ダンガンロンパーズ <カントリーモード>
このスレはダンガンロンパーズのメンバーによる原作で言うアイランドモード、スクールモードのようなものです。
ロンパーズ本スレの主人公は渚、神谷、柿生でしたが、
こちらのスレの主人公は柿生 小雪と舞丈 千人の2人になります。
詳しい詳細、ルールなどはプロローグと共に
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1476149006
なお本スレから渚の先生が正式に登場しますので
その方の名前を募集します。
元超高校級の探偵で男性です。
あ、指定が不十分でしたね
↓10まででお願いします
山田 花子
草薙征一郎
秋雨 真司(あきさめ しんじ)
一柳 龍一(いちやなぎ りゅういち)
十条坂 令遵郎(じゅうじょうざか りょうじゅんろう)
長澤 響(なぎさわ ひびき)
アルフォース・ロスチャイルド
鏑木 征司郎
かぶらぎ せいしろう
白樺 智人(しらかば ともひと)
江南森 汐路(えなもり しおじ)
名前ありがとうございます
この中から決めさせていただきました、発表はカントリーモード本編にて
さらに募集はしていませんでしたが、「アルフォース・ロスチャイルド」をアナの父親の名前という形で採用させていただきます
あと、このスレではロンパーズと違って日常的な小ネタもどんどん書けると思うので、こんな話やってほしいだとか、気になる話があったら教えてもらえればもしかしたら書くかもしれません
準備もできてきたので、もうじき始められそうです
もうしばらくお待ちください
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???「そうだね…だから僕が君にかけるべき言葉は、とりあえず『さようなら』なのかもしれないね」
期待
お待たせしました、プロローグから開始します
ここはそこそこ田舎な所、「桐場町」
高い建物は見えなくて、緑は生い茂り、畑から届く優しい土の匂いと、何より穏やかな場所で、私は…いえ、私たちはそこにいた
私たちはそれぞれ超高校級の才能を持った希望ヶ峰学園生
だけどきっと、他の希望ヶ峰学園生さん達と比べると、私たちの学園生活は一風変わったものだったんだと思う
<<<カキエ<<<
ピピピピッ!!!ピピピピッ!!!!
柿生「うーん…」
ピピピピッ!!!!!ピピピピッ!!!!!!
柿生(プルプル
ピピピピ……
柿生「わかりましたよ…起きます!起きればいいんでしょう!?」(ガバッ
私は渋々目覚まし時計を止めた
無理やり起こされてしまうのはやっぱり気持ちのいいものじゃないけれど、こうやって無事に起きれた事は喜ばしい事だと思う
今日から2年生、昨日までの楽しかった春休みは終わり、変わらず楽しいはずである学校生活が再開する
そんな事考えながら、無事に目覚めることが達成できた時刻を確認してみると
「8:45」
柿生(8時45分……?)
ちなみにホームルームは9時から開始…だったはず
本来なら今くらいに学校に到着しておきたいくらいで…
柿生(じゃあなぜこんな時間に起きたんでしょうか…?)
スヌーズ回数「4回」
私の時計は10分ごとになるようになるスヌーズ機能付き
つまり私は4回目になるまで時計のアラーム音を煩いとすら感じなかったという事になる
柿生(………た、大変です!!)
慌ただしく立ち上がり、鏡も見ずに希望ヶ峰学園の制服に着替えると、朝ごはん代わりに冷蔵庫から牛乳をコップ2杯、プリンを一つ流し込んで歯磨きへ
柿生(えっと、アレとコレと…ああもう、忘れ物ないでしょうか?髪はもう学校に向かいながら纏めましょう)
確認も不十分のまま玄関のドアを開けようとした瞬間
柿生「あ!」
私とした事が、一番大事な物を忘れていた
かけてあったスモックを乱暴に引っ張り取り
机に置いてあるスケッチブックと画材を丁寧に手に持つと、今度こそコテージから飛び出しました
柿生「行ってきます!」
・
・
・
・
すっかり顔馴染みになったご近所の方々に挨拶をしながら、学校に向かって走っていると
目に見える距離に小柄な女の子がいた
柿生「み、右町さん!?」
右町「?……おはよう…柿生さん?」
柿生「急がなくていいんですか?もうすぐ9時ですよ!?」
右町「………初日だから、9時半から」
柿生「…………え?」
柿生(そういえば去年度の最終日でそんな事を言われたような……)
柿生「じゃあ、まだ全然間に合う…ですか?」
右町(コク
柿生「はぁ…私ったらまた早とちりを…」
右町「柿生さん…寝癖…」
柿生「はい、見ての通り何も直してません。顔を洗ったくらいで」
???「まったく朝早くから無様な事だ」
柿生「む、この声は…」
後ろを振り向くタイミングを見計らって、わざわざ仁王立ちを決めてるような人物は1人しかいない…
柿生「藤原くん!」
藤原「貴様、それでも超高校級としての自覚があるのか?そのような情けない姿で登校するとは言語道断だぞ…」
柿生「自覚と言われても、私なんて絵を描く事以外は…」
藤原「ふん、またそれか、嘆かわしい」
そんな事を話ながら、今日は右町さんと藤原くんと登校した
?希望ヶ峰分校?
私達が登校している学校はここ
希望ヶ峰学園がこの生活のためにわざわざ廃校を改装してできた希望ヶ峰分校
本校と比べてしまうと流石に見劣りするけど、充分立派な校舎だ
柿生「あ、ナギくん!おはようございます!」
渚「ああ」
たまたま目に入ったナギくんに挨拶をすると、彼はは表情も変えないまま申し訳程度にこちらに手を振る
そっけないけど、彼はこれが普通で、逆に満面の笑みで元気よく「おはよう!」なんて返してこようものなら、
何かの病気にでもかかったのかと疑わざるを得ない
藤原「奴は挨拶もまともにしないのか……」
柿生「手を振ってくれただけいつもよりマシです」
いよいよ校舎に入る前に、右町さんがふと私の服を引っ張ってくる
右町「……図書館に寄ってくる」
柿生「はい、わかりました。ホームルームまでには戻ってくださいね」
右町(コク
~教室~
神谷「お、ユキ!間に合ったのか、昨日ホームルームの時間教えなくて正解だったぜ」
柿生「な、わざとだったんですか?酷いじゃないですか!」
神谷「だって、今日のホームルームがいつもより30分も遅いって知ったら、お前その時間通りに目覚まし設定して寝坊して遅刻するだろ?初日から朝起こしに行くのは億劫だったんだ」
柿生「ち、違います。ちゃんといつもより30分遅く起きて、無事ここに到着したんです。時間通りの予定通りです!」
神谷「……その寝癖でか?」
柿生(ギクッ
柿生(わ、忘れてました…)
残念な事に私は少しでも見栄を貼ろうとするととすぐにばれてしまうもので……それを為すどころか綺麗に墓穴を掘っていた
ホームルームまでの時間、久しぶりに会う方もいるので話を弾ませていると…
???「うーっし、始めるぞ?」
パイプを吹かしながら先生が入ってくる
???「お、全員いるな?よしよし……ん?なんで全員いるんだ?」
柿生「ど、どういう意味です?どことなくピンポイントな疑問な気がするんですが…」
???「ピンポイントにそういう意味だ」
???「さてと、あー残念ながら今年度も変わりが見つからず、この学科を担任する事になってしまった鏑木 征司郎(カブラギ セイシロウ)だ」
舞丈「今年度…?」
鏑木「どうしたんだ、舞丈?」
舞丈「あ、いえ…あの、おかしな事を質問しますが、僕たちは今…何年ですか?」
鏑木「……珍しく寝ぼけてるのか?」
舞丈「……ちょっとした確認ですよ、言われてしまえば、もう上級生なんだと自覚も持てるものだ」
鏑木「そんな風に構える必要はないと思うがねえ…あー、つまりお前らは今日から高校2年生だ。下級生はここにはいないが自覚を持つよーに!…これでいいのか?」
舞丈「2年…そうだね…何もおかしなところは…」
鏑木「舞丈?」
舞丈「いえ、大丈夫です。水を差してしまって申し訳ない」
柿生(?)
鏑木「そ、そうか。でまあ、残念な事に残念な事に今年も担任は俺だ」
相良「そ、それにしても、まるで、凄くやりたくなさそうな言い方ですね…」
鏑木「嫌だからな。俺は本来探偵なんだ。それを黄桜のヤローが『鏑木征司郎は実は超高校級の講師の才能も持ち合わせている……んじゃないの?』なんて事を天願学園長に吹き込むからこんな目に…」
白川「この展開、そのセリフ何回目?そろそろマンネリよ!カッ…」
鏑木「カットはいらない、あとこれからも何度でも言うだろうから大人しく付き合うように」
こんな風に文句を言いながらも、彼は去年度はこのクラスを纏め上げてきた凄腕の担任だ
宍戸「つか、嫌なら突っぱねりゃいいのによ。もう半年はやったんだし」
鏑木「大人にはやむにやまれぬ事情があるんだよ。借りだとかそういうのがな…」
鏑木「えー、とりあえずやれって言われたから、このプログラム『超高校級の田舎生活』の概要をもう一度説明するぞー」
そう、私達がこの分校に来る事になったのは学園本校での生活にやっと慣れてきた夏休み明け前のこと…
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※原作の時系列が良く分かっていないんですが、ここでは天願さんが学園長だったころを前提にしています
天願「やぁ、悪いな。休日の中呼び出したりして」
柿生「い、いえ…」
アナ「別に忙しいわけじゃないけど」
相良「僕達、ひょっとして、な、なにかやらかしていたりしました?」
私と相良くん、その時は特にこれといって交流のなかったアナさんこと留学生のアナスタシアさん
以上3人がが学園長室に呼び出されるとい自体
私たちはそれぞれ不安を抱えて臨んだわけだった
天願「いや、そこは心配せんでも良い。説教だとか注意だとか、そういう類の話ではないからの」
柿生(ホッ…ひとまずは安心です。でもだったらなぜ?見たところ私たちには共通点も見当たらないような…
天願「世知辛い話になってしまうんじゃが、世の中不景気での、その影響はこの希望ヶ峰学園も例外ではない」
アナ「お金の問題?」
天願「今のところ超高校級の才能を持った君たちのような人材を、3クラスに分けられるほど人数を招いているが…」
そう
この学園生徒の人数は普通の学校に比べて少ないけれど、クラスはきちんと3クラスある
私とナギくんとシンちゃんは見事に分かれてしまっていた
天願「資金不足を考えて、3年後からは新たにスカウトする人数を減らす方向でほぼ確定じゃ」
相良「そうなんですか!?ちょっと寂しい話ですね…」
天願「予備学科を創設するなんて話も出ておるが、そもそもワシは今年で退任なんじゃよ。その立場を考えると口も出しにくくてのう」
柿生「よびがっか…?」
アナ「資金が足りないなら、家からいくらか…」
天願「いや、それには及ばん。その代わり、ワシの提案を聞いて欲しいんじゃよ。無論、強制はせん考える時間も設ける」
相良「提案って…やっぱり僕たちにですか?」
天願「うむ」
私と相良くんは顔を見合わせた
考えてみるも、資産家のアナさんはともかく、やっぱり私達に資金不足を解消するお手伝いなんてできそうにもない
天願「生徒の人数を減らすというのは単純じゃないんじゃ。当然のことかもしれんが、生徒を減らす事によって運営の勝手が変わったり、他にも色んな影響が考えられる」
天願「実は、人数を減らすに当たってその状態の予行演習をしたいという名目で、ある企画を始動しようと思っているんじゃ」
アナ「予行演習…アタシがここに招待されたみたいに?」
天願「うむ、知っての通りノヴォセリック王国の王姫様をスカウトするためにその予行として、同じ国の有力な資産家の娘であるアナスタシアさんを招いた。」
柿生(あ、そう言う理由だったんですか)
アナ「じゃあ、やっぱりそれと似たような事をやるって事なんだ」
天願「察しが良くて助かる。なにぶんこの学園にかかる世間からのプレッシャーは凄いもので、不手際など許されんからの…せっかく海外から招いておきながらこの話を持ちかけるのは少し筋違いな気もするんじゃが、お前さんのためにもなると思っておる」
天願「他の2人もそうじゃ、君らを選んだ理由はちゃんとある」
柿生「そ…それで何をすれば」
天願「おお、すまん。話が脱線してしもうたな」
天願「では、満を侍して発表しよう。このプログラムは題して『超高校級の田舎生活』じゃよ。」
柿生「い、田舎生活ですか?」
天願「うむ、直ちに生徒の人数を減らす事なんて当然できんからの。今いる生徒の中から何人かに田舎に送り、協力しながら生活してみて欲しいんじゃ」
アナ「なんか…会社の左遷とか出向?みたいだね…」
天願「左遷と言ってしまえば聞こえは悪いが、きっとお前さんたちにとって大きな経験になると思うておる。先ほども述べたが、強制ではない。断ってもらっても構わないし、行って無理だと感じてから途中で戻って来てもらっても構わん。さらに特典や報酬も用意するつもりじゃ」
相良「で、でもどこに?」
天願「桐場町というところに、廃校を改装した希望ヶ峰分校を創設してある。流石にここほどではないが、設備の質は保証する。さらに1人に対し一軒のコテージも用意してある。教師役もここの卒業生じゃ」
最初聞いた時は、それなりに驚いたし、疑念もあったけれど
ここまで聞いてみるとかなり大掛かりな企画な上、報酬も出るとは、意外と凄い話なんじゃと思えてしまう
柿生(へぇ…………いえ!でもでもでも)
柿生「わ、私達だけですか?」
天願「うむ当然の疑問じゃ、質問には答えんとな。君達は言うなれば先発部隊じゃよ。一ヶ月以内に14人集める予定じゃ」
柿生「あ、そうなんですか…」
天願「くどいようじゃが、強制ではない。嫌ならここで断って…
相良「あ、僕いいですよ!行きます」
天願「む、本当か!」
相良「実は僕、都会が苦手なんです…そりゃ便利だし楽しいけれど、ちょっと落ち着かなくて。体を動かす事が取り柄の僕なら、どこにいたってやる事は変わらないでしょうし、田舎に行けるならむしろ万々歳というか」
天願「そう言ってもらえると心強いの。前向きな君に頼んだ甲斐があった」
相良「はい!まだイマイチイメージできてはいないけど…」
アナ「うーん、アタシもいいよ?行っても?」
天願「お前さんも行ってくれるのか!」
アナ「アタシこっちに来てからなんでか、避けられてるというか別の次元の人間としてみられてるというか…そりゃ結構有名な資産家の超美人外国人な姫ってきたら近寄りがたいのもわかるけどさ…正直いい気はしないんだよね…」
柿生・相良(自分で美人って言った…)
アナ「だから、また新しい環境を用意してくれたならアタシは行ってみたい。学園長さんはそういう意味でアタシを呼んでくれたんでしょう?」
天願「それはお前さんの捉え方次第じゃ、こちらからあえて言及はせんよ」
相良「あ、じゃあ君とはしばらく一緒になるんだね。よろしく!僕は相良明、超高校級の体育委員です!」
アナ「アタシはアナスタシア・ロスチャイルド、アナでいいよ?体育委員さんか…ちょっと長いから体育くんって呼ぶよ」
相良「え…いや、構わないけど、別に名前でもいいよ」
アナ「これはアタシの個人的なこだわりだから、大丈夫、名前はちゃんと覚えるよ」
相良「そうなの?」
2人は今まで特に接点もなかったのでさっそく自己紹介で盛り上がっている
アナさんは思ったよりもおおらかな人で、仲良くやっていけそうな雰囲気だ
柿生(でも、なんか置いてけぼり…)
相良「あ、ごめん柿生さん…君はどうするの?」
柿生「うーん…どうしましょうか?」
柿生「実のところ、結構興味はあります。相良くんと同じでどちらかと言えば都会より田舎の方が好きですし…」
柿生(でも、それ以前に私にとって重要なのは…)
柿生「天願学園長さん」
天願「なんだね?」
柿生「他のメンバーってもう決まっているんですか?」
天願「いや、目星はつけてあるんじゃが…」
柿生「一つお願いがあるんですけど、いいですか?」
天願「うむ、できる限りの希望は聞こう」
そこで、私は2人ほど誘いたい人がいる事を告げて、了解を得た後
当然の如く、ナギくんとシンちゃんにその話を持って行き
神谷「どうしたんだ?またなんか悩みでもあるのか?」
柿生「悩みというか…」
神谷「まあ、もう今となっちゃ柿生の口からどんな悩みが出ても俺は驚かないぜ。ゴク…ん、このドリンク美味いな…」
柿生「実は別の学校に通う事になりまして…」
神谷(ブーーーー!
シンちゃんは飲んでたジュースを盛大に吹き出した
渚「どうした?」
神谷「いや、お前も驚けよ!なに?転校!?」
柿生「ああ!すいません!言葉が足りませんでした…実はカクカクしかじかで…」
私は天願学園長に提案された事を完結に話し、2人を誘った
渚「ああ、別に構わないが」
神谷「少しは迷えよ」
という反応の後、シンちゃんは少し悩んだらしいけど、最終的にはOKを貰い…そして夏休み明け…
~希望ヶ峰分校~
天願学園長に先発隊と言われた通り、私、相良くん、アナさんは三人で一足早くここにやってきました
鏑木「担任の鏑木だ」
アナ「…」
相良「…」
柿生「…」
柿生(あれ?鏑木さん?どこかで聞いたことがあるような…)
鏑木「なんだ?」
相良「え?いや、終わりですか?」
アナ「もっとなんかないの?先生としてさ」
鏑木「先生として…ねぇ…、だから俺は気が進まなかったんだ」
鏑木「んまあ、これからもっと人数増えるけど、ここは田舎だ。気楽に過ごしてくれればいい。
鏑木基本的なカリキュラムはむこうと変わらない、ちょっと違うのは毎日一回総合学習として生徒の誰かに自分の才能に関係した授業を担当してもらうこと。
鏑木「みんなで力を合わせて農作物を栽培すること…あとはまぁ…おいおいだ」
アナ「うわ、テキトーだなぁ…」
相良「じゃああの…希望ヶ峰学園に通ってたんですよね?どんな才能で…?教師?講師?指導者?とかですか?」
鏑木「俺は探偵だ」
柿生(え?探偵?)
アナ「…」
相良「…」
鏑木「おいなんだ、そのあからさまに不満そうな目は、やることはちゃんとやるから安心してくれ。以上、じゃあな。ふぁあ…」
柿生「あ、あの鏑木先生…?」
鏑木「ん?なんだ?今日はいわゆる始業式、クラスもまだ三人しかいないんだ。もうやることはないぞ?あとは各自自己紹介でもしながら交友を深めたりでもしててくれ、あとコテージにお前たちの荷物が届いてるだろうからそれの整理も済ませとけな」
私は鏑木先生についてを聞こうとしたけど、求めてもいない返答が返ってきてしまう
その上、さっさと教室から去ってしまった
ガララ…
相良「行っちゃったね…」
柿生「だ、大丈夫なんでしょうか?」
アナ「…」
アナ「いや!このくらい気楽なほうがいいよ。ふぅぅ…やっと羽を伸ばせそう」
相良(アナさんってやっぱり、思ったより軽い人だね)
柿生(はい、とてもイメージしてた人とは違います)
・
・
・
・
それから、相良君はこの校舎の探検へ、アナさんは自分のコテージに向かっていきました。
私はどうしましょうか?
(鏑木「交友を深めたりでもしててくれ」)
確かにこの意見には賛成です。
それぞれの向かった場所へ行ってみましょうか?
prologue-1
※カントリーモードでは、基本的に誰かがいる場所を選択しながら物語が進んでいきます。
まだ、プロローグです。登場人物紹介はまた後になります。
↓2どこに行きますか?
1体育館(相良)
2職員室(???)
3コテ―ジ(アナ)
3
2
~職員室~
私も相良くんと同じように、なんとなく学校内を探索
するとなんとなく職員室にやってきていた
かなりこぢんまりした印象を受ける、ちなみにこの時の私は、ここが職員室だなんて気づいていない
柿生(ここはなんの部屋でしょうか?)
ガララ
鏑木「んん?」
柿生「あ、ごめんなさい!」
ガララ
中にはパイプを吹いている、鏑木先生がいて
びっくりした私は、反射的にドアをしめてしまう
鏑木「別に閉めなくてもいい…はたから見たら俺がやましいことしてたみたいだろ」
ガララ
柿生「そ、そんなつもりは!」
鏑木「…なるほどな」
柿生「???」
鏑木「さしずめお前は、俺の事をどこかで知っているような気がする…そんな違和感に苛まれているんだろう」
その時の鏑木先生はさっきの、すこしだらしない大人とは雰囲気が違っていた
柿生「や、やっぱりどこかでお会いしましたか?」
鏑木「そうだな、ついでにもう一つの疑問に答えるとここは職員室だ。普段は俺しかいない」
ここで初めてこの小さな部屋がこの校舎の職員室だと分かる
柿生「な、なぜそこまで…」
鏑木「用もないのに、職員室の扉を好き好んで開ける高校生なんていない。何かの間違いだったんだろう、「職員室」という表示もまだ出していない」
そこまでいうと、彼は足を机に投げ出し
鏑木「ふぅ…こんなところかぁ?にしても忘れられてるなんてな…まあお前はアラタと違って小学生のころ以来だし、仕方ねえか」
柿生(あ、元にもどりました…)
柿生「シン…神谷くんのこともご存じで?」
鏑木「ああ、もっというと渚 薫の事も知っている。それで探偵だ。なんかピンと来ねえか?」
柿生(ナギくんも知っていて…探偵…)
柿生「も、もしかして…ナギくんのお師匠さんですか!?」
鏑木「ご名答、久しぶりだな。てかデカくなったなお前」
鏑木(一部分除いて)
柿生「そ、そうですか?まさかこんなところで会うなんて」
昔…とある大事件(※後に外伝でやります)が起こった時、ナギくんが弟子入りして、私も何回か会っていた人だった
柿生「あれ?でもなんで学校の先生に?」
鏑木「なんでも、俺には教える才能があるらしい。うぬぼれじゃないぞ、お前たちをスカウトした奴に言われちまったことだ」
鏑木「それで………まあ色々あって今に至る」
柿生(結局何もわからないです)
鏑木「まあ、そういうわけだ。この立場のせいで、現在探偵業は休職中だ、まあしばらくは大人しく担任やってるから」
鏑木「困った事があったら言ってくれ、面倒だけど」
柿生「は、はぁ…」
柿生(あれ?こんな適当な人でしたっけ?)
・鏑木 征司郎(カブラギ セイシロウ)と出会った
・鏑木の好感度が1上がった
すいません、急用で一旦ここまで~
乙乙
白川さん久しぶりのセリフ…
日が暮れ始めてきた
柿生(暗くなってきましたね…早いうちにコテージに向かいましょう)
~柿生のコテージ~
私のコテージは学校から一番近い位置にあった
というか私が希望して、それが通ったのだ
理由は…私が寝坊ばかりするので、学校の近くじゃないと遅刻の恐れがあったから(残念な事にこれでも遅刻するんだけど…)
中に入ると部屋一面にダンボール箱と、机・ベッド・タンス…と基本的な家具は揃っていて
思ったより過ごしやすそうな印象だった
柿生(えーと…ありました!)
私は画材の入ったダンボールを開けて、イーゼル(キャンバス立て)を組み立てる
キャンバスを設置して、基本的な画材を机に並べる
柿生(…はい!)
今はこれで満足、いつでも絵が描ける状況が整うと自然と惚れ惚れしてしまう
柿生(さっそく何か描いてみましょうか…?)
と少しは外の様子を見に行くと
柿生「暗!?」
ここは街灯も極端に少なくな、あっという間に真っ暗になってしまう
懐中電灯は必須と言われて半信半疑だったけどこうなると納得しないわけにもいかない
とても風景を描くには適さない状況だった…
柿生(明日にしましょうか……)
一応今日見てきた風景を描く事もできるけど、せっかくなら眺めながら描きたかった
そうなると特にやる事もない…この町まで長旅だったし、お風呂に入って休む事にしようと思って部屋に戻ると
柿生(あ、ダンボールどっちゃりです…)
整理しなくてはいけない莫大な量の荷物があった…
~~~~~~~~~~~
鏑木「…右町…緑…、お前の名前は右町緑なのか?」
右町「…?……はい」
鏑木「そうか…はぁ、なんの因果かねぇ…」
右町「…………どうか…しまし…
鏑木「いや、なんでもないこっちの話だ。まあ先に来てるやつと仲良くやってくれればいいさ。お前を誘った奴も到着してるからな、はい以上」
右町「……はい」
~~~~~~~~~~~
・
・
次の日
・
・
~教室~
相良「…それで、駄菓子屋のお婆ちゃんがとても変…特徴的な人物でさ!」
アナ「今変って言ったよね?」
相良「え、えへへ…だって変な人なんだよ?なぜか僕の悩み言い当ててくるし!」
相良くんはさっそく何人かの町の人と話をしたらしい
私にはない行動力が羨ましく感じる
柿生「それにしても、相良くんに悩みがあるなんて…」
相良「僕だって悩むことぐらいあるよ?例えばペーパーテストの成績が芳しくないこととか…」
アナ「あー」
ガララ
鏑木「うーす、3人ともいるな?今日はさっそく新しく3人ここに到着したぞ」
アナ「あれ?案外早いもんなんだね?もっと長い時間がかかるかと思ったよ」
鏑木「お偉いさんも言ってたよ。案外早く集まったってな。どうでも良いが、お前日本語ペラペラだな」
アナ「まぁね」
鏑木「今日は資産家のお前とも釣り合いそうな奴や、英語が話せる奴も来た」
鏑木「いいぞ、入ってこい。それぞれ自己紹介しろ」
ガララ…
入ってきたのは、
穏やかそうで色々出来そうな男の子
小柄で大きな本を抱えた女の子
…なぜだか、仁王立ちを決めている男の子だった
円山「円山 幸近(マルヤマ ユキチカ)と申します。ホテルのベルボーイを務めていました。今後ともよろしくお願いいたします」
アナ「か、固いなぁ…」
円山「申し訳ございません。性分なもので」
アナ「だから固いって」
右町「…え、えと…」
円山「右町様…大丈夫、落ち着いて」
右町「う、うん……右町(ミギマチ)…です。図書委員…あ、下の名前は緑(ミドリ)……です。」
鏑木「まあ、そんな緊張すんな。そこのデカイのはともかく、座ってるメンツは大体悪いやつじゃないからよ、彼女は飛び級で入ってきてるからお前らより年下になるが、まあ同級生として仲良くやってくれ」
相良「もちろんです!ほら、僕も小柄だし。気軽に話しかけてきてよ」
柿生「はい!」
藤原「待て、何か聞きづてならないことを言われた気がするが?」
多分、さっきの「そこのデカイ奴はともかく」の部分だと思った
鏑木「聞きづてならなくないだろ、そう思われたくなきゃ少しはその態度を改めてみろ」
藤原「断る。我は藤原 皆人(フジワラ ミナヒト)。超高校級の皇族だぞ?この態度の何が悪い?」
藤原「それに何より!我は庶民どもには平等に接するつもりだ。えこひいきも邪険にもしない。だから安心するといい、右町…む?」
円山「み、右町様…」
右町(ジー
藤原くんの言葉とは裏腹に、右町さんは円山くんの後ろに隠れて、藤原くんを睨んでいた。
藤原「なぜ隠れる?」
アナ「そんなに凄むからでしょ?てか君も来たんだ王子くん」
藤原「いい加減、名前で呼ばんかアナスタシア」
アナ「やだ」
鏑木「はい、終わり終わり。続きは昼休みにでもやってくれ。ある程度人数はいるし、普通科目の授業は今日から始めるぞ」
あれだけ面倒くさそうにしていた先生の授業は、とても分かりやすいもので、教える才能があると言われてしまってもしょうがないと思えるものだった
・
・
・
・
~昼休み~
この希望ヶ峰学園の昼休みは長い。学校の外に出かけて帰ってきてもまだ時間が余るくらい
だから、ずっと教室に残ってる人は少ない
柿生(私もどこかに行きましょうか?)
prologue-2
↓2どこに行きますか?
1教室(円山)
2屋上(藤原)
3図書館(右町)
4駄菓子屋(???)
5丘の上公園(???)
2
2
すごい今更で申し訳ありませんが選択肢を間違えてしまいました
可能でしたら3に変更でお願いします
>>53
うおお!?マジですか
書いてしまったのでじゃあ藤原と右町両方やります
屋上に上がってみた
ドアを開けた時の隙間風が下にいた時のそれとはまた違う気がする
微かに冷たいというか
この屋上には柵がない
少し危険な気がするけど、そのおかげで見晴らしはかなりいい
小さな町全体が隅々まで見える
柿生(あ…
そこで私と同じように町を眺めている人に気がついた
柿生「なにしてるんですか?えっと…藤原くん?」
藤原「見ての通り、我がこれから過ごしていく町を眺めているのだ」
柿生「いい景色ですよね」
藤原「見晴らしは悪くない、だがこの町は不便そうだ」
柿生(……)
藤原「交通はもちろんの事、街灯もなく夜道は危険そうだ。他にも…改善点はたくさんありそうだな」
柿生(なんかムードが壊れますね…)
柿生「藤原くんは、なんでこの企画への参加を決めたんですか?」
強制ではないのに、この話に乗ってやってきた挙句に町を見ながら文句を垂れ流すのを見ると
聞きたくなってしまう
藤原「それはだな……ふん、貴様に話す必要があるのか?」
柿生「な!……ごめんなさい」
ここで謝ってしまうのが私のダメなところだ
藤原「……はぁ、思った通りか」
柿生「なにがです?」
藤原「お前、自分にとってそぐわない答えが帰ってきた場合は言い返すべきだろう?どうして謝る必要がある?対等の立場かつ、初見で意味もなく高圧的な態度を取られたのなら尚更だ」
柿生「じゃ…じゃあ、私を試すためにわざとですか?」
藤原「違う、我は思ったことを言ったまでだ」
柿生「なんですかそれ…大体、藤原くんは超高校級の皇族じゃないですか、全然対等じゃあ…」
藤原「それは仕方のないことだ。我の才能は全ての才能の中で最も高尚な才能だからな。」
柿生「ほら…」
藤原「だが、それは才能の話であって、しかも我が勝手に思っているだけの事だ。だが実際我とお前は同じ学校の同じ期の同じ学科だ。お前が一歩引く理由などどこにもない」
柿生「……」
藤原「情けない。本校には他にも何人かいたが特にお前は特に重症だ…お前も紛れもなく選ばれし希望ヶ峰学園の生徒なのだから、もっと胸を張って歩け!今のお前には超高校級としての威厳がない、誇りが見えん」
そう吐き捨てながら彼は去っていった
私が想像していたのは初めましてから始まる少し小っ恥ずかしい会話だっただけに、少し堪えてしまった
柿生「誇りなんて……ありませんよ…」
・藤原 皆仁と出会いました
・藤原の好感度が1上がりました
?図書館?
校舎からでてすぐの所にある、校舎より一回り小さな建物はここの図書館
なんとなく入ってみると…
右町(テキパキテキパキ!
柿生(す、素早いです!)
さっきの小柄な女の子がなにやら作業をしていた
書架整理だろうか?
右町「…ハ!」
柿生「?」
右町(ササッ!
柿生「ああ!びっくりさせてしまってすみません!隠れないでください!!何もしませんから!!」
何故か本棚に隠れて私の事を伺う右町に、とっさにこう切り出すと
右町(ソロ?
さっきの作業スピードからは想像できないほどゆっくりと出てくる
柿生「え、えとこんにちは。私は柿生小雪、画家です」
右町「…こ、こんにちは」
柿生「さっきは邪魔してごめんなさい、私には気にせず続けてください。それとも何かお手伝いしましょうか?」
右町(ふるふる
右町「…だいじょぶ」
首を横に振りながら、そう答えると
その子は再び機敏に動き始める
柿生(そういえばこの図書館、一般開放もするんですよね?だからあの子が作業してるんでしょうか?)
せっかく来たのだから、何か本をパラッとめくってみようと、中を廻ってみる
すると
右町(ドン!)
柿生「きゃ!」
互いに周りをよく見なかったせいかぶつかってしまった
柿生「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか!?」
右町「……大丈夫、こちらこそ…ごめん」
柿生「いえいえ」
右町「………」
柿生「?」
右町「……それ」
柿生「それ?」
指をさされた所を見ると
ぶつかった拍子に入っちゃったのか
私のスモックのスケッチブック用のポケットに一冊の本が
柿生「あ!ごめんなさい!これですね?……南海賊…物語?」
右町「海賊を題材にした物語、主人公は小さな日本人の子供で…
柿生「ふんふん…」
・
・
・
・
右町「それでそれで!ついに伝説の島の財宝のありかが…!」
柿生「はい…!」(ゴクリ
本の話になった瞬間、物凄く饒舌に話す右町さんの
キーンコーンカーンコーン!
良いところで予鈴が鳴ってしまう
右町「あ……」
柿生「昼休み…終わっちゃいましたね」
右町「…ごめん、私…夢中になって…
柿生「まだ続きあるんですよね!?気になります!」
右町「!」
柿生「そうだ!その本もう借りれますか?あと、今日一緒に帰りましょう?さっきの続きも聞かせてください!」
右町(パァァ…
右町「……うん!」
・右町緑に出会った
・右町の好感度が1上がった
柿生(今日は楽しかったですね)
その日は右町さんと話しながらコテージに戻り
今もこうしてその本を読んでいたり
我ながら単純なのかもしれないと思った
今日であった人達は…
(藤原「誇りが見えん」)
柿生(あ)
そこで、彼の言ったことを思い出してしまう
柿生(はい、彼の言ったことは何も間違っていません。わたしにはそんな大きなものは…)
柿生(・・・)
私はキャンバスの前に座り、屋上でスケッチした町の風景を元に、筆を走らせる
柿生(私は確かに、どうしようもないかもしれないけど、この町はきっといいところです!それを表現できれば…)
その絵はまだ制作途中のまま眠りこけてしまう…
~~~~~
???「失礼します、今日から世話になる神…ん!?なんでアンタがここにいるんすか?」
鏑木「ようアラタ。久しぶりだな最近どうだ?」
神谷「いや、特に問題はないですけど…え?何か事件でも、でもパトカーいなかったぞ…?」
鏑木「落ち着け、俺がこの学科の担任やってるんだよ」
神谷「な、なんで?」
鏑木「柿生ちゃんの奴、何も言ってないのか…?」
神谷「え?え?」
~~~~~
右町「柿生さん…本…どうだった?」
柿生「あ、今読んでますよ。あまり分厚い本は読んだことがなかったので、時間はかかりそうですが」
右町「そう…続編もあるから、読み終わったら…ぜひ」
柿生「ほんとですか?じゃあ、楽しみにしながら読み進めます!」
柿生(右町さん、いつも無口無表情でいるように見えてるだけで、こんなに話せる子なんですね)
柿生(なんか仲良くなれそう)
円山(ほっ…)
ガララ…
鏑木「えー、今日は二人だ。入ってこーい」
ガララ…
柿生「あ!」
円山「これはこれは神谷様」
神谷「よっ!」
神谷「俺は神谷新(カミヤ アラタ)、一応超高校級の医学生ってことになってます。よろしくお願いします。」
私の親友、神谷新くん。通称シンちゃんが入ってきた
知ってる人が来てくれるとやっぱり心強い
そして
ガララ
???「…残念、セットは本校とあまり変わらないのね」
続いて入ってきたのは、見たことのないビデオカメラを構え、背中に映画撮影に使うカチンコを背負った女の子です
鏑木「まだやってるのか?事あるごとに映画映画と…」
白川「当然よ!私は、白川鈴芽(シラカワ スズメ)、超高校級の映画監督よ!?映画を語って何が悪いのというの?」
相良「なんかデジャヴのようなものを感じる…」
右町「…セリフ…被ってる」
藤原「むぅ…」
白川「なに?既出なの?我ながら芸のないことをしてしまったわね…」
鏑木「というわけだ。まあ………うまくやるように」
神谷「鏑木さん、今、はしょりましたよね」
鏑木「座れ座れ、あと俺はここじゃ先生だ」
~昼休み~
さて、今日も昼休みがやってきました
何をしましょうか?
↓2どこに行きますか?
1校内駐車場(神谷)
2視聴覚室(白川)
3丘の上公園(???)
4カフェ(???)
4
2
prologe-3
~視聴覚室~
そんなに広くはない普通の視聴覚室にやってきた
そこでは白川さんがパソコンで何かをやっています
柿生「何をやっているんですか?」
白川「………」
柿生「白川さん?」
白川「………」
柿生「え、えと…?」
白川「な”に”!!!!!?」(バッ!
柿生「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
急に大きな声で睨まれたので溜まらず誤ってしまう
白川「だからなに?何か用なの?」
柿生「い、いえただ何をやっているのか気になっただけで…」
白川「この町で撮ってきた資料を確認してたのよ。流石に田舎町をまじかで見たことはなかったから参考になったわ」
柿生「あ、そうなんですか…」
自分から近寄ったのに、なぜだからもう立ち去りたい衝動に駆られている私
白川「次の脚本のオファーも来てるし、やることがたくさんあるのよ。そのうち役者もやりたいぐらいだから、それくらいが上等ってもんだけど」
柿生「そう言えば、私白川さんが監督をやっていた映画ってみたことありましたっけ?」
白川「さあ、私は知らないけど、実は見てるかもしれないわよ?名前は載らなかったけど、私が口をだした作品は数知れず、ゴーストディレクターだってやったこともあるわよ?」
柿生「そ、それってやっちゃいけないんじゃ…」
白川「知った事ですか!すべては最高の映画を追及するため、そのためなら何をやったっていいし、実際私はなんでもするわよ!?それがクリエイターのあるべき姿ァ!!」
柿生「そ、そうですか…?」
私も絵描き、一応クリエイターの片隅の方に位置してると思ったから、その意見には賛同したくなかった
白川「なに?なんか文句でも?」
柿生「べべべ、別になにも!え、えへへ…」
柿生(よ、読み取られた?)
白川「…あ、そうねぇ、あなた画家なのよね?絵を描くのよね?」
柿生「え、はい」
白川「ちょうどいいわ!猫の手も借りたいくらいだったのよ!!」
柿生「は、はい?」
白川「絵コンテ、手伝ってくれないかしら?」
柿生「絵コンテですか?…因みにどんな映画を?」
白川「よくぞ聞いてくれたわ!!!!!!」
柿生(ビクゥ!?
白川「今度の映画は、不気味なド田舎の深夜で起こる猟奇殺人を題材にしたバイオレンスホラー!!!題して!!…あら?」
私は、その辺りで逃げ出した、全力で
できれば映画のお手伝いの件は縁がなかったということにしてほしい
・白川鈴芽と出会いました
・白川の好感度が1上がりました
今日はここまで~
乙乙カントリーモードで初めて白川のキャラを知るという
乙乙
右町さん可愛い
-放課後-
~帰り道~
今の所学校の授業はいたって普通
普通というのは本校と変わらないという意味で
鏑木先生曰く、「人数が揃うまでは変なことはしない、面倒だからな」とのこと
柿生(そもそも変なことをやらされるんでしょうか?)
ブロロロロ
後ろから聞こえてくる、そこまでうるさくはないエンジン音
ブロロ…ピタ
その原付は私の隣りに来ると停止した
柿生「?」
???「よ、今帰りか?」
ヘルメットの男が話しかけてくる
声も篭ってて誰だかわからない
柿生「えっと?あれ?学生服に白衣って…」
???「ああ、そうか!別にフルフェイスじゃなくてもよかったよな…よっと」
ヘルメットを外した彼はやっぱり
柿生「シンちゃん!免許取ったんですか?でもどうして?」
神谷「ああ、この前爺ちゃんの診療所が移転したって言っただろ?」
柿生「神谷診療所ですよね?はい」
神谷「実は、それがこの近くにあるんだ。近くって言っても歩いて行ける距離じゃないんだけどな」
柿生「そうなんですか!?知らなかったです」
神谷「俺も驚いたぜ。それで俺は爺ちゃん家から通うことにしたんで原付の免許取って、コテージは使ってないんだ」
柿生「なるほどです」
神谷「爺ちゃんも会いたがってるから、今度遊びに来いよ。じゃあな!」
柿生「はい!また明日~」
ブロロロロ…
鏑木先生といいシンちゃんのお爺さんといい
久しぶりに会う方が2人もいるなんて
柿生(偶然って…凄いです)
・
・
・
・
~柿生コテージ~
そういえば…やる事が二つほどありますね
どちらか一つに集中するなら…
↓2
1借りてる本を読み終える
2藤原に見せる絵を完成させる
3寝る
1
1
柿生(とにかくこの本の続きを読んでしまいましょうか、右町さんも私の感想を心待ちにしているはずです)
というわけで、海賊の物語の厚い本を手に取り、栞を挟んだページを開くと、一字一句漏らさず読み取っていく
今までにも、もちろん本を読んだ事はあったものの、同じ物語について語り合う友達はいなかったためいつもより楽しくなってしまう
・
・
・
・
柿生「は!」
気がつくとキャンパスに海賊船と荒れ狂う海
どうやら物語のクライマックスを描き上げていた
柿生(私、いつの間に…?)
それだけ没入していたのだろうか、思い返すと確かに本を読み終えた記憶はある
内容もしっかりと頭に入ってる
感想を考える代わりに好きな場面を絵にしてしまったらしい
現在時刻は深夜2時
柿生(早く寝ないと遅刻します…)
・【海賊団の絵】を手に入れた
~~~~~~
鏑木「あー、えーと愛野…さん?」
愛野「……なによ」
鏑木「なんつうか、不躾な質問かもしれないが…大丈夫か?」
愛野「別に…大丈夫です」
鏑木「……」
愛野「……」
鏑木(こういう場合ってどうすりゃいいんだ?)
~~~~~~
ピピピピ!
柿生「。。。」
ピピピピ!!
柿生「zzz」
ピピピピ!!!
柿生「ZZZ」
・
・
・
・
柿生(ガバッ!!
「8:55」
寝坊した
鏑木「てことで入ってこーい」
ガララ
愛野「……」スタスタ
舞丈「……あれ?君さっきからいたのかい?」
柿生「あ、いえ私は…」
私は新加入者紹介のところにタイミングよく出くわしてしまった
鏑木「おー、今日は3人か~」
柿生「違います!」
神谷「早速かユキ…起こしに行こうとは思ったけど、俺お前ん家分からなくて」
鏑木「お前まだ寝坊助治ってないのか?」
藤原「寝坊して遅刻とは、度し難いな…」
舞丈「遅刻だったのかい、すまないね勘違いで話しかけてしまって」
柿生(/////)
私は俯きながら足早に席に着く
鏑木「じゃ説教は後回しで、自己紹介適当にやってくれ」
愛野「………………」
舞丈「?……じゃ、じゃあ、僕からでいいのかな?」
舞丈「僕の名前は舞丈千人(マイジョウ セント)。一応超高校級のプログラマーということになっているけど、プログラミング技術は大したことないのでね。あまり期待しないでくれると助かるよ」
白川「?じゃあ、なんで超高校級のプログラマーなんてものになってるの?」
舞丈「それは話すと長くなるからこの場では控えておくよ」
愛野「……愛野心愛(アイノ ココア)、超高校級のパティシエ。よろしく……」
柿生(あの女の子なんだか元気なさそうですね…何かあったんでしょうか?)
鏑木「……はぁ、色々考えねえとなぁ。とりあえずホームルームは以上だ。あと柿生は俺のとこに来るように」
柿生「はぁい……」
・
・
・
・
~昼休み~
このクラスの人数もだいぶ増えてきた
14人…他にどんな人が来るんだろうか?
柿生(なのに…なぜこの教室には誰もいないんでしょうか…?)
みんなアクティブだ
↓2どこに行きますか?
1視聴覚室(舞丈)
2近くのパン屋(愛野)
3図書館(右町)※行動消費なし
4丘の上公園(???)
5駄菓子屋(???)
4
3
キィ…
図書館のガラスの扉を押し開く
すると図書館のカウンターに座っている右町さんがこっちを向いて微笑んでくれた
右町「柿生さん……!」
柿生「こんにちは、って…」
図書館は前に来た時と比べると随分とキレイになっていた
柿生「すごい、書架整理やその他の整備がもう終わってます」
右町「……エラい?」
柿生「え?」
右町「……」
柿生「…あ、はい!エラいです!!大変な作業だったでしょう?1人で終わらせるなんてもう…天才です!」
右町(キラキラ…
柿生(ま、まぶしい…)
そう返してあげると右町さんが一層輝いて見えてくる
柿生「あ、それでこの前借りた本を返そうと思って…」
右町「…どうだった?」
借りた本を受け取りお決まりのように感想を聞いて来る
多分ずっと気になっていたんだと思う
柿生「面白かったです、とても。そのせいか自然とある絵を描いてしまって…」
右町「絵?」
私は【海賊団の絵】を手渡した
右町「…わぁ」
目を丸くしながら絵を眺める右町さん
右町「…私と…視点が違う」
柿生「え?すいません、何か間違ってましたか?」
右町「ううん…読んで想像される事は人それぞれだから」
右町「だから柿生さんの…答え」
柿生「答え…」
右町「…この絵は…貰っても?」
柿生「あ、はい!絵なんかで良ければ何枚でも」
右町「…額縁に入れて飾る」
柿生「そ、そこまでしなくても…そうだ、続編の方も貸してもらえますか?」
右町「うん、これ」
柿生「ありがとうございます………え、今どこから出しました?」
流れで良く見ていなかったけれど、右町さんの手の続編の本がまるでワープして現れたような気がする
右町「こういうの…得意」
柿生「」
・右町の好感度が1上がりました
・【海賊団の絵】を失った
※今回のように何かの要素関連して行動消費なしのイベントが度々起こります
柿生(まだ時間がありますね)
↓2どこに行きますか?
1視聴覚室(舞丈)
2近くのパン屋(愛野)
4丘の上公園(???)
5駄菓子屋(???)
4
5
学校から少し足を運んでみる
すると年季の入っていそうでどこか怪しい小さなお店があった
柿生(……あ、駄菓子屋さんです。昔は沢山あったって聞きましたけど)
今まで見たこともなかったのでそれがお手頃価格のお菓子ばかりを売っている
もう少し子供だった頃に訪れたかった憧れのお店だと認識するのに時間がかかった
とはいえ、今も憧れである事には変わらない
それがいざ目の前のあると、つい胸を躍らせてしまう
柿生「えっと、ごめんくださーい」
婆「おや、こりゃまた見ない顔がやってきたねえ」
柿生「あ、私は…」
婆「ええ、ええ。誰が来ようと客には変わりゃせん。察するに最近やってきた希望ヶ峰学園の学生さんじゃろう?」
柿生「は、はい。よろしくお願いします」
挨拶を済まし、お菓子を眺める
見たこともないヘンテコなお菓子もあれば、私が知っているものも置いてある
共通する点と言えばとにかく安いこと
婆「ここに来る子供はみんなそんな顔をしなさるが、これでも昔よりは高いんよ?」
柿生「そうなんですか!?これでも…」
婆「いろいろ世知辛い世の中じゃえ、こうでもしないとやっていけないからねぇ」
柿生「田舎でも、やっぱり世の中は辛いと感じる事が…?」
婆「どこにだって悩みはつきものじゃ。お前さんだってなかなか自分に自信を持てずにいるようにな」
柿生「………え?」
婆「長年生きると子供達の事は見るだけで分かるんよ」
柿生「そう、なんです…?」
そういえば相良くんが、ここの駄菓子屋さんについて何か言っていた気がする
人の悩みをいとも簡単に言い当ててくるとか
婆「そのスケッチブック…みたところ絵描きさんかね?」
柿生「はい、そうです。私にはこれしかなくて…」
婆「ほう、まあ悩むことはいいことじゃ。行き過ぎると、うちの老ぼれみたいに終いにゃ禿げるがねぇ」
柿生「は、禿げっ…!?」
婆「まあいい、どれにするんさね?」
柿生「えっといっぱいあり過ぎて迷ってしまいます…」
婆「これから時間はたっぷりあるんじゃろ?いっそ目の前にあるもんに決めてしまいなされ。これから学校に戻るなら、流石にガム系はやめたほうがいいけどね」
柿生「じゃあこの…飴?グミ?なんですこれ?」
婆「20円じゃ、毎度」
柿生(結局よく分からない物を買ってしまいました)
婆「どれ、そうじゃな、何事も思い切りは大事さね。うじうじしてれば何も始まらん事も多い」
柿生「は、はぁ…」
婆「まあ気軽に足を運んでみなされ、ガラクタのような玩具も置いてるし、放課後なら小中学校の子供達もおる。決して多くはないけれどねぇ」
婆「悩みがあれば、何か助言くらいはできる。もちろん商売じゃから、物は買って行って貰うがねぇ、うへへ」
柿生「え、えへへ…」
柿生(な、なんだか侮れない人ですね…もちろん侮る気はないですけど…)
・駄菓子屋に出会った(好感度なし)
※駄菓子屋さんはその時の状況に合わせた適切な助言をしてくれます
なお放課後イベントはプロローグを終えてから…
・
・
次の日
・
・
ちゅんちゅん
柿生「な、なんとか起きれました…」
目覚めて意識が覚醒してから時計の数字を見て一安心
しっかり寝たはずなのに、朝一のこの緊張感のせいで疲労を感じる
よくよく考えれば本校にいた頃の寮と違って、これはもう完全に1人暮らしと言っても過言ではないのでは?
だったら、もっとしっかりしないといけないのかもしれない
コンコン…
柿生「?」
???「柿生様起きていらっしゃいますか?」
外から私を呼ぶ声が…
玄関を開くと、外の眩しさに目を細めながらその人の存在をおぼろげに確認する
柿生「円山…くん?」
円山「おはようございます柿生様」
柿生「お、おはようございます」
円山「昨日、神谷様と話して失礼ながら柿生様が朝に弱いとお聞きしたもので、僭越ながら確認しに参った次第です。」
柿生「あ、そうだったんですか?わざわざありがとうございます…これからは迷惑をかけないように頑張ります」
円山「いえ、このくらいはおやすい御用です。私ベルボーイですから」
柿生「でもなんで円山くんが?」
円山「はい、私のコテージが柿生のコテージに一番近かったもので」
柿生「あ、納得です」
円山「はい…それでは私は先に学校に向かいますのでこれで失礼いたします」
柿生「はい、それじゃあまた後で」
・
・
・
・
???(スタスタ)
あれ?今、円山くんの後ろを横切っていった人どこかで…?
~~~~~~
宍戸「……」
鏑木「まあ、言いたいことは分かるがな」
宍戸「おかしいだろ?希望ヶ峰学園って才能さえあれば普通科の科目なんてどうでもいいんじゃなかったのかよ?」
鏑木「まあ……ある程度はな」
宍戸「な?そうだろ?」
鏑木「ある程度に達しなかったからこうなったんだろ?」
宍戸「うっ…」
鏑木「とにかく、お互い望まなかった同士仲良くしようや」
宍戸「あ、あんたも先生の癖して俺と同士なのかよ」
鏑木「悪いが、俺の成績は優秀だった方だ」
宍戸「……謀反物め」
~~~~~~
~教室~
鏑木「今日は3人だ。入れ~」
天城「天城泉(アマギ イズミ)超高校級のマッドサイエンティスト!よろしく!」
神谷「違うだろ化学者」
宍戸「あ、これは超高校級と謳われた狂言師ぃ!宍戸清麻呂(シシド キヨマロ)と申すものにござる~」
鏑木「あ、こいつは成績悪すぎてこっちに飛ばされてきたやつな。相良、仲間が増えたぞ」
相良「僕、飛ばされるほどじゃありません!!決して良くないけど…」
宍戸「ちょ、それ言わないでくれよ~」
鏑木「この通り普通に話せるから安心してくれ、そして」
月宮「月宮しぐれ(ツキミヤシグレ)、超高校級の数学者よ。今後よろしくね」
鏑木「まともそうなのが1人いて助かった」
月宮「あら、決めつけてもらったところ悪いけれど、私がまともだとは限らないですよ?先生?」
鏑木「ブルータス、お前もか。じゃ、席ついてくれ」
月宮「柿生さん、相良くん、お久しぶり」
柿生「月宮さん!じゃあさっき円山くんの後ろを通って行ったのはあなただったんですね」
相良「どうしてこっちに?」
月宮「そうね、ある点について興味があったの」
月宮さん本校で私と同じクラスだった子で
まさにクールビューティー、でも意外と話し安くて、こっちに来てくれた事はかなり嬉しかった
柿生「ある点?」
月宮「まあ後々ね」
~昼休み~
柿生(さて、どこに行きましょうか?)
↓2どこに行きますか?
1総合理解室(天城)
2教室(月宮)
3近くのパン屋(宍戸)
4丘の上公園
2
1
残り渚だけか
~総合理科室~
この校舎はとうに物理、化学など分野別に教室が用意されているわけではなく、このように総合理科室という形でまとめられている
天城「ウヒャヒャヒャ…アーッハハハハ!!」
柿生(こ、怖い…!)
この教室の中には、いけない気が充満してる気がしてならない
あの笑い声は明らかに真っ当な女性のそれじゃないし
私の体はすでに、謎の寒気、体の震え、冷や汗などの症状を実感していた
神谷「ユキ、悪い事は言わないから、今のあいつには近づかない方がいいぞ」
柿生「あの…彼女は一体何を…」
神谷「まあ何か実験してるんだろうけど、ああなった天城は手がつけられないんだ。巻き込まれると酷い目に…ああ…思い出すだけで吐き気がしてくる……」
柿生「そ、そんなにですか!?」
白川「これは!マッドな匂い、彼女はきっと逸材だわ!!」(ドタドタドタ
神谷「よ、よせ早まるな!!」
柿生「あ、白川さ…!」
私たちが止めに入る前に彼女はそのパンドラの部屋に突入してしまう…
・
・
・
神谷「な、なにも起こらない」
柿生「白川さんだからでしょうか?あの人もかなりの…」
ガチャ…バタン…
白川「」
柿生「あ、白川さん!大丈……」
白川「ヒイイイイイイイ!!!!」(ドタドタドタドタ…
あの白川さんが全力で逃げ出すとは一体…?
そんな事を考えながらもまだその場に待機してしまったのが運の尽きだった
ガチャ…
その悪夢のようなドアの音から出てきたのは…
天城「ふ…ふふ……ふふふふ…」
柿生「あ、天城さん…?」
私は足がすくんで動けない
柿生「あの、シンちゃ…いないです!」
シンちゃんは無慈悲にも私を置いて逃げて行ってしまったようで
彼が他の誰かより自分を優先してしまう事なんて滅多にないため、この状況の恐ろしさを覚悟せざるを得なくなってしまった時…彼女は
天城「あはははは…!あー面白かった!これで私の第一印象がより恐ろしいものになってくれればいいけど」
柿生「え?」
さっきとは一転、普通に話し出した彼女を見て私は目が点になる
天城「あれ?君は確か…画家の…小雪ちゃんだっけ?」
柿生「え、あ、はい。え?」
まだ状況が飲み込めない
天城「あ、そっかよろしくね」
柿生「あの…先ほどは一体なにを…?」
天城「単なるイタズラだよ。あの笑い声を聞いて最初に入ってきた人物に仕掛けようとしてたんだ」
柿生「い、イタズラ?でも、一体なにをすればあの白川さんをあそこまで……」
天城「聞きたい?」
柿生「えぇ」
天城「本当に聞きたい??」
柿生「え?はい」
天城「本当に聞いちゃってもいいのかな???後悔しない???」
柿生「いえ、すいません遠慮します。むしろ絶対に話さないでください」
天城「ふふ、そうだねそれがいいよ。種明かしはしたくないし」
天城「そうそうさっきの実験でたまたまできた怪しい薬品があるんだけど、記念にあげるよ」
私はそれを何の抵抗もなく受け取る
柿生「あ…ありがとうございます?」
天城「それじゃまた後でね、バイバイ」
柿生「バイバイです」
柿生(え?怪しい薬って言いましたよね?)
・天城泉と出会った
・天城の好感度が1上がった
・【怪しい薬(効果募集↓2)】を手に入れてしまった
嘘がつけなくなる薬
体力・気力・その他もろもろが限界以上にエネルギッシュな状態になる
(後日反動あり)
飲むと姿がホラー映画の貞子の姿になってしまう薬
・【怪しい薬】は【限界突破薬】になった
柿生(とりあえずこの薬は封印しておいた方が良さそうですね………どこに?)
とりあえずあの後一切人前に出さずその危険物を持ち帰っている最中
~バス停~
この町の唯一の交通手段
この場所に来る時もこのバス停に降りたのだ
私は当然原付にも乗れませんし、アナさんみたいに車を運転できたりはしない(向こうの国ではこの歳ですでに免許が取れるらしい)
となると当然、遠出するにはこのバス停までやってくるバスだけが頼りだ
柿生(明日は土曜日です、週末はここからどこかに出かけてみてもいいかもしれませんね)
柿生(というか、もう一週間が終わるんですか)
ここに来てから5日、驚くほど問題なく過ごせている
町の人とも徐々に親しみを持ててきている
こういう暮らしもいいのかもしれない
クラスメイト達とも打ち解けている
考えてみれば一足早くここに来ていた事は大きかったのかもしれない
柿生(先発部隊でよかったです)
綺麗な夕焼けを眺めながら帰った
・
・
3日後
・
・
~~~~~~
ガララ
鏑木「随分、遅かったな」
渚「……」
鏑木「なんだ、どうしたいつもに増して仏頂面してるじゃないか、モテないぞ?」
渚「夏休み終盤、夜中の3時に突然会いに来たと思えば、残りの仕事を全部まとめて投げ捨てて行かれたんだ。こうもなるだろう」
鏑木「ああ、そういやそうだったなぁ。俺はほら、見ての通りこの仕事が入ったからな。手が回らなかったんだ」
渚「先生の仕事を片付けるために鹿児島まで行って戻ってきた」
鏑木「大したもんじゃないか、実力は今や俺なんかより上なんだ。頼りたくもなるって、いや本当ご苦労ご苦労」
渚「…………」
鏑木「元はといえばお前を弟子にして一端の探偵に育て上げちまったから、講師の才能を疑われてこうなったんだよ、お前のせいでもある。うん」
渚「…………」(イラッ
鏑木(さて、どうするかねぇ)
~~~~~~
柿生「ハァ…ハァ…!」
私は週末開けまた時計のアラームが耳に入らず、円山くんのモーニングコールにも寝言で返事をしてしまったため
走って学校まで辿りついた
ガララ
タイミング悪く職員室の扉が開く
鏑木「おいおい、また遅刻かぁ?まったく懲りないなぁ」
柿生「ま…まだ遅刻じゃありません!」
鏑木「俺に見られてなければな」
柿生「うう…」
鏑木「まあいいや、今日で全員揃うんだ。多めに見てやろう」
柿生「全員揃う…?もしかして…!」
渚「小雪、遅くなった」
柿生「ナギくん!」
・
・
・
・
鏑木「あー、というわけで最後のメンバーだ」
神谷「お」
渚「渚薫(ナギサカオル)、探偵」
右町(……渚…薫…!)
鏑木「………」
舞丈「探偵か、鏑木先生と同じ才能のようだね」
鏑木「あー、つーか俺の弟子だ。じゃ席に着け、ホームルーム終えるぞ」
天城「いや、ちょ、え!?」
愛野「弟子って…さらっと言ったけど」
藤原「では、まさかとは思うがコネで入ったんじゃなかろうな?」
月宮「コネで入れるような学園ならとっくの昔に廃れていそうだけれど」
藤原「む、そうだな。失敬」
鏑木「たく、面倒だから流そうとしたのに…詳細が知りたきゃ渚くんか神谷くんに聞くように、以上!」
神谷「俺巻き添え!?」
・
・
・
・
実質1人しか増えていないのに、その日の授業はいつもより賑やかに感じた
全員揃ったという言葉の影響は強いみたいだ
~昼休み~
柿生(さて…お腹空きました、どこに行きましょうか?)
↓2どこに行きますか?
1河川敷(渚・神谷)
2家庭科室(愛野・円山)
3屋上(相良・月宮)
4丘の上公園(舞丈)
5体育館(宍戸・アナ)
1
3
~屋上~
月宮「あら、ではやはりまだ係すらも決めていなかったのね」
相良「うん、先生曰く、面倒な事は全部全員揃ってだとかなんとか…」
月宮「後回し後回しはあまり建設的ではないのだけど…」
キィィィ
屋上の扉は他の扉より若干硬い
パン屋で昼食を買ってきた私は、重い扉の音を聞きながら屋上に足を踏み入れた
柿生「あ、相良くんに月宮さん!」
相良「お疲れ柿生さん!!」
月宮「こんにちは」
柿生「2人ともお昼一緒してるんですか?」
月宮「ええ、先週から聞きたいこともあったから同じクラスの好で相良くんに」
相良「柿生さんも誘おうと思ったんだけど、神谷くんや渚くんと幼馴染って聞いて、そっちのチームで食べるのかなって」
柿生「一緒にいる時間は多いんですけどね、私たちぐらいになるとなんというか……ここ失礼しますね」
月宮「ええ、どうぞ。すでに達観の境地というわけね」
柿生「そんな感じです。それでなんの話を?」
相良「今までにやった事、やってなかった事を月宮さんに話したんだよ。それでついに全員揃ったんだし何が始まるのかなって?」
柿生「それで係決めの話を…学級委員とか決めるんでしょうか?」
相良「そうだね!月宮さんがいるんだし学級委員は決まっていそうだけど」
月宮「あら?あなたも結構適任だと思うけれど?」
相良「え、そ、そうかな?」
柿生「そうですよ!相良くんもいつも元気で明るくて、でも怒ると1番怖い先生みたいな人ですし!」
月宮「ええ、誰も立候補がいなければ推薦してしまおうかしら」
相良「こ、困るよぉ。だってほら僕はさ…」
キィィィ
鏑木「おーい、相良。力仕事なんだがちょっと手伝ってくれるか?」
相良「あ、わかりました!すぐ行きます!!」
鏑木「おう、頼むわー」
相良「じゃあ、僕は行くよ」
柿生「はい、頑張ってください」
月宮「ところでさっき何を言いかけたのかしら?」
相良「ああ…だって僕はさ『体育委員』だから」
そう言って彼はこの場を離れていった
月宮「完全に論破されてしまったわね」
柿生「ええ、この上ない説得力です…」
柿生「じゃあやっぱり月宮さんが…?」
月宮「そうね、立候補が誰もいなければ考えるわ」
月宮「もしくは数学委員なんてものがあれば喜ばしいのだけど」
柿生「あはは…」
・月宮しぐれ、相良明と話しました
・月宮の好感度が1上がりました
・相良の好感度が1上がりました
~ホームルーム~
鏑木「さて、んじゃ全員揃ったから明日から始まる諸々を説明してくぞー」
鏑木「まずは総合学習だ。この学科の総合学習は生徒主体授業だ。毎回お前達のうちの1人が授業を担当し、実際に授業計画を立てもらう。それを俺の方に提出してもらって、本人が教えるか、それともかわりに俺が教えるかは希望制だ」
鏑木「授業の内容に特に縛りはないが、まあ大体才能に沿ったものだろうな。白川さんだったら映画論。柿生さんだったら美術って具合にな。こうやって己の知識を伝授しようと研究する事が本人にとって専門的な学力向上こそがこの方式の狙いだ」
宍戸「へぇ、面白そうじゃねえか。あ、このぉあたりじゃあ、オラが1番の狂言講師にござぁるってな」
舞丈「じゃあ僕達も狂言の知識がついたりするわけか…興味深いね」
渚「狙いだと言ったが、その心は?」
鏑木「当然総合学習の計画なんて面倒だからだ。何すりゃいいんだよこれ」
アナ「この人先生で本当にいいの?」
鏑木「さて、さらに悪しき風習、立候補の出ないであろう学級委員から係決めをするわけだが……その前に」
鏑木「おい、起きろ柿生」
柿生「え?」
鏑木「まったくこれだけよく寝るのに、なんで発育は微妙なんだ。おい起きろー」
柿生「お、起きてますよ!さらっと人が気にしてることを言わないでください!!」
鏑木「おーい、おーい…
ーーーーーーーーーーーーーーー
柿生「ムニャムニャ…人が気にしてる事を…」
鏑木「新年度の朝のホームルームでこれじゃこの先心配になるなぁ…ほら、こら、いいか加減起きろ!」
柿生「ううん…え?あれ?」
なぜかみんなが私を見ている
柿生「……」
頭のなかで状況を整理する
そう、今は春休みを終え最初の日
の……朝?
柿生「夢?」
天城「盛大に寝ぼけてたね…」
愛野「柿生さん、本当は超高校級の居眠りさんなんじゃないの?」
柿生「うう…」///
どうやら今まで長い回想のような夢を見ていたようだ
柿生(は、恥ずかしい…)
鏑木「じゃ、若干一名聞いてなかったようだが、まあ別に問題ないだろ。ホームルーム終えるぞぉー」
月宮「起立、礼」
そうそう結局学級委員は月宮さんだ
・
・
・
・
授業の準備をしてる時、妙に思い悩んでいるらしい舞丈くんが気になる
ーーーーーーーーーーーーーーーー
舞丈「今年度…?」
鏑木「どうしたんだ、舞丈?」
舞丈「あ、いえ…あの、おかしな事を質問しますが、僕たちは今…何年ですか?」
鏑木「……珍しく寝ぼけてるのか?」
舞丈「……ちょっとした確認ですよ、言われてしまえば、もう上級生なんだと自覚も持てるものだ」
鏑木「そんな風に構える必要はないと思うがねえ…あー、つまりお前らは今日から高校2年生だ。下級生はここにはいないが自覚を持つよーに!…これでいいのか?」
舞丈「2年…そうだ…何もおかしなところは…」
鏑木「舞丈?」
舞丈「いえ、大丈夫です。水を差してしまって申し訳ない」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
あれは一体なんだったのだろうか?
柿生「舞丈くん?」
舞丈「ん?ああ柿生さん…」
柿生「あの…大丈夫ですか?」
舞丈「いや、ああ大丈……」
柿生「……あの?」
舞丈「柿生さん、少しいいかい?」
私たちは場所を変えて2人きりになります
柿生「何かあったんですか?」
舞丈「うん…柿生さん、これはどうなっているんだい?」
柿生「え、ええ?」
舞丈「なにかがおかしい気がしてならないんだ。こう…だめだ、自分でも要領を得た話ができる自信がないが…なんというか気持ち悪いというか記憶の噛み合いが悪いというか……」
柿生「え、ええと…?」
舞丈くんがここまで焦っているのは珍しい
きっと彼の身にはただ事じゃないことが起こっている
それはわかる…
でもそれしかわからない
柿生「……」
なんて返せばいいのかもわからなくて俯いてしまう
舞丈「……すまない、やっぱりただの思い過ごしなのかもしれない。変な事を言って悪かったね。……今年もよろしく柿生さん。それではまた後で」
柿生「あ!待っ……」
足早に教室に戻っていく舞丈君をなぜか私は引き止める事が出来なかった・・・・
prologe end
今日はここまで~
やっとプロローグも終わりました
次回から舞丈sideも始まる予定です
乙乙
あとで登場人物紹介を投下します
こっちのモードでは割と好き勝手にイベントが書けますので、なにかやってほしい展開やイベントがあれば教えてください
突拍子のないものでも天城あたりが薬でも作って割となんとかしてくれそうです
ドッキリ大作戦
クラス内対抗逃走中
アナドライブ
主人公
柿生 小雪(カキエ コユキ)女
超高校級の画家
イラスト、肖像画、シュール作品の他、描くものならオールジャンルで描くことができ、フリーの画家になったとしても十分商売としてやっていけるレベルの技術がある。
実は切り絵もできるが、描くものほどではない。彫刻画などは流石にできないようだ。
『超高校級の田舎生活』の参加者として最初に選抜されたうちの一人。顔なじみも一緒にいるせいか田舎生活にはこれと言って不満がない。
真面目な正確だが、かなりの寝坊助で寝坊による遅刻の常習犯、授業中もねる。中々自分に自身が持てずにいるため、超高校級としての威厳がない。
誰とでもわけ隔てなく仲が良いが、中でも幼馴染の渚と神谷、ほかにも右町と藤原とは特別仲がいい。
総合での担当科目は美術
田舎生活の中で、みんなとの絆を深めていく
舞丈 千人(マイジョウ セント)男
超高校級のプログラマー
スマートフォンが登場してまだ間もないころ、セントマップという多機能地図アプリを開発し、トップセールスを達成した。
その他にも便利なアプリケーションを思い付きで開発している。
本人曰く、それはプログラム技術によるものではなくノウハウ力によるものらしいが、スマートフォン事態の知名度もまだそこまでではなかったためにプログラマーとしてスカウトされてしまったことが、非常に不服とのこと。プログラム技術はあくまで標準レベルで、学園での場違い感を感じていたため、この『超高校級の田舎生活』 に立候補で参加した。
特に得意、不得意な科目はなく学業はそこそこオールラウンド。才能とは関係なく個人的に心理学に興味がある。
これといって仲のいい人も悪い人もいないが、たまに難解な質問をして他人を困らせてみるのが好きだったりする。
担当科目は情報活用・処理
違和感の正体を突き止めようと奔走する
仲間たち
男子
渚 薫(ナギサ カオル)
超高校級の探偵
子供のころから高い探偵の素質を持っていたが、とある事件でこのクラスの担任でもある、元超高校級の探偵「」に弟子入りし、その能力を開花させた。
鋭い観察力、洞察力をもち、その能力は実は師に勝る。どんな難解な事件も彼にかかれば解決、と言いたいところだが浮気調査は苦手らしい。
柿生に指名され本校に拘る理由もなかったので、このプログラムに参加した。
全体的に成績は優秀、毎日鍛えているので身体能力も高い。
鈍感朴念仁、普段は無口、自分からは口を開かない事が多い上に無表情。
付き合いも悪いが、別にコミュニケーション事態を嫌っているわけでもない。
柿生と神谷とは幼馴染、アナに気にいられており、そしてなぜか藤原に目の敵にされている。
担当科目は探偵学、情報分析
神谷 新(カミヤ アラタ)
超高校級の医学生
過去に大事故で片足を失い義足を使っている、その時に医者である祖父に助ってもらった経緯もあり憧れから医学を志す、その知識力は莫大なものになった。
当然まだ医師免許を持っていないので正式に活動はできないが、未だ現役の祖父の手伝いをしている。
柿生に指名され、気は進まなかったものの、たまたま現地付近に祖父の診療所があったため参加を了承する。
学校には、診療所から原付で通っている、そのため唯一コテージを利用していない。
英語を除き大体成績は良い、だが足の事もあってか体育では見学している事が多い。
柿生と渚とは幼馴染、宍戸とも仲が良い他、なかなか打ち解けられないでいる愛野の事を気にかけている。
担当科目は医学基礎(保険込み)
相良 明(サガラ アキラ)
超高校級の体育委員
ずば抜けた身体能力!得意科目好きな科目体育!小学校の頃からずっと体育委員!単純明快な理由で体育委員としてスカウトされる。
だがスポーツの中でもどれかに突出しているわけではなく、自分が何をするべきか悩みあぐねている。
『超高校級の田舎生活』の参加者として最初に選抜されたうちの一人、都会が苦手なため喜んで参加した。
体育は言わずもがなだが、勉強は苦手な方で、一般教養では赤点が中々減らない、春休みも補修だらけだったそうだ。
前向きな性格で笑顔を絶やさず、何があってもくよくよしない。だが怒るとクラスで一番怖い先生みたいな人。
毎日天城に弄られまくっているのが悩みの種。白川の事も少し気になる模様。
担当科目は体育
宍戸 清磨呂 (シシド キヨマロ)
超高校級の狂言師
ひょんな理由から狂言の才能に目覚めた。普段話すときも時々その手の言葉が光る。
だがこのまま狂言を続けていっていいものか悩んでいるらしく、もっと違う路線を見つけたいらしい。
一般教養の成績が悪すぎたために唯一後から半ば強制的に、この企画に参加させられた。この生活自体に不満はない。
成績は最下位、相良と共に補習の毎日を送っている。
超お調子者、事あるごとに格好をつけたがる。彼の行動で場が盛り上がる時はいいが、失敗して逆に凍りつかせることも少々ある。
ケガを治してもらった事があり、神谷と仲が良い。神谷と同じく愛野を気にかける。誰とでも仲良くワイワイやりたいため、付き合いの悪い渚を無理やり連れ出す役を担う。
担当科目は日本演劇史
円山 幸近(マルヤマ ユキチカ)
超高校級のベルボーイ
お出迎え、荷物運び、掃除、準備、その他様々…簡単に言ってしまえば雑用のようなことなのだが、本人はそれに誇りをもって臨む。
その技能は学校でも大活躍、なにか行事があるたびにその準備、計画を完璧に行う。朝飯前
このプログラムへは立候補で参加、自分としてはこちらの方が充実できそうとのこと
成績は全体的に標準だが職業柄英語は満点しか取らない、体育は苦手だという。
学校では、礼儀正しく、相談事は親身になって聞き、頼まれごとはほぼ断らない。
しかし、突拍子もない展開にはついていけずパニックになることも多く、なにかと謙遜もしがち。
誰とでも平等に接するが中でも、学園にいたころ一人でいた右町を気にかけたため、とても懐かれている。
柿生との謙遜合戦が絶えない。
担当科目はサービス学と家庭科
藤原 皆仁(フジワラ ミナヒト)
超高校級の皇族
次期天皇後継者のためスカウトされた。
自分の才能が他のどの才能よりも高尚な才能だと、いつも威張っているが、自分が皇族としてはまだまだ未熟者であることを自覚している。
普段を生活するうえでの作法、マナー全般に精通していて、はたから見れば完璧人間。
このプログラムへの参加理由は不明、柿生曰く「ここにいる理由が一番分からない人」
成績は全体的に優秀、総合的に見ればトップなことが多い。
だが勉強の素質があるわけではなく、彼の影の努力によるものである。
柿生に厳しい事が多いが、当の本人は好意的に受け止める上に懐いてしまい、藤原自身も彼女の事が気になってしょうがない。
さらにどういうわけか渚が気に入らない。
担当科目は日本情勢全般と日本史
女子
アナスタシア=ロスチャイルド
超高校級の資産家
ノヴォセリック王国のとある資産家の娘、ロスチャイルド家の令嬢、後に実際に国の王女を呼ぶ前の予行として招かれた留学生。
おおらかで、硬いことが嫌い、気品だとか作法だとか、資産家という肩書、ロスチャイルド家の仕来りが苦手で、半ば家出するつもりでスカウトに応じた。顔よし、スタイル抜群、髪も輝き痛みなし声も綺麗と今期一の美人。
『超高校級の田舎生活』の参加者として最初に選抜されたうちの一人。
こちらに留学してきたはいいが、希望ヶ峰本校でも肩書きのせいか自然と周りが一歩引いた態度をとってしまうのが気になっていた矢先にこの話が持ち上がったため、新たな環境を求め参加を決意。
母国のほか、いろんな言語を習得している、特に日本語はペラペラ。しかしながら読み書きは苦手らしく、成績は微妙、その他の教科についても基本一夜漬けで臨むため、ブレがある。ちなみに現代文は免除されている。
自分の肩書きをまるで気にしないでいてくれた渚を気に入っている。
担当科目は資産運用と世界史
愛野 心愛 (アイノ ココア)
超高校級のパティシエ
お菓子作りで彼女の右に出るものはいない、並大抵の人間が愛野のケーキを同じレシピで同じように同じものは作れないという、物によっては材料と調理器具を渡すだけでなぜか一瞬で仕上げることもできるが、どうやったかは本人にもわからない。
小中学共に不登校で、それは希望ヶ峰学園入学後も変わらず、授業にも行事にも参加しなかったため(希望ヶ峰ではそれでも問題はないのだが)学園長にこの話を持ち掛けられ了承した。
成績は決してよくはない。
子供のころ、両親からネグレストを受けていた事もあり、人との付き合い方の認識が根本から間違ってしまっている。
神谷と宍戸から気にかけてもらっているが、戸惑いを隠せないでいる。
担当科目は製菓科
右町 緑 (ミギマチ ミドリ)
超高校級の図書委員
大の読書好き、小中ずっと図書委員。
速読術持ち、図書館に限らず古本屋だろうが巨大な書庫だろうが、どの本がどこに位置するかを完全に記憶することができる。小柄にも拘わらず、何十冊の本を同時に運ぶことができ、一般的な図書館の書架整理なら一日かけずに終わらせることができる。
飛び級して希望ヶ峰に入学したため実は14歳。あまり人付き合いは上手くない方で、周りの人間が全員年上の状況にプレッシャーを感じていたころ、円山に誘われプログラムへの参加を決意。
成績はだいたい中の上程度、別に勉強自体が好きなわけではなく、飛び級してしまったこともあって、平均より上であればそれでいいらしい。
母親は幼年期に他界、父親もとある事件を起こし死亡している。親戚はほとんど見つからず、受け入れてもらえずのため天蓋孤独の身。
人見知りで内気だが、自分を気にかけてくれた円山にとても懐いていて、長ったらしい本の話を終わるまで興味津々で聞いてくれた柿生とも仲がいい。渚の事を昔から知っていた模様だが…
担当科目は図書館学
月宮 しぐれ(ツキミヤ シグレ)
超高校級の数学者
「人間電卓」の名を欲しいままにした、クールビューティ。独自で法則をいくつか発見していて、学会にも認知されている。だが、学者としての名声には特に興味がない。
田舎生活に興味はなかったが、自らが授業を持ち自らの理論を教授できるという点に惹かれ、参加を決意。
成績は大体上位、身体能力は悪いが、投げる物については例外、世の中の八割は数字の計算で答えを導き出せるという。
クラスでは学級委員長としてリーダーシップを発揮し、みんなのまとめ役を担っている。
委員長を意識してか全員とひいきなく平等な関係を維持しておきたいため、一歩引きがち、藤原や渚から指摘されているものの、これが性分らしくどうしようもないらしい。
担当科目は数学
白川 鈴芽 (シラカワ スズメ)
超高校級の映画監督
彼女の映画人生は中学のころ、世間で人気を博した一本の映画を視聴し、気に入らなかったのか、監督に直接文句を言いにいき、言い負かし、その作品を内容を変えないまま遥かにいいものにリメイクしてしまった事から始まる。
だがこのときの周りの反応から、良い映画を撮れれば何をしても許されるという危ない思考の持ち主。
学園に飽き、田舎の方がより良い資料を集められると考え、無理やり参加。
映画に使える知識はなんでも覚えておきたいらしく、成績は割と良い、そこらじゅう走り回っているせいか身体能力もそこそこある。だが数学だけは「こんなもん何の意味もないわ!!」と拒絶している。
常にビデオカメラを手に持っている。
天城の冗談が通じない、自身の言動も冗談のように聞こえるものばかりだが、冗談ではない。気に入らない行動が目に入ると勝手にカットし、やり直させようとする。
担当科目は映画論
天城 泉 (アマギ イズミ)
超高校級の化学者
小学校のころ理科の実験中、退屈だったのか怒られるのが分かっていながらも、用意されていた薬品を勝手に混ぜ合わせてみたら道の反応を起こし新薬を作ってしまう。
それ以来真剣に化学を学び、確認されていない化学反応や、報告がごく少数しか挙がっていない反応の再現、「男の理性が吹っ飛ぶ薬」など謎の薬品を制作したりしている。
特に理由もなく気まぐれで参加。
成績は理数系科目にあからさまに偏っている。
しんみりとした空気が苦手で、時折非常に趣味の悪い冗談を連発し、お茶の間を濁す。
料理をすると作ろうとしたものと見た目と味が一致しない。(不味いわけではない)
毎日相良の事を弄り倒している。「好きな子には悪戯をしたくなるやつだよ!」などと供述しているが実際の所は不明。白川と2人きりにすると、大体良くないことが起こる。
担当科目は化学
~マイジョウ~
舞丈(……どういうことなんだ?)
何かがおかしい、どこかズレているそんな曖昧な感覚に苛立ちを覚えてしまう
1番わかりやすく述べるなら「僕は違和感を感じている」
それ以上でもそれ以下でもない、それがどこに向けられていてどういう物体、いや現象なのかも定かではない
だが確信を持ってしまっている
舞丈(……何かがおかしい)
何度自分のスマフォを見直してみても、昨日までの記録は記憶通り春休みの日常を表している
元々、日記などをつける方ではないので、詳細な情報ではないが…自分の記録なのだからそこに間違いはないと考えられる
舞丈「…はぁ」
だめだ、検討も付かない…
先ほども柿生さんを困らせてしまったようだし
諦めてこのまま過ごしてみるのもアリか
そのうち何てことない、くだらない物だったと判明するなり忘れ去るなりするだろう
天城「アーキーラーくん?」
相良「うわぁ!?待ってよ天城さん!今度は僕に何をする気なのさ!!?春休み散々…」
天城「チッチッチ…何を言ってるんだいアキラ君?今日から新学年なんだよ?心機一転しないと…ねぇ?」
藤原「やめんか、騒々しい」
舞丈(……いや、違うな)
これが後々ここのみんなに悪影響を及ぼす…何てことも考えられなくはない以上
指を咥えているわけにもいかないか
かといって1人で考えても妙案の一つも思いつきそうにない
良いじゃないか、さっき柿生さんに打ち明けたように誰かに相談してみるのもアリかもしれない
幸いここにいるメンバーは大体優秀な人達だ
もしくは僕は生徒なのだから鏑木先生に相談してもなんらおかしくはない
うん、ひとまずはそうしてみようか
さて、誰に話しを聞こうか?↓2
蕪木
天城
舞丈「天城さん」
天城「セントくん?うん、どうしたの?」
舞丈「ちょっと時間あるかな?」
僕は天城さんに、今日の朝目覚めてからのこの違和感について話してみた
自分でも理解しきれていないから話すのも困難だったが、彼女は真面目に聞いてくれていたようだった
舞丈「と、そういうわけなんだがね。君の考えを聞かせて欲しいんだけど」
天城「う…ううん…」
舞丈「やはり難しかったかな?いや分かってるんだ、変な話をしているということは」
天城「それで、今日のホームルームでセイシロウ先生に自分達の学年を聞いたりしてたの?」
舞丈「実はそうなんだよ、あれで何か分かるかなと…」
天城「へぇ……」
天城「……」
舞丈「……」
天城さんは考え込んでる様子だったからしばらくそのまま返事を待ってみる
天城「私はさ…化学者だから、世の中におかしいなこれ?とか、なんでこうなるんだろ?なんて疑問はしょっちゅう浮かんでて、それを確かめるために実験したりするんだけど」
舞丈「なるほど…まともな研究もしていたんだね」
天城「ちょっと?」
舞丈「おっと失礼、続けてくれるかい?」
天城「実験するにしても、ただ闇雲になんて勿論できるわけなくて、何かしらの根拠や材料なんかを元に考察を重ねながらゴールを目指すんだよ。その疑問が何かすら分からない時は、その疑問が頭に浮かんだその状態を再現しようとしてみたり」
舞丈「ふむ」
天城「だから、舞丈くんのその正体不明な何かへの違和感?みたいのが浮かぶ気持ちは分かるけど…やっぱり材料や手がかりがないとねぇ…」
舞丈「まぁ…そうだろうね。確かに手がかりの一つもない…無茶な相談だったかな?」
天城「いやいや、だから単純な事だと思うよ?」
舞丈「単純…かい?」
天城「だから手がかりを探してみればいいんだよ!いきなり結論は出せないんだからさ」
舞丈「!」
確かに単純だ
ははは、なぜ今までこんな簡単な事に気がつかなかったんだ
僕は、何かがおかしいという感覚には確信を持っていたせいか、いきなりその正体を掴もうとしていたのか…とんだ早とちりだ
大切なのは調査する事だ
幸い時間はある、この町中を見て回ってみれば
何かが分かるかもしれない
舞丈「なるほどね、君に相談して正解だったというわけか。だめだなぁ、もっと柔軟な思考を持たなければいけないね僕は」
天城「何か参考になった?」
舞丈「うん、感謝する。僕も実験材料とやらを探してみるよ」
天城「あ、なんなら今度私の実験に付き合ってみない?今度のは凄いよ?主に…赤い紅い方面に……」
舞丈「遠慮するよ」
・天城の好感度が1上がりました
(今回好感度は柿生と舞丈で共有です)
現在の好感度レベル
※このレベルによって外伝イベントが解禁されます
募集してイベントも含まれます
鏑木 lv1
相良 lv1
藤原 lv1
右町 lv2
月宮 lv1
天城 lv2
白川 lv1
イベントは常に募集してるん
~放課後~
放課後は主人公のどちらかを選んで探索します
↓2誰でどこに行きますか?
A柿生
B舞丈
1桐場神社(???)
2桐場小中学校(相良)
3屋上(???)
4丘の上公園(???)
>>131
はい思いついたらどうぞ!
組み込みますので
このレスは安価下
A 3
柿生「~♩」
放課後になり、みんなが解散していく中
私は屋上に上がり町の絵を描いていた
今年度最初の一品、春の夕焼けな風景
ファサ…
柿生「え?」
突然誰かが私にカーディガンを掛けてくれた
円山「だいぶ暖かくなってきたとはいえ、日が沈むとまだ冷えますから」
柿生「円山くん…」
円山「やはり見事なものですね、柿生様の絵は」
柿生「いえそんな」
円山「ご謙遜なさらないでください、この町を1番上手に描けるのは多分柿生様です」
柿生「えっと…あ、ありがとうございます」//
褒められる事には慣れていない私はこんな時どう返せばいいのか困ってしまう
挙動不審に見えるかもしれない
円山「コンテストなどへの応募などは考えてはいないのですか?」
柿生「コンテスト…ですか……」
↓1
1出す予定は…ありません
2話をすり替えようとする
3自由安価(内容は後で)
1
勿論いままでそう言った機会は何度もあった
でも結局そういった催しに私の絵を出した事はなかった
希望ヶ峰学園に入る前は、自分の絵が世の中でも通用するとは思えずに
希望ヶ峰学園にスカウトされた時、この絵が認められた事を知ることはできたけれど
今度は私が「超高校級の画家」という肩書きを持つせいで、コンテストでの審査に影響が出てしまわないか心配で…
でもこんな事言えなかった
円山「…申し訳ございません、余計な事をお聞きしてしまいましたね」
柿生「いえ!疑問に思うのも当然です!…ただ、しばらくはそういった予定は…ないですね…」
私はこの話題から離れたくて手を進めた
円山「温かい飲み物なども用意させていただきました」
柿生「そ、そこまでしてくれたんですか?すみません…いいんですよ?私の事は気にしなくても…?」
すると円山くんは笑顔でこう返す
円山「いえ、私は頼まれただけですから」
柿生「…誰にです?」
円山「はて、誰でしょうね?」
・
・
・
藤原「あやつめ、あのようなところで遅くまで絵を描いて風邪を拗らせたりしないだろうな…」
・円山と藤原の好感度が1上がりました
私はキリのいいところで切り上げると
円山くんと一緒に帰路へ
なんだか色々とお世話になってしまった
週末を使ってなにかお礼なんかができればいいけれど…
柿生(少し話してみましょうか?)
円山と週末の約束をしますか?↓1
1約束はしない
2何をするか安価で決める(バス停を使って町の外へも行けるので大抵の事は提案できます)
参考として所持品
【怪しい薬】
天城からもらった謎の薬
体力・気力・その他もろもろが限界以上にエネルギッシュな状態になる
(後日反動あり)
1
柿生(約束はまたの機会にしましょうか、まだ今年度も始まったばかりですし)
柿生(もうすこし落ち着いてからでも遅くはありませんよね)
ー夜ー
<<<マイジョウ<<<
さて、夜も更けたね…
そろそろ行動してみてもいいかもしれない
この町の謎、調べてみようじゃないか
※夜パートは舞丈操作です。どこに誰がいるかは全くわかりません
まとめると、昼休み(柿生)放課後(柿生・舞丈)夜(舞丈)が一日の流れになります
↓2さて、どこへ行ったものかな?
1コテージ(誰のコテージかも指定、柿生以外)
2桐場神社
3駄菓子屋
4河川敷
4
2
~桐場神社~
舞丈「…ふぅ、いつ登っても長い階段だね」
ここは桐場神社、この田舎町の中では特に立派な場所と言えるだろう
だが時間も時間、当然宮司の方も見えない
静まりかえったこの場所は、いつもの壮大さではなく
不気味さのほうが引き立っている
僕は鳥居を潜り奥へ進むんだ
舞丈(しかし…ここに怪しいものはないような気がするね…ん?)
神社の奥のさらに奥にも道があるようだ
暗くてよく見えない…
舞丈(あそこはもう少し準備をしてから探索してみてもよさそうだね)
「おみくじ」
舞丈(おっとこれは…そういえば今年は引いていなかったような気がする…はずだね)
舞丈(どれ、そう高いものでもないし、一つ引いてみようか)
僕は代金箱に50円玉を放り込むとおみくじに手を伸ばす
↓1コンマ
1~10大凶
11~30凶
31~40末吉
41~50小吉
51~65中吉
66~90吉
91~00大吉
あ
舞丈(末吉か…まあテキトーに引いたわけだしこの辺りが分相応ってものだろうね)
ひとまず神社は引き上げることにした
・「森道」を発見
・【おみくじ末吉】を手に入れた
↓2さて、まだ時間はあるわけだけど…どこへ行ったものかな?
1コテージ(誰のコテージかも指定、柿生以外)
3駄菓子屋
4河川敷
4
4
~河川敷~
河川敷にやってきた
河川敷というぐらいだから、当然そばには町の外にも続いている大きな川がながれている
よく町の子供が遊んでいたり、ご老人がここのベンチに座って談話している姿を見かける
だが、暗くなってから訪れる人は多くはない、いまたまたまやってきた僕と、目に映る人影は…
舞丈「やあ、渚くん」
渚「…舞丈か」
彼は河川敷の坂に仰向けに寝そべっていた
舞丈「意外だね、君がこんなところにいるなんて」
渚「いや、そうでもない。俺は暗くなってからならよくここに来る」
舞丈「そうなのかい?何をしに?」
渚「ただ…星を眺めているだけだ、この町は良く見える」
舞丈「へぇ、君にそんな趣味があったなんてね」
渚「昔から、こういう機会が多かったんだ。とある二人に連れられてな。舞丈こそ、夜に出歩くのは珍しいんじゃないのか?」
舞丈「僕はまあ…調査だよ」
渚「何かあったのか?」
そういえば彼は探偵じゃないか、話を聞いてもらう価値はあるかもしれないね
↓2
1この町で変わったことはないか聞いてみる
2星空の話を続ける
3自由安価
2
1
僕は、彼にこの町の違和感について話した
渚「…いや、俺は特になにも気づいたことはなかった。先生も何も言っていなかったしな」
舞丈「やっぱりそうか…僕の思い過ごしなのかな?」
渚「いや、思い過ごしだったとしてもそれには何かしらの原因があるはずだ」
渚「物理的なものであれ、精神的なものであれな」
舞丈「物理的…精神的…かい?」
渚「例えば物理的な要因なら、普段この町にないものが出現していた。もしくは逆に普段あったものが消えていた」
渚「精神的なものなら、やっておかなければいけないことをやり忘れていて、その内容が思い出せないとかだ」
舞丈「なるほど…」
だとすると、この違和感は精神的なものなんだろうか
スマホの記録や、この町を見て回っても特におかしなところは見当たらない
むしろ、何かのやり忘れや、僕の記憶上の不備、間違いと言われた方がしっくりくる気がする
舞丈「精神的なものだったなら、そんなに慌てる必要もないかもしれないね、それはあくまで僕個人の問…」
いや、まってくれ
僕個人の問題?そう片付けてしまうのはいささか早計ではないだろうか?
僕は確かにこの違和感の正体は『この町やみんなに危害を及ぼす』可能性も考えたはず
なぜ?どこからそんな考えが…?でも、なぜかそんな気がしてならない
舞丈「……」
渚「どうした?」
舞丈「あ!いや、なんでもないすまないね」
渚「あ、ああ…」
舞丈「じゃあ、僕はこの辺で、とても参考になったよ」
渚「一応、俺もこの町に注意を巡らせてみる。何かわかったら教えてくれ」
舞丈「うん、便りにさせてもらうよ」
・渚の好感度が上がりました
明日も学校だし、今日はこのあたりが限度かな
物理的な物…精神的な要因
それさえはっきりしないなんてね…
まあ焦らずやっていこう
ターン1 終了
・好感度
鏑木 lv1
相良 lv1
円山 lv1
藤原 lv2
右町 lv2
月宮 lv1
天城 lv1
白川 lv1
解放されるイベントはまだありません
※一例:愛野 lv2神谷 lv2右町 lv1で『ケガをした子猫』が解放されます
柿生side
・手放したもの
【海賊団の絵】
柿生が図書館で借りた本を読んでから描いた絵
右町に差し上げた、彼女は額縁に入れて飾っている
・所持品
【怪しい薬】
天城からもらった謎の薬
体力・気力・その他もろもろが限界以上にエネルギッシュな状態になる
(後日反動あり)
舞丈side
【おみくじ末吉】
次のコンマ判定を良い方向に3ずらすことができる
ー次の日、体育ー
<<<カキエ<<<
相良「それじゃ、スポーツテストやるよー」
スポーツテスト…運動が苦手な人への嫌がらせ、まさに悪しき風習
・
・
・
ー長距離走ー
柿生「ハァ…ハァ…」
右町「…吐きそう」
私はかなり運動神経が悪い
長距離走をやるとこの有様…
円山「お疲れ様です、無事ゴールですよ」
柿生「ま、円山君…」
右町「一緒に…走ろうって…言ったのに…」
アナ「いるよね、マラソンで仲良しこよしではしろうとする人達」
白川「そして結局ついていけない人が一人は出てくる、定番よねつまらない」
相良「そもそもスポーツテストなんだから、一緒に走るものじゃないでしょ?測定なんだから」
神谷「おーい、走ったあとは、止まらずにしばらくは歩いた方が良いぞ~」
柿生「シンちゃんは…なにも…やらないから…のんきですね」
神谷「好きで何もやらないわけじゃないからな?それにこの授業において俺は健康管理という大役をだな」
相良「あ、神谷くん。今年度は君にもちゃんと運動してもらうよ?」
神谷「え?そりゃいいけど、走ったりは…」
相良「うん、だからみんなが走った距離分の負担を月宮さんに計算してもらって…」
相良「基礎練習、つまり筋トレに換算してメニューを考えてみたんだ。これ、授業終わるまでにやってね!」
神谷「………マジ?」
・
・
・
ーボール投げー
宍戸「うらぁ!!」
愛野「宍戸、また、範囲外なんだけど…」
宍戸「ああ!なんでだよぉ!!」
ボール投げで宍戸君が投げたボールは2回連続でファールだった
月宮「ボール投げは闇雲に力に物を言わせればいいってものではないわ、投げる最適な角度やリリースタイミング、力のかけ方を計算すれ…ば!」
ヒューン!
舞丈「へえ、キミでも結構飛ぶものなんだね。僕も運動は不得意なほうでね、その理論教授願いたいよ」
月宮「教えるのは構わないけれど、実践できるかどうかは別よ?」
・
・
・
ー長座体前屈ー
アナ「よっと…」(グネッ
鏑木「うぉ…すっげえ柔らかい」
アナ「大したことはしてないんだけどねーちょっと柔軟したぐらいで…てかパイプ吹きながら測定しないでよ」
鏑木「そもそも、普段の体育は相良に一任してるんだ、スポーツテストだからと職員室からでてきただけでも褒めてもらいたいくらいだね」
アナ「ほんっとテキトーな人…探偵くんのお師匠さんとは思えないよ」
鏑木「…………しまったーきろくしわすれたーもういっかいやってくれー」
アナ「腹いせのつもり?大人げないなぁ~、よっと…」(グネッ
柿生「……………」
月宮「……………」
愛野「……………」
右町「?」
鏑木(おー、あからさまに嫉妬してるなぁありゃ)ニヤニヤ
ー上体起こしー
藤原「ふっ!ふっ!ふん!」
天城「ミナヒト君、結構できるんだね」
藤原「ふん、怠けているわけではないこの程度、他愛もないものだ」
天城「よーし、それじゃ私もこの秘伝のドリンクで!うへへ」
ヒョイ!
天城「あ、取らないでよ!それ私の!」
藤原「馬鹿いえドーピングではないか!なぜ堂々と不正行為を…」
アナ「あ、探偵くん凄い!!」
藤原「む?」
渚(スク!スク!スク!スク!スク!
藤原「」
神谷「あいつ、どちらかと言えば知性派のくせに割と運動できるのが腹立つよな…」
柿生「ですね…」
ー昼休みー
柿生(ピク…ピク…
つ、疲れた…
柿生(ど、どこか行きます?)↓2
1保健室(神谷・愛野)
2丘の上公園(???)
3カフェ(???)
4桐場神社(宍戸)
1
1
もう少し進めようと思ってましたが
今日はもう無理そうです
イベント:男子会~修学旅行の夜のような~
ラブロマンス映画を撮るよ
女子会男子会
ラブロマンス映画は何とすでに企画されてます
ドッキリ大作戦、逃走中のようなもの
アナドライブも組み込みました
これってロンパーズ本編の前日談なの?
>>166
おっと、超重要な文言だったのに書くの忘れてました
「カントリーモードは本編とは関係ございません」
~保健室~
ガララ…
神谷「保健室で仮眠は取らせないぞ?」
柿生「違います」
この校舎には保険の先生がいない
代わりにシンちゃんが担っている
いいのかな……?
柿生「あ、愛野さんも」
愛野「こんにちは、柿生さん」
神谷くんと愛野さんはケーキを食べていた
愛野さんは昨年度の半年間で随分明るくなった気がする
それに……
柿生「なんだか2人とも仲良くなりましたよね?」
愛野「本当?そう見える!!?」
柿生「え、ええ…見えます。なんだか一緒にいるとこを見ることが多くなった気がしますし」
柿生「何がキッカケで?」
神谷「実は…一事件あってな、その時まで俺も愛野のことはよく知らなかったんだけど、思ったよるずっといい奴だったんだよ」
愛野「そんな…神谷くん、照れちゃうよ~」
神谷「若干オーバーリアクションだけど」
柿生「一事件?」
座る場所がなかったので、ベッドに腰掛けながら聞く
神谷「ああ、子猫の話なんだけど……」
・
・
・
神谷「……って話なんだけど、っておい?」
柿生「zzz」
愛野「自分から聞いといて失礼ね…」
神谷「スポーツテストで疲れてたんだろうなぁ…この話は別の機会にでも聞かせることにしようか」
愛野「私も疲れちゃったなぁ」(パクッ
神谷「あんまり糖分摂りすぎるなよ?」
愛野「神谷くんはむしろもっと糖分摂らないとダメよ。はい、あーん」
神谷「じ、自分で食うって…!」
・神谷と愛野の好感度が上がりました
ー放課後ー
↓2誰でどこに行きますか?
A柿生
B舞丈
1桐場神社(???)
2桐場小中学校(相良、???)
3カフェ(アナ)
4丘の上公園(????)
5職員室
6誰かに会いに行く(人物指定)
B 2
B2
放課後、学校でダラダラせずにまっすぐコテージに向かうと
帰り道途中で遊んでいる子供達の声が聞こえてくる場所がある
桐場小中学校、田舎町だけあって子供の数もそう多くはない
そのため小学生と中学生が共に同じ場所に集う
所謂一貫式の学校だ
子供達の声と言っても、大人数による賑やかで時折うるさく感じる声というよりかは、
ささやかな小鳥達のような声というイメージだ
特別子供が好きでも嫌いでもない普段の僕は、この場所に興味を示すことはなかった
だが…今日は
舞丈(……あれ?彼は…)
見たことのある人影がなぜかそこにいるので、思わず足を止めてしまった
というのもそこにいるのは相良くんで、しかも小学生と混じって遊んでいたりするのだ
相良「あ!舞丈くーん!」
舞丈(大声で呼ばれてしまったね…)
仕方なく歩み寄ってみる
舞丈「ここで何をしてるんだい?」
相良「子供達と遊んでるんだよ」
舞丈(うん、それは見ればわかるんだけどね)
「相良兄ちゃんの知り合い?」
小学生の低学年の子が親しみを持って近寄ってくる
彼もかなり懐かれているようだ
相良「うん、僕のクラスメイトだよ。舞丈千人っていうんだ」
「…変な名前」
舞丈「まあ相良くんの名前に比べたら珍しい方だろうけどね」
子供は正直なものなので、特に気にする必要はない
そんなことよりも相良くんがここにいる理由の方が気になってしまう
見たところ、ここにいるのは珍しいわけでもないらしい
舞丈「ところで相…」
「兄ちゃん兄ちゃん!キーパーやってよ!」
相良「お!やる?今日は何点入れられるかな?」
「俺なんか10点入れちゃうもんね!」
相良「あはは、10点は無理なんじゃないかな?じゃ、舞丈くんまた後で!」
舞丈「あ、相良くん……」
舞丈(まあ、また後日でもいいかな)
ポケットからスマホを取り出しながら踵を返そうとすると
「彼はよくここに来てくれるんだよ。子供達の相手をするためにね」
舞丈「?貴方は?」
校舎の中から出てきたと思われる女性に引き止められた
ちよ先生「失敬、私はこの学校の教師を務めてる者だよ。町のみんなには『ちよ先生』と呼ばれている」
舞丈「ここの先生でしたか。それで、彼はなぜ?」
ちよ先生「ああ、君たち希望ヶ峰学園生がこのへんぴな町に来た時、ここの子供達も興味深々でね」
ちよ先生「この町には高校がない。中等教育を終えた者達はみんな一度この町を出て行ってしまうからね、そもそも高校生がいなかったんだ」
舞丈「では子供達にとって物珍しかったのは、希望ヶ峰学園生というよりも、僕達ぐらいの年代の人間自体ってことでしょうか?」
ちよ先生「そういう事になる。相良くんも田舎町の子供達の事が気になっていたらしくてね。気づいたらあの通り、暇があれば子供達と遊んでくれているんだ。先生顔負けだよ」
舞丈「なるほど、僕から見ても彼はその手の事が得意に思える」
ちよ先生「最初は子供達が都会の君たちくらいの子と関わりを持つとどんな影響があるものか、と心配していたんだけどね。特にキミのとこの先生のような人にはできるだけ会わせたくない」
舞丈「反論する言葉もないです」
ダメ人間筆頭、鏑木先生のことだ
ほんとは優秀な人だと分かっていても
めんどくさがりな言動と、常にパイプを吹いているところを想像すると
とてもじゃないが子供と相性がいいとは思えない
舞丈「確かに、都会の情勢を少しは知っている身としては、必ずしも良い影響を与えるとは言い切れない。そのあたり彼は適任です」
ちよ先生「ああ、今では安心して子供達を任せられるよ。君の仲間達はみんな揃ってそう言ってくれるからね。もしかしたら、相良くんは先生の素質があるかもしれない」
舞丈「同感です」
ちよ先生「ところで君はどんな才能を持っている?」
舞丈「僕は……しがないプログラマーですよ、子供達との付き合いについてはあまり期待しないでくれると助かります」
ちよ先生「ははは、そうか。まあ無理にとは言わない。でも気が向いたらまたここに来てくれ。今日はもういないが中学生の子達とはまた違うかもしれないぞ?」
僕はあまり町の人とは関わってこなかったけれど、今後はこういう機会があっても良いかもしれない
・相良の好感度が上がりました
・ちよ先生と小中学校の子供達と出会った
ー夜ー
夜も更けたようだ
特に今日中にやらなくてはいけないことも残っていない
では…調査といこうか
↓2さて、どこへ行ったものかな?
1コテージ(誰のコテージかも指定、柿生以外)
2森道
3駄菓子屋
4希望ヶ峰分校
5カフェ
3
5
~カフェ~
ここも今まで来たことはなかった
故になにか手掛かりが見つかるかもしれないと立ち寄ってみたものの
舞丈(しかし、この町でここに立ち寄る人って多いのだろうか?)
こう言ってしまうのは悪いのだが
正直この立派なカフェはこの町では異質
似合わないというべきか
どう考えても都会に出した方が利益が期待できそうだ
カランカラン
マスター「いらっしゃいませ」
中に入ると、立派な口ひげを持つ細目のマスターと物静かな音楽が向かい入れてくれる
マスター「何をお出ししましょう?」
舞丈「エスプレッソで」
長居する予定でもないので、量の少ないもの値段も確認せずに注文する
舞丈(さて、ここには何が…?)
辺りを見渡す
特に目につくものは見当たらな…
???「こんばんわ」
舞丈「あ、こんばん…」
他にもお客さんがいたのかと、すこし慌てて振り返ると
舞丈「て、アナさん」
アナ「ここで会うのは初めてだねプログラムくん」
舞丈「びっくりしたよ、まさか知り合いがいたなんて」
アナ「アタシはしょっちゅう来てるからね、プログラムくんこそ今日が初めてなの?」
舞丈「ああ、そうだよ」
アナ「意外だよね。パソコン作業するにはもってこいの場所だと思うのに」
舞丈「作業するときは基本自宅でやっているんだ。機材の関係もあってね」
アナ「へぇ、色々あるんだね。あ、それにメニューも見ずにエスプレッソを頼むなんて、プログラムくん苦党?」
それにしてもプログラムくんと呼ばれるのは多少こそばゆいものがある
舞丈「いやエスプレッソを頼んだのは…」
長居をするつもりはなかったけれど、知り合いがいるとなれば別だ
特にアナさんはここに足しげく通っているようだ
何か聞き出せるかもしれない
↓2
1カフェでなにか変わったところはないか聞いてみる
2コーヒーの話をしてみる
3自由安価(内容は後)
2
2
舞丈「単に気分だよ。特別すきな物があるほど、僕はコーヒーに詳しくないからね」
舞丈「君はそうではないようだけど」
アナ「アタシもこだわりがあるわけじゃないけど、甘い方がすきかな。ミルク入れたり砂糖入れたり」
アナ「ここのコーヒーはどう飲んだって美味しいしね」
舞丈「へぇ…」
コトッ
マスター「お待たせいたしました」
舞丈「どれ…」
小さなカップを口に持っていく
舞丈「なるほど、これは…」
コーヒーを飲んでここまで違いが分かる日が来るとは思っていなかった
エスプレッソは単にとびきり苦くて濃い物という認識を改めるべきなのかもしれない
それがこのコーヒーを言い表した文章だというのは、あまりに失礼な話だ
アナ「どう?どう?」
舞丈「絶品だよ。こんなことならもっと量のあるものを頼んでゆっくり楽しむべきだったかもしれない」
アナ「ならまた来ればいいじゃん?これあげるからさ」
アナさんは何かの券のような物を渡してきた
舞丈「これは?」
アナ「割引券、ここの」
なるほど、ここの常連なのなら持っていてもおかしくはない
一瞬もらってしまうのは悪いと感じたものの
彼女は有名な資産家の娘
言い方は良くないが、そもそも不要の産物なのかもしれない
舞丈「割引券か…ありがたく頂戴するよ」
アナ「ううん、割引券っていうのはリピーターを作るだけじゃなくて、こうやってお客さんを増やすことも視野に入れた戦術だから!こうすればお気に入りのお店の助けにもなるんだよ、ね?マスター?」
マスター「……」
舞丈(しかしこのマスター、最低限しか口を開かないね)
・アナの好感度が上がりました
・【カフェの割引券】を2枚手に入れた
まだ時間はあるかな
↓2さて、どこへ行ったものかな?
1コテージ(誰のコテージかも指定、柿生以外)
2森道
3駄菓子屋
4希望ヶ峰分校
3
3
今日はここまで
~駄菓子屋~
駄菓子屋だ
それ以上でもそれ以下でもない
婆「いらっしゃい」
舞丈「こんばんわ、こんな遅くまでやっているものなんですか?子供はもうこないと思うけれど」
婆「何を言っとるんじゃ、お前さんが来よったがな」
舞丈「ははは、ご冗談を。まさか僕がやってくることを見越して開いていたわけじゃないでしょう?」
婆「いんや、お前さんを待っていたんじゃよ。舞丈さんとやら?」
舞丈(……!)
僕を待っていた
これだけならまだお茶目な冗談で済んだかもしれない
だけど、このご老人は名乗ってもいない僕の名前を知っている
舞丈「……どうして僕の名前を?」
婆「学生さん達から話は聞いておるからねぇ」
舞丈「いや、それはおかしな話だよ」
~駄菓子屋~
駄菓子屋だ
それ以上でもそれ以下でもない
婆「いらっしゃい」
舞丈「こんばんわ、こんな遅くまでやっているものなんですか?子供はもうこないと思うけれど」
婆「何を言っとるんじゃ、お前さんが来よったがな」
舞丈「ははは、ご冗談を。まさか僕がやってくることを見越して開いていたわけじゃないでしょう?」
婆「いんや、お前さんを待っていたんじゃよ。舞丈さんとやら?」
舞丈(……!)
僕を待っていた
これだけならまだお茶目な冗談で済んだかもしれない
だけど、このご老人は名乗ってもいない僕の名前を知っている
舞丈「……どうして僕の名前を?」
婆「学生さん達から話は聞いておるからねぇ」
舞丈「いや、それはおかしな話だよ」
~駄菓子屋~
駄菓子屋だ
それ以上でもそれ以下でもない
婆「いらっしゃい」
舞丈「こんばんわ、こんな遅くまでやっているものなんですか?子供はもうこないと思うけれど」
婆「何を言っとるんじゃ、お前さんが来よったがな」
舞丈「ははは、ご冗談を。まさか僕がやってくることを見越して開いていたわけじゃないでしょう?」
婆「いんや、お前さんを待っていたんじゃよ。舞丈さんとやら?」
舞丈(……!)
僕を待っていた
これだけならまだお茶目な冗談で済んだかもしれない
だけど、このご老人は名乗ってもいない僕の名前を知っている
舞丈「……どうして僕の名前を?」
婆「学生さん達から話は聞いておるからねぇ」
舞丈「いや、それはおかしな話だよ」
~駄菓子屋~
駄菓子屋だ
それ以上でもそれ以下でもない
婆「いらっしゃい」
舞丈「こんばんわ、こんな遅くまでやっているものなんですか?子供はもうこないと思うけれど」
婆「何を言っとるんじゃ、お前さんが来よったがな」
舞丈「ははは、ご冗談を。まさか僕がやってくることを見越して開いていたわけじゃないでしょう?」
婆「いんや、お前さんを待っていたんじゃよ。舞丈さんとやら?」
舞丈(……!)
僕を待っていた
これだけならまだお茶目な冗談で済んだかもしれない
だけど、このご老人は名乗ってもいない僕の名前を知っている
舞丈「……どうして僕の名前を?」
婆「学生さん達から話は聞いておるからねぇ」
舞丈「いや、それはおかしな話だよ」
~駄菓子屋~
駄菓子屋だ
それ以上でもそれ以下でもない
婆「いらっしゃい」
舞丈「こんばんわ、こんな遅くまでやっているものなんですか?子供はもうこないと思うけれど」
婆「何を言っとるんじゃ、お前さんが来よったがな」
舞丈「ははは、ご冗談を。まさか僕がやってくることを見越して開いていたわけじゃないでしょう?」
婆「いんや、お前さんを待っていたんじゃよ。舞丈さんとやら?」
舞丈(……!)
僕を待っていた
これだけならまだお茶目な冗談で済んだかもしれない
だけど、このご老人は名乗ってもいない僕の名前を知っている
舞丈「……どうして僕の名前を?」
婆「学生さん達から話は聞いておるからねぇ」
舞丈「いや、それはおかしな話だよ」
すいません
どういうわけなのかjanestyleが不調で
書き込み失敗って表示されていたんですが
連投してしまったようです
舞丈「僕は自負できるくらいにはインドア派な人間でね。この町に来てから半年、満足に廻った事はなかったし、例によってここに来るのも初めてなんだ」
舞丈「それをまさか、見ず知らずの人間を一目見るだけで舞丈千人だと特定できるほど、僕について語ってくれた人でもいたんですか?」
このお店は見るからに胡散臭いし、このお方も怪しいと言わざるを得ない
でもここまでムキになる必要は果たしてあったんだろうか?
僕の疑問はいとも容易く打ち破られるというのに…
婆「おったよ?」
舞丈「へ?」
婆「大層絵が上手な絵描きさんでな。お前さん達の絵を描いてくださったんじゃよ」
婆「ほれ」
するとお婆さんは奥から一枚の画用紙を見せてくる
舞丈「…なるほど」
柿生さんか…たしかに彼女ならやりかねない
彼女がこの人に、僕たちの様子を楽しそうに語る様子は想像に難くない
舞丈「し、失礼しました。ご老人相手に熱くなるなんて我ながら恥ずかしい」
婆「ええ、ええ。考えることは大事さね。あまり細かいことを気にしすぎると、禿げるがな」
舞丈「は…はぁ。ん?しかし、僕の事を待っていたというのは…」
いや、冗談で済むじゃないか
今更気にすることではない
さっき自分で口にした通りごく一般的なご老人相手に…
婆「ああ、気になっとるんじゃろう?この町の変な感じとやらが」
前言撤回、この人やっぱりただ者じゃない
舞丈「なにか…いえ、どこからどこまでご存じなんですか?」
婆「わしゃ何も知らんよ、ただそんな気がするというだけの話なら…なんじゃったかな?」
舞丈「……?」
婆「いかんねぇ、最近物忘れが激しくてなぁ。お前さんが何か買ってくれるなら思い出すかもしれんなぁ」
舞丈「なるほど、そちらも商売ということですか…」
婆「はて、なんのことやら」
仕方がないので、近くにあったチョコレートの、見つけたものの中でも高い方の板チョコをお婆さんに差し出す
婆「おや、それを選ぶかね?」
舞丈「まあ、どうせ買うならまともな物が欲しいので、特にチョコレートは利点もあるお菓子ですから」
チョコレートダイエットなんて言葉もあるぐらいだ
駄菓子屋でこの値段のお菓子を選ぶ子供は多くはないだろうが
情報料がこれで済むなら悪くない
婆「毎度」
舞丈「それで、なにか心当たりが」
婆「この頃、昼の『丘の上公園』になにかおるようじゃよ?」
舞丈「なにか…というのは?」
婆「知らん」
舞丈「えぇ…?」
婆「さ、用は済んだし今日は店じまいじゃ。わしゃ、最近ボケとる爺さんの世話をやかにゃならんでな」
と、閉め出されてしまった
舞丈(真偽は実に怪しいところだけど…確かに丘の上公園はまだ行っていないな。昼頃か、調べてみてもいいかもしれないね)
・『板チョコ』を手に入れた
今日はこんなものかな
戻ってゆっくりするとしようか
・好感度
鏑木 lv1
渚 lv1
神谷 lv1
相良 lv2
円山 lv1
藤原 lv2
アナ lv1
右町 lv2
愛野 lv1
月宮 lv1
天城 lv1
白川 lv1
柿生side
・手放したもの
【怪しい薬】
天城からもらった謎の薬
体力・気力・その他もろもろが限界以上にエネルギッシュな状態になる
(後日反動あり)
舞丈side
【おみくじ末吉】
次のコンマ判定を良い方向に3ずらすことができる
【カフェの割引券】
アナからもらった、カフェで使えるクーポン
2枚ある
【板チョコ】
コンビニやスーパーでは至って普通のチョコだが
駄菓子屋の中では割と高級品
ー次の日ー
~教室~
<<<マイジョウ<<<
朝早くに学校にやってきた僕は、パソコンのキーボードを叩いていた
今までの情報をワードにまとめるためだ
もっとも確かな情報は無に等しい、この分だと纏めるといっても3分とかからないだろう
舞丈「うーむ」
舞丈(『何か』ってなんだろうね?そもそも人間なのかな?)
月宮「あら、どうしたの?朝から怪訝な顔をして、ゲームでもやっているの?」
舞丈「月宮さんか」
月宮「おはよう、舞丈君」
舞丈「別にゲームをしてるわけじゃ…」
舞丈(いや待てよ?ゲーム…そうかゲームか)
もしかしたら、これは例えとしてはぴったりかもしれない
舞丈「そうだね、実は今度スマートフォン向けのゲームをリリースする予定なんだ。実はその内容について悩みあぐねていてね」
月宮「それであの顔だったのね、ちなみにどんなゲームなのかしら?」
舞丈「よくぞ聞いてくれたね。とある町に越してきた男が主人公でね、その町はいろいろと謎が目立つんだ。例えば怪現象が起こったりとね」
怪奇現象なんてまだ起こってはいないが、ゲームっぽくなるだろう
実際に本気で作ってみたら面白いかもしれない
これは一考の価値ありか?
舞丈「だからその町を探索して、謎を解き明かす。そんなコンセプトなんだよ」
月宮「なんだか、このクラスにいる誰かさんを彷彿とさせるわね…」
舞丈「まあ探偵のような事をするゲームだからね。それで、町のとある場所に怪しい人物がいるということになっているんだけど、それが困ったことに『怪しい人物』ということしか思いつかなくてね」
舞丈「月宮さんはどんな人物だと思う?」
月宮「怪しい人物…ね。例えば、幽霊だったりとかはどうかしら?」
舞丈「ゆ、幽霊?月宮さん、幽霊を信じてるのかい?」
月宮「いいえ全く、ただゲームの題材であるなら、そういうのもあるのではないかしら?」
舞丈「た、確かに…ゲームならね」
月宮「?」
なるほど、現実味が無さすぎるとそう言う趣向に走ってもおかしくはない
白川「いいえ!!なってないわよ!!月宮さん!!!」
月宮「え?」
白川「そういったとき幽霊とかいうありきたりな設定に頼ってしまうのはあまりにも安直というものよ!!」
月宮「え、ええそうかもしれないわね…」
月宮さんは少し不服そうにしている
舞丈「し、白川さんいつからそこに?」
白川「ついさっきよ?もしよければその設定、この私が考えてあげてもいいけれど?どうする?」
舞丈「も、もう少し自分で頑張ってみるよ…」
舞丈(ややこしくなりそうだ)
白川「そう、残念。でも自分でやるというならそれも良しってもんよ、頑張りなさい!!!」
舞丈「なんだかいつもに増して気合入ってるね」
月宮「今日の総合学科、彼女の映画論だからじゃないかしら?」
舞丈「なるほど今日の総合はにぎやかになりそうだね…」
ー昼休みー
<<<カキエ<<<
柿生(さてお昼休みです)
↓2どこへ行きましょうか?
1総合理科室(天城)
2丘の上公園(????????????)
3パン屋(愛野)
4体育館(宍戸)
2
2
~丘の上公園~
私はこの町で見晴らしのいい場所を二つ知っている
一つは学校の屋上、人数に見合ってない大きさの校舎はこの町で一番高い建物となってしまった
そして
もうひとつは名前の通り丘を登った先にある小さな公園
『丘の上公園』
私もよくここで絵を描く、どちらかというと屋上よりも、ここから眺める景色のほうが好きだった
柿生「…ん~!!!」
意味もなく背伸びをしてみる
今日は別に絵を描きに来たわけではなくて
なんとなくだった
柿生(あれ?誰でしょうか?)
街で見かけない人物が私よりも前からそこにいたみたいだ
フードを深々と被っていて顔も見えない
???「君は…」
柿生「え!?はい…?」
話しかけられると思ってなかったのでまぬけな声が出てしまった
ここの町の人はフレンドリーで、見知らぬ人にも構わず話しかけるものだということにはもう十分慣れたと思っていたんだけど
この人は怪しいというか、少し異様な雰囲気を放っていて…
???「希望ヶ峰学園の人?」
柿生「は、はい」
???「そうなんだ、へぇ」
???「希望ヶ峰学園か…今となってみればあれほど面白かった場所は他にはなかったね」
柿生(面白かった…?)
柿生「あなたは…希望ヶ峰の人…なんですか?」
恐る恐る聞いてみる
???「そう思うかい?」
柿生「え?でも…」
???「いずれ分かるよ」
柿生「…?」
柿生(この人何者なんでしょうか?)
明らかにこの町の人ではない気がする
声を聞く限り、私とそう都市は離れていないように感じる
むしろ同い年?
柿生「あなたは…誰なんですか?」
???「うーん…そうだね」
その人はあたりを見渡し
何かを見つけると
???「うん、これでいいかな」
そこに独りぼっちで咲いていたタンポポを抜き
???「『ダンデライオン』…そう呼びなよ」
柿生「え?」
柿生(名前ってことですか…?今決めましたよね?)
ダンデライオン「うん、あとは…お近づきの記念としてこれをあげるよ」
何かのチケットを差し出してきた
柿生「あ、ありがとうございます…?」
混乱中の私は確認もせず受け取ってしまう
ダンデライオン「それじゃ」
柿生「あ、はい、さようなら…」
挨拶をされたら、返すのが礼儀
柿生「じゃなくて!あ、あの?」
ダンデライオン「大丈夫…また現れるよ柿生さん」
柿生「現れる?さっきから…何を言ってるんです?あれ?」
ダンデライオンさんはいなくなっていた
目で追っていたはずなのに忽然と
柿生(…?…!????)
何が何やら…
夢でもみてるのかもしれないとすら思える
「どうしたんだい?柿生さん?」
柿生「!」
そこには舞丈君がいた
柿生「舞丈君…」
舞丈「探し物かな?キョロキョロと辺りを見渡してたけど」
柿生「いえ、今人がいたんですけど………」
舞丈「む、本当かい?どんな人だった?名前は!?」
舞丈君は妙に声を大きくしてズイッと聞いてきた
でもそれに対する私の答えは…
柿生「ダンデライオン…さん…?」
舞丈「……ダンデライオン?」
柿生「そう名乗られたんです!本当です!!」
舞丈「うーん…そうだ、絵に描いて外見を教えてくれないかい?得意だろう?」
柿生「…あ、それが…フードを被ってて顔も見えなくて…、なんだか自信が無くなってきました…」
舞丈「…困ったね、大きな手掛かりになると思ったんだけど」
柿生「手掛かり?なんのです?」
舞丈「いや、こっちの話さ!…そうだね、察するに幽霊でも見たんじゃないのかな?」
柿生「幽霊…ですか?こんな明るいのに…あ、でもそうかもしれません!」
舞丈「え、適当に言ったんだけどね…」
柿生「だって、ダンデライオンさん、消える前に『また現れる』って言ってたんです。現れるって変な表現だと思いましたけど幽霊ならピッタリです!」
舞丈「いや、それほんとに得体の知れない幽霊か何かに取り憑かれたとしたら大問題じゃないのかい?」
舞丈「でも、捉えようによってはまだチャンスは………柿生さん?ところでその手に持っているのはなんだい?」
柿生「え?」
柿生(あれ、さっきもらったチケットですね)
よく見てみると
【遊園地のチケット】×2
柿生「……なぜ?」
舞丈「大手遊園地のチケットだね、どうしたんだいこれ?」
柿生「………さあ」
もう何も分からなかった
・【遊園地のチケット】を2枚手に入れた
・ダンデライオンと出会った?
↓2まだ時間がありますね、どこへ行きましょうか?
1総合理科室(天城)
2パン屋(愛野)
3体育館(宍戸)
4このままここで過ごす(???)
1
2
~パン屋~
学校の近くにあるパン屋さん
本校と違って学食がない分校では、昼食はお弁当を作ってくるか、現地調達か
ここは私たちにとってはそれなりに頼りになる存在だった
寝坊ばかりする私は当然お弁当なんて作る暇がないことが多いもので
舞丈「それで今日もその例に漏れずってことかい?」
柿生「その通りです、情けないことに…」
舞丈「ははは、僕は寝坊したことがないからその気持ちはわからないね」
柿生(なんて羨ましい…)
そうして辿り着いたパン屋の扉を開く
柿生「こんにちわ、ってあれ?」
パン屋「頼むよ愛野ちゃん!この通りだ!」
愛野「そんなに頼まれたっていやよ!なんでアンタなんかに!」
柿生「パン屋のおじさんと愛野さん?あれはいったい何を…?」
舞丈「またやってるみたいだね」
柿生「また?」
舞丈「ああ、どうやら彼は愛野さんのケーキに心を奪われたらしくてね。このお店のためにオリジナルの菓子パンを考えてはくれまいかと度々こうして頼み込んでいるんだよ。他でもない、超高校級のパティシエである愛野心愛さんにね」
柿生「な、なるほど…」
確かに愛野さんの考えた菓子パンが置いてあると言うだけで、パン屋にとっては武器になりそうな気がする
それこそ、そのパンを求めて遠くからこの田舎にはるばるやって来る人も居そうだ
柿生「でも、だったらなんで愛野さんはあんな頑なに拒否してるんです?」
舞丈「確かに、どうしてだろうね?彼女にとって特にデメリットはなさそうだけど…」
柿生(とりあえず話しかけてみましょうか)
↓2
1パン屋さんの意見に賛成する
2愛野の味方をする
3自由安価(内容は後に決める)
※自由安価を選ぶ人で既に決まっているなら直接それを書いてくれても構いません
2
2
柿生「あ、あの!」
パン屋「え?ああ!柿生ちゃん、舞丈くん、い、いらっしゃい…」
舞丈「露骨に動揺してるようですが、特に疚しいことをしてるわけでもないでしょう?」
パン屋「え、あ、もちろんだよ!さあ、今日は何にするんだい?」
愛野(じー
柿生「それより、事情は聴きましたよ。愛野さん嫌がってるじゃないですか!あまり無理を言うのはやめてください」
パン屋「…なんだ聞いてたのかい」
舞丈「ん?柿生さんはそっち考えなんだね」
柿生「違うんですか?」
舞丈「僕はさっきも言ったように特に愛野さんにとって枷になる点はないように思えるからね」
パン屋「そ、そうだよ!私は別に愛野ちゃんに迷惑をかけるつもりはないんだ」
愛野「まぁ、私が困ることはないけど…」
舞丈「それに才能を生かす絶好の機会じゃないか、僕だったら二つ返事で受けてみたいものだけど」
パン屋「ほら、舞丈君もこう言っているんだ、考えてみておくれよ」
舞丈「だ・け・ど!」
舞丈君は人差し指を立てながら、すこし大きな声でそう言った
パン屋「え」
舞丈「先ほどの貴方の動揺の仕方は少し腑に落ちませんよ、ここは愛野さんの意見も聞きたいものだ」
パン屋「いや、それはだね…」
舞丈「愛野さんはなぜそんな頑なに断ろうとしているんだい?」
柿生「確かに理由は気になります…」
愛野「本当は受けようと思ってたの、今日はそのために来たんだから。でもいい?この人は…」
―――――――――――――――――
愛野「菓子パンのお話、どうしようかな?」
神谷「いいじゃないか、やってみろよ。俺も少し気になるし」
愛野「そ、そう?」//
・
・
・
愛野(あれから色々レシピを考えてみたわ!びっくりさせてやるんだから!)
愛野「こんに…?」
愛野(パン屋の中から何か聞こえてくる?)
パン屋「ふふふ、あのパティシエがレシピを提供してくれさえすれば、とんでもなく旨いパンができるはず!」
パン屋「そうすればたちまちこの店の知名度はうなぎ登りだ!」
パン屋「いや、いっそそのパンは私が考案したものとして売り出してしまおう、なにどうせバレやしない」
パン屋「するとどうだ?私の知名度まであがるじゃないか!こんな辺鄙なところで店をやる必要もなし、きっと格安で都会に店を出せる」
パン屋「都会で売れてしまえば私は億万長者…とはいかなくても相当ウハウハなはず!!」
パン屋「ふふふ…ふふふふふふ」
愛野「」
―――――――――――――――――
愛野「ゲスよ!」
最後に愛野さんは思いっきりそう言った
柿生「ゲスです!」
続いて私も普段は使いっこない言葉を言い放つ
舞丈「というかなぜそんな事を一人で口にだしているんだい?迂闊にもほどがある…」
パン屋「い、いやちがうんだ!」
舞丈「当の本人である愛野さんがこう主張してるんだから疑いようがないさ」
パン屋「これには深い事情があって…」
柿生「どんな事情があるんですか!!愛野さんのパンで売り上げアップを狙うだけならまだしも、あなたが考えたものとして売り出す事に至ってはただの犯罪じゃないですか!」
私ではなくこれが、シンちゃんや藤原君なら雷が落ちていたことだろう
パン屋「いや、だからね、だから…」
愛野「まだなにか言い訳があるの!?」
舞丈「いや待ってあげようよ愛野さん」
愛野「え?」
舞丈「いくら考えたってこの状況を打破するほどの言い訳を思いつけるわけがないさ」
愛野「それもそうね…」
パン屋「う…ううう…!!ちくしょう…あともう少しだったのに!!」
柿生「な、なんだかもう見てられないです…」
愛野(………これだから人は信用できないのよ、私なんてどうでもいいんだから)ボソッ
柿生「え?」
愛野「私帰る!」
柿生「あ、愛野さん…」
バターン…!
行ってしまった
パン屋「あんたらも上げ足を取りに来ただけならさっさと帰っておくれよ」
この人、本格的に嫌な人だ…
舞丈「いいのかい?僕たちは昼食を買いにきたのだけど?」
パン屋「毎度!どれにするんだい?」ニコニコ
柿生「ええ…」
舞丈君は平然とパンを買っていたけれど
なんだか食欲がなくなってしまった私は、今日の昼食を抜くことにした
・愛野の好感度が上がりました
ー放課後ー
神谷「ダンデライオンねぇ…」
宍戸「ダンデライオンってなんだ?どんなライオンだ?」
右町「…たんぽぽ」
宍戸「ライオンじゃねえのか」
柿生「ほんとにそう名乗ったんです」
神谷「公園にそんなやつ居たかなぁ?」
柿生「私自身今日初めてお会いしたもので、幽霊かもって思ったんですが…」
神谷「ゆ、幽霊!?い、いるわけないだろ!幽霊なんか」
右町「?」
柿生「ええ、現に形のあるものをプレゼントされてしまったので多分違います」
神谷「な、なんだ…」
宍戸「おー?お前もしかして怖いのかぁ?」
神谷「ああ、怖い!苦手なんだよその手の話」
宍戸「そ、そうか…あっさり認められたらからかえねえな…」
柿生「ダンデライオンって他に意味はあるんでしょうか?」
右町「…たんぽぽの花言葉… 『愛慕』と『崇拝』」
右町「あと『私はあなただけを見つめる』…とか」
宍戸「余計意味わかんねえな」
アナ「なんの話?」
宍戸「うおっ、びびった」
アナ「ごめんごめん」
柿生「あ、えっとたんぽぽの意味を考えてて…」
アナ「花の話?」
神谷「……ん?本題そっちだったか?」
アナ「たんぽぽ…花といえば」
柿生「なにか分かりますか?」
アナ「あ、いや、そろそろ散っちゃうなって思って…ジャパニーズブロッサム?」
神谷「確かにそろそろ時期だな」
さくらは間もなく散っていく
窓の外を見るとしんみりした気分になる
右町「…すこし寂しい」
宍戸「そ、そうだなぁ」
宍戸(ブロッサムって桜の花ってことでいいんだよな?)
藤原「ふん、毎年の事だろう」
神谷「なんだよ、まあ俺もそう思うけど、感傷に浸るぐらいいいじゃないか。おっと…」
右町(ササッ
右町さんはシンちゃんの後ろに隠れます
藤原「…なにもせんから一々隠れるな、右町よ」
右町(じー
柿生「でも確かに毎年見てるのになんでこんな気分になるんでしょうね?」
藤原「桜は日本が誇る花だ、花に敬意を払う事は悪いことではない。だが1年はまだ長い、毎年年度初めにそうしんみりしていてはというものではないか」
宍戸「まあ、そうだよな、おれたちゃ見飽きてるっつっても過言じゃねえや。それに散るからこそいいもんだとも言うしな…お、ここは」
宍戸『あ、はらはらはら!散りゆく桜は…
アナ「アタシ初めてだったんだ、桜の花を間近で見るの」
宍戸君が扇子を広げ決めているところを遮ってアナさんは言った
アナ「去年、日本に来たときはもう散ってたからさ。まさかこんなに綺麗なピンクなんだなって…もったいないなぁ」
寂しげなアナさんの後ろ姿はとても切なくて、またしんみりとしてしまう
藤原「…コホン、つまりだな」
藤原「桜を惜しむなら、惜しみ方というものがあるのだ」
アナ「惜しみ方?」
藤原「ああ、いい気分で散り桜を迎える実に文化的で…」
藤原「合理的な方法がな」
柿生「なんでしょうか?」
宍戸「文化的?日本に桜の惜しみ方なんてあったか?」
日本の文化には少し詳しい宍戸君もピンと来ていないようだ
藤原「簡単なことだ。執り行おうではないか!花見を!」
アナ「ハナミ?」
こうして明日の放課後、みんなでお花見をすることになった
誰でどこにいきますか?↓2
A柿生
B舞丈
1桐場神社(宍戸)
2コテージ(誰のかも指定)
3神谷診療所(???)
4河川敷(月宮、渚)
5職員室(鏑木)
6誰かに会いに行く(人物指定)
A2藤原
上
~藤原のコテージ~
コンコン
ドアをノックする
ガチャ…
藤原「」
柿生「こんにちは!」
藤原「…何用だ?」
柿生「遊びに来ました!」
藤原「まったく、お前も飽きないものだな…我のコテージなどつまらないだろう」
柿生「私は藤原君に会いにきてるので」
藤原「ふん、入るがよい」
藤原君の家は物がないわけじゃないけれど、よく片付いている
掃除も行き届いてて、私のコテージよりも全然綺麗だ
柿生「久しぶりですね、こうして藤原君の家に来るのは」
藤原「何を言う、春休み中も何度か来ていたではないか」
柿生「でも途中から藤原君がお仕事で帰っちゃったじゃないですか、その期間が空いてます」
藤原「我がここに残っていたら、あれ以上にここにやってきたというわけか…」
藤原「女がそうやすやすと、男の家に上がり込むようになるのは褒められた話ではないぞ?」
柿生「もちろん、誰でも良いわけじゃありませんもん」
藤原「当然だ。そんな事も考えていないようだったら遠慮なく叩きだすところだ」
元々ナギくんとシンちゃんの家によく遊びに行っていたので、少し慣れているのもある
それに私なんかが見境なく男の子の家に入り浸ったとして大した問題が起きるとは思えない
もちろんそんな事しないけど
柿生「それで何をしていたんです?」
全体的に見ると綺麗な部屋だけど、机だけは散らかっていた
藤原「花見の準備だ」
柿生「お花見の準備?」
机には何枚ものコピー用紙とパソコンがある
柿生「…それで、何をしているんです?」
お花見の準備と言えば、一般的にレジャーシートや紙コップに紙皿などの道具を用意したり
あと…
柿生「場所取り?」
藤原「なんの話をしている」
藤原「チラシ作りというやつだ、人を集めるためのな」
柿生「人を集めるんですか?」
藤原「そうだ、分校の校庭を会場とし、町の民も花見に招待するのだ」
柿生「あ、そうなんですか?え、でも…」
藤原「柿生よ、お前は明日我らがどのような花見をするところを想像している?」
柿生「どんなって、クラスのみんなで楽しく…です?」
藤原「そうだろうな、だが今回はそれではだめだ」
柿生「…?」
藤原「都会で行われる一般的な花見を思い出してみろ、人は密集し、うるさい酔っ払いは何人も出没、どんちゃん騒ぎで多少窮屈でもある」
柿生「ええ、そうですね…」
藤原「だが今回はあえてそれを目指すのだ」
柿生「えぇ!?」
藤原「確かに、あの校庭でなら、我々だけで行う過ごしやすく有意義な花見ができるだろう」
柿生「それでいいじゃないですか?」
藤原「では問うが、今回の花見の発端は誰だ?」
柿生「それはもちろん…?」
私は無言で藤原君を指さす
自信が無かったので口に出せなかった
藤原「違うな」
ほらやっぱり
藤原「今回の発端はアナだ」
柿生「…あ、たしかに」
藤原「あの様子では『花見』そのもの知らないと見受けられた」
柿生「ええ、『ハナミ?』って珍しくカタコトでしたし」
藤原「ならば、ただ我々だけの過ごしやすいこじんまりとした花見をするのもよいが…」
藤原「どんちゃん騒ぎだからこそ花見というものだ。そちらをできる限り再現するべきだと考えた」
柿生「そ、そこまで考えてたんですね」
藤原「勢いで言ったとはいえ、この我が執り行うと言ったのだからな。当然だ。それにアナ以外にも花見とは縁が遠そうな奴は他にもいるからな」
藤原「宴は盛大に、これは鉄則だ」
藤原「というわけだ、町のみんなを集めるには当然呼びかける必要がある。ただ呼びかけるだけでは効果は薄い、こうして形のあるものを渡すことが重要だ」
柿生「それでチラシ作りを…」
チラシを見てみると…
花見を開催する旨と日時、備考注意点がきっちりと記載されている
そう…きっちりと…
柿生「なんだか、少し地味ですね」
藤原「ああ、さしたる問題ではないだろうがこれでは民の意欲は…」
藤原「そうだ、柿生よ!ちょうどいいではないか!」
柿生「はい?」
藤原「イラストの一つや二つ、描くのだ!この無味乾燥な紙切れが、一気に華やかになる」
柿生「私が…ですか?」
藤原「他に誰がいる?まさか、また余計な謙遜を自らの才能を…」
柿生「わかりました!任せてください!」
藤原くんの考えを聞いた以上、むしろ私もできることなら協力したい
みんなのためになるなら…
藤原「む……うむ、良い面構えをするではないか!頼むぞ」
柿生「…やっぱり、藤原君は凄いですね」
藤原「当然だ、我は気高き…
柿生「いえ、立場的なアレじゃなくてです」
柿生「アナさんが桜を悲しそうに見てたから思いついたんでしょう?」
藤原「ふん、単なる気まぐれだ」
柿生「それほど、思いやりがあるのに…なんでいつもきつい性格と思われるように振る舞うんです?」
藤原「…なぜそう思う?」
柿生「分かりますよきっと誰だって…」
私の時も藤原君の第一印象はお世辞にも良くはなかった
いつも偉そうにしてるし
藤原「……」
藤原「それこそ立場的な問題だ。我は本来同年代に特別親しい人間を作るべきではないのだ」
柿生「そ、そんなこと!………あるんですか?」
藤原君の事情を知らない私は否定しきれない
藤原「合理的な人間関係を築くには仕方のないことだ」
藤原「だが不思議とお前と過ごす時間は増えるばかりだ、参ったものだな」
柿生「……」
藤原「無駄話はこの辺りで終えることにしよう。明日までに準備を整え、場所を整備し、実際にこれを一軒一軒配るのだからな」
柿生「……あの?」
藤原「まだ何かあるのか?無駄話は…」
柿生「それ、終わるんですか…?明日までに…」
藤原「」
柿生「…あの?」
藤原「ええい!だから急いで帰ってきたのだ!!動け動くのだ!!」
柿生「は、はい!」
・藤原の好感度があがりました
藤原かわいい
<<<マイジョウ<<<
さて、夜も更けたね
今日もそろそろ動いてみようか
↓2さて、どこへ行ったものかな?
1コテージ(誰のコテージかも指定、柿生以外)
2神社の奥
3希望ヶ峰学園
4屋上
5バス停
5
3
~希望ヶ峰分校~
さて夜の分校にやってきてみた
夜の学校は不気味なもので、怪談話の定番の舞台だったりするが
田舎の校舎となるとその雰囲気は数倍は増す
舞丈(さて、こう暗いと話しにならないからね、スマホスマホっと…)
ポケットからスマホを取り出し、ライトを点け…
???(ピカァ!
舞丈「…何してるんですか?鏑木先生…」
僕がライトで辺りを照らす前に、鏑木先生が自らのあごの下から懐中電灯で照らして現れた
鏑木「こっちのセリフだ。こんな時間になんの用だ?」
舞丈「僕の用事などつまらないものですよ。貴方こそ、業務時間外ではなんですか?」
鏑木「ああそうだよ、急に藤原がなんかやるらしくてな、仕方なく校庭をある程度整備してみたんだよ。あぁ、疲れた…」
舞丈「珍しいですね。言いだしたのが藤原君ならばいっそ任せてしまえばいいのに」
鏑木「俺も、一応参加する身でな、そうだ、お前も明日の放課後は開けておけ~」
なんのことだろうか?
僕にはそんな話一切来ていないが
急だと言っていたので、まだ話が回ってきていないのだろうけど
ドカーン!!!!パリン!!
唐突だった
後者の中から、爆破音と割れ物の破損音が聞こえてきた
鏑木「…」
舞丈「…」
鏑木「俺以外にも人がいたのか…さて、帰るか。電灯も設置し終えたし、桜もまだ大丈夫そうだろう」
舞丈「いやいやいや、今現在明らかに帰るべき状況じゃなくなったと思わないのかい?」
鏑木「面倒事には近づくべからずだ。気になるなら一人で行け、俺はオチが読めたからお勧めしないでおくぞ」
舞丈「まったくなぜこんな人が先生なのかね」
鏑木「なんとでも言え、俺は帰って一服して寝る……なんだ、最近色々調べてるみたいだが、ほどほどにしておけ」
舞丈「お見通しですか…何かご存じで?」
鏑木「お前が気にしてる件は俺にもよくわからん。きっとロクなもんじゃないだろう。じゃあな」
彼は去っていく
しかし、明日ここで何をするのかね?
さて、どうするかね?怪しい場所はぜひとも調べたいが↓2
1音がした場所へ向かってみる
2別の場所へ行く
1
1
~???~
舞丈(この部屋だね、うん明らかに様子がおかしいぞ)
扉は歪んでるし、恐らく中にある、窓か何かが割れるほどの衝撃が走ったはずだ
舞丈(さてすこし様子を…いや)
僕は考え直す
確実にこの場所が怪しいというところまで来たんだ
ここで恐る恐るなんてしていたら、肝心のそいつを取り逃がしてしまう
この前のダンデライオンと同じだ
急いでいけばよかったものの、僕はついに目にすることもできなかった
舞丈(よし)
僕は勢いよく歪んだ扉を押し開け、中に飛び込んだ
そして瞬時に後悔した
舞丈(これはいけない…僕はなんて浅はかだったのだろうか?)
クラスメイトの中には何人か危険人物がいる
本について語りだした右町さん
本気で怒りだした相良君
暴走しはじめた白川さん
その三人を遥かに凌駕する人物がいる
ここに入った時、その刹那に後悔する羽目になった理由となる人物だ
早い話がここは『総合理科室』で…目の前にいるのは
天城「フヒヒヒヒヒ……」
舞丈(なぜ僕はここが何の部屋なのかを確認しなかったのだろうか…)
天城「そこにいるのはだぁ~れぇ~だぁ~?」
舞丈「ご存じ舞丈千人さ、煮るなり焼くなり好きにするといい…」
僕は観念した
ここまで言ってしまえば逆にすがすがしいものだ
天城「じゃあ遠慮なく薬漬けにするよぉ。『焼く』だけに」
なにも面白くない
天城「ちょうど実験が成功して、何かの薬品ができたんだよ。静電気の効果を上手く人体に…
舞丈「ははは、この状況で『成功』か…失敗したと言ってくれた方がまだ安心できる日がくるなんて思わなんだ」
(鏑木『オチが読めたから…』)
舞丈「ならなぜ教えてくれなかったんだい…?あの人は?」
・鏑木の好感度が上がりました
・天城の好感度が上がりました
・舞丈はしばらく『髪の毛が逆立つ』ようになりました
・【髪の毛が逆立つ薬】を手に入れました
舞丈(うう、髪の毛がトゲトゲしてしまった…これじゃヤンキーか何かにいちゃもんをつけられてしまってもおかしくない風貌だ)
舞丈(なぜか、この薬を貰ってしまったし、どうしたものか…)
↓2まだ、時間はあるね。どこへ行こうか?
1コテージ(誰のコテージかも指定、柿生以外)
2桐場神社の奥
3屋上
4バス停
5丘の上公園
5
2
神社の奥の道、あれは個人的にかなり気になるばしょだ
今日は明かりもその他準備もある
探索しに行こうか…
と神社に向かう途中…
ものすごい速さで走ってくる相良君を見つけた
舞丈「やぁ…
相良(ビューン…!!!
舞丈「あれ?」
僕に気が付かずに走り去っていった
この髪の毛のせいだろうか、僕の雰囲気はがらりと変わってしまっている
それにしても彼、何かの書類を持っていたような…
神谷(ブロロロロ…
今度は原付に乗った神谷くんだ
見るからに安全運転でこちらに向かってくる
今度は大きく手を振ってみる
神谷(ブロロ…ロロ…ロ…
神谷「………ん?」
舞丈「こんばんわ、神谷くん」
神谷「こ、こんばんわ。えっと、すみません名前なんでしたっけ…」
舞丈「僕だよ、舞丈」
今日名乗るのは二度目だ
神谷「舞丈…あ、いやそうじゃなくて、俺は下の名前を聞きたく…って舞丈!?どうしたんだその頭!!?」
これはあれかな
相手が誰だか分からない時に、相手の気を悪くしないように名前を聞きだす方法だ
名前を聞き、相手が苗字を答えたら、それは知っていると白を切り、下の名前を聞きたかったのだとフォローを入れる
すると不思議、相手は自分の苗字を覚えてもらえていたという気になり…
いやもういいか、そもそも彼は舞丈と聞いても最初はピンと来ていないように見えた
舞丈「まあ冒涜的な目にあったと言っておくよ…」
神谷「この町でそんなことが!?」
舞丈「それはいいんだ。君も相良君と同じくなにか文書を持っているようだけど…?」
神谷「全然よくねえと思うけど…これはユキと藤原が作ったチラシだよ」
一枚受け取る
そこには明日、分校の校庭にて花見大会が開かれるという旨が記されている、実に華やかなプリントだった
舞丈「なるほど…鏑木先生が急に決まったと言っていたのはこれだったわけだね」
神谷「そ、それで俺と藤原と相良と月宮で配りまわってるんだ」
舞丈「柿生さんは?」
神谷「あいつは一仕事終えたらダウンした」
舞丈「ははは…」
とはいえ、これを今日中に配るのか…もうじき民家に押し掛けるにはふさわしくない時間に差し掛かるところだ
手伝うべきだろうか…?↓2
1神社に向かう
2手伝う
2
2
舞丈「事情はわかったよ、僕にも何枚かよこせるかい?」
切り出すなら、手伝う側からの方が良い
僕もこうして荷物を持って外出している身
神谷くんは、それを見て「手伝ってくれ」と頼み込んでくるような人ではない
神谷「お、手伝ってくれるのか??」
舞丈「ああ、時間も時間だし人は多い方がいいだろう?いっそ今持ってるそれは僕に全部任せて、機動力のある君は他の二人を手伝ってあげるといいさ」
神谷「じゃあ、今持ってるやつ全部頼むよ。ありがとうな、助かるぜ、舞丈」
舞丈「お互いさまだよ。……ところで、なにか被り物はないかな?」
神谷「あー…いや、使ってるヘルメットしかない」
舞丈「致し方ないか…この不自然な髪で訪問するのは気が引けるけど」
神谷「な、なんかできる事ねぇかな…?」
舞丈「そうだね、仲間がほしい」
神谷「…?」
舞丈「ここに僕が使われたのと同じ薬がある。効果はこの通り判明済み…」
神谷(ブロロロロロ…!!
彼は逃げ去った
僕らの中でも飛び抜けて天城さんを恐れている印象を受ける
舞丈「急発進は危険だと言うのに…冗談が過ぎたかな?」
それから僕も彼らと同じようにまだ回っていない民家に訪問し、明日の要綱を伝えこの文書を渡す
希望ヶ峰学園の肩書の効果はやはり絶大で、こちらが名乗るだけで、みんな抵抗なく話を聞いてくれた
いや、そもそも田舎町で他人への警戒がないのだろうか?
なぜだか皆僕の事を暖かく迎え入れてくれる
中には冗談で言っているのか本気なのかわからないが、そのまま晩ご飯に誘ってくる家庭もあるくらいで
無論遠慮させていただくもの、ほんの少し気色悪くも感じてしまう
僕はスマホのマップを見ながら、残りを確認する
舞丈(うん、マップは問題なく機能しているね。ルートも実に効率的だ)
それにしても花火大会ならぬ花見大会とはまた粋なものだ
なぜ町の人も抱きこんで花見をしようという考えに至ったのだろうか…
月宮「あら…………舞丈君…?」
月宮さんが声をかけてくる
僕に気が付いてからの妙に長い間、眼鏡を支えながら目を凝らし、わずかに疑問形で僕の名前を口にしているが
気にしないでおこう
舞丈「やぁ、そうか君もこの件に噛んでるみたいだね」
何事もなかったかのように続ける
月宮「私はたまたま藤原君の家の前を通りかかってこの話を聞いたのだけどね」
舞丈(なるほど、知らなかったのは僕だけじゃないということか)
別に懸念していたわけでもないが、仲間はずれの類ではないらしい
急に決まったこと故、たいして伝達もされていなかっただけなのだろう
舞丈「なるほど、委員長の君としては放っておけなかったわけだね、これだけの事を二人でやるのは骨が折れる」
月宮「あら、お言葉ね。私が委員長でなければ助けなかったと?」
舞丈「ははは、そういう風に捉えないでほしい。褒めているんだよ。周りの事を進んで助けようとすることは良いことさ」
月宮「冗談よ。それならあなたも当てはまるんじゃないかしら?ほら現に…」
舞丈「確かに、自分の事を棚に上げてしまった」
月宮「どちらにせよ私だけの話じゃないわ、私たちのクラスはみんないい人だもの、ハッキリ言って理想的よ」
舞丈「そうだね、みんな人間ができている」
躊躇なく人を実験に巻き込む人もいるけど
舞丈「単に余裕があるだけなのかもしれないけどね」
月宮「余裕?心の余裕だとか、そういうものかしら?」
舞丈「うん、人生の成功が約束されるとまで言われている希望ヶ峰学園の生徒になれたこと、おまけにこんな土地でのどかに過ごしていれば、自然と優しくなれるものだよ」
舞丈「状況や環境が違ったら、みんなこうはならなかったかもしれない…」
舞丈「こんな風に考えてしまうのは我ながらどうかとも思うんだがね」
月宮「…そうかしら、何事も考えすぎということはないと思う。私なんて、こう見えて裏の目的があって手伝いを引き受けてる、ただの計算高い女かもしれないわよ?」
舞丈「そりゃいいや、打算があって行動する人のほうがむしろ好感が持てる」
月宮「…あなたにはこの手の冗談は通じないみたいね」
舞丈「伊達にひねくれちゃいないよ。さ、残りを片付けるとしようかな。君は終わってるみたいだけど、どうするんだい?」
月宮「ご一緒させてもらうわ」
舞丈「了解」
月宮「月が綺麗、明日はいい天気になりそうね」
月を眺める彼女はいつもより少し美しく見える
異性をというよりも、彼女に備わっている特有の気品が引き立っているのだと思う
意外なほど話しやすいのにクールビューティーと言われる所以なんだろうね
~???~
???「はい?」
舞丈「夜分遅くにすいません、おや?」
ちよ先生「月宮さんじゃないか、どうした?」
月宮「あら、ここはあなたのお宅だったんですね」
ちよ先生「ああ、正真正銘私の家だ。学校からは少し遠いがね」
月宮「実はかくかくしかじかで…」
ちよ先生「なるほど花見大会か、わかったよ。子供たちも喜ぶだろう、こういう行事は大好きだからな」
舞丈「ありがとうございます」
ちよ先生「ところで君は?」
きたね、いつかいつかと思っていたが
舞丈「先日もお会いした舞丈です。この髪は深い事情があって…」
ちよ先生「やはり舞丈君だったのか…でもさっき会った時は普通の髪だったのに、ほんとに何があったんだ?」
?
舞丈「先ほどお会いした?」
ちよ先生「?ああ、さっき黒いパーカーを着ていた君とあいさつを交わしたが、人違いだったかな?」
舞丈「?」
月宮「どういうことかしら?」
舞丈「い、いや知らない。というか黒いパーカーなんて着ない、人違いじゃないかな」
なんだ?変だな…
・神谷の好感度が上がりました
・月宮の好感度が上がりました
・好感度
鏑木 lv2
渚 lv1
神谷 lv2
相良 lv2
円山 lv1
藤原 lv3
アナ lv1
右町 lv2
愛野 lv2
月宮 lv2
天城 lv2
白川 lv1
イベント
【ケガをした子猫】が開放されました
【藤原恋物語?】が開放されました
柿生side
・手放したもの
【海賊団の絵】
柿生が図書館で借りた本を読んでから描いた絵
右町に差し上げた、彼女は額縁に入れて飾っている
・所持品
【怪しい薬】
天城からもらった謎の薬
体力・気力・その他もろもろが限界以上にエネルギッシュな状態になる
(後日反動あり)
【遊園地のチケット】
だれでも知っているほど有名なチケット
ダンデライオンからもらった
舞丈side
【おみくじ末吉】
次のコンマ判定を良い方向に3ずらすことができる
【カフェの割引券】
アナからもらった、カフェで使えるクーポン
2枚ある
【板チョコ】
コンビニやスーパーでは至って普通のチョコだが
駄菓子屋の中では割と高級品
【髪の毛が逆立つ薬】
その名の通り、スーパーサイヤ人とか言ってはいけない
↓2
1次の日へ
2【ケガをした子猫】
3【藤原恋物語?】
2
2
オリロンパ見てるのなんて本当少ししかいねえんだな
上の二人、新しい荒らしロンパスレでも安価とってたやつじゃねえかよ無様無様
イベント
天城パニック:みんなの体と中身が入れ換わって大混乱の巻
>>256
案ありがとうございます頂きます
<<<アイノ<<<
1年目の冬の事だった
道路で猫が倒れていた…
事故にでもあったのか、何かに襲われたのか
弱弱しい息でこっちを見ている
愛野「そんな風に見ないでよ…私には何もできないんだから」
猫に言葉が通じないことなんて分かってる
でも、向こうからは助けてって声が嫌でも聞こえてくるような気がしてしょうがない
この猫は野良猫かな?
独りぼっちなのかな
そうなのなら、誰かの助けがないとあの猫が生きる道はとても見えない
日が沈めば気温も下がって凍えてしまう様子は想像もしたくない
でもだからと言ってたまたま通りかかった私に何ができるって言うの?
それもバスで遠出した帰りの良く知らない場所で…
猫「…!」
何を考えてるのかわからない
苦しんでいるようにしか見えないけれど
きっとなんとか動こうと、もがこうとしているんだと思った
猫「ニャー……」
愛野「…」
・
・
・
chapter ex 「ケガをした子猫」
私は何をしているんだろう?
気が付けばこの子を抱きかかえて走っていた
どこに向かう?
何をしてあげられるの?
何もわからない
でも走っていた
愛野「ーーここは…あ!!」
可能性のありそうな建物に描いてある文字列に見覚えのある名前があった
<<<カミヤ<<<
~神谷診療所ー神谷の部屋~
神谷「うーん、やっぱ英語の論文は分かんねえな…またアナか右町辺りに要約してもらうかな」
神谷「でもそのうち一人で読めるようにならないとだしな…」
兵助「おーい、新やーい」
下から名を神谷兵助(カミヤ ヒョウスケ)
俺の爺ちゃんの声がする
神谷「爺ちゃん?どうした~?」
兵助「至急降りてきておくれ~!お友達さんも来ておるぞ~」
神谷「友達?今日誰か来る予定合ったっけな?」
爺ちゃんもナギとユキの事は良く知ってるので、その二人のどちらかが来たなら名前を口にする
お友達さんと言うからにはあの二人以外なんだろな
神谷「わかった!今行く!」
俺はそう答えて、下に降りていった
~診療所~
兵助「おお来たか」
凄く困った顔をしている爺ちゃん
神谷「どうしたんだ?」
神谷「どうしたんだ?」
兵助「どうもこうもない、あの子じゃよ」
神谷「ん?」
愛野「…」
神谷「あ、愛野!?なんで…?」
愛野心愛って言ったっけ?
俺と同じ、この田舎生活プログラムに参加しているクラスメイトの一人
でも、妙に誰とも関わろうとしない子で
人付き合いが苦手なのか、それとも嫌なのか
俺もたびたび気にかけずにはいられなくて
何かキッカケでもあればといつもいつも思っていた
でもまさかこんな形で機会が巡ってくるとは思いもよらず
神谷「…って!どうしたんだその子猫!」
一番最初に気づくべきだった
愛野は腕にボロボロになった猫を抱えている
出血もしてるみたいだ
愛野「近くで動けなくなってたの…ここ医者なんでしょ?なんとかならないかなと思って…」
神谷「爺ちゃん!」
兵助「とりあえず診てみるかの、お嬢さんはそっちで座って休んでてくださいな」
愛野「…はい」
猫「にゃ~……」
神谷「待ってろ、今診てやるからな」
愛野から猫を預かると、ひどくグッタリしたこいつの重みをずしっと感じる
愛野も息を切らしていたようだったけど、まさか走ってきたのか…?
・
・
・
兵助「…ほとんどの傷は大したことない、適切な処置をして、経過を見れば良くなるはずじゃ」
愛野「そ、そうですか…」
愛野は少し安心した様だった
でも本題は…
兵助「じゃが…」
愛野「え?」
神谷「この右前脚の骨折、レントゲンを見る限りじゃ圧迫骨折っていってさ、それも結構ひどいんだ」
神谷「やっぱり事故に会ったんだと思うぜ?」
事故で足を負傷…か
兵助「それに見たところもともと衰弱してたようじゃ、早いとこ対処せんと危うい」
兵助「じゃが、わしらは獣医じゃない。正確な診断ができたとも限らんし、応急処置くらいしかできん。専門の人に診せれれば一番いいんじゃが…」
兵助「このあたりに獣医はいたかねぇ?」
そうだ、人間のためのドクターなら割といても、獣医その中でも猫を診れる人を探すなら
現実的に考えて、少なくとも都会まで行かないといけない
それに相応の費用もかかる
愛野「じゃあ、どうすればこの子は…」
おまけに爺ちゃんはもうすぐ診療時間
この町の患者さん達は挙ってはるばるここに来る
爺ちゃんは離れるわけにはいかない
神谷「なぁ、爺ちゃん」
兵助「ん?」
神谷「俺がなんとかしちゃいけないかな?」
俺なら動ける
というかこの状況で動かないわけにはいかない
せっかく愛野がここまで連れてきてくれたんだ
俺はまだ医者じゃない
人に対しては爺ちゃんがいないと何もできない
もちろんだからと行って獣医師免許を持ってるわけでもない
でも
兵助「そりゃ…なんじゃ、ワシやお国がダメだと言ったら何もせんのか?」
神谷「へ、冗談言うなよ。命が関わってるんだ…他にいないなら、俺の務めだ!」
兵助「困った孫じゃなあ…」
神谷「行ってくる!」
俺は応急処置だけ済ませた猫を抱えると
神谷「行こうぜ!愛野!」
愛野「え…う、うん!」
ほんとは出かける予定のなかった、外へと飛び出した
兵助「……そいじゃ、ワシも務めを果たすとするかね、診療時間じゃ」
<<<アイノ<<<
外に出ると神谷くんはヘルメットを渡してきた
愛野「え?え?」
神谷「それ被ってちょっと待っててくれ」
神谷「あ、あと猫も頼む、そんなにうるさいわけじゃないけど、これ耳栓!」
愛野「…うん」
神谷「えっと、サイドカーサイドカー…」
・
・
・
神谷「これでよし、希望ヶ峰から支給されただけあって簡単に取り付けられるなこれ」
神谷くんが普段乗ってる原付にサイドカーがついた
神谷「よし、乗ってくれ」
愛野「どこに行くの?」
神谷「学校だよ」
愛野「学校?」
神谷「あいにく俺も獣医学は専門外だ、資料が欲しい。ネットで探してもいいけどそれより心当たりがあるんだ!」
私は状況が理解できないまま弱っているこの子を抱えてサイドカーに乗り込んだ
ブロロロロ…
初めて乗ったけど彼の言う通りそんなにうるささは感じなかった
念のため神谷くんは猫にも耳栓までした
それでもなんとなく猫の耳を塞ぎたくなる
それにしても、この子を診療所に連れてきたときはそんなに期待はしてなかった
私だってさっきの診療所が動物まで診てくれるなんて思ってなかったから
愛野(ひょっとしたらなんとかなるのかな?この子…)
~希望ヶ峰分校~
神谷「ふぅ、ついた!じゃあ、俺は図書館に寄ってくる。愛野はそいつを連れて先に保健室に行っててくれ!」
愛野「え、図書館?」
神谷くんは走り去ろうとしてすぐ戻ってきた
神谷「これ!閉まっちゃいないだろうけど、一応保健室のカギ。じゃ頼む!」
…そう言うと今度こそ走って行ってしまう、少しぎこちなく
愛野(あいつ…何をする気なの?)
<<<カミヤ<<<
俺は図書館の扉を勢いよく開けると
神谷「右町ぃ!!」
右町(ビクゥ!!!
いきなり大声で呼んだためか、右町スタコラサッサと物陰に隠れてしまった
神谷「あ、悪かった!でも隠れないでくれ、大事な話なんだ!」
すると、何かを察してくれたのか、様子をうかがいながらゆっくりこっちにやってきた右町の第一声
右町「………館内ではお静かに」
神谷「ごめんなさい」
当たり前だけど図書館で大声はご法度だ
・
・
・
事情を話して
獣医学書、猫の生態に関する本、その他参考になりそうな諸々が記された本を教えてほしいことを伝えると
右町はすぐに対応してくれた
右町「これ」
神谷「おう、ありがとう」
所要時間1分かからず
少し目を通すだけで、俺が求めていた一冊だってことがわかる
しかも重要な場所に付箋まで貼ってくれたみたいだ……え、いつやったんだ?
右町「それとこれ」
神谷「お、これも良さそうだ」
右町「あとこれ」
神谷「3冊もか?流石見つけてくるの早いな」
右町「これも」
神谷「ん?」
右町「他にも、これとこれとこれと…」
右町は俺の事なんかお構いなし
どんどん渡してくる
存分に才能を発揮していらっしゃる
神谷「まてまてまて重い!何冊持ってきたんだ!?てかどうやって!?全部結構分厚いし!」
右町「…超高校級の図書委員」(ドヤッ!
右町はうれしそうにどや顔を決める
神谷「…あの、超高校級の図書委員さん。すげえ心強いんだけど、全部に目を通す暇はないんで、絞ってもらっていいすか?」
右町「むぅ…」
右町は5秒ほど考えると
右町「これとこれとこれ…でも最後の一冊は少し古い…補完資料を後で持っていくから先に行って?」
神谷「本当か!助かるぜ!!」
右町「ううん…がんばって」
神谷「ありがとう!!」
俺は渡された3冊を持って保健室へ直行した
<<<カブラギ<<<
鏑木(なんだなんだ休日に?)
神谷の奴が校舎に走っていくのが見えた
またなんか面倒事を抱えてる顔をしている
あいつがわざわざ走って向かう場所と言えば保健室か?
鏑木(どれ…様子を見に行くか)
いや待てよ?
―――――――――――
神谷「鏑木さん、タバコ吸おうが俺は構わないけど、保健室では絶対吸うなよ?持ってくるのも禁止だ!」
鏑木「はいはい、分かってるよ、まったく、俺先生なのに…」
―――――――――――
俺の右手にはちょうどパイプが握られている
鏑木(まあ、なんかあれば俺のとこに連絡くるだろ。今はいいや)
<<<アイノ<<<
神谷「ブツブツ……」
神谷くんは保健室のやって来るなり、医学書?を読みふけっていて
レントゲンも何度も確認している
凄い集中力で…
神谷「ブツブツブツ…」
愛野(本当に大丈夫なの?)
こうしてる間にこの子の体調が悪化したらと思うと
少し苛立ちを感じる
沈黙を破って話しかけようとした瞬間
神谷「よし!!これなら、俺とここにあるもので何とかなる!!」
愛野「きゃ…!」
神谷「あっと、悪いとにかく処置に移ろう、色々手伝ってくれるか?」
愛野「う、うん」
・
・
・
一旦ここまで~
乙
一旦おつ
すいません!続きもうちょっと待ってください
そろそろ荒らすのやめたほうがいいと思いますよ
彼のやることは驚くほどスムーズに進んだ
傷をもう一度手当てすると
神谷くんが持ってきたものと保健室に置いてある器具を上手く使って
歪な形のギプスを作り、子猫の足を丁寧に固定していく
ガララ…
右町「……補完資料…持ってきた」
神谷「ああ!右町悪い!そこに置いてってくれ」
右町「…うん」
途中で図書委員の右町さんがやってくる
話したこともないけど、彼女は私にも少しお辞儀しながら入ってきた
その後の処置で私が見て分かった事はなくて
神谷くんはそんな複雑な作業を、さも簡単であるかのようにこなしてしまう
神谷「よし、これでいい。思ったより単純で助かったぜ」
愛野「え?終わったの?」
右町「…?」
神谷「うん、ひとまずはな。オペが必要だったりしたらすこし困ったけど、愛野が診療所に連れてきてくれたおかげで応急処置できたのが大きかったみたいだ」
神谷「というか右町もまだ居てくれたのか」
右町「…猫ちゃん…気になったから」
愛野「じゃあこれでこの子は治るの?」
右町「…?」
神谷「いや、ここからが肝心だ。こいつの面倒をしばらくみてやらなきゃな」
神谷「まず、見ての通り動けないから、身の回りの世話をする必要がある、トイレとかそういうことをだな」
神谷「あと、体が弱ってるから特別な栄養食とかが必要なんだけど…どこで調達するんだ?自分で作ったほうがいいのか?」
神谷「他にも色々やらないとならないことがあるんだけど、それは俺が猫の事を勉強しながらになる…うわッ!?」
愛野「!?、どうしたの?」
神谷「み、右町!この書類の山はなんだ???」
神谷くんは、デスクに置いてある書類の山
さっき右町さんが持ってきたものをみて驚いただけだったみたい
右町「補完資料」
神谷「補完なのにこんな多いのか!?てかほんとどうやって持ってきたんだ!?」
右町「…探したらいろいろあった」
そう言えば、なんで私ここまで一緒にきたんだっけ…?
彼に押し付けて手短に済ませてしまおうと思ってたのに
それに、なんで神谷くんはここまでしてくれたの?医者だから?
いや、まだ医者じゃないのよね
猫「ニャ~」
神谷「おっと、悪い悪い。ちゃんと治るまで面倒みてやるからな~」
右町「……ふわふわ」
愛野「……」
家庭科室、空いてるかな?
<<<カミヤ<<<
しかし、こうやって動物に触れること自体は結構久々だな
前はいつだったかな?
神谷「ん?」
いつの間にか愛野の姿が見当たらない
神谷「あれ?愛野はどこ行った?」
右町「…さっき、出てった」
神谷「そうなのか…そういや俺が無理やり連れてきちまったんだよな。無理もないか」
右町「無理やり?」
神谷「そ、もとはと言えば、ケガをしたこいつを俺のとこに連れてきてくれたのは愛野だったんだよ」
帰りは送っていく事ぐらいは考えてたけど、そもそも愛野の都合も考えていなかった
先に帰ったとしても俺が文句を言う筋合いはないよな
そんな話をすると、猫を眺めていた右町も椅子から立ち上がる
右町「…戻らないと」
神谷「そか、資料はどうすればいい?」
右町「……しばらく置いておいて大丈夫」
神谷「ありがとう、助かるぜ」
右町(コクッ
・
・
・
さてと、俺は俺でがんばるか!
勉強勉強…
ガララ…
神谷「ん?忘れ物か右ま…」
愛野「……」
神谷「あ、愛野、帰った訳じゃなかったのか」
神谷(み、右町かと思った…)
愛野「流石に、このまま帰るのは申し訳ないと思って」
神谷「そ、そうか…ん?それは?」
愛野「差し入れ…食べる?」
愛野が持ってきたお盆の上には、立派で甘そうなケーキがいくつか乗っていた
ケーキ?
神谷「そうか!パティシエなんだもんな愛野」
愛野「簡単なものだけど…」
神谷(とても簡単なものには見えないんだけど…)
愛野「…食べるの?食べないの?」
神谷「お、おう!じゃあ一つもらってもいいか?」
普段あまり甘いものは食わないけど、超高校級のパティシエが作ったケーキときたら、流石に興味も沸いてくる
神谷(ゴクリ…
神谷「…って、おい!?」
あろうことか、愛野は猫の口にケーキを運んでいた
神谷「猫にケーキはやばいって!!砂糖は毒なんだ!」
俺は慌てて愛野の手を止めつつ説明する
愛野(じと…
神谷(な、なんで俺が睨まれるんだ?状況が状況だぞ)
そう思ってると、愛野は今猫に食べさせようとしたケーキをひとつまみむしって、俺の目の前に突き出してきた
神谷「いや、だからケーキは…ん?これ煮干し?」
愛野「これは、ペット用のよ!!普通のケーキを動物にあげるわけないでしょ!」
神谷「あ、え?わりぃ、そ、そんなのもあるんだな…」
愛野「もう」
意外と多芸だな、パティシエ
心なしか猫もガツガツ食べているように見える
…俺も、一口
神谷(パクッ!
神谷「お!」
愛野(ビクッ
神谷「美味い!!俺、甘いものって苦手なんだけど、これはイケるぞ!!」
愛野「そ、そう?」
神谷「凄いな愛野」
愛野「普通よ…これぐらい」
神谷「こんなに旨いなら、みんなにも作ってみたらどうだ?きっと喜ぶぞ?そうだ、右町のところにも」
愛野「……」
神谷「愛野?」
愛野「私は…」
神谷(なんか事情があるみたいだな)
神谷「ま、それはお前が考えることか…俺はラッキーだな」
愛野「え?」
考えてみれば、愛野は自分から人間関係を持とうとしていなかった
俺がこれ以上ずかずかと踏み込むのは失礼なのかもしれない
深い事情を持ち合わせてるやつは他にもいるしな…
<<<アイノ<<<
え、なんで何も聞いてこないの?
神谷「こんな美味いお菓子初めて食ったぜ」
なんで、こんなに…
猫「ニャ~」
神谷「ほら、もっとだってさ」
愛野「え?う、うん」
<<<カミヤ<<<
それから何日かかけて、俺と愛野は猫の面倒を見た
時には他の奴らや町の人の力も借りて、その甲斐あってか
その子猫は順調に健康な体を取り戻していった
ー数日後の夜ー
兵助「新やー、おりてきておくれ~」
神谷「そういやこんな呼び出しから始まったな…なんだー?」
兵助「薫くんが来とるぞー」
神谷「ん?ナギ?今行くー!」
特に約束もなくナギが会いに来る事は珍しかった
というか今までなかった
ユキと違って急な用事でも、事前にしっかり連絡は入れてくるやつだからだ
渚「突然ですまない」
神谷「おお、ほんとにナギだ…ど、どうしたんだ?」
なにかただならぬ事情に違いない
渚「新、知ってるか?野良の猫はその外見からは想像もできないほど強い動物だ」
神谷「…」
渚「真冬でも自分で暖かく安全な場所を探し当て、食料だって自分で調達することができる。不規則かもしれないが」
神谷「お、おう…ちょっとまて、あの子猫関係か?」
渚「その過程で事故に合ってしまうこと自体は珍しくないかもしれない、だがひどく衰弱していたと言ったな?」
神谷「そうだぞ、爺ちゃんは事故に会う前からだいぶ衰弱してたって…」
渚「実はついでがあったので、愛野が言っていた事故現場付近を調べてみたんだ」
神谷「…」
渚「これが見つかった」
神谷「これって!」
ナギはちぎれた首輪を渡してきた
渚「住所まで記されている、ここからはだいぶ遠いが…」
神谷「野良猫じゃなかったってことか!?」
渚「確証はない、まだその住所の人物と連絡はとっていないからな」
神谷「……」
渚「どうする?望むならコンタクトを…」
神谷「いや、だったら直接訪ねてみるよ、もしも飼い主があいつの事をさがしているならその方が早いだろ?違ったなら違っただ」
渚「そうか」
神谷「ありがとう、恩に着るぜ」
渚「ああ、だが…」
神谷「?」
渚「…いやなんでもない」
・
・
・
俺は早速愛野に電話をかけた、猫は今一時的に愛野の元にいる
愛野「どうしたの神谷くん?」
ちなみに、この数日間で愛野はだいぶ柔らかくなったというか、接しやすくなっていた
神谷「驚くなよ!?あの猫の飼い主が見つかったかもしれないんだ!」
愛野「え……」
神谷「ナギが首輪を見つけてくれてさ、住所も書いてあるから早速明日訪ねてみようと思うんだけど、用事あるか?」
愛野「……ないけど」
神谷「よし、じゃあよかったら一緒にいかないか?」
愛野「………」
神谷「…愛野?」
愛野「……」
神谷「き、気が進まないか…?じゃあ俺一人で…」
愛野「ううん、行く」
神谷「?そうか、じゃあ明日な、結構遠出になると思うからよろしくな」
愛野「…うん」
神谷(ん?なんか元気なかったな…)
神谷「爺ちゃん、明日ちょっと出かけてくるよ俺」
兵助「勝手に行けい」
<<<アイノ<<<
猫「ニャーニャーゴロゴロ」
愛野「そっか…あんた飼い主いたんだ」
私と同じなんかじゃなかった…
・
・
・
ー次の日ー
<<<カミヤ<<<
バスで町をでて、特急電車にしばらく乗る
それなりに長い道のりだ
猫はおとなしくしてくれている
それ以上に…
愛野「…」
いつもはしゃぐ方じゃないとは言え、なぜか愛野もとても静かで
俺の耳に入るのはガタンゴトンと電車の鳴き声ぐらいだった
神谷(やっぱりなんか元気ないな…)
愛野「…」
神谷(い、居心地が…)
最近打ち解けられた気がしていた俺は、このなんとも言い難い雰囲気に耐えられなくなってきた
そうか、きっと猫(こいつ)とお別れすることになるかもしれないから寂しいのかもしれないな
割と可愛がってたもんな
神谷「そう落ち込むなよ、まだその住所の人物が飼い主と決まった訳じゃないぜ?」
結局あまりフォローにはならない内容で、俺は話しかける
神谷「飼い主だったらだったで、きっとまた大事に育ててくれると思うし…その喜ぼうと思えば…」
愛野「神谷くんは何もわかってない」
神谷「え…悪い…」
俺は何も言えなくなってしまった
だって…俺は実際、愛野の事が何も分からないんだ
・
・
・
ー目的地ー
神谷「ここだな」
そこは綺麗なアパートの一室だった
猫「ニャー!」
愛野「きゃ!」
猫は愛野の腕の中から飛び出そうとする
これは手ごたえありか?
その猫の反応をみたおかげか躊躇いなくインターフォンが押せた
ピンポーン!!
???「はい?」
神谷「あ、突然すいません。○○番地の○○号室ってここですか?」
???「…そうだけど何か?」
神谷「俺は希望ヶ学園生の神谷っていうもので、少しお尋ねしたいことがあって…」
???「希望ヶ峰??」
ガチャ…
よ、よかった特に警戒されることなく開けてくれた
飼い主「何か用…………!!?」
猫「ニャー」
神谷「この子、お宅の猫じゃありませんか?桐場町で保護したんですが…」
飼い主「……」
愛野「…あの?」
飼い主「ち、違う!俺のじゃない間違いだ」
神谷「……」
俺でも分かる、今のはウソだ
少なくともこの人はこいつの事を知っている
神谷「…違うんすか?」
飼い主「そうだな、わざわざ遠くからご苦労さま、でも残念ながら生憎だったようだな。うちのじゃないから…」
神谷「………んなわけないだろ」
飼い主「は?」
神谷「愛野、放してやれよ」
愛野「え?」
神谷「猫、放してみてくれ」
愛野「う、うん…」
愛野が猫をゆっくり地面に放すと
猫「ニャ~」
まっすぐ迷いなくその男の家に入っていった
飼い主「お、おいこら!」
飼い主「な、なんなんだお前たち!いきなりこんな!」
神谷「アンタこそなんなんだよ?ここの猫だろ?別にごまかす必要ないだろうに、この首輪…見覚えあるよな?」
飼い主「知るかって言ってるだろ!」
神谷「ここの住所が書いてあるんだぜ?俺たちはこれを頼りに来たんだ。心当たりぐらいはあるだろ」
飼い主「住所……ちっ、もう関係ねえよ」
愛野「!」
あの時、ナギが何を言いかけようとしたのかが何となく分かった
この猫は野良猫じゃない、飼い主がいた
もっと正確に言えば…捨て猫だったんだ
神谷「やっぱ捨てたんだな、あんた」
飼い主「ああそうだよ、もともと半ば押し付けられた猫だったんだよ、いざ飼ってみりゃ悪さばかり。おまけにここの管理人には俺が怒られる始末だ」
飼い主「思い知ったよ、動物なんてめんどくせぇだけだってな」
愛野「わ…」
飼い主「ん?」
愛野「悪さなんてしないわよ!!とってもいい子なんだから!!飼い方が悪かったんじゃないの!?」
飼い主「うるせぇ」
神谷「おい」
飼い主「んだよ、見ず知らずの相手にガキが説教か?余計な世話…」
神谷「お前が、あの場所に置き去りにした後、そいつがどんな目にあったか知ってるか?」
飼い主「は?」
神谷「事故に合ったんだ、運よく治療ができなかったら足を一本失ってたぐらいのな!!」
飼い主「じ、事故…??」
神谷「とても弱ってたんだぞ、今まで誰かの手で育てられてきたのに、突然見知らぬ場所に置き去りにされて…死ぬとこだったんだぞ!?」
飼い主「う…」
神谷「どう思った?言ってみろよ」
飼い主「う、うう…知らねえって、もう俺の猫じゃねえんだって、足失いそうになってようがこうして生きていて歩けるようになってんだ。いいじゃねえかそれで、上等な結末だ」
神谷「テメェ…」(ギリ…
俺は我慢できずにその男の胸倉を掴み掛った
神谷「そういうことは、一度足を失ってから言ってみろ!!死んでから言ってみろ!!!」
飼い主「な、なんだよおい!!」(ブン!!
俺はそのままあえなく乱暴に投げられてしまった
神谷「ぐぅ!!」
愛野「神谷くん!!」
飼い主「いい加減にしろ!!こいつを連れてとっとと帰れ!!警察呼ぶぞ!!?」
そう言いながら、奥からから猫を軽く放り出してくる
愛野「どの口が警察なんて!!」
バタンッ!!
愛野「最低…」
神谷「いてて…」
愛野「大丈夫?神谷くん?」
神谷「あ、ああ…帰ろう、大騒ぎしちまった」
見渡すと他の部屋から人がのぞいて居たり、出てきていたりした
声をかけてくる人もいたけど、軽く会釈だけして、猫を連れて離れた
暫く無言で歩くと…
愛野「神谷くん、猫ちゃん…抱かせて」
神谷「お、おう」
愛野は猫を抱くと、ほどなくして
愛野「ぐす…」
神谷「愛野?」
愛野「うっ…ひぐ…!」
神谷「だ、大丈夫か……」
愛野は猫を抱えながらしゃがみ込み泣き出していた
そりゃ、あんなひでえ奴に会っちまったんだ、気持ちはわかる
神谷(ユキが泣き出す分には慣れっこなんだけどなぁ…)
どうすればいいか分からなかった俺は、軽く頭を撫でてやる
すると愛野は泣きながらも口を開いた
愛野「この子…私と同じなの…」
神谷「……同じ?」
どういう意味だ?
まさか…
神谷「お、おいまさか…?」
それ以上はただ泣いているだけで、教えてくれることはなかった
最悪な気分になった俺たちは、その雰囲気を打ち破ることなく
桐場町に戻った
途中ナギから電話をかけてきた
渚『どうだった』
神谷「はぁ、とんでもねえくそ野郎だった」
渚『…そうか、その可能性も考えていたんだ、だが水を差すのも悪いと』
神谷「ああ、分かってる、気にすんな。今帰ってるよ、詳しい話は後にしよう」
渚『了解した』
・
・
・
鏑木「簡単に言うと、ネグレストってやつだ」
神谷「ネグレスト…」
鏑木「料理…てか菓子作り専門か?愛野がその高い技術を身に着けたのも、元はといえば親に振り向いてもらいたかった事がキッカケだったらしい」
神谷「…で、結局?」
鏑木「ああ、愛野は独りぼっちと同じようなもんだった。人付き合いの仕方がわからないのもそう言うところからなんだろうな」
神谷「鏑木さん……なんなんすかね?」
鏑木「いるんだよ、そう言うやつらが少なからず…仕方ねえとは言わねえけど、そう簡単になくなりゃしないだろうな」
鏑木「それで、お前はこんな事を知ってどうするつもりだ?」
神谷「どうするって…」
鏑木「まあ、答えはそう簡単には出ないよな。難しい問題だ、無理やり解決しようとしたって逆にこじれたりもする」
神谷「……」
愛野は普通に良い奴だよ
たまたま見かけただけの、ケガした子猫を運んできて
時間を惜しまず一緒に面倒を見てくれて
差し入れも作ってくれて
挙句、遠出なのについてきてくれた
とても根性のあるやつだよな?
そんな奴がこのまま人と関わりを持たずにいるべきじゃない
だって普通の女の子じゃないか
俺は…
・
・
・
ー平日、朝ー
<<<アイノ<<<
猫「ニャー」
愛野「…うん」
この子は愛されていなかった
私と同じだった
だけど私はこの子に飼い主がいると聞いたとき、裏切られたような気持ちになった
なってしまった
こうして成り行きのままコテージに連れ帰ってきちゃったけど
私にこの子の面倒をみる資格なんてあるのかな?
そんな事を考えると、とても動く気分にはならなかった
そろそろ急がないと学校にも遅刻してしまう時間だけど
愛野「…」
猫「ニャー」
愛野「…うん」
コンコン
玄関からノックが聞こえる
愛野「…だれ?」
神谷「おーいいるか?俺だ」
愛野「え?」
慌ててドアを開ける
ガチャ
愛野「神谷くん?」
神谷「よ!おはよう、ってまだパジャマじゃないか、学校遅れるぜ?」
愛野「なんで…」
神谷「少し話したいこともあったから、よかったら一緒にいこうぜと思って。ほ、ほら猫の事、今後どうするかとかさ」
愛野「……なんで、そんなに気にかけてくれたの?あの子のこと」
神谷「なんでって、ケガしてて放っておけなかったから?」
愛野「それは、なんで!?医者だから?それも特に関係もなかった私が急に押し掛けたのに、なんでここまでしてくれるの?」
神谷「なんでって…」
愛野「……」
神谷「ん~、そりゃ医者を目指す者としての務めだとか、使命感みたいのはあるけどさ」
神谷「明確な理由みたいのはねえよ。ただ気になったからじゃないか?」
愛野「気になった……から?」
神谷「いちいち考えたりしないだろ?難しく考えてみても…結局分からなかったし」
神谷「発端としては、単に気になっただけなんだ、猫の事も愛野のことも…」
愛野「え?」
神谷「あ!えっと、ほらあの後心配だったからさ……」
神谷「……」
神谷「鏑木先生に事情を聞いちまった」
愛野「…そう」
神谷「でも、それを聞いたからといって、特に何かを変える気はないぞ」
愛野「え?」
神谷「その猫は俺の患者で、お前は俺の…仲間だ」//
愛野「!」
こんなにハッキリ言ってくれる人はいなかった
仲間なんていないと思ってた
なんで神谷くんの言葉はこんなにも信じたくなるの?
神谷「と、とにかくだ!学校行こうぜ!なんなら猫も連れてこうぜ!!そうだそれがいい!」//
愛野「…」
神谷「……な?」
愛野「うん」
猫「ニャー」
愛野「うん、行こう」
神谷「そういやいい加減、名前つけるか。猫って呼んでるのもなんか変だし」
その日から、なぜか私の視界に映る世界は、少しだけ明るくなった気がした
・
・
・
<<<カミヤ<<<
…で
愛野「神谷くーん!あ~ん」
神谷「いいって、自分で食べるって!!」//
舞丈「それにしても仲睦まじいね彼ら」
右町「…前も一緒にいた」
柿生「シンちゃんシンちゃん、今日の放課後空いてますか?」
神谷「ん?ああ、いいけどどうした?」
愛野「…」
愛野(ムスッ
藤原「…難儀なことになりそうな気がするのだが」
鏑木「まぁ、前に比べたらいいんじゃないか?問題がひとつ勝手に片付いたんで感謝感謝だな」
愛野「か・み・やくん????」
神谷「な、なんだ?なんか怖いぞ」
愛野「そんなぁ、私はただ神谷くんと一緒にいたいだけだもん」
神谷(な、なんでこんなに懐かれたんだ??)
猫「ニャ~」
chapter ex 「ケガをした子猫」 end
乙乙
更新待ってた
花見に話まだかな
-花見大会の日(早朝)-
<<<カキエ<<<
柿生「…んん…ふわぁ……」
柿生(あれ?ここどこでしょうか?私のコテージじゃないような…)
覚醒しきっていない意識の中周りを見渡す
柿生(そうでした、昨日はお花見のチラシ作りをしてたんでした…ということは…)
藤原(ゲッソリ…)
柿生(いました…く、クマがくっきりと…)
柿生「お、おはようございます藤原…君?」
藤原「起きたか柿生…大層快眠だったようだな」
柿生「あ、はい、ぐっすりでした……あの?眠りました?」
藤原「合理的に考えて我が眠ったように見えるのか…?」
柿生「あははは……眠らなかったんです?」
藤原「眠れるか、たわけ!!」
・
・
・
藤原「男の家で無防備に寝る阿保がいるか!たわけ!」
柿生「うう…」
藤原「それになぜ起こしても起きないのだ。たわけ!」
柿生「たわけたわけ言わないでください!!き、気にせず眠ればよかったじゃないですか…」
藤原「我が高尚なベッドを陣取っていたのはどこの愚か者だろうな?たわけ」
柿生「う…でも、あれだけ大きなベッドなら藤原君も一緒に寝るぐらいわけないじゃないです………」
藤原(ゴゴゴゴゴゴゴ…!!!!
柿生「か…?」
柿生(あれ?地雷ふみました?)
その日の朝食はせっかく藤原君と一緒だったのに終始罵られていたせいか美味しくなかった
・
・
・
柿生「じゃあ、お花見の準備は終わってるんですね?」
藤原「うむ、何人か助っ人がいたからな。あとは皆の衆が参加してくれるかどうかだが…」
柿生「大丈夫ですって!きっと来ますよ!」
藤原「ところでたわけよ…」
柿生「ちょっと待ってください、呼び名がたわけになってます」
天城「おっはよーー」
天城「あれ?小雪ちゃんどこから来たの?一番近いんじゃなかったけ?」
柿生「ああ、実はですね…」
藤原「そ!そんな事より天城よ、その小瓶はなんだ?」
なんか妙に意図的に話を遮られたような気がする…
天城「これ?瞬間着色料だよ」
柿生「瞬間…接着剤ではなく?」
天城「桜の木にこの小瓶の中の粉末を少しまくだけで、色あせた花びらも自然な感じにきれいなピンク色になる…予定」
藤原「誰が作った?」
天城「ミー!…怪しがらないでよ、真面目に作ったんだから」
柿生「そう…ですよね。今日しかチャンスがないですからね…」
天城「あ、血の色もあるよ!」
藤原「そんなものは没収だ」
天城「きゃう」
再開します
~教室~
鏑木「そういうわけで、今日は通常授業後、花見大会をやることになっている。ま、そっちは適当に楽しんでくれ」
鏑木「以上、これで………あー舞丈、俺のとこに来るように、突っ込む気なかったけど無理だったわ」
舞丈「そこは我慢してほしかったけど、まあ仕方ないだろうね」トゲトゲ
柿生(あの…なにがあったんです?舞丈君の…頭、静電気じゃないですよね?)
神谷(知らねえ…冒涜的な目にあったとか言ってたけど)
柿生(この町で…?)
白川「舞丈君、その髪…ギャグでやってるならセンスないわよ?」
舞丈「…」
神谷(言いやがった)
ー昼休みー
<<<カキエ<<<
昼休みになった
今日のお花見の準備をしている方も何人かいるみたい
でもそもそもお花見ってなにをする行事だっただろう?
柿生(単に花を見るん…ですよね?)
↓2どこへ行きましょうか?
1グラウンド(藤原・天城)
2家庭科室(円山・愛野)
3図書館(右町)
4バス停(???)
4
3
~図書館~
右町「薄茶色をした、粉末やざらめの砂糖…?」
私が『花見ってなんですか?』と聞いたら、右町さんはなぜか少し戸惑ってからそう返してきました
柿生「…はい?」
右町「花見糖…じゃなくて…?」
柿生「あ、いえお砂糖じゃなくて、見るほうの『お花見』について教えてほしいと…」
右町「……そのまま…桜の花を見ること」
右町さんは他にどんな意味があるのかと心配した様子で見つめてくる
柿生「ですよね、桜の花を眺めるだけなのに、みんなでわいわい騒いだり 、お団子を食べたり、なんでそんな事をしてるのかなって思ったんですけど…」
柿生「ほら!花より団子なんて言葉もあるぐらいですし」
右町「……!花見の意味じゃなくて、花見っていう風習について…?」
柿生「あ、はいそういうことです!…聞き方が悪かったでしょうか?」
右町(フルフル
右町「…でも、良くは知らない…奈良時代が起源だった…はず」
柿生「奈良時代…」
奈良時代って何があった時期だっただろう?
正直歴史には疎くて、あまりイメージができなかった
宍戸「もともとは梅を見てたんだ、中国から伝わったな」
柿生「あ、宍戸君」
右町「…梅干し?」
宍戸「確かに梅だけど、別に干しちゃいねえよ」
右町「…梅干し…苦手」
宍戸「えぇ、あんな旨ぇのに…梅だけに」
右町「」
柿生「」
柿生「えっと!それでですね…なんの話してましたっけ?」
無理やりフォローを入れようとしたけど、話の戻し方が分からなかった
宍戸「柿生ぇ、こういうときは無かったことにすればそれでいいんだぜ…」
宍戸「奈良時代つったろ?そのころは桜じゃなくて梅の花だったんだ、桜見るようになったのは平安時代からじゃねえか?」
右町「そうだった…かも」
柿生「よく知ってるんですね、宍戸くん」
宍戸「花見だなんだってのは、結構俺の仕事でも使うからよ、ある程度知ってないと芝居に臨場感が出ねえだろ?どうだ?惚れたか?」
そこでそういうことを言わなければ…
宍戸「ああ、そんな事よりよ、ちょっと準備手伝ってくれねえか?人手がほしいんだ」
右町(コクッ
柿生「もちろんです、そのうち行こうと思ってましたし…」
柿生「あれ?結局、なんでお団子食べるようになったんでしょうか?」
・右町と宍戸の好感度が上がりました
ー放課後ー
<<<マイジョウ<<<
ワイワイガヤガヤ
柿生「す、凄い来てますね…」
舞丈「そうだね、ここの町の人はえらくノリがいいみたいだ」
ここまで人が集まるとは予想していなかった
昨日の今日なのに、まるで都会のようだ
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「お!あんちゃんも一杯いくか」
宍戸「お、いいのか爺さん?じゃあ遠慮なく…」
神谷「おい」
宍戸「ゲッ…」
アナ「なんか桜の色変わってない?鮮やかになったっていうか…」
天城「私の発明品の成果だよ!…ひょっとして、売れるかな?これ」
白川「撮影用のセットに使えそうね!、血の色ある?」
天城「意地悪な藤原くんに没収された」
アナ「あるんだ…」
右町「お団子…作ったの?」
円山「はい、僭越ながら昼休みの間に、愛野様と用意させていただきました。いかがですか?」
右町「ん…おいしい」
円山「数には余裕があるので、いくつでも…」
小学生達(じーー
円山「あなた方もいかがですか?」
柿生「小中学校の子供たちも来てるみたいですね」
舞丈「ああ、楽しく過ごしてくれれば幸いだね。君もこんなところに居ていいのかい?」
柿生「そうですね、混ざってきます!」タッタッタ
さて、僕も誰かの様子を見に行こうかな↓2(人物指定)
円山
宍戸
「ほらにいちゃんも一杯、一杯な?」
「一杯飲むくれえ大した話じゃねえって」
宍戸「いや、俺も隠れて飲んだ事はあるけどよ、釘差されちまったから…」
「お、少年、お前さんもどうだい?一杯」
舞丈「嬉しいお誘いですが、今日は遠慮しておきます」
「つれないねえ、俺なんか中坊の頃にはたらふく飲んでたもんだぜ?」
舞丈「僕も甘酒程度ならご一緒できるんですけどね」
「ハハハ…」
舞丈「やあ宍戸君、すっかり人気者のようだね」
宍戸「…おっさん達相手に人気になってもなぁ」
才能といい、彼の性格と言い、確かに中年男性には好かれそうだ
今だって酔っぱらったおじさん達の良い話相手になっている
舞丈「でも、楽しそうにやっているように見えるけど」
宍戸(本当にそう思うかぁ?)
彼はおじさん達に聞こえないように答えてきた
舞丈(違うのかね?)
宍戸(いや、そりゃ別に嫌いじゃねえけどよ)
宍戸(おれぁ、女と喋りたかったんだ!これだけ綺麗な桜の花が咲いてるんだぜ?その下でいい女と過ごすなんてまたオツなもんじゃねえか)
「いい女」というのが誰の事を差すのかも気になったが、そこは追及しなかった
舞丈「意外とロマンチックな想像をするんだね」
宍戸「それがどうだ?俺の周りには大はしゃぎなおっさん達、なんだってこんな事に…」
舞丈「その理想を実現するにはいささか人が多かったようだね」
↓2
1でも人が多いというのは晴れ舞台でもあるのではないかい?
2原因はそれだけじゃないけどね
3そう言えば、なんでこんなに人を集めたんだい?
2
1
舞丈「でも人が多いというこの状況は君にとってある意味都合がいいのでは?」
宍戸「あ?」
舞丈「つまり披露してみてはどうだろう?ってことさ、ほらキミの狂言の話だよ。盛り上がると思うけどね」
宍戸「おぉ?見たいか?見たいのか?」
宍戸君はうれしそうにそう返してくる
舞丈「まぁね、狂言の知識なんて皆無な僕でもキミの芝居を見るのは楽しかった。キミの才能には素直に脱帽してるんだ」
宍戸「そうかそうか、かっかっか、期待されちゃ答えにゃいけねえな!!」
宍戸「…だけどよう、俺だけじゃやっぱり一人芝居しかできねえからよ。最近ちょっと寂しいんだよな」
舞丈「まぁ確かに、芝居事は複数いた方が映えるけれど…」
しかし、これといって手助けすることは出来そうにない
それに彼は一人でも十分それを成すことができる
人々の目を引くことができる
舞丈(誰にも理解されない僕の才能とは違ってね…)
宍戸「ん、なんか言ったか?」
舞丈「ううん、なにも…」
宍戸「んじゃあまあ暗くなる前にはあの辺でなんかやってるからよ。よかったら見てくれや」
舞丈「ああ、期待してるよ」
舞丈「上手く行けば、中学生の子達の興味くらいは持ってもらえるんじゃないかい?」
宍戸「馬鹿言え、そんな年下には興味ねえやい」
舞丈「ハハハ…」
宍戸「だいたいなぁ、お前ら興味無さすぎなんだよ」
舞丈「何がだい?」
宍戸「だから女の子だよ女の子!円山はこの手の話は苦手そうだし、渚は心底どうでもよさそうだし、藤原はその辺厳格そうだし」
藤原君については、彼は彼で面白い事情を抱えていそうなものだけど
舞丈「神谷くんは?」
宍戸「おめえありゃ決まってるだろうが、ずばりムッツリだ」
舞丈「なるほど」
宍戸「んで極めつけはお前だお前、お前は…」
舞丈「ふむ」
宍戸「お前はわかんねえな…しれっとしてるけどどうなんだよ舞丈」
舞丈「別に女性に興味がないわけじゃないさ、僕だって人並みにはそういうことを考えたりするものだよ」
宍戸「おっ、こりゃ意外」
舞丈「女性は僕たち男性と体の作りが違うだけなんて単純じゃない、考え方、行動理念にもやはり大きな違いがある」
舞丈「となればやはり彼女たちのそのプロセスには普段から興味が尽きることはなく…」
宍戸(俺の求めてた答えと違う…)
宍戸「あーうん、少なくともお前は人並みなんかじゃないってのは分かった」
舞丈「ハハハ、よしてくれ半分は冗談さ」
宍戸「じゃあ聞くけどよ、お前誰が好みだ?」
舞丈「へ?」
宍戸「分かるだろ?この学科の女の子たちは大体レベルが高ぇ、みんな魅力的だ。そろそろ意中の相手が居たっておかしくはねえだろ?」
流石にそこまで考えたことはなかったけど…そうだな
1誰か指名
2答えない
1愛野
1右町
よく見たら安価下1と安価下2どっちか書いてないね
あ、申し訳ない
念のため↓2で再安価します
1天城
1右町
舞丈「そうだね、右町さんとか」
宍戸「おう、右町か………」
舞丈「うん」
宍戸「………ちっちゃいよな」
舞丈「気持ちは分かるけど、もっと他になかったのかい?」
宍戸「そりゃこっちのセリフだ。右町はやっぱり年下だからよ、外見や性格も…なんつーかその」
舞丈「まあ言わんとしていることは分かるよ」
舞丈「でも、彼女は一見大人しくて人見知りで無口、典型的な内気な性格をしているように見えるけど」
舞丈「話してみると分かるだろう?右町さんは彼女なりの立派な考えを持っている」
宍戸「ああ、まあ。頭いいしな」
舞丈「それに小さな右町さんのころころ変わる表情の変化が……」
宍戸「お、おう?」
僕はわざと遠くにいる右町さんの方を向きながら、小声でしかし力強く言った
舞丈「魅力的だとは思わないかい?」
宍戸「……お前やっぱり、微妙に変態だろ?」
舞丈「ハハハ、冗談さ。でも右町さんは単なるマスコット的な存在じゃない、年下ではあるけど対等に見てもいいと思うよ僕は」
宍戸「ああ…おれが年下だって言うからか。分かってるよ、別に侮ってるわけじゃねえ」
舞丈「ならいいさ、じゃ僕はもうちょっと他を回ってくる。芝居楽しみにしてるよ」
宍戸「おう!任せとけ!!」
宍戸「んん?結局あいつ誰が好みなんだ?」
・宍戸の好感度が上がりました
乙乙
月宮「はい、お呼び?」
鏑木「今日はもうクラスでの予定は特にないか?」
月宮「ええ、ありません」
鏑木「じゃあ適当に解散ってことで、後は任せるわ。俺も飲んでくるから」
月宮「飲みすぎないでくださいね、暗くなってきたのにちらほら泥酔してる人も見かけるから」
鏑木「安心しろ、明日は休みとはいえ二日酔いは面倒だ。わきまえるよ。あ、日が落ちる間には電灯点けろよ~」
月宮「ええ、了解」
月宮「さて、愛野さん。神谷くんがいる辺りにある電灯のスイッチを任せてもいいかしら?」
愛野「うん、いいわよ。ちょうどケーキを持っていくところだから!!神谷くぅーん!!」
愛野さんは今日も神谷くんにゾッコンな模様
昼休みに何か作っていたようだ
それはともかく
舞丈「良いことを聞いた。もう解散してもいいんだね?」
月宮「ええ、そうなるわね…あら、もう帰るつもり?」
舞丈「まあね、用事があるんだ」
用事というより、当てもなくなにかを探し回るだけだけど
月宮「…あまり付き合いは良くないのね」
舞丈「それは、お互いさまというものだよ」
月宮「え?私はまだいるつもりなのだけど…」
舞丈「なんとなく、君はいつも遠くから眺めてるだけ」
舞丈「いや、見守っているだけというべきかな?」
月宮「そう見える?」
舞丈「ああ、気が付いたのは最近になってからだがね。だけど普段の君からもそういう姿勢は取れるよ」
月宮さんは学級委員、みんなの中心的人物だ
だけど…気が付くと彼女は遠くに控えてしまっている
それは自然にそうなっているわけではなく、彼女自ら深入りしないようにしているとでも言うべきか
月宮「そう…あなたにも指摘されるとはね」
舞丈「おっと、他にも同じことを言った人が?」
月宮「ええ二人ほど…意外と男の子のほうが敏感なのかしらね?」
他に2人もいたのか…競うわけではないけれど僕もまだまだだ
舞丈「なにか意味があるのかい?学級委員として?」
舞丈「それとも、案外こういう場は苦手かな?それなら気持ちは分かるよ、かくいう僕もあまり得意じゃない」
冗談のつもりはない
致命的とまではいかないけど、どちらかと言えば僕は協調性のない部類だろうし
月宮「いいえ、嫌いじゃない。声をあげて騒いだりはする気はないけれど」
舞丈「確かにそんな月宮さんは想像できないや」
月宮「周りの環境やみんなは関係ないわ、あくまで私自身の問題よ」
舞丈「ふーん、なるほどね」
月宮「…聞かないのね」
舞丈「うん、誰にだって個人的な悩みはあるだろうしね。聞いたって、不甲斐ないことに僕に解決できる自信もない」
言ってて自分の意地悪さに呆れてしまう
だったら初めから指摘するべきではなかった
舞丈「もっとも、君から話してくれるというなら聞くけどね?」
どうせ話してくれないと思っているから、こう言っただけで
今聞く気はさらさらない
月宮「ふふ、遠慮しておくわ」
やっぱりだ
舞丈「そうかい、それじゃ僕はこれで…おっと、いけない、宍戸君の芝居は見ていかないと…」
そこで僕は動きを止めて息をのんだ
月宮「?」
舞丈(誰か見てる…!どこに?)
そう、どういうわけか何者かの視線を感じたのだ
???(コソッ
校舎の裏の方に向かっていった人影をかすかに捉えた…気がする
舞丈「誰だ!!待つんだ!!」
月宮「ちょっと、舞丈君!?――どうしたのかしら…?」
・
・
・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「きゃーかわいい!!」
「こっち向いて!」
「にゃーって言ったら返事くれるかな」
神谷「ニャー坊、モテモテじゃないか」
ニャー坊「にゃむん」
愛野「かみやくん…」
神谷「ん?」
愛野「女の子たちと仲良さそうに…」
神谷「へ?いやいやモテてるのはニャー坊で俺じゃ…てかその大きなケーキは一体?俺そんな食べないぞ…?」
愛野「食べてくれないの…?」
神谷「え、いや、落ち着け!な!話せばわかるから!」
ぎゃー
ニャー坊「ニャー」
<<<カキエ<<<
相良「それにしても、これだけ活気があると…チラシ配りした甲斐があったね」
柿生「相良君も手伝ってくれたんですよね?ありがとうございました」
相良「いえいえ、このくらいどうってことないですよ!いつものマラソンついでだったし」
アナ「体育くん走るの早いから、一番多く配ったかもね」
相良「ははは、さすがに原付には負けるんじゃないかな?」
柿生「わかりませんよ?シンちゃんは超安全運転ですし、ひょっとしたら相良君のが早いかも?」
アナ「あはは!」
相良「ははは!」
私は、こんな感じでこの二人とお茶を飲んでいました
相良「そういえば、元はと言えばアナさんのためなんだよね?これがまさに都会の花見みたいな感じだけど」
柿生「どうですか?」
アナ「そうだね~、体育くんも言ってたけど、こんなにワイワイするもんなんだね。ほら、あっちの方なんか歌うたってるし…あれ?そういえばカフェのマスターまでいる…」
相良「でもアナさん、もっとこじゃれたパーティとか慣れていそうだよね」
アナ「あんなかたっ苦しいのに比べちゃだめだよ!みんな顔色伺ってるんだから。料理もこんな気軽なのじゃなくて、ほらちょうどあっちでパティシエちゃんが医者くんに食べさせようとしてるケーキみたいに立派なのばっかりでさ」
アナさんが指を差した方向には最近になって見慣れてきた光景が
柿生(シンちゃんまたやられてます…)
アナ「場合によってはいろんな国の言葉使わなきゃいけないしめんどくさいめんどくさい」
柿生「アナさん、ノヴォセリック語と日本語以外に何が喋れるんですか?英語とかもペラペラそうですけど」
アナ「他にもたくさんだよ。えっと…フランス、ドイツ、ポルトガル、チャイナ…あと何があったかな」
相良「凄いなぁ、僕なんか学校の英語でもうチンプンカンプンなのに…」
アナ「アタシが、 超高校級の御令嬢とかセレブ娘とかじゃなくて、超高校級の資産家として認められてるのはそういうとこだと思うよ?アタシ一人でもやっていけるもん」
アナ「とにかく、パーティなんかよりもこういう感じの方が好きだなアタシ、胡坐かけるし」
柿生(スカートで胡坐・・・)
相良「でも確かに堅苦しさはないね。ほら、あっちにいる人達なんか愉快に歌い始めてるよ」
アナ「でも肝心の桜はオマケみたいになってるよね…」
まさに花より団子…
とはいえ生粋の日本人としてはフォローを入れたくなるもの
桜の花の魅力はまだまだこんなものじゃないと
柿生「いえ、桜の花があるのとないのではやっぱり変わってくると思いますよ?そろそろ夕日もいいころ合いになりますし、見え方が変わってくるかもしれません」
相良「じゃあ描かないとだね?」
柿生「はい?」
相良「あれ?今日は描かないの?絵」
柿生「絵…あ!うっかりしてました、こんな機会めったにありません!」
私は立ち上がると
柿生「屋上から、キャンパス台取ってきます!!」
相良「絵とか描けたら面白いんだろうな~」
アナ「総合学習の次の画家さんの番っていつだっけ?」
相良「近いうちだったと思うけど…
・
・
・
屋上に向かうまでに誰かと遭遇↓2(宍戸を除く)
白川
藤原
円山
プロット見ながら書いてたら歌の下りが2回入ってしまった
失礼しました
保守
保守
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