苗木「底より這い出るもの?」 (5)
※安価あり
なぜ、怪談や伝承が廃れないかわかるかね?
一つは好奇心。
もう一つは本能さ。
心の中では理解しているのだよ、『それ』が実在するということを。
対処法を知っているかいないかで大きく『結果』は変わる。
もっとも、知っていても助かるとは限らんがね。
―ある神秘学者
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ガヤガヤ
桑田「うっし! 次いこーぜえ!」
大和田「口直しに甘いもんがいーな!」
石丸「君たち! 往来で騒いではいかんぞ! 学外でも学生としての自覚をもつのだ!」
葉隠「几帳面すぎんだろ。休みくらい力抜くべ」
十神「ふん、愚民の食事は口に合わんな」
山田「ふひひ、5軒も付き合って言うセリフじゃないですぞ。ツンデレですねわかります」
不二咲「うう……もうお腹一杯だよお」
苗木「大丈夫?」サスサス
山田くんが前にもらったハンバーガー屋さんの無料券。
期限ぎりぎりの今日になって見つけたそれで、僕たちは食い倒れツアーの真っ最中だった。
桑田「しっかし女っ気がねーなあ!」
山田「仕方ないですぞ! 下心満々にお誘いしたところ、奇跡なまでに皆さんご多忙! ハーレムを夢見た僕の身にもなってほしいですぞ!」
大和田「明らかに誘ったのがおめーだからだよ」
苗木「はは……」
石丸「お! ついたぞ! みんなここだ!」
ガラガラガラ
「いらっしゃいませー。ただいま当店ではキャンペーンを実施しております。
お買い上げ一点につき、一回くじをお引きいただいて、見事当たれば豪華賞品をプレゼント」
不二咲「へえ、一位は豪華クルーズの旅かあ」
十神「ふん、みすぼらしい船だ」
山田「ぬおおおおおおお! 3位にぶー子抱き枕ですぞおおおおおお! 苗木誠殿っ!」ドゲザッ
苗木「ちょ、ちょっと山田くん⁉」
山田「超高校級の幸運のお力をおおおおおおおお!」
苗木「ええ……」
桑田「ちょうどいいじゃん。苗木、お前全部引けよ」
苗木「ちょ、ちょっと」
大和田「俺は興味ねえから好きにしろ」
石丸「うむ! 適材適所だな!」
葉隠「当たったもんくれればなんでもいいべ!」
勝手だなあ、もう。
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