に対し男児105)なので
%表示に直すと100/205=0.487… なので49%が正しいですね
>>8で麻子が言ってるのは男児の出生率です
エレ速のコメで気付きました。失礼しました

sage忘れしてしまったごめんなさい

おつおつ
腹抱えて笑ったわ

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