美羽「はい!」
P「はい」
美羽「………」
P「………」
美羽「あ、今のはですね! 異性(いせい)と威勢(いせい)をかけた」
P「知ってる」
美羽「あ、はい」
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早苗「でも、威勢がいいオトコのほうがモテるっていうのは事実かもね」
P「早苗さん」
美羽「ですよね! わかります!」
早苗「今のオヤジギャグはイマイチわからないけどねー」
美羽「がーん!」
早苗「今のご時世、草食系男子が多いじゃない?」
早苗「女としては、こっちをぐいぐい引っ張ってくれるアグレッシブなオトコにきゅんときちゃうわけよ♪」
P「早苗さんを引っ張れる男になるのは大変そうですね」
早苗「ちょっとー、それどういう意味よー?」
P「さ、早苗さんは芯の強い人だから、それをぐいっと引っ張るにはこっちも芯の強さをもたないとダメだってことですよ」
早苗「うまいこと言って逃げてない?」
P「そんなことはないです」
心「逃げんな☆」
夏美「逃げんな?」
P「なんか増えたんですが」
美羽「パッションが誇るアグレッシブオトナ軍団ですね」
P「この3人に囲まれたら逃げられる気がしない」
麻理菜「わかるわ。たまに飲みに行くぞーって囲ってくるから、その時は逃げられる気がしない」
麻理菜「心と早苗さんだけならまだマシだけど、たまに夏美までノリノリで来る時があるんだよね。その時はお手上げ」
夏美「大丈夫大丈夫♪ 私は太らないようにとかいろいろ考えて、誘う頻度控えめにしてるから!」
麻理菜「そのぶん、ノってくるときはガンガン来るけどね」
麻理菜「3人によるジェットストリーム酒飲みアタックって感じ」
美羽「なんだか、すごそう……」
麻理菜「すごいわよー?」
P「ははは」
早苗「飲む……飲むかー」
心「飲んじゃう?」
早苗「飲んじゃうか! よーし、今日仕事終わりに飲み会けってーい!」
夏美「んー……前回飲んでからまあまあ間も空いているし。うん、私も行くわ」
夏美「今日はPさんも誘っちゃう?」
P「え? 俺、今日はさっさと家に帰ろうかと……」
早苗「なにか用事でもあるの?」
P「いえ、とくには」
心「じゃあ付き合って☆ たまにはオトコの匂いも欲しいんだから♪」ササッ
夏美「楽しませてあげるから♪」シュッ
早苗「付き合いのいいオトコはモテるわよ?」シュバッ
美羽「ああっ、Pさんがあっという間に囲まれたっ!」
P「じぇ、ジェットストリームだ……」
P「ま、麻理菜さん助けて」
麻理菜「今夜は私も飲みたい気分だから付き合うわ」
心「さっすがマリナル♪ 信じてたぞ☆」
麻理菜「というわけで、行きましょうPくん♪」
P「さらに囲いが増えた!」
美羽「ジェットストリーム酒飲みアタックwithマリナル……長いなぁ」
P「仕方ないですね。今夜は付き合います」
早苗「さすがはP君。なんだかんだ応えてくれるところ、好きよ?」
P「まあ、男に飢えている皆さんを野放しにしておくのも怖いので」
心「オイ☆ なんだその表現!」
麻理菜「でも確かに、アイドルやってると男の人との接触はどうしても控えることになっちゃうから」
夏美「合コンとか、できないもんね」
早苗「はいはいそういう話題は禁止! 悲しくなるから!」
心「好きでアイドルやってるとはいっても、20代後半でそーいうアレコレがないのは寂しいぞ☆」
早苗「アラサーだけど、ついぞモテ期は今までやってこなかったわね……」
夏美「ま、私はこれからモテ期が来る予定だけど」
心「なに甘っちょろいこと言ってんの♪ スウィーティーかよ☆」
夏美「私は20代前半だし」←25歳
心「あー、そういうこと言っちゃうー?」←26歳
麻理菜「アラサー3人を前にしてなかなか挑戦的な発言だね」←26歳
早苗「ていうか25も四捨五入したら30でしょうが! いけっ! ジェットストリームアタック!」←28歳
夏美「きゃーーっ!?」
わーわーきゃーきゃー
P「………」
美羽「Pさん。わたし」
P「ダメだ」
美羽「まだなにも言ってないですよ!」プクー
P「じゃあ言ってみなさい」
美羽「すごく面白そうだからあんな大人になりたいですっ!」キラキラ
P「ダメだ」
美羽「えー?」
P「確かにあの人たちにも見習うべき部分はたくさんある。だが、今の彼女たちを見てそういう思いを抱くのは……うん……もう少し落ち着きのある女性に育ってほしいかな」
美羽「むむむ」
P「大人になった美羽とは、静かに酒を飲みたい」
美羽「Pさんと、静かにお酒を……それはそれでいいですね!」
美羽「わかりました! 面白さとおしとやかさを両立させた大人になります!」
P「そうそう、その意気だ」
早苗「ちょっとー、なんだか楽しそうな話してるじゃない? 美羽ちゃんがお酒飲めるようになったら、あたしも一緒に飲むわよ~」
美羽「わたしが20歳になるころには、早苗さんは34歳ですね!」
早苗「なーんだ、まだアラサーね! 今と一緒! あははっ!」
美羽「あははっ!」
P「このポジティブさは見習うべきかもしれない」
友紀「なになに? みんなで集まってなにしてるの?」
P「また酒飲みがひとり増えた」
友紀「酒飲み? よくわかんないけど、野球を観ながら飲むビールは最高だよね!」
友紀「プロデューサーも、今度一緒に、あたしの家で飲みながら野球中継見ない?」
P「現地観戦じゃないのか」
友紀「いやー、最近ちょっとお金を使いすぎちゃってて……チケット代が」
P「お金の管理はしっかりな」
友紀「はーい。ま、家でゆったりビール飲みながら中継見るのも、それはそれでよさがあるからね!」
友紀「というわけでプロデューサー、どうかな? 今夜とか」
P「今夜はもう別の人達と飲む約束をしてるんだ」
友紀「え、そうなの? 誰と?」
P「早苗さんと心さんと麻理菜さんと夏美さん」
友紀「サヨナラプロデューサー。忘れないよ、あなたのこと」
P「なぜ俺を憐れむような眼で見るんだ」
友紀「シーヤーッ!!」
P「なんでメジャーの実況風なんだ」
友紀「あの4人でしょ? 一緒に飲みに行くんでしょ?」
P「友紀、経験があるのか」
友紀「うん」
P「そんなにパワーがあるのか、酒に酔ったアラサー組は」
友紀「2人そろえばアライバ、3人そろえばJFK、4人そろえば片栗中中だよ」
P「なんでもかんでも野球でたとえるな」
友紀「えへへ~」
後日
光「威勢がいいと異性にモテる?」
麗奈「アンタ、よくそんなつまんないダジャレ思いついたわね」
P「思いついたのは俺じゃない」
美羽「うーん、55点くらいかな」
P「君が言ったんだぞ、美羽」
光「ぶふっ」
麗奈「ウケてるヤツもいるけどね」
麗奈「ま、よわっちいヤツよりは堂々としてるヤツのほうがアタシも好きね。部下にしたら役に立ちそうだし!」
P「堂々と、ね……でもなあ。あんまり自分のビジュアルに自信ないからな」
光「髪の量?」
P「その通りだが、すごい直球に指摘してきたな」
美羽「光ちゃんはどんな時でもまっすぐだもんね」
麗奈「ちょっとくらい髪が少ないからってなによ。そうやって気にして、無理に前髪でおでこ隠そうとしてるほうがよっぽどダサい!」
P「うぐ」
麗奈「アタシを見なさい! デコ出したって何が悪いのよ! まあアタシはハゲてないけど」
P「俺もハゲてないぞ。ちょっと守備陣が外野後退してるだけだぞ」
麗奈「えぇ……?」
光「麗奈、たまにすごくいいこと言うんだよな」
麗奈「フフン、もっと褒めなさい!」
美羽「悪がいいこと言って褒められるのって麗奈ちゃん的にはアリなの?」
麗奈「………あ」
麗奈「や、やっぱり褒めなくていいわ!」
光「えぇ……?」
麗奈「と、とにかく! Pはもっと堂々としなさい!」
麗奈「まずはじめに、アタシみたいに隠さずおでこバーンって出す!」
P「おでこバーン、か」
光「P。アタシも、Pには自信をもってほしい」
美羽「わたしたちのプロデューサーですから!」
P「みんな……」
光「大丈夫!」
光「Pはハゲても強い!」
P「ハゲてないけどな」
麗奈「そこはいい加減認めろっ!!」
また別の日
拓海「あぁ? 威勢がいいと異性にモテる?」
夕美「……ごめん、あんまり面白くないかも」
P「だから俺が考えたダジャレじゃないって」
拓海「アタシは男でも女でも、肝が据わったヤツが好きだぜ。喧嘩上等ってくらいのな!」
P「まあ、拓海はそうだろうな」
夕美「私は……うーん、どうかな」
夕美「威勢がよくて、ぐわーって来る人もかっこいいと思うけど。物静かで、一緒にお花を眺めながら、ゆっくりお話してくれるような人も好きかな」
拓海「でかいバイクを乗りこなしててな」
夕美「お花の冠を作れるような」
拓海「革のジャケットがバッチリ似合うような」
夕美「花壇にたたずむ姿が絵になるような」
拓海「体つきもガッシリしてて」
夕美「ちょっと細身でもいいくらいで」
拓海「そんな感じの」
拓海「笑顔がかっこいいヤツだな!」
夕美「笑顔が素敵な人かな♪」
拓海「………」
夕美「………」
拓海「気が合うな!」
夕美「気が合うねっ!」
P「最後以外ほとんど合ってなかったぞ」
拓海「いいんだよ細かいことは。大事な芯のとこが合ってりゃ似たようなもんだ。なっ!」ニカッ
夕美「ねーっ♪」ニコッ
P「仲いいな、君達」
またまた別の日
P「ただいまー。ふう、会議が予定より長引いて疲れたよ」
夏美「あ、Pさん。しーっ」
P「え?」
仁奈「すぅ……すぅ……」スヤスヤ
薫「くかー……くかー……」スヤスヤ
P「おっと。年少組がお休み中か」
夏美「ええ。それと」
未央「………すぅ」
P「なぜ未央まで」
夏美「さっきまで、二人の相手をしてあげてたみたい。それで疲れたんじゃないかしら」
P「なるほど。面倒見いいですからね、未央は。俺の代わりをしてくれていたわけだ」
夏美「私も手伝ってあげられればよかったんだけど、戻ってきたのがついさっきで」
夏美「ふわあ……今日のレッスン、一段とキツかったなあ。私もお昼寝しちゃおうかしら」
P「………」
夏美「どうかした?」
P「いや。なんだか珍しいなと思って。夏美さんが、静かにゆったりしてる姿を見るのは」
夏美「なーに? いつもはやかましくて落ち着きがないってー?」
P「違いますって。ただ、いつも一生懸命ギアを入れてるから、気を抜いているところをあまり見ないってだけです」
夏美「……なるほど」
P「この前の飲み会も、俺はあなた達にめちゃくちゃにされましたからね」
夏美「わ、私はほかの人に比べたらまだマシだったでしょ?」
P「どうだったかなあ」
夏美「あはは……酔うとついつい羽目を外しちゃうのよね」
夏美「でも、私だって気を抜くときはあるのよ。ずーっと気を張っていたら、さすがに身体がもたないし」
P「夏美さん、いつも頑張ってくれているから。俺も頼もしいです」
P「みんな休んでるし、夏美さんもお昼寝したらどうですか」
夏美「そうね……それもいいかも」フワア
P「ははっ。今日は本当にお休みモードですね」
夏美「たまには、こういう私もいいでしょう?」
P「そうですね。魅力的です」
夏美「うふ、ありがと♪ 聞きたいセリフを言ってくれて」
夏美「でも、Pさんにはひとつだけ、知っておいてほしいな」
P「? なにをです」
夏美「私は、誰にでも気を抜いた姿を見せるわけじゃないってこと」
夏美「本当に心を許した相手にしか、無防備にはならないのよ」
夏美「たとえば……好きな人、とか」
P「夏美さん……」
夏美「……なんて言ったら、男の人は喜ぶのかしら?」
P「なっ……俺をからかいましたね!」
夏美「うふふ、ごめんごめん♪」
夏美「でも、信頼しているのは本当よ。私のパートナー……一緒にフライトできる相手は、あなたしかいないと思ってる」
P「………」
P「冗談の後にそういう真面目なこと言うの、ずるいですよ」
夏美「大人のレディだもの」
P「……そうでしたね」ハハ
夏美「それにしても、よく寝てるわね。3人とも」
P「そうですね」
仁奈「zzz」
薫「むにゃむにゃ」
未央「すやすや」
夏美「こうやって、幸せそうな寝顔を見ていると――」
夏美「いたずらしたくなっちゃうわね」
P「大人のレディ」
夏美「ちょっとだけちょっとだけ。ねっ」
P(未央の耳元に顔を近づけて、何をするつもりなんだろう)
夏美「未央。未央。俺だ」(イケボ)
P「誰だよ」
未央「むにゃ……ぷろでゅーさー……?」
夏美「そうだ。プロデューサーだ」
未央「ぷろでゅーさーかあ……」
P「オレオレ詐欺の手口だ」
夏美「未央、未央」
未央「ぷろでゅーさー……」
夏美「愛してるよ、未央」
未央「うん……わたしも……」
未央「わたしも………ん?」パチッ
夏美「あ、起きちゃった?」ニコニコ
未央「なつみ姉さん……あ、えと、私いま……」
未央「いま………」
夏美「わたしも……の続き、なに?」
未央「………あああああっ!!??」カアァ
未央「な、なつみ姉さん!!」
夏美「あはは、ごめんごめん♪ こんな簡単に寝言で答えてくれるとは思ってなくて」
未央「もう~~! も~~~~っ!!」ポカポカ
P「………」
P「やっぱりうちのアイドル、年齢上がるほどパッションになっていくな」
P「おーい。仁奈と薫が寝てるんだから、もう少し静かに頼みますよー」
仁奈「すぅ………」
薫「……むにゃ……」
P「……気持ちよさそうだな」
P「お前らは、どんな大人に育つんだろうな……ははっ」
P「まあ、なんにせよ」
P「うちの子達はみんな威勢がいいから、俺もそうならなきゃやっていけないか」
P「……がんばろう」
おしまい
これはいいパッションP
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
最近相馬夏美さんの魅力に気づきつつあります
前作:本田未央「プロデューサーのお嫁さん探し」
本田未央「プロデューサーのお嫁さん探し」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456326514/)
その他過去作
モバP「なっちゃんと夏の事務所」
渋谷凛「アイドルの日常」 池袋晶葉「ひとやすみも大切だな」
などもよろしくお願いします
乙!
もしかしてプロデューサーさん後退守備の表現気に入ったのか
おつ
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