男(幼稚園)「パイロットってかっこいいな!なりたいなぁ!」
水色の服の少女「いいじゃない。私も大空を飛んでみたいわ」
男「飛行機でキーン!ぶぅーん!」
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男(低学年)「警察官になりたい!」
青い服の少女「いいじゃない。弱い人の味方であってね」
男「わっぱかけろわっぱ!」
男(高学年)「先生ってすごいなぁ、かっこいいや」
黄色い服の少女「いいじゃない。元気と笑顔がいっぱいね」
男「ちゃんと勉強がんばろうっと!」
男(中学一年生)「虫の研究者になりたい!」
緑の服の少女「いいじゃない。でも、ゴキブリだけは勘弁してね」
男「死に際の羽ばたき!」
男(中学二年生)「この世界の覇者となり、すべてを混沌の闇に沈めてやる………」
紫の服の少女「いいじゃない……。闇の力ですべてを等しくしてね………」
男「沈まれ俺の右腕ぇ!」
男(中学三年生)「バンドやりたいわ」
赤い服の少女「いいじゃない。ロックロールね!いえー!」
男「ギャギャギャギャーン!俺の歌を聴けぇ!」
男(高校一年生)「スマホ買ってもらったわ、アプリとか楽しすぎる」
男「ネットも使えるし、すげえ便利だわ。これ」
薄い色の服の少女「たまには私のことを思い出してね」
男「うっせえあっちいってろ。今スマホいじってんだろうが」
男(高校二年生)「草生やせるようになったわwwwwwwwwwww」
男「wwwwwwwwwwww」
男「wwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
男(高校三年生)「受験やべえwwww勉強きつすぎwwwwwwww」
男「でもまあ底辺にはなりたくねえしwwwww国立めざすわwwwwwwwww」
男「あれ?俺なんで大学行くんだっけ………まあいいかwwwww周りに合わせとけwwwww」
男(大学一年生)「大学やべえwwwwwww自由すぎワロタwwwwwwww」
男「バイトwwwwwwwwサークルwwwwwwwwリア従に、俺はなるっwwwwwww」
男「あーあwwwww忙しいわ俺wwwwwwwwww」
男(大学二年生)「うえーいwwwwwwうえーいwwwwwwww」
根暗「………」カリカリ
男「何やってんのwwwwwww」
根暗「小説を書いているんだ、芥川賞を取りたくて」
男「wwwwwwwwwww小説wwwwwwwwwwwwあwwwwwそうwwwwwwwwwwwwwwww」
「…」
男「隣のかわいい子は誰なん?wwwwww」
根暗「子供の頃からずっと一緒で。こんな俺に、寄り添い続けてくれるんだ」
男「wwwwwwwwwwwwこんな根暗と一緒にいて楽しい?wwwwwwwww俺のとここいよwwwwwwwww」
「この人が書くのをやめない限り、私はずっとこの人についていく」
男(大学三年生)「研究いそがしすぎワロタンバリンシャンシャンwwwwwwwwwwww」
友「おいwwwwwww根暗のやつ、大学やめたみたいだぞwwwwwwwwww」
男「wwwwwwwwwwwww平成の太宰治かwwwwwwwwwwwwww所詮勉強が嫌でやめたんだろwwwwwwww現実逃避乙wwwwwwwwwww」
男(大学四年生)「就活やべえwwwwwwwwwww」
男「とりあえず内定もらえればいいかwwwwwwwwwwwはやく遊びてえwwwwwwwww」
男「社会に出ても一生懸命、頑張るぞぅwwwwwwwwwwwww」
男(社会人一年生)「大学気分が抜けてなくて遅刻したwwwwwwやべえwwwwwwwww」
上司「キミ、ふざけているの?社会人なめすぎじゃない?」
男「久しぶりにこんなに怒られたわww」
男(社会人五年生)「あ、やべっ………またやっちゃった………」
上司「あーあ、じゃ、残業ね」
男「はい………サビ残かぁ………」
………
男(社会人二十年生)「すいません……すいません……」ペコペコ
上司「はぁ、またミスかよ。君、いくつ?ほんと使えないよね」
男「すいません……すいません……」ペコペコ
男「はぁ………」トボトボ
根暗「…あれ?男か?」
男「おまえ……根暗……か?」
根暗「久しぶり、変わったな。お前」
男「お前も………老けたな………」
根暗「お互いだな」
「…」
男「その子っ………まだ、いたんだ………」
根暗「ああ。いろいろあったけどさ、こいつだけは、書くことだけは、何とか離さないようにやってきたんだ」
男「この子は………前よりも、綺麗になったな」
根暗「ああ、これからも美しくなっていくよ」
男(あいつ、まだ小説書き続けていたのか。立派だな)
男(それに比べて俺は何だ?毎日、毎日、叱られて、仕事して、疲れて、帰って、酒飲んで、寝て、なんてくだらない人生なんだ)
男(俺とあいつ、何が違うんだ?いや、分かってる、俺は、夢を追うことから、逃げて)
男(………あの少女がいてくれたなら。あの少女がいれば!)
男(俺にもまだ何かあるだろ!なんだ、なんだっけ、パイロット、それは無理だ)
男(警察官、もう無理。先生、つとまるはずがない。研究者、だめ)
男(闇の支配者、意味わからん。バンド、楽器ひけない)
男(ああ、俺。なんもねえな)
男「…………………………」
男「…………………」
男「…………」
男「……」
男「むなしい」ボソ
黒い服の女「そう」
男「!?あ、あのときの少女か!?」
黒い服の女「ええ」
男「やった、やったぞ!俺にもまだ何かあったんだ!やり遂げる何かが!」
黒い服の女「いいえ、もう手遅れ」
男「じゃあ、お前はいったい……」
黒い服の女「分かっているはずよ。何もできやしないあなたができる、焦燥と疲労の螺旋から抜け出す、たった一つの方法」
男「……え?……まさか……いや………そんな…………いやだ………俺は………嫌だ!わああああぁぁー!!!!やめろ!!!お前じゃない!!!どこかへ消えてくれ!!!あっちいけえ!!!!」
黒い服の女「また、拒絶するのね」
黒い服の女「でもこれからは、あなたの傍にずっといるわ」
「きいたことあるか?ここらへん変質者が出るってよ」
「まじかよ、どんなやつ?」
「なんか、会わせてくれぇー、会わせてくれぇーって叫びながらフラフラしてるらしいぞ」
「こえーなんだそいつ、きめえ」
男「………どこだ、………どこにいるんだ」フラフラ
「……やばくないか、はやくいこうぜ」
「お、おう」
男「どこにいるんだ」
黒い服の女「ここにいるわ」
男「お前じゃないんだ」
黒い服の女「誰を探しているの?」
男「夢と再び会わせててくれないか」
黒い服の女「もう無理よ」
終わりです。
ありがとうございました。
乙
男は何もやってない訳じゃなくてちゃんと大学行って
勉強して仕事してるんだからそれだけで偉いと思う
乙
いつまでも夢と向き合える人間でいたいよね
乙
もし、仕事しながらも結婚するとか家持つとかみたいに目標を持ててたら他の色の女が隣にいたんだろうな
乙
男のもとにも、いつかは夢が帰って来るんだろうって信じていたいね
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