先輩「貴方と同じ未来をみたい」(13)

図書室

男「………………」ペラ

?「あの、隣いいですか?」

男「えっ?」チラッ

?「………………」ニコ

男(青いリボン、上級生かな)

男「はい、どうぞ」

先輩「ありがとう」スッ

男「………………」ペラ

先輩「………………」ペラ

───
──


男「………………」パタン

男「あの、一つ聞いていいですか?」

先輩「うん、何かな?」

男「どうして隣に座ったんですか」

男「席なら他にも空いてるのに」

先輩「んー、寂しそうだったからかな」

男「寂しそう?」

先輩「背中がしゅんとして寂しそうだったよ」ニコ

男「それで、隣に座ったんですか?」

先輩「うん」

男(………変わった人だな)

先輩「お名前聞いていいかな?」

男「えっと、男です」

先輩「男君、素敵なお名前だね」ニコ

男「あ、ありがとうございます」

男「先輩は良く図書室来るんですか?」

先輩「………わぁ」

男「??」

先輩「私のこと先輩って呼んでくれるの?」

男「青いリボンをしてるから、違うんですか?」

先輩「ううん、3年生だよ」

先輩「私いつも皆に年下扱いされるの」

男「そうなんですか…」

男(確かに背が小さいし童顔だし、リボンがなかったら下級生に見えるかも)

先輩「今、年下に見えるって思った?」ジッ

男「えっ…?!」

先輩「そうだよね、背も低いし幼稚だよね」ウル

男「いや、そんなことないですよ!」

男「その…先輩しっかりしてそうだし、お姉さんっぽいです」

先輩「………ほんと?」

男「は、はい」

先輩「………………ふふ」クス

男「先輩?」

先輩「必死にフォローしてくれてありがとう」ニコ

男「あはは…」

男「じゃあ、そろそろ行きますね」

先輩「うん、私は放課後に良くここに来るから」

男「そうなんですね」

男(俺と一緒だ)

先輩「また、明日ね男君」

男「はい、また明日」

───
──


ガチャ

男「ただいまー」

妹「お帰りなさい」

男「もう帰ってたんだ?今日は早かったんだね」

妹「うん、今日は卵が安い日だから」

男「そうなの?言ってくれれば買い物付き合ったのに」

妹「そんなに買ってないから大丈夫」

妹「お兄ちゃんは今日も図書室?」

男「うん」

妹「ほんと、お兄ちゃんは本好きだよね」

男「本を読んでると自分の世界に浸れるというか……癒されるからね」

妹「ふーん……。あ、そうだ、もう夕飯できてるよ。食べる?」

男「うん。食べよっか」

男「……」ペラ

妹「お兄ちゃん!食事中に本読むのは行儀悪いよ!」

男「ごめんごめん」スッ

妹「まったく……。図書室ならともかく家では気を付けてよね」

男「ごめんって」

男(図書室か……。そういえば今日、変わった先輩に会ったっけ)

男(また明日もいるのかな……)

翌日 

図書室


男(昨日の先輩いるかな……?)キョロキョロ

先輩「男君?」

男「わっ!?」

先輩「何やってるの入口でキョロキョロして?誰か探してるの?」

男「い、いえそういうわけでは……(先輩を探してたなんて言えるわけないよな)」

男「先輩は今来たところですか?」

先輩「そうだよ。掃除当番が長引いちゃって」

先輩「さて、今日も本を読もうかしら」

男「そうですね」

男「……で」

先輩「うん?」

男「何でまた俺の隣に座っているんですか!?」

先輩「あら?いけなかったかしら?」

男「いやそういうわけではないんですけど……」

男「ほら、向こう側の席空いてますよ」

先輩「私は別に男君の隣でいいわよ?」

男「でも近くに人がいると気が散ったりしません?」

先輩「そうかな……?私は気にならないけど」

男「ならいいんですけど……」

男「……」ペラ

先輩「……」ペラ

男(……やっぱり気になるって!)

キーンコーンカーンコーン


先輩「あら、チャイムね」

男「もうこんな時間か……そろそろ帰らないとですね」

先輩「そうね。続きはまた明日だね」

男「明日も来るんですか?」

先輩「私、本が好きだから。それに……」

男「それに?」

先輩「ううん。なんでもない。じゃっ、男君また明日ね」

男「あ、はい。また明日(何だろ?何か言いかけてたけど……)」

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