艦これシビルウォー(87)
大淀「大本営から通達!!」
大淀「深海棲艦の本拠地を制圧……」
大淀「戦争は…………終結しました!!我々の勝利です!!!」
提督「ついにやったか…!!」
大淀「艦隊が戻ります、今日は飲んで食べて騒ぎましょう提督!!」
提督「おう!赤城や加賀が喜ぶな」
提督「間宮さんや鳳翔さんも大変になる…俺も手伝うか」
大淀「えっ?提督も料理を?」
提督「ああ、じっと待っていられないからな、腕がなるよ」
大淀「提督のお料理…楽しみです」
提督「よし、やるぞ」
ーーーーーーーーーー
長門「戻ったぞ提督」
赤城「わぁ!凄い!美味しそうな料理がいっぱいですねっ!」
提督「みんなおかえり。さぁ、席に座ってくれ」
龍驤「こら赤城、つまみ食いすな」
鳳翔「はい、皆さん席に座ってください。」
大淀「提督から伝えたい言葉があるようです、皆さん席に」
ガタガタ
大淀「……皆席についたようですね……それでは提督」
提督「ああ」
提督「みんな、今日は本当に…本当に良くやってくれた」
提督「全ての鎮守府の提督、艦娘達との超大規模作戦……見事に大成功となった」
提督「この日……戦争は終結した」
提督「今まで長かったな…俺達は」
赤城「提督、提督早く早く」
提督「わかってる、空気読め赤城」
加賀「提督、私達のお腹は現在紛争中だわ、平和にして」
提督「お前らなぁ……」
大淀「ふふっ、では提督一纏めにお願いします」
提督「そうだな、おほんっ」
提督「みんながいてくれて良かった!!今日はいっぱい飲んで食べて騒げ!!!」
提督「乾杯!!」
「「「「「乾杯~~~!!!!」」」」」
提督「…頑張って良い演説考えたのに…」
吹雪「私達にそういうのは必要ありませんよ」
提督「吹雪」
吹雪「司令官の感謝の気持ちはわかっていますから、言葉は必要ありません」
吹雪「今日という日に乾杯!」
提督「ん、乾杯。」
大淀「提督は結構顔に出ますしね」
提督「え?そうか?」
吹雪「初期艦である私が一番見極めるの上手いんですから」
提督「ふーん」
大淀「あら、それは聞き捨てならないですね、提督と一番一緒にいる私を置いて」
吹雪「言いますね、やるんですか?大淀さん」
大淀「望むところです」
提督「おお、怖い怖い」
長門「この料理は提督が作ったのか?」
鳳翔「ええ、私が教えて…今や私より美味しく作るんですよ」
大和「今度私も教えてもらおうかしら」
赤城「提督ー!この料理もうないんですかー!?」
提督「はぁ!?もう完食したのか!?」
加賀「食べました」モグモグ
瑞鶴「食べながら喋るなんて行儀悪いわねっ!加賀さん!」モグモグ
翔鶴「瑞鶴…」
雪風「しれぇ!お料理美味しいです!!」
提督「そうか、良かった良かった」
赤城「提督!料理っ!料理っ!」
提督「あーわかった作るから待っていろよ」
加賀「やりました」モグモグ
大和「提督お手伝いしましょうか?」
提督「いや、今日お前達は頑張ってくれたからな、次は俺が頑張る番だ」
島風「提督!島風の速さ貸しましょうか!?」
提督「うん、じゃあ貸してもらうぞ…おりゃー」ナデナデ
島風「おぅ!?」
金剛「提督ぅーッ!私もシテくださいデース!!」
榛名「お、お姉様」オロオロ
ビスマルク「ビールもう一本頼むわ」
大井「ホント…“馬鹿騒ぎ”って感じね…」
北上「そうだねぇ…でもこういうのもいいんじゃない?今日くらいはさ」
大井「別に…嫌いとは言ってません……」
清霜「武蔵さん!食べ比べしましょう!」
陸奥「ち、ちょっと清霜ちゃん!?」
武蔵「ふっ、いいだろう受けて立つ」
大和「大人げない事はいけませんよ武蔵」
北上「賑やかでいいねぇ」
ーーーーーーーーーー
提督「ふぅ……」
吹雪「司令官、後片付けですか?私も手伝います」
提督「ん、悪いな」
吹雪「今日はお疲れ様です」
提督「こっちの台詞だっての」
吹雪「…」
提督「…」
吹雪「本当に、戦争は終わったんですね…」
提督「続いてた方が良かったか?」
吹雪「そ、そんな!……ただ」
吹雪「実感がわかなくって」
提督「徐々に慣れるさ」
提督「だがまだやる事は山程あるぞ」
提督「次は鎮守府のみんなが安心して暮らせるようにしなきゃいけないし」
提督「みんなの将来も考えなきゃいけない」
吹雪「…そうですね」
提督「これからもよろしくな」
提督「乾杯」
吹雪「…空のグラスですけど…それに今日何回乾杯するんですか」
提督「空っぽからまた始めるんだよ…みんなで」
吹雪「…」
吹雪「乾杯…」
提督「これからの未来に…」
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
ジリリリリリリリリリ
提督「…」カチッ
提督「ふあぁ~、昨日疲れてたからよく眠れたな」
提督「着替え着替え」
大淀『提督!!提督!!!』ドンドンッ!
提督「なんだ?大淀?慌ててどうした?」
ガチャ
大淀「提督!大変なんです…」
提督「なんだ?昨日の料理で誰か腹でも壊したか?」
大淀「それが…大本営が…」
提督「…!すぐに着替える、待っててくれ」
~執務室~
提督「それで?大本営に何かあったのか?」
大淀「この新聞を見てください」
提督「…………!!」
提督「“大本営が人体実験をしていた”…?」
提督「どういう事だ…これは」
青葉「どうやら大本営は隠れて人体実験をしていたようで」
大淀「深海棲艦や艦娘の生命力を人間に活用しようと何人も犠牲にしていたようです」
提督「…」
青葉「それだけじゃありません」バサッ
青葉「その人体実験の責任者の名前が司令官の名前になっているんです」
提督「…嘘だろ…」
吹雪「し、司令官はそんな事しませんっ!!」
大淀「わかっています」
青葉「大本営は司令官に全ての責任をなすりつける気でしょうね」
吹雪「そんな…酷い……!」
長門『お、おい一体なんなんだ要件を言え』
提督「…?」
ガチャ
憲兵「失礼する」
大淀「…何の用ですか」
憲兵「要件はわかっているだろう?」
提督「なるほど…」
提督「そういう企みか」
憲兵「わかっているようだな、抵抗すれば艦娘達がどうなるか」
憲兵「ご同行願おうか」
長門「なんだと!?お前……」
提督「長門」
長門「…!」
提督「後は頼むぞ」
長門「提督…!!」
提督「吹雪、大淀」
吹雪・大淀「!」
提督「これからやる事はわかっているな?」
吹雪「…はい」
大淀「任せてください」
青葉「…」
憲兵「…聡明な事だ。助かるよ」
長門「おい!何を納得しているんだお前達!」
ーーーーーーーーーー
部下「ああ、ああ、ご苦労だった」ガチャ
部下「元帥、提督を無事連行出来そうです」
元帥「そうか…もっと抵抗すると思ってたんだがな」
元帥「しかし、人体実験の事が世間にバレるとはな…うっかりしていた」
部下「なぜ彼に…?提督はたくさんいます」
元帥「決まっているだろう?彼が一番」
元帥「私の席に近いからだよ」
~鎮守府食堂~
長門「どういう事だ!!」ガシャン!
陸奥「長門、落ち着いて」
長門「我々の提督が人体実験をしていただと…!?」
長門「提督は365日ずっと私達といるんだぞ!そんな事出来るはずがないっ!」
赤城「そんな事皆わかっています」
武蔵「大本営は責任を取りたくないから提督に押し付ける腹積もりだろう」
瑞鶴「なによそれ最悪っ!」
翔鶴「これからどうしましょう…」
長門「決まっている」
長門「大本営から提督を救出するんだ」
加賀「ええ、そうしましょう」
赤城「待ってください」
赤城「今、鎮守府に攻め込めばますます大本営の思い通りになります」
武蔵「そうだな…艦娘にテロ行為を命令したと裁く事が出来る」
赤城「そうなれば提督は完全に帰る場所を失うだけじゃなく、他の鎮守府の艦娘にも迷惑がかかります」
赤城「艦娘は危険な兵器だと差別される」
陸奥「世間は提督の事を人体実験を指示した外道な人間と認識してるわ」
青葉「印象操作は得意ですからね、大本営は」
赤城「ですから話し合いで…」
長門「話し合いだと?そんな悠長にしている暇はない!!」
瑞鶴「そうよ!大本営が話し合いに応じるわけないわ!」
加賀「今すぐ提督を助け出すべきです」
吹雪「みんな落ち着いてください!!」
龍驤「…」
龍驤「大和はどっちや?」
大和「提督を助けるべきかと」
龍驤「せやね、うちもそう思うわ」
龍驤「大本営は信用出来へん」
島風「速く提督を助けようよ!」
雪風「雪風は、今は待つべきだと思います」
加賀「なぜ?」
雪風「みんな、冷静じゃないですから」
加賀「…」
赤城「その通りです、まずは交渉の手段を考えましょう」
翔鶴「私も赤城さんに賛成です、攻め込むのは反対です」
翔鶴「赤城さんの言う通り、大本営に攻め込めば一般人は艦娘を恐れ、追い出そうとする」
翔鶴「私達は人の形をした兵器ですから」
長門「そんな事知った事か」
長門「提督を失うくらいなら…」
赤城「わからない人ですね…話し合いという手段があるんですよ!!」
長門「わからんのはお前だ!大本営に話し合いなど通じない!!」
長門「あの大本営は何をするかわからん!提督を助けるべきだ!!」
長門「力ずくでも……!!」
赤城「冷静になってください長門さん…!」
長門「私は冷静だ、その上での判断だ」
加賀「私も、長門の意見に賛成だわ」
赤城「加賀さん…」
加賀「赤城さん、貴女だって提督を助けたいのでしょう?」
赤城「ええ、私だって助けたい…でも方法は他にあるんです」
長門「だからそんな暇は…」
ドォン!
「「「「!!」」」」
吹雪「みんな、落ち着いてください」
龍驤「いきなり撃つなや…」
吹雪「空砲です、こうでもしないと皆聞いてくれませんから」
武蔵「何か意見があるのか?吹雪」
吹雪「いえ、ただこのまま話し合っていてもダメだと思って」
吹雪「みんな今日は一旦休んで、明日に話し合って決めましょう」
吹雪「司令官を力ずくで助けるか、交渉して助けるか」
長門「…」
吹雪「一日で司令官の処罰は出来るはずはないですから」
長門「…わかった」
~大本営~
コンコン
憲兵『元帥、提督を連れてきました』
元帥「ああ」
ガチャ
提督「…」
元帥「ふん」
元帥「不機嫌そうだな」
提督「あんたの面見たおかげでね」
元帥「失礼な物言いだ」
提督「そっちこそ」
提督「粗末な企みだ」
元帥「…」
提督「一つ質問いいかな?」
元帥「何だ」
提督「何で俺を選んだんだ?」
元帥「貴様に答える必要はない」
提督「まっ、おおよそ俺が元帥の席に近いからだろうけど」
元帥「…」
元帥「…牢に閉じ込めておけ」
憲兵「はっ」
提督「あー、最後に一つ…予告しとこうか」
元帥「…予告?」
提督「あんたの面」
提督「近い内に殴り抜いてやるからな」
元帥「…負け惜しみを」
提督「それはどうかな?」
ーーーーーーーーーー
ー次の日早朝ー
~作戦室~
長門「皆集まったか?」
加賀「ええ、ちゃんと揃ってるわ」
瑞鶴「提督さんを助けるわよ!」
大和「いいんでしょうか…こんな赤城さん達話し合い派を騙すような真似」
龍驤「いや、赤城なら気付いてると思うで」
島風「えっ?」
金剛「たぶん戦う事になるデース…」
榛名「赤城さん達と…」
ビスマルク「提督を助ける前に、赤城達が立ち塞がるのね…Gut」
長門「まず、大本営の道へは三つある」
長門「一番近いルートを私、加賀、瑞鶴」
長門「二番目に近いルートを金剛、榛名、ビスマルク」
長門「そして一番遠いルートを龍驤、大和、島風で通り提督を救出する」
長門「各ルートに恐らくだが赤城達が待ち受けているだろう」
長門「あいつは…赤城は頑固な奴だ」
大和「味方同士で争うのね…私達」
長門「赤城の言い分もわかる、大本営に攻め込めば…私達は帰る場所を失う事になる」
長門「だけどそれでも、私は提督を助けたい」
長門「島風」
島風「おう!?」
長門「まだ若いお前には酷な戦いになる…済まんな…お前の機動力が必要なのだ」
島風「いいんですよ…提督は、私の友達ですから」
島風「絶対に助けるんだから!」
長門「頼もしいな…」
長門「さぁ、行くぞ出撃だ」
「ちょっと待ったーーー!!」
「「「?」」」
清霜「清霜も連れて行って!司令官を助けたい!」
長門「…」
清霜「長門さん!」
長門「酷な戦いだぞ」
清霜「お願い…!」
長門「…」
長門「いいだろう私に続け」
清霜「やったーー!よし!頑張るぞ!」
加賀「………いいの?」
長門「覚悟はあるようだしな」
長門「それより」
加賀「?」
長門「吹雪はどうした、あいつはこっちにつきそうなもんだが」
加賀「いえ、探したけどいなかったわ」
長門「そうか、まぁ気にしてはいられない…か」
長門「さぁ出撃だ!」
長門「大本営から提督を救出するぞ!!」
ーーーーーーーーーー
ザザーーン・・・
赤城「…」
翔鶴「…」
武蔵「緊張しているのか?翔鶴」
陸奥「無理もないわ」
赤城「…!」
赤城「来たようですね…」
翔鶴・武蔵・陸奥「「「!」」」
長門「そこをどけ赤城」
赤城「いいえ、どきません」
赤城「引いてください、長門さん」
長門「話し合いなどで、提督は助けられん」
赤城「力ずくで大本営に攻め込んだら、皆の帰る場所がなくなります」
長門「…加賀、瑞鶴…赤城と翔鶴を任せたぞ」
長門「清霜は私の援護で陸奥、武蔵だ」
加賀・瑞鶴「了解」
清霜「う、うん!」
長門「二手に分かれるぞ!」
バッ!
赤城「!」
武蔵「分断か」
赤城「翔鶴は私と一緒に加賀さん、瑞鶴の方へ」
赤城「武蔵さん陸奥さんは長門さん清霜ちゃんの方を頼みます」
加賀「こっちに来たようね…瑞鶴、あなたに姉が倒せるかしら」
瑞鶴「こっちの台詞よ、あんたの方こそあの赤城さんを倒せるの?」
加賀「…心配ないようね、援護なさい」バシュシュッ
瑞鶴「援護するのはそっちの方よ!」バシュシュッ
翔鶴「…全航空隊、発艦始め!」バシュシュッ
赤城「第一次攻撃隊、発艦してください!」バシュシュッ
長門「はぁっ!!」
ドコォ!
陸奥「っ!!」
武蔵「ふっ!」
ズドンッ!!
長門「ぐっ…!!」
武蔵「お前も迷っているようだな陸奥」
陸奥「…当たり前でしょ…味方同士でこんな…」ぐっ…
武蔵「一度決めた事だろう?なら、後には引けんさ」ちらっ
清霜「…!」ビクッ
長門「…!!清霜逃げろっ!!」
ズドンッ!!
清霜「うっ…あ………」ガクッ
長門「清霜っ!!」
武蔵「安心しろ、ちゃんと手加減した」
長門「…!」
武蔵「戦場では迷いのあるものから脱落していく」
武蔵「お前達が提督を助けようと必死なように」
武蔵「この武蔵、お前達を止める事に必死なのさ」
長門「…」
武蔵「2対1だが…遠慮なくいかせてもらうぞ」
武蔵「陸奥、迷うなよ」
陸奥「…ええ」
長門「ふーーっ」スッ…
長門「2対1だろうと私は負けない」
長門「ビッグ7の力、侮るなよ」
ーーーーーーーーーー
ザザザザザ
金剛「オゥ、この道は岩が多いデス」
榛名「座礁しないように気を付けなくてはいけませんね」
ビスマルク「待って!…誰かいるわ」
金剛・榛名「!」
北上「戦艦三隻確認だよ~こりゃキツイねぇ…」
大井「…そうですね」
ビスマルク「私たち相手にたった二人?しかも戦艦じゃないわ」
ビスマルク「さっさと動きを止めて先に進みましょう」バッ!
榛名「あっ!ダメですビスマルクさん!あの二人に不用意に近付いては…!!」
ズドドドドォーン!!
ビスマルク「くっ………な、何?何が起きたの?」
金剛「魚雷デスカ…」
ビスマルク「魚雷!?見えなかったわよ!?」
北上「この多い岩場」
北上「少し出ている霧」
北上「いつまで魚雷を避けていられるんだろうね~」
金剛「くっ…!」
榛名「一撃でも与えればこっちに勝機はあります!」
北上「出来たら…ねっ!」バシュシュシュシュッ
大井「はっ!」バシュシュシュシュッ
金剛「負けないデース!!バーニング、ラーブ!!!」ドォン!
榛名「提督を!助けるために!主砲!砲撃開始!!」ドォン!
ーーーーーーーーーー
龍驤「今頃みんな戦ってる頃やろか…」
大和「…」
龍驤「なに辛気臭い顔してんねん大和」
龍驤「…まぁ、気持ちはわからんでもないけどな…」
島風「二人共おっそーい!」
龍驤「って…こら島風ェ!!ちゃんと団体行動せぇや!!」
龍驤「みんな速く走れるわけちゃうで!!」
島風「…はーい」
島風「ん?」
龍驤「…?どうした島風」
大和「あっ!鳳翔さん!雪風ちゃん!」
鳳翔「…」
雪風「…」
大和「一緒に提督を助けに行きましょう!」
龍驤「大和」
龍驤「あんたは先に行きぃ」
大和「え?」
龍驤「島風は雪風を頼むで」
島風「うん。任せて」
大和「何を言っているんですか?鳳翔さんも雪風ちゃんも提督を助けようと…」
鳳翔「…」スッ…
大和「…!?鳳翔さんどうして弓を構えて…」
龍驤「ええから先行きぃ大和!!」
龍驤「鳳翔と闘り合えんのは、うちだけやろ」
龍驤「技術的にも」
龍驤「気持ち的にもな」
大和「…わかり…ました……」
大和「ご武運を…」
ザザザ
龍驤「…」
鳳翔「…」
龍驤「…」
龍驤「意外やな」
龍驤「鳳翔は…こっち来るん思てたわ」
鳳翔「…」
龍驤「てっきり司令官助けるもんやと、思てたわ」
鳳翔「私…」
鳳翔「私だって」
鳳翔「私だって提督を助けたい…っ!」
鳳翔「でも…約束したから…」
鳳翔「提督に…『もしもみんなが無茶したら止めてくれ』って…」
鳳翔「約束したから…」
鳳翔「約束、してしまったから…!!」
鳳翔「だから…!!」
龍驤「阿保か」
龍驤「何が約束や」
龍驤「みんなを止める?」
龍驤「だったら何で大和を止めんかったんや」
龍驤「だったら何でうちらを見つけてすぐに攻撃しなかったんや」
龍驤「約束やったら!!ちゃんと守りぃ!ド阿呆!!!」バッ!
鳳翔「…」
龍驤「…」
龍驤「なんやねん」
龍驤「弓引くなら、もっと憎たらしそうに引けや」
龍驤「弓引くなら、もっと震えを抑えぇや」
龍驤「なんで」
龍驤「今にも泣きそうな面で弓引いてんねん」
龍驤「ホンマに」
龍驤「やり辛いわ」ギリッ…
島風「雪風ちゃん、そこをどいて」
雪風「出来ません」
島風「提督を助けなきゃいけないの」
雪風「みんなを守らなきゃいけませんから」
島風「帰る場所がなくなっても、みんなでなら大丈夫だってば」
雪風「なりません、今は待つべきです」
島風「提督が酷い目に合うのを?」
雪風「事態が好転するまでです」
島風「そんなの…待ってられない」
雪風「耐えて耐えて耐え抜いて、その先に、きっと幸運は待っているんです」
島風「ダメだよ…」
島風「そんなんじゃおっそーい!!」
島風「もし、間に合わなかったらどうするの!?」
雪風「雪風は幸運です、だから…」
島風「バッカじゃないの!!?」
島風「そんないつ来るかもわからないおっそーいものより」
島風「島風が助けた方が速いよ!!」
島風「そこ、通してもらうよ!」バッ!
ドォン!
島風「…!」サッ
雪風「行かせませんから」ドォン!
島風「とっ!」サッ
島風「わかった、それじゃあ…」
島風「倒して行くからね!!雪風ちゃん!!」
ーーーーーーーーーー
長門「はぁっはぁっ」
ガッ!!
武蔵「どうした?動きが鈍くなってるぞピッグ7」
長門「たぁ!!」ボッ!
武蔵「」サッ
武蔵「はっ!!」バコンッ!!
長門「っ…!!」
武蔵「陸奥はダウンしてしまったようだが…この勝負私がもらった」
長門「くっ…」
ドォン!
長門・武蔵「「!!?」」
武蔵「私の脚に正確に砲撃を……?誰だ!?」
清霜「はぁっ…はあっ…げほっ」
長門「清霜…」
武蔵「…手加減しすぎたか…」
清霜「はぁ……」
清霜「かっこよくない」
武蔵「?」
清霜「今の武蔵さんは全然かっこよくない」
清霜「司令官が言ってたもん…戦艦はデカい強いかっこいいもの」
清霜「清霜は身長はデカくないけど心がデカければ戦艦なんだって」
清霜「一つでも欠ければ、戦艦じゃないって」
清霜「だから今の武蔵さんは戦艦なんかじゃない」
清霜「かっこよくなんかない!!!」
武蔵「…っ!!」
長門「今、迷ったな武蔵」
武蔵「しまった…!!」
ドコン!!
武蔵「ぐはっ……!!」
武蔵「このっ…!」
清霜「はぁっ!」ドォン!
武蔵「っ!?」(目をやられた…!!まずい…!)
長門「戦場は、迷いのある者から脱落していく」
長門「その通りだな」
バコンッ!!!!
武蔵「………!!」ドサッ…
長門「はぁ…はぁ……ナイス援護だったぞ清霜」
長門「もう立派な戦艦だな」
清霜「はぁっ…はぁっ…へへっ、もう動けないや…」
ーーーーーーーーーー
龍驤「…」
龍驤「随分呆気なかったわ」
鳳翔「…!!」
龍驤「うちの勝ちや、鳳翔」
鳳翔「なんで…」
龍驤「なんでやあらへん…わかっとるやろ」
龍驤「空の戦いは目が命、なのにあんたずっと」
龍驤「泣いてたから」
鳳翔「…」
龍驤「…」
龍驤「別に」
龍驤「鳳翔の行動は間違っとらん」
龍驤「だけど、惚れた男との約束はちゃんと守りぃ」
龍驤「中途半端が一番ややこしなる」
龍驤「うちは先に進むで」
龍驤「司令官を助け出す」
鳳翔「………うっ………うぅ……」
龍驤「泣くのも、別に悪い事ちゃう」
龍驤「でもどうせならその原因作った司令官にとっとけや、勿体無いで」
鳳翔「龍驤さん…」
龍驤「司令官の胸濡らすのにとっときぃ、男を涙で濡らすんわ出来るときにな」
島風「龍驤さん」
龍驤「島風、もうそっちも終わったんか?」
島風「うん」
島風「ずっと、迷っているようだった」
島風「自分の選択に」
龍驤「それでも、ボロボロやな島風」
島風「やっぱり強いよ雪風ちゃんは」
島風「もし雪風ちゃんが迷いなんてなくて戦ってたら負けてたかも…」
龍驤「怖いもんやなちびっこパワーは」
島風「…」
龍驤「ん?なんや?」
島風「龍驤さんもちびっこじゃないの?身長的に」
龍驤「やかましいわ!」
龍驤「っと、つっこんどる場合やなかった」
龍驤「先進むで島風!」
島風「うん!」
ザザザッ
ーーーーーーーーーー
ザザザザッ
大和「提督…!」
北上「こりゃまた大物戦艦だねぇ」
大和「!」
大和「北上さん…」
北上「ついさっき戦艦三隻食い止めたとこだったんだよねぇ」
北上「大井っちがあたしを庇って動けなくなったけど」
大和「北上さん…そこをのいてください」
大和「大和の砲では、貴女を沈めてしまう」
北上「脅しのつもり?…痺れるねぇ」
北上「それでも、のけないんだよ」
北上(提督に言われちゃったからね)
北上(「北上はゆるいようでしっかりしている、北上になら皆を任せる事が出来る」って)
大和「…戦うしか、ないんですね…」
大和「主砲。斉射、」
北上「もう遅いよ」
ズドドドドドドーーーーーン!!!
大和「…………なっ!!!」グラッ…
ドサッ
北上「魚雷はすでに撃っといたから」
北上「さて、次はどうしようかね、長門さんは今どこだろ」
ブーーーン!
北上「?」
北上「艦載機…?」
龍驤「大和がやられとる!北上がやったんか!!」
島風「北上さんも提督助けない派って事?」
龍驤「話し合い派って言えや!向こうも苦渋の決断したんやで!」
島風「北上さんは倒しちゃうの?」
龍驤「うちらが大本営に攻め込むのを止めよとするからな」
島風「それじゃあいってくる!」ザッ!
北上「駆逐艦がこっちくる…」
北上「マズイねぇ…」バシュシュシュシュッ
島風「島風には当たらないよ!!」サッサッ
北上「げっ」
島風「おっそーい!」ドンドンッ!
北上「いたっ!いたたっ!!」
島風「倒したよ!」
龍驤「お、おう流石やな」
島風「北上さんっておっそーーーい!!」
ザザザーッ
北上「…」
北上「はぁ…ピンポイントで足を破壊しますか…」
北上「そしてあの態度」
北上「やっぱ駆逐艦って…」
北上「ウザイ…」
ーーーーーーーーーー
ザザザザザッ
長門「…」
長門「…!」
長門「…」
長門「やはり最後に戦う相手はお前か」
長門「赤城」
赤城「…」
長門「すでに加賀と瑞鶴を倒したようだな」
赤城「ボロボロですね、長門さん」
長門「お互い様だ」
赤城「どうしても、大本営に攻め込むようですね」
長門「どうしても、提督を救出するのを止めたいようだな」
赤城「私はすでに言いました」
赤城「大本営に攻め込めば私達だけでなく他の鎮守府にまで迷惑をかけると」
赤城「引いてください!長門さん!!」
長門「私はすでにそれに答えた」
長門「あの大本営は何をするかわからん、今すぐ提督を助けるべきだと」
長門「そこをどけっ!赤城!!」
赤城「どうしてもと言うなら力づくでも止めます」
長門「皮肉なものだな」
長門「話し合いという手段があると言ったお前が、力づくとは」
赤城「貴女には、通じないでしょう…力づく以外」
長門「間違った認識だな」
長門「この長門を止められると思うか」
赤城「手負いの戦艦一隻、仕留められないとでも?」
長門「手負いの空母一隻、仕留めてみせよう」
長門「来いっ!!赤城!!!」
赤城「全機、発艦!!!」
長門「全主砲、斉射!て――ッ!!」
ーーーーーーーーーー
~大本営、地下牢~
提督「…」
ドコォン!
提督「!!」
「はぁ……はぁっ……いたか…」
提督「…随分ボロボロだな」
提督「長門」
長門「待たせたな提督」
長門「助けに来た、ここを出るぞ」
提督「ああ」
提督「と、その前に」
長門「?」
提督「ちょっとついてきてくれ」
~大本営元帥の部屋~
元帥「なんだ!?どうなってる!?」
ドコォン!
元帥「!?」
提督「…」スタスタ…
元帥「き、貴様…!」
提督「オラァ!!」
バキィ!!
元帥「ぐっは!!」ドガシャーン!
長門「おぉ」
提督「予告通り、あんたの面殴り抜いてやったぜ!」ビシッ!
元帥「ぐっ…貴様…」
提督「まだ意識があるのか?このっ!!」ドカッ!ドカッ!!
長門「お、おい提督…?」
提督「顔面を間抜けなイ級みたいにしてやる!!」バキッ!!バキッ!!
長門「や、やめろ提督!やりすぎだ!!」
提督「離せ長門!!」
長門「もうここを出るぞ!!ほら!」
提督「ちぃ!」
長門「…落ち着け、なっ?深呼吸しろ」
提督「ひっひっふー…ひっひっふー…」
長門「違う、それは深呼吸じゃない」
元帥「ふ…ふふ…」
提督・長門「!」
元帥「や、やったな…私を殴ったな?…こんなに……」
提督「お望みなら追加でもっとサービスしてあげようか?」ぐっ
長門「やめろ」がしっ
元帥「ふはは…これで貴様は完全に犯罪者だ…」
元帥「絶対に死刑台に送ってやる!!」
提督「それはどうかな?」
元帥「…?」
提督「もう一度、予告をしよう」
提督「近い内とはいかないが」
提督「そう遠くない内に、あんたの面、世間に流してやる」
提督「大罪人としてな」
元帥「…」
元帥「今度こそ、負け惜しみだ」
提督「だといいなぁ?元帥殿」
提督「長門、ここを出るぞ」
長門「あ、ああ」
龍驤「司令官っ!」
島風「提督っ!!」
提督「龍驤、島風お前達も来たのか」
提督「島風はボロボロだが龍驤は無傷なんだな」
提督「長門もボロボロ…まさか喧嘩したのか?鎮守府の誰かと」
龍驤「まぁな」
提督「というと…赤城あたりかな、止めそうなのは」
長門「その話は後だ、早く鎮守府に帰って……」
島風「その後どうするの?」
長門「…」
長門「えっ…と…」
提督「考えててなかったのか…」
長門「う、うるさいっ!提督を助けるのに必死でそこまで頭が回らんかったのだ!!」
提督「地図は持ってるか?」
長門「ああ、持ってるが…」
提督「貸してくれ」
バサッ
提督「…」
提督「ここに行けるか?少し遠いが」
長門「…?」
長門「行けるが……そこは島も何もないぞ」
提督「そう思うだろ?」
龍驤「なんかあるんか?」
提督「行ってみればわかるさ」
長門「わかった、何か考えがあるんだな?」
長門「そこに行ってみよう」
ーーーーーーーーーー
~とある島~
長門「ここは…」
龍驤「なんや島があるやん…」
島風「建物もいっぱいある…」
提督「さぁ、中に入るぞ」
ーーーーーーーーーー
吹雪「あっ!司令官!!」
大淀「提督!」
長門「吹雪、大淀?なぜここに?」
提督「俺の言いたい事、伝わって良かったよ」
吹雪「だから言ったでしょう?」
大淀「提督はわかりやすいんです」
長門「どういう事だ?なんなんだこの島は」
長門「地図にも載っていなかったぞ」
提督「ここは島であって島じゃないよ」
龍驤「?」
吹雪「妖精さんに造らせた巨大な船なんです」
長門「船だと!?」
島風「でっかーい!」
大淀「島船と我々は呼んでいます」
龍驤「いつ造ったんやこんなでっかいもん」
提督「ちょうど一年前にな」
吹雪「司令官の指示で私と大淀さん、妖精さんで秘密裏に造っていたんです」
大淀「もしもの時、皆が避難出来るようにと」
提督「ここは誰にも見つけられない、なんたって移動する島だからな」
提督「ここにいれば安全だ」
長門「…提督は先の先を読んでいるのだな…」
提督「いや、実際はこれからの時代、艦娘が差別された時のための避難所のつもりだったんだけど」
提督「まさか自分のために使うとはな」
吹雪「人のために行動した事は自分に帰って来るものですよ司令官っ!」
青葉「あっ司令官!無事で良かったです」
長門「青葉」
青葉「ビックリしましたよ、こんなもの造ってたなんて…大スクープです!」
提督「青葉、お前に頼みたい事がある」
青葉「ええ、わかってます、すでに始めてますよ!!」
龍驤「何をや?」
青葉「妖精さんと一緒にネットを通して司令官の無実の証明と」
青葉「大本営の数々の悪行の証明です」
提督「時間はかかるだろうけどな」
長門「なるほど、だからこそのあの予告か…」
妖精「」くいっくいっ
大淀「ん」
大淀「提督、赤城さん達がここに到着したようです」
長門「赤城達か…」
龍驤「…」
吹雪「妖精さんに案内させたんです」
吹雪「みんな、どうして待たなかったんですか…」
吹雪「準備をして、ちゃんと説明をしようとしたのに…」
長門「…すまん」
提督「終わった事は仕方ない、これからの事を考えよう」
提督「赤城達をここに連れてきてくれ」
赤城「…」
翔鶴「…」
武蔵「…」
陸奥「…」
瑞鶴「提督さん!!」
加賀「無事で良かったわ」
龍驤「鳳翔と雪風は?」
大和「それが…」
北上「提督に会わせる顔がないってさ~」
大井「…」
龍驤「…ったく…しゃーないなぁ」
金剛「提督ぅ~ッ!!」ガバッ!
榛名「提督…ご無事で良かった」
ビスマルク「結果オーライって奴ね」
提督(結果オーライ………ね)ちらっ
赤城「…」
赤城「私」
提督「!」
赤城「私、間違ったことをしたんでしょうか」
赤城「私は…」
提督「大丈夫」
提督「赤城が…赤城達が悩んで悩んで出した選択だろう?」
提督「誇っていい、お前達は俺の誇りだ」
赤城「…」
赤城「…はい」
提督(うーん…難しい……)
提督「そうだ」
長門「?」
提督「今日の夜パーティを開こう」
提督「飲んで食べて騒ごう」
吹雪「…またですか」
提督「いいだろう?こんな時だ」
提督「各自、部屋に行って待っててくれ、ご馳走作るから」
「「「はい」」」
提督「さーて作るか」
龍驤「その前に、や」げしっ
提督「あいたっ」
龍驤「ちゃんと責任取りぃやキミィ」
ーーーーーーーーーー
鳳翔「…」
提督「鳳翔さん」
鳳翔「!」ビクッ
鳳翔「て、提督…」
提督「龍驤に聞いた、俺の言葉のせいで…随分悩ましちゃったって」
鳳翔「私…」
鳳翔「ごめんなさい…私、全部、中途半端で……」
鳳翔「何も…」
ギュッ…
鳳翔「…!」
提督「いいんだ、鳳翔さん」
提督「ありがとう」
鳳翔「うっ……うあぁあぁぁ…」
提督「…」ポンポン…
ーーーーーーーーーー
鳳翔「…それでは、私はパーティの支度をしておきます」
提督「大丈夫?」
鳳翔「ええ…泣いて、スッキリしましたから」
提督「そうか…」
鳳翔「それではまた夜に…」
提督「ああ」
スタスタ…
提督「…」
龍驤「どうやった?女の涙に濡れた気分は」
提督「…見てたのかよ…」
龍驤「中々のラブロマンスやったで」
提督「こんにゃろー…」
龍驤「まっ、教訓になったろ」
龍驤「約束する時ちゃんと考えて約束しぃや」
提督「はいはい」
龍驤「はいは一回や!……それと…」
提督「ん?」
龍驤「その…うちも結構頑張ったんやで、褒めてぇな」
提督「お、おぉ」
龍驤「今回うちだけ無傷なんやで」
提督「流石歴戦の空母」
龍驤「司令官のために頑張ったんやで」
提督「ありがとう、龍驤」
島風「提督いたーっ!」
提督「どうした島風」
島風「いいからこっち来て!」
提督「なんだよ」
島風「いいから速く!」
タッタッタ…
龍驤「…」
龍驤「はぁ…」
龍驤「なんやねん司令官、つれへんわぁ」
龍驤「まぁ、ええか…」
龍驤「後でちゃんと褒めてもらうからな~」
雪風「…」
島風「雪風ちゃん!」
雪風「島風ちゃん」
雪風「…!しれぇ…!」
提督「雪風…」
雪風「…っ!!」ダッ
島風「おっそーい!!」がしっ!
雪風「離してください!!」
島風「なんで逃げるの!!」
雪風「しれぇに、会わせる顔がないんです!!離してください!!」
提督「雪風」
雪風「」ビクッ
提督「雪風はみんなを守ろうと、止めようとしてくれたんだろ?」
提督「ありがとう」
雪風「…!!」
雪風「…」
雪風「なんで」
雪風「お礼なんて言うんですか」
雪風「雪風はしれぇを見捨てたようなものなのに」
提督「そんな事ない」
島風「そうだよ、雪風ちゃんは自分の感情より、みんなの帰る場所を守ろうとしたんだもん」
島風「立派だよ」
雪風「…」
島風「…まぁ私が言えたことじゃないかもしれないけど」
島風「幸運は、自分から取りにいかなきゃダメだよ」
島風「待ってちゃダメだと思う」
雪風「…島風ちゃん……」
島風「友達としての忠告だからね」
雪風「友達…?」
島風「うん、私達喧嘩したでしょう?」
島風「友達は喧嘩するものなの」
島風「だから私達はもう友達なの」
提督「そりゃ言えてる」
雪風「友達…しれぇとも友達ですか?」
提督「ああ、もちろん」
雪風「しれぇは雪風を許してくれますか?」
提督「最初から怒ってなんかないよ」
提督「辛かったろ」
雪風「…!はい……」
提督「嫌だったろ」
雪風「…ぐすっ…はい……!!」
提督「もう大丈夫、俺はここにいるから」
雪風「うっ……うぅ…しれぇえぇぇえぇえええええぇぇえぇぇ!!」ダキッ!
雪風「うわぁぁあああぁぁぁあぁあああん」
提督「よしよし」
提督「ん?どこに行くんだ島風」
島風「席を外すのとついでに人払いです」
島風「ゆっくりしてくださいね提督、雪風ちゃん」
提督「…お前意外と大人なのな」
島風「島風は精神成長も速いんですからねっ!」
提督「…こりゃいつか置いてかれるなぁ…色々…」
島風「ふっふーん!」
島風「スピードなら誰にも負けません!速きこと、島風の如し、です!」
ーーーーーーーーーー
ー夜ー
~食堂~
提督「みんな席についたな」
「「「「「…」」」」」
吹雪「やっぱり…みんなちょっとぎこちないですね…」
大淀「無理もないです…」
提督(前回のパーティーとはえらい違いだ)
提督「おほんっ」
提督「まぁ、あれだ…その……乾杯!!!」
「「「「「乾杯…」」」」」
吹雪「下手くそですか司令官」
提督「う、うるさいっ」
カチャカチャ…
提督(うーん、どうしたものか)
北上「前とは大違いで静かだねぇ…」
大井「…」
大井「…そう、ですね」
武蔵「おお、そこにいたか北上、大井」
北上「武蔵さん?」
武蔵「聞いたぞ…北上お前、大和と一騎打ちで勝ったようだな」
北上「…まぁ、大和さんは戦うのをためらってたからねぇ」
武蔵「それでも大和に無傷で勝ったらしいな」
武蔵「どうだ?今度この武蔵と勝負しないか?」
武蔵「魚雷の20発や30発、耐えてみせよう」
北上「流石に30発耐えるのは無理なんじゃないかな~」
大井「ちょっと、何北上さんにからんでるのよ、しっしっ」
金剛「二人共ここにいたデース!!」
ビスマルク「あの時は油断したけど、今度は負けないわ!いい?覚えてなさい」
榛名「今度は榛名、負けません」
金剛「もう一度勝負デース!!提督のハートを掴むのは私デース!!」
大和「北上さん」
北上「うげっ」
大和「あの時の魚雷、見事でした」
大和「ですがこの大和、完全に負けたとは思えません」
大和「今度は何のしがらみもなく勝負をしたなら」
大和「その時は絶対に負けません!」
北上「いやいや、大和さんの勝ちでいいよ、もう」
武蔵「はっはっは!!大和のプライドに火がついたようだな」
武蔵「だが一番最初に勝負するのはこの武蔵だ」
ビスマルク「待ちなさい!私が先よ!」
金剛「オゥ!それじゃあ飲み比べで決めますか?」
榛名「榛名!飲みます!」
大和「食べ比べにしましょう」
大井「ちょっと!北上さんに迷惑かけないでよ!あっちいきなさい!あっちに!」
ギャーッギャーッ
北上「…」
北上「うーん…」
北上(駆逐艦も中々ウザイけど…)
北上「戦艦も、ウザイ」
清霜「武蔵さん!」
武蔵「!清霜」
清霜「清霜だって、中々強いでしょ!?」
武蔵「ああ、重い一撃だったぞ」
武蔵「お前に教えられた、戦艦の本質というものを」
武蔵「参ったよ」
清霜「ふふっ…」
清霜「武蔵さん!」
武蔵「ん?」
清霜「もう一度食べ比べしよう!」
武蔵「ああいいぞ、そっちは負けんからな」
清霜「今度こそ勝つんだから!!」
長門「後悔しているのか、陸奥」
陸奥「…」
陸奥「ええ」
陸奥「こんな隠れ家があるなんて…」
陸奥「私達が長門の言う通りにしておけば、みんな傷つく事はなかったんじゃないかって」
長門「私も、後悔している」
陸奥「貴女は提督をちゃんと助けたじゃない」
長門「ちゃんと待っていれば、味方同士で戦う事もなかったんだ」
長門「私は早とちりだな」
陸奥「私は迷いやすい」
長門「互いに治さなければな」
陸奥「そうね…」
赤城「…」
加賀「赤城さん、箸が止まってるわ…貴女らしくもない」
翔鶴「…」
瑞鶴「翔鶴姉も、暗い顔してたらご飯美味しくならないよ」
翔鶴「そうね…」
瑞鶴「…もうっ!過ぎた事は仕方ないじゃない!!」
瑞鶴「翔鶴姉達は翔鶴姉達なりにみんなを守ろうとしたんでしょ!?」
瑞鶴「だったら誇ればいいじゃない!提督さんもそんな感じの事言ってたでしょ!?」
加賀「瑞鶴の言う通りです赤城さん、翔鶴」
加賀「過ぎた事は過ぎた事」
加賀「重要なのは、これからです」
赤城「これから、するべき事…」
赤城「…」
赤城「…少し、席を外します」
加賀「ええ、いってらっしゃい」
ガヤガヤ
長門「…」
赤城「長門さん」
長門「!」
長門「赤城」
赤城「その…」
赤城「今日はその…」
長門「…?」
赤城「色々、すみませんでした」ペコリ
長門「!?」
長門「お、おい!何を謝っている!?」
赤城「私が間違っていました」
長門「いやだから、そもそもちゃんと私が待っていれば…」
長門「こちらこそすまんかった」ペコリ
赤城「ちょ、ちょっと!?どうして長門さんも謝るんですか!?」
提督「んー」
吹雪「どうやら大丈夫そうですね」
提督「だな」
吹雪「『フォローの仕方をせっかく考えていたのになぁ』」
提督「は?」
大淀「『嬉しいは嬉しいけど俺の出番ないのは悲しいなぁ』」
提督「…」
提督「エスパーかお前ら」
吹雪「顔に出やすいんですって司令官」
大淀「まぁ、一番提督を理解出来るのはこの大淀ですが」
吹雪「先に言われた」
大淀「前のお返しです」
吹雪「やるんですか?大淀さん」
大淀「望むところです」
提督「またかお前ら」
提督「避難避難っと」
提督「あ、グラスが空だ、つぎにいかなきゃ」
赤城「提督」
長門「こっちで飲まないか?」
提督「ん、そうだな」
長門「グラスが空だな」
赤城「私、つぎますよ」
提督「その前に乾杯だ」
赤城「?…ですから飲み物を…」
提督「いや、これでいい、空のままでいいんだ」
提督「空っぽから始めよう、これからを」
長門「なるほど」ぐぃっ
赤城「空のグラスで乾杯ですか、新しいですね」
提督「乾杯」
長門「乾杯」
赤城「乾杯」
提督「これからの未来に」
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
ー次の日朝ー
ジリリリリリリリリリッ
提督「…」カチッ
提督「ふわぁ~」
提督(昨日は大変な一日だった)
提督(まぁ俺は牢に閉じ込められただけだったが)
提督「着替え着替え」
提督(やる事はたくさん出来た)
提督(だけど俺自身、あまり心配していない)
提督(きっとどうにかなる、きっと大丈夫、みんななら)
提督(だって)
提督(心の清い、娘達だから)
提督「さて、今日も一日やりますか」
ガチャ
長門「おはよう、提督」
赤城「おはようございます、提督」
提督「いつもの頼むぞ」
長門「…」コクッ
赤城「…」コクッ
長門・赤城「提督が着任しました!!これより、艦隊の指揮に入ります!!」
~完~
とりあえず、原作シビルウォーみたいな糞展開がなくて良かった
乙
もう少し尺長くした方が良かったかも
面白かった
このSSまとめへのコメント
いいと思います
ん?
という感じ