渋谷凛「シャイニーナンバーズのゲスト…か」 (53)




あるとき、彼女が放った言葉。

―――うん。楽しい。プロデューサーがくれる仕事は、みんな楽しいよ。

―――――もちろん、歌の仕事が一番嬉しいけど。

俺の持ってきた仕事に笑顔と成果で応えてくれる彼女のためにも
この笑顔だけは守らなくてはいけない。

全てに代えても守る、俺はそう誓った。

誓ったはずだった。




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総選挙の結果発表から数週間後、
渋谷凛を担当する俺の元へとある仕事が舞い込んできた。

『総選挙上位メンバーによるラジオ企画へのゲスト出演の依頼』

全くふざけた話だ。

うちの凛は14位、これでは見世物ではないか。

『仮題:シャイニーナンバーズ 第四回 パーソナリティ森久保乃々』

なるほど。

『単独での進行の困難が予想されるため、進行の委任とその詳細を記載する』

そうか。

『今回の順位に対する気持ちは?』

まぁ、総選挙絡みのラジオだ。聞かなくてはならないのだろう。

『今回、他の上位アイドル数名とCDデビューするにあたって、その気持ちは?』

………。

出演に際しての資料を読み進めていけばいくほど怒りは増していく。

本当に、無神経にも程がある。


この仕事は総選挙絡み、つまるところはうちのプロダクションからの直々のオファーということになる。

だから、断り辛い。…とでも俺が思うと考えたのだろうか。

事務所からの評価など端から、どうでもいい。

俺は俺が…俺と凛が楽しく仕事ができる環境を守りたいだけだ。

無論、突っ返す。今すぐにでも突っ返す。

そう思って、荒々しくデスクから立ち上がったその瞬間、事務所のドアが開いた。

「おはようございます」

凛だった。

凛は俺に気付くと事務所に入り他の社員に軽く会釈をしながら、俺のデスクまでやってきた。

「プロデューサー、おはよう」

「…おはよう。早いな」

「うん。今日の段取りは頭に入れてあるから問題ないんだけど」

「だけど?」

「その辺で時間潰すのも、めんどくさかったからプロデューサーのとこに来たってわけ」

「なんだそれ。俺は喫茶店か何か」

「ふふっ、かもね。それで、今日はプロデューサーが付き添ってくれるんでしょ?」

「まぁ、新規で取ってきた案件だからな。挨拶も兼ねて」

「…じゃあお仕事の時間まで、ちょっと付き合ってよ」

「んー、まぁいいか。そうだな。いつものとこにでも行こうか」


その後、俺達は事務所から少し歩いたところにある喫茶店へ。

いつもなら弾むはずの道中の会話は俺の心情のせいか、あまり軽快とは言い難かった。

そして、店に到着し、からんころんと鳴るドアを開けと
「いらっしゃいませ、…2名だよね」と、顔見知りの店主が迎えてくれた。

「ええ。いつものでお願いします」

「あ、待って。すみません。私は今日はちょっと甘いのが欲しいです」

「ん。了解、じゃあ凛ちゃんにはアイスココアとかどうだろう」

「じゃあそれで」

「よっしゃ。それじゃあ腕によりをかけて淹れちゃうよ」

「「ありがとうございます」」

同時にお礼の言葉を受け取った店主は「仲良いねぇ」なんて言いながら奥へと入っていった。


「ここ。おいしいし店長さんもいい人なのになんで流行らないんだろうね」

「流行っちゃったらいけなくなるけどな」

「それもそっか」

飲み物を待つ間、そんな失礼な会話を繰り広げていると
銀のトレンチに2つのグラスと何やらパイケーキのようなものを乗せた店主がやってきた。

「お待たせ」

「あれ、それって…」

「うん。これはサービスだよ」

「いや、いつもよくしてもらってるのにそんな申し訳ないです」

「…実はね、これね。うちのカミさんが自信作だから持ってけってうるさいんだ」

「ははは、本当にすみません。お言葉に甘えていただきます」

「押し付ける形でごめんね。味は保証するよ。それじゃ、ごゆっくり」

「「ありがとうございます」」

またしても重なる言葉を店主は「ホントに仲が良いねぇ」と冷やかすと、そのまま奥へ入っていった。

こんな感じで、ここの店は基本フロアに店員がいない。

店員と言っても店主とその奥さんだけなのだが。

毎度毎度、食い逃げ被害などに遭ってはいまいかと心配になるが今まで一度もないらしい。


俺と凛は運ばれてきたアイスコーヒーとアイスココアに口をつける。

ああ、おいしいなぁ。暑い時期にはやっぱりアイスコーヒーだよな、と思った。

凛の方も丁寧にホイップの立てられたそれを口に付け、
にへぇと笑っているところを見るとどうやらおいしいらしい。

「…おいし」

笑みでは抑えきれず口からも零れたようだった。

「プロデューサー、これ。アップルパイかな」

「たぶん。熱いうちに食べようか」

「そうだね」

そう言って二人して、フォークを入れると
パイケーキはさくっという小気味の良い音を立てる。

そうして、切り分けたそれを口に運ぶと自然と笑みが零れた。

「うまっ」

「ふふっ、ほんとにおいしいね」


間もなく俺と凛の皿は空になった。

「おいしかったね」

「ああ、後でお礼言わなきゃな」

「そうだね。………それで、さ」

相槌を打った後、急に凛は装いを正す。

「どうした。また改まって」

「プロデューサー、今日イヤなことあったでしょ」

情けなくて、泣けてくる。

どうやら担当アイドルに、見透かされていたようだ。

そうか。凛は俺の気分転換を図って誘ってくれたのか。

「……顔に出てたか?」

「ううん。普通だったよ」

「じゃあ、なんで」

「分かるよ。自分のプロデューサーだし」

どうやら俺は凛の前では今後隠し事は出来ないらしい。

対立煽りのために書いてるのか?


「それ、で。イヤなことあったんだよね? 話してみなよ」

凛はそう言った後に、「どうせ私のことでしょ?」と付け加えた。

隠すのはもう無理だな、と悟った俺は観念して全てを凛に話した。

仕事のこと。それから、俺がどう思ってるかについて。

凛は俺が全部を話し終わるまで、口を挟むことはなかった。

「……そっか。ありがとね」

全てを知った凛は少し寂しそうにそう言った。

「…だからな。この仕事、突っ返そうと思うんだ」

「…プロデューサーは突っ返したいんだ」

「ああ。もちろん」

「…私が、やるって言ったら?」

「だめだ。許可できない」

「私が傷つくから?」

「…………」

「やる。私やるよ。その仕事。私は大丈夫だから」

そう言って凛は息を大きく吸い込んだ。

「もう、心配しないでって。大丈夫。私には世界一の魔法使いがついてるからね」

震える声で言ったところで説得力ないだろうに。


***



喫茶店で凛とアップルパイを食べた日から数週間が過ぎた。

ラジオの仕事は、結局受けた。受けてしまった。

そして、今日はその放送当日。

凛をスタジオに送ると、そのまま俺はスタジオの駐車場に車を停め車内でラジオに耳を傾けていた。

『…始まってしまった。無理です、無理。パーソナリティなんて森久保にはむーりぃ』

森久保乃々さんの高めの悲鳴と共にラジオが始まった。

ラジオから流れてくる凛の声は普段のものよりも、優しく宥めるような声だった。

おっかなびっくりの森久保さんを一つ一つ、誘導していくさまは流石とさえ思った。

ラジオは台本通り、進行しとうとう質問コーナーの時間となる。

『今回の総選挙についての感想。
卯月ちゃん、楓さん、三船さん、芳乃ちゃんとのCDデビューについての感想を教えてください
ってことだけど、まずは総選挙の結果についてはどう?』

『結果を見たときは何の冗談かと思いましたけど
そして今は引きずり出されて吊し上げられた森の動物のようなそんな気持ちです』

『え、えっと。嬉しく、ないの?』

『あの、どう受け止めたらいいのか森久保には荷が重い順位ですし』

『……んー、難しく考えなくていいと思う』

『さっき言ってたじゃない。応援してくれた人にはお礼を言わないと、って。
その気持ちを伝えたらいいんじゃない?』

やはり、酷ではないだろうか。

どれだけ望んでも手に入らないものを、引きずり出されたなどと言われては。

それでも、凛は声の調子を変えることなく先輩として、アイドルとしてアドバイスをする。

彼女の精神をただただかっこいい、素敵だと思った。


『それじゃあ、卯月たち4人と一緒のCDデビューについては?』

『むーりぃ』

…言葉が出ない。

当事者ではない自分がここまで心を痛めているのだから、凛の気持ちは計り知れない。

にもかかわらず、声音を乱さず平静を装い後輩をサポートする彼女はプロフェッショナルという他なかった。

断言する。間違いなく俺の担当アイドルは世界一だ。

そう言い切れるだけの仕事をしていると思った。


『じゃあ乃々、最後を締めてくれる?』

『終わりの言葉は私の憧れの言葉です。みなさんがこれからもずっとずっときらきらの魔法につつまれますように』

『せーの』

『ばいばーい』

『あ…ばいばい』

『ふふっ』

こうして、放送は無事終了した。

さぁ、迎えに行こう。

自慢のアイドルを。

世界で一番頑張ったシンデレラを。



おわり

いやいやいや
ここで終わるのかい

こういう見方も自分は面白いと思うけど、ここで終わらせたら単に僻みでしかなくなっちゃうやん…
収録後の乃々と凛のやり取りとか、Pの心境の変化、次の選挙に向けての二人の意気込み、書こうと思えば幾らでもあるでしょうに…

話運びは普通に良いと思ったから、言い方は嫌らしいけど敵を作らない書き方ってのを頭に入れたほうが良いと思うよ
二次創作って単に書きたい作りたいだけじゃなくて、原作では満たしきれなかった読み手のニーズに応えるってのも重要だと思います

ワイが森久保好きになれん理由がここにある
無神経なんだよな森久保

まあシャイニーナンバーズでは総選挙を経て少し前向きになった森久保、みたいなのももう少し描いてくれると期待してたからそういう意味では>>1の気持ちも理解は出来る
でも凛はCGの余裕というか、お姉さんな一面が見れて自分は素直に嬉しかったよ

蒼いのを持ち上げるのにボノノさんを落とさんでもええやろ

周子Pに殴り飛ばされるぞ

周子凛森久保Pです

捻くれた感情を吐露しただけの三流ssやな

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」 
↓ 
信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか? 
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ 
いちいちターキー肉って言うのか? 
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」 
↓ 
鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。 
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋 
↓ 
信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw 
んな明確な区別はねえよご苦労様。 
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」 
↓ 
>>1「 ターキー話についてはただ一言 
どーーでもいいよ」 
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです 
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ! 
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469662754/)


余談
7 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:06:48.44 ID:10oBco2yO
ターキー肉チーッスwwwwww
まーたs速に迷惑かけに来たかwwwwwwwww

9 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:12:33.84 ID:LxY8QrPAO
>>7
はいNG設定


この速さである
相変わらずターキー肉くん=>>1という事を隠す気も無い模様

31 ◆xmciGR96ca4q sage saga 2016/07/28(木) 12:50:19.79 ID:g6WSU+sH0
昨夜寝ぼけてスレ立てミスったんで憂さ晴らしも兼ねて久々のロイミュ飯でした。書き溜め半分残り即興なんで色々アレかもしれませんがアレがアレなんでアレしてください何でもシマリス(熱中症

建てたら荒れると判ってるスレを憂さ晴らしに建てる
つまり>>1は自分の憂さ晴らしにs速を荒らして楽しんでる

うーん、いつも通りのクズ>>1で安心するわー

もうちょっと書き方あるやろって感じ
二次創作とはいえ人に見せるんだぞ、森久保Pも見る可能性あるのに

これだから南条…じゃなく渋谷Pは…

いくらなんでも独りよがりな考えすぎない?それが書きたかったんならいいけどさ

他にも凛のSSで結構面白いの書いてた人だよね
でもこれ読んでると自分の担当さえ良ければ他のアイドルなんかどうでもいいってこととしか思えないんだけど

つまり何が言いたいかと言うと>>14の前半だな
ここで終わると勝手にPが怒って盛り上がって納得して凛を絶賛するだけの独りよがりな話で終わるだろ
書きたい事を書けばいいんだから読者に気を回しすぎる必要はないけど、二次創作なんだから題材に
使わせてもらってるキャラクターは大事にしないと

上の順位の人間が自分のいる位置を冗談でも「嫌だ」とか言ったら下は腹立たないわけないんだよなぁ
叩いてる奴はそこを分かって言ってるのか?

だからその結果自分のアイドル上げるために他のアイドル貶しめるようなことしていいのかって話だろ

別にいいだろ。誰だって自分の担当が一番大事だ

>>26
今回の総選挙で

少なくとも>>1が森久保が大嫌いだってことは分かる

>>26
そりゃそうだし反発も当然だとは思うけど、それとこれとは話が違くない?
嫌だと思ったからってこういうの書いちゃったらせっかく乃々を応援してきた人も嫌な気持ちだし、むしろ凛に対しても失礼な様にも自分は思うかなあ
書き込む以上みんなが読むんだってのも理解しといて欲しいよ、同じアイマスが好きな一人としては

自分の担当を森久保に置き換えて読んだら腹は立ってしまうよ

>>29ミス
今回の選挙では50位以内にも入らなかった娘が担当だが、自分を不甲斐なくは思っても森久保のことをそんな風に思ったことはないので当たり前みたいに書くのはやめてくれない

いや……こんなんで凛が好きだと言われても同じ凛Pとしてもちょっとお断りしたい
自分と凛のためならなりふり構わないっていうのは担当以前にPとしてどうかと思うから、もし作者さんがこんな考えをしてるなら一度考え直してもらいたいかな……

森久保辞めたいって言ってたのは初期のころだけで今は出来ないとは言うけどやりたくないとは言わないし逃げたりするけど投げ出したりしない
自分の夢とかではなく自分を応援してくれる人に応えるために頑張ってる子なんだよ

まぁ森久保本人がドラマ中に言ったことそのまんまだしなぁ
ピキッとくるアイドルは多そう


投下した後は何も書きこまないつもりでしたが荒れているようなので失礼します。

今回このSSを書いた動機に関してはこの人選に疑問を覚えたことで間違いありませんが
伝えたいこととしては「シャイニーナンバーズ内で渋谷凛が頑張った」という一点のみで他のアイドル達を貶める気は全くございません。

しかし、不快な思いをされた方がいるのも事実です。
それをここにお詫びさせていただきます。

森久保乃々さんのファン並びにプロデューサーの皆様への
配慮が足りず申し訳ございませんでした。以後気を付けます。

シャイニーナンバーズ内で頑張ったっていう内容にしたいなら、わざわざPが怒り出したり、凛も複雑な筈だ…みたいな描写にせんでもよかったのにわざわざ入れるあたり今回のナンバーズで森久保にイラついたからSSでそれをぶつけたようにしかみえんわな

まあ次はみんなが楽しめるSS書いてくれよな!

まぁ!なんて初代、二代目、四代目への配慮のないSSなんざましょ(クレーマー調)

推し(メン)って言葉が嫌いな俺には総選挙の順位を重く考える人が分からん
ガチャと応募券、CV付機会、そのキャラが好きという気持ちのついでのおまけ程度よ順位は

Cute以外は色んな子に声つけようって暗黙の了解みたいな物があるし順位は人気には直結しないと思うわ
森久保がすげぇ嬉しそうにしてたらキャラ的に違和感あるし凛もそんなことでイラつくキャラではないと思う

キャラクターとは言え人間なんだし
怒ることはあると思うんだけどな
聖人かなにかと勘違いしてないか

無理ならその席を空けろって内心思ってる子いそう
口に出すかどうかは別として

アニデレじゃないんだからそんな性格の悪い子いません

ゲスト出演なぞ出来ただけありがたいと思え
6~13位の担当が不満に思っててもおかしくない選出だぞ

どう読んでも独りよがりのPの森久保disでしかないぞ
そういうキャラが人気だってのになに僻んでんだ
なぜ荒れないと思ったのか不思議でならない

全てゲストを呼ぶ形にした運営が悪い
呼ぶにしても森久保の性格をよく分かってる輝子とかまゆとかにしとけばよかったのに

凛が頑張ったってのが書きたいなら何でこんな僻むような内容にしたの?
「嫌な相手との仕事でも頑張ったよ」って言われても感じ悪いだけ
あと、このPキモすぎ

他人を罵ってるのは全員のここに来て好きなだけやっててくれ

これはねーわ…
酉付いてなかったら対立煽りSSとしか思えなかった
>>1の過去作知ってるからそういう意図で書いたんじゃないだろってわかるが

稀にみる糞SSだな

ぼのの「不人気が必死wwこっちはアイドルとかやりたく無いのにww4位wwwwこれがww持つものとw持たざるものwwww」

タイトル見て、ギャグSSだと思ったよ

こんなんシリアスでやったらまずいやろって

ところが……

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