奏「私達、5人がメインキャストでドラマを録るじゃん？」

ゆかり「急に喋り方がフランクに･･･」

奏「その配役について貴様らに聞きたいことがある」

奏「この『愛を失った少女』とは、一体どう演じればいいものか」

まゆ「今の奏さんのままでいいんですよぉ」

ゆかり「それはよくないんじゃ･･･」

奏「そうか、今の私のままで･･･」

奏「悩む必要なんてなかったんだな、私は私のまま、初めから貴様らを頼らなくてもよかったのか、フハハハハハ！！」

ゆかり「帰っていいですか？」

奏「まあ待て。せっかく集まったんだからもう少し話そうじゃないか」

かな子「奏さんは置いといて、私も実は役柄について相談があって･･･」

紗枝「かな子はんも？うちもやわぁ」

まゆ「まゆは、常に愛を信じていますから･･･相談に乗りますよぉ」

ゆかり「私も愛を知らないので、お二人の相談相手になります」

奏「フッ、みっともない奴らだ。この私も相談とやらにｎ」

かな子「ありがとう。まゆちゃん、ゆかりちゃん」

奏「･･･」

かな子「それで、『愛に包まれてる』ってどんな感じなのかな？」

まゆ「うーん･･･そう言われるとわからないものですよねぇ。愛に包まれる･･･まゆも、Pさんからの愛に包まれたい･･･」

紗枝「まゆはん、話逸れとるよ」

ゆかり「経験者に聞くとかどうでしょう？」

かな子「そんな人、身近にいませんよね」

紗枝「･･･瞳子はん？」

まゆ「それは誤解ですよぉ！」

紗枝「それもそうどすなぁ」

紗枝「うちも『愛を伝える』いう役やけど･･･配役より『標準語で喋ってください』って言われてしもて」

ゆかり「確かに紗枝ちゃんにとってはそっちの方が厳しいですね」

かな子「試しに標準語を喋ってみたら？」

紗枝「むー･･･小早川紗枝言いますー」

まゆ「変わってないですよぉ」

紗枝「難しいわぁ･･･よろしゅーこ」

ゆかり「それは周子さんの持ちネタですよ」

奏「･･･」 机ﾊﾞｰﾝ!

まゆ「きゃっ！」

かな子「奏さん！危ないじゃないですか。どうしたんですか？」

奏「寂しい。構って」

ゆかり「めんどくさい」

奏「んー！むー！」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

かな子「とりあえず布団にくるませといたけど」

紗枝「何人分使ったんやろ」

ゆかり「五人分ですね」

まゆ「というよりなんで五人分の布団が奏さんのお部屋に」

奏「フハハハハ！」ﾋｮｺ

かな子「うわ、もう出てきちゃいました」

ゆかり「でもなんで首だけ？」

奏「SSR市原仁奈！」

紗枝「･･･」

まゆ「･･･」

奏「SSR市原仁奈！」

ゆかり「メンタル」

紗枝「で、五人分あったんはどうしてなん？」

奏「もちろん全員で寝泊まりするからに決まってるだろう」

まゆ「さようなら、また明日お会いしましょう」

ゆかり「明日も会いたくないですけどね」

かな子「辛辣だね。気持ちはわかるけど」

奏「逃がすか！」ﾊﾞｯ

まゆ「わ、急に起き上がりましたよ！」

奏「お初のメンバーが多いから親睦を深めようとしてるのに貴様らは！」

紗枝「奏はんがいつもの奏はんならよかったんどすけどなぁ」

ゆかり「まゆさん、お願いします」

まゆ「ええ」ｼｭﾙﾙ

奏「むー！」ｷﾞﾁｷﾞﾁ

紗枝「ほなさいなら、奏はん」

奏「エビフライの術ー！」

かな子「明日も演技レッスンがあるし･･･早めに寝ようっと」ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

かな子「ん？」

かな子母「かな子ー、お友達が来てるわよー」

かな子「今行くよー」

かな子「え？こんな時間に誰だろう･･･智絵里ちゃん？」


ｶﾞﾁｬｯ

奏「フハハハハハハ！！！」

ﾊﾞﾀﾝ

かな子「･･･」

ｶﾞﾁｬｯ

奏「フハハハハハハハハハ！！！」

かな子「なんでいるんですか！？」

奏「家庭訪問というやつを知らんのか？」

かな子「私の知ってる家庭訪問は夜中に高笑いしながらされるものじゃないんですけど」

奏「ちなみにちゃんとドアを開けてくれたのはかな子様が初めてだ」

かな子「わざわざ女子寮まで足運んでたんですか！？」

奏「他の奴らにはドアも開けずに『帰れ』と一蹴されてな。蹴破ったら腹に一発もらってしまった」

かな子「当たり前ですよ。修理代どうするんですか」

奏「そんなこと私の知った話じゃない」

かな子「最低だよあんた」

奏「それより頼みがあるんだが」

かな子「帰れ」

奏「あいつらの部屋に入るために協力してほしい」

かな子「奏さんのくだらないお遊びに付き合う時間はないんですが」

奏「ちなみに断ったらかな子様の家を聖帝十字陵に変える」

かな子「どんな脅し文句ですかそれ！？」

奏「さあどうする？」

かな子「･･･」

ゆかり「あれ？どうしたんですかかな子さん、こんな時間に？」

かな子「あ、本当にドア壊れてる」

ゆかり「そんなに大きなキャリーバッグなんか持って何かやるんですか？」

かな子「うん、確かに何かはやるね」

ゆかり「そういえばさっき奏さんが家庭訪問とか言ってドアを蹴破ったのでお部屋が寒くて困ってるんですよ」

かな子「ゆかりちゃん、そのことなんだけど･･･」

ゆかり「そのこと？･･･もしかしてその中身って･･･」

かな子「ご明察通り･･･今は寝てるみたいだけど、処理に困っちゃって。やるなら今しかないかなと思って」

ゆかり「奏さんの反感を買うのは嫌なんですけど」

かな子「そこをなんとか、お願い！」

ゆかり「うーん･･･仕方ないですね。かな子さんも同罪ですよ」

かな子「うん。ありがとうゆかりちゃん」

ー翌日ー



紗枝「プロデューサーはんがお芝居について話あるて聞いたから来たんやけど」

奏「フハハハハハハハハハ！！！！」

まゆ「来て損しました。帰りますね」

かな子&ゆかり（（なんでいるの？バッグの外から縛って物置に放置しておいたのに））

奏「まずはゆかりとかな子様にいろいろ言いたい気持ちもあるがそれは置いといておこう。寛大な私の心に感謝するがいい」

ゆかり「感謝するかは別の話として、今日はどういう要件で私達を呼んだんですか？」

奏「今日は他でもない貴様らのために『愛』とは何かを教えてくれる人達にこの私が頼んで来てもらった」

まゆ「まゆにとっては余計なお節介ですけど、たまには良いこともできるじゃないですか」

奏「それでは講師の方々カモン！」

茜「ボンバーーーー！！炎の茜！ただいま参上しましたーー！！！」

飛鳥「ふっ、耳の穴をかっぽじってよく聞いてほしい。ボクは飛鳥。風の飛鳥さ」

文香「知将、海の文香･･･でいいんでしたよね？」

フレデリカ「やっほー！雲のフレちゃんだよー！自由がモットー！よろしくねー！」

凛「乃々ォ！」

茜&飛&文&フ「「「「我ら、愛苦五車星！」」」」　凛「乃々ォ！」

まゆ「前言撤回します」

かな子「不安しかないメンバーなんですが」

ゆかり「まともな人が文香さんしかいませんよ」

奏「そう言ってられるのも今の内だぞ？」ﾄﾞﾔｧ

紗枝「なんで奏はんが見栄張っとるん？」

奏「では茜から、『愛』とはなんだ？」

茜「『愛』ですか！？うーん･･･んー･･･なんだかよくわかりませんが、とにかくパワーです！やる気とパワーさえ何でも乗り切れます！」

奏「役に立たない奴だ」

かな子「あんたが呼んだんでしょう！？」

茜「あとはご飯です！思いっきり動いた後のご飯はまた格別で！すっごい幸せな気分になります！この幸せは『愛』に繋がるのでは！？」

奏「クソほど役に立たんな」

まゆ「ホントなんなんですかあなたは」

奏「では次、フレデリカ」

フレデリカ「ふっふっふ･･･その質問に答えるか答えないかを選ぶのはフレちゃんの自由だよ」

奏「御託はいい。さっさと答えろ」

フレデリカ「んふ、自由」

奏「なんだこいつ」

ゆかり「こっちのセリフですよ！」

文香「いけません、フレデリカさんが自由を拗らせてしまいました･･･」

紗枝「『自由を拗らせる』ってどういうことなん？」

奏「じゃあ飛鳥」

飛鳥「『愛』か･･･改めて言葉にしろと言われると確かに言いにくいものだね。いや、厳密に言えば伝わりにくいか。『愛』は人それぞれなのかもしれないね。だから『愛』の意味を他人に話すことはできない。なぜならその本人にしか理解できない領域に『愛』は存在してるからだとボクは思うんだが、どうだろうか？」

奏「長い」

かな子「奏さんと同意見になるとは思わなかった。死のうかな」

ゆかり「自暴自棄になるの早すぎですよ！」

紗枝「せやけど言ってることには一理あると思うわぁ」

奏「だろう？」ﾄﾞﾔｧ

まゆ「だから奏さんが誇るところじゃないですよ」

奏「次は凛」

凛「乃々ォ！」

奏「うるさい」

凛「乃々･･･」

奏「静かになったから聞こう。『愛』とはなんだ？」

凛「乃々ォ！」

紗枝「なんで凛はんは『乃々』しか喋れへんの？」

フレデリカ「理解してる言語が『乃々』だけらしいよー」

かな子「一体凛ちゃんに何があったんですか･･･」

文香「一応言語講座を開いてなんとかしようとしてるんですが･･･」

飛鳥「凛さん、2+3は？」

凛「乃々ォ！」

文香「･･･と、非言語も無理なようで」

まゆ「どうしようもないですね」

奏「意思疎通ができないとか終わってる奴だ」

ゆかり「あなたがそれを言わないでください」

奏「最後に文香」

文香「そうですね･･･私も飛鳥さんと同じで、『愛』は人それぞれなのだと思います」

奏「同じ答えで恥ずかしくないの？」

ゆかり「黙っててください」

文香「最初の茜さんの『パワー』や『やる気』も、『パワー、やる気を愛してる』から前に進める。『ご飯を愛してる』から美味しく感じられる」

文香「フレデリカさんも『自由を愛してる』から気楽に生きていける」

文香「凛さんも『乃々さんを愛してる』から『乃々』しか言語が理解できていないのかもしれません」

まゆ「それはそれでまずいですよぉ」

文香「ですから、その人の行動原理には必ず『愛』が生じてるものだと私は思います」

奏「うぅ･･･ぐすっ･･･ふぇ･･･」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

紗枝「感動して流すのは汗やなく涙にしてほしかったわぁ」

かな子「感動して汗流すって意味わかりませんけど」

ゆかり「泣かないよう強がってるだけでしょう」

奏「わかったか貴様ら、『愛』とは人それぞれの中にあるということを忘れてはならんぞ」

まゆ「奏さんが最後を持っていかないでくださいよぉ」

かな子「締めが悪いことこの上ない」

紗枝「お茶淹れてきたえー」

紗枝「あ、奏はん何か言ってはったん？堪忍な」

ゆかり「ずるいですよ紗枝ちゃん一人だけ席外してるなんて」

紗枝「戻ってきたから許してや」

まゆ「ん･･･はぁ･･･やっぱり美味しいですねぇ京都のお茶は」

かな子「本当だよね。和菓子が欲しくなっちゃう」

奏「･･･」

ゆかり「どうしたんですか？」

奏「･･･」ﾁｭｳｳｳｳ

かな子「普通に飲んでくださいよ！」

まゆ「奏さんお茶苦手じゃなかったですよねぇ？」

奏「今甘いものが飲みたい気分」ﾁｭｳｳｳｳ

紗枝「知らへんわ」

ありすが見たらいくらイチゴ味でも泣くぞ

奏「今日のミーティングは以上だ」

ゆかり「これミーティングだったんですか」

奏「ミーティング以外のなんだったと思っていたというのだ？」

かな子「私達を苦しめる会」

まゆ「時間の無駄遣い」

紗枝「くだらんお遊戯」

ゆかり「新手の拷問」

奏「ひねくれた奴らだ」

か&ま&紗&ゆ「「「「あんたが言うな」」」」

奏「最後に一つ。紗枝、ゆかり」

ゆかり「なんですか？」

紗枝「どないしたん？」

奏「ロン毛が気に入らん。切れ」

かな子「個人の気持ちの問題で人の髪型変えようとしないで」

奏「では締めはあの曲でいこう。もちろん貴様らも強制参加だ」

かな子「本当にやらなきゃダメですか？」

まゆ「歌うことは百万歩譲ってもいいですけど」

紗枝「このべすと着るんはなぁ･･･」

ゆかり「どうせやらなきゃ帰れそうにないですし、この一回だけですよ」

奏「ツンデレ？」

ゆかり「殴るぞ」

紗枝「落ち着きやゆかりはん。ふるーとはそう持つもんちゃうで」

かな子「もうヤケになった方がいいのかもね」

まゆ「早く終わらせて帰りましょう。奏さん、始めてください」

奏「ミュージックスタート！」

ー『それが大事』ー
～歌：あいくるしくて 5(WO)MEN～

ﾃﾞｰﾝ ﾃﾞｰﾝ ﾃﾞｰﾝ

奏「Wow Ohーーーーーーーー」

ﾃﾞｰﾃﾞﾃﾞﾃﾞﾃﾞｰ ﾃﾞﾃﾞﾃﾞﾃﾞｰﾃﾞｰﾃﾞｰﾃﾞｰ ﾃﾞﾃﾞﾃﾞ ﾃﾞｰ

奏&ま&紗&か&ゆ「「「「「負けない事　投げ出さない事　逃げ出さない事　信じ抜く事」」」」」

奏&ま&紗&か&ゆ「「「「「駄目になりそうな時」」」」」

奏「それが一番　大事」

奏&ゆ「「負けない事」」

かな子「投げ出さない事　逃げ出さない事　信じ抜く事」

かな子「涙見せてもいいよ　それを忘れなければ」

奏「Wow Ohーーーーーーーー」

奏「Wow Ohーーーーーーーーーー」

奏「高価な墓石を建てるより　安くても生きてる方がすばらしい(↑)」

紗枝「ここにいるだけで　傷ついてる人はいるけど(ビブラート)」

ゆかり「さんざん我侭　言った後」

奏「あなたへの想いは変わらないけど」

紗枝「見えてる優しさに時折負けそうになる」


ゆかり「ここにあなたがいないのが淋しいのじゃなくて」

ゆかり「ここにあなたがいないと思う事が淋しい」

ゆかり「Wow Woh」

奏&ゆ&ま「「「でも負けない事　投げ出さない事　逃げ出さない事　信じ抜く事」」」

まゆ「駄目になりそうな時　それが一番　大事」

奏&ま&紗&か&ゆ「「「「「Oh Oh Oh Oh～～～～」」」」」

ゆかり「高価なニットをあげるより」

奏「下手でも手で編んだ方が美しい」

かな子「ここに無いものを信じれるかどうかにある」

まゆ「今は遠くに離れてる」

まゆ「それでも生きていればいつかはシャオ！」

奏「でも傷つかぬように　嘘は繰り返される」

奏「ここにあなたが いないのが せつないのじゃなくて」

ゆかり「ここにあなたがいないと思う事がせつない」

ゆかり「Wow Woh」

奏&ま&か&ゆ「「「「でも負けない事　投げ出さない事　逃げ出さない事　信じ抜く事」」」」

かな子「駄目になりそうな時」

紗枝「それが一番　大事」

奏&ま&紗&か&ゆ「「「「「負けない事　投げ出さない事　逃げ出さない事　信じ抜く事」」」」」

まゆ「涙見せてもいいよ」

紗枝「それを忘れなければ」

ゆかり「負けないこ、と･･･」

まゆ「投げ出さないこと･･･！」

紗枝「逃げ出さない事･･･っ！」

かな子「信じ抜くことぉ･･･」

奏「駄目になりそうな時　それが一番　大事ぃ･･･」

奏&ま&紗&ゆ「「「「負けない事　投げ出さない事　逃げ出さない事　信じ抜く事」」」」

奏「駄目になりそうな時」

ゆかり「それが一番」

奏&ゆ「「大事」」


ま&紗「「負けない事　投げ出さない事　逃げ出さない事　信じ抜く事」」

ま&紗「「涙見せてもいいよ　それを忘れなければ」」

～オルゴールイントロ～


奏&ま&紗&ゆ「「「「負けない事　投げ出さない事　逃げ出さない事　信じ抜く事」」」」

奏&ま&紗&ゆ「「「「涙見せてもいいよ」」」」

かな子「それを忘れなければ」


奏&ま&紗&か&ゆ「「「「「Oh Oh Oh Oh～～～～～～」」」」」

奏&ま&紗&か&ゆ「「「「「Yeah～～～～～～～」」」」」



End

どうしてこんなものを書いてしまったのか･･･
最後まで閲覧してくれた方、いないとは思いますがありがとうございます。
基本pixivで活動しているので、このようなサイトに投稿するのは初めてで緊張しました。
あいくるしいのイベントコミュ4話の奏のセリフを聞いていたら、よく槍投げてたりピラミッド建築してたり机蹴り倒してたりターバンのガキに足刺されてたりしていた聖帝が脳裏を過ったのでその衝動で制作が始まりました。
いつもは普通の奏を書いてますから。本当ですよ？

乙、面白かったよ

乙

シンデレラガールズ　いちご味

フレデリカだけ綺麗に合ってたの、なんかずるい

奏が原哲夫タッチで脳内再現されたんですが……