大臣「陛下は悪事を働き過ぎですっ!」 (42)
ここは罪を背負って死んだ人間とその人間に罰を与える悪魔が集う場所、地獄。
私はそんな地獄の悪魔神にして王である陛下を支える役職をしている。
今日も城の中、陛下と共に仕事をしていた。
大臣「ここはこう。いつになったら覚えるんですか」
悪魔神「あ、すみません。僕これどうも苦手で…」
大臣「はぁ…」
陛下は玉座についてからまだ日の浅いお方だ。
悪魔神の風格も足りない。
いつまでも私が付いていないとダメダメな陛下の世話をしているとため息が出る。
私は疲れていた。
彼のせいで。
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大臣「もう一度言いますよ。これはこうで…」
悪魔神「あー、うーん…うんうん…やっぱ難しいなぁ。悪魔の仕事は…」
大臣「……」
この人は何を言っているのだろう…
大臣「貴方はもう少し悪魔神の自覚を持ってください!」
悪魔神「い、一応自覚はあるつもりなんですけど…」
コンコン
大臣「ん?」
陛下の説教の最中割り込んだのはノックの音。
悪魔神「どうぞ」
メイド「失礼しますご主人様。差し入れでございます」
悪魔神「あっ、いい匂いする。今日は何?」
メイド「今日はショートケーキでございます」
悪魔神「ちょっと休憩にしようかな。メイドも一緒に食べるだろ?おいで」
メイド「ご一緒してもよろしいのですか?」
悪魔神「勿論。こういうものはみんなで食べた方が美味いだろ?」
大臣「ちょっ、ちょっと待ってください。まだお仕事の方が残って…」
悪魔神「だからちょっと休憩するだけですって。大臣さんもゆっくりしましょうよ」
メイド「そうですよ大臣さん。妃ちゃんも呼んできますね」
大臣「あ!メイドさん!…行ってしまいました」
暫くするとメイドさんは妃様を連れて部屋に戻ってきた。
メイド「さぁみなさんでお茶にしましょうか」
妃「大臣もさ~、そんなかたくならないでここはみんなと一緒にゆっくりしようよ」
大臣「むぅ…妃様がそうおっしゃるなら…」
悪魔神「じゃあみんな集まったところで、いただきますっと…」
妃「いただきまーす。うーんおいひぃ~」
メイド「はいご主人様。あーん」
悪魔神「お、おい。みんなの前でやめろよ…う…あ、あーん…」
妃「ああっ!メイドちゃんずるいぃ!私もするぅ!」
妃「はいあーん。あ、な、た。キャッ」
悪魔神「慣れない呼び方して自分で照れるなよ…あーん…」
メイド「美味しいですか?ご主人様?」
妃「ね?どおどお?今日のはいつもより気合入ってるでしょ!」
悪魔神「うん。美味しいよ」
大臣「……」
実は私が疲れる理由はもう一つある。
お茶の度にこうして彼らのイチャイチャを毎度のように見せつけられることだ。
目の前のショートケーキを食べずとも十分な糖分を摂取できそうなほどのこの甘ったるいやり取りは、私にとっての若干のストレスとなっていた。
この調子だとどうせ夜はまたお楽しみなのだろう。
大臣「…ごほん。陛下、そろそろお仕事の方を」
妃「えー!もう?」
悪魔神「あ、あの。僕まだケーキ食べ切ってないんですけど…」
大臣「それは貴方が妃様やメイドさんから貰ってばかりで自分のを食べていないからでしょう!?」
メイド「さぁ…次はご主人様からどうぞ私たちに…」
悪魔神「え?僕もやるの?」
妃「当たり前じゃん!」
大臣「もうお茶はおしまいですっ!お皿を下げてください!!!!」
妃「うわっ…大臣怖~い」
大臣「何か?」ギロリ
妃「ひっ!」
メイド「妃ちゃん。残念ですがここは引いた方が良さそうですよ…」
妃「そ、そうだね。お尻叩かれたくないし…」
彼女たちはティーセットを下げると部屋を出て行った。
大臣「…ふぅ。さっ、続きを」
大臣「 陛 下 ? 」
悪魔神「は、はぃ…」
陛下は引きつった顔で頷いた。
私は今どんな顔なのだろう。
…………
夜、自分の仕事を終えて書庫で趣味の読者に耽っていた私は切りのいいところでそろそろ寝ることにした。
書庫を出て自分の部屋を目指して廊下で歩を進めているとある部屋から何やら声が聞こえてくる。
ンッ…アッ…ダメ…
陛下のお部屋からだ。
大臣「…ほぼ毎晩毎晩。よく飽きませんね」
別に…私にとってはどうでもいいことなのだが…
どうでも…いいことなのだが…
大臣(強いて言うならば)
いざ後継を作るときに冷めないで欲しいということだろうか。
なんたって今はどれだけ盛っても意味ないのだから。
妃様はまだ子供も作れないほど幼い方なのだ。
…ついでに言うとメイドさんも。
まぁ陛下に迫っているのはあの二人からなのだがそれを受け入れている陛下も陛下である。
大臣(ロリコン陛下…)
まったく陛下は本当に悪いお方だ。
大臣(あの様な幼な子を誑かして…)
大臣「……」
ふと、陛下には一度性癖の矯正が必要だと…
そう思った。
…本格的に私は疲れてるかもしれない。
…………
悪魔神「大臣さん」
大臣「はい?どうしましたか陛下」
次の日の仕事中、珍しく陛下から私に話しかけてきた。
悪魔神「あの、さ…大臣さんっていっつも休日なにしてるんですか?」
大臣「なんですかいきなり…まぁ、読書とかですかね」
悪魔神「なんか昨日妃が大臣さんはいろいろ堅すぎるって…いっつも本ばかり読んでて真面目過ぎだから偶には他のこともすればいいのにと」
大臣(別に真面目ぶるために本を読んでいるわけではないのですが…)
悪魔神「大臣さんってすっごく美人ですし、他の悪魔の彼氏とかもいて休日はそんな人と楽しんでるのかな~なんてのも考えましたが」
悪魔神「妃の言う通りだったみたいですね」
大臣「な…ななな…か、からかっているんですか!?そ、そんな人いませんよ!!」
大臣(そ、そうやって自分達はいつもいつもイチャついて」ブツブツ
悪魔神「え、あ、すみません…」
大臣「へ?声に出てましたか?」
悪魔神「…それはもうバッチリ」
大臣(死にたい)
悪魔神「なら、今度の休日は僕と一緒に色んなことしませんか?」
大臣「別に私は好きで本を読んでいるんです!放っておいてください!」
大臣「それに…ただでさえ日々妃様やメイドさんから貴方を奪っているというのに…そんなことをしては妃様に何を言われるか…」
悪魔神「いや、それがさ…休日とかになるとあいつら調子乗ってそれはもう僕のことおもちゃみたいに扱うんですよ?休日なのに疲れが取れませんよ…」
あの毎晩のような営みがさらに激しくなる。
彼が言いたいのはそういうことだろう。
悪魔神「だから偶にはちょっと雰囲気の違う休日が楽しみたいなって。駄目ですかね?」
大臣「…それ陛下がお二人に弄ばれるのから少しでも逃げたいだけじゃないですか」
悪魔神「それはそうなんだけど…お願いします!」
大臣「や、やめてください!悪魔神ともあろう方がみっともない!階級が下の者にそんな深々と頭を下げて…」
悪魔神「じゃあ悪魔神として命令します。次の休日は僕に付き合ってください」
大臣「そんなめちゃくちゃな命令がありますか…はぁ…分かりましたよ。付き合いましょう」
悪魔神「やった!ありがとうございます!」
大臣「もぅ…一日だけですよ?」
…………
書庫
大臣「う、うーん…男の方との休日の過ごし方…」ペラペラ
大臣「なかなか難しいですね…」
メイド「今日は何を調べているのですか?」
大臣「へっ!?あっ!こ、これはメイドさん…メイドさんこそ珍しい…」
メイド「ん?これは…?」
メイド「『男性との休日』…?」
大臣「ああっ!!」
メイド「ふふっ。大臣さんもそういう一面があるんですね…」
大臣(うぅ…まさかこの私が一日に二度も死にたくなるとは…)
メイド「お相手はどんな方なのですか?」
大臣(い、言えない…陛下だなんて…)
大臣「あ、ええっとですね」
メイド「ふふっ、すみません。野暮なことを聞いてしまいました。それでは私は失礼します」
彼女は微笑みながら書庫を後にした。
書庫の扉が閉まり切る音と共に私はまた深いため息を吐いた。
大臣「はぁ~」
大臣「そ、そうです。意識し過ぎです。相手は所詮あの情けなくて残念なロリコン陛下…大丈夫です。大丈夫。うん」
…………
メイド「ふふっ…これは少しおもしろいかもしれませんね…」
妃「あれ~?メイドちゃん書庫の前で聞き耳なんて立てて何してんの?」
メイド「なんでもありませんよ。ささっ、新しいレシピも書庫から借りましたし明日のお茶のお菓子でも考えましょう」
妃「明日は休日だから~。いっぱいお菓子つくろ~っと!」
メイド「妃ちゃん。明日は久しぶりに二人だけでお茶にしませんか?」
妃「えー!?なんでー!?」
メイド「偶には昔みたいに二人だけで過ごしたいなって…駄目ですか?」
妃「…そうだね!あははっ。おにーさんには内緒だよ?多分…いや、絶対泣いちゃうよ」
メイド「ふふっ。そうかもしれませんね」
続き?
悪魔神「大臣さん。おはようございます」
大臣「お、おはようございます…」
悪魔神「なんか休日に大臣さんと会うって初めてかも」
大臣「で、『色んなこと』とは一体?」
悪魔神「とりあえずゲームとか?」
大臣「げーむ?といいますと妃様がよく遊んでらっしゃるあの四角い箱のことですか?」
悪魔神「そうそう」
私は陛下に連れられその例の四角い箱がある部屋まで連れてこられた。
大臣「うん?この長方形のボタンのついた板は一体?」
悪魔神「それはコントローラー、それで操作するんですよ」
悪魔神「じゃあ始めましょうか操作の仕方とかルールとかは教えますから」
大臣「は、はあ…」
その日初めてスポーツのルールを知ったような者と前からそのスポーツを馴れ親しんだ者がいるとして、その二人が戦ったらどうなるだろうか。
まぁとうぜんの如くその日スポーツを始めたほうは……
大臣「…勝てない」
悪魔神「あっはっはっ。今日始めたばかりって言っても大臣さん弱すぎですよ」
大臣「む、むぅ~」
それは当たり前のことで全く恥ずかしいことではないはずなのにこのちゃらんぽらんロリコン陛下に言われるととても腹がたつ。
悪魔神「いや~、それにしても意外ですよ。大臣さんって何やらせても完璧っていうイメージがありましたから」
大臣「料理、洗濯、掃除家事全般…そして政治に携わる身としてあらゆる仕事がこなせなければその身を滅ぼすこととなりますがこのようなお遊戯は出来なくても生きていけますので…」
悪魔神「ゲーム…楽しくなかったですか?」
大臣「た、楽しむも何も…」
悪魔神「あ、そう…ですよね。大臣さんはあいつらと違って子供じゃないですし」
悪魔神「妃の言う通りなんか堅いっていうか…最近大臣さん疲れてるみたいだったし少しでも笑って貰えたらなって思ったんですけど…」
大臣「だから私は本を読んで心を落ち着かせているんですっ!」
悪魔神「ははっ…あいつらだったらきゃっきゃっ騒ぎながらやってるんですけどね…これ。メイドとかめちゃくちゃ強いんですよ?」
悪魔神「それはもう僕が裏技とかバグ技とかつかっても~…
またのろけ話が始まった…
悪魔神「で~…
その空気が私を疲れさせているんだとこの人はいつになったら気づくのだろう…
それを気づかせるには…
大臣(やはり…)
この時私の中のストレスを溜め込んでいた器が決壊したのを感じた。
大臣「ロリコン陛下っ!!!」
悪魔神「うぇっ!?な、だからその呼び方はやめてくださいって…」
大臣「あ、貴方の性癖は歪んでいますっ!」
悪魔神「どうしたんですかいきなり」
大臣「やはり悪魔神ともあろうお方があの様な幼子に手を出すなんてことはあってなはならないことだと私は思います!変態ですっ!ロリコンですっ!『悪いこと』ですっ!」
大臣「陛下は悪事を働き過ぎですっ!」
悪魔神(そうじゃなかったら僕は今悪魔神の地位どころかこの場所に存在してるかどうかすら怪しいんだけれでも…)
大臣「だ、だから…陛下には普通の女性の魅力を知ってもらう必要があると思います!」
悪魔神「へ?いや…大臣さん一体何を…」
大臣「私が…私がそれを教えて差し上げましょう…」
地べたに座る陛下に四つん這いで迫って彼の服を掴む。
正直自分でも狂っていると思った。
何で自分がこんなことをしているのかも分からない。
いや、分かっているはずだ。
これは『陛下の性癖を正す』ため…
でもそれは何処か…違う気がして…
悪魔神「ねぇ…ちょっ、ちょっと!」
大臣「殿方がうろたえて情けない。煩い口は塞ぎましょう」
悪魔神「んむぅ!?」
陛下の唾液と私の唾液が混ざり合い部屋の中で卑猥な水音を立てて絡み合う。
『悪いこと』をしているのは私の方だ。
もし、もしもだ。
この部屋に妃様が入って来たら…
私はどう言い訳するのだろう。
いろんな考えとこの状況が作り出す桃色の謎のもやもやが頭の中を満たしてパンクしそうだ。
大臣「ん、はぁ…はぁ…」
悪魔神「はぁ…はぁ…」
悪魔神「…ええっと」
大臣「まだ、ですよ…」
そう言いつつも次に自分が何をするつもりだったのかも分からない。
この時点で私の頭はもうパンクしており思考することのできなくなった身体は自然と止まり気を失った。
悪魔神「あれ?大臣さん!?大臣さーん!?」
悪魔神「うわ!すごい熱!」
…………
最初に会った時は…
妙な人間だなと思った。
『ここを通してくれ!僕は特別待遇なんだ!あいつに!あいつに会わせてくれ!』
『あいつに伝えてくれ!特別待遇を持った人間が来たと!』
…………
なのに、こんな変なもやもやとした感情を抱き始めたのはいつからだろう。
彼が悪魔神になってから?
いやそれよりも…少しだけ前からのような気がする…
彼が人間ではなくなってしまったあの日
私はじっと見ていた
自分の膝枕の上で
彼の綺麗な寝顔を
大臣「んー…ん、ん?」
目がさめると私は自室のベッドの上で布団に包まれていた。
悪魔神「あ、目が覚めましたか?びっくりしましたよ。大臣さん突然倒れちゃうんですもん」
悪魔神「ま、まぁその少し前はもっとびっくりしましたが…」
大臣「ふぇ…?は?え?」
一度寝て冷静になった今、自分が気を失う前の行動を思い出すとみるみるうちに自分の顔に熱が上がってきた。
大臣「あ、あ、え、ええっと…その…あれは…」
メイド「ふふっ、大臣さん。ご主人様に一体何を?」
大臣「メイドさん!?いたんですか?」
妃「私もいるよ。で、何の話?大臣が倒れたって聞いて心配してたんだけど…その前に何があったの?」
大臣「うっ、妃様まで…」
悪魔神「まあまあ、そ、その話はいいだろ?大臣さんは少しだけ疲れていたんだ」
大臣「そうですそうです!少しだけ、いやかなり疲れていただけですからぁ!」
妃「あーやーしーいー」
メイド「ふふっ。まあいいじゃないですか。大臣さんが無事だっただけでも。妃ちゃん、一緒にリンゴでもむいて持ってきましょう」
妃「むぅ。後でぜぇったい何があったのか教えてもらうんだからね!」
そう言うと二人は部屋を出て行った。
とりあえずなんとかなったみたいだ。
悪魔神「…ふぅ」
大臣「すみません…」
悪魔神「で、その、できれば僕も知りたいですね。なんで大臣さんがあんなことをしたのか」
大臣「それは…その…なんででしょう。分かりません」
悪魔神「僕がこんなこと言うのは気がひけるんですけど…やっぱり駄目ですよ。好きでもない奴にあんなことしちゃ、今はいい人がいなくても好きな相手ができたときに絶対後悔しますから…」
大臣「…!」
その時、胸を何か鋭い刃物のようなもので貫かれたかのように感じた。
大臣(胸が…痛いっ…)
どうして…
例えば…例えばだ。こうならば今痛むこの胸の鼓動にも気を失う前の行動にも日々感じるストレスにも説明がつく。
大臣「その『好きな相手』がもしも陛下なら私はどうすればいいのですか?」
一息で吐き出すようにして言った。
視界がぼやける。
もしもそれが本当ならばそれこそあってはならないことだ。
横目で陛下の方を見ると彼は椅子に座ったまま口をぽかんとあけて固まっていた。
口にはどこからかしょっぱい液体が入ってきた。
大臣「陛下…陛下ぁ…」
大臣「すっ…すみま…せん…今の言葉は…忘れてくださ…い…」
せめて、全てに気付けただけでも有り難いことなのだろう。
これで全てを捨てされたならもう明日からイライラすることもなく情緖不安定な心ともおさらばできるだろう。
もちろん奇行に走ることもない。
でもそれは…恋愛経験ゼロな私でも分かる。
それは、とても悲しいことだ。
大臣「ふぇ…?」
突然陛下が椅子から立ち上がり私の身体ごと頭を胸に抱き寄せた。
大臣「あ…」
陛下からは少しだけ今は亡き兄のような匂いがした。
優しかったころの…兄の匂いが…
それだけでめちゃめちゃのぐちゃぐちゃになっ
た私の心が落ち着いていった。
悪魔神「ありがとうございます…とても嬉しいですよ…」
………
部屋の前
妃「ちょっとお!」
メイド「しっ!妃ちゃんここは落ち着きましょう。いいではありませんか」
妃「おにーさんは私のなのぉー!」
メイド「まあまあ。でもこれでご主人様を理由に大臣さんに普段の我がままが通るようになるかもしれませんよ?」
妃「どうやって…?」
メイド「例えばここにご主人様の下着があります。これと引き換えに…とか…」
妃「え…メイドちゃん何やってんの…」
メイド「ふふっ、これもご主人のお部屋を掃除する専属メイドの特権なんですよ?」
…………
大臣「だからここはこうです!」
悪魔神「うーん。またやっちゃったな…というかもう熱は大丈夫なんですか?」
大臣「はい。陛下がこうでは私が一日でも休んでしまうと地獄の政治が止まってしまいますからね」
悪魔神「あはは…すみません」
大臣「もぅ。私だっていつでもいつまでも陛下の隣にいるわけではないのですよ?」
悪魔神「え~…大臣さんが近くにいてくれないなんて…それはちょっと寂しいですね…」
大臣「ふぇっ!?な、何を…」
悪魔神「大臣さん」
大臣「はい?」
悪魔神「可愛い」
大臣「うっ…むぅ…調子に乗らないでください…」
メイド「お茶の時間ですよ~」
悪魔神「おっ!アップルパイ!」
妃「昨日のリンゴが余ってたからね~」
大臣「アップルパイはそこに置いててください陛下も私もお仕事のノルマがまだですから。後でいただきますのでお二人はどうぞ別室で…」
妃「あ~!私知ってるんだから!そんなこと言って大臣ったらおにーさんと二人きりでお茶するんでしょ!」
大臣「そ、そんなことはっ」
悪魔神「おいおい変なこと言うなよ。後でちゃんと食べるから…」
メイド「ご主人様が言うなら仕方ありませんね妃ちゃん。行きましょう」
妃「うぅー!」
メイドさんが妃様をズルズルと引きずる形で部屋を出て行った。
大臣「今日は我慢してくれるんですね」
悪魔神「まあ、偶にはしっかりしないと」
悪魔神「いつか大臣さんにも頼ってもらえるくらいになれるようにさ…」
大臣「!」
大臣「ん…その…陛下…仕事を終わらせてからだと折角の出来立てのアップルパイが食べられませんね」
悪魔神「そうだね。残念だけど」
大臣「だから…一口だけ今いただきましょう」
悪魔神「いいんですか?」
大臣「はい。お口を開けてください」
悪魔神「ん?」
大臣「あ、あーん…」
悪魔神「え……」
大臣「早くしてくださいっ!」
おわれ
いやいやアホか4Pの描写もまだなのに
なに諦めてんの?
乙
>>36
Rで立てる立てるべきだったのか….
(>ω<)
続きってか軽い番外編のつもりでした
読んでくださった方はありがとうございました
(-ω-)
終わってから漸く酉をつける意味が分からん
>>40
実は投下するときにわーって一気に投下しちゃうからいちいち酉つけるのが面倒になってしまったという…
頭くらいにはつけときますすみません…
乙、兎娘読み直してふと酉検索したら引っかかった
このSSまとめへのコメント
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