ミカサ「...クズ?」 (67)
・進撃の巨人
ミカサが食料事情を向上させるお話です。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375523867
ミカサ「備えあれば憂いなし?」
ミカサ母「そうよ 準備をしておけばそれ以上の心配はしなくてもいいの」
ミカサ母「ミカサもしっかり準備をしておくのよ?」
ミカサ「うん!」
ミカサ母「しっかり準備をすれば気持ちがいいのよ ねぇおとうさん」
ミカサ父「おーい かあさーん!?」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
ーーーー
ミカサ「(夢を見た まだお父さんとお母さんがいた時の)」
ミカサ「(...そろそろ備えよう)」
ーー午後 女子宿舎
アニ「...ミカサ 起きなよ」
アニ「すごい座り方だね」
気の巡りを整え終える
ミカサ「(喉の調子が少し悪い)」
ミカサ「(風邪が流行りそうだ)」
ミカサ「アニ」
アニ「わかってるよ『風邪に気をつけろ』でしょ?」
ミカサ「どうしてそれが?」
アニ「周りを見たらわかるよ」
ーーーー
クリスタ「グスッ... ユミル 私死にたくないよぉ」ポロポロ
ユミル「そう言ってくれるのは嬉しいけど...」
ユミル「大丈夫だ こんくらいじゃ死なねぇよ」
ユミル「ほら 額のタオルを換えるぞ」
サシャ「えへへ ユミルにはこのパンとスープを差し上げますね」ズズズ
ユミル「そんなもんどこにもねぇよ...」
ユミル「ほら 鼻水を拭けよ」
ハンナ「フランツ...フランツはどこぉ?」グスグス
ユミル「お前の旦那も寝込んでるよ...多分」
ユミル「喉を痛めているんだからあんまり叫ぶな」
ーーーー
ミカサ「どうして突然?」
アニ「...」
アニ「朝はどうだったか覚えてる?」
ミカサ「朝食は...あなたとユミルと一緒だった」
ミカサ「ユミルのパンの食べ方はとても綺麗だった」
アニ「そうだね クリスタ並だったね」
アニ「他には?」
ミカサ「対人格闘訓練では...私の相手はライナーだった」
ミカサ「そういえば...アニの足払いから短剣取の所作が流麗だった」
ミカサ「ベルトルトもユミルも見惚れていた」
アニ「...ありがと」
ミカサ「あなたのお陰でエレンが強くなっている」
ミカサ「ありがとう」ナデナデ
アニ「...頭なでないでよ」
ーーーー
アニ「で?他には?」
ミカサ「昼食は...ベルトルトの提案で6人で食べた」
アニ「あれは珍しかったね」
ミカサ「そういえば...」
アニ「気がついた?」
ミカサ「芋のポタージュが美味しかった」
アニ「...」
ミカサ「芋だけであれだけの味が出るのだろうか?」
アニ「多分...韮葱も裏漉ししてあるんだよ」
ミカサ「成程...さすがはアニ」
ミカサ「今度料理を教えてほしい」
アニ「...別にいいよ あんたらのお陰で使える食材も増えてきてるしね」
ーーーー
ミーナ「アニぃ 寒いよう」ビェーン
ユミル「アニ!呼んでんぞ!!」
ユミル「ミーナ!寒いって言いながら服を脱ぐな!」
ユミル「お前らも談笑してないで手伝えよ!」
アニ「今行くよ」
アニ「ミカサ」
アニ「私達以外みんな寝込んでいるんだよ」
ミカサ「...本当だ」
ーーーー
ユミル「あぁ これは絶対ダズのせいだ」
ミカサ「(ダズ?)」
アニ「前の雪山訓練のこと?」
ユミル「そうだよ あいつは死にかけてたからな」
ユミル「山の邪気を持って帰ってきたんじゃねぇか?」
アニ「そういうことがあるの?」
ミカサ「(...)」
ーーーーー
ミカサ「おかあさん 寒い」ケホケホ
ミカサ母「風邪をひいたのね」
ミカサ母「これを飲んで休むのよ」
ミカサ「これなぁに?」
ミカサ母「これはね...」
ーーーーー
ユミル「自分の体調も把握できねぇとはな」
ユミル「まったくダズの野郎は…」
ミカサ「...クズ?」
ーーーー
ユミル「はっ ミカサも言うね」
ミカサ「?」
アニ「いいや...」
アニ「実際クズだと思うけど...」
アニ「風邪を引くのは普通なんじゃないの?」
ミカサ「??」
ミカサ「...」
ミカサ「!」
ミカサ「違う 私が言っているクズは...」
ーーーー
ユミル「ほぉ そんなのがあるのか」
アニ「それはどこかにあるの?」
ミカサ「ある」
ミカサ「以前 ベルトルトと作っておいた」
アニ「...」
ユミル「ベルトルさんとか?」
ユミル「ずいぶん珍しい奴と作ったんだな」
ミカサ「本当はひとりで作るつもりだった」
ミカサ「しかし...
クリスタ「ユミルぅ」ビェーン
クリスタ「吐きそう...」
ユミル「待て!もう少し我慢しろ!!」
ミカサ「ユミル 私が桶を取ってこよう」
ミカサ「アニ 代わり先ほど話していた飲み物を作ってきてほしい」
アニ「別にかまわないけど」
アニ「ミカサは看病とかできるの?」
ミカサ「できる」
ミカサ「ただ エレン程ではない」
アニ「?」
アニ「まぁ 行ってくるよ」
ミカサ「えぇ いってらっしゃい」
ーー男子宿舎
アルミン「ごめんね...エレン」グスグス
エレン「気にするなよ アルミン」
エレン「額のタオルを換えるぞ」
エレン「ライナー 湿度が下がってきた」
エレン「暖炉になべを置いてくれ」
ライナー「お おう」
コニー「...エレン 大砲の着弾点の計算は...砲弾を質点と仮定してもいいよな」ウーン
エレン「あぁ とりあえず空気抵抗は無視しておけよ」
エレン「けど考えるのは体を治してからにしようぜ」
ベルトルト「エレン 水に飴と塩を溶かしてきたよ」
エレン「それをダズとサムエルにコップ1杯飲ましてやってくれ」
ベルトルト「わかったよ ほらダズゆっくり飲みなよ」
ダズ「吐き戻すからいいよ...」
エレン「逆だダズ 水分が足りなくなるから補給するんだ」
ジャン「すまねぇ エレン」ポロポロ
エレン「ジャン お前は弱りすぎだ」
エレン「しかし 随分汗をかいているな」
エレン「今拭いてやるからな じっとしてろ」
エレン「ベルトルト ジャンにも飲ませてやってくれ」
ベルトルト「今行くよ」タタタ
エレン「マルコーー」
ーーーー
ベルトルト「エレン 補水液がなくなったから作ってくるよ」パタン
エレン「あぁ 頼むよ」
ライナー「これで...一段落ついたのか?」
エレン「そうだな 俺達も休憩を挟もう」
ライナー「しかし凄いな 誰からか教わったのか?」
エレン「...」
エレン「親父が...」
ライナー「親父さんがこの技術の体現者なのか?」
エレン「あぁ厳しい親父だったよ」
ーーーーー
グリシャ「ミカサやアルミン...みんなを救いたいなら」
グリシャ「お前この力を...」
グリシャ「支配しなくてはならない」
ーーーーー
エレン「っつ...」
ライナー「おい 大丈夫か?」
エレン「あぁ」
エレン「力は正しく使わなければならないと言っていたな」
エレン「病気も正しく処置すれば軽症ですむんだと」
ライナー「ほう」
エレン「それに...」
エレン「人類の闘いは病魔相手のほうが永いからな」
ライナー「...そうだな」
エレン「そうだ ライナー」
エレン「先に仮眠をとってくれ」
ライナー「俺も起きてなくて大丈夫なのか?」
エレン「あぁ 休める時に交替で休もう」
エレン「20分たったら起こすからな」
ライナー「そうか すまんが休ませてもらおう」
エレン「ところで ライナー」
エレン「今日のベルトルトは自分から動いてくれてるよな」
エレン「そういう奴だったか?」
ライナー「いや そういう奴ではなかったな」
ライナー「何か良いことがあったのかもな」
エレン「すまん 少し気になっただけだ」
エレン「おやすみ ライナー」
ライナー「あぁ おやすみ」
エレン「...」フゥー
エレン「(みんな咳と嘔吐で喉を痛めてるな...)」
エレン「(なんとかならねぇかな)」
ーー調理室
ベルトルト「あれ アニ?」
ベルトルト「何してるの?」
アニ「ミカサの代わりにね」グルグル
ベルトルト「あぁ クズを溶かしてるのか」
アニ「そういや あんたと採りに行ったんだってね」
アニ「どういう風の吹き回しなの?」
ベルトルト「ははっ それがね...」
ー
ーーー
ーーーーーー
ーー休日 食堂
ミカサ「根っこを掘ってくる」
サシャ「それは美味しくなさそうです」
サシャ「何ですか?その非常事態に食べるようなものは」
ミカサ「そうではない」
ミカサ「正しい手順を踏んで加工する」
ミカサ「すると雪のように白い塊になる」
サシャ「へぇ?」
ミカサ「さらに調理することで」
ミカサ「ふんわりと揺れる氷のようなものを作ることができる」
サシャ「何ですと!?」
ミカサ「そこにあなたが作った琥珀色の水飴と」
ミカサ「マルコが使っていた豆を炒って磨り潰した」
ミカサ「黄金色の粉をかけて...」
サシャ「あぁ...」
ーーーー
ミカサ「しかし私ひとりなので その菓子を作るほどは取れない」
ミカサ「薬として使う分が取れる位だろう」
サシャ「...」
サシャ「仮にですよ?」
サシャ「ミカサの他に...もうひとりついていけば?」
ミカサ「その人の分は菓子に使える」
サシャ「私行きます!」
ミカサ「絶対 駄目」
サシャ「何でですか!私もお菓子食べたいです!!」
ミカサ「明日は試験があるでしょう」
ミカサ「あなたその準備は終わってるの?」
サシャ「うぅ 終わっていません」
ミカサ「じゃあ...備えなくちゃダメでしょ?」
サシャ「ひぃ ミカサが怖いです」
ミカサ「また今度一緒に行きましょう?」
サシャ「はい 来週が楽しみです!」
ーーーー
ミカサ「いや 来年」
サシャ「えぇ?何でですか」
ミカサ「そろそろ雪が積もる季節だから」
ミカサ「あなたなら分かるでしょう?」
サシャ「はい...雪山はダメです」
サシャ「お菓子食べたかったです...」グスグス
ミカサ「また一緒に食べましょう」ナデナデ
サシャ「...はい」グスグス
ーーーー
ガチャ
ベルトルト「あれ?おはよう ミカサ」
ミカサ「おはよう ベルトルト」
ミカサ「この時間に食堂に来るのは珍しい」
ベルトルト「明日の準備が終わってね」
サシャ「」ピクッ
ベルトルト「水を飲みに来たんだよ」
サシャ「ベルトルトぉぉぉ!!」
ベルトルト「うわっ びっくりした」
サシャ「お願いがあります!!」
ーー山
ミカサ「あなたと山登りをすることになるとは思わなかった」
ベルトルト「本当にね 何でだろうね?」
ミカサ「いや」
ミカサ「健全な男子ならサシャのような子の願いを無碍にすることはないだろう」
ベルトルト「そうかもしれない」
ベルトルト「初めてだったんだよ 女の子に迫られるのは...」
ベルトルト「...鼻水まみれだったけど」
ミカサ「ふふっ」
ーーーー
ミカサ「ところで」
ミカサ「随分と山歩きに慣れているように感じる」
ミカサ「あなたの出身も山のほうなのだろうか」
ベルトルト「...あぁ」
ベルトルト「僕はウォール・マリア南東の山奥の出身なんだ」
ミカサ「...」
ベルトルト「どうしたの ミカサ?」
ミカサ「初めてあなたの事を聞いた気がする」
ベルトルト「そうかな?けど僕は影が薄いから仕方ないのかも」
ミカサ「...」
ーーーー
ミカサ「...葦陰」
ベルトルト「ヨシカゲ?」
ミカサ「私の母方の先祖の言葉」
ミカサ「意味は...」
ミカサ「『何かを隠すために 高い能力も隠す』」
ミカサ「あなたは今期の訓練兵でも上位だ」
ミカサ「にもかかわらず」
ミカサ「今まで目立たなさ過ぎた」
ベルトルト「...」
ーーーー
ミカサ「ライナーのような体格と実力があれば」
ミカサ「とても目立つ」
ミカサ「皆を惹きつけるのは当然だろう」
ミカサ「アニのように人を避けたとしても」
ミカサ「やはり目立つ」
ミカサ「そして面倒見のいい人が寄っていく」
ミカサ「しかし」
ミカサ「ベルトルト...あなたは一体?」
ベルトルト「...」
ベルトルト「目立つのは恥ずかしいんだよ」
ミカサ「...」
ベルトルト「...」
ミカサ「ごめんなさい」
ミカサ「立ち入ったことを聞こうとした」
ミカサ「もう少しで目的地に着く」
ベルトルト「...あぁ」
ーーーー
ミカサ「着いた」
ベルトルト「この樹の根っこを採るの?」
ミカサ「正確にはこの樹に絡み付いている蔓の根っこを採取する」
ベルトルト「この蔓は枯れているね」
ミカサ「樹の陰だから」
ミカサ「ろくに陽もあたらなかったのだろう」
ベルトルト「そうか」
ベルトルト「...」
ベルトルト「...僕は」
ベルトルト「訓練兵になる前にとても酷いことをしたんだ」
ベルトルト「ちょうどこの樹のように」
ベルトルト「足元のことなんて...考えずに」
ミカサ「...」
ーーーー
ベルトルト「訓練兵を卒業した後もまた酷いことをすると思う」
ベルトルト「だから皆と一緒にいるのが」
ベルトルト「酷いことをする相手を仲間だと思うのが」
ベルトルト「...つらい」
ベルトルト「だから皆が僕に関わらないように注力している」
ミカサ「...」
ほほう
ーーーー
ミカサ「このクズ...」
ベルトルト「...」
ミカサ「...は 毎年枯れる」
ベルトルト「?」
ミカサ「枯れはするが」
ミカサ「得た栄養は確実に次に成長に繋がる」
ミカサ「そしていつの日か」
ミカサ「必ずその樹の頂にたどり着くだろう」
ミカサ「クズは本当に敗北したわけではない」
ベルトルト「そうか...」
ーーーー
ベルトルト「いつかその樹はクズに駆逐されるのかな」
ミカサ「それは分からない」
ミカサ「しかし今は」
ミカサ「どちらも懸命に生きている」
ミカサ「そして その時が来るまでは寄り添っているだろう」
ーーーー
ベルトルト「僕も...」
ベルトルト「皆と一緒にいていいのかな」
ミカサ「あなたは『私達と一緒』ではない」
ベルトルト「...」
ミカサ「『私達』だ」
ミカサ「エレンはあなた達を兄のように慕っている」
ーーーー
ベルトルト「...また酷いことをするけどいいのかな」
ミカサ「世界がそうなっているのなら仕方がないだろう」
ミカサ「しかし エレンに酷いことをするのなら」
ミカサ「私があなたの首を刎ねよう」
ーーーー
ベルトルト「...僕は君が怖いよ」
ミカサ「私はエレンを失うことが怖い」
ベルトルト「...こんな僕でも」
ベルトルト「人間なのかな」
ミカサ「...それは」
ミカサ「自分で決めるといい」
ミカサ「...皆そうしている」
ベルトルト「...そうかな」
ミカサ「そう」
ーーーーーー
ーーー
ー
ーーーー
ミカサ「では根を掘り返そう」
ベルトルト「芋みたいなものなのかな?」
ミカサ「それよりは大きい」
ミカサ「あなたの脚くらいはあるだろう」
ベルトルト「そんなに大きいの?」
ミカサ「運がよければもっと大きいものが手に入るかもしれない」
ミカサ「しかし 掘り返さなければ分からない」
ベルトルト「じゃあ始めるよ」
ーー1時間後
ベルトルト「ミカサ これは...」
ミカサ「えぇ すごく大きい」
ミカサ「これ程の巨大な根を手に入れられるとは思わなかった」
ミカサ「まさに...」
ミカサ「超大型巨根」
ベルトルト「...」
ミカサ「いや これはあなたの戦果なので」
ミカサ「ベルトルトの巨
ベルトルト「ミカサ!!もう一本くらい掘ろうか!?」
ミカサ「驚いた そんなに大きな声が出るとは」
ミカサ「しかしこれ一本で十分」
ミカサ「帰りましょう」
人間はみんなそうしてる…なんかで聞いた台詞だけど思い出せない…うごご
ーー水汲み場
ベルトルト「蒸かして食べるわけじゃないんだね」ガッツンガッツン
木槌を使って根を砕いている
ミカサ「根の栄養だけを取り出す」ジャバジャバ
樽に水を満たしている
ミカサ「砕き終わったらこの樽に入れてほしい」
ベルトルト「わかったよ」ガッツンガツン
ベルトルトの巨根を砕くのかぁ
ーーーー
ベルトルト「泥水ができたね...」
ミカサ「10日程かけて綺麗にしていく」
ベルトルト「もっと早くできないかな」
ミカサ「焦ることはない」
ミカサ「大切なものと同じ」
ミカサ「簡単には手に入らない」
ベルトルト「...そうだね」
ーーーーーー
ーーー
ー
ーーーー
アニ「何?この石膏はそんなに手間がかかってるの?」
ベルトルト「石膏じゃないよ クズだよ」
アニ「どっちだっていい」
アニ「けど あんたがそんな行動するなんてね」
アニ「意外だよ」
ベルトルト「ははっ 始めはただ流されただけだったんだけどね」
ベルトルト「...」
ーーーー
ベルトルト「途中から楽しかったよ」
ベルトルト「そして...少し救われた」
ベルトルト「...アニ」
ベルトルト「少しの間 泣いてもいいかな」
アニ「あんたが決めなよ」
アニ「ここには私達しかいないんだから」
ベルトルト「ありがとう」
ベルトルト「アニは優しいね」
アニ「...」
ベルトルト「ごめんなさい...」
ベルトルト「ごめんなさい...」
ーーーーーー
ーーー
ー
ーーーー
ベルトルト「そろそろ戻るよ」
アニ「ベルトルト これを持っていきなよ」
アニ「男子宿舎も病人ばかりでしょ?」
ベルトルト「ありがとう アニ」
アニ「もともとあんたが用意したんじゃないか」
ベルトルト「いや それだけじゃなくてね」
アニ「?」
ーー男子宿舎
ベルトルト「エレン クズ湯を持ってきたよ」
エレン「何だそりゃ?」
ベルトルト「ミカサによるとーー」
ーーーー
エレン「それは助かるな」
エレン「しかし」
エレン「ミカサが用意して アニが調理したのか...」
ライナー「飲むだけで強くなりそうだな」
ベルトルト「ほらフランツ これを飲みなよ」
フランツ「うぅ ハンナ...」
ベルトルト「早く治して元気な顔を見せてあげなよ」
ーーーー
3人「「いただきます」」
エレン「これは確かにあったまるな」
ライナー「あぁ」
ライナー「なんというかこう...」
ライナー「やさしい味だな」
ベルトルト「そうだね」
ーー女子宿舎
ミーナ「ありがとう アニ」グスグス
アニ「ゆっくり飲みなよ」
アニ「...飲み終わったら服を着せてやるから」
アニ「次はーー」
ーーーー
3人「「いただきます」」
ユミル「おっ けっこううまいな」
アニ「本当だね」
アニ「そうだ ミカサ」
ミカサ「何?」ケホケホ
アニ「ありがとう」
ミカサ「どういたしまして?」
ーーーーーー
ーーー
ー
ーー翌日 昼前 医務室
ミカサ「ごめんなさい」
エレン「なんで謝るんだよ」
ミカサ「あなたの休みを奪ってしまった」
エレン「もともと訓練がある日だから気にすることはないぞ?」
ミカサ「しかし」ケホケホ
エレン「おとなしく寝てろよ」
エレン「クズ湯を飲ましてやるから」フーフー
エレン「ほら口あけろよ」
ミカサ「...」アーン
ミカサ「おいしい」
ミカサ「...もっと欲しい」
エレン「ん?あぁ」フーフー
エレン「ほら」
ミカサ「♪」
ーーーー
エレン「--というわけで俺達6人に特別休暇と報奨が与えられた」
エレン「これお前の分な」
エレン「ベルトルトが皆で遊びに行こうと誘ってくれたんだが」
エレン「ユミルは疲労困憊で寝ると言っていたし」
エレン「俺は今ここにいるから」
エレン「3人で遊びに行ったのかな」
ミカサ「珍しい組み合わせ」
エレン「本当だよな」
ーーーー
エレン「前から思っていたんだが」
エレン「なんでお前は風邪をひくと機嫌がいいんだ?」
ミカサ「そんなことはない」
エレン「そうか?」
ミカサ「今も頭痛がつらい」
エレン「なら頭なでてやるからこっち寄れよ」
ミカサ「エレン」
ミカサ「私は眠い」
エレン「じゃあ手を出せよ」
エレン「起きるまで握っててやるから」
ーーーー
エレン「寝る前に一ついいか?」
ミカサ「何?」
エレン「あの藤籠はどうしたんだ?」
ミカサ「ベルトルトにあげようと思って編んだもの」
エレン「あぁ ミカサの手伝いをしたと言っていたな」
エレン「よく見ると他の蔓も混じってるな」
ミカサ「おまじない」
エレン「何の?」
ミカサ「『思い悩むことができるように』」
エレン「変なまじないだな」
エレン「一体何の蔓を混ぜたんだ?」
ミカサ「...クズ?」
おしまい
乙!イイ話やな
このクズはワロタ。やまなし?の人かな?次も待ってます
おつ
良かった
これにて終了です
反応を下さった方々に沢山の感謝を捧げます
設定
東洋の不思議な島国出身のミカサ母が
ミカサの夢枕に立つことで ミカサは
何かを思い出します
それは大体ロストテクノロジーとなっており
進撃の世界の食料事情に影響を与える形に
なっています
今回はロストしていたものは「デンプンを抽出する」技術です
応用の利く技術なのでジャガイモを馬鈴薯デンプンにして
保存性を高めることもできます
世界観はドイツ風ですが、その技術は失伝したと仮定して話を進めました
ベルトルトが発掘した葛根はとても大きかったため沢山葛粉を採ることができました
今回も落ち所を探せませんでした
精進いたします
以上です
以下蛇足です
ーー朝 女子宿舎
ミーナ「アニ おはよう」
ミーナ「どこかに行くの?」
アニ「あぁ ミーナ」
アニ「おはよう」
アニ「ちょっと街まで出かけてくるよ」
ミーナ「そっか いってらっしゃい」
ミーナ「ちなみにひとりで?」
アニ「いや ライナーとベルトルトと」
ミーナ「え?男の人と一緒なの?」
ミーナ「なのに何でいつもと同じ格好なの?」
アニ「別に良いじゃない もう時間もないし」
ーーーー
ハンナ「だめだよ!」
ハンナ「せめて髪型くらい変えようよ!」
アニ「ハンナまで...別に」
ーーーーー
ベルトルト「そして...少し救われた」
ーーーーー
アニ「いや...お願いしようかな」
ーーーー
サシャ「私はミーナみたいにおさげが良いと思います」
アニ「あんたもいつの間に...」
ミーナ「それもありかな 髪留めの紐は私のでいいか」バサッ
サシャ「そしてアニにはこれを差し上げます」
ハンナ「あっ ラビットファーだ」
ハンナ「どうしたの?」
サシャ「コニーに毛皮を分けてもらったんですよ」
サシャ「私が使いやすい大きさに整えました」
サシャ「ベルトルトにはお礼をしないといけませんからね!」
アニ「なんでそのお礼が私にくるわけ?」
サシャ(あれ?デートじゃないんですか?)
ミーナ(うーん 違うみたい)
ハンナ(残念だね ベルトルト)
アニ「けど ありがと」
ハンナ「じゃあファーは髪紐に付けるね」クルクル
ーーーー
ミーナ「私はクリスタみたいにおろすのも良いと思うけど」
ハンナ「サシャみたいに高い位置でとめるのはどうかな?」
アニ「時間がないんだけど」
ミーナ「よし!」
ミーナ「高い位置で2箇所とめて」
ミーナ「後ろは流そう!」
ーーーー
ミーナ「できた!」
ミーナ「どう?みんな」
サシャ「おぉ これは」
ハンナ「アニ!鏡見て!」
ミーナ「ふふーん 我ながらよくできた」
3人「アニ!可愛い!!」
アニ「(...凄い事になってる)」
アニ「(けどまぁ)」
アニ「ありがとう」ニコッ
サシャ「いえいえ お土産を楽しみにしています」
ハンナ「アニ 頑張ってね」
ミーナ「アニ」
ミーナ「いってらっしゃい」
アニ「いってくるよ」
ーー待ち合わせ
ライナー「...遅いな」
ベルトルト「準備しているんじゃないかな」
ライナー「それにしてもだな」
アニ「...待たせたね」
ライナー「アニ 遅い...」
ライナー「...ぞ?」
アニ「なんだい人の顔をじろじろ見て」
ライナー「いや...その」
ベルトルト「ねぇ アニ」
アニ「なに?」
ベルトルト「すごく可愛いよ」
ライナー「!!」
アニ「ありがとう ベルトルト」ニコッ
ベルトルト「さぁ 皆そろったし行こうよ」
ライナー「あ あぁ」
ライナー「...」
ライナー「(今日はいい日だな)」
蛇足おしまい
乙
菓子はわらび餅か?
美味しそう
>>61
葛餅じゃないのか?
わらび餅はワラビで作るからわらび餅だぞ
そうなん?
俺よく葛粉でわらび餅作って食べてたわw
乙!
面白い!
乙!
今回も面白かった
乙
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