みほ「釣りガール、はじめます!」 (64)


沙織「ねぇねぇ、みんなは魚釣りってやったことある?」

優花里「釣りですか、以前は父とよく行っていましたねえ」

みほ「私も小さいころはお姉ちゃんとよく行ったなあ、川とか池とかだけど」

華「わたくしは金魚掬いくらいしかしたことがありません」

麻子「私もそんなものだな」

沙織「ふむふむ…半分も経験者が要ればなんとかなるかな?」

優花里「武部殿は釣りがお好きなんですか?」

沙織「んーん、やったことないよ?」

麻子「今度は何の影響を受けたんだ」



沙織「ほらこれ、今釣りガールってのが流行りなんだって!一緒に釣りして、釣れたお魚を一緒に料理して食べるなんて
素敵じゃない!?」

華「まぁ!アクティブで楽しそうですし、釣りたての新鮮なお魚も魅力的です!」

みほ「食べる前提なんだ…じゃあ海釣りだね。大洗なら釣りができる場所がたくさんありそう」

沙織「でしょー!?今度の週末は帰港だし、試合とかもないからみんなで行こうよ!」

優花里「そういうことなら、父におすすめの道具やポイントを聞いておきますね」

沙織「うん!自分でも調べてはいるんだけど、経験者の人の話があると助かるよ!お願いね!」

麻子「朝早そうなら私は遠慮しておく。帰る頃に呼んでくれ」

華「そうおっしゃらず、麻子さんも行きましょうよ。釣りを楽しめば早起きも楽しみになるかもしれませんよ?」

沙織「そうだよ麻子!せっかく遅刻取り消しになったのに、最近また登校ギリギリになってるじゃない!」

麻子「う…わかった。とりあえず今回は付き合おう」

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~~~秋山家


優花里「……と言うことなんだけど」

淳五郎「そうかぁ、友達と釣りかあ…優花里ぃ~よかったなぁ~!よし!父さんがばっちり大洗の釣りを伝授してやろう!
何を狙うんだ?クロダイか?今時の子ならスズキか?」

好子「お父さん、女の子だけでやるんだからあんまり張り切らなくてもいいわよ!帰港のときにするなら海釣り園でいいん
じゃない?」

優花里「ふむふむ…お金は要るけど安いし、近くにレンタルをやってるお店もある…と。場所はここでいいかな!私たちで
やるならなにが釣れそう?」

淳五郎「そうだなあ、みんなでやるなら簡単に釣れるサビキや投げ釣りがいいんじゃないか?いきなり大きいのを狙っても
釣れるまでに飽きちゃうかもしれないぞ」

優花里「なるほど。…今の時期ならアジやサバ、キスやイシモチ、手ごろでよさそうだね」

淳五郎「うん、しかも捌くのも楽でうまいしな。いいなあ、優花里、お父さんも行っちゃダメか?」

好子「お父さんはお店があるでしょ!優花里、お弁当作るから楽しんでおいで。熱中症に気を付けてね」

優花里「うん!ありがとう!」



みほ「……あ、優花里さんからメール。『場所は大洗海釣り園で7時から。料金が200円かかりますが売店やトイレ、水道が
あります。道具がない人はレンタルもあります。他に帽子、飲み物、軍手や使い古しのタオル、レジ袋や保冷バッグがあると
よいです。※飲み物は凍らせておくといいですよ!お昼は母がお弁当を作ってくれるそうです』」

みほ「さすが優花里さん、段取りがすごいなあ。たくさん釣れてご両親にもおすそわけできるといいな…」


※大洗海釣り園は2011年の震災以降休園が続いています。また、大洗港一帯は人気の釣りスポットですが南堤防など立ち入り
禁止区域もあります。

※今後このような形で補足を入れていきます。読み飛ばしていただいてもお話には影響ないです。

~~~当日


みほ「おはよう。優花里さんありがとうね!…ってすごい荷物だね…」

優花里「あはは…父も母も気合が入りすぎて、あれも持っていけこれも持っていけーって」

みほ「ほんとお世話になりっぱなしだなあ…あ、そっち持つよ。ほかのみんなはまだかな?」

優花里「ありがとうございます!さっき武部殿からメールが来て、麻子さんを起こすのに手間取ったので先に釣り場に
行っててほしいそうです」

みほ「そっかぁ、じゃあそうしよう。道具はお店で借りて、仕掛けやエサを買えばいいんだよね?」

優花里「はい、今日はあまり大きなものは狙いませんから、一番扱いやすいものでいいと思いますよ。私は父のを借り
てきました」


※はじめてのタックル(一般的に竿(ロッド)、リール、道糸(※リールに巻いてある糸。メインラインとも)の組み合わせをそう呼びます)

 個人的におすすめは釣り具屋さんやホームセンターで売っている2千円前後の「ちょい投げセット」です。2m70cm前後の振り出し
竿(伸び縮みさせて1/3、1/4程度に収納できるもの)と糸付きの中型リール、投げ釣り仕掛けがセットになっており、仕掛けを買い
足せばいろんな釣りに使用できます。

 または少し値段が上がって3千円ほどの「堤防サビキセット」などの名前で売られているものあります。こちらは3m~4m台の
長い竿がついており、長さの分だけ広い範囲に仕掛けを落とすことができる、長く柔らかい竿なので大小いろんな魚に対応できるな
どの利点があります。

 もちろん釣りたい魚種や方法が決まっているなら、初めからそれに特化したものを買ってもよいです。周囲に詳しい人がいないな
ら、釣り具専門店で店員さんに選んでもらうのがよいでしょう。他にはエギングロッド(イカを狙うルアーの餌木を扱うための竿。
小さい魚でも十分釣れるしなやかさとある程度大物の引きに耐える強度があります。一般的に2m半ほどの長さで2本に分割したもの
を連結して使うのものが一般的)などもお勧めです。少し高価になりますが、かなり汎用性のあるタックルです。

~~~大洗海釣り園

優花里「おとな2枚お願いします」

係員「はいはい、釣り方はなんでもいいけど、竿は一人2本までね」

優花里「了解しました。今日は何が釣れていますか?」

係員「そうだねー。見た感じアジが回ってきてるみたいだから、チャンスかもね。ルアーの人もさっきフッコを上げてたよ」

みほ「フッコ?」

優花里「スズキの若魚ですね。一般的に30~60cm程度のものをそう呼ぶみたいです」

係員「お嬢ちゃん詳しいねー。ここんとこ何の釣りでも好調だから、いっぱい釣っちゃって!」

優花里「はい!ありがとうございます!」



※有料の釣り施設

 全国各地に見られる整備された防波堤や港、桟橋で釣りが楽しめる施設です。料金や利用時間の仕組みは様々ですが、一般的
に足場が良くトイレや水道、売店など便利な設備がそろっています。釣り竿やライフジャケットを貸し出していたり漁礁が沈め
てあって釣果も出やすいところもあります。全く初めてだけれど釣りがしてみたい、と言う方にはオススメかもしれません。規
則がある場合もあるので受付の人に聞いてみましょう。

 他には淡水の川や池を利用したものなどもあります。こちらはさらに細かい規則(レギュレーション)が課されており使える
釣り具が限定される場合もあるので、釣行を計画する際に問い合わせてみましょう。

みほ「けっこう先のほうまで歩いてきたけど…先端のほうはおじさんたちがたくさん居るね。かなり本格的そう」

優花里「特に今回我々は団体ですし、後から割り込むのはいただけません。少し手前に入りましょうか。おはようございます!
お隣いいですか?」

おじさん「おはよう!ええよー。お嬢ちゃんたちいい日に来たねー、おっとまた来たねえ」

おじさん2「早くしないとおっちゃんたちがぜーんぶ釣っちゃうからねぇ」

みほ「わぁ!おっきなアジ!優花里さん、私たちもがんばろ!」

優花里「はい!まずは仕掛けをセットしましょうか。西住殿、竿の先についてるカバーを外してください」

みほ「外したよ。伸ばせばいいんだよね?」

優花里「それでもいいですが、先に糸を通しておくと楽ですよ。リールのベイル…糸を巻くところを起こしてから留めてある糸を
外して…そうそう、竿についてるわっか(ガイド)に順番に通してください」

みほ「通したよ、ってあれ?一つ飛ばしちゃってる…これでよし、と」

優花里「はい、ではこのスナップ(開閉して物を留められる金具)付きサルカン(自由に回転して仕掛けの撚りを防ぐ金具)を結
びましょう。基本的に釣り糸の結びは複数回巻きつけて摩擦で留めます。西住殿の使うリールには4号ナイロンが巻いてあります
から、ダブルクリンチノットがいいでしょう」

みほ「ええと…穴に二回通して…4回巻きつけて…2重になってるわっかに入れる…と、これでいい?」

優花里「はい、巻きつけたところを少し濡らして、支線側(わっかに入れた先端のほう)を押さえて、本線側(リール側)をゆっ
くり引っ張って締めこんでいきます。締まったときに巻きつけた糸がきれいな段になっていることが大切です」




※釣り糸(ライン)について

 釣り糸には主にナイロン、フロロカーボン、PEの3種類があります。初心者の方は道糸にナイロン3号~5号をお勧めします。
号(数)とは糸の太さのことで、強度はlb(ポンド)で表されることが多いです。ナイロンやフロロの1号はだいたい4lb、PEは
製造方式や値段で変わりますが12lbくらいです。1ポンドは約450gなので、6lbだと2,700g、17lbだと7,650gですね。

・各種釣り糸の特徴

ナイロン:柔らかい 伸びる 比重が軽い(漂う) 安価

フロロカーボン:硬いので摩擦に強い、絡みにくい 伸びにくい 比重が重い(沈む)ナイロンより高価

PE:ナイロン以上にしなやかで摩擦に弱い、絡みやすい ほぼ伸びない 比重がナイロンより軽い(浮く、風に弱い)フロロより
さらに高価 ※引っ張り強度がナイロンやフロロの数倍


 また、ナイロンは水を吸ったり紫外線で劣化しやすい、フロロは硬いので巻き癖が付かずリールになじみにくい、PEは扱いに慣
れていないと絡んで団子になりやすいなど弱点もあります。
 
 他にもPEラインは引っ張られる力には強いのですが摩擦、またほとんど伸びないため急なショックに弱く仕掛け(つまり掛かっ
た魚)に近い方に違う種類の糸をつぎ足す必要もあり(その糸をショックリーダー、略してリーダーと呼びます)とちょっと上級
者向けです。ただし主にルアー釣りに使われるものなので今回はあまり関係がないです。近頃はどの種類も(以前と比べれば)安
価で高性能なものが手に入れやすくなっていますので、使う道具や釣り方に合わせて選びましょう。

みほ「できた!余った糸は数ミリ残して切って…これで糸を出しながら竿も伸ばしていけば、わっかの中に糸が引っ込んじゃうこと
もないね」

優花里「はい、次は仕掛けをつなぎましょう。今回は市販のサビキ仕掛け、五本バリでおもり付きのプラカゴが付属したものをチョ
イスしました。仕掛けを巻いてある台紙に向きが書いてありますから参考にして下さい」

みほ「ええとこっちをつないで…引っぱり出せばいいんだね。わっ、すごい!袋に入ったままなのに全部出てきたよ!」

優花里「これすごいですよねえ。折り目がついているところは軽く指でしごいて癖を取ってあげてください」

みほ「まっすぐにできたよ。全部つけると結構長いね」

優花里「そうですね。あまりに竿に対して仕掛けが長いと扱いづらいので、使う道具や場所で仕掛けを選びましょう。では、ベール
を戻して糸の長さを調整したらいったん仕掛けを全部海の中に下ろしてください」

みほ「餌も何もつけてないけど…」

優花里「これはなんというか、おまじないですね。実際に使う前に海水に漬けておもりのテンションをかけてあげると仕掛けが水に
馴染んでライントラブルが減ります」

みほ「へぇ~」

優花里「…ような気がします」

みほ「あ、そうなの」

優花里「道糸もある程度出して水につけるといいような気がします。特にナイロン糸は巻き癖がついているので手元くらいの長さま
で水分を含ませてあげるとよいです。では、仕掛けを上げて餌の用意をしましょう。このサビキ仕掛けは針にビニールや魚の皮で疑
似餌がついているので、プラカゴに入れた撒き餌で魚を誘う仕組みです」

みほ「この小さいエビみたいなのだね。スプーンで掬って…これくらいでいい?」

優花里「はい、カゴの8割くらいでいいですよ。あまり詰め込むと餌が出にくくなります。これで準備は完了です!では実際に釣っ
てみましょう」

※アジのサビキ釣り


タックル:4~5mくらいで2~4号(竿の硬さを表す号数)磯竿、波止竿、または9ft(約2m70cm)前後のちょい投げ竿など、扱いや
すいものならなんでもよいです。リールはこれもなんでもよいですが、D社で2500番、S社で3000番程度の中型スピニングリールが扱い
やすくおすすめ。道糸にナイロン3号~5号程度が扱いやすいです。

仕掛け:市販のサビキ仕掛けは5,6本針が一般的で、太い幹糸に枝のように一定間隔で針を結んである細い糸(枝ス、ハリス)が付いて
います。小アジ用(S)、中アジ用(M)など表記があるので真夏なら中アジ用が数セットあると安心です。仕掛けの下におもり付き
のプラカゴをセットする方式のものが扱いやすいでしょう。

エサ:コマセという呼び方をすることが多いです。冷凍のアミエビ(小さなエビのようなプランクトンを塊にして冷凍したもの。通常
ブロック状に切り分けてして販売されます)をお好みの量で、パン粉や粉状の集魚剤をまぜてもよし。近頃は常温で販売されているパ
ックや、水を加えて使う嫌なにおいのしないものなどもあります。


釣り方:まずは仕掛けをそっと海面に降ろし、沈めていきます。アジは基本的に底のほうを回遊(エサを求めて群れで泳ぎまわる)し
ているので、いったん底まで沈めたら少し浮かして竿を上下させコマセをカゴから出します。そのままアタリを待ってもよいですが、
細かく動かして漂うコマセの中で疑似餌針をゆらゆら動かしてあげると誘いになります。

 アタリがあっても強く合わせる必要はありません。軽く竿を立てて、魚を落とさないようにゆっくり上げましょう。(アジやイワシ
は口が柔らかく魚の口のほうが切れて逃げてしまいやすいです)アタリがないようならコマセを補充したり、仕掛けを落とす深さ(タ
ナと呼びます)を変えて続けてみましょう。大人数で長く続けるほど回遊してきた魚の群れを引き留める効果があるので、根気よくト
ライです。アジのほかにもイワシやサバ、小鯛などいろんな魚が釣れる可能性があります!


みほ「底まで落としたら餌を出して…えいっ!ゆらゆら誘って…わわっ!なにか掛かってる!?」

優花里「おお、流石西住殿です!アジのようですね。このくらいのサイズが回っているなら今日は状況がいいみたいですね!」

みほ「よいしょっ…と。まずは一匹だね!こっちのバケツに入れておこう」

優花里「わわっ!これはアジの引きでは…サバですね!小ぶりですがいい引きです」

みほ「優花里さんよくそんな長い竿を扱えるね。すごく慣れてるみたい」

優花里「昔取った~というやつですかね。さぁさぁ、今のうちにどんどん釣っちゃいましょう!」

みほ「うん!わぁ、今度は2匹掛かってる!よぉし、頑張るぞ!」

~~~しばらくして


沙織「あー、居た居た。ごめんねー遅くなっちゃって」

麻子「……済まない…やはり私はここまでのようだ……」

華「ほらほら、せっかく頑張ってここまできたんですからみんなで楽しみましょう?」

みほ「麻子さん…あはは、みんなおはよう」

優花里「おはようございます!お先に始めさせていただいてますよ」

沙織「わー、もう釣れてるじゃん!華、麻子、こっちで一緒に準備しよ!」

優花里「大丈夫ですか?」

沙織「まっかせて!ちゃーんと予習してきたんだから!」

みほ「あれ、沙織さんみんなと違うの持ってるね?」

沙織「うん、エギング用?って言うの買ってみたの。釣り具屋のおじさんが糸も巻いて、なんか違う糸も結んでくれたの!」

華「わたくしたちはお店でお借りしたものです。みほさんと同じですね」

麻子「よせと言ったのに…どうせすぐ飽きる」

沙織「いいの!買っちゃったからには頑張るしかないでしょ!ほら、準備するよ!」



華「ええと…糸を通したら金具を結んで…竿を伸ばしたら仕掛けを…できました!あら?糸が巻けませんね…?」

沙織「あー…華ベールを起こさないで糸出しちゃったのね…これはやり直しかな」

華「まぁ、残念です」

麻子「この糸を巻いてあるやつを外せばいいんじゃないか?ほら、それでこっちを立てて戻せばいい」

沙織「あ、ホントだ。でもこれだとドラグの設定が変わっちゃわない?」

麻子「だいたい同じくらいに締めておいたから心配するな。それにそんな大きいのを狙う釣りじゃないだろ」

華「麻子さん、ありがとうございます」

麻子「いいんだ。さ、釣ろう」

沙織「むぅ~…なんか釈然としないケド…ま、いっか!」

※スプールとドラグ調整


 ベールを起こさずに糸を出してしまう…誰しも経験があるはず。糸を巻いてあるやつ(スプール)を外せば簡単ですがその際部品
を落とさないようにご注意を。ドラグとは糸に強い力がかかった際スプールを滑らせて糸が出る機能のことで、上に付いているノブ
の締め込み加減で糸が引き出される強さを調整することができます。

 一般的にはライン強度の2~3割程度の強さで糸が出るように調整するとされています。正確な調整の仕方は竿にセットした状態
で計りに結んで引っ張る、重り(水を入れたペットボトルが便利)を持ち上げるなどがあります。単に糸をリールのすぐそばで持ち
引っ張って糸が伸び始めるくらいとかそんなんでも特に問題ないです。きついと切れちゃいますけど緩い分には糸が出ていくだけな
ので掛かった魚の様子を見ながら少しずつ締めることもできます。

 掛かったあと走り回る魚とか潜ろうとする魚に対しては強い糸できつめに調整することもありますが、冷泉殿の言うようにここで
紹介している釣り方ではそこまで気にする必要はないと思います。ただしあまりに緩くしていると思いがけないタイミングで糸が出
ていき、指を切ってしまったりすることもあるので注意しましょう。



華「水の中でコマセがピンク色の煙のように広がって、その中で仕掛けがきらきらゆらゆらと…きれいですね。あら?これはお魚で
すか?」

沙織「こっちも来たよ!みぽりんたちが釣って群れを引き留めてくれてたんだね!…どうしたの華?」

華「あの…どんどん掛かっていて…これはどうしたら…?」

沙織「あわてないあわてない、仕掛けの一番上が水面に来るまでゆっくり巻いて、そっと持ち上げて!人が居ないほうに降ろしてね」

麻子「カゴを持って竿を置けば安全だ。穂先を海のほうに向けてな」

華「ああ、お魚が暴れまわって…ごめんなさいね、針を外しますからできれば大人しくしてもらえませんか…」オロオロ

沙織「竿を置いたら空いた手で仕掛けの上のほうを持って、カゴを置いて?そっちの手でハリスを伝って針を持って、針先を下に向け
て揺すれば外れるよ。ほら、こっちのバケツに落としてあげて」

麻子「複数掛かっているなら上から順番に外していけばいい。そうしないと魚が暴れたとき掛かっていない針が振り回されて危ない」

華「できました!これは…アジではないし、イワシとも少し違うような…?」

優花里「カタクチイワシですね、あまり食材としてお店で見かける魚ではありませんが、丸ごとから揚げなどにするとおいしいですよ」

沙織「小さいけど、なんだか愛嬌のある顔だね」

麻子「これくらいでいいんだこれくらいで、あまり欲張ると疲れる」

みほ「なんだか麻子さんが一番ベテランみたい…」



※もし針が自分や物に刺さってしまったら?

 釣り針には返しがついていて、それを越えて刺さってしまうと簡単には抜けません。浅いようなら返しとは反対方向に押し付ければ抜
けますが、無理に引き抜こうとすると傷口を大きく広げてしまいます。深く刺さってしまったり顔など危険な位置に刺さってしまったと
きはしかるべき医療機関にかかりましょう…

 服や帽子などの場合も無理に引き抜かず、返しとは反対に押し付けて傷口を少し広げたほうがよいです。その際繊維が引っかかってい
るときはためらわずハサミなどで切りましょう。無理に外そうとしてほつれを引っ張ってしまうと悲惨です。

本格的な格好のお兄さん「おはよう。今日は何が釣れてる?」

華「おはようごさいます。今しがたこちらが」

お兄さん「カタクチやね!みんな学校の友達?」

沙織「は、はい!そこに停まってる大洗女子学園です!」

お兄さん「そうなの、大洗ってええとこやね!ありがとうね、それじゃ頑張って!」

みほ「あ、どうも」

麻子「…なんだったんだあの人は。魚を見たかったのか?」


~~離れたところ


お兄さん「おはようございます。今回は茨城県大洗港に来ております。こちらの堤防は海釣り施設となっており、多くの釣り人で
賑わっていますね。いつものようにこちらの足場のいい釣り場から、いろんな魚をライトショアジギングで狙っていきたいと思います」

優花里「何かの撮影をしているようですね」

沙織「嘘!?やだぁもっとオシャレしてくればよかったー!」

麻子「心配するな。それを見る人が興味あるのは魚だ」

お兄さん「今の状況はベイト(餌となる魚)のカタクチイワシが多く入ってきてるみたいです。そこでまずはこの新色イワシカラーから、
シルバー系で狙ってみます」

お兄さん「特にナブラやザワついてるって感じでもないんですが、まずは表層からリトリーブでね。ちょっとトゥイッチ入れてやる感
じで…次は底まで沈めて…っとフォール中にアタりましたね。なんでしょ」

華「なにか釣れてるみたいですね…大きそうです」

優花里「ルアーはあまりやったことないですけど、あんなに簡単に釣れるものじゃないですよ!かなりベテランの人のようですね」

お兄さん「シーバス(スズキ)ですね。今日はけっこう活性がいいみたいですねー。この通りなんでも釣れちゃうのがL・S・J、ライト
ショアジギングの魅力です。今使ってるロッドは~」

みほ「すごい!あの人プロなのかな?…あれ、沙織さん?」

沙織「私もやってみようかなって…ううん、ダメよ。コマセが効いてるすぐそばでルアーを投げるなんてマナー違反だわ…!」フルフル

麻子「そうだな。私たちだけならいいが今日は人が多い。上手な人じゃないとトラブルの元になる」

優花里「回遊の状況が落ち着いたら投げ釣りをしてみましょうか?まずは軽いもので投げる練習をするといいですよ」

沙織「うん!」

※餌釣りとルアー釣り

 餌釣りの人が釣っている魚を狙っている魚を狙っているルアー釣りの人…釣り場ではよく起こる構図です。距離を置くなどの配慮がないと
投げるときに失敗して他の人と仕掛けが絡んだり、掛かった魚が走り回ったり…釣りたい気持ちはみんな同じです。同じ海で遊ぶ仲間同士、
譲り合いの気持ちを持ちましょう。

 中には気難しい人もいるかもしれませんが、基本釣り人は話好きです。釣り場に来たら挨拶をしてみたり、質問をしてみると思わぬ情報を
聞かせてもらえることもあります。



~~しばらくして


みほ「ふぅ、けっこうたくさん釣れたね!コマセもほとんど無くなっちゃった」

沙織「こっちもだよ~初めてでこれだけ釣れれば上出来なんじゃない?」

麻子「秋山さんに感謝だな」

優花里「いえいえ、私は父の受け売りですから…タイミングがよかったんでしょう」

華「魚釣りってもっとのんびりしたものかと思っていましたわ…アクティブというよりアグレッシブでしたね」

優花里「ふふふ、ではもっと攻撃的に行ってみましょうか!今度は「ちょい投げ」をやってみましょう」

沙織「待ってました!…あれ、ちょいなの?」

優花里「はい、ちょいっと投げるからちょい投げです。水温が高い時期は魚も浅いところで活発に餌を採るので、それで十分釣れるんですよ」

麻子「そうなのか、それは楽でありがたい」

みほ「はい優花里さん、使う仕掛けはこれでしょ?で餌がこっちね。さっき釣れた魚はクーラーに入れておくね」

優花里「お願いします!ではさっきのサビキ仕掛けは海水でカゴに残ったコマセを洗って…地面にこぼれたコマセも乾かないうちに流しておき
ましょう」ザバー

沙織「乾いたら水で流しただけじゃ落ちないもんね」ザバー

麻子「使った仕掛けはもとの台紙に巻き付けて袋に戻しておくといい。帰ってから真水で洗えばまた使える」

華「切れたり絡んでしまったものはこっちのゴミ袋に入れておきますね」

優花里「はい、ではこちらが投げ釣りの仕掛けです。テンビンと呼ばれるおもりのついた金具の下に仕掛けをセットします。今回は扱いやすい
2本針のものを用意しました。エサはこちらのゴカイ君です」ウネウネ

麻子「…イキがいいな」

華「お魚さんはこういうものを食べているんですねえ」

沙織「うっ…私はこっちを買ってきたの。これでも釣れるんでしょ?」

優花里「ああはい、合成エサですね。生き餌と比べればちょっとコツが必要ですが、武部殿のタックルなら感度がいいので問題ないでしょう」

※ちょい投げ釣り


タックル:市販のチョイ投げセット、波止竿、または投げ釣り専用竿など、長いほうが有利ではありますがそれほど遠投する必要はないので振
りかぶるのに扱いやすい竿で、磯竿のように細く柔らかすぎるもの以外ではなんでもオッケー。リールも扱いやすい中型スピニングリールにナ
イロン3~5号程度が扱いやすいです。サビキ釣りのものと兼用で問題ないです。(※磯竿以外で、できないこともないでしょうが…)

 武部殿のようにルアーのタックルを使ってもよいです。ルアーでの釣果が思わしくないとき、荷物に投げ釣り仕掛けを忍ばせておくと気分転
換になりますよ!


 仕掛けの前にちょこっと大事な話をします。釣り竿には適合オモリ負荷という性能が設定されています。要するに竿の硬さを表すもので、その
範囲のオモリを使う分には安全に使用できるということです。仕掛けを投げる際には竿の持つ弾力を利用しますので、瞬間的に大きな力がかかり、
あまりに重いものを使うと竿が折れてしまうこともあります。また、適合負荷よりあまりに軽いものを使用しても仕掛けを飛ばしづらいし、アタ
リがわかりづらくなってしまいます。

 適合負荷は大体パッケージや竿のリールを着ける付近に書いてありますので、仕掛けを選ぶときはその範囲内で選びましょう。もし書いていな
かったり消えてしまっている、パッケージを捨ててしまった時などは、品名でネット検索をかければ出てくることが多いです。



※釣り竿の性能諸元


 釣り竿の性能はいろんな数値で表されます。それらは要するにどのように使えば安全に使え、その性能を活かせるかを解説するものなので竿
を購入して使用したり、仕掛けを買い足す前に確認しておいたほうがいいでしょう。


(竿の大事な性能一覧)

全長:竿の穂先から竿尻(持つところの一番下)までの長さ。一般的に短ければ扱いやすく、長ければ仕掛けの飛距離が出やすい、また魚の引
きに対して強くなります。

継数:釣り竿は振り出し竿にしても継ぎ足して使う竿(継ぎ竿)にしても何本かに分かれています。継数が少なければ丈夫になり、多ければコ
ンパクトに収納できます。

仕舞寸法:振り出し竿を縮めたとき、または継ぎ竿を分解したときの長さです。要するに持ち運ぶときの長さで、竿をケースに入れて持ち運ぶ
ならこの長さ以上のものが収納できるものを選びましょう。

適合負荷:オモリ号数とかルアーウェイトなんて書かれ方をします。基本的に餌釣り用は号数、ルアー用はgで表されます。正直なところ上限は
あまりアテにならないので、6割くらいの重さまでが快適に使える重量だと思ってください。これは重いほうが強い魚の引きに対応する力があ
る、ということでもあります。

適合ライン:使用に適したラインの強さです。餌釣り用は号数、ルアー用はlbで表されます。これを超えるとどうなるかと言うと、極端な話強
い力がかかったとき、糸が切れる前に竿が折れたりガイドが飛んだりして壊れてしまいます。こちらの上限は結構信用できますが、PEラインの
ように細くて強い糸の場合ガイドに食い込んでしまうことがあるので、対応したガイドを装備したものを選びましょう。



※号数

 太さや大きさ、重さを表す単位で、ラインの場合は太さ、針やスナップなどの金具の場合は大きさ、オモリの場合は重さです。例えば竿の適合
オモリ号数で6~12号と書かれていれば、その範囲のオモリを使った仕掛けを使ってくださいと言うことです。1号のオモリは4g弱ですので
、仮に適合ルアーウェイトが7g~32gのルアーロッドで投げ釣りをしたい、となると8号以上のオモリは使わないほうが無難です。

仕掛け:それでは仕掛けの紹介です。投げ釣りは仕掛けを沈め、海底を引き擦るように寄せて魚の居場所を探るのでオモリを上にセットします。
一般的に使われるのがテンビンと呼ばれるもので、重りと針金で作られています。上に道糸を、下に仕掛けのスナップを繋げば準備完了です。

 投げ釣りに使われるテンビンにもいくつか種類があり、重りに羽付きのプラスチックカバーを被せてジャイロ効果を打ち消し直進性を高めると
ともに塑性流動の効果を最大限に…ではなく巻きあげたときに水の抵抗で仕掛けが浮き上がりやすいジェットテンビンや、仕掛け側になる金具の
穴が大きく、魚が掛かったときに重りが一緒に引っ張られないためアタリがダイレクトに伝わる昔ながらの遊動テンビン、オモリに発砲素材を被
せ、海底で自立するため仕掛けが浮いて漂うフロートテンビンなどが有名どころです。ちょい投げで扱いやすく安価なのはジェットテンビンかと
思われます。

 次は仕掛けです。市販のものでオススメなのは仕掛けの全長が短く扱いやすい2本バリのもの。上手な人はたくさん針が付いた仕掛けで一気に
たくさん釣ったりもしますが、まずは少ない針のもので慣れていきましょう。

 使う竿にもよりますがテンビンのオモリは6~8号、仕掛けの針は7~9号くらいがおすすめ。釣り場の深さや釣れている魚のサイズで変えて
みましょう。この号数なら1パックに2,3個入ってますので1パックずつ、あるいは仕掛けをもう1パック追加すると安心です。


エサ:主にゴカイと呼ばれる虫エサを使います。ゴカイは生きていて針に付けるのが大変ですが、がんばりましょう。一度針先を刺して、エサの
ほうを針の根元に向かって動かしていくとするすると入っていきます、ある程度針が入ったら針先を出します。このときできるだけゴカイがまっ
すぐになるようにしましょう。そのまま一つの針に一匹丸ごとつけてもよいですが、たいてい小さい魚に食い散らかされるので針から1cmくらい
の位置でカットしましょう。柔らかいので爪でもちぎれます。

 武部殿のように虫エサが苦手な人は、合成エサを使ってもよいです。これらは自然に分解されやすく柔らかいプラスチック素材などを集魚効果
のある成分が豊富な液体に漬け込んだもので、本物そっくりに成形しており太さや色も選べます。そんなので釣れるの?とお思いかもしれません
がなかなかどうして侮れないものです。実際に魚が食べられるわけじゃありませんから(フグとか食べるやつもいますけど)アワセがシビアにな
りますが、魚の食いがいいときはエサが取られにくいなど利点もあります。基本的に置いておくよりは動かして誘ってあげると釣果が得やすいよ
うです。

投げ方:まずはここから。リールを巻いて仕掛けを上げ、テンビンが穂先から50cmくらいの位置に来るように調整しましょう。あまりに下だと投
げづらいですし、上すぎると投げるのを失敗したときに穂先が折れやすいです。周囲、特に後方の安全を確認したら竿を握っている手の人差し指
を道糸にかけ、リールのベイルを起こし、そのまま動かなくなるまで右に回します。これをやっておかないと竿を振った拍子にベイルが戻ってし
まうことがあります。(投げようとしてベイルが戻ると…目の前の地面に叩きつけられるか、途中で切れて仕掛けだけ飛んで行ってしまいます)

 次に指を動かしてみて仕掛けがその動きに追従するかを確認します。糸がガイドに絡んでいたり、指に掛けたテンションが抜けているとうまく
いきません。確認できたら指に掛かるテンションを保ったまま竿を体ごと後ろに回して構えます。このように投げる方向に対して半身になると体
全体の力を使って楽に投げられます。リールを持っているのと反対の手を竿尻に添え、肘を投げる方向に向かって突き出すと自然に投げる構えに
なるかと思います。

 では投げましょう。もう一度後方の安全を確認したら、竿先が頭上で弧を描くようにリール側の腕を押し出し、竿尻側の手を体にひきつけます。
竿が頭上を越えたあたりで糸に掛けた指を離します。離したら竿先を投げた方向に向け、仕掛けが着水するまで保持しましょう。着水したら空い
ている手をスプールに添え、糸の出ていく加減を調整してあげるとよいです。



※右投げ右巻き?右投げ左巻き?


 スピニングリールのハンドルはネジ状のキャップを外して左右を付け替えることができます。右利きの人なら大抵は左手で竿を持ち、右手でリ
ールを巻くのがやりやすいかと思いますが、かと言って利き手と逆の腕で竿を持って投げる、というのも難しいと思います。

 ではどうするか?投げるときは右手で竿を持ち、投げ終わったら竿を左手に持ち替えて右手でリールが巻けるように構えればよいのです。近年
釣りのうまい人、特にルアー釣りをする人の間ではこの持ち替えが時間のロスであったり、ロッド操作を重視するためには利き腕でやったほうが
いい、との考えが広まっていて右手で竿を持ったままリールは左手で巻く人も多いです。ですがまぁ自分のやりやすいほうでいいでしょう。

 
 
 
 出ていく糸が止まったり、トン、と手ごたえがあるのが着底の合図です。着底したら糸に指を添えテンションをかけながら余分に出た糸を巻き、

仕掛けまで糸を一直線にします。この段階では海底でオモリと仕掛けがごちゃごちゃになっていたり、オモリよりも仕掛けが手前にあったりする
状態です。そこでもう少しリールを巻いたり、竿先を動かしてオモリを手前に引き寄せてあげます。この際オモリの重さを手に感じることができ
ると思いますが、もし軽いままならもう少し巻いて糸のたるみ(糸フケ、ラインスラッグ)を取りましょう。

 いつまでたっても出ていく糸が止まらない…と言う場合は思ったより水深が深かったり、風や潮の流れでラインが流されている、あるいは仕掛
けが軽すぎて流されているということです。おかしいな?と思ったらいったん糸のたるみをとり、糸を張った状態で待ちましょう。重い感触があ
るならまだ仕掛けが沈んでいる途中ですので、しばらく待っているとトン、と着底の感触があります。重くないならすでに着底しているので前述
の通り仕掛けを一直線にしてあげましょう。

 このへんはどうにも文章では伝えづらいので、動画サイトなどで上手な人のやりかたを見てみるといいです。オススメはYoutubeで釣り具メー
カーが配信しているもの。特にS社の「初心者釣り教室」というタイトルで公開しているものは、有名プロが驚くほど丁寧に解説しており、紹介
している釣り方も多彩なので、このSSの存在意義が危ぶまれます。

釣り方:投げ終わって仕掛けを一直線に伸ばしてあげたら、これでもう釣れる状態です。このままアタリを待ってもよいですし、魚の居場所を探
るためにリールをゆっくり巻いたり竿先を横に動かして海底を引き摺るように手前に寄せてきてもいいです。アタリがあっても強く合わせる必要
はありません、止めていたならそっと竿を立て、動かしている最中ならそのままリールを巻き続けたり、竿を動かし続けましょう。魚の引きが手
元に伝わり続けるなら魚が掛かっています。竿を立て、仕掛けを浮かせるようにリールを巻いて寄せていきましょう。

 魚は身を隠しやすい地形の変化のある地点を好むので、仕掛けを動かして重くなるような場所があったらそこで止めてアタリを待ってみましょ
う。この釣りではだいたい居ればすぐ食ってくるのであまり難しく考える必要はないのですが。

 対象魚は主にシロギス、メゴチなど底に生息する魚ですが、若い鯛やカレイなど思わぬ大物が釣れる場合もありますのでお楽しみに。虫エサ以
外にもオキアミ(大きめのアミエビ。主に釣り針に刺して使うので、コマセに使うアミコマセと対比して刺しアミとも)などを使ってみると違う
魚が釣れたりして楽しいですよ。その際は餌が針から外れやすいので投げ加減を調整してあげましょう。

 このちょい投げはラインの特性による違いを強く感じられる釣りでもあります。武部殿のように伸びにくく、強度が高いので細い糸が使えるPE
ラインを巻いたタックルでこの釣りをすると、他のみなさんのようにナイロンラインを使っている場合より明らかに海底の様子や魚のアタリを感
じ取ることができますし、軽い力でより遠くへ投げることができます。とは言ってもあまり遠投する必要もないですし、ほどよく伸びるナイロン
ラインのほうが魚が食いついたとき針がかりしやすいので一概にいい悪いということはありません。


優花里「ではみなさん少しずつ距離を取りましょうか。特に力を入れる必要はありませんので、真正面に向かって投げましょう」

みほ「よいしょっ…と。ほんとだ、オモリの重さだけで結構飛んでくね」

華「あらっ?飛ばしたというよりは水面に一直線に…これは人に当たってしまったら大変なことになりますね」

麻子「砲手だからなのか…?間接射撃でいいんだと言えばわかってもらえるだろうか」

華「なるほど…愛里寿さんにカールの照準方法を教えてもらいましょう」

沙織「いや、聞かなくていいから!ていうか7.5cmで満足して!」

みほ「あっ、今アタったみたい!うーん、エサを取られちゃうから動かし続けたほうがいいのかな」

優花里「そうですね…おっと小さいですが何か掛かったようです。…放流鯛のようですね」

麻子「こっちもだな。小さいし逃がしてやろう」



※放流魚

 各地の自治体や漁協では資源保護のため、釣り人に対して特定の魚種のリリース(逃がしてやること)をお願いしていることが多いです。
特に鯛や鮃は稚魚の放流を行っていることが多く、規定のサイズ以下のものは逃がしてあげましょう。漁港が近くにある釣り場には看板が立
っていることがあるので、見かけたらよく読んでみてください。例としてはマダイは15cm以下、ヒラメは25cm以下などです。

華「あらっ、なかなか力が強いです…これはフグですか?」

みほ「こっちは…なんだろうこのとげとげしい魚は」

優花里「あぁっ!お二人とも直接触ってはいけません!毒があるので手袋をしてプライヤーを使いましょう」

麻子「フグは食べなければいいんじゃないのか?」

優花里「大丈夫だとは思いますが、皮に毒がある種類もいますし、触らないことにこしたことはありません。歯も鋭いですし…こっちのハオコ
ゼは刺されるととても痛いです」



※危険な生き物たち


 海釣りでは毒のある魚や、毒はなくてもヒレやトゲ、歯が鋭く危険な魚もいます。そういった魚が釣れた場合は手袋やプライヤーで針を外し
たり、無理そうなら仕掛けの糸を切りましょう。外した後地面に放置している人も居ますが、悪臭のもとになったり人が踏んで危ないので、で
きれば人の居ないところで海に戻してやりましょう。


・毒のある生き物の例


(トゲに毒のあるもの)

ハオコゼ:背びれに長く伸びた毒のあるとげがあるのが特徴。オレンジ色をしているのですぐわかります

ゴンズイ:ナマズのような形で黒と黄色の縦縞のある魚。口の周りや背びれに毒があり強く痛みます

アイゴ:トゲトゲした背びれが特徴。クロダイ釣りの外道(狙っている種類ではない魚)でよく釣れるようです

アカエイ:しっぽの付け根に大きなとげがあります。靴を貫通してくるほど強く、しかも返しがついていて刺さると抜けません。無理に釣りあげ
ようとしないほうがいいでしょう。

ガンガゼ:黒紫のウニ。よく海底の岩などにくっついているので釣りあげてしまうことも。長いトゲは刺さると折れて体内に残ってしまいます

クラゲ類:触手に毒のある細かいとげがありやけどのように水ぶくれになるなど。中にはとても強力な毒を持った種類も居るので、どの種類でも
触らないのが無難


※刺されてしまったら?

 毒の中には熱で分解されるものもあり、やけどしない程度のお湯につけていると痛みが緩和されるものもありますが、あくまで応急処置です。
もちろんそんなの効かない、っていうか命にかかわる毒を持ったものもいるので無理せず医療機関にかかりましょう…

(食べると危険なもの)

クサフグ:言わずと知れた毒魚。本編の通り触るのもやめたほうがいいです。粘液が手に付いたら手をよく洗いましょう

ソウシハギ:近年海水温の上昇で本土でも見られるようになった南洋系の魚。青い斑点が特徴

ヒョウモンダコ:同上。噛まれるのも危険


※食べてしまったら?

 食べないでください



・毒はないがヒレや歯が危険な生き物の例


(一般的な釣りの対象魚)

クロダイ:近年ルアーターゲットとしても人気のある魚。ヒレやエラブタが鋭く手を切る恐れあり、また甲殻類や貝をかみ砕いて食べるほど
アゴの力が強く、間違っても口に指を入れてはいけません。マダイも同様でさらに鋭い歯を持っています

スズキ:鋭い歯はないので口に手を入れるいわゆる「バス持ち」をしている人も多いですが、ピンと立った背びれや「エラ洗い」と呼ばれる
挙動で掛かった糸を切ってしまうほど鋭いエラブタに注意が必要

タコ:手で持とうとすると絡みついてくる習性があり、あらゆるエサをかみ砕いて食べる歯を持っています

マゴチ:背びれやエラブタに大きなとげがあります

メゴチ(ネズミゴチ):マゴチに比べればかわいらしいものですがエラブタにトゲがあります

カサゴ:背びれやエラブタが硬く鋭いです

ヒラメ:大きな口の中には鋭い歯がびっしり、針を外すときには注意しましょう

サゴシ(サワラの若魚):こちらも歯が鋭い。釣りあげられると激しく暴れます

カマス:あまり大きくはならないので他と比べれば安全ですが、やっぱり鋭い歯に注意を


(通常釣りの対象ではないが釣れてしまうもの)※かなり大型になるもの


ダツ:鋭い歯の生えた嘴のような口が特徴。光るものにとびかかる習性があり、夜間ヘッドライトの光に向かってくることもあるとか

シュモクザメ:いわゆるハンマーヘッドシャーク。これに限らず海水温の上昇で全国的にサメの数が増えているようです。中には大人しい性格
でしかも食べておいしい種類のサメも居ますが、釣りあげたら不用意に触らないほうがいいでしょう

みほ「海には危険な生き物もいるんだね…ありがとう優花里さん」

華「ありがとうございました。今度から気を付けますね」

優花里「いえいえ、…っと!ようやく本命が来ましたよ。シロギスです!」

麻子「こっちはメゴチだが…これもおいしい魚だな」

みほ「わわっ、こっちもキスだね。小さいのに力が強いんだなあ」

華「本当ですね。けれどパールホワイトの魚体が美しいですね…」

沙織「うぅ~アタリはあるのに掛かってくれないぃ~麻子ぉ、私にもエサ着けてくれない?」

麻子「仕方ないな。…私だっていつでもいるわけじゃないんだぞ」

沙織「えへへ、今度は夜行こうか?」

麻子「…そういう問題じゃない」

優花里(そういう手がありましたか…いえいえ、今日はみなさんに楽しんでもらうのが最優先事項であります!そのためには努力は惜しみません!)

みほ(優花里さん、なんだか真剣だなぁ…楽しそうでよかった)

華(…ラブコメ臭がしますね)




沙織「なんとか何匹かは釣れたけど…あまり釣れなくなったね」

麻子「それに暑い…」

優花里「少し休憩にしましょうか?少し早いですがお昼ご飯にしてもいいですし」

華「そうですね…それなら飲み物などを買ってきましょうか、わたくし持ってきた分は飲んでしまいましたので」

みほ「あっ私も行くよ、手も洗いたいし」

沙織「あ、私もー。ちょっと麻子を涼しいところに連れて行ってくる」

麻子「それならアイス食べたい!」

沙織「…元気じゃない…はいはい、ご飯の後でね」

優花里「では釣れた魚はクーラーにしまっていきましょう」

元気なお姉さん「あっ、女の子もいるじゃん!朝からやってるの?どうだった?釣れた?」

沙織「はい!アジとかイワシとか、あとキスとか!」

ハット帽のお兄さん「おっ、いいねぇ~。エサはアミとかゴカイ?」

みほ「はい、アミは使い終わっちゃったのでさっきまではゴカイでやってました」

お姉さん「すごーい!あたしゴカイ触れないんだよね~」

お兄さん「感心してる場合じゃないだろ!番組この子達に代わってもらおうか?」

お姉さん「あっひどっ!聞きました!?ハンターが女子高生をナンパしてますよ!」

どこからか聞こえる声『あらあら…これは大変!虫エサが苦手でも釣りができる、ってところを見せなくちゃいけません!』

麻子「!?」キョロキョロ

優花里「また何かの撮影ですか。こんなに人気のある釣り場だとは…」

華「あら?それはさっき沙織さんが使っていた…」

お姉さん「あっ、そうなの!?ありがとね~このおっさんにゴカイに頼らなくても釣れるところを見せつけてやろうね!」

お兄さん「言ったからな!覚えとけよ!」

沙織「あは…あははははは…」

~~戻ってきて


沙織「うーん、やっぱりこういうところだと何かと便利だねぇ。さっすがゆかりん!」

優花里「いやぁ、母が提案してくれただけで、私は何も…はいどうぞ、お弁当です」

みほ「ありがとう、いただきます」

華「ありがとうございます。ひんやりしていて気持ちがいいですね…」

沙織「ありがとっ!私もサンドイッチ作ってきたからみんなでつまんでねー」

麻子「ありがとう…海苔巻きか。これなら冷たくてもおいしいな…お母さんによろしく伝えておいてくれ」

みほ「あはは、この並べ方、履帯と転輪みたい!」

華「こちらは砲弾のように装飾がしてありますね…楽しくて、とてもおいしいです!」

沙織「一つ一つ保冷剤が包んであって、しかも大きさの違うタッパーで食べた後はまとめられる…さすが現役のお母さんは格が違う…!」

優花里(お母さんったら気合入れすぎだよぅ…おかずで戦車作って白旗立ってるし、紅白なますは爆発みたいだし…ありがとう…)

みほ「本当においしい…よぉし、頑張って釣るぞ!…ってあれ?優花里さんの竿、仕掛けが入ってるみたいだけどいいの?」

優花里「あ、ちょっと試してみたいことがあって…さっき釣れたキスで一番小さいのをバケツに残しておいたんです」

麻子「それを泳がせてるのか。ちょっと私たちがやるには上級者向けだな」

華「今朝の人のように、私たちが釣っている魚を食べてしまうような大きな魚を狙っているんですか?」

優花里「実はそうなんです。釣れるかはわかりませんし、変なものを釣ってしまっても困るのでまずは私が試してみようかと」

沙織「へぇ~なんだか夢があるじゃない!?」

※泳がせ釣り、ぶっこみ釣り


 大きな魚を釣る方法はなにも本格的な道具やルアーを使ったものばかりではありません。西住殿たちが使っているタックルでも意外にパワ
ーがあり、ドラグ機能を活かせば大物にも十分対応できます。生き餌を使った釣りは浮きを使って上の層を泳がせたり、底へ沈めて(ぶっこ
んで)底を狙うものがあります。今回は必要な道具の少ないぶっこみ仕掛けを紹介しましょう。

 
タックル:本格的に大物を狙いだすと際限がありませんので、今回はサビキやちょい投げで使っていたものをそのまま使用しましょう


仕掛け:これまたいろいろありますが、ここではちょい投げ釣りに使っていたテンビンにそのまま仕掛けを付け替えていきます。流石にアジ
やキスを釣っていた仕掛けではハリスの強度や針の大きさに不安がありますので、狙う魚種に対応できる仕掛けを用意しましょう。市販の泳
がせ(呑ませと表記してある場合もあります)仕掛けを使ってもいいですし、単純なものなので自分で作ってみるのも楽しいですよ!

 
エサ:釣り場で釣れて生きているものが一番いい(それがベイトとなっている可能性が高いため)ですが、死んでしまったものやスーパーで
買ってきたもの、切り身になっているものでも十分釣れます。基本口に掛けますが、アジなどは背中にかけてあげたり、針が二本付いている
仕掛けは一本(親針)を口に、もう一本(孫針)をお腹に掛けてあげると掛かりがよくなります。切り身の場合は使いやすい大きさに切って
から針に着けます。針先を数回通して(縫い刺しといいます)あげるとしっかり刺せます。

 生き餌を針に掛ける場合にはできるだけそのまま素手では触らず、バケツの水で手を濡らしたり手袋をして持ってあげるとよいです。(人
間の体温は変温動物である魚にとっては高すぎるため、弱ってしまいます)針を掛ける際にも外れない程度にできるだけ浅めに掛けましょう。

 掛けている間に生き餌がぐったりしてしまった?死んでしまったのかな…?そんなときは一度バケツの水に戻してみましょう。しばらく置
いてみると、また再び元気に泳ぎ出すことが多いです。ご存知の通り魚はエラ呼吸をする生き物なので、水から出すとその間苦しんで弱って
しまいます。なので投げてさらに大きな負担をかけてしまう前に、息継ぎをして一休みさせると仕掛けを投入してからも長生きします。もち
ろん初めから死んでしまっている餌には遠慮はいりません。がっちりと針をかけて投げ込んでも外れないようにしましょう。

釣り方:準備ができたら仕掛けを投げ込みます。それほど遠くに投げる必要はありませんから、餌が外れないよう加減してそっと投げます。
他の釣りほど繊細な仕掛けではありませんから、投げっぱなしでもいいですが、一応着底を確認して引き摺ってみて、根がかりしていないか
確認するとよいでしょう。あとは竿を置いてアタリを待つだけ!とは言えじっと竿を見ているのは疲れますから、竿先に取り付ける鈴をつけ
たり、ドラグを緩めて糸が出ていくようにしてあげるとよいです。(魚が食いつくと糸が出ていきジーッと音がします)思いがけない大物が
掛かると竿ごと持っていかれることもあり得ますから、目を離すときはドラグを緩めておきましょう。

 竿を置くときには専用の竿立てがあると便利ですが、クーラーボックスなどの荷物やフェンスに立てかけて置いたり、砂浜なら拾った竹や
流木を地面に刺して立てかけておいてもよいです。何にしても直接竿を地面に寝かせておくのは避けたほうが賢明です。竿の能力が完全に死
んでしまうのでアタリがわかりにくいですし、竿やリールを傷つけたり糸が擦れて切れやすくなってしまいます。

 アタリがあっても慌ててはいけません。特に生き餌の場合は魚がまず一噛みして、まだしっかりと口にくわえていない状態です。なのでド
ラグがずっと出ていったり、竿が大きく引き込まれるようになるまで待ちましょう。(竿に魚の重みが乗ってから~という表現をすることが
多いです)そのような状態になったら、ドラグを緩めていた場合はある程度締めてから竿を強くグイッと立ててアワセを入れましょう。
 
 と言ってもアタリは魚種やその個体の食い気によって様々です。一気にひったくっていくようならすぐさまアワセますが、持って行かずに
その場で食べ始めてしまうやつもいます。そういうときは軽く引っ張ってみる(聞きアワセといいます)と、魚の重みを感じたり餌を逃すま
いと強く引き始めることもあります。一度餌を発見した魚は再び同じものを投入すればまた食ってくることが多いので、怪しいと思ったら恐
れずにアワセを入れていきましょう。


 竿が強く引かれ魚の重みを感じられるようならアワセに成功しています!大物の引きは想像以上に強く、なかなか寄せてこられない場合も
あります。巻けずにドラグが引き出されるようなら無理には巻かず、魚の抵抗が弱まるまで竿を立てたまま耐えましょう。引きが弱まったら
こちらのターンです。竿の弾力を使って引き寄せ、魚が近づいた分だけ糸を巻き取ります。再び魚が強く引くようならまた耐え、頃合いを見
て再びリールを巻き取ります。こうしたやり取りの最中には糸を緩めずテンションを保ち続けることが大切です!

 アタリを待っているときにドラグを緩めていた場合、やりとり中に竿にそれほど重みを感じないのにもかかわらず糸が出て行ってしまうこ
とがあります。その際あまりにもドラグが引き出されるようなら、様子を見て少しだけ締めましょう。

 魚が足元まで寄ってきたら無理に引き上げようとせず、玉網(タモ)を使って掬い上げましょう。タモ入れのコツは無理にタモを動かして
掬うのではなく、針が掛かっている口元を水面で構えたタモへ誘導してあげることです。一人で行うことが難しいなら、一緒に来ている人や
周囲の人に助けを求めましょう。たいていの人は喜んで協力してくれるはずです。

 魚がタモに収まったら、釣り竿のように上へ持ち上げるのではなく、足元まで寄せて垂直に近い角度で上げるようにしましょう。何節かに
分かれているタモ柄ならば、伸ばした節を収納するように引き上げます。(そうしないと柄が折れたり、網の枠が壊れてしまうことがあります)


みほ「あれ?なんだか竿が引っ張られているような…」

優花里「本当ですね…いえ、これは根がかりっぽいです。一度上げてみましょう」グイグイ



※根がかり

 根(海中の岩や海藻など)に仕掛けが引っかかってしまうことを根がかりと言います。軽く竿を揺さぶって(煽って)引っ張ったり、立ち
位置を変えて違う角度から引っ張ると外れる場合もありますが、それでも外れない場合は糸を切るしかありません。と言ってもそのまま強く
引っ張ってしまうと竿が折れてしまうこともあるので、糸と竿を一直線にしてそのまま後ろへ下がるようにして引っ張りましょう。もしドラ
グが出てうまくいかないときは締めてやります。(回収した後再び緩めるのを忘れないように!)
 あるいはベールを起こして糸を自由にしてやり、手袋やタオルを手に巻いて糸を持って引っ張ってもよいです。すぐ目の前で根がかりして
いて、あまりに勢いよく糸を切ると残った仕掛けが自分めがけて飛んでくるなんてこともあり得ますので、じわりと力をかけていきましょう。

 道糸や仕掛けの幹糸よりもハリスを細くするのは、できるだけ魚に違和感を与えないためですが、こういったときにハリスが切れるだけで
済ませるためでもあります。新しいハリスに付け替えるだけですぐ釣りに復帰できますし、海中に残るゴミも少なくなります。仕掛けを選ぶ
時や自分で作るときには参考にしてください。



優花里「あれ?重たいですが動きますね…何か海藻やゴミを拾っているのでしょうか…っ!?」ジジジジジーッ

沙織「なになにっ!?」

麻子「何か掛かっていたのか」

華「まぁ!」

優花里「これは…一体!?…くっ!」

麻子「すごい引きだな」

みほ「…ばれ」

華「はい?」

みほ「優花里さんがんばれー!」

沙織「わっ」

華「優花里さん、がんばって」

沙織「ファイトー」

麻子「がんばれ秋山さん」

優花里「…あの、わりと恥ずかしいんでやめてもらっていいでしょうか」

みほ「あっ、ごめん。つい…」

優花里「それにしてもなかなか上がってきませんね…嫌な予感がしてきました」

沙織「そういえばさっき変なの釣っちゃうかもって言ってたけど、変なのって?」

さっきのお姉さん「なになに?なんか大きいの釣れてる?」

みほ「あっ…はい、まだ何かわかりませんけど」

優花里「あーいえ、そんな大したものでは…」

お姉さん「ハンターっ!ほらぁ!タモ持ってきなよタモぉ!」

お兄さん「はいはい、ったく近頃かわいげねぇよなあ…」

声『近くで釣っていた女の子に大物がHIT!ハンターがタモ入れに走ります!いったいなんなのでしょうか!?』

麻子「あんたがなんなんだ!?どこにいる?」

華「麻子さんなんだか楽しそうですね?」

優花里「あー…やっぱりエイでしたか」

お姉さん「うわっでかっ」

沙織「わーホントだ。変なのだ…」

お兄さん「よっと、どうする?危ないし糸を切って逃がしたほうがいいと思うけど」

優花里「アッハイ、それでお願いします…ありがとうございました」



みほ「優花里さんお疲れさま。格好良かったよ」

華「とってもどきどきしました!」

優花里「あはは…どうも。もうちょっとマシな魚ならよかったんですが、そううまくいかないものですね」

沙織「でもすごいじゃん!たまたま変なのが釣れただけで、そうじゃない場合もあるってことでしょ?あー、私もあれくらい強引にアプローチ
されたいよ~」

麻子「とうとう魚にまで…しかも毒のある」

みほ「優花里さん、もう一度やってみない?私が餌になるような魚を釣るから」

優花里「西住殿…いえそんな、いいんですよ私はもう」

華「わたくしもご助力いたします。やってみましょうよ」

みほ「戦車道以外のことにあんなに真剣な優花里さんは初めて見た。私ももっといろんなことを楽しんでみたいの。…優花里さんと、みんなと一緒に…」

麻子「道具や経験を考えれば、秋山さんにしかできないだろうな」

沙織「みんなでがんばろっ!ねっ、ゆかりん!」

優花里「みなさん…わかりました!不詳この秋山優花里…大物、釣らせていただきます!」

華(果たして真剣なのは釣りに対してなのか…それとも…ふふっ)

麻子「?…五十鈴さん、どうかしたのか?」

華「いえ、楽しいなあって、思っていただけですよ」

沙織「うん!釣りって、楽しいね!」

『せーのでぱーんつぁふぉー!どんな道もまっすぐすすんでいきーますみんーなとー…これからもずーっとごーいん戦車道!』


「標的の位置はほぼ特定できていますので、火線を集中させて近距離での確実な釣果を目指します!」


『せーんしゃってひーとりーじゃ、うごかせないからー はしゃいだりぃ 学んだり、するんですいっしょにー』


「うぅ~、麻子ぉ~…ううん、自分でがんばるっ!」


『こーやってのーりこんでーいるときでもやーっぱり 眠ったり…しゃべったり!かしましいんです!』


「次弾、行けますっ…!ふふっ、いつもと反対ですね」


『こいにこいしちゃうくらいぃ 夢中ですわねー、 遅刻もしなーいかもー…?たのしくってしかたありませんっ!』


「一意専心…っ!なーんて。うふふっ」


『友達とだからね。 わくわーくしーちゃーう♪』


「アイス買ってきたぞ。みんなほどほどにがんばれ」


『まわれむげーんきどー!みんなとーなら どんな遠くへだっていけまーすよー 最高のチームメイーさぁー』

『せーのでぱーんつぁふぉー しんじたーみちー まっすぐ進んでいくことが…きっと乙女のターシーナミですー』


「その通り!」

「うん、うん♪」

「ふぁ……眠い……」

「帰りに戦車ショップ行きましょうねー!」

「いいですね!……いえ、やはりまた今度にしません?」


『そーなんだそーれぞーれこせいはちがうからー 装填オッケー………………』


~♪ 挿入歌「GOING PANZER WAY!」 歌:あんこうチーム ボーカルミニアルバム「音楽道、はじめました!」収録

~~~夕暮れ


みほ「だいぶ日が傾いてきたね…ゴカイもなくなっちゃったし、今使っている生き餌で最後かな…」

沙織「だってゆかりん、良い型のキスはもったいないからって使おうとしないんだもん。大きいのを釣りたいなら餌も大きいのがいいんじゃないの?」

優花里「確かにもったいないのもありますが、餌に使うのは小さいほうが向いているんですよ。それだけ捕食しやすい餌だと魚には映るわけですから」

華「それでも、丸ごと飲み込んでくれるような魚はなかなか寄ってこないんですね…」

麻子「頭だけ噛み潰されていたり、体だけ食いちぎられたりな…まさか意図的に針を避けているわけではないだろうが」

みほ「でも、これだけ餌を食べさせているんだからまた来るはずだよ。時間はまだもう少しあるから、最後まで頑張ろう」

優花里「はい、夕マズメの今の時間なら大きい魚も餌を採りに浅場に来るはずです。潮もかなり満ちていますし…」



※マズメ時、潮汐(海水の満ち引き)


 日の出前から完全に明るくなるまでを朝マズメ、夕暮れ時から完全に暗くなるまでを夕マズメと呼びます。この時間帯は魚の警戒心が薄れ、餌を求めて
活発になると言われています。また、海の水は月の重力によって動くため、海水の移動によって流れができたり、局所的に言えば水位が変動します。この水
位が一番高くなることを満潮、低くなることを干潮といいます。たくさん釣りたい、大きな魚を狙いたいときはこのようなことも気にしてみましょう。

 海の生き物の生活はこの潮の動きに大きな影響を受けており、特に潮が大きく動くときは活発に動き回ったり、餌を採ったり、生殖活動を行ったりします。
一般的に水位の上昇に伴って陸地(釣り場)に近いところに入ってきて(接岸)、下降するときに出ていく海水と一緒にまた深場に戻ってきます。

 この2種類のタイミングが重なるときは大きな釣果が得られやすくなりますので、釣行を計画するときには地域ごとの潮見表(潮の動きを時刻表のように
示したもの)を調べてみましょう。釣り具屋さんで冊子を買ったりもらえることもありますし、ネット検索やアプリなどで手軽に調べることもできます。大
手の釣り具量販店でお正月に買い物をすると、一年間の潮が載ったカレンダーをもらえたりもしますよ!


※大潮、小潮


 潮の満ち引きは月の重力によって引き起こされるものと説明しましたが、月は地球の衛星でその周囲を公転しているのでその影響が出る時間の周期は短く、
だいたい一日に二回ずつ満潮と干潮が起こります。なので1日に2回釣りのチャンスタイムがあるということですね。

 なぜだいたいと言う方をするかと言うと、日によってその時刻や水位が変動するためで、それらは約1か月周期で変化しており、日によっては日付をまた
いでしまうんですね。約一か月周期というのは月の満ち欠けと連動していて、満月や新月の時にはより影響が大きく、半月の時には影響が小さくなります。
一番影響が大きい数日間を大潮、小さい数日間を小潮と呼び、約一か月の中でそれらが二巡します。

(潮回りの例)


 若潮 長潮 小潮 小潮 小潮 中潮 中潮 大潮 大潮 大潮 中潮 中潮 小潮 小潮


 ではなぜこうした変化が起きるのでしょうか?それはその引力によって地球に影響を及ぼす天体が、月だけではないからなのです。そう、太陽です!月の
満ち欠けは地球から見た月と太陽の位置関係、つまり太陽の光が当たる角度によって変化しますが、光と同時に引力の影響も受けています。その角度が月の
引力と重なる方向になると、潮も大きく動くというわけです。逆に半月の時は二つの引力の角度がほぼ垂直になってしまいますので、潮への影響が小さくな
ります。
 
 まぁ要するに満月や新月の日は大潮と言うわけです。余談ですが、ときどきテレビ番組で紹介される海辺の生き物の大量発生はたいてい繁殖のためです。
彼らはより強い潮流によって卵を遠くへ拡散させ、種の保存を図ると言うことを本能的に知っているんですね。これらを利用した釣り方なんかもありますが
それはまぁ別のお話です。

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」 
↓ 
信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか? 
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ 
いちいちターキー肉って言うのか? 
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」 
↓ 
鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。 
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋 
↓ 
信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw 
んな明確な区別はねえよご苦労様。 
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」 
↓ 
>>1「 ターキー話についてはただ一言 
どーーでもいいよ」 
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです 
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ! 
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469662754/)


余談
7 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:06:48.44 ID:10oBco2yO
ターキー肉チーッスwwwwww
まーたs速に迷惑かけに来たかwwwwwwwww

9 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:12:33.84 ID:LxY8QrPAO
>>7
はいNG設定


この速さである
相変わらずターキー肉くん=>>1という事を隠す気も無い模様

31 ◆xmciGR96ca4q sage saga 2016/07/28(木) 12:50:19.79 ID:g6WSU+sH0
昨夜寝ぼけてスレ立てミスったんで憂さ晴らしも兼ねて久々のロイミュ飯でした。書き溜め半分残り即興なんで色々アレかもしれませんがアレがアレなんでアレしてください何でもシマリス(熱中症

建てたら荒れると判ってるスレを憂さ晴らしに建てる
つまり>>1は自分の憂さ晴らしにs速を荒らして楽しんでる

うーん、いつも通りのクズ>>1で安心するわー

麻子「ん、またアタリが出だしたが、今度はどうだろうな」

…グッ…グッ…

沙織「あーもう!持っていくなら持って行っちゃってよー!はっきりしない人はモテないよ!」

…グッ…グググッ!…ジジジジジーッ!

優花里「ここです!」グイッ

みほ「やった!」

華「すごいです!竿があんなに曲がって…!」

ジジジジジジー!

優花里「ドラグが止まらない!?…しかし突っ込んでいくわけでなし、止まったところで反撃開始です!」

声『とうとう大物を掛けることに成功した優花里さん!チームのみんなの期待を一身に受け、お魚との真剣勝負です!』 ~♪「緊迫する戦況です!」

麻子「…もはやなにも言うまい」

優花里「思っていたより大物のようです!あまり無理はできませんが時間をかけて弱らせていきます!」



※魚とのやりとり

 仕掛けに食いつくかは魚次第ですが、掛けてからは同じ土俵での真剣勝負です!とはいえ竿の弾力は魚の引きを吸収し、ドラグが引き出される
間も絶えず負荷をかけ続けています。引き出されてなかなか寄って来なくとも、その分魚は疲れていますので辛抱強く寄せましょう。

 その間大事なのはまず竿を立てることと糸のテンションを保ち続けること。竿を寝かせてしまうと竿の弾力を活かせなくなってしまい、また糸
のテンションが緩むと針が外れてしまったり海中の障害物にひっかかって(根に入られる、根に(ラインが)巻かれると言います)しまうことが
あります。

 水面まで浮いてきたり、足元まで寄ってきても油断は禁物!魚はより一層身の危険を感じ激しく抵抗します。仕掛けのオモリなどが水面から出
ると強く振り回されて針がはずれやすくなったり、堤防などの足元には消波ブロックや岩が敷いてあるので根がかりもしやすいです。最後まで冷
静に落ち着いて!

沙織「あっ、見えてきたよ!なにあれおっきい!」

優花里「そろそろでしょうか…どなたかタモをお願いできますか?」

麻子「まかせろ、さっきの人がやるのを見ていたからな」チャッ

優花里「お願いします!そう、そこでそのまま構えていてください」

華「もう少し…!」

みほ「入った!」



※タモ入れ

 大きな魚の場合水から出すととたんにその重みが加わって、仕掛けが切れたり竿が折れてしまうことがあります。また大がかりな仕掛けの場合それ
以上糸を巻けなくなってしまいますので、そんなときはタモ網の出番です。タモのほうを動かして掬おうとすると魚が逃げようとしたり、網目に仕掛
けがひっかかって取り込みにくくなってしまうので、タモ枠を少し水に沈めた状態で魚のほうをタモへ誘導しましょう。普通の魚の場合頭を向けてや
れば自然とタモに収まるしかなくなります。

 頭が入ったらいったんタモを掬うように持ち上げ、魚の体を網に納めたら、枠だけを水から上げて足下に寄せます。柄を伸ばしたまま持ち上げよう
とすると柄が折れてしまいますので、垂直に近い角度で柄の節を収納しながら持ち上げましょう。この際やりにくいならベールを起こして糸をフリー
にしましょう。タモ網は底がかなり深く作ってあるのでしっかり魚が収まっていれば大丈夫です。


※抜きあげ

 魚に対して十分に強度のあるタックルと仕掛けならば、竿先を水面に近づけながら糸を巻けるところまで巻いて水面から抜きあげてもよいです。た
だし魚の掛かり具合や周囲の安全確認を必ずしてください。抜きあげようとして魚が針から外れたり、持ち上げて落とすところに人が居ると大変危険
です。できるだけタモ網を使いましょう。

声『やりました!心を合わせたチームの勝利です!みんなGood job very nice!』 ~♪「戦車道アンセムです!」

麻子「……」

沙織「麻子どうしたの?早く持ち上げないと!」

麻子「やり方はわかったが、この魚を持ち上げる力が私にはなかったようだ」

優花里「あはは…もう網に収まっているので大丈夫ですよ。西住殿、竿をお願いします」

みほ「うん!」

華「こんなに大きな魚が釣れるなんてすごいです!…鯛…とは違うような?」

優花里「うーん、コロダイですかね?」

沙織「えーと、こ・ろ・だ・い…っと…あ、そうみたい。へー、茨城より北には居ない魚なんだ。お刺身でもいいし、火を通してもおいしい魚だって!」

優花里「さて…釣ったはいいがどう分けたものか」

麻子「いや、秋山さんが持って帰ればいいだろう。釣った本人なんだから」

優花里「しかしこれはみんなで…」

華「嬉しいですが、お気持ちだけいただいておきます。次の機会にはわたくしも大物を狙ってみますわ」

みほ「ご両親に持って帰ってあげて?いろいろ教えてもらったり、用意してもらったり…お世話になってばかりだから」

沙織「そうそう、でさ、次はみぽりんちでみんなで食べよ?」

優花里「そうですね…そうします!では早速…」ゴソゴソ…ギラッ

沙織「なにそのゴツいナイフ!?」

優花里「?締めるんですよ。せっかくの大物ですからおいしく食べたいですしね!」ザクッ…ピクッ…ピクッ

みほ「わ、わぁ」

麻子「お、おう」

沙織「生きてるとその…あれだね、活きがいいね」

華「あ…血が…痙攣して…」パタリ

みほ「華さんっ!?」

沙織「華ー!?」

麻子「…少々刺激が強すぎたようだな。五十鈴さんにも怖いものはあったか」

優花里「五十鈴殿ーっ!!」

沙織「ゆかりん怖い怖い!手を洗って!」

華「…違うんですそんな狙い方じゃ…」

※魚の持ち帰り方

 せっかく釣った魚はおいしく食べたい!海の中で生きているときと違って釣られた魚はどんどん鮮度が落ちてしまいます。バケツに入れておいてもしば
らくすると死んでしまいますので、氷や保冷材を入れたクーラーボックスに入れておくとよいです。

 一番いいのは氷と海水を入れたクーラーボックスですがこれだと持ち帰るのが大変ですし、安価なものだと水を入れると漏れてしまうこと(水を入れて
持ち運んでもいいかは商品の説明を読んでください)もあります。この辺は追及しだすとキリがないので、できる範囲で行いましょう。釣り具メーカーの
ちゃんとしたクーラーボックス…結構お高いです。


※魚の血抜き、締め方

 クーラーボックスに入れる前にやっておきたいのが血抜きと締めです。締めるとは要するにトドメを刺す(婉曲な表現)ことで、じわじわ弱って死んで
しまうよりも魚の鮮度が落ちにくくなります。小さいものならクーラーにそのまま入れても構いませんが、大きい魚はすぐには死なないので持ち帰ってみ
たらまだ生きていた!血がたくさん出た!なんてこともあります。

 血抜きをするにはたくさん血が集まるエラや首の骨に刃を入れ、より大きい魚ならさらに尻尾の付け根を切るとスムーズに血が抜けます。血抜きをする
間はバケツに汲んだ海水に入れておくとよいでしょう。バケツに入りきらないときは上半身だけでも水に漬けておくとよいです。血が抜けたらバケツの水
を捨て、もう一度きれいな水を汲んで洗いましょう。もしまだ生きているようなら首の骨を完全に切断すると確実に締められます。より高度な締め方とし
て頭に穴を開けワイヤーを脊髄に突っ込む「神経締め」があります。こだわりたい人は試してみてください。


※魚の生かし方

 素早く締めてしまう他にもスカリ(海中に漬けておける網)やストリンガー(大きなスナップの付いたワイヤーやロープ。口に通して魚を繋いでおけま
す)を使って魚を帰るまで生かしておく方法もあります。血抜きをするときにも使えますが、すぐ近くに釣りをしている人が居ると迷惑になる(血の匂い
が広がるとほかの魚が警戒する)ので避けましょう。これは前述の血抜きをした海水も同様です。


※【重要】釣り用ナイフと銃刀法

 銃刀法とはご存知の通り銃や刀剣類の所持を制限する法律で、一般的に使われる包丁やナイフも刀剣類にあたります。刃渡り6cm以上の刃物を携帯する
ことは制限されていますが、「所持に正当な理由がある場合」や、「携帯」つまり「直ちに使用し得る状態で身辺に置くこと」をしていなければ違反では
ありません。
 
 釣りでの使用を目的としている場合は「正当な理由」になりますし、ポケットなどに入れず荷物やクーラーボックスに入れておけば「携帯」していると
はみなされないようです。とは言え荷物を車に積むときはトランクなど手の届かないところに積んだり、釣りに行かないときは車に積みっぱなしにしない
などいくつか注意する点があり、仮に警察の人に職務質問を受けた際は正直に「釣りに使う刃物を持っている」と申告したほうがいいようです。

華「お恥ずかしいところをお見せしてしまって…戦車道のおかげで多少は度胸がついたと思っていたのですが…まだまだ精進が足りませんね」

優花里「いえ…こちらこそ、不用意な真似をしてしまって…」

沙織「いやもうそれ以上つかなくていいよ華は」

麻子「私が言うのもなんだが、それくらいのほうがかわいげがあるんじゃないか」

みほ「あはは…でも、大事に至らなくてよかった」

華「けれど、わたくしたちの日々の食事が、ああやって成り立っているんだと言うことを改めて学ばせていただきました。これからはより一層、毎日ごはん
が食べられることに感謝していただこうと思います」

麻子「それも十分だと思う」

沙織「そうそう、あれくらいのほうがかわいげ…あるかな?いやでも健康的な女の子ってのは魅力的なはず…そうよね、そうに決まってる」

みほ「…二人とも華さんをなんだと思ってるの?いや、まぁ、…うん」

優花里「よかったぁ…これで五十鈴殿が魚を食べられなくなってしまったらどうしようかと」

沙織「大洗に住んでてそれは拷問よね…」

華「ふふふ、そんな話をしていたら、なんだかすごくお腹が空いてきましたね」

麻子「私もだ。そろそろ帰りの支度をしよう」

優花里「そうですね!では西住殿、撤退許可を願います!」シュビッ

みほ「っえ、えぇ?げ、現時刻を持ってこの地点を放棄します!っじゃなくて放棄しちゃダメ!総員、後片付けを開始してください!」

4人「「「「はい!」」」

沙織「ぷふっ!みぽりん、えらいえらい!」

麻子「ふふふ…すまん…ちょっと…っ!沙織、あとは、頼んだ…っ!ははっはははは!」

華「やっぱり麻子さん、かなりテンション上がってらしたんですね」

優花里「かなり日も暮れてますし、魚お好きみたいですし…」

みほ「も~っ!優花里さんっ!」


※撤収

 釣り場から帰るときは忘れ物のないように、ゴミは片づけて、コマセや魚の血で汚れた足場はきれいにしてから帰りましょう。真っ暗になってもこれから
釣りにやってくる人やまだ釣りをしている人も居るので、小さいものでもライトを持っていれば足元を照らして(海面は照らさないほうがいいです)近くを
通ることを知らせることができます。

 自分が釣りをしているときにも周囲に気を配らなければなりませんが、釣りをしている人の傍を通るときも気を付けましょう。これから仕掛けを投げよう
としていたり、釣り道具や釣れた魚を地面に置いてあったり…楽しい釣行を終えたらトラブルなく楽しい気分のまま帰りましょう。


~茨城県大洗マリーナ


みほ「さて、と。レンタルの道具もお店に返したし、あとは帰るだけだね。みんな実家に帰るんでしょ?」

沙織「うん、お母さんと料理するの!まだまだレパートリーを増やさなきゃ!」

麻子「おばぁよりは長生きしたいからな」

華「お母様が料理をすると張り切っているそうで…また今度ご一緒しましょうね」

優花里「あの~それにつきましてちょっとご相談があるのですが…」

みほ「?」

華(キマシタワー!)ピキーン

沙織「華?」

華「まぁまぁ、あとは若いお二人に任せて……あっ、わたくしこちらですので……さようならみなさん」

麻子「(あぁ…)ほら行くぞ、私たちはこっちだろ。じゃあな、また学校で」

沙織「???ばいばーい…?」

みほ「あっうん、さよなら…優花里さん?歩きながら話そう?」

~秋山家


優花里「ただいまー」

みほ「お邪魔します…本当にいいの?お邪魔しちゃって…いやもうしちゃってるけど」

優花里「はい!我が家はいつでも大歓迎ですから!」パタパタパタ…

みほ「ふふっ、ありがとう…あ、こんばんは、お邪魔します」

好子「あらあらおかえりなさい!西住さんもいらっしゃい!どうだった?釣れた?」

優花里「うん!見てこれ!みんなで釣ったの!」

好子「わぁ~、すごいじゃない!今夜はごちそうね!お母さん準備しておくから、二人ともお風呂入ってきなさい!」ドタバタドタ…

淳五郎「おかえり!あ、こりゃどうも、西住さん、ようこそいらっしゃいました!狭い家ですがゆっくりしていってください!」

みほ「あ、ありがとうございます。ではお言葉に甘えて…あ、あのっ!お弁当とか、釣りの道具とか、ありがとうございました!おかげで今日はとても
楽しかったです!」

好子「いいの、いいのよ~お嬢様が二人も居るっていうじゃない?お口に合うか心配だったけど、喜んでもらえてよかったわ~」

淳五郎「いや~あんなのとんだ安物で…気にせんでください!お風呂入れておきましたから、どうぞどうぞ!あ、お背中流しましょうか!?」

みほ「ふぇ!?」

好子「…淳五郎さん…?」ニコォ…

淳五郎「ヒェッ…あ、いやこりゃ失敬。ゴホンッ!あとは若い二人に…」

優花里「……あ、西住殿お先にどうぞ!私のものでよかったら着替えも用意しておきますから」

みほ「え?一緒に入ればいいんじゃ…優花里さんいろいろ頑張って疲れたでしょ?」

優花里「いっいいい一緒!?いえいえいえそんな恐れ多い!」

みほ「?…いつも一緒に入ってるじゃない?(練習の後みんなで)あ、ごめん!優花里さん先に入って!」

優花里「いえいえいえ!で、では一緒に…!」

淳五郎(いつも…一緒!?おいっ、母さん優花里のやつ西住さんとはそんなに進んだ関係なのか!?)ヒソヒソ

好子(……お父さん、今日は外食にします?……一人で)ボソッ…スタスタスタ

淳五郎「…そうか、とうとうそんな時が…ん?好子さん今なんて!?ねぇっ!?」ドタバタドタッ!ガタタッ!…

みほ「…相変わらずにぎやかなご両親だね」

優花里「アハ…あははははは(も~っ!)」

~お風呂上り


優花里(全然西住殿のほうを見られなかった…イカンイカン、うろたえるんじゃあないッ!ドイツ戦車乗りはうろたえないッ!)ブンブン

みほ「優花里さん、大丈夫…?もしかして熱中症じゃ…」

優花里「あっ、いえっ!問題ありません!(ああ^~西住殿が私の下着を…!上はお母さんのだけど…これはこれでヒャッ…いかんいかんイカーンッ!)

みほ「でも顔が真っ赤で…!すごく熱いよ!?」

優花里「日焼けですよ日焼け!ささっ、台所に行ってみましょう!母が料理をして待ってくれています!」

みほ(…涼しい部屋に行けば落ち着くかな?気分が悪くなってもおうちだし…)

淳五郎「……」ウロコゾリゾリ

みほ「お風呂いただきました!ありがとうございました。わぁ~もうこんなに!お父さん、お上手なんですね!」

淳五郎「いやぁ、剃るのは慣れたもんでね……おおおおおお父さん!?いやぁ、ちょっとそう呼んでもらうのは早いかなぁ~!」

みほ「えーっと…では、秋山さん?」

優花里「お父さん、庭にテント張っておくからそっちで暮らす?今の時期なら楽しいよ?星もきれいだし」

淳五郎「」

好子「二人ともこっちいらっしゃ~い、主役が待ってるわよ!」

優花里「あれっ、こっちは今から捌くの?」

好子「なぁに言ってんの!あんたがやるのよ!ほらっ!」

優花里「ええっ!?こんな大きいの無理だよぉ」

好子「何事も経験よ!それに…」チラッ

みほ「?」

好子(格好いいとこ見せたいんでしょ?)コソッ

優花里「!…分かりました!やってやるやーってやるやぁあってやるぜー!」

みほ(あぁ、優花里さんはこの家庭で育ったんだなあ…とても賑やかで、とても暖かい…)

※魚の捌き方


 大小さまざまなお魚を、食べられるように捌いていきます!まず小さいものはウロコや内臓、お好みで頭も落とせばそのまま食べられます。特に小さい
アジやキス、カタクチイワシは軽く塩をふって小麦粉をまぶしてから揚げにすれば骨まで食べれておいしいです。少し大きなものは背骨も硬く太くなるの
で開いて取り除いたり、3枚におろせばお刺身にもなります。


(捌き方の例とおすすめの調理方法)


~小さい魚


アジ:小さいものは内臓とぜいご(尻尾から頭に向かって帯状にある硬いウロコ)を取り除き、他の部分を軽く包丁でこすってぬめりを取ってあげましょ
う。そのままから揚げにするとバリバリ食べれておいしいです。もう少し大きなものは頭を落として3枚におろし、皮を引いて(このときぜいごは残した
ままがやりやすいです)腹骨周辺を切り取ればそのままお寿司のネタサイズのお刺身になります。もちろんもっと大きいものは普通に刺身にしてもよいで
すし、フライや塩焼きなどもおいしいです。残った骨は強めに揚げて骨せんべいにするといいですよ!

(もう少し手を加えて…)

・豆アジの南ちゃって漬け

 南蛮漬けのようなものだから南ちゃって漬け。通常から揚げをタレに漬け込み(市販もされてます)しばらく冷蔵庫で寝かせる南蛮漬けですが、寝かせて
なんていられない、タレなんて面倒なものはない!と言う時の一品。カレー皿のように広く深さがあるお皿にから揚げを並べ、細く切った玉ねぎやニンジン
、ピーマンを散らしてポン酢を回しかけます。そうしたらお皿にラップをかけてレンジでチン!しばらく冷ませば完成です!


キス:アジと違い細かいウロコが全身にありますが、柔らかいので簡単に包丁でそぎ落とせます。これで内臓と頭を落とせばこれでオッケー。キスと言えば
天ぷら!ですが小さいものはむしろから揚げがおいしいです。型のいいものが釣れたら3枚におろして刺身にしたり、開いて中骨と腹骨を取り除いて天ぷら
にしてみましょう。塩焼きもおいしいです。

(もう少し…)

 悪いことはいいませんのでキスはできるだけ単純な調理でいただきましょう。それだけおいしい魚です。

カタクチイワシ:キス同様細かく柔らかいウロコと頭、内臓を取り除いたらそのままから揚げや天ぷら、塩水に漬け、水分をふき取ってから塩焼きにすると
おいしいです。あまり大きくなる魚でもありませんし、骨も硬くありませんからお手軽です。

(もう少し…)

 数匹をまとめてかき揚げにすると食べごたえがあります。本来キビナゴでやる手法ですけどね!


~大きい魚


 お待ちかねの大物編!まずはウロコを根気よく落とします。鯛などのように硬く大きなものはウロコ落としがあると便利ですが、ヒラメやマゴチのように
細かいウロコがたくさんある魚は金だわしを使うとぬめりも一緒に落とせて便利ですね。ウロコやぬめりがきれいに落とせたら頭の付け根から包丁を入れ、
胸鰭まで切り開きます。
 
 切ったところを開くと背骨が見えると思います。骨と骨の継ぎ目に刃を入れ頭を落としますが、締める段階で骨を断ってあるなら楽ですね。頭を落とした
ら内臓も一緒に出てきますので、できるだけ内臓を傷つけないように肛門から頭に向かって切り開き、内臓や腹膜を取り除きます。この際背骨に沿って血の
塊があるなら包丁の刃先でこすってから掻き出しましょう。使い古しの歯ブラシなどがあると便利です。

 ではいよいよ3枚におろしていきます。まずはまな板に置いてある状態で上になっている側から、背中側とお腹側に背骨に向かって切れ込みを入れていき
ます。このとき皮をしっかり切断しておくと、身にはすんなり刃が入ります。切れ込みが入ったら、腹骨を付け根当たりで切っておきましょう。鯛のように
骨が硬い魚はキッチンバサミを使うと簡単です。

 それではできるだけ骨に身を残さないように上側の身を切り離します。切り離したら今度は腹骨のあるあたりを切り離し、それから血合い骨と呼ばれる小
さい骨が背骨に沿った位置に残っているので、身を裏返してその位置を確認したら、そのラインの身ごと取り去って身を上下に分けます。これらは生で食べ
る際には邪魔になってしまいますが、揚げ物や煮物にするとおいしいので捨てずにとっておきましょう。

 切り離した身が細い短冊のようになりましたね?ここまで来ればもう少し、次は皮を引きます。身の端に少し切り込みを入れるように刃を潜らせ、皮に当
たったら刃を寝かせ、皮をもって引っ張っていきます。このとき包丁を動かすと皮を切ってしまいますので、皮を動かすようにしましょう。途中で皮がちぎ
れてしまったら今度は反対側から剥いてみましょう。血合いと呼ばれる身の模様がきれいに残れば大成功です!

 これで「サク」と呼ばれるお刺身の一歩前の段階になりました。あとはお好みの厚さに切ればお刺身の出来上がりです。まな板の上に残った反対側の身も
同じようにおろしていきましょう。きれいにできず骨に身がたくさん残ってしまった?大丈夫、それはそれで煮物や汁物にすればおいしく食べられますよ!

 …と文字に起こせば簡単そうですがなかなかうまくはいかないもの。そんなときはYoutube先生にお任せです!釣り好きな人が投稿したものや料理の先生、
魚屋さん、板前さんなどいろんな人が魚をさばくところが見られます。特定の魚種の捌き方も検索すれば見られますのでおすすめです。


(もう少し…)

 お刺身もおいしいですが、あえて皮を残して熱湯をかけたり火で炙ったりするとおいしい魚も居ます。またムニエルなど油を大目に使う料理にも皮は残し
ておいたほうがいい場合があります。武部殿のように魚種で検索を掛けるといろんな料理のレシピが見つかりますよ!

 アラ(サクにした身以外の骨や頭など)を使ってもおいしい料理が作れます。まずどんな料理にするにもきれいに洗ってぬめりやウロコ、血の塊を取って
おきましょう。きれいにできたら今度は熱湯をかけ、もう一度水でよく洗います。きれいにできたら沸かしたお湯であまりぐつぐつ煮えたぎらないようにし
ながら火を通します。火が通るころには鍋の中はおいしい魚のダシでいっぱいです!

 あまりに脂が多い場合には軽く煮てから一度煮汁を捨て、もう一度沸かしたお湯でしっかり火を通します。ここでみそを加えればおいしいアラ汁の出来上
がりです。あるいは薄口しょうゆと塩少々で味をつける「潮(うしお)汁」という料理が向いている魚も居ますのでいろいろ試してみましょう。または火を
通す前にしょうゆやみりん、酒で煮汁を作れば煮物になります。お好みでショウガやネギ、大根などを加えてもおいしいですよ!


優花里「な、なんとか…捌きました…」

みほ「お疲れさま!すごいなぁ優花里さんは」

好子「ふふふ…まだまだ免許皆伝とはいかないけど…見習いくらいにはしてあげましょう?」

優花里「はぁ、それはどうも…」

好子「さぁさ、どんどん作っていくわよ!今は私が砲手だから!こら秋山!装填遅いぞ!早く撃たせろー!」

みほ「うちの砲手はそんなんじゃありませんけど…ふふっ」

淳五郎「なっ、なっ、父さんはなにしようか?」

好子「補欠」

淳五郎「」

みほ「…秋山さんは家長をお願いします」

優花里「…えっ?」

みほ「…なんでもないです」カァァ

好子「っははは!いいわねそれ!」

淳五郎「うむ、では好子くんは私にビールを出してくれたまえ。優花里くんは肩でも揉んでもらおうかな」

好子「…」ニコッ

淳五郎「ゴメンナサイ」

優花里「さ、衣をつけていきましょう」

みほ「う、うん」

~なんやかんやで楽しい夕食です!


一同「いただきます!」

みほ「どれから食べようか迷っちゃいますね…でもまずは優花里さんから、ね?」

優花里「え、えーとじゃあこのお刺身から…おいしい!」

好子「どれどれ…うん、締め方がよかったのね。お店のじゃこうはいかないわ」

淳五郎「うん、うん!どれもおいしいなぁ。今日はいい日だなぁ…優花里が生まれた日ほどじゃないが!」

優花里「お父さん…ほら、これも食べてよ、ほら、これも、これも」

淳五郎「うん、うん、うまいなあ…」

みほ「どれもおいしいです。お弁当も楽しかったですし…お母さんは料理お上手なんですね!」

好子「やだぁ、それこそお上手よぉ~!しほさんだって料理くらいするでしょ?」

みほ「あぁ、いえ、うちは家政婦さんが居たから…ってうちの母をご存じなんですか!?」

好子「そりゃあ西住流の西住しほと言えば、私たちの世代じゃスターだったもの!…そうね、ちょうどあなたのお姉さんのような」

みほ「あー…そうかも…お母さんもお姉ちゃんも目立つから」

好子「あなただって、とっても魅力的な女の子だと思うけどなぁ?」

みほ「えっ?」ガタン!

淳五郎「西住さん!…いえ、みほさん!」ユラリ

優花里「お、お父さん!?」

好子「わー、これ完全に出来上がってるわよ」

みほ「ビールコップ一杯で!?」

優花里「お父さんメチャクチャお酒弱いんです…じゃなくて!もうっ!いいから座ってよっ!」

淳五郎「みほさん、どうか、どうか…優花里のことを頼みます!いつまでもこの子らしくあれるよう…幸せに…」ドゲザー

みほ「はい!?…あ」

淳五郎「zzz…」

好子「あーもうしょうがないわねぇ、ソファーにでも寝かせておきますかっと!さ、食べて食べて!」

みほ「…はい、いただきます!」

優花里(みほさん…みほさん…!私だって呼んだことないのにぃ~!)

好子「あら、もうこんな時間なのね。西住さん、よかったら泊まっていかない?明日もお休みだし、服も洗濯しちゃうから」

みほ「えっでも…そこまでお世話になるわけには…」

好子「そんなの気にしないで!ねっいいでしょお父さん!」

淳五郎「…んぁ~?」

好子「いいって!ねっ?」

優花里「西住殿、ぜひそうしてください!」

みほ「では…そうさせていただきます。ありがとうございます」



~優花里の部屋


優花里「このように狭い部屋で申し訳ありませんが…」

みほ「ううん、私の部屋もそんなに変わらないし…物は多いけど」

優花里「あはは、どれも思い出のある物ばかりですから…けれど、物は増えなくても、この半年にも満たない期間のほうが思い出
がいっぱい詰まっているように思います」

みほ「いろんなことが、あったもんね…」

優花里「あの…先ほど父が言ったことは気になさらないでください、どうも思い込みが激しいもので…」

みほ「ううん、気にする」

優花里「ええっ!?」

みほ「いつまでも優花里さんが優花里さんらしくあれるように…私が私らしくあれるように…まだまだいっぱい思い出詰め込むから。
この、優花里さんが育った学園艦で」

優花里「西住殿…はいっ!この秋山優花里、どこまでも付いて参ります!」

みほ「うん。ね、そっち…行っていい?」

優花里「はいぃっ!?」

みほ「あ、ごめん。疲れてるもんね」

優花里「いえいえいえ!私は西住殿の傍に居られればいつだって元気です!一万6千馬力です!」

みほ「ふふっ、それじゃラーテだよ…」ゴソゴソ

みほ「それじゃ、おやすみ優花里さん」ナデナデ

優花里(ヒャッホォォォォゥ!最ッ高だぜぇぇぇェッ)スヤー

みほ「…ふふ、もう寝ちゃった。今日一日頑張ってくれたもんね。ううん、優花里さんはいつだって頑張ってくれてるよね」ギュッ

みほ「私ももっと頑張って、もっと楽しく生きていけるように…私らしく」

好子「…」ソロー

みほ「っ!?」

好子「あ、いいのいいのそのままで」ヒソヒソ

みほ「アノ、なんて言っていいか…スミマセン・・・」

好子「いいのいいの、そっちの気があるんならおばさん応援しちゃうわよ?」

みほ「それは…ない…と思うんですが」

好子「そうなの?…ザンネン」

みほ「あの、今日は本当にありがとうございました。私、こういう家族の団欒ってあまり経験がなかったから…とても楽しかったです。
お父さんにはびっくりしましたけど」

好子「困った家長さんよねー。まぁこればっかりは惚れた弱みってやつかな?ああ、そういう話は置いといて、お礼を言いたいのはこっち
のほうなのよ。できれば…西住さん一人の時に」

みほ「え?」

好子「本当にありがとう、この艦を守ってくれて。ここは私にとっても大切な母校で…大好きな人と暮らす街で、生活の糧を得るところで
もあるけど…一番お礼を言いたいのは、…重要なのはこの子がようやく手に入れることのできた、一番大切な場所だってこと。本当、どん
なお礼を言えばいいのか考えもつかないくらい」

みほ「私はそんな、あんなことができたのは、みんなが…優花里さんが居たからです。私、本当はこの学園に戦車道を辞めるために転校して
きたんです。戦車道から、自分の人生から逃げるために…いま私がこうしていられるのは、全部、優花里さんに沙織さん、華さん、麻子さん
…会長や、チームのみんなのおかげなんです」

好子「ふふっ、そんなあなただからこそ、みんな好きになるし、ついて来てもくれる、放っておくこともできないのね。大丈夫、あなたはしほ
さんにも、お姉さんにも負けない素敵な女の子だから。…これからも頑張ってね、隊長さん」

みほ「…はい!」

好子「あ、そうそう、これはこの子の母親としてではなく、私個人から言いたいんだけど…ありがとう、私たちが守れなかったものを守って
くれて」

みほ「え?…あの、それはどういう…」

好子「夜更かしはもうおしまい!…おやすみなさい」

みほ「…はい!おやすみなさい」

~西住家


しほ「…みほからメールが来ていたのね。珍しいこともあるものだけど、こういうところに気が付かないから、私はいい母親にはなれないのかし
らね…添付画像?」

しほ「『今日は友達の家に泊めてもらうことになりました。一緒に釣りに行って、晩御飯をごちそうになりました』…そう、親があれこれ世話を
焼かなくたって、子供は巣立っていくものなのかしら…あら、この友達のお母さん…どこかで…?」

~~~月曜日


みほ「あ、優花里さん、週末はありがとうね。とっても楽しかったよ!」

優花里「に、西住殿!あの、その、はい!また行きましょうね!」

みほ「うん!」



麻子「…驚くようなものが見られるからとたたき起こされてきたが…たいして進展していないんじゃないのか…?」

華「うーん…まぁ気長に行きましょうよ。まだ一年以上あるんですから。そういえば沙織さんは?」

麻子「知らん。また海外ドラマでも見て夜更かししてたんじゃないか?」



ねこにゃー「おはよう西住さん…あ、五十鈴さんもちょっとこっちに来てもらえる?」

みほ「?…おはよう、どうしたの猫田さん」

華「おはようございます。何のご用でしょうか?」

ねこにゃー「これなんだけど…」


スマホ『今日はぁ~沖磯に来てまーす!イイカンジにサラシが出てるよ~!』

???『やっぱロウディーだよねー!ロッドはヤマガのアーリーでー、リールはツインパ!』ヒュンッ

???『PEは一応青物きてもいいように2号巻いてるよ~リーダーは40lb!今日はナイロンでやってみてるの~』

ねこにゃー「…これ、武部さんだと思うんだけど…何を言ってるのかさっぱりわからなくてっていうか、こんな危なそうなとこ行って大丈夫なの?」

???『ッシャ!食ったよ~あんま大きくないけど、走るね~?ヒラスっぽいかな?』

みほ「!」ビクッ

華「まぁ、アクティブというか、ワイルドになられて…」

???『あ、違うねーヒラスズキっていうにはかわいいサイズだけど、まぁなんとか一匹引き出せたって感じかな~?』

みほ「たった一日で何が…」

ねこにゃー「コメントには『ガチすぎて引く』とか『しゃべり方とやってることが違いすぎてシュール』とか書いてあるけどなんだか格好いいね、いろ
いろ聞いてみたいけど今日は学校来ないのかな?」

華「どうでしょう…?」

みほ「これも沙織さんの見つけた自分らしい生き方…なのかなぁ?」

※終わりに

 補足多めでお送りしてきましたが、お付き合いいただきありがとうございました。あまりに書きたいことを書きなぐったため「釣りってめんど
くさい遊びだな」とか「釣りってこんなに考えてやらないといけないものなの?」とかあまりよくない印象を与えてしまっているかもしれません。


???「『Too much of one thing is not good.』何事もやりすぎはよくないわ」


 …スミマセン


 しかし、これは釣りをする人なら誰でもなんとなく把握していることで、そう難しいものでもないんです。先に述べた通り実際にやっているとこ
ろを見ればこう長ったらしい文章でなくともわかることばかりですし、こんな頭の中の知識なんかなくとも経験として知っている、実績を出して体
感しているベテランに比べたら付け焼刃でしかありません。

 釣りは外で遊ぶものですから季節や天候に左右されるものですし、水場は多くの危険がつきまとう場所でもあります。一緒に行く人や、釣り場に
居る人ともうまく付き合わなければなりません。そもそも成果が出るか否かが、ある程度は自身の実力で補うことはできても、結局は釣れてくれる
魚が居るかどうか、という不完全な遊びです。でも、だからこそ釣果を挙げたときはうれしいものなのです。

 今はまだまだ暑い日が続きますが、これから暑さが和らいで秋になれば、釣り人にとって最高の季節がやってきます!(春のほうがいいよ!とい
う意見もあるかとは思いますが)それまでに釣りを覚えてみませんか?また、夏休みのある人は友人や家族と新しいことに挑戦してみませんか?海
と言う果てしなく広がるフィールドで、新しい世界を体感してみましょう!


???「イギリスのこんな言葉を知ってる?『釣り竿は一方に釣り針を、もう一方の端に馬鹿者をつけた棒である』」

???「サミュエル・ジョンソンですね」


 …あ、そうそう。余談ですが、ポケストップやジムのある釣り場というのもあるにはあります。


???「……」スッ ガラッ スタスタスタ…ダダダダダッ

???「……はぁ」

本格的なお兄さんからヒロセマンの香りがする

どう見てもGOGOフィッシングのハルと太田祐策ですありがとう


※道具のお手入れ

 大事なことを忘れていました!釣り道具は金属やカーボン、樹脂の集合体です。特に海釣りに使ったあとは塩分や魚のぬめりで汚れています。これを
放っておくとどんどん劣化が進んでしまいますので、釣りを楽しんだあとはお手入れをしてあげましょう。

 
・水洗い

 まずは仕掛けやルアーですが、これはすぐに錆がきてしまいますので帰ったらすぐに真水で洗ったり、しばらく真水に漬け込んでおきましょう。その
後はもう一度流水ですすぎ、軽く水分をふき取ったら風通しのよい場所で陰干ししましょう。

 次にリールはドラグノブやハンドルノブをしっかりと締め、スプールに巻いてある糸を流水ですすぎます。スプールの水分を軽くふき取ったら、リー
ル内部に水が入るとよくないので湿った布巾やタオルで全体を拭いてあげましょう。少し高級な機種になると防水処理がなされていて、シャワー洗浄OK
とカタログに記載されていたりもします。このとき注意していただきたいのがお湯では洗わないこと!リール各部のグリスやオイルが洗い流されてしま
います。きれいにできたらこれも風通しの良い場所で陰干ししてあげましょう。

 最後にロッドです。これは特に気にせず水でザバーと洗ってしまいましょう。しっかり塩分を落としてあげたら水分をふき取り、これまた陰干ししま
す。振り出し竿の場合で竿尻にキャップがついているものは、外しておくと内部の水が落ちるのでしっかり乾かせます。


・給脂(オイルやグリスを差すこと)

 しっかり乾かせたらより長く性能を保てるよう潤滑剤を塗布してあげましょう。特に歯車仕掛けのリールにとっては大事な作業です。釣り用品として
リールの出荷時に使われている純正のグリスやオイルが販売されていますので、リールに付属する取扱説明書を参考に給脂しましょう。

 そんなぼったくりもん買ってられるか!と言う方はホームセンターのカー用品売り場にある各種スプレーを使ってもいいですが…灯油系のCRCは塗装
や樹脂部品を侵食する可能性があるので避けましょう。また、リールに残っているオイルやグリスと混ぜるのはよくないと思います。いずれにしても
自己責任で…高級機の場合メーカー保証やメンテナンスが受けられなくなってしまう場合もあるとか?

 ロッドの場合はシリコンスプレーがおすすめで、無溶剤タイプと書かれているものを使います。各ガイドに噴射して軽くウエスでふき取ってあげまし
ょう。そのままブランクス(ロッド本体)を磨いてあげるとピカピカになります!とは言えあまりに塗りたくると手で持った際ベタベタしたり滑ってし
まうので、一番リールに近い元ガイドから上に使うことをおすすめします。

 ちなみにこのシリコンスプレーはPEラインのコーティング剤としてもおすすめで、スプールに巻いたライン全体に染み込ませるように噴射しましょう。
このときリール内部やラインローラー(ベールアームに装備された巻き取るラインが接するローラー)につかないようにしてください。飛距離が伸びる、
絡みにくくなるなど目に見えてPEラインが扱いやすくなりますよ!




 …さてさて、これで本編の堤防釣り編はおしまいです。この後は短めにいくつかの釣りを紹介していこうと思います。次回の予定は「漁港でのライト
ソルトルアーゲーム」です!しばらくお待ちください…

是非ショアジギングもやってほしいけど元ネタガルパンじゃ無理あるなぁ…
大洗らしく、砂浜からのヒラメ狙いぐらいならいけるかな


番外編1「ライトソルトルアーゲーム」って?


 …えっと、今回は「ライト…ソルトルアーゲーム」をご紹介します。突然英語になってしまって何をするのかわからなくなってしまったかと思いますが、
簡単に言うと軽いルアーを使って海で釣りをすることです。

 ルアーと言うのは日本語で言うと疑似餌、樹脂や金属で作られたニセモノの餌に釣り針を付けたもので、これを使って魚を釣ることをルアーフィッシン
グ、海の場合はソルトウォーター、淡水の場合はフレッシュウォーターという単語が頭に付きます。近頃では「~ゲーム」と言う呼び方をすることもある
んだそうです。


タックル:各種ライトゲーム専用ロッド(ULなどと表記のあるもの)、リールは2000番くらいまでの小型リールに、3~5lbくらいの各種ライン…まずは
フロロカーボン製のものが扱いやすいと思います(エギングタックルでもやってやれないことはないとか?)


ルアー:いろいろと種類がありますが、1~3gくらいのジグヘッド(オモリに直接針がついたもの)に各種ワーム(柔らかいプラスチックなどで作られた
ルアー、針に刺して使う)、3~7gくらいのメタルジグ(鉛などの金属の板をピカピカに塗装して針を付けたルアー)が扱いやすいです。

 ジグヘッドを使うときはアイ(ラインを繋ぐ場所)にスナップが通らないことも多いので、その時は直接結んであげましょう。ほかの種類のルアーを
使うときは自由に動けるように小さなスナップを用意しておくといいでしょう。


投げ方:使うルアーを決めたら魚が居そうな場所を狙ってキャストします。今回のように軽いルアーを投げる際は、先端のガイドに引っかからない程度に
短めに垂らし、竿全体を振りかぶるのではなく手首のスナップを使って鋭く振ってあげます。

 ちょうど剣道で小手を狙うときのような感じみたいですが…私剣道やったことないなぁ…えっ?…ああ、メタルジグなどロッドに対して重たいルアーを
投げるときには垂らしを長くとって遠心力と竿のしなりを利用すると飛距離が出るんですって!


アクション:ルアーを投げて糸フケを取ったら、魚の居そうな層を探っていきます。ルアーフィッシングの場合は糸を張って沈むのを待つテンションフォ
ールを多用します。こうしてあげることでルアーがきれいな姿勢を保って沈んでいくので、針が糸に絡むことが少なくなり、魚が食いついたときも針がか
りしやすくなります。

 逆にメタルジグはヒラヒラと舞い落ちる動きが魚に有効なので、テンションを抜いて沈めるフリーフォールを使うこともあります。どちらの場合も一度
底まで沈めてみて(底を取ると言います)底につくまでどのくらいの時間がかかるか確認してみましょう。底までの時間がわかれば、次からどのくらい沈
めれば狙った層を引けるかがわかります。なるほどー

 好きな層まで沈めたら竿先を軽く動かしてぴょこぴょことルアーを跳ねさせたり、その層をキープするようにゆっくり巻いて泳がせます。底を狙うなら
竿だけを動かして、糸がたるんだ分だけ巻き取ることを繰り返してもいいです。これはボトムバンピングと言って、根がかりの多い場所では巻いてくるよ
りも有効なテクニックなんですって!

 もし狙った層で釣れないなら層(もちろん沈めずに上の層を狙ってもいいです)を変えてみたり、ルアーを動かす速さを変えてみましょう。またワーム
の色をクリア系やグロー(夜光)系に変えてみたり、メタルジグなら地味な色から派手な色に変えてみるなどいろいろ試すといいん…だよね?

 アタリがあったら竿をグッと鋭く引いてフッキング(アワセること)しましょう。たいていはお手頃なサイズの魚が掛かるので、取り込みは慌てずゆっ
くりと。細いロッドを使っているとかわいいサイズの魚でも、意外なほど引きを楽しませてくれるそうです。うん、これなら私にもできそう!


ポイント:このライトソルトルアーゲームにおすすめのポイントが漁港です。漁港は小さな港の中に堤防の外側、内側、敷石や砂地などいろんな要素が密
集しているので釣れる魚の種類も様々です。特に狙う魚種を決めず、気軽に楽しめるのがこの釣りの魅力なんだとか


※漁港での注意点


 漁港とはつまり漁業に従事する人たちの仕事場で、他には個人所有のボートやヨットなどをお金を払って停めている場所です。漁港には船を停めるため
のブイやロープがたくさんあり、それにルアーをひっかけてしまうとまず取ることはできません。中には船に飛び乗って外しに行くなんて人も居るらしい
ですが…絶対にやめましょうね?

 漁港での釣りは漁師さんや漁業組合の人たちが許してくれているからできることなんです。釣り人が船や漁具をいじったり、ゴミを捨てて帰ったり車を
邪魔なところに停めたり…迷惑をかけてしまったので釣りを禁止されてしまうなんてこともあります。

 楽しい釣りはマナーから!を心がけて、これからも釣りができる場所を残していきましょうね!…これで大丈夫?よかったぁ~


※この釣りで釣れる魚


 あ、もう一つあったね。最後にライトソルト…え?あ、そうなの?…早く言ってよ…縮めてライトゲームで狙える魚たちを紹介します。


・アジ:特にアジをライトゲームで狙うことを近頃では「アジング」と呼び、人気の高い釣りです。主に夜間明りの下で狙い、冬場にはかなり大型のもの
が釣れることもあるとか。ワームだけでなくメタルジグやミノー(小魚を模したルアー。水流を受けて魚のように泳ぐ)、ポッパー(水面を滑らせるよう
に引くと水を受けて音の出るルアー)でも狙えます。

・メバル:これまた「メバリング」と呼ばれたりします。使うルアーもアジングとほとんど同じですが、アジに比べれば日中でも釣りやすいようです。


・カサゴ:「根魚」と呼ばれ海底の岩の間にじっと身を潜めていますが、エサを見つけると勢いよく飛び出して食いついてきます。小さい割に力の強い魚
で、ルアーにも好反応を示します。一度釣られかけてもまた食いついてくるほど食欲旺盛で、他の魚が釣れないときでも遊び相手になってくれます。

・クロソイ:カサゴと似たような生態をもっていますが、より大型になる種類です。これに限らず根魚は釣って楽しい食べておいしい魚ですが、成長する
のが遅いので小さいものはリリースしてあげましょう。冬場にお腹が大きく膨らんでいるのは卵を持っているメスです。できるだけリリースしてあげまし
ょう。

・ハタ類:こちらも根魚の仲間ですがより大型になり、泳ぎまわるのが得意なのでルアーに強い反応を示します。陸からよく釣れるのはオオモンハタやキ
ジハタ(アコウ)と呼ばれる種類で、大型のものを狙った釣りもあります。

・カマス:夜から朝方にかけて餌を求めて回遊する魚です。メタルジグなどのキラキラ光るルアーに強い反応を示し、群れに当たると入れ食い状態になる
ことも。細長い口に尖った歯がたくさん生えているので注意しましょう。


※キャッチ&リリース


 釣りあげた魚を逃がしてやることを言うそうです。まだ小さかったり、釣っても食べるつもりがないなら逃がしてあげましょう。その際少しでも元気に
海へ帰ってもらうために気を付けて欲しいことがいくつかあります。


・できるだけ早く逃がす…魚は水から出るとすごく苦しい思いをします…

・無理やり針を外さない…口やエラなど大事なところをけがしてしまうとその後力尽きてしまったり、餌を採れなくなってしまいます…

・素手では触らない…人間の体温は魚にとっては熱すぎるため、やけどしちゃいます…

・熱い地面に置かない…手でやけどするくらいだから、これはもっとだめです!

・海に戻すときはできるだけ水面に近い位置からそっと…水面に叩きつけられると深刻なダメージを受けてしまいます…


 …ふぅ、うまく紹介できたかな…?そう?えへへ、ありがとう!えーと次は…さお…えっ?「はいぱーふれっしゅあんぐらー」のサオリン…さん?が和風
ルアーの「餌木」を使ってイカを狙う「エギング」を紹介してくれるそうです。


「やっほー!アングラーのみんな、いい釣りしてますかぁ?サオリンでーす!今日はとってもかわいいエギを使って、イカしたボーイをメロメロにしちゃう
エギングを紹介しちゃうよ!私のテクニックに魅了されて、すぐに手を出してくるようじゃまだまだお子様!しっかり抱きしめて離さない情熱的なあなたを
お待ちしてまーす!」


 ちょ、ちょっと待ってまだ台本ができてないって…え、えーと、…しばらくお待ちください!


 …コホン、じゃあ気を取り直して、ハイパーフレッシュアングラーのサオリンだよっ♪今回は日本中でスッゴく流行った「エギング」を紹介しちゃいます!
漁具としての餌木の歴史は古く、発祥は鹿児島県の枕崎ってのはみんな知ってるよね?えっ、知らない?…うーん、いいのいいの!これから二人で知って
こ?ねっ?

 この餌木を現代風にアレンジして、ルアーフィッシングの仲間入りをしたのがエギング!ここのところの釣り具の進歩ってもうすごくって!特にPEライン
の登場とリールのドラグ性能の向上は、この釣りだけでなくルアーフィッシング全体のレベルを一気に次のステージに進めちゃったの!スゴくない!?

 それじゃあエギングを始めるために何が必要なのか、何を知っておけばいいのか私がじっくり教えてア・ゲ・ル♪


タックル:これはもう当然エギングロッドよね!いろんな種類があって、長さもいろいろ選べるし、竿の曲がり方も違うの!「掛け調子」と「乗せ調子」が
あって、掛け調子はティップにハリがあって、そう!私のオハダのように…うふふっ!エギをシャクりやすくアタリを取る感度に優れてるの!そう、まるで
私の…あ、ゴメンこれナシで!カットでっ!みぽりん~っ!そんな人見知り全開みたいな目で見ないでよぉっ!

 はぁ、乗せ調子はティップが柔らかめで、イカが抱き着いたときに針…エギの場合はカンナって言うの!にかかりやすいんだ~。初心者の人はこっちがオ
ススメだよ!エギングロッドはエギを使ってイカを狙う以外にも、クロダイやシーバス、フラットフィッシュを狙う釣りにも使えるの!さすがにあんまり大
物だと頼りないけどね…

 リールはD社で2500番くらい、S社で3000番くらいのスピニングリール、ラインはPE0.6号とか0.8号くらいかな?…エギング専用モデルだとハンドルノブが
二つ付いてるのなんかもあるよ!リーダーは2号か3号くらいで、フロロがオススメだよっ!メインが細くて摩擦に弱いし、沈める釣りだからね!長さは1
ヒロ…両手を広げたくらいでいいよ!

 ノットはノーネームとかFGなんかが鉄板どころよね!もし他に好きなやり方があるならそっちでもいいけど、結び終わったら手で引っ張ってみて強度を確
認してね!ドラグの設定はノットの強度で変える必要があるから、一度結束部をローラー近くに持ってきて、そのまま引っ張ってみるといいよ!もしそこで
ドラグが出る前に切れちゃうようなら釣りには使えないね…


※ラインシステム


 メインラインとショックリーダーを結んだものをこう呼ぶの!結び方はいろいろあって、たいてい~ノットって名前が付いてるよ。どれをするにも言える
ことだけど、締め込むときには手袋を忘れずにね?PEラインは細くてもすっごく丈夫だから、簡単に手に食い込んでケガしちゃうよ!

 これは投げるときに指にラインをかけるでしょ?その時も一緒で、特に水でふやけてるとすぐ指が切れちゃうから釣りに夢中になりすぎてケガしないよう
にね!


エギ:エギは昔ながらの木に布を巻いたものなんかもあるけど、ルアーメーカーが出してるものもいろいろ工夫がしてあって楽しいよ!ラトルが入っててカ
ラカラ音がしたり、エビの足みたいにフィンが付いててパタパタしたり、紫外線発光する生地を使ってたりね!

 どれもまんまるお目々がついててカラフルで…とってもかわいいの!あと共通して言えることはサイズを号数で表すことで、2.0~3.5号が普通にお店で売
ってるよ!これはエギングの場合季節で使い分けるのが一般的で、小さいのは秋の赤ちゃんイカ、大きいのは春に産卵前のデカイカを狙うときに使うね。

 イカって実は1年間くらいしか生きられないんだ…春に生まれて夏、秋と大きくなっていって…春から初夏に繁殖を終えたら死んでしまうの。エギで釣れ
るのは秋になるくらいまで成長したイカなんだ。でも、個体によっては夏でもまだ産卵を終えてないこともあるんだって。



釣り方:使うエギを選んだら釣ってみようね!投げるときは特に注意は要らないかな?垂らしを60cmくらいとったらフツーに投げちゃっていいよ!細いPEラ
インを使っているから軽い力でも飛んでいくの。大事なのは投げてから!糸フケをとったら竿を海面に向け、ラインが風に流されないようにしながらベール
を起こして沈めていくよ!

 このとき出ていくラインに手を添えてあげると糸が余分に出てエギが流されるのを防ぐことができるの。それと投げて着水するまでの間にも指を添えて出
ていく糸を加減してあげるといいよ!スピニングリールの場合フェザリングって言うんだ!これをしておくと糸フケを回収するのが楽だし、余計に糸が出て
エギに絡んだり流されて全然違うところに行っちゃうことを防ぐことができるの!ルアー釣りでは大事なテクニックだからばっちり身に着けてね!

 出ていくラインが止まったり、手を添えていてトン、って手ごたえがあるのが着底の合図だよ!エギングの場合は底を取るのがとっても大事!着底したら
また糸フケをとって、しゃくったときにエギがしっかり動くようにしてあげようね!

 じゃあエギングと言えばこれ!シャクリを入れていくよ!まずはワンテンポずつ置いて3回!竿を立ててエギを引っ張ったらリールを巻きながら竿を元の
位置に戻そうね!続けてシャクっていくと、エギは右に左にぴょん、ぴょんっ!って跳ねるように動くの。これをダートさせるって言うんだよ!このときド
ラグがジッ…ジッ…って鳴るくらいに調整する人も居るね!

 シャクったらその分エギが浮き上がってくるから、しばらく沈めるよ!その時にアタってくることが多いの!竿先を海面に向けて、糸に角度をつけるよう
にして待つとわかりやすいね!それか海面に伸びるラインがスゥーッって動いたり、ぴん、と張ったりするよ!その時は糸を張って竿を立ててアワセを入れ
ようね!もちろんシャクってる最中にアタってくることもあるから、そのときはそのまま竿を立てて浮き上がらせちゃおう!

 竿にイカが乗ったらテンションを緩めずじっくり巻こうね!イカって水をジェットみたいに噴射してけっこうな距離をすばやく移動するの!大きいアオリ
イカなんかはすっごく走るよ!潜って逃げたりはしないからドラグがどんどん出て行っても慌てずにね!イカは身が柔らかいから、強引に寄せると針が外れ
て逃げちゃうよ!釣りあげるときも同じ!大きいイカが釣れた時は無理せずタモとかであげようね!

 アタリがなかったらまたシャクるよ!回数を変えてみたり、シャクりのスピードを変えたりいろいろ試そうね!あ、そうそう、若いイカの場合は見えてる
すぐ足元で釣れたりもするよ!周りに小魚が居たり、イカの色が黒かったら餌を欲しがっているから釣れやすいの!このとき偏光グラスをかけていれば水中
の様子がよく見えるね!


締め方:イカを釣りあげたら水や墨を吐くから気を付けてね!大人しくなったら目の間にナイフや専用のピックを刺すとびっくり!色が真っ白になるよ!こ
のとき半身しか変わらないようなら、変わってないほうに向けて深く刺してみて!足の方へも刺そうね!


釣れるイカの種類:エギングで釣れるイカにはいくつか種類があって、どれもとってもおいしいよ!季節や探る層、それか回遊してくる群れで変わってくるの!


・アオリイカ:エギングと言えばこれだね!刺身では一番おいしいと言われていて、しかもどこにでも居るよ!砂地の中に根が点在しているところがポイント
で、どちらかと言えば中層に居るみたい

・コウイカ:砂地の底のほうによくいて、胴体に硬い甲羅みたいな骨があるよ!スミイカとも呼ばれるくらいたくさん墨を吐くの!料理に使われるイカスミっ
てこのイカの墨だって知ってた?

・ヤリイカ:あまり居つきでは居ないけど、夜の港に群れでやってくることがあるみたい!

・ケンサキイカ:こっちも似たような感じだね。大きいものは高級食材!


 どう?どう!?エギングのことちゃーんと分かったかな?えっとね…イカが餌木に食いつくことを、「抱く」って言うの…イカは足の間に口があって、長い
触腕でつかまえてからたくさんの足で抱き着くように餌を食べるんだ…私もあなたにしっかり捕まえてほしいな…う・ふ・ふ♪


 
 ―しばらくお待ちください―


「見ちゃいられない…おい、真に受けるんじゃないぞ?」ギロ

「次はぶっこみ釣り(夜釣り編)だ。心配するな、今度のは短い…がこれから書くのでしばらく待て」


「ん?ああ、エギング編のタイトルと参考動画の紹介を忘れたようだ」

「番外編2 Let's エギング!」

「S社の初心者釣り教室 ~エギング編~ だとさ。これは公式チャンネルで公開されているから画質がいいぞ」

「じゃあな」

「ああ?スーパーフレッシュアングラーのサオリン?今日で引退だそうだぞ」


番外編3 「果報は寝て待て、夜のぶっこみ釣り」


 またカンペが…「ハイパーフレッシュアングラー」だそうだ。どうでもいい、あんなことは二度とやらせんからな。さて、釣りと言ってもいろいろあるが、どれが
上とかどれが下なんてことを決めることほど無意味なものはない。とは言え一つの到達点と言えるのがこのぶっこみ釣りだろう。単純な仕掛けに魚と真っ向勝負のタ
ックル…それになにより、寝ながらでもできる!…がしかし今回は夜釣りだから私にとってはあまり意味がないな…


タックル:堤防編でも述べたが大物を狙いだしたらキリがない。特定の魚種を釣るための専用モデル…特に南洋向けのものなんかはいろいろあるが、ある物を使えば
いいんじゃないのか?


仕掛け:一番シンプルなのは中通しオモリ…穴が開いていてそこに道糸を通し、サルカンを結ぶ。オモリが結び目を傷つけないようにクッションゴムなどを挟むとい
いらしい。あるいはオモリ自体にゴム管を差し込んだものもあるな。サルカンの先に針を結んだハリスをつければこれで終わりだ。ハリスを長くとるなら針の近くに
ガン玉を噛ませると絡みにくいらしい。

 つける仕掛けは一本針でもいいし複数針を付けた胴付き仕掛けでもいい。小魚をまるごとつけるなら孫針のある仕掛けも便利だな。他にはオモリだけを先に投げ、
後から道糸にスナップ付きサルカン通して仕掛けを落とすエレベーター仕掛けなんてのもある。生き餌を使うならこんなのもいいが、ある程度水深がないとダメだな。

 夜釣りをする場合は当然穂先を見つめてアタリを待つ…なんてのは難しい。そこで穂先に鈴をつけたり、ケミホタルなどと呼ばれる発光体を付けるといい。これは
大きさや発光時間で値段が変わるが、一番安いのなら2本入って100円とかだから活用しよう。鈴もそんなものだ。


エサ:なんでもいい。虫エサを一匹丸ごとつけたり、一つの針にたくさんつけたり…スーパーで売っている食材もいいな。魚はもちろんイカや缶詰の貝、ウィンナー
なんかでも思わぬ大物が釣れるらしい。


釣り方:釣り方もなにも投げ込んでアタリを待つだけだ。寒い時期なら車の中で待っていたりする人も居る。余裕があるなら竿を複数用意するといいが、周囲に他の
釣り人がいるときは相応の配慮をしてくれ。

 アタリがあってからは堤防編と同じだが、暗いので足元に気をつけてな。できれば明るい時間帯に下見をしておくか、よく知っている釣り場に行くといい。明るさ
が調節できるヘッドライトなんかを持っていると何をするにも便利だな。ただしあまり海面は照らさないことだ。魚が気配を察して寄り付かなくなるし、逆によくな
いものを呼び寄せてしまうこともある…オバケ?ち、違う!ダツとかだ!

 特に砂浜でやる場合はすぐ目の前に水面があるわけだから注意してくれ。河でやるとウナギやナマズが釣れたりするそうだぞ。…さて、こんなものか。夏の昼間に
釣りをするのはきついが、夜なら多少マシだろう。

 
 最後は五十鈴さんか、ライトショアジギングだそうだ。これはまた疲れそうな釣りだな…まぁのんびり待ってくれ。

夜ブッコミはいいよな
どこでも手軽にそれなりのサイズの魚が釣れるし


番外編4「極大射程、ライトショアジギング」

 
 これまでいろんな釣りを紹介してきましたが…わたくしが一番気に入ったのがこの釣りです。ジギングとはジグを使った釣りの事で、ショアとは陸を意味します。
つまり、陸からジグを思いっきり遠投して遠くのお魚を狙い撃つ釣りなんですね。

 本来のショアジギングはルアー釣りの中でも重量級の釣りで、100g以上もあるジグをとっても硬くて長い竿で100m以上も遠投して、これまたヘビー級のターゲット
であるブリやカンパチ、ヒラマサ、シイラなどの大型回遊魚を狙うものですが、とても敷居が高いですしわたくしにはとてもできそうもありません…

 これはその軽量級版、ということですね?使うジグも20gとか重くても40gくらいですから、だいぶお手軽で場所を選ばずできるそうです。こちらの対象魚となるの
はサバやイナダ(ブリの若魚)、ショゴ(カンパチの若魚)などの小型、中型回遊魚や、スズキにヒラメ、マゴチ、などの人気のルアーターゲット…さらにはハタ類、
カマス、サゴシ、マダイなどなど…フィッシュイーター(小魚を捕食している魚)なら何でも狙えてしまうんだそうです。すごいですね!



タックル:9ft以上のショアジギング専用ロッドや、シーバスロッドのMクラス以上がお勧めだそうです。基本となるジグの重さは30gほどなので、それを楽に投げられ
るロッドを選びましょう。近頃はショアキャスティング専用ロッドと言うのも登場しているようですよ。

 リールはD社で3000~3500番、S社で4000~5000番程度のハイギア(ハンドル一回転あたりの巻き取り量が多い)のモデルがいいそうです。PEの1号~2号を200mほど
巻けるもので、丈夫なものを選びましょう。リーダーはフロロカーボン5号~8号程度で、ルアーの動きや魚への違和感などを厳密に気にする釣りではありませんから、
扱いやすい範囲で強いものを選ぶといいそうですよ。思わぬ大物がかかる場合もあるんだとか…

 これも1ヒロくらいでいいそうです。太いリーダーを使うときは投げる際結束部がトップガイドから出るように、また、FGノットのようにリーダー側で結び目を作ら
ない組み方をお勧めします、とのことです。

 …ふぅ、なんだかたくさん知らない言葉をたくさんお話ししたので心配になってきましたわ…これで大丈夫ですか?…いいそうなので、続けさせていただきますね?


メタルジグ:金属の板に針を付けただけ…とは言ってもいろんな形や重さのものがあって、釣り具メーカーのみなさんが苦心して開発した工夫にあふれたものばかりで
す。お尻についたトレブルフック(ルアーによく使われる三つ又の針。トリプルフックとも)だけでなく、アシストフックと呼ばれる普通の形の釣り針を頭につけてあ
ったり…近頃ではお腹にトレブルフックを付けるタイプのものなども販売されているんだとか。

 ええとそれから…鉛よりも比重の高いタングステンを使用し、同じ重さでも小さく作られているものや、鉛にタングステンを埋め込んでバランスを調整したもの…
あらあら、なんだかたくさんあってどれを使えばいいのか…?


(ウェイトバランスによる特性)

・フロントバランス…前方に重心があるので、ロッドでの操作にキビキビとついてくる…近頃あまり見かけないタイプですとか?

・センターバランス…重心が中心にあり、沈むときにヒラヒラと舞うように落ちていくタイプ。フォールを重視したタイプと言われているものがこれのようです。

・リアバランス…後方に重心があり、飛距離が出やすく沈みが早いタイプ。


 他には形状によって、しゃくらないとあまり動かないタイプや巻いてくるだけでお尻を左右に振って泳ぐ(ウォブリング)タイプなど…ああ、ますますどれを使え
ばいいのやら…え?そんなに深く考えなくてもいい?…そうなんですか?


(色の使い分けパターン)

 明るい時間や海の水が澄んでいるときは青や緑、銀色などのナチュラル系(ベイトに近い色)があるといいそうです。逆に薄暗い時間や海の水が濁っているときは
赤系やピンク、グロー系や金色など目立つ色を選びましょう。…ええと、ベイトがたくさんいる場合はあえて目立つ色を使ってもいいんですか?

 え?ピンク色が大好きな魚が居るんですか。それはかわいらしい魚なんでしょうね…えっ、これですか…西京焼き?あれってこんな怖い顔の魚だったんですね…


投げ方:重たい割りには薄く、小さいメタルジグはとっても飛距離が出ます。投げる方向の安全を確認してから投げましょうね?通りがかったボートや水上バイクなど
に直撃…なんてことにならないとよいのですが。

 投げる際はリーダーがトップガイドから出るくらい、できればジグが元ガイドにくるくらい垂らしを取ると遠心力を使って楽に、しかも遠くに投げられます。けれど
長く垂らしていると投げづらくありません?

 …ぺんでゅらむきゃすと?ええと、こうジグを前に振ってから後ろに持って行って…なるほど、これならしっかりジグの重みをロッドに乗せることができますね!


※ペンデュラムキャスト

 振り子のようにジグを振って、遠心力を利用するキャスト方法です。腕だけで投げるのではなく体全体を使って楽に投げることができます。力を込めて竿の弾力を引
き出すと飛距離は伸びますが…とっても疲れますし、糸が絡むなどしてキャストに失敗すると竿が折れてしまうこともあるのであまり無理はしないでくださいね?

 …ええとそれから、かなり広い範囲にジグを振り回すので、左右や背後の安全を必ず確認しましょう。特に青物が回ってくる季節の早朝などは同じ狙いの釣り人さん
で釣り場は混雑する場合があります。無理に割り込むのはやめましょうね?


アクション:ジグを投げたら…ええと、フェザリングをして、糸の出方を調整して…着水したら手を添えて糸の出方を調整していき…着底の確認が取れたら糸フケを取
ってアクションを開始します。竿を煽って(リフト)ヒラヒラとジグを落とす(フォール)リフト&フォールや、大きく竿をしゃくるジャーク、を組み合わせて魚を誘
います。これらはとても大変なので、…まぁ、楽なやり方があるのですか?ぜひご教授ください!


※ワンピッチジャーク

 一回シャクるごとにリールを一巻きするやり方です。ぽん、ぽん、ぽんっとリズミカルに行いましょう。何回かシャクったら落とす、またシャクって落とす…と言う
ことを繰り返してジグを回収していきましょうね。


※ただ巻き

 あら、ただ巻いてくるだけでよろしいのですか?…速いほうがよろしいようです。ある程度巻いたら止めて、落としてあげるとよいのですね。これも何度も繰り返し
て行いましょう。


 メタルジグはよく沈むルアーですから、全ての層を探ることができます。上の層を通したいときはぽんぽんと跳ね上げながら巻いてくるといいですね。海面に特にベ
イトの群れや魚の動きが見えないときは一通り全ての層を通してみましょう。

 もし何かに追われているベイトの群れや、追っている魚が作り出す波紋、あるいはバシャバシャと跳ね回るベイトや魚が見えるときはそこを少し通り過ぎるくらいに
投げて、その中を通してみましょう。餌に夢中になって見境がなくなっていることが多く、釣れる可能性が高いんです!この状態をボイルやナブラと言うそうです。


やり取り:魚が食いつくときはググッっと引っ張られたりごつんっ!と手ごたえがありますので、遠慮なくグッと合わせてしまいましょう。魚が走り出してドラグがど
んどん出て行っても気にせず巻き続けてください。とにかく糸を緩めないように、タックルとラインの強度を信じて頑張りましょうね!合間にもう一度強くアワセを入
れてあげると針の外れる危険が少なくなります。これを「追いフッキング」と呼ぶようです。


 フィッシュイーターの魚はどれも、ジグがひらひらきらきらと舞い落ちる様にとっても弱く、また速く巻いたり落としたりすることで吟味する暇を与えず反射的に食
いつかせる事ができるという利点もあるそうです。また、他の種類のルアーと違ってシルエットが小さくなるのも有利なポイントですね!

 ですがこの釣りの一番の魅力と言うのはなんと言ってもその飛距離!日の昇る水平線に向かって思い切りフルキャスト…ともするとどこまで飛んだかわからなくなっ
てしまうほどで、その小さなジグに強烈な引きの魚が掛かる…それも何が掛かるかわからない!一度体験すれば病みつきになってしまうことでしょう!


 …ふぅ、上手にお話しできたでしょうか?え?落ち着いて?そんなに興奮しているように見えますか?…すぅ…はぁ…


…さてさて、番外編もこれでおしまいです!まだまだ楽しい釣りはたくさんあるのですが…>>1がやったことのないもの、釣れたことがないものは紹介を控えさせていた
だきました。このようなSSかどうかも怪しいものを最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました!


釣りやってみたくなった

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