ちいさなあんずとてんのほし (20)
みじかーいおはなし
多分モバマスだとおもって書きました
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枝から落ちた青い杏と、空に輝く星の話。
風に吹かれて枝から落ちた、固くて青い杏の木の実。
地面に落ちてころころと、転がるうちに岩の陰。
「わたしはきっと、このままくさっていくんだろうな。」
そんな時、空から誰か声をかけます。
「ねえあなた、あなたはなあに。」
「わたしはあんず。まだ、あおいけれど。」
続けて杏も問いかけます。
「そういうあなたはいったいなあに。」
「わたしはほし。いきなりはなしかけてごめんなさい、さみしかったからつい。」
「いいよ、わたしもさみしかったから。」
星は一際輝いてこう言います。
「ねえねえ、わたしたち、ともだちになりましょう?」
「それはいい、たいくつしなくてすみそうだ。」
「あなたとあえるのは、おひさまがみていないあいだだけだけど。」
「それでもいい、まっているじかんもきっとたのしいものだとおもうから。」
それからと言うもの、初めてできた友達どうし一夜一夜話をします。
「あなたはどこでうまれたの?」
「たかいきのうえ。あなたほどたかいところではないけれど。」
「あなたはどんなところにいる?」
「くらくてひろい、なにもないところ。」
「あなたはちいさくてかわいらしいわ。」
「そんなことはじめていわれたよ。」
「あなたはきらきらしていてきれいだね。」
「そんなことはじめていわれたわ。」
「わたしたちって、けっこうにているのかもしれないわ」
「そうかな、そうだったらうれしいな」
そして最後にはいつも同じ一言を。
「またあした。おはなししましょう。」
「またあした。おはなししよう。」
だけれど、それもそう長くは続きません。
楽しい時間とは裏腹に少しずつ杏は腐っていきました。
ある日杏は星に言います。
「このままわたしはだめになっていくのかな。」
星は悲しげにちかちか瞬いて言います。
「もうすぐおわかれなのかしら。」
「それはいやだな、せっかくともだちになれたのに。」
今度は優しくぼうと光って言います。
「じゃあ、いつかとおいとおいひに、またともだちになりましょう。」
「それなら、こんどはもっとちがうわたしであいたいな。」
「こんどはふたりできらきらしましょう。」
「わたしににあうかな。」
「きっとにあうわ。まあるいかわいいあなたなら。」
「ありがとう。きらきらしかたは、まだわからないけれど。」
「それならわたしがじめんおりて、あなたのそばでおしえてあげるわ。」
「ありがとう。わたしはちいさいままだろうから、はぐれてしまうかもしれないけれど。」
「わたしがおおきいわたしになって、どこにいたってみつけてあげる。」
「ありがとう。うれしいな。うれしいな。」
また一夜話し続けた友達どうし。
いつも通りのお別れをします。
「またあした。おはなししましょう。」
「またあした。おはなししよう。」
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そしていつかの遠い遠い明日の話。
「あんずちゃーん!起きてー!」
「んん……後5分……」
「んもー、もうすぐライブが始まっちゃうよぉ?」
「えー。今日はもうお休みでいいんじゃない?」
「お客さんたちも楽しみにしてくれてるんだからぁ……」
「キャンディあげゆから、一緒にはぴはぴしちゃお?」
「しょうがないなぁ……ちょっとだけだよ?」
「ありがとー!きらりんもいーっぱいはぴはぴしちゃうにぃ☆」
「じゃ、いこっか」
サイリウムの星空に、隣り合わせできらきら光る、ずっと昔から友達の二人。
ここにいるよと芽吹いた杏ときらりと光る星の話。
おしまい
モバマスだと思って書いてたんです。
読んでくれた人がいたらありがとう。また次もよろしくお願いします。
おつおつ
乙乙
はぁああああああん
そいそいそいそい!
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