堂島ニーナ「私が見つけた最初の風」 (29)

※アイカツ! SSです
※地の文アリ
※書き溜めアリ
※時系列は第165話『ルミナス☆クリスマス』、全国ツアーのファイナルステージ直後
※次レスから本編スタートします! フフッヒ


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笑顔。

 笑う顔。

 私は自分が笑顔になれる時が好き。他人の笑顔を見るのが好き。それが私の原点にして目指すべき場所。アイドルとしてメチャ叶えたい夢です。

 笑顔の力はすごい。誰かが笑顔でいてくれれば元気になれる。元気になれば笑顔になれる。笑顔は連鎖出来るんです。だけど、全ての人が同じように笑えるわけではない。それもよくわかっています。

 笑いのツボは十人十色。同じことを同じ場所でやっても、全員が笑ってくれるとは限りません。笑ってくれたとして、笑い方だって人によって全然違う。豪快にガハハと笑う人。控えめにふふふっと笑う人。傍目には笑っていないように見える人。

 どの笑顔も素敵だけれど、やっぱり私が一番好きなのは弾けるような笑顔、見ているこっちもつられてしまうような、太陽みたいな笑顔です。それは、一種の才能だと思います。そんな笑いを引き出せるような人に、私はなりたい。いつかお笑いでも、アイカツでも皆を笑顔に出来るようになりたい。

 ニーナ「あっ」

 彼女に惹かれてしまうのは、常日頃からそう考えていたからなのかもしれません。テレビで初めて見かけた時から、その笑顔に釘付けになってしまいました。

 やわらかな雰囲気に、ふんわりとした綺麗な髪。メチャ可愛らしい顔にこれでもかと少女らしさを詰め込んだコーデ。

 ああ、どうやったらあんな笑顔になれるのでしょう。どうすれば、あんな笑顔に出来るのでしょう。

 あの人こそ、私の目指すべきアイドルだ。そう確信しました。だから今日、Luminasのファイナルステージに来たのは応援は勿論、実のところ少しだけ期待をしていたんです。スターライト学園の生徒である彼女を、直に見られるんじゃないかって。

 だから、特徴的な後ろ姿を見つけてしまった瞬間。声に出してしまいました。


ニーナ「天羽、まどかちゃん」

 笑顔の天才の名を。

 ああ、背中だけでも、スターライトの指定コートから覗く脚だけでも魅力的です。

まどか「あれ?」

 まどかちゃんが、こちらに振り向く。不味い、私の呟きが聞こえちゃったんでしょうか。

まどか「たしか」

 どうしよう、間違いなくまどかちゃんは私に気付いている。ケーキをお皿に乗せたままこっちに来てる! 考えなきゃ、どうすればいいのか計算しなきゃ!

まどか「なにわ天下一学園の」

 頭がこんがらがって計算出来ない……! ここは一番慣れ親しんだあれでいくしか――

まどか「堂島ニーナ先輩」

ニーナ「そそそそうやで、私が堂島ニーナやでー! 」ビヨーン

まどか「きゃっ」

 その時、まるでゆっくりと時間が流れているかのように見えました。

 ビヨーン耳を伸ばす手がまどかちゃんにぶつかって。よろけた彼女の手からお皿がこぼれ落ち。美味しそうなケーキが呆気無くひしゃげる。きっと3秒にもみたないその時間で、私は何もかもが終わってしまったような気がしました。

ニーナ「あ、ご、ごめんなさっ……ごめんなさい、ごめんなさあいうわあん」

 先程の比じゃないくらいに混乱して、もう本当にどうしていいのかわからなくて。気付けば私は子どものように泣き崩れてしまいました。だって、目の前にいるのはずっと憧れていたアイドル――天羽まどかちゃんなんです。『笑顔の天才』と呼ばれる彼女が大好きで、その笑顔に元気をもらっていました。なのに、私の所為でそれを曇らせてしまった。


ニーナ「ごめんなさい、まどかちゃん……ぐすっ、ごめんなさい」

まどか「もう、泣きたいのはこっちですよ」

 仰る通りです、なんて言葉は勿論出てこない。上手く話せない。

まどか「凛、悪いですけどこれ片付けておいてくれますか? 私は堂島先輩を」

凛「え、あ、わかった」

ニーナ「うえ? あ、あの?」

 まどかちゃんの細い腕が私を抱き起こす。ふんわりと、いい匂いがした。

まどか「ほら、行きますよ。皆見てますから」

 言われて、初めて気付く。近くの人たちがこちらに視線を向けていた。今はまだそれほど騒ぎになっていないが、このままだと折角大成功だったLuminasのジャパンツアーに泥を塗ってしまいかねない。

ニーナ「は、はい」


 まどかちゃんに手を引かれるまま、歩く。当然私がスターライト学園に来るのは初めてで、知らない景色ばかりです。ここがアイドルの名門、スターライト。けれど楽しむ余裕もありません。

まどか「悪いですけど、もう少し歩きますからね」

ニーナ「あ、はい」

まどか「…………」

 無言が痛い。まどかちゃんは、何処に連れて行くつもりなんだろう。

ニーナ「…………うう」

 少し前を歩く彼女を見ると、どうしても繋がれた手を意識してしまう。ずっとテレビの向こう側だった、憧れのアイドルと触れ合っている手。自然と、頬が熱くなった。

 涙もひいて、少しずつ冷静になっていく。それが余計に私の鼓動を速くしちゃっています。

アイカツやんけ!


まどか「入りますよ」

 立ち止まって、言う。

ニーナ「えっと、ここは?」

 あのまどかちゃんが私を見て名前を呼んでくれている。その事実に震えそうになるけれど、頑張って抑えます。私が粗相をしてしまった所為でこんなことになっているのですから。

まどか「学生寮です。まだ敷地内は人がたくさんいますし、取り敢えず私たちの部屋へ」

 私たち……確か黒沢凛さんと同室なんでしたよね。ちょっと、羨ましいです。馬鹿なことを考えている間に、再度まどかちゃんが立ち止まった。

まどか「ようこそ、私たちの部屋へ。特別ですよ?」

 悪戯っぽく、ウィンクをしてみせる彼女に、くらくらっときちゃいました。




 どうぞ、と言われてベッドに腰掛ける。ここで毎日寝起きしているのかと思うと、緊張してしまう。

ニーナ「えっと、さっきはすみませんでした。私がきちんと見ずにビヨーン耳を伸ばした所為で……」

 コートを脱いで隣に座った、まどかちゃんに頭を下げる。

まどか「そうですね、おかげでケーキが台無しです」

 ぐさっ

ニーナ「それに泣き出しちゃって……本当にご迷惑ばかりかけてごめんなさい」

まどか「そうですね、一気に疲れちゃいました」

 ぐさぐさっ

 うう、やっぱりまどかちゃんとってもストレート。私が全面的に悪いだけに何も言えないです。

まどか「ああもう、折角泣き止んでたのに……ほら涙拭いてください」

 差し出されたハンカチで、目元を拭く。ピンクの生地にレースがあしらわれたものだ。もしかしたら、Angely Sugar製のものなのかもしれない。なんだか彼女とはまた少し違う、いい香りがした。


まどか「はい、じゃあそのまま目を閉じてじっとしていてくださいね」

 えっ?

 言うが早いか、まどかちゃんの右手が私の頬に添えられる。思わず目を閉じた。

まどか「ふふっ、いい子ですね」

 指が、執拗に両頬、目元を撫ぜる。何かを塗られてるようです。

まどか「ちょっと目も触りますからね」

 言った通り、目蓋にも何かを塗りこむ。今度はペンのようなものでなぞられている感覚だ。

 ああ、もしかして、この人は。

まどか「はい、目を開けてください」

 見ると、右手にはマスカラが握られていた。


まどか「睫毛を整えますね」

 てきぱきと動く彼女の手から、目が離せなかった。

まどか「よし、と。後は自分のリップを塗ってください」

 それから、星のタトゥシールが剥がれかかってますよ、と耳打ちしてくれた。ぞくぞくした。

ニーナ「有難うございます、いっぱい迷惑かけて、その上メイクまでしてもらって」

まどか「アイドルですからね。今日は先輩たちの取材にマスコミの人たちも大勢来てましたし、涙の痕くらい隠しておきませんと」

 無邪気に笑う。

 その顔は果たして、テレビで見た通りでした。私が焦がれた、あの笑顔です。

ニーナ「やっぱり、笑顔の天才ですね。まどかちゃ――天羽さんは」

まどか「有難うございます。まどかでいいですよ」

 今度は少し首を傾げて微笑む。そんな仕草もどうしようもなく魅力的だ。


まどか「それで、どうして泣いちゃったんですか?」

 普通あんなことぐらいであそこまでなりませんよね、と問いかける。

ニーナ「えっと……」

 思わず口ごもる。大好きなアイドルに、貴女のことが好きだから、なんて言えるだろうか。

まどか「本当は、そこが気になって先輩を連れ出したのもあるんです」

ニーナ「私にもよくわかりません」

 けれどもしこのまま口を噤めば、

ニーナ「ただ私、ずっとまどかちゃんに憧れていたんです」

 それは自分自身に背くことになると思いました。

ニーナ「私は、皆を笑顔にしたくてアイドルになりました」

 だって、

ニーナ「私に笑顔を気付かせてくれたお笑いとアイドルのように」

 今目の前にいる人―まどかちゃん―を笑顔に出来ないだろうから。

ニーナ「だからね、まどかちゃん。私は天羽まどかというアイドルが大好きなんです」

わお!


 誰にも真似できない最高の笑顔で、ファンの皆さんを笑顔にする貴女が大好きなんです。

 だからこそ、悲しかったし、悔しかったし、情けなかった。私がこの手でまどかちゃんの笑顔を曇らせてしまったことが、許せなかった。

 私の目指すアイドルは、皆をまどかちゃんみたいな最高の笑顔にする存在なのに。これじゃああべこべです。

 そんな考えが頭のなかでぐるぐると回って、気が付いたらあんな状態になっていました。私の力不足が原因です。鉄板ネタであるはずのビヨーン耳で失敗するだなんて、メチャ有り得ません。

まどか「そこまで私のことを思ってくれているなんて、なんだか照れくさいです」

 私も照れくさい。こんなこと本人にぶちまけるだなんて。

まどか「堂島先輩って、あかり先輩が言っていたみたいに努力家で、色々考えていて……とっても可愛いんですね」

 ああもう、顔から火が出そうです。

まどか「実は私もずっと堂島先輩のこと、気になってたんです」

 嘘。そう口から出そうになる。


まどか「あかり先輩や凛や、ファンの皆さんは私の笑顔がとても素敵だって、笑顔の天才だなんて言ってくれます」

まどか「でも私は無意識にやっていることですし、褒められるのは悪い気しないですけど、なんだか変な感じがするんですよね」

まどか「だから堂島先輩の話を聞いた時、すごいなって思いました。人を笑顔にしたいと願う、先輩のことを」

まどか「実際に先輩のアイカツを見て、笑顔になりました。お笑いもライブも、素晴らしかったです」

ニーナ「ま、まどかちゃんにそんなこと言ってもらえるなんて光栄です!!」

 少し早口に言ってしまう。仕方がないじゃないか。ここは相部屋とはいえまどかちゃんの部屋で、まどかちゃんのベッドに二人きりで隣同士座っていて、それでお互いに告白みたいなことをして。

まどか「これじゃあどっちが先輩かわかりませんね」

 なんて言って笑う。


 ああ、どうしてこの人はこんなにメチャ可愛いんでしょうか。

ニーナ「なんならまどか先輩って呼んじゃいましょうか……やで!」

 ああもう、何言ってるんでしょう。自分でもよくわからなくて、似非関西弁に逃げてしまいます。

まどか「ふふ、だったらお姉さまとかどうですか。私ちょっとそういうの憧れてたんです」

 お、おおお、お姉さま!?

 よくわからないけれど、なんだかとっても危険な響きがする。

ニーナ「まどか、お姉さま?」

まどか「ああん、堂島先輩、最高に可愛いですよ」

 まどかちゃんが自分の身体を抱きしめて身悶えする。なんだか変な気分だ。

ニーナ「お姉さまなんですから、私のことも名前で呼んでください」

 その熱に浮かされて、自分の欲望を出してしまう。まどかちゃんと、もっと近付きたい。仲良くなりたい。

まどか「それもそうですね。じゃあ……ニーナ、ちゃん? ニーナ……うん、ニーナ。こっちの方がしっくりきますね」

 私の下の名前をまどかちゃんが連呼している。もうそれだけで幸せ。


まどか「ニーナ」

 まどかちゃんの右手が、私の左手と合わさる。

ニーナ「はい、まどかお姉さま」

 私の右手が、掛布団の上に置かれた左手へと這う。

まどか「ニーナ」

 距離が縮まる。

ニーナ「はい、まどかお姉さま」

 手に伝わるぬくもりが愛おしい。長い睫毛が蠱惑的だ。大きな瞳が可愛い。綺麗な髪が香る。白い肌に吸い込まれる。このままだと気が狂ってしまいそう。

 ケーキの時とは違う意味で、時間がゆっくりに感じられた。もしかしたら、本当に時が止まってしまっているんじゃないだろうか。そんな気すらしてしまいます。

 でも確かに、この胸は鼓動を止めていない。それどころか加速する一方だ。

 ただお互いを見つめたまま、名前を呼び合って。そんな空間に変化をもたらしたのは、彼女からでした。


まどか「やっぱり、私が塗っていいですか?」

 何をですか、と訊き返す。

まどか「リップですよ。持ってますよね」

ニーナ「あ、はい」

 少し名残惜しいが、繋がっていた左手を離してブレザーのポケットを弄る。

ニーナ「どうぞ」

まどか「有難うございます」

 コンビニで売っているような安物の色付きリップだ。こんなことならもう少しちゃんとしたものを買っておくんでした。

まどか「んっ、甘すぎない良い香りですね」

 重ねていた左手を私の唇へとやり、右手でリップを塗る。指の動きを妙に艶めかしく感じてしまう。爪もメチャ綺麗だな、なんて思ってしまいました。

まどか「発色もまあまあですね、やっぱりニーナは可愛いです」


 こんなにドギマギしているのに、まどかちゃんはいつもの余裕の笑顔。少しだけ悔しい、のかもしれません。

まどか「どうしたんですか。お顔、真っ赤ですよ」

 意外と鈍感です。それとも、わざとなのか。

ニーナ「ずるいです、私はメチャ心臓バクバクなのに。まどかお姉さまは澄ました顔で」

まどか「そう見えますか?」

 ほら、そうやって小悪魔みたいな笑みを見せちゃうんですから。

まどか「じゃあ、確かめてみます?」

 そのままの表情で、まどかちゃんが私の右手を取る。ゆっくりと、胸の前へと誘導する。


ニーナ「あっ」

 思わず間抜けな声が出た。

 空いている左手で、まどかちゃんは制服の釦を外していく。

ニーナ「えっ、えっ」

 そうして、私の手はあれよあれよという間に彼女のブラウスの上に置かれていました。

まどか「どう、ですか」

 心なしか、やや顔が上気しているように見える。瞳も潤んでいるような。でもそれよりも、

ニーナ「とっても、速いです」

 布越しに伝わる心臓が脈打つ様子に驚いてしまいました。

まどか「私だってドキドキしてるんですから」

 十分過ぎるほどにそれは伝わった。


まどか「こんなことしたの、初めてなんですからね」

 そっぽを向くほっぺたが愛くるしくて、触りたくなります。

まどか「あ、つついて遊ぶのやめてください!」

 柔らかいなあ。もちもちしていて、ちょっと気持ちいい。

まどか「聞いてるんですか!? 私お姉さまですよ!」

ニーナ「でも私の方が先輩ですからねえ……やで!」

まどか「もう、急に先輩に戻るなんてずるいですよニーナは」

ニーナ「最初からメチャ先輩です。まどかお姉さま」

まどか「ふふっ」

ニーナ「ふふふっ」

 自然と、顔がにやける。

 きっと、だらしない顔をしてるんだろうなあ。私の目指したものとは少し違うけれど、でもこれも笑顔に間違いない。

 だってほら。目の前の愛しい人も、メチャいい笑顔なんですから。




ニーナ「色々有難うございました」

 本当はずっとここにいたいけれど、そんなわけにはいかない。明日には大阪に戻らないと。

まどか「メール、しますね」

ニーナ「はい! キラキラッターも相互フォローになりましたし、いつでもどうぞ。私もメチャ送っちゃいます」

まどか「楽しみにしてますね」

 今日、スターライトに来て良かった。改めてそう思う。

 Luminasとの『出会い』が、思わぬところで新たな縁を結んでくれた。運命的な偶然で、天羽まどかちゃんに出逢えました。これがたったひとつのはちみつ色の奇跡、なんてね。

ニーナ「ほんまおおきに! また絶対会いましょうね……やで!!」

 そして再会する時は、もっと成長した私を見せてやります。お笑いもメチャ計算して、アイカツもメチャ特訓して、必ず日本一のお笑いアイドルになります。まどかちゃんみたいな笑顔で、世界中を満たしてやるんです。

 だから、まどかちゃん。

 スターライトクイーンカップ、頑張ってくださいね。

 私の熱いお笑いアイドル活動、アイカツ! みーんな笑顔にしちゃいますよ……やで!




 堂島先輩が出て行くのを見計らって、部屋に入る。

まどか「凛、待っててくれたんですか?」

凛「私が入っていいのかわからなかったしね」

 二人で部屋にいることは、まどかがアイカツフォンで連絡してくれたからわかっていた。けれど私も堂島先輩と顔見知りなわけではない。入るのは躊躇われた。

まどか「それで何も言わずにずっと待っていてくれたんですね。別に良かったのに」

凛「まどかはそうかも知れないけど、堂島先輩はわかんないじゃない」

まどか「ふふ、そうですね。凛のそういうところ好きですよ」

 うっ、この娘はまたそうやって。

凛「私はまどかのそういうストレートなところ……好きだけどちょっと苦手」

まどか「もう、だから好きですよー、凛」

 精一杯の嫌味も通じない。敵わないなあ、まどかには。


凛「それで、大丈夫なの?」

まどか「ニーナのことですか? ええ、問題ないですよ」

 ニーナ?

凛「まどかってさ、遠慮がなさそうで意外と壁を作るよね」

まどか「……?」

凛「私に対しても未だに基本丁寧語だし、下の名前で呼ぶ人だって実は少ないし」

まどか「凛?」

凛「なのに堂島先輩はもう呼び捨てなんだ。先輩も付けずに、呼び捨てなんだ」

 なんで私、こんなに機嫌悪くなってるんだろ。

まどか「もしかして、嫉妬ですか?」

凛「な、何言ってるの!!」

 そんな、嫉妬だなんて。誰が、誰に。


まどか「もう、可愛いなあ凛は。大丈夫ですよー、私の一番の親友は凛ですから」

 なんて調子のいいことを宣いながら、頭を撫でてくる。

凛「ふんっ」

 でも何故か、それがとても心地いい。さっきまでの気分はどこへやら。イライラが一気に消え去っていく。

まどか「でもね」

 ふと、まどかの手が止まる。

まどか「ニーナとももっと、メチャ仲良くなれそうです」

 その時の笑顔が、なんだかいつもと少し違う気がして。でもやっぱりいつも通りとても綺麗で。

凛「そっか……良かったね」

 有り体に言えば、

まどか「はい!」

 ムカついた。

おわり

以上です。お付き合い有難うございました。

もしよろしければ、ご意見ご感想など頂けると幸いです。



珍しい組み合わせだったがこれはこれでイケル!
ありがとうありがとう

乙やで!
かなコンビとは中々新しい
ニーナちゃんはフォトカツの台詞とか聞いてると絶対もうちょっと掘り下げできたキャラだと思うやで

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