――王城、玉座の間。
勇者「あのぉ、国王様、こいつは……」
王「おお、勇者! 此方はお主の旅を手助けしたいと名乗りを上げたものじゃ!」
Xターミネーター「ヨロシク、オネガイシマス」
勇者「……」
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勇者「な、なんですか……? 人型のカラクリ……?」
王「なにを言うておる。立派な人じゃろう!」
勇者「えぇー……(どう見てもキカイなんですけどぉ)」
XT「フフ」
勇者「(それにものっそいカタコトだし……)」
王「なに実力は折り紙つきじゃ! さあ魔王討伐へいってまいれ!」
勇者「えぇー……」
……
…
――城下町。
勇者「と、いうわけで放り出されたわけですが」
XT「ワタシ ガ イルデハ アリマセンカ」
勇者「そ、そうだったね(それが不安なんだけど)」
勇者「とりあえず自己紹介しておくよ」
XT「勇者サマ ノ コト ハ ヨク 存ジ上ゲテ イマス」
勇者「あ、ああ。そうなのね」
XT「ワタシ ノ コト ハ 気軽ニ エックス ト オヨビ下サイ」
勇者「う、うん。わかったよ、エックス」
XT「ハイ フフフ」
勇者「(不気味なんだよなぁ……)」
勇者「って、うわ!」
XT「ドウ ナサレ マシタカ?」
勇者「旅の資金とか装備とかいろいろもらってくるの忘れた!
ちょっと戻ってもらってこなきゃ!」
XT「アア ソノコト デシタラ 心配 イリマセン」
勇者「へ? どういうこと?」
XT「ワタシ チョット シタ マホウ ガ 使エルノデス」
勇者「へ、へぇ~。魔法使いなんだ(それが何の関係があるんだ……)」
XT「ワタシ ノ 能力 視テイテ 下サイ」
勇者「うん……?」
XT『コード【所持金無限】』
ジャララララララララ……。
勇者「な、なんじゃこらぁぁああぁ!?
(金貨がいきなり空中から湧き出てきた!?)」
XT「サア コレデ 資金ノ 不安 ハ 無クナリ マシタ」
勇者「え、えぇー……」
XT「フフ ゴ自由 ニ オ使イ 下サイ」
勇者「……使えるの、これ?」
XT「デハ 試シテ ミテハ イカガ デスカ」
……
…
――武器屋。
店主「おう、勇者様じゃねぇか」
勇者「あ、はは、はい!」
店主「どうしたんでい。目が泳ぎまくってるぜ?」
勇者「なな、なんでもないです!」
店主「お、おう。そうかい? 今日のご用件は?」
勇者「あ、あのえっとそのぉ……あの、この剣、ください」
店主「ウチの一番の業物じゃねぇか。もちろん値が張るぜ。
カネさえあれば構わねぇけどよ……金貨10枚だぜ。あるのかい?」
勇者「あ、は、はい! あの、これ、使えますか?」
店主「うん? 使えるかって、フツーの金貨だなぁ」
勇者「え、え!? 使えるんですか!?」
店主「なんだぁ? ニセモンの金貨なのかぁ? うーん?」
勇者「(うわぁ、スゴイじっくりみられてるぅ!?)」
店主「別に不思議なこたぁねぇが。
妙なこという勇者様だなぁ」
勇者「は、はは……」
店主「ほれ、剣だ。持っていきな」
勇者「あ、ありがとうございますっ」
……
…
勇者「本当に使えた……」
XT「ダカラ 言ッタ デショウ?」
勇者「いいのかなぁ」
XT「イインデスヨ」
勇者「うーん……」
XT「サア イキマショウ」
勇者「行くって、どこに?」
XT「魔王 ヲ 倒ス ノ デショウ?」
勇者「そういえばそうだったね……」
XT「マズハ イチノ 街へ ムカイマショウ」
勇者「う、うん」
……
…
――Ⅰの街へ向かう道中にて。
勇者「でええいッ!」
ザンッ!
勇者「ふう、ここらへんの魔物ならまだ全然苦戦しないけれど。
数が多いなぁ……」
XT「オミゴト デス」
勇者「ありがと。ていうかキミは戦わないの?
さっきから見てるばかりだけど」
XT「キミ デハ ナク エックス ト オヨビ下サイ」
勇者「……エックスは戦わないの?」
XT「ワタシ 自身ニ 戦闘力 ハ アリマセン」
勇者「そ、そうなんだ(わかりにくいけどがっかりしてる…のかな?)」
XT「サポート スルコト シカ デキナイ 憐レナ 存在 ナノデス」
XT「コノ 世界 ニ 経験値 トイウ 概念ガ アレバ ヨカッタノデスガ……。
ソウスレバ【経験値最大】ノ コードが使エタ ト イウノニ」
勇者「(なにをぶつぶつ言ってるんだろう……コワイ)」
XT「代ワリ ニ【取得アイテム最大】ノ コード ヲ 発動シテ オキマシタ」
勇者「うわぁあっ! なんか薬草がものっそいあるぅ!?」
……
…
――Ⅰの街。
勇者「ねぇ、エックス」
XT「ナンデショウカ」
勇者「この街に来てまだ全然経ってないんだけどさ。
もうすでに二つ名がついたみたいんなんだ」
XT「ソレハ ヨキコトデス」
勇者「よくないよ!? 『薬草の勇者』だよ!?
弱そう! ものっそい弱そう!」
XT「実力トハ 関係ガ ナイノデス カラ イイデハ ナイデスカ」
勇者「うう、この街に着くまでの道中でたまりまくった薬草を
あちこちで売っていたら……」
XT「ソレヨリ モ 宿 ヲ 探シタ 方ガ イイノデハ ナイデスカ」
勇者「うう……どうしてこんなことに。
いいんだけどさぁ、いいんだけどさぁ……。
なんか想像してたのと違うんだよなぁ……」
こんな感じで
ワロタ
???(この惑星では、『ユウシャ』と言う職業を持つ者が惑星の支配者である未知の生物『マオウ』を狩る旅に出るのが流行りらしい…)
ガチムチのあいつや液体金属のあいつを思い浮かべた
宇宙人ジョーンズでもいいけど
Xターミネーターって改造ツールの名前かww
映画のターミネーターか何かにいたのかな?なんて思っちゃったよ
――翌日。
勇者「今のままじゃ魔王は倒せない」
XT「ソウデスカ?」
勇者「だって、こんなところの魔物くらいしか戦ったことないし。
ものすごく強いって話でしょ、魔王」
XT「【経験値最大】ヤ【魔法全部習得】ガ 使エレバ 造作モ ナイノデスガ。
勇者サマ ニハ 直接コード ガ 使エナイノ ガ 残念デスネ」
勇者「え? 何か言った?」
XT「ナンデモ アリマセン」
勇者「ああ、そう……。えっと、だから、とりあえず周辺の魔物を倒したり
移動した先の街からの依頼をこなして修行しようと思う」
XT「ワカリマシタ ワタシ ハ ドコマデモ 勇者サマ ニ ツイテ イキマス」
勇者「(なんなんだこの忠誠……)」
――酒場。
マスター「依頼?」
勇者「はい。なにか困りごとがないかな、と」
マスター「そうねぇ……ああ、そういえば」
勇者「なにか、あるんですか?」
マスター「北の洞窟に強い魔物が住み着いているみたいでね」
勇者「はあ」
マスター「北国との国境の近くなんだけど、
交易のために赴く行商人が、何度か襲われて困ってるみたいね」
勇者「わかりました。退治してきます」
マスター「あ、待って。依頼って言っても主たる依頼者がいないの」
勇者「うん? それが?」
マスター「だから、その。報酬はほとんど出せないと思うの。
それもあって誰も退治しに行かないのよ」
勇者「あ、ああ。報酬はいらないです。自分自身の修行が目的なので」
マスター「えぇっ!?」
勇者「だから無報酬で大丈夫です(お金なら国家予算並みにあるし……)」
マスター「……わかったわ。洞窟を示した地図を渡しておくわ」
勇者「ありがとうございます。えーと……結構遠いですね」
マスター「そうね。馬で三日ってところかしら」
勇者「じゃあ、倒し終わったらここに報告に来ればいいんですね」
マスター「ええ。……くれぐれも無理はしないでね」
勇者「はい」
……
…
――Ⅰの街郊外。
勇者「というワケで、北の洞窟に行きます」
XT「ワカリマシタ」
勇者「馬で三日くらいかかるらしいんだけど、キミ馬乗れる?」
XT「エックス デス」
勇者「……エックスは馬乗れるの?」
XT「残念ナガラ 乗馬経験 ハ アリマセン」
勇者「そっか……なら荷馬車でも借りてそれに乗っていくしかないかなぁ。
お金はいっぱいあるから容赦なく借りられるどころか買い上げることもできるし……」
XT「ゴ安心 下サイ。
ソノヨウナコト ヲ スル 必要 ハ アリマセン」
勇者「へ?」
XT「今日中 ニ 戻ッテ 来マショウ」
勇者「だから馬で三日かかるんだってば」
XT『コード【移動速度最大】』
XT「失礼シマス」
ヒョイ ガシッ。
勇者「うわわわっ! いきなり担がないでよ!
ていうかこれじゃ荷物みた――」
XT「シッカリ シガミ付イテ イテ 下サイ」
ビュオオオッ!
勇者「ぎああああああっ! ハヤイハヤイハヤイ~~っ!
お、落ちるううううううっ!」
……
…
――北の洞窟、入口。
勇者「うぉえっぷ……酔った……ぎぼぢわるい」
XT「申シ訳アリマセン……」
勇者「い、いや……大丈夫。
おかげで日が一番上に昇る前にここまで来られたし…うおええ……」
XT「流石ニ ワタシ モ 酔ワナイコード ハ 持ッテイマセン……」
勇者「ふー……ちょっとは治まった。
はやく来たのにここで燻ってちゃ意味がないしね」
XT「デハ ハイッテ イキマスカ?」
勇者「うん。本当なら行商人を襲うみたいに洞窟から出てきてくれるのが
一番楽なんだけど、どうやら入っていかないとダメみたいだ」
XT「ハイ イキマショウ」
――洞窟内部。
勇者「えっとー、まずは松明に火をつけてっと。
んで、羊皮紙用意してー、羽ペンオッケー」
XT「ナニ ヲ シテイル ノデスカ?」
勇者「洞窟内部、入り組んでるみたいだからね。
描きとめながら行こうかなと」
XT「ソンナコト デスカ」
勇者「そんなことじゃないって。
大事なことなんだから」
XT「アア スミマセン。
ウマク 伝エル ノハ 難シイ デスネ」
勇者「どういうこと?」
XT「コウイウ コト デス」
XT『コード【マップ最初から全部】【松明無限】』
勇者「わ、わぁーものすごく精緻な地図が浮かんできたぞー(白目)」
出来ることと出来ないことの線引きがよく分からんな
勇者「わ、わぁーものすごく精緻な地図が浮かんできたぞー(白目)」
XT「コレデ 迷ワズ ニ 済ミマスネ」
勇者「う、疑うワケじゃないんだけどさ、これ本当にこの洞窟の地図なの?」
XT「ハイ」
勇者「(自信マンマンだなぁ)」
XT「タダ コノ地図デハ 魔物 ノ 位置マデハ ワカリマセン」
勇者「そりゃそうでしょ……」
勇者「んと、この地図によれば、最奥が行き止まりみたいだから
ここがねぐらって考えるのが普通かな」
XT「行ッテミマショウ」
……
…
勇者のパラメーターに直接干渉する内容は不可能で
便利機能は割と使える感じかな
まだ始まったばかりだから
細かい線引きとかしない方が良いよ
ポチャン……ポチャン……。
勇者「(どこからか水の音がする)」
勇者「それにしても中が思ったより広いなぁ」
XT「魔物ノ 大キサモ 自然ト 絞ラレテ キマスネ」
勇者「ここで快適に過ごせる大きさっていうと、
ボクよりも倍くらいの大きさが最大かな」
XT「ソウ 予想 サレマス」
勇者「んー、最短で来たからかもしれないけど、全然生き物の気配がしない。
本当にここにいるのかなぁ」
XT「他ノ 生物ハ 魔物ニ 根絶ヤシ ニ サレタ ト ミルベキ デショウ」
勇者「んー(それにしてもムシ一匹みないのはなぁ)」
XT「ソロソロ 最奥ニ 着キマス」
――北の洞窟最奥。
勇者「うわ、全体は見えないけど、すっごい広い」
XT「声ノ 反響具合カラ スルト 我々ノ 5倍ホドノ 大キサガ アリソウデス」
ガサ。
勇者「ん? なんだこれ……うわっ!」
XT「ドウナサイマシタ?」
勇者「これ、たぶん行商人の旅衣だ(やけにボロボロだな……)」
X「ソレヨリモ キマス」
勇者「魔物かっ!」
バケガエル「……」
>>27
訂正
>XT「声ノ 反響具合カラ スルト 我々ノ 5倍ホドノ 大キサガ アリソウデス」
XT「声ノ 反響具合カラ スルト 高サ ハ 我々ノ 身長ノ 5倍ホド
奥行 ハ 20倍ホド ノ 大キサガ アリソウデス」
勇者「か、カエル……?
(思ったより小さいぞ、ボクの身長の半分程度しかない)」
バケガエル「ゲコ」
勇者「げこ?」
バケガエル「ゲコゲコ」
勇者「げこげこ?」
バケガエル「ゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコ!!」
プクウウウウウッ!
勇者「ふ、膨らんだぁぁああぁっ!?
で、でかぁああぁぁあぁっ!?
そんできもちわるうううううっ!」
XT「縄張リ ニ 侵入サレテ 怒リ狂ッテ イルヨウデスネ。
我々 ノ 5倍 ハ ユウニ アリソウデス」
勇者「視ればわかるから解説しなくていいよっ!」
バケガエル「ゲコゲコゲコ!」
ベロンッ! バゴンッ!
勇者「うわぁ! 舌! 舌が伸びてきた!」
XT「ナイス 回避デス」
勇者「言ってる場合じゃないよ!
あんな地面を抉る舌に当たったらひとたまりもない!」
バケガエル「ゲコッ!」
ベロンッ!
勇者「ひゃあ、また来た!」シュッ!
勇者「えっと! とりあえず抜剣して……
(左手に松明を持っているせいで戦いにくい!)」
XT「邪魔ナノデシタラ 松明ナンカ 投ゲ捨テテシマエバ イイデハ ナイデスカ」
勇者「火が消えたらそれこそ一方的にやられちゃうよ!
唯一の灯りなんだから!」
XT「消エマセンヨ」
勇者「へ?」
XT「大丈夫デス」
勇者「それに手元に灯りがなくちゃあいつの攻撃も視えなくなって……」
XT「ソレモ大丈夫。ワタシ ヲ 信ジテ」
バケガエル「ゲコゲコ!」
ベロンッ! ベロンッ!
勇者「うひゃあ!」
勇者「(そ、そんな馬鹿な! でも、このままじゃ不利なのも事実……!)」
勇者「く……くっ! ええい! どうにでもなれ!」
ブンッ!
XT『コード【松明の火力最大】』
ボウッ!
勇者「うわぁあっ!」
バケガエル「ゲコォ!?」
勇者「(ものすごい勢いで松明が燃え盛ってる……)」
勇者「うわぁ……姿がはっきり見えたらこのカエル余計にキモイ……」
バケガエル「ゲコゲコゲコォ!!」
勇者「(松明にめっちゃ威嚇してる……こちらを見ていない今なら攻撃が通る!)」
勇者「やああぁあぁっ!」
ザンッ! ブシュウッ!
バケガエル「ゲコォ!?」
勇者「よし! 身体はそこまで硬くない!
このまま一気に……ん?」
バケガエル「……」プクゥ
勇者「(なんだ……喉元だけものすごい膨らんで)」
バケガエル「ボォエ!」
ビチャビチャビチャ!
勇者「(液体!? 当たるとまずい!)」
ビチャァ! ジュゥウウゥウ。
勇者「じ、地面が融けてる……危なかった……」
XT「溶解液、強烈ナ酸、アリガチデスネ」
勇者「(さっきの旅衣がやけにボロボロだったのはこのせいか!)」
バケガエル「……」プクゥ
勇者「また、来るっ!?」
バケガエル「ボォエ!」
勇者「くっ……!」
ビチャァ! ジュウウゥウゥウ。
勇者「くそぉ。近づけない」
XT「ドウサナイマスカ 勇者サマ」
勇者「どうするっても……」
XT「退治スル ダケ デシタラ 簡単デスヨ」
勇者「え!?」
XT「タダ 勇者サマ ガ 修行 ト 仰ッテ イタノデ」
勇者「……そっか」
XT「ドウナサイマスカ?」
勇者「……もうちょっとだけ、みてて」
XT「畏マリマシタ」
勇者「あ、でも、危なくなったら助けてくれるとうれしいなー、なんて」
XT「フフ モチロンデス」
勇者「……ありがと。エックス」
勇者「さて」
バケガエル「……」プクゥ
勇者「くっ! また来るか!」
バケガエル「……」
勇者「これは…」
バケガエル「ボォエ!」
勇者「わわ! とりあえず避けなきゃ!」
ビチャァ! ジュウゥウウゥウ!
このカエルも焼いたら鶏肉に似た味するのかね?
勇者「ふう……」
勇者「(アイツ、ゲロぶちまけるときに一瞬だけど溜めが入る)」
勇者「(その一瞬に思い切り懐に飛び込むことができれば、斬れる)」
勇者「(だけど、本当に一瞬しかない。タイミングを見誤れば即詰み)」
勇者「でも、やるしかないよね……!」
バケガエル「ゲコ! ゲコ!」
ベロンッ! ベロンッ!
勇者「わわわっ!」
勇者「(舌攻撃があるのも忘れてた)」
勇者「なんとか隙を見て……」
バケガエル「……」プクゥ
勇者「(きた!)」
勇者「はぁああぁああぁッ!」
ダダダダダッ!
バケガエル「!!」
勇者「でえぇいっ!」
ザンッ!
バケガエル「ゴォエッ!」
勇者「やっ……」
ブシュウウウ!! ゴボッ!
勇者「(やば、口にたまっていた酸が降って、死――)」
XT「フフ ソノ勇気 オミゴトデス」
XT『コード【水に変化】』
バシャアアアァア!
勇者「冷たっ! ……あれ? 水?」
XT「オメデトウゴザイマス 勇者サマ」
勇者「あ、ああ。ありがとうエックス」
XT「バケガエル ノ 討伐 オミゴト デシタ」
勇者「はあ、水だったからよかったけど、びしゃびしゃだよ」
XT「フフ」
勇者「(……もしかして、エックスが何かしてくれたのかな?)」
勇者「あ、あのさ。エックス。もしかして――」
XT「仰向ケ ニ 倒レタ カエル……
フフ コレゾ マサニ "ヒックリカエル" デスネ」
勇者「……」
XT「勇者サマ ナニカ?」
勇者「つまんないよ、それ……」
XT「オウ……少シ ショック デス」
勇者「まあ、魔物も倒したし、帰ろうか」
XT「ソウシマショウ」
勇者「あ、そうだ。倒した証としてバケガエルの一部を持ち帰らなきゃ」
勇者「どこを持って帰ろうかな――」
XT「…‥! 勇者サマ!」
びくん!
勇者「なっ……!(コイツまだ)」
びたんっ!
バケガエル「……ゲコオオォォオオッ!」
勇者「まずいっ!(距離を取らないと!)」
バケガエル「ゲコォオオォオオォ!!」
勇者「さらに、大きく……膨らんだだと!」
バケガエル「……アー」
勇者「(口を大きく開いた、何が来るっ!)」
ゴオォオォオオッ!!
勇者「こ、これは!(吸い寄せられている……!?)」
勇者「くそっ!(何とか岩に捕まることができたけれど……)」ガシッ
バケガエル「ゲコオオオッォォオオ!!」
ゴォオオォオォオオオォオ!!
勇者「岩もなにもお構いなしかよ!
エックス! 無事か!」
XT「ハイ」
勇者「……(涼しい顔してるなー…‥)」
勇者「涼しい顔してるけど、これヤバくない!?」
XT「ソウデスカ?」
勇者「だって攻撃手段ないよ!
ボクもこの岩から手を放したら一直線に吸い込まれて終わりだ!」
XT「ソウデショウネ」
勇者「ソウデショウネじゃなくてぇ!」
XT「大丈夫デスヨ。攻撃モ ナニモ 必要 ハ アリマセン」
勇者「でもこのままじゃぁ!」
XT「ミテイレバ、自ズト 勝敗ハ 決シマスカラ」
ゴォオオォオオ!
フッ……。
勇者「(灯りが消えた!? そうか、松明も吸い込まれて)」
XT「フフ」
ゴォオォオォオ!!
バケガエル「ゲコォオオォオォ!!」
勇者「くっ、エックス! 吸い込まれていないよね!」
XT「ハイ」
勇者「(完全な暗闇で全く見えなくなってしまった……
いや、ほのかに前方が光って……?)」
XT「ソロソロ デスネ」
勇者「なにが!?」
バケガエル「ゲコオオオオ……ゲコ?」
ボォウッ!
バケガエル「ゲコオォオォォオオォ!?」
勇者「か、風が止んだ……ってバケガエルが燃えてる!?」
バケガエル「ゲコ、ゲコゲコゲコ! ゲコオォオォ!!」
勇者「な、なんでいきなり燃えて(ものすごいのた打ち回ってる……)」
XT「フフ、言ッタ デショウ。
『松明 ノ 火 ハ 消エナイ』ト」
XT「ソレダケナラ コンナ コトニハ
ナラナカッタ デショウケレド」
XT「アレガ 吸イ込ンダ モノ ハ
最大火力 ノ 松明」
XT「コウナル コト ハ 自明デスネ」
バケガエル「ゲコ……ゲ……コ……」
ボォオォオオォオ……。
勇者「動かなくなった、か(火だけがいまだに燃え続けている……)」
ゴボォ……。
勇者「うわ、何か出てきた……って人骨、の頭部かな? これ」
XT「アアヤッテ 洞窟ノ入口カラ吸イ込コンデ 捕食シテイタノデショウ」
勇者「なるほどねぇ……よく考えれば行商がこんな洞窟に近づかないか」
勇者「(そっか、洞窟に虫さえもいなかったのは根こそぎ吸い込んで捕食していたからだったんだ)」
XT「ナニハトモアレ 任務完了デス」
勇者「……うん、帰ろうか」
とりあえずこんなところで
乙
おもろいなぁ
乙
期待
期待
勇者「よし、一部切り取ったしこれでいつでも戻れるぞっと」
XT「ソロソロ イイデショウ」
XT『コード解除【松明無限】』
フッ……。
勇者「わ、灯りが消えた」
XT「アノママ 燃ヤシ 続ケル ワケ ニモ イキマセンノデ」
勇者「でも帰りどうするのさ」
XT「道具袋 ニ 手 ヲ 入レテミテ 下サイ」
勇者「……まさか」
XT「フフ」
勇者「松明めっちゃある……」
XT「ゴ遠慮ナク オ使イ 下サイ」
勇者「……そうさせてもらうよ」
シュボッ。
勇者「こういうのって戻るのがだるいよねぇ」
……
…
ザッザッザ……。
勇者「あーっ、光が見える! やぁっと戻ってこられたよ」
XT「(コノコードモ モウ解除シテ 大丈夫 デショウ)」
XT『(コード解除【酸素減らない】【一酸化炭素増えない】)』
勇者「何か言ったー?」
XT「フフ。エエ ヨウヤク 太陽 ヲ 視ルコト ガ デキテ 喜バシイ ト」
勇者「エックスも太陽が恋しくなるんだ……」
XT「何 ヲ 仰イマスヤラ。ワタシ ダッテ ニンゲン デスヨ?」
勇者「(まだ人間のフリしてるつもりだったの!?)」
――北の洞窟入口。
勇者「ふー、やっと出られた」
XT「スッカリ 夕暮レ時 デスネ」
勇者「じゃあさっさとⅠの街にも、ど、ら……あっ、あぁ~……」
ヒョイ ガシッ。
勇者「あ、あのあの……やっぱり?」
XT「ヤッパリ トハ?」
勇者「これって、行きのときと……?」
XT「日没ガ 迫ッテ イマス。
急ギ マショウ」
XT『コード【移動速度最大】』
勇者「だああぁああぁあぁ~~っ!
やっぱりこうなるぅううぅうぅうぅ~~!」
……
…
――夜、Ⅰの街、酒場。
マスター「えぇっ!? もう討伐してきたの!?」
勇者「は、はい……うぉぇ(ぎぼぢわるいぃぃい……)」
マスター「討伐した魔物の一部もしっかり持ち帰ってきているし
間違いはなさそうだけれど。それにしても早すぎないかしら……?」
勇者「あ、あはは。ちょっとしたじゃじゃ馬がぶっ飛ばしてくれまして」
マスター「そ、そう。それにしても顔色悪いわね。真っ青よ」
勇者「乗り心地が最悪の馬だったので……うぉえ」
マスター「と、とりあえず報酬を――」
勇者「あ、いや。ぉぇ、行く前にもいきましたけど、いらないです」
マスター「……本当にいいのかしら? ほんの少しだけど渡すことはできるわよ?」
勇者「だ、大丈夫です、うぉえ」
マスター「……そう。勇者様の名に違わぬ献身ぶりね」
勇者「え? ボクのこと知っていたんですか?」
マスター「ええ。なぜか大量の薬草を売り歩いている勇者様がいるって」
勇者「は、ははは……事情がありまして」
マスター「薬草を売り歩く勇者様なんてなんの冗談かと思ったけれど。
間違いなく、アナタは勇者様よ」
勇者「あ、ありがとうございます」
マスター「報酬じゃないけれど、個人的なお礼受け取ってくれるかしら?」
勇者「はい?」
マスター「北の国への通行手形よ」
勇者「おお……そういえば、もってないや(ていうか、国王様くださいよ……)」
マスター「勇者様なら、いろいろな場所に行かないといけないでしょう?
少しでも手助けができたら、と思って」
勇者「……では、ありがたく頂戴します」
マスター「ええ、受け取ってもらった方が私の気も休まるわ」
勇者「では、ボクはこれで」
マスター「本当に、ありがとう。またいらしてね」
……
…
短いですがこんなところで
乙
改造コードというとアクションリプレイが一番思い出深い
XTもコード弄れるんだっけ?
XT使ったことないからわからんわ
ゲームで俺TUEEEEEEするよりコード弄るのが面白いんだよね
まだ?
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