友紀「ビールタチバナ」 (26)
オチ→題
友紀あり巴
お酒は20歳になってから
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<ダキュウハレフトマエヘ……
<キャッツ、ショカイニウバッタキチョウナリードヲマモリキレマセンデシタ
友紀「……っ」グビグビ
友紀「はーぁ?……何なの今日の小林のリード……」
友紀「ホント……相川がおかしいよ相川が……」グビグビ
ありす「……」
ありす「友紀さん」
友紀「んー……何?」グビ
ありす「キャッツに負けがこんでいるからといって、最近、飲み過ぎじゃないですか?」
友紀「……」
ありす「事務所内には私を含めて子供が多くいるんですから」
友紀「……」グビグビ
ありす「教育面であまりよろしくないのでは」
友紀「……」
ありす「……」
友紀「……」プシュ
ありす「無言で次の缶を開けないでください」
アカン
友紀「ありすちゃん、大人には色々とあるんだよ」グビグビ
ありす「きちんと返答してください……」
友紀「……ちょっとくらい許してよ」
ありす「……ストレス解消。大人の付き合い。そのような手段として酒があるのは分かりますが、友紀さんの最近の摂取量は目にあまります。減酒する、もしくは休肝日を作るべきです」
友紀「……あたしだって……飲みたくて飲んでるわけじゃないし……キャッツが勝てば……」グビグビ
ありす「……っ」
ありす「もういいです!まだ飲み続けるようならこのビール缶を持って行きますから!」サッ
友紀「あっ、そんな殺生な……って」
ありす「……!」
友紀「……どしたの、ありすちゃん。急に止まっちゃって」
ありす「ふにゃ」ポワーン
友紀「?」
ありす「うぅ……」フラフラ
友紀「ちょっ、大丈夫!?」ギュッ
ありす「むにゅう……」
友紀「まさか……気化したアルコールだけで!?」
<ガチャ
巴「なんじゃうるさいのぅ、テレビは譲ってやるから野球の応援は黙ってしろと言ったじゃろうが」
友紀「巴ちゃんいいところに!ちょっと助けて!」
ありす「ぴにゃぁ……」
巴「!?……どうしたんじゃ橘ァ!いや、ありすゥ!」
ありす「はぴはぴぃ……」
友紀「ありすちゃん、酔っぱらっちゃったんだよ!」
巴「お前のせいか!!」
友紀「ど、ど、どうしよう!」
巴「何をテンパっとるんじゃ!とにかく柳の姐御と千川の姐御に連絡せえ!」
☆
ちひろ「ーーー事務所内でのーーー子供達への影響ーーー軽率な行動をーーー大人としての責任を~~~」ガミガミ
友紀「……」シュン
巴「柳の姐さん、ありすは……」
ありす「……」
清良「これでひとまず、大丈夫」
巴「ほうか……よかった」
清良「……量としては問題は無いけれど、ありすちゃんはかなりアルコールに弱い体質みたいね。一応ちひろさんとプロデューサーさんに頼んで、病院に送ってもらいましょう」
清良「巴ちゃん、悪いんだけれど暫くありすちゃんを見ていてもらえない?」
巴「分かった。ウチがしっかりと見とるけえ、宜しゅう頼みます」
ちひろ「……というわけですから、来月の基本給からこれだけ差し引いてーーー」
友紀(こっちの方が熱心なんじゃ……)
ちひろ「何か?」
友紀「いえ何も……」
☆
巴「こってり絞られたようじゃの」
友紀「絞られたっていうか、搾られたというか……」
ありす「……」
巴「柳の姐御はツテのある病院に連絡を回してくれるらしい。アイドルだとこういう治療を受けるのも色々と大変なんじゃからな、自分の罪をしっかりと自覚しんさいや」
友紀「……はぁ」
ありす「……ん……」
巴「おぉ、ありす、大丈夫か?」
ありす「……友紀……さん……大丈……夫……」
友紀「……ぅぐ……」
巴「……」
巴「ミズキや安部の姐御達の注意より、今回の方が薬になったか?」
友紀「ん……」
巴「……相当堪えてるようじゃな」
友紀「……」
巴「一度ありすを『妹』と呼んだからには、もう少しシャンとしといてもらわんとな」
友紀「あー……懐かしいね。でも、今のあたしよりも、Coにはいいお姉さんがいっぱい……」
巴「……アホウ。ありすに姐御が増えたからといって友紀が姐御失格となるわけないじゃろ」
友紀「そうかなぁ」
巴「そういうもんじゃ。一度杯を交わしたからには、背を見てくれる限り女を見せるっちゅうのが流儀だと、ウチは信じとる」
友紀「交わしてはいないけど……そうだね、こんなあたしからでもまだ学んでくれるところがあるんだ」
ありす「…………」スースー
友紀「……ふー」
巴「……」
友紀「あたしらしくなかったかな、最近」
巴「急にどうした」
友紀「……ずっとイライラしてて、自分でもおかしいと思ってたけれど……」
巴「……」
友紀「ありすちゃんにまで心配させて、しかもお酒の管理も出来ずに酔わせちゃった……」
友紀「はー、駄目な大人だったなぁ、あたし」
巴「元からそんなもんだと思っとったが」
友紀「いや、輪をかけて駄目だったなぁ……と」
巴「……」
巴「ま……アレじゃ、主な要因は……キャッツが負けてたせいじゃろう」
友紀「そうだね……うん」
巴(ええんかいそれで……)
友紀「ちょっとここらで気合を入れ直して」
巴「ん?」
友紀「禁酒してみようかな」
巴「!?……随分殊勝な心がけじゃな」
友紀「もちろん、事務所内で……ね」
巴「あぁ、何か変なモンでも食ったかと思ったわ。……後、本来当たり前じゃろそれは」
友紀「当たり前のことを、当たり前にできることが何と難しいことかーーーってヤツだよ」
巴「小学生レベルじゃろうがソレは」
友紀「とにかく……みんな、変わろうとしてるんだよね。キャッツも、ありすちゃんも」
巴「……」
友紀「あたしもここら辺で、ちょっとフォームチェンジをしてみるのもいいかなって」
巴「……まぁ否定はせん、せいぜい頑張りんさい」
☆
ありす「……ん、あれ……ここは?」
巴「起きたけぇ」
友紀「……ありすちゃん、ゴメンね」
ありす「友紀さんに巴さん……?」
友紀「ーーーと、いうわけで……今、病院行きの車を待っているところなんだ」
ありす「そうですか……気化したアルコールで……」
ありす「心配させてしまって、ごめんなさい」
友紀「いや、それはあたしのセリフだよ」
巴(確かにそうじゃな)
友紀「……でね、ありすちゃん。今回のことで、あたしも思うところがあってね」
ありす「はい」
友紀「……あたし、事務所では禁酒することにしたんだ」
ありす「えっ!……それは、良いことだと思いますけど、急に止めるとストレスに……」
友紀「大丈夫、キャッツが負ける方がよっぽどストレスだから!!」
ありす「は、はぁ……?」
友紀「あたし、禁酒頑張ってみるよ!」
ありす「あの、巴さん」ヒソヒソ
巴「ん?」
ありす「私が寝てる間に、友紀さん、頭でも打ちましたか?」ヒソヒソ
巴「ウチも寝ていれば同じことを疑ったとこじゃが、ありすの思いはちゃんと友紀に伝わったんじゃよ。……多分な」
友紀「?」
<クルマヲマワシタノデ、アリスチャンヲツレテキテクダサーイ
巴「っと、千川の姐御じゃ」
友紀「じゃあ、ありすちゃん、あたしがおんぶして行くから掴まっててね」ヨイショ
ありす「いえ、もう頭もハッキリしていますし、自分で歩いて……」
友紀「ううん、ここはあたしに背中を見せさせてよ!」
ありす「……誤用じゃないですか、それ」
巴「いや、意外と……正しいのかもしれん」
ありす「え?」
巴「これからの行い次第じゃがな」
おしまい
乙
実によかった
乙!
乙、実に良いものを見せてもらった。
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