ちひろ「嘘つきは恋の始まり」 (41)

モバP(以下P)「総勢200近い人数ともなると書類の整理が予想以上に大変だな。下手にアイドルに手伝わせたりして書類が行方不明になったりしたら本末転倒だし、自分で片付けるしかないんだよなぁ......」

P「これは四ヶ月前の企画か、終わったから捨ててよし。住所変更する前の履歴書はシュレッダー用、と。アイツ横浜に引っ越したんだっけか、羨ましい」

P「見覚えのない書類があるな......晶葉の申請書か。そういや企業に提供するからって申請書頼んでたな」



ガチャ



池袋晶葉「おはよう、助手」

P「晶葉?お前今日は仕事.......」

晶葉「オフだろ?知ってるさ。何、ちょっとラボに用事があってな」

P「そうか。晶葉、この書類に記載されている発見器はもう完成しそうか?」

晶葉「今日中に終わらせる予定だ。そのために今日来た。とは言っても後は試験運転するだけなんだが、いかんせん被験者が見つからなくてな。宜しくばここの誰かに手伝いを頼もうと」

P「俺なんかどう?」

晶葉「さすがは助手、そう言ってくれると信じていた」

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晶葉「これなんだが」コトッ

P「案外小さいのね。しかし嘘発見器なんて既に存在する物を何故あえて晶葉に依頼したんだろう。晶葉ならもっと概念をねじ曲げた発明をするのに」

晶葉「何でも体が司法に反するが如く人間も嘘をつくのが得意になってきたんだと。網の目を潜るというか、現在FBIが取り調べの際に使用している嘘発見機の穴を利用して逃げ切る輩が増えたらしい。だから最新鋭の嘘発見器の製作を頼まれたんだ」

P「うちのアイドルはFBIとの繋がりもあるのか.....たまげたなぁ」

晶葉「そう深い関係でもないさ。私は提供するだけで後はアッチの検査技師に任せる。不良でないことを確かめさえすれば、後は自由に使ってくれという具合だ」

P「FBIも女子高生にすがる時代か。これも池袋先生が天才過ぎるのがいけないんですね?」

晶葉「フフフ、天才?この程度の発明で天才は困るぞ助手よ!そもそも嘘発見器は血圧や脈拍など人間の生理現象の変化を探知するのが仕組みとされているが、これは本来の嘘発見器より細部まで分析するためイノベーションと言ってくれてもかまわない!この二の腕に付ける装置はな?発汗性や心臓の」ペラペラ

P「(天才って誉めると饒舌になるの可愛い)」

晶葉「.....という具合だ。ま、必ずしも嘘だという確証は得られないが、動揺していることは顔で隠していても絶対にこの発見機に表れる。そのためいくらか試作しなければならん」

P「俺に務まればいいんだけど」

晶葉「何、私が質問して『いいえ』と答えるだけでいい。誰にでも出来るさ」

P「このメトロノームみたいなのは何?」

晶葉「血圧や脈拍から表れる動揺をわかりやすくするためにメトロノーム型にしたんだ。正常なら動かないが、動揺の程度によって横に振る力が大きくなる」

P「確かに分かりやすい。これの名前は?」

晶葉「まだ決まっていない」



ガチャ



桃井あずき「おはようございます!」

P「おはよう」

晶葉「良いところに来たな、あずき」

あずき「なになに?何してたの?」

晶葉「これは嘘発見器と言ってな、本来のものより性能が良くてどんな嘘でも見抜く代物だ。まだ売り出す前の試作品だから被験者を募集してて.....」

あずき「わぁー!面白そう!」キラキラ

P「何事にもバイタリティ溢れるのは良いことだ。晶葉、あずきにやらせてあげよう」

晶葉「やってみるか?」

あずき「うん!それじゃ発見器にバレないよう落ち着いてやってみるね!名付けて嘘つき大作戦!」

晶葉「欺く前提か。まぁいい、まずは左手首に機を当て心臓付近にも.....」

晶葉「これでバッチリだ。方法はさっき説明した通り。覚えているな」

あずき「晶葉ちゃんの言うことに全部『いいえ』で答えればいいんだよね。動揺したらあのメトロノームが動く、っと」

晶葉「そうだ。では早速始めよう」

P「目の前でアイドルの嘘を見抜くのって怖いなぁ。何も隠してないよな、あずき?」

あずき「うん!」

晶葉「それが今わかるのだよ」カタカタ

晶葉「よし、それでは質問を始める」

あずき「どうぞ!」

晶葉「問一、『~大作戦!が流行らないことを気にしている』」

あずき「いいえ」

メトロノーム「カチッカチッ」

晶葉「早速反応したな」

P「気にしていたのか」

あずき「う~、一問目からイジワル~....」

晶葉「続いて問二、『自分でもセクシーさが足りないと薄々気付いている』」

あずき「い、いいえ」

メ「カチッカチッ」

あずき「やっぱり意地悪だよ!も~!」

P「俺は嘘偽りなくあずきをセクシーだと思ってるよ」

あずき「本当!?ドキドキする!?」

P「あずきのグラビアなんて心臓バックバクだぜ!」

あずき「......えへへっ」

晶葉「さて質問三つ目は.......」

メ「カチッカチッカチッカチッカチッ」

晶葉「(ん?針が激しく揺れているぞ)」

晶葉「........まさか」

晶葉「さて、三つ目の質問だが」

あずき「(次は動揺しないように.....)」

あずき「スーハー、スーハー.....」

あずき「冷静大作戦!ドンと来い!」

晶葉「『今、好きな人がいる』」

あずき「えっ!?」

メ「.......」ピタッ

あずき「い、いいえ!!」

メ「カチッカチッカチッカチッカチッカチッ」

P「針のリズムが猛烈に速くなってるぞ!?どういうことだあずき!お前まさか好きな人がいるのか!?」

あすき「い、いない!いないよぉ!」カァァ

メ「カチッカチッカチッカチッカチッカチッ」

晶葉「.........」

P「ここに動かぬ証拠があるんだ、さぁ吐け!スキャンダルになどさせるものか!一体誰に好意を寄せている?俳優か?スタッフか!?」ズイッ

あずき「あわっ、あわわわわわっ!///(近い!顔が近いよぉ!///)」

メ「カチッカチッカチッカチッカチッカチッ」

P「さぁ!答えるんだ!」ガシィ!

あずき「ひゃっ!?///そんなっ力つよっ///」

あずき「あっ.....あっ....///」グルグル

あずき「」プシュー

P「あずきぃぃぃぃ!?」

晶葉「はい中止ー」

..........


P「なんてことだ.....なんてことだ......」

晶葉「恐らく急な質問に焦っただけだろう。特に女子などは恋愛話に敏感だからな」

P「安心していいのだろうか。起きた後に尋問は....」

晶葉「やめておけ。そんなことをしたら取り返しのつかないことになるぞ(あずきの精神が)」

P「スキャンダルだけはやめてくれ.....」

晶葉「杞憂だ、助手よ」

P「だといいんだが......」

晶葉「とりあえず床に転がったあずきを運ぶところから始めよう」

P「仮眠室に運んでおくな」ヨイショ

ガチャ

晶葉「.....恋の矢が自分に向いていることも知らず、果たしてそれは杞憂で終わるのだろうか。そりゃ好意を寄せている人間目の前にいちゃあ動揺も隠せないだろうに。鈍感というかなんというか....まったく」

P「運んできたぞ。何か言った?」

晶葉「別に。試験結果を記入しなきゃと」



ガチャ


伊吹「おはよー」

晶葉「(わかりやすいの来ちゃったなぁ.....)」

伊吹「二人とも何やってんの?」

晶葉「嘘発見器の試験実験をしていてな」

伊吹「嘘発見器って、嘘がバレちゃうヤツ?」

晶葉「厳密に言えば嘘らきしものを見抜くだけだ。脈拍や血圧、発汗など」

伊吹「アタシがやってもいいの?」

晶葉「むしろありがたい」

伊吹「やたっ!」

P「.......」

伊吹「何でPはさっきから無口なの?」

P「い、いや.....少し考え事をしててな。気にしないでくれ」

伊吹「ふーん」

晶葉「(Pよ、君の気持ちもわかるがそういう顔をするでない。今回はきっと大丈夫.....だと思う)」

晶葉「さて、質問を始めよう」

伊吹「これをセットして、はいどうぞ!」

晶葉「まずは......」

晶葉「『バックダンサーの仕事の後にダンスレッスンを詰め込むのは正直嫌である』」

伊吹「いいえ♪」

メ「........」

P「反応なし、か。ちょっと安心」

伊吹「アタシにとって踊ることは生き甲斐なんだよね。むしろもっとレッスンあってもいいくらい」

P「考慮したいけど、それじゃあ伊吹の体が心配だ」

伊吹「Pの大事な体だから~?」ニヤッ

P「そうだ(即答)」

伊吹「へぇっ!?あぁ...そう....///」モジモジ

メ「カチッカチッ」

晶葉「.........」

P「晶葉、次の質問」

晶葉「あ、あぁ.....」

晶葉「『恋愛映画を見るとつい憧れてしまう』」

伊吹「いいえ」

メ「カチッカチッ」

P「女の子だしこれは仕方ない。しかし恋愛は御法度だぞ。熱愛報道なんて流れでもしたら日本中一夜にして墓が並ぶからな」

伊吹「大袈裟だよPは~。でも恋愛映画の話すると、すぐ奏にイジられるんだよね。アタシって結構簡単?」

P「どうだろうな」

晶葉「簡単だろうと難しかろうと、この私が発明したトゥルーライズ君には全てお見通しだがな」

P「嘘発見器の名称決まったんですね博士。まるでアメリカの主要な都市への爆弾攻勢を開始しそうな名前」

伊吹「すくバッテリー切れそう」

P「君は恋愛映画だけ見てなさい」

晶葉「さて次の質問にいくとしよう」

晶葉「『恋愛映画に主役として出てみたい』」

伊吹「いいえ」

メ「カチカチカチ!」

P「恋愛映画か~。伊吹には早すぎるんじゃない?」

伊吹「ちょっと、どういうこと!」

P「えー、だって伊吹は恋に恋してるって感じで、本場の恋愛にはメッチャ不器用な気がする」

伊吹「もー!なにそれー!子供扱い!?」ポカポカ

晶葉「安心しろPよ、決して子供などではない」

晶葉「問四、『今、好きな人がいる』」

伊吹「え!?」

メ「カッチカチカチカチカチカチカチ!!」

伊吹「い、いいえ!いいえ!いいえ!///」

メ「カッチカチカチカチカチカチカチ!!!」

P「なぁぁぁぁにぃぃぃぃ!!!???」

P「恋をするのは生物として仕方のない生理現象ではあるがアイドルとしての自覚が足らないぞ伊吹ィ!今日本の人口約半分が死に至った!」

晶葉「慌てるな助手。何も確信ではない」

伊吹「そうだよ!今のはちょっとビックリしただけで」

P「なら同じ質問をもう一度する!二回目なら結果は変わるハズだよなァ~!?」

晶葉「(完全に冷静さを失ってるな、P)」

伊吹「だ、大丈夫!次は動揺しないから!うん、好きな人なんていない、絶対にいないから!」

P「よしっ!」

P「『今、好きな人がいる』」

伊吹「(ぷ、Pが聞くの!?駄目だよそんなの!そんなのバレちゃうじゃん!バレちゃうぅ~!////)」ジタバタ

メ「カチカチカチカチカチカチカチ!!!」

P「フル稼働してるぞ伊吹ぃぃ!これは一体どういうことなんだ!まさか彼氏とかじゃないよな!?」

伊吹「か、彼氏!?///Pが!?///」

P「え!?何!?」

伊吹「あっ、ダメだよ彼氏だなんてっあっダメっダメっ////ダメ~~!!///」

伊吹「」ドッカーン バタリ

P「伊吹ぃ!?」

晶葉「 あ ほ く さ 」

あきえもんの胃痛がマッハ

むしろブラックコーヒーかコーヒー豆その物を支給した方が良さそうだな

P「運んできた」

晶葉「ご苦労」

P「あずきに続いて伊吹までもが青春の真っ只中にいるとはな.....高校生だし仕方なっ、いやいや、アイドルとしての自覚が足らなすぎる。しかし若い子に無理矢理『恋をするな』というのも難しい......か」

晶葉「彼女達もアイドルである前に人間だ。色恋沙汰にうつつを抜かさん程度なら大丈夫だろう」

P「だがフライデーでもされたらどうする?俺はそれが怖い。残忍なのは承知だ、だが俺は愛に死んだアイドルをごまんと見てきた。鬼にならなくてはならないんだ」

晶葉「(それが全て君のせいだと言ったら自殺しかねんなこの男は。どうせ気付かないだろうが.......)」

凛「アイドルを全うするなら、恋は必要ないと思う」

P「そうだろうそうだろう、それでこそアイドルとしての自覚っ.....て凛!?いつからそこに!?」

凛「二人が恋の論争してるところから」

晶葉「私は気付いていたがな」

P「せめて挨拶くらいしてくれ、心臓に悪い」

凛「いや、何回もしたけど.....」

凛「どうして二人は恋について論争してたわけ?二人がそういう話するの、ちょっと意外」

晶葉「順を追って説明するとだな......」



~説明中~



凛「あずきと伊吹がねぇ......ふーん」

P「凛は大丈夫だよな?」

凛「何言ってんのP、さっき恋は必要ないって言ったでしょ」

P「良かった.....プロ意識が高くて助かる」

凛「それじゃ私はレッスンあるから」クルッ

晶葉「待て」ガシッ

凛「.....何」

晶葉「レッスンには、後一時間あるだろう?」

凛「......」

晶葉「被験者は多ければ好ましい。もちろん手伝ってくれるよな?」

P「手伝ってやってくれ、凛」

凛「わ、わかったよ......」

凛「....で、これでいいわけ?」

晶葉「うむ、準備完了。それでは質問に移る」

晶葉「『事務所仲間や友達との関係は良好ではない』」

凛「いいえ」

メ「......」

P「凛も昔と比べて刺は大部取れたからな」

凛「まあね。ここには色んな人がいるし、仲良くしていかないと逆に大変」

晶葉「続いて問二、『初対面の人や仕事関係者には無愛想にしてしまう』」

凛「いいえ」

メ「カチッカチッ」

凛「初対面は、まだ難しいかも。自分ではあんまり無愛想にしてるとは思わないんだけど」

P「気を許してないと自然に出てしまうものだからな。仕方ないさ、これから直していこう」

凛「うん。凄いね、この嘘発見器。結構冷静に答えたつもりでもすんなりバレちゃった」

晶葉「凄いだろう、トゥルーライズ君は!何て言ったって私が発明したんだからな!もっと誉めてもらってもかまわないぞ!」

凛「すごいすごい」

P「あっ、俺も質問していい?」

凛「いいよ」

P「『最近、グラビア撮影に調子がでない』」

凛「いいえ...?」

メ「......」

P「ん?どういうことだ?」

晶葉「どうした助手」

P「いや、先日凛のグラビア撮影に立ち会って、その時カメラマンに『渋谷さん、今日はあんまり調子出てないですね』って言われて気になったんだが.....」

晶葉「針に反応はないな」

P「うん。これが本当の動かぬ証拠ってやつか」

凛「まだ苦手だけど、慣れてきたし....」

P「俺も久しぶりに凛の撮影見たけど、これといって失敗した感じも見受けられなかったし、離れてた俺にとってはむしろ上手くなったなと....」

晶葉「待て、P。凛のグラビアはいつぶりだ?」

P「えー、どのくらい?」

凛「かれこれ二年半くらいかな」

P「アイドルの輸入が激しいから一人一人の時間配分が難しくてな、今は年少組の相手ばかりだ」

凛「ロリコン」

P「やめろ、違う」

晶葉「保護者に怪しまれるぞ」

P「やめるんだ」

P「凛のグラビア撮影に違和感があった理由はなんだろうな」

晶葉「うーむ、恐らく.....」

晶葉「『久々にPがグラビアに立ち会ったため、緊張してしまったから』」

凛「え?いいえ」

メ「カチッカチッ」

P「単に男性を意識してしまったことか?」

凛「結構厄介なの作ってくれたね、晶葉」ジッ

晶葉「おっと、目が怖いぞ凛」

P「凛でさえトゥルーライズ君には嘘をつけないのか。相当な代物だぞこれは」

晶葉「さて、最後の質問に移ろうか」

P「あれか.......」

凛「?」

晶葉「『今、好きな人がいる』」

凛「何かと思えばさっき話してたやつだね。残念ながらこれは、いいえ。アイドルは恋愛禁止だって、Pが毎日口を酸っぱくして言ってるでしょ?私はそれを破るつもりはないし、そもそも恋愛とかよくわからない。今までそういう話題にもあんまり関わったことないし、私自身興味もないんだよね。だから皆アイドルの自覚を」

P「...........」

晶葉「...........」

P晶葉「(メトロノームの針が回転してる......)」

メ「ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン」

動揺通り越してるやないか!

しぶ犬尻尾でてるぞ

トゥルーオデッセイ君の出力120%突破!

晶葉「恐らく発見器の故障だ。凛に好きな人はいない」

P「でも」

晶葉「故障だ」

P「はい.....」

晶葉「(我ながら恐ろしいものを作ってしまった。人間関係を破壊しかねんぞこれは)」

P「もうそろそろ試験も終わりにしたいんだが、あと何人くらい記録を取ればいい?」

晶葉「四人、といったところか」

P「わかった。凛のようにクールな子は何を隠してるかわからないから嫌だなぁ。もうちょっとわかりやすい子がいい」

ガチャ

幸子「おはようございます!朝からボクに会えるなんて光栄ですね!」

P「あの子、試験する必要あります?」

幸子「挨拶前に何か失礼なことを言われた気が.....」

晶葉「まぁまぁこちらに」

幸子「一体何をやってるんです?」

P「とりあえずこれを頭と腕に付けてくれ」

幸子「.....?」

晶葉「今から質問するから、全部いいえで答えるんだ」

幸子「あっ、これはもしや嘘発見器というやつですね!フフーン、残念!ボクは正直な人間です!なんせ、嘘をついたら魅力を失いますからね!」

晶葉「よし、では始めるぞ」

晶葉「『正直自分は可愛いと思っていない』」

幸子「いいえ!」フフーン

メ「..........」

P「さすが幸子、裏表なんてなしだぜ!」

幸子「ボクが可愛いというのは事実ですからね!胸を張らずにいられますかっ!」

晶葉「実に意識が高く今後の活動も期待できそうだな、助手よ」

P「あぁ」

晶葉「それでは次の質問に」

晶葉「『しかし周りのレベルが高くて危機感がある』」

幸子「い、いいえ」

メ「カチッカチッカチッ」

P「流石の幸子でも危機感はあるのか」

幸子「ま、まぁ確かに皆さん結構可愛いですが、ボ、ボク程ではないですねっ!」アセアセ

晶葉「さて、最後の質問に移りたいところだが.....覚悟は出来ているな?」

幸子「えっ....い、一体何を質問しようと!?」

P「幸子は大丈夫だと思う。なんせアイドルとしての意識が高いから、自覚もちゃあんとある」

晶葉「いいだろう。幸子、君に問う」

晶葉「『今、好きな人がいる』」

幸子「!」

幸子「いいえ!」

メ「.........カチッ」

晶葉「僅かに動いたが、なしと考えていい範囲だ」

晶葉「(よく耐えたな、幸子)」

P「ここが安息の地.....まさか幸子だとはな」

幸子「ボクはこの世界中の皆の可愛いアイドルです!誰か一人のものになんかなりませんよ!」

P「素晴らしいアイドルへの忠誠心だ」

晶葉「見事なものだな。さて次の質問だ」

幸子「何でも聞いてくれて結構ですよ。ボクの魅力とか!」

晶葉「『今、好きな人がいる』」

P「ん?」

幸子「......晶葉さん、さっきいないと言ったハズですが.....認めたくない気持ちもわかります。ですが」

晶葉「『その人は近くにいる』」

幸子「ふぃぇっ!?」

メ「カチッカチッカチッカチッカチッカチッカチッ!!」

P「嘘やん......」

サッチはカワイイなぁ

幸子「なっ、何を言ってるんですか晶葉さん!ボクにすっすっ好きな人なんていないって、言ったじゃないですか!」

晶葉「『いつも自分の相手をしてくれて嬉しい』」

幸子「んなぁっ!?///何を言って!////」

メ「ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン」

P「針回転してるぞ」

晶葉「『ライバルは多いけど、諦めたくない』」

幸子「や、やめてくださいっ!/////」

メ「ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン」

晶葉「『将来その人のお嫁さんになりたい』」

幸子「なぁっ!?///なっなっなっなっ!!////」

メ「ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン」ブォォォォ

P「ただの扇風機やぞ」

これ嘘発見器じゃなくてただ動揺してるかどうか見るだけの機械だよなぁ

>>27
実際のウソ発見器も同じ仕組みだし(MRI使ったら別だけど)

P「幸子に好かれるとか一体誰だよ」

晶葉「知らん」

P「いつも一緒にいて、将来を共にしたいと思う、まっまさか......!!」

晶葉「(何!?気付いただと!?)」

P「おっ......おっ.....!」

晶葉「(これは由々しき事態だぞ!最悪の場合、事務所の瓦解が始まっ!)」

P「おっ......幼馴染みっ......!」

晶葉「らないっ!!」ズコー

P「そんな条件....幼馴染み以外ありえないっ!」

晶葉「いや、幼馴染みなんてアニメじゃないんだから」

P「何寝ぼけてる!これはアイドル業界の陰謀だぞ!俺は中退したけど短大にも通ってたんだ!専攻は心理学だった、だからわかる!」

晶葉「最早トゥルーライズネタでもなくなったな」



ガチャ



飛鳥「おはよう。今日は風が冷たいね。まるで誰かの惚けた心を冷ますように......」

P「面白そうなのが来たぞ」

晶葉「面白そうなのが来たな」

そろそろ前川が見てみたいのですが

エクステと連動してそう

飛鳥「へぇ、嘘発見器か。偽りを暴こうだなんて、趣味の悪いことをするね」

飛鳥「だけど....面白そうだ。試してみる価値はある」

晶葉「そうでなくては面白くない!」


@数分後


P「これで準備OK」

晶葉「用意はいいな?」

飛鳥「いつでもどうぞ」

晶葉「ククク.....一度君とはゆっくり話がしたかったのだよ。さぁ始めよう」

晶葉「『科学に興味がある』」

飛鳥「ないね」

メ「........」

晶葉「『科学者に興味がある』」

飛鳥「その問に関する答えは、ノーだ」

メ「........」

晶葉「う~む.....虚を否定し、世界の理だけを信じる君はてっきり科学者に向いてると思ったんだが.....」

P「晶葉、お前は二宮飛鳥というものを理解しきれていない。俺が手本を見せよう」

晶葉「頼むぞ助手」

飛鳥「さぁ、ボクに問うがいい」

    マッドサイエンティスト
P「『〝 狂科学者 〟には興味がある』」

飛鳥「.....いや」

メ「カチッカチッ」

晶葉「おぉ!」

飛鳥「フフフ......隠し通すつもりだったが、君を見くびっていたよ。ボクの負けだ」

晶葉「飛鳥の扱いに慣れているな」

P「当たり前だ、俺はプロデューサーだからな」

飛鳥「君もまたボクと同じ存在、ということだね」

晶葉「本題に移るか、Pよ」

P「あぁ」

飛鳥「まだ本気じゃなかったんだね....面白い、君達がその気なら、ボクも抗うまでだ」

P「ノリノリっぽいので早く聞いてあげて」

晶葉「よし」

晶葉「『今、好きな人がいる』」

飛鳥「ボクには必要ない」

メ「......」

P「無反応だ」

晶葉「反応関係なく飛鳥がいいえで答えてくれないところにさっきから疑問を抱いているんだが、まぁいい」

P「飛鳥は色恋沙汰には無縁そうだな。失礼な意味じゃなくて、飛鳥自身興味がなさそう」

飛鳥「人間は欲に流されるから己という存在を忘れ、他と同じ動きをしてしまう。ボクはその一部になんてなりたくない。誰もが同じ、そんな世界は望まない」

晶葉「よくわからんが、アイドルとしての自覚は十分にあることがわかった。良かったな助手」

P「正直飛鳥は信じてた」

飛鳥「フフ....信頼とは返って気恥ずかしいものだね」

晶葉「まぁ念のため聞いてみるか」

飛鳥「お次はなんだい?」

晶葉「『Pのことが好き』」

メ「バヒュン!!!!!!!」

P「針飛んでったぞ」

とぅるーらいずくんつえー

飛鳥「.........」

飛鳥「.......んなっ!?」

飛鳥「なっ、何を言っているのかボクにはさっさっ、さっぱりだ」

P「信頼してくれてるとはありがたい。俺も好きだぞ、飛鳥」

飛鳥「......~~~~~~!」カァァァ

飛鳥「それじゃきゃっきゅきょ、今日は、かっ、かえゆっ、帰るっ!」

ガチャ

バタン!!

晶葉「呂律も回らぬほど恥ずかしかったのか」

P「そりゃ唐突にあんなこと言われたら誰だって恥ずかしいよ。俺の名前じゃなくても」

晶葉「.....アホか?」

P「え?」

晶葉「さて、修理しなくては」ジジジ

ガチャ


あずき「う~....具合は悪くないのに体が熱い......」

伊吹「アタシも......」

凛「全然レッスンにならなかった....」

幸子「飛鳥さんはドアに隠れてどうしたんです?」

飛鳥「な、何でもないさ」

P「お疲れ様。早速で悪いが、君達にはちょっとお話がある.......」

全員「..........」

晶葉「お手柔らかにな」ソソクサ

P「恋というものは生物にとって仕方のないことだ。しかし君達はアイドルで人の夢や希望をその若さで壊しかねん。もっとプロ意識を持って」ガミガミ

凛「(どうして.......)」

幸子「(ボク達は.......)」

飛鳥「(想い人に.....)」

伊吹「(直接......)」

あずき「(怒られなきゃいけないんだろ.....)」

P「恋をするなとは言っていない。だがしかし君達にはまだ早すぎる。熱愛報道なんてされた日にはこの事務所全員に疑いがかかることになるんだぞ。もう少し感情を抑えてだな」ガミガミ





晶葉「.........」

晶葉「『池袋晶葉は恋に興味などない』」

メ「カチッカチッ」

晶葉「............」

晶葉「..........私も説教を受けてくるか」





おしまい

おつん

乙です

かわいい
ネタばらし編は……見てみたい気もするけど蛇足かもな

Pは激怒した。必ず、かのアイドル達の迷いを除かなければならぬと決意した。
Pには恋愛がわからぬ。Pは、アイドルのプロデューサーである。汗をかき、ちひろに貢いで暮して来た。
けれどもファンの思いに対しては、人一倍に敏感であった。



ところでタイトルのちっひーは?

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