アニ「期待はしてない」 (47)
・進撃のSSです。
・エレンとアニしかでてきません。
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アニ「だって私の人生にどんな意味もないって信じているから」
アニ「ずっと感情を隠して生きてきたのに」
アニ「私は一人なんだ。そう思って生きてきたから」
アニ「このままずっと一人なんだ。そういう未来しか想像できない」
アニ「最近はそんなことばっか考えている。少し疲れているのかもしれないな」
アニ「いや…ずっと思っていたことだけど。考えないようにしていた」
アニ「だけどあいつと話してからどうもおかしいな」
アニ「なぜこんな気持ちになったのかはもうわからない」
アニ「きっと初めて話した時からずっとかもしれない」
アニ「そのときは私は口から空気しかでなくって
アニ「なにもいえなかったな」
アニ「いま思うと恐い顔をしていたかもしれない」
アニ「いまはずっと話してみたいって思う」
アニ「こんな感情を持つこともなかったのに。持ちたくなかった」
アニ「幸せになる資格も理由もないのに」
アニ「矛盾しているのはわかっているのに」
アニ「もう今年いっぱいでこの状況も終わりだ」
アニ「そうしたら離れ離れになってしまう」
アニ「そうなったら私はきっと手遅れだ
アニ「感情なんてなくなってしまうのだろうか」
アニ「その前に」
アニ「もっと私に勇気がほしい」
アニ「あいつと話せるような勇気が」
アニ「誰かを幸せにできるような勇気が」
アニ「自分を幸せにする思いがあれば」
アニ「生きていた理由があるかもしれない」
アニ「少しの勇気をだして話してみようか」
アニ「なにを話そうかな」
期待
アニエレか期待
アニ「朝から話そうとしているけどいざとなると難しいな」
アニ「もう夕食の時間だ」
アニ「周りに人がいたりタイミングが悪かったり」
アニ「だいたいいつもあいつは話かけようとするときは」
アニ「だれかと話していないときでも落ち着いてなくて」
アニ「トイレにいったり次になにか用事があるかもって思って」
アニ「…はぁ。言い訳ってことはわかってるけど」
アニ「だいたいさ何を話さばいいんだ?」
アニ「まずは自己紹介からかな?」
アニ「いやまずはあいさつからかな?」
アニ「それで好きなこととか聞いて自分の言いたいこともいって…」
ソルかと
エレン「…っおい。どうしたんだボーっとして」
アニ「ぇえ?! あっおはようございます」
エレン「あっえっと おはよう…いや夜だけど」
アニ「私はアニ・レオンハートです。あなたの名前は?」
エレン「えっ知ってるだろ?」
アニ「あなたの名前は?」
エレン「???俺はエレン・イェーガーです」
アニ(だめだ!自分でもなにいってるのかわからない)
アニ(絶対おかしいって思われてるよ)
エレン「えーとどうしたんだお前?」
アニ「あっあんたさ…好きな色ってなに?」
アニ(だからなにを言ってるの)
エレン「なんで急にそんなこと?まぁいいや…うーん そうだ俺は青が好きだな」
アニ「そう…」
アニ …
エレン …
エレン「…それで?」
アニ「…(マッシロ)」
アニ「あなたに会えて嬉しかったです」
アニ「じゃ、じゃあね。(なんかすごいこといってしまった)」
エレン「なんだぁ」
アニ「はぁーもう死にたい」
アニ「けどまぁ話せたしいいかぁ。頭がおかしいとか思われてなきゃいいけど…」
…
アニ「この前話してから何日もたってしまった」
アニ「とはいえ,次はどうしようか?もう手詰まりだ…」
アニ「えっとそういえば今日は食事の当番だったな」
アニ「作るのは嫌いじゃないけど片付けはめんどくさいな」
アニ「…じゃみんな食べ終わったからそろそろ片付けしなくっちゃ」
アニ「あれ?一人分残ってる。まだ時間があるから大丈夫だけど」
アニ「だれだろうな。早く食べてもらって片付けたいのに」
タッタッタ
アニ「あっ来たみたいだ」
エレン「悪いまだあるか」
アニ「!!あっあるよ」
エレン「あ…アニか。悪い遅くなって」
アニ「いいよ別に。スープくらい温める?」
エレン「あぁ頼む」
ゴトゴト
エレン ジー・・・
アニ(なんか見られてる。やりずらいな)
アニ(なんでよりによってあいつが)
アニ「はい。どうぞ」
アニ「ありがとな」
アニ「なんで今日はおそかったの?」
エレン「あぁ自主練してたんだ」モグモグ
アニ「へぇ熱心だね。あとそんなに急いでたべないでいいよ」
エレン「そうか悪いな」
エレン モクモク
アニ ジー・・
エレン(すげぇ見られてる。食いづれぇ)
エレン「あー他の当番は?」
アニ「全員は残っててもしかたないから」
アニ「他は帰ったよ。(じゃんけんでまけたからね)」
エレン「そっか。・・・あー食ったごちそうさま」
アニ「はいどうも。食器こっちにもってきてもらえる?」
エレン「はいよ。えっと俺も一緒に片付けるよ」
アニ「別にいいけど」
エレン「じゃやるか」
アニ「っえ?(否定のいいけどなんだけど)」
アニ「じゃじゃあ洗った食器をしまって」
エレン「うん」
アニ(素直だ)
アニ(こうして二人で家事をしていると家族みたいだな)
エレン「なんかこうしていると家族みたいだな」
アニ「なにいってるの?(言われた?というかそう思ってたの?)」
アニ(というか思ってても言う?)
エレン「悪い。けどお前を見てたらそう思ってさ」
期待してる
ベーリング海峡さんの嫉妬が・・・
アニ「(どういう意味だろう)私は家族って柄じゃないね。」
エレン「そうかお前は一人のほうが好きそうだもんな」
アニ ・・・。
アニ「すきじゃない」ボソッ
エレン「っえ?」
アニ「すきじゃないっていったんだ」
アニ「ひとりでいることが好きな訳ないだろ」
アニ「喜ぶことも泣くこともできないし」
アニ「したってそれがなんなのかよくわからないだろ?」
アニ「だってだれもみていないし,誰も知らないんだから!」
エレン「ちょっ悪かった。落ち着いてくれよ」オロオロ
アニ「でも私は一人だから…」
アニ「自分で自分の感情しか知らないのはもう嫌なんだ」
アニ「だけどもう自分が手遅れだと思うこと」
アニ「まだ間に合うという気持ちと」
アニ「みんないなくなってほしいと思う気持ちは」
アニ「まだ私の中にあって」
アニ「それは私が弱いせいだ」
アニ「奪うだけの人生が正しいのか人を幸せにできなくて」
アニ「自分も幸せにできずになんのために。生きて死ぬのか」
アニ「考えてしまうともう…」
エレン「なんでだよ。なんでそんなこと…俺に…」
アニ「なんでって…」
アニ「あんたは思うように生きているじゃないか」
アニ「何よりも強い意志で感情で…」
アニ「仲間もいて」
アニ「それらは私にはないものだから」
アニ「あぁもっと考えてからはなしたかったよ」
アニ「ずっと考えていたけど変わらなかったかもしれないけど」
エレン「正直お前のいっていることが俺にはよくわからないんだ」
エレン「でも…お前が悩んでいたりするのが俺は嫌なんだ」
エレン「長い間ずっと考えていて苦しんでいてつらかったんだから」
エレン「お前が望むならいつでもそばにいるし話を聞くからさ」
エレン「だからさうつむいたり,悲しい顔をしなくても…」
エレン「一人にはしないから…えーと」
わぉ…結婚式行きか
アニ「…っふ。」
エレン「何で笑う!?」
アニ「いや…悪いね」
アニ「あんたも喋るのが苦手だなぁと思ってさ」
アニ「…けどありがとね。私なんかのために考えたりしてくれて」
アニ「えーとさ…最後に最後でいいんだ。手を手を…つないでくれないか?」
エレン「あぁ…。これでいいか?」スッ
アニ「うん」キュッ
アニ(私は世界中の誰からも嫌われていいと思っていた)
アニ(それはいまもそうだけど,そういうことをしたから当然だ)
アニ(これからもずっと幸せでなくていいからさ)
アニ(いまだけはこのままでこの気持ちでいさせて)
アニ「ありがとう。これで私は…」
エレン「俺からもいいか?」
アニ「なに?」
エレン「もう一回だ」
アニ「?いいけど…」スッ
エレン「うん。明日もよろしくな!」ギュッ
アニ「…えっ?」
エレン「っおい。どうしたんだ?泣くなよ」
エレン「嫌だったか?」
エレン「なんかさ」
エレン「最後みたいでいやだった」
エレン「それだけだ。いなくなったら寂しいしさ」
アニ(あぁ…私は弱いな。こんなにもさっきまで思っていたことと)
アニ(違うことを思うなんてさ)
アニ「なにいってるの?あんたは・・・」
アニ「・・・うん。そうだね。よろしくね。」
…
アニ「あれから少し話すようになった」
アニ「変化といえばそれくらいだ」
アニ「今日も食事が終った後の食堂で」
アニ「少し話す」
エレン「よう。どうしたんだ。なんか体調悪そうだな」
アニ(以前ならまぁねだけで終らしていただろうけど)
アニ(今の私は弱くなったのか強くなったのかよくわからない)
アニ(とりあえず話すことにしてる)
アニ「いや…うんまぁ怖い夢を見たんだよ」
エレン「へぇ子供っぽい理由だな」
アニ「うるさいね…」
エレン「…でどんな?」
アニ「聞いても楽しい話じゃないよ?」
エレン「いいからさ」
アニ「じゃ…その夢っていうのは昔からたまに見ていて」
アニ「気がついたら周りは血にまみれた」
アニ「なにかがあった見たくなかった。理解したくなかったから」
アニ「それはなにかなんだけど。恐くて手で顔を覆っていたら自分の手の皺から」
アニ「血がにじんできてそれがこわかったんだ」
アニ「そう…いつもは怖いままで夢から覚めても…もう嫌だったんだ」
アニ「最悪なことに最近はその夢が怖くなくってきたんだ」
アニ「怖いことが怖くなくなったらもう私は…」
アニ「あー…だめだうまくしゃべれていないね」
アニ「うん。とにかくそんな夢を見たんだよ」
エレン「へー」
アニ「…聞いてもらってなんだけどもうちょっとなんか言えないの?」
エレン「うーん…」
アニ「期待した私が馬鹿だったよ」
アニ「とにかく。聞いてくれてありがと」ニコッ
エレン「おぅ。(前より笑うようにようになったな)」
エレン(けどなんでいつも寂しそうに笑うんだろう?)
アニ「なに?」
エレン「っえ?いやなんでもない。そういえば」
エレン「明日は休みだけどなんか予定あるか?」
アニ「特にないけど。」
エレン「じゃあさ訓練を一緒にしないか?」
アニ「えー最近暑くなってきたからな。ちょっと面倒だな」
エレン「じゃ午後過ぎてからやろうか。それなら段々涼しくなるしな」
アニ(こいつはあんまり人の話聞かないね)
アニ「わかったいいよ。午後からね」
次の日
エレン「ようっ来たな。早速やるか?」
アニ「いいけどやっぱり暑いね」
エレン「そうだな。まぁ軽めにやるか」
エレン「じゃお前が暴漢役な」
アニ「OK。いくよ」
エレン(とりあえず来たところを右ローキックで止める)
エレン(げっあたんねえ。途中で止まりやがった。)
エレン(あっちょっと笑ってる。あれっ?視界がなくなってく)顔面右ストレート
エレン「いってー。やっぱり強いなお前は」
アニ「別にあんたが弱いわけじゃないよ。ただ」
エレン「ただ?」
アニ「動きがわかりやすい。最初からローを打つ体勢になってたし」
アニ「目線もバレバレあとそのあまった手でガードくらいしなよ」
エレン(いや。弱いっていわれてるよな。)
エレン「…じゃ俺が暴漢役な」
アニ「うん」
エレン(あれ?あいつも右ローの姿勢だな)
エレン(あっ来たな。予想通りだこれをガードして反撃してやる)
エレン(軌道が変わった!またみえなくなった。)首蹴り
エレン「いってー…。なんで右ローが上段にくるんだ…」
アニ「はっはっは。悪い悪いあまりにもあんたがわかりやすかったから」
エレン「…いくら俺でも少し傷つくぞ」
アニ「悪かったってさっきの技教えるから」
エレン「ほんとか?」パァァ。
アニ「ほんと(やっぱ単純だな)」
エレン(なんか楽しそうだな)
・・・
エレン「…じゃこんな感じにして休憩するか?」
アニ「そうだね休憩しよう」
エレン「あそこに木陰があるからあそこいこうぜ」
アニ「そうだね。けどその前に井戸で顔洗ってくるよ」
エレン「あっ俺もいく」
バシャバシャ
エレン「あー気持ちいいな」
アニ「そうだねってあんた頭から水かぶって」
アニ「びしょびしょじゃないか?」
エレン「すぐ乾くからいいだろ?」
アニ「よくない。ほらタオル貸すから拭いて」
エレン「はいはい」フキフキ
アニ ・・・
エレン「休むか。タオルも木にかけて乾かしたいし」
エレン「おっやっぱり木の下は涼しいな」
アニ「そうだね。日も暮れてきたのもあるけど」
エレン「あーなんか涼しいし,疲れたから少し寝ていいか?」
アニ「いいよ。私も少し休みたいから」
エレン スー,スー・・・
アニ(あっ5分もたたずに寝たな。)
アニ(寝つきいいな。私も眠くなってきた。)
アニ スー.スー・・・
アニ(あーまたこの夢か。)
アニ(けどなんかいつもと違うな)
アニ(なんか温かいな。あっそうかそうだね)
アニ(夢の中でも眠たくなってきた・・・)
・・・
エレン「おい。おきろアニ」
アニ「わっ」
エレン「なに驚いてるんだ?」
エレン「もうすっかり夜になっちまったよ」
アニ「そうみたいだね。(タオルがかかってる。かけてくれたのか…)」
エレン「じゃ帰ろうぜ。今日は月がでているから帰りやすいからな。
アニ「うん…。」
エレン「しっかしじっくり見たことなかったけど星ってすごい数があるな」
エレン「どのくらいあるんだろう?人の数より多いかな?」
アニ「さぁね・・・」
アニ「そういえばさ。ねぇなんで青が好きなの?」
エレン「なんだ突然?えっと…」
エレン「青はなんか自由って感じするだろ空の色で」
アニ「あぁそういう理由か。納得したよ」
エレン ・・・
エレン「…いや悪い。今のは後付の理由だ」
アニ「後付?」
エレン「あぁいまだから言うけどさ。あのときは急に聞かれたからな」
エレン「目の前にあった綺麗な色をいったんだ」
アニ「あのときは食堂だよ?そんな色なかったじゃない」
エレン「いや目の前にあったんだよ」
アニ「えーなかったよ」
エレン「お前の目がさ,綺麗な色してた」
アニ「!!!・・・」
エレン「…黙るなよ」顔マッカ
アニ「…ずいぶんとまぁ恥ずかしいこというね」顔マッカ
エレン「俺も恥ずかしいって。いまだけしか言わないよ」
アニ「ふーん。じゃ私もいまだけってことで」
アニ「手をつないで」
エレン「あぁ…わかった」
アニ「今日さ怖い夢を見たっていったろ」
エレン「うんそうだな。そういえばさっきも少しうなされていたな」
アニ「そうその夢をあのとき見ていたんだ」
アニ「夢の中で私はあーあの夢かって思っていて」
アニ「いつものように見たくないのに自分の手を見ていて」
アニ「血にまみれた自分の手を。けどいつもと違ったのは」
アニ「その手を誰かが手当てしてくれたんだ」
アニ「包帯を巻いて。手を握ってくれた」
アニ「その誰かは私がみたくないものに向けてキッと瞳を向けて」
アニ「なにかをいったんだ。そうしたら私の怖いと思う気持ちは」
アニ「段々薄まってきてそれで目が覚めた」
エレン「へー誰が助けてくれたんだろな?」
アニ「本気でいってる?」
エレン ・・・
アニ「目の前にいる」
エレン「うん…」
アニ「うん…」
エレン「そういえば俺も夢を見て泣くことがあったんだ」
エレン「俺の場合はどんな夢だか覚えていないけど」
エレン「起きてから目の前にしっているやつがいたから安心したな」
アニ「意外だね。あんたはもっと強いかも思っていたよ」
エレン「悪かったな」
アニ「いや悪くないよ」
エレン「そうか?まぁいいや。それよりもう着くぞ?」
アニ「うん。そうだね…」
エレン「どうした?」
アニ「一度目をつぶって?」
エレン「?わかった」
アニ「じゃいいよ目をあけて?」
アニ「どう?目の前にいるけど安心した?」
エレン「・・・」
アニ「なんか言ってよ」
エレン「正直 安心というかびっくりした」
エレン「うん。けど…ありがとな」ダキッ
アニ「ちょっ!くっつきすぎだって」
アニ「まぁいいか」
アニ「ねえ。私がもう一度目を瞑ってまた開けてもまたいてほしい」
エレン「いつでもそうするよ」
エレン「いつでもそばにいるから」
アニ「ふふっそうだったね。話も聞いてね?」
エレン「あっ笑ったな。(笑っていてくれよ)」
・
・
・
・
・
・
アニ「いまになってあの時のことを思いだすのは」
アニ「いろんな言葉じゃなくて」
アニ「訓練のときのあいつの単純さとか」
アニ「水をかぶっていたあいつの姿や」
アニ「たくさんの星と石炭袋と南十字星があったこと」
アニ「私はどうすればいいのだろう時間はもう少ないな」
終わりです。
ありがとうございました。
乙乙!良かったです。
乙 良かった
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