(ごらく部に向かう途中の道)
向日葵「あら、お二人とも」
あかり「あ、向日葵ちゃん。どうしたのこんな所で?」
ちなつ「珍しいね。生徒会は?」
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向日葵「それが、櫻子がごらく部に向かったまま帰ってきませんの」
あかり「櫻子ちゃんが?」
ちなつ「どうして?」
向日葵「ええ、赤座さんの提出したプリントに記入漏れがありまして」
あかり「ええ?あかりの?」
ちなつ「もう、あかりちゃんってばうっかりさん」
向日葵「それで櫻子が、私が行って来るー!ってごらく部に向かったまま」
あかり「それで、帰ってこないの?」
ちなつ「どうしたんだろ?」
向日葵「なので、今から迎えに行くところなんですの」
あかり「向日葵ちゃん、ごめんねぇ」
向日葵「いいえ、さっさと帰ってこない櫻子が悪いんですから」
ちなつ「櫻子ちゃん、何してるんだろうね?」
京子「よーっす2人とも。お、それとひまっちゃんじゃん」
向日葵「あら歳納先輩、今日は」
京子「珍しいね。どうしたの?こんな所で」
向日葵「ああ、実は、櫻子がごらく部に向かったまま帰ってきませんの」
京子「え?さくっちゃんが?」
向日葵「ええ。それでこれから迎えに行く所なんですの」
京子「私もこれからごらく部に行く所だし、今誰も居ないよー?カギもかかってるし」
あかり「そうだよね?あかり達も遅くなっちゃったから」
ちなつ「櫻子ちゃんもう帰ってるかもよ?」
向日葵「いえ、向かう途中で行き会いませんでしたからまだ多分・・・」
京子「なら入口の所で待ってるかもねー」
あかり「じゃあ、とりあえず一緒にごらく部まで行こ?」
(ごらく部入口)
向日葵「見当たりませんわね。全く、あの子一体どこをほっつき歩いて・・・」
京子「教室とか探しにいったんじゃないのー・・・あれ?」
ちなつ「ん?どうしたんですか京子センパイ?」
京子「カギが、開いてる・・・」
あかり「え?」
あかり「京子ちゃん、昨日閉め忘れたんじゃないの?」
京子「いんや、私に限ってそれはない」
ちなつ「その自信はどこから出るんですか」
京子「とにかく、もしかしてさくっちゃん中で待ってるかも」
向日葵「そうだとしたら申し訳ありません、櫻子が勝手に」
京子「いやいや、構わないよー」
(ごらく部部室)
ガラ
京子「さくっちゃ・・・あ」
あかり「え?櫻子ちゃん?」
向日葵「さ、桜子・・・」
向日葵「畳の上に、うつ伏せで・・・?」
どうなる
期待
向日葵「ちょ、ちょっと櫻子、あなた・・・!」
京子「・・・待て、ひまっちゃん。さくっちゃんに触っちゃダメだ!」
向日葵「・・・は?」
京子「これは、事件・・・」
京子「そう、トリックを用いた、殺人事件だ!」
向日葵「は、はぁ?」
京子「みんなそのまま、現場を乱さないで!」
あかり「え、え?」
ちなつ「京子センパイ、何をするつもりですか?」
向日葵「あ、あの・・・」
さくっちゃん……いい奴だった……
まさかの更新きてる
がんばって
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京子「・・・さて、いいかな。状況を整理するよ」
京子「私が部室に向かっている時に、ちなつちゃんとあかり、それと」
京子「ひまっちゃんと行き会った」
あかり「う、うん」
ちなつ「そうですよね」
お、更新きた
京子「ひまっちゃんは、さくっちゃんがあかりに会いにごらく部に向かったまま」
京子「いつまで経っても戻ってこないから、ごらく部まで迎えに来た」
向日葵「え、ええ、そうですけど・・・」
京子「そして、私たちが一緒にごらく部に到着すると」
京子「いつもは、鍵のかかってるはずの部室の戸が開いていて・・・」
京子「中で無残な姿に変わり果てた、さくっちゃんが発見された」
向日葵「無残な姿って、あの・・・」
京子「この事から考えると」
京子「犯人は、何らかの方法で鍵のかかった部室内にさくっちゃんを招き入れ・・・」
京子「油断した所を、後ろからグサリと!」
あかり「い、いやぁーっ!」
向日葵「あ、あのですね、歳納先輩」
京子「そして、犯人は何食わぬ顔で部室を後にし・・・」
京子「そのあと、さり気なく私たちと合流した」
あかり「ええっ?」
ちなつ「わ、私たちと合流を?なぜですか?」
京子「姿をくらましたら、逆に怪しまれると思ったんだろう・・・」
京子「逆に、第一発見者を装うほうが安全だと犯人は考えたんだろうね」
ちなつ「え、と、という事はつまり?」
京子「・・・そう。つまり」
京子「犯人は、この中にいる!」
あかり「ええーっ!?」
ちなつ「は、犯人が?」
向日葵「あ、あの・・・」
―――人物一覧―――
『大室櫻子』
七森中生徒会所属。1年生。
普段は鍵のかかっているはずのごらく部部室内で倒れている所を発見される。
直前にあかりに用があるとごらく部部室に向かっていた。
『歳納京子』
ごらく部部長。2年生。部室の合鍵を所持している。
普段は鍵の開け閉めを担当している。
鍵を開けられるのは彼女だけのはずだが・・・?
『赤座あかり』
ごらく部部員。1年生。
『吉川ちなつ』
同じくごらく部部員。1年生。
事件発生時、赤座あかりと共に部室に向かっていた。
一見アリバイは完全に成立しているように見えるが・・・?
『古谷向日葵』
生徒会所属。1年生。
大室櫻子とは幼馴染。
事件発生時のアリバイはないが・・・?
異様に人物紹介が簡素な子が一人…全然怪しくない…
向日葵「あの、ちょっと待ってください」
向日葵「犯人が私達の中にいるというのは、一体どういう理屈なんですか?」
向日葵「それに、櫻子はそもそも」
京子「いい質問だね、ひまっちゃん」
京子「この事件の大きなポイントは、部室の鍵が開いていた、という所なんだ」
あかり「部室の鍵が?」
ちなつ「どういう事ですか?」
京子「まず、犯人は櫻子ちゃんを手にかけたあと・・・」
京子「部室の鍵を、絶対あけっぱなしにしておかないとダメだったって事はわかる?」
あかり「え?」
ちなつ「どうしてですか?」
京子「簡単な事さ。櫻子ちゃんが部屋の中に倒れてて」
京子「入口に鍵がかかっていたのなら」
京子「櫻子ちゃんを手にかけた後にまた鍵をかけた、つまり部室の鍵を持っている人が
犯人だってすぐバレるから」
ちなつ「あ、そうですね」
向日葵「ええ、確かにそうですけれども」
京子「なので、犯人は入口の鍵を開けっ放しにしておく事で」
京子「部室の鍵を持っていない、外部の人間でも犯行が可能という風に見せかけたかった、
って事なのさ」
あかり「へ、へぇー・・・」
ちなつ「な、なるほど・・・?」
京子「けれども、犯人は一つミスを犯した」
あかり「ミス・・・?」
向日葵「どういう事ですか?」
生きてた!
京子「それは、私がきのう帰りに戸締りの確認をバッチリしていたということ・・・」
京子「きのう、鍵をかけたかどうか私の記憶があやふやだったのなら、外部の犯行に
見せかけるのは有効だったろうね」
あかり「つ、つまり・・・?」
>>37
ええ生きてましたw
書いたの消えてしまってました・・・
京子「櫻子ちゃんが部室に訪れた時は、鍵は確実にかかっていたと私は断言できる」
京子「なので、部室に入るときにも鍵は絶対に必要だったんだ」
ちなつ「と、いう事は・・・」
京子「・・・そう。部室の鍵を持っていなければ、犯行は不可能」
京子「犯人は、外部の人間の犯行に見せかけようとして」
京子「逆に、犯行可能な人間を、部室の鍵を持った人間に限定してしまったのさ!」
あかり「え、ええーっ!?」
ちなつ「ぶ、部室の鍵を持った人が犯人?」
向日葵「え?けれど、そうなりますと・・・」
向日葵「いつも、部室の開け閉めをしているのは歳納先輩なんですよね」
向日葵「となると、犯人は歳納先輩という事に・・・」
京子「・・・確かに」
京子「鍵で部室の戸締りをしているのは私。だけど・・・」
京子「合い鍵を持っている子が、一人いるんだ」
向日葵「合い鍵?」
京子「そう。私が遅くなった時なんかに、代わりに合い鍵を使って戸締りをしているんだ」
京子「・・・そうだよね?あかり」
あかり「・・・」
あかり「え?ちょ、ちょっと待って」
ちなつ「あかりちゃんが、犯人だって言うんですか?」
向日葵「それはちょっと無理があるのでは・・・。大体、」
京子「・・・犯人は、さくっちゃんを部室におびき寄せて」
京子「油断したところを、後ろから鈍器のようなものでガツンと一撃!」
京子「そして、何食わぬ顔で私達と合流したのさ」
向日葵「さっきと凶器が変わってるじゃありませんの」
向日葵「そもそも、櫻子をどうやって部室までおびき寄せたんですの?」
向日葵「確かに、ごらく部は離れた所にありますから犯行にはうってつけかも知れませんけれども」
向日葵「だいたい、櫻子は・・・」
京子「それもいい質問だね、ひまっちゃん」
ま、まさかあんなに怪しくない子が犯人だったなんて
乱歩もアリスも流水も真っ青な展開だぜ
犯人は主人公の…
京子は何がしたいんだよwwww
京子「思い出してみて。そもそも」
京子「さくっちゃんは、どうしてごらく部の部室に向かってたのだろうか?」
ちなつ「え?えーと、それは・・・」
向日葵「ですから、赤座さんのプリントの記入漏れを訂正してもらいに・・・ま、まさか」
京子「・・・そう。プリントに記入漏れがあれば」
京子「訂正してもらいに、生徒会のメンバーが部室までやってくる・・・」
京子「プリントをわざと記入漏れする事で、生徒会のメンバーの行動は操れるんだ!」
あかり「え、ええーっ!?」
ちなつ「京子センパイ、常習犯ですものね」
向日葵「そう来ると何となく予想してましたけれども」
じゃあ犯人は生徒会メンバーなら誰でもよかったのか…
相当強い怨みがあるんだろうか
向日葵「けれど、それだと櫻子が来るかわからないのではありませんの?」
向日葵「私や、先輩たちが来る可能性も・・・」
京子「犯人は、その可能性も十分考えてただろうね」
京子「けど、もしターゲットと違う人が来たなら・・・」
京子「日を改めて、またやり直せばいい」
京子「くり返すうちに、いずれは目当ての人間が必ずやって来るだろうからね」
ちなつ「櫻子ちゃんがターゲットだったんですか?その理由は?」
京子「さぁ・・・。それは本人に聞いた方が早いかもね」
京子「そうだよね、あかり?」
あかり「え・・・?」
ちなつ「あ、あかりちゃんが犯人だっていうんですか?」
あかり「あ、あかり何もしてないよぉ!」
向日葵「ええ、それにそもそも櫻子は・・・」
京子「・・・部室の合い鍵を持っていて」
京子「そして何より、プリントをわざと記入漏れし」
京子「部室にさくっちゃんを呼び込むことができたのは、あかり・・・」
京子「ただ一人、あかりだけなんだ」
あかり「ちょ、ちょっと京子ちゃん!」
京子「・・・あかり。少しでも自分が目立つように」
京子「自分より目立つさくっちゃんを、その手にかけるなんて・・・」
あかり「ひ、ひどい!」
ちなつ「・・・あー、でも京子センパイ」
ちなつ「あかりちゃんは、今日放課後から今までずっと私と一緒に居ましたけど?」
京子「・・・え?」
ちなつ「先生にお手伝い頼まれて、一緒に図書室で本の整理をしてたんだよね?」
あかり「う、うん・・・」
ちなつ「途中で抜け出したりとかはしてませんでしたよ」
ちなつ「今、私と一緒に部室に来たばっかりですし」
ちなつ「櫻子ちゃんを殺害するチャンスはなかったと思いますけど」
あかり「そうだよ、京子ちゃん!」
向日葵「あのですね、皆さんそもそも」
京子「うーん・・・」
京子「・・・そうか。わかったぞ!」
ちなつ「何がですか?」
京子「・・・ちなつちゃん。ちなつちゃんも共犯なんだ!」
ちなつ「・・・は?」
京子「これで説明がつく。さくっちゃんを部室で殺害、そして口裏を合わせアリバイ作りを・・・」
ちなつ「ちょ、ちょっと京子センパイ!」
あかり「あかり達、何もしてないよぉ!」
向日葵「・・・歳納先輩、お二人の言ってる事は本当ですわ」
向日葵「ごらく部に向かう途中で、行き会ったんですもの」
京子「・・・うーん、そうなると」
京子「ひまっちゃんが犯人だ!」
向日葵「何でですの!」
京子「ごらく部でさくっちゃんを手にかけたあと」
京子「偶然を装って二人と出会い、そして・・・」
向日葵「あの、私ごらく部の鍵を持ってませんわ」
京子「・・・へ?」
向日葵「鍵がないと、犯行は不可能なんですよね?」
京子「そうだっけ?」
ちなつ「さっき自分でそう言ってたじゃないですか」
推理の混迷は深まるばかりだな……
京子がクロだな
探偵が犯人というのはありきたりなパターン
京子「うーん、そうなると・・・」
ガラ
結衣「よーっす、遅くなった。あれ?古谷さん?」
京子「結衣が犯人だ!」
結衣「うお!?な、何だいきなり?」
あかり「ちょっと、京子ちゃん!」
あかり「いーかげんにしてよ!」
ちなつ「そうですよ、人をやたら犯人扱いして!」
結衣「一体、何の話だ?」
向日葵「実は、かくかくしかじかで・・・」
京子「・・・そうか、わかったぞ」
京子「全員、共犯だ!」
あかり「もーっ、京子ちゃん!」
ちなつ「何でですか!」
結衣「京子、あのなぁ」
向日葵「もうメチャクチャですわね・・・」
向日葵「あのですね、皆さん」
向日葵「だいたい、櫻子は・・・ほら起きなさい櫻子」
櫻子「う、うーん・・・」
全員「!?」
櫻子「ふぁぁ~、あー、よく寝た。・・・あれ?向日葵なんでここに?」
向日葵「何でここに、じゃありませんわよ」
あかり「え?あれ?さ、桜子ちゃん・・・?」
向日葵「そもそも櫻子は殺されてません」
向日葵「単に、うつ伏せで寝てただけですわ」
櫻子「そうそう、あかりちゃん待ってるうちに、・・・って殺されるって何のことさ!?」
あかり「・・・」
ちなつ「・・・」
結衣「・・・」
あかり「きょーうこちゃん・・・」
ちなつ「京子センパイ・・・」
結衣「京ー子・・・」
京子「い、いやー、アハハ・・・」
京子「最初から、そうじゃないかと思ってたよー」
あかり「もぉーっ!」
ちなつ「今までの推理は何だったんですか!」
結衣「全くお前は、ホンットーに・・・」
京子「あ、ま、待って!」
京子「そうだ、まだ解決してない謎が!」
ちなつ「何ですか」
京子「さくっちゃん、入口に鍵かかってたよね?」
京子「どうやって部室に入ったの?」
櫻子「え?」
櫻子「フツーに開いてましたよ?」
櫻子「なんで、中に入ってあかりちゃん待ってる内についウトウトして・・・ふあぁ」
京子「へ・・・?」
あかり「もしかして、最初から鍵開いてたの・・・?」
ちなつ「・・・まったく」
ちなつ「何が、鍵を持った人間にしか犯行は不可能ですか」
ちなつ「単に京子センパイが鍵かけ忘れてただけじゃありませんか」
京子「あ、あはは・・・」
京子「と、というわけで。ごらく部密室連続殺人事件は・・・」
京子「何とも、意外な結末で幕を閉じるのであった・・・」
櫻子「歳納センパイ、何かカッコイイ・・・!」
向日葵「密室でもないし連続でもないし、おまけに殺人事件でもないですわ」
あかり「・・・」
ちなつ「・・・」
結衣「・・・」
結衣「・・・そして」
京子「ん?」
結衣「それは新たなる事件、京子殺人事件の幕開けに過ぎなかったのだ・・・」ポキポキ
あかり「きょ・う・こ・ちゃん」
ちなつ「覚悟はいいですか・・・?」ジリ・・・
京子「い、いや待って、ホラあのさ!」
結衣「京子ーっ!」
あかり「もうっ、本当に!」
ちなつ「逃げるんじゃありません!」
京子「ま、待て!話せばわかる!話せば・・・」
ドタドタ・・・
櫻子「・・・」
向日葵「・・・」
櫻子「歳納先輩殺人事件…」
櫻子「次回、解決編へと続く!」
向日葵「続きませんわよ」
終わり
以上になります
読んでくれた方、コメントくれた方ありがとうございました
おつ
綺麗にまとまったな
まさか犯人が俺たちの心の中に浮かび上がった『罪』と言う名の幻想だったとはな……
深遠な結末だった
面白かった
乙乙
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