【モバマス】凛「私だって甘えたい」 (72)
ちひろ「…」
凛「…」
ちひろ「……え?」
凛「…」
ちひろ「り、凛ちゃん? 今なんて」
凛「……私だって、甘えたい」
ちひろ「…」
凛「…」
ちひろ「……志希ちゃんのお薬でも飲みました?」
凛「ち、違うよ」
ちひろ「…………サイキックパワーに当てられたとか?」
凛「だっだから! ……ちがう」
ちひろ「…」
凛「…」
ちひろ「……あらー」
凛「っ……」
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ちひろ「どうしてまた急に?」
凛「別に急って訳じゃ……ない、けど」
ちひろ「ずっとそう思ってたの?」
凛「…」
ちひろ「甘えたい、って」
凛「……うん」
ちひろ「……あらぁ……」
凛「な、なにさ」
ちひろ「んー……何ていうか、凛ちゃんもまだ子供だったなぁって」
凛「そんなの勿論……私なんてまだまだ子供だよ」
ちひろ「ほら、凛ちゃんって普段大人っぽいっていうか……落ち着いてるから」
凛「……そうかな」
ちひろ「少なくとも私にはそう見えるなぁ……だから驚いちゃった」
凛「そう……て、ていうか」
ちひろ「ん?」
凛「そもそもさ、そもそもだよ」
ちひろ「そもそも?」
凛「私の周りが……その、同年代とか年上らしくないって、いうか」
ちひろ「うーん……ニュージェネとかトラプリ?」
凛「……うん」
ちひろ「そうかしら」
凛「だって、加蓮と奈緒なんていっつもふざけてるし」
ちひろ「そ、そうなの?」
凛「卯月なんて、凄い天然だし、未央もなんていうか……妹? っぽいし……勿論皆のことは大好きだけど」
ちひろ「うーん……凛ちゃんが頼りになるから、頼りきっちゃってるのかもね」
凛「それにしても……! そんなの、ずるい」
ちひろ「うん」
凛「私だって、もっと頼りにしたい……甘えたいのに。本当は皆に甘えたいのに!」
ちひろ「成程ねぇ……」
凛「だから、もうふっきれたの!」
ちひろ「それで私?」
凛「うん」
ちひろ「どうして私なの? その四人に甘えればいいんじゃ……」
凛「そ、そんなの……恥ずかしいじゃん」
ちひろ「……そっかぁ……」
ちひろ(凛ちゃんかわいいなぁ)
凛「だから、お願い」
ちひろ「っ……本当に私でいいの?」
凛「……ちひろさんがいい」
ちひろ「っ……! 分かりました、ううん……分かったわ」
凛「……!」パア
ちひろ「凛ちゃん、おいでー」
凛「うん!」ギュ
ちひろ「わっと……ふふ、よしよし」ナデナデ
凛「ん……」
ちひろ「思う存分甘えていいからね」
凛「うん! ……も、もう一回撫でて」
ちひろ「うん♪」ナデナデ
凛「ん、ん……」
ちひろ「もっとくっついても大丈夫だよ?」
凛「ほんと?」
ちひろ「うん」
凛「……やった」ギュッ
ちひろ「ふふっ」
ちひろ「凛ちゃんはいつも頑張ってるから」
凛「……うん」
ちひろ「私でいいなら、たくさん甘やかしてあげるね」
凛「うん……! うんっ」ギュ
ちひろ「よしよし♪ 好きなだけ甘え……あっ」
凛「……? どうしたの?」
ちひろ「…」ダラダラ
凛「ちひろさん……? えっ」クル
楓「あっ」
ちひろ「あー……」
凛「」
楓「……どうも?」
凛「うわああああっ!!?」
いいぞ~
凛「かっ、楓さ……!!」
ちひろ「気づきませんでした……」
楓「どうやらお取込み中だったようで……?」
凛「うぅ……恥ずかしいぃ……」
楓「そんな、恥ずかしがらないで」
凛「そんなこと言ったって……!」
楓「大丈夫、私も甘やかしてあげますから」
凛「……え」
ちひろ「あ、あれ? 聞いてたんですかぁ!?」
楓「初めの方から聞いていました」
凛「な、なっ……言ってよっ!」
楓「ふふ、ごめんね?」
ちひろ「もー、酷いですよぉ」
楓「ちょっとした出来心だったんですっ」
凛「うー……」
楓「ほら、談話室に行きましょう? 早く、早く私も凛ちゃん甘やかしたいです」ワクワク
凛「なんで楽しそうなの……もう」
ちひろ「談話室に来ましたけど、どうしましょう?」
凛「私は、任せるけど」
楓「んん、そうですね……ではサンドウィッチ作戦で行きましょう」
凛「サン……え?」
楓「まずは先ほどのように、ソファに座ったちひろさんに凛ちゃんが抱きついてもらって」
凛「抱きつ……っ、間違ってないけど」
ちひろ「ま、まぁ私は大丈夫ですよ」
楓「ほらほらっ」
凛「っ……分かった……じゃあちひろさん」
ちひろ「うん、いいよ」
楓「」ワクワク
凛「もう……ん」ギュ
ちひろ「っと」ギュ
楓「それでは行きますよー……よいしょ」ギュー
凛「ぅぁ」
ちひろ「わっ」
楓「おー……サンドウィッチですね」
凛「…………これ、やばいかも……」
ちひろ「……私も、結構恥ずかしい……楓さん近いですぅ……」
楓「ちゅーできちゃいますね♪」
ちひろ「へぇっ!?」
楓「うふふ。……ほら、凛ちゃん撫でてあげます」ナデナデ
凛「ふぁ」
楓「凛ちゃんの気の抜けた声、初めて聞いたかも」
ちひろ「じゃ、じゃあ私は腰を……」ポンポン
凛「っ……んん……いいかも、しれない……」
楓「ほんと? よかったっ」
凛「うん……ね、ねぇ」
ちひろ「うん?」
凛「……大丈夫? ちひろさん、仕事とか……楓さんも、大丈夫なの?」
ちひろ「うん、大丈夫っ気にしないで」
楓「私ももう少し時間には余裕がありますから、大丈夫です」
凛「……じゃあ、もう少しだけ……」
楓「うん、いっぱい甘えてくれていいのよ」
凛「……うん…………あったかい」
*
凛「ん……」パチ
ちひろ「ん、おはようございます凛ちゃん」
凛「おはよ……あれ、楓さんいない……」
ちひろ「楓さんはお仕事に行きましたよ」
凛「そっか……ん? 今何時?」
ちひろ「えーと……13時近くですね」
凛「13時……あっレッスン行かないと……!」
ちひろ「あ、あら大丈夫ですか?」
凛「ど、どうだろ、ちょっと急がないと」
ちひろ「それじゃ一回お別れですね」
凛「うん」
ちひろ「ふふっ、また甘えたくなったらいつでも言ってくれて構わないですからね」
凛「うん……ありがとう、ちひろさん」
ちひろ「どういたしまして♪」
凛「…」
ちひろ「……? どうしました?」
凛「……も、もうちょっとだけ」ギュ
ちひろ「……ふふ、遅れても知りませんよー」ギュ
―――――――――――――――
――――――――――
―――――
@スタジオ
マストレ「よし、今日のレッスンはここまでだ! 解散!」
周子「お疲れ様でしたー……」
フレデリカ「おつかれさまー☆」
凛「ふぅ……お疲れ様でした」
マストレ「各自水本補給を忘れるなよ、では失礼する」
バタン
フレデリカ「いや~今日もハードだったね! さすがのアタシも疲れたよ~」
周子「全然そんな風に見えないんだけど……あー水水」
凛「凄いね、フレデリカ」
フレデリカ「褒めてもアメしか出ないよ~」
周子「出るんかい」
フレデリカ「はい飴ちゃん」スッ
凛「ありがとう」
周子「あるんかい。ありがとね」
フレデリカ「どいたま~♪ レッスン終わりのこの一粒が沁みるんだよね~! うまぁい!」テーレッテレー
凛「ん……美味しい。それじゃ私先行くね」
周子「あ、ちょい待ち凛ちゃん」
凛「何?」
周子「今日あたしの部屋で闇鍋するんだけどさ、凛ちゃんも来る?」
凛「闇鍋……!?」
周子「やみなべー」
フレデリカ「アタシも行くよ! 闇に飲まれるよー!」
周子「そそ。フレちゃんと、今んとこは奏志希ちゃん美嘉ちゃんに文香ちゃんとありすちゃんね」
フレデリカ「煩わしい太陽ね……」
周子「あーはいはい」
フレデリカ「雑ぅー☆」
凛「……どう考えても大変なことになりそうなんだけど」
周子「んー否定できないね!」
フレデリカ「でも絶対楽しいよ~! 凛ちゃんも行こー?」
凛「確かに楽しそうだけど……ごめん、私は遠慮しておこうかな」
凛(多分今日の私だったら誰かに甘えちゃいそう……そ、そんなとこありすに見せられないし)
周子「そっかー、残念。次はおいでー」
凛「うん、ありがとう周子」
フレデリカ「……んー?」
周子「なしたん」
凛「?」
フレデリカ「なーんか、今日の凛ちゃんいつもと違うねー」
周子「あー、ちょい分かる」
凛「……えっ!? そ、そう? どこが?」
周子「何か大人しいって言うか、年相応って感じ? レッスン中も」
凛「え、えっ、えっと」
フレデリカ「あ、そういえば凛ちゃんって年下だったね! 忘れてた~」
周子「あたし達よりおっきいもんね」
凛「そ、それはそうだけど……」
フレデリカ「……あっ!」ピコーン
凛「な、なに?」
フレデリカ「凛ちゃん髪跳ねてるよっ」
周子「へ?」
凛「えっ、うそ」
フレデリカ「ここはオネーサンが直してあげよー!」クシクシ
凛「!? わ、わっ」
周子「……あぁっ! こっちも跳ねてるねー! よし、こっちはあたしに任せろー」クシクシ
凛「なっなにっ、っ、わっ」
周子「じゃまたねー」
フレデリカ「ズドラーストヴィ~☆」
周子「なにそれ」
フレデリカ「こんにちわ~☆」
周子「だめじゃん」
フレデリカ「この前アーニャちゃんに教えてもらったんだよね! それじゃグッバーイ☆」
周子「そこは英語なんかい」
凛「…」フリフリ
バタン
凛「……髪、跳ねてなかった」
凛「……鏡で、見たけど」
凛「跳ねて、なかった」
凛「…」
凛「……撫でられた?」
凛「…」
凛「……っ」カァァ
ガチャ
凛「!?」
亜里沙「あっ、凛ちゃん見つけたぁ~♪」
凛「あ、亜里沙さん?」
亜里沙「はーいありさお姉さんですよ~♪」
凛「どうしたの? レッスンならもう終わったけど」
亜里沙「うん、そこで周子ちゃんとフレちゃんに聞いたよぉ」
凛「なら尚更……」
亜里沙「とりあえず、スタジオ出ましょうねぇ」グイ
凛「えっ、ちょ、ちょっと」
*
亜里沙「はい、オレンジジュース♪」
凛「……ありがとう」
亜里沙「ん~? オレンジジュース、嫌いだった?」
凛「好きだけど……」
亜里沙「ならよかった~♪」
凛「……それで、どうしたの?」
亜里沙「うん、実はちひろさんと楓さんに頼まれちゃって~」
凛「ちひろさん楓さん……えっ、もしかして、うそ」
亜里沙「うん! 凛ちゃんを甘やかしてあげて~って♪」
凛「……あー……っ、もう」カァ
亜里沙「ありさお姉さんだけじゃなくて、他にも頼んだみたいだよぉ」
凛「う、うそ……あぁもう嬉しいけどっ」
亜里沙「うんうん、凛ちゃんも15歳だもんね~♪」
凛「そ、そうだけど」
亜里沙「いいんだよ~好きに甘えちゃって! ほら、ウサコちゃんもいるんだから! うさー♪」
凛「……好きに?」
亜里沙「すきに♪」
凛「…………うさこも?」
亜里沙「ウサコちゃんも♪」
凛「……じゃ、じゃあ」
亜里沙「うんうん♪」
凛「……っ」
亜里沙「…」ニコニコ
凛「……ほめてほしい」
亜里沙「よしきた♪ 頑張っちゃうよぉ~!」
僕もほめてほしいれす
亜里沙「よいしょ」ギュ
凛「あ……ダメだよ、私汗かいてる」
亜里沙「大丈夫♪」
凛「……ほんと?」
亜里沙「うん♪」
凛「……ん、分かった」ギュ
亜里沙「うんうん……凛ちゃんはいつも皆のことまとめてくれてるもんね」ギュ
凛「そんなこと、ないよ」
亜里沙「たまにはお休みして、大人に甘えるのも大切だよぉ」
凛「……だって恥ずかしいし」
亜里沙「そんなことないよぉ? ちひろさんも楓さんも凛ちゃんに頼られて嬉しかったと思うし!」
凛「ちひろさ……んんっ、もう! 本当はちひろさんに言うのだって恥ずかしかったのにっ」
亜里沙「うふふ、頑張ったんだね~」
凛「うん、楓さんは予想外だったけど……でも、気持ちよかったな」
亜里沙「どんなことされたの~?」
凛「……言わなきゃだめ?」
亜里沙「無理強いはしないよ~! もしかして、恥ずかしい? うふふ」
凛「べ、別に恥ずかしくなんか……っ、えっとね、談話室で――――」
*
亜里沙「ん、それじゃあ亜里沙お姉さんそろそろ行こうかな? お仕事の時間が来ちゃった」
凛「あ……うん」
亜里沙「また、いつでも頼ってくれていいんだよ?」
凛「いつでも?」
亜里沙「うん! ほら、ウサコちゃんも言ってるよ~♪」
凛「……ふふ、うん。ありがとう」
亜里沙「どういたしまして♪ またね!」
凛「うん!」
スタスタ
凛「いっぱい話聞いてもらっちゃったな……」
タッタッ
凛「ん?」
亜里沙「凛ちゃーん!」
凛「どうしたの? 忘れも……わっ」
亜里沙「頑張ってね♪」ナデナデ
凛「わ、あ、ありがとう」
亜里沙「うん! またね凛ちゃん♪」
スタスタ
凛「…」
凛「……大人ってずるいな」
@事務所
ガチャ
凛「ただいま」
凛「?」
凛「誰もいないのかな」
凛「……談話室行こ」
心「いけのあ! かくほー☆」
のあ「了解」ダッ
凛「えっ!?」
のあ「確保」ガシ
凛「わっ、い、居たの!?」
心「はい、凛ちゃん連行☆」
のあ「了解」ズルズル
凛「えぇ……」ズルズル
凛「ねぇちひろさんは?」ズルズル
心「何かプロデューサーのとこ行ったわ☆ 帰り遅くなるみたいだから、文句言えないね☆」
凛「べ、別に文句なんか……むしろ、嬉しいっていうか」ボソ
心「…」ニヤニヤ
凛「はっ。いや、これは、その」
心「ちづちづみたいだな凛ちゃん☆ かわいいぞ☆」
凛「……う、うるさいな」カァ
心「やーん♪」
のあ「凛、座りなさい」
凛「う、うん」スト
心「うん、よろしい☆」
凛「ねぇ……一体なんなの?」
心「なんなのって、そんなこと言って分かってんだろー☆」
のあ「そうね。貴女が一番知っているはず」
凛「…」
心「…」
のあ「…」
凛「……ちひろさん、楓さん」
心「ぴんぽーん☆」
のあ「その通り」
凛「…」カァ
心「何恥ずかしがってんだよホントかわいーなオイ☆」
凛「かわっ」
のあ「凛もまた、幼い少女と言うことね」
凛「お、おさな……っそうだけどさ」
心「まーそんな幼い凛ちゃんをはぁと達が甘やかしてあげるってコトよ☆」
のあ「任せなさい」
凛「大丈夫かな……」
心「何を心配する必要があんだよ☆」
凛「だって心さんいつも千鶴のこと弄ってるし」
心「ちっ、ちづちづはアレよ? あ、愛情の、裏返し的な……アレだから☆」
凛「ふーん……」
心「信じろ☆」
のあ「まぁ心は置いておきましょう」
心「置くな☆」
のあ「いつも雪美と共にいる私なら造作もないことよ」
凛「確かに一緒にいるけど」
のあ「それに貴女と雪美は髪型が似ているわ」
心「関係ある?」
凛「無いと思う」
のあ「無いわ」
心「無いのかよ☆」
凛「えぇ……」
心「じゃ、そーゆーことで隣失礼するわ☆」スッ
凛「どういうことで……?」
心「細かいことは気にすんなよ☆」
のあ「…」スッ
凛「えっのあさんも」
のあ「……だめかしら」
凛「だ、だめじゃないっ」
のあ「ありがとう」スト
心「…」
凛「…」
のあ「…」
心「……狭っ」
のあ「当然ね。このソファは二人掛けだもの」
心「経費でいいソファ買ってくれよなー☆ 腰もよくなんだろ……」
のあ「……フッ」
心「珍しく笑ったなのあテメー☆」
のあ「気のせいよ」
凛「…」
心「くっそ凛ちゃん挟んでじゃ小突けねー☆ 後で覚えてろ☆」
凛(……二人とも、大きいな)
のあ「メモ帳に記しておくわ」
凛(何か……)」
心「マジメか☆」
凛「……安心する」
心「へっ?」
のあ「……!」
凛「……えっ?」
心「…」プルプル
のあ「…」
凛「……口に出てた?」
心「かわいいなちくしょーー!!☆」ガバ
凛「うわぁ!?」
のあ「凛……貴女、本当に……どうして……愛おしいわ」ナデナデ
凛「あっ、あ、あの」カァ
心「ねーねぇー♪ 何で安心するのー? 教えてみー☆」
のあ「私も気になるわ」
凛「そ、そんな深い意味はなくて……その」
心「うんうん♪」
凛「……二人とも、私より大きいから」チラ
心「うっ!!!!」
凛「!? どうしたの」
心「……上目遣いは……卑怯だろぉ……☆」
のあ「!?」
凛「だ、だって心さん覆いかぶさってるし……」
心「だって可愛いんだもん!!」
凛「そ、そう」カァ
なんだこの楽園は
のあ「凛」
凛「なに?」
のあ「私にもやりなさい」
凛「えっ」
のあ「私にも、やりなさい」
凛「き、聞こえてるよ」
のあ「さぁ」
凛「どうしてそんな……」
のあ「ほら、これでしやすいでしょう?」ガバ
凛「わっ」
のあ「さぁ」
心「はぁ~☆」ギュー
凛「……何この状況……わ、分かったよ……」チラ
のあ「……!!」
凛「これでいいの……?」ジー
のあ「…」
凛「……のあさん?」ジー
のあ「…」ギュー
凛「のあさん!?」
心「あぁ~~☆ 癒されるわ……」ギュー
のあ「……凛、貴女卑怯ね」ギュー
凛「なっ何が、むぐっ」
凛「と、とりあえず二人とも落ち着いて!」グイ
心「あーん」
のあ「あっ……」
凛「苦しいからっ」
のあ「ごめんなさい。つい、止められなくて」
心「すまねぇ☆」
凛「うん……ていうか、その」
心「ん?」
のあ「何でも言いなさい」
凛「さっきも言ったけど、その……安心して」
心「うんうん☆」
凛「……その」
のあ「えぇ」
心「遠慮しないで言えよ☆」
凛「……ね、眠くなってきちゃって、寝たいの! それで、二人に……傍に居て欲しいな」
心「はぅ」キュン
のあ「えぇ、傍にいてあげるわ。レッスンもあって疲れたでしょう」
凛「うん……ありがとう」
心「はぁと達お仕事あるから時間来たら行っちゃうけど、それでもいい?」
凛「うんっ」
心「ん☆ じゃ肩貸したげる☆」
凛「うん、ありがとう」
のあ「いや、待ちなさい」
凛「?」
のあ「肩は私が貸すわ」
心「え? いやいやここは年功序列ってやつだろ☆」
のあ「年長者なら若い者に譲るべきでは?」
凛「ちょ、ちょっと」
心「なんだのあテメー☆ この間ウチで酔った時の動画雪美ちゃんに見せるぞ☆」
のあ「フッ……その動画には下着姿の貴女も映っているはずだけれど?」
凛「もう! 喧嘩しないで! ほら、これでいいでしょ」ギュ
心「あっ」
のあ「……手」
凛「私はこれで十分だからっ」
のあ「凛……」ギュ
心「なにこれ幸せじゃん」ギュ
のあ「……ごめんなさい、心。私達が喧嘩していたら凛も寝られないわね」
心「そうだな☆ はぁとも悪かった、ごめんね」
凛「……うん、仲直りしてくれたら良かった」
のあ「ただあの動画は後で消しておきなさい」
心「えーどーしよっかなー♪」
凛「あー、もう……ふふっ、まぁこれはこれでいいかな……おやすみ」ギュ
*
凛「スー……」
のあ「ん……そろそろ時間ね」
心「だね、凛ちゃんには悪いけど行こっか」
のあ「えぇ」
心「最後に撫でてやろ☆」ナデナデ
凛「……んん」
のあ「…」ナデナデ
凛「んぅ……えへ……スゥ……」
心「よっし♪ じゃあねー☆」
のあ「またね」
凛「……zzz」
バタン
乃々(……と、とんでもないものを見てしまったんですけど……)ガクガク
年下組からしたら衝撃だろうなぁ
面白いです
乃々(凛さんがあんな……いつもクールな凛さんが……)
乃々(……で、でも可愛いかも……)
乃々(はっ)
乃々(こ、こんなこと凛さんに言ったらどうなるか……)
乃々(今日見たことは忘れて、凛さんが寝てる内にどこかへ逃げましょう……)モゾモゾ
乃々(うぅ……お仕事まで漫画でも読んで時間を潰そうと思ったのに……)コソコソ
乃々(ドアまで、あと、ちょっと……)
凛「……ん、ん?」パチ
乃々「アッ」
凛「…」
乃々「…」
凛「…」
乃々「」ダッ
凛「」ダッ
乃々「あうぅ……どうして捕まえるんですかぁ……」
凛「さぁ」ニコ
乃々「ヒッ」
凛「乃々、今から質問するけど嘘はつかないでね?」
乃々「……は、はい」
凛「…」
乃々「…」プルプル
凛「……どこから見てた?」
乃々「…」
凛「…」
乃々「……えっと」
凛「…」
乃々「…」
凛「…」
乃々「……凛さんが捕まったところから」
凛「全部じゃん……」
凛「あぁ……年下にだけは知られたくなかったのに……」
乃々「ご、ごめんなさい……」
凛「乃々は悪くないよ……失望したよね、あんな」
乃々「失望なんて……だ、だって凛さん」
凛「……?」
乃々「……言っても怒らないですか……?」
凛「……余程変なことじゃなければ」
乃々「えぇ……」
凛「お、怒らないよ」
乃々「本当ですか……? で、では」
凛「うん」
乃々「……えっと、その」
凛「うん」
乃々「……ほ、本当に怒らないですよね……?」
凛「怒らないよ……! 次、それ言ったら怒るよっ」
乃々「わ、分かりました」
凛「ん、それで?」
乃々「はい……あの」
凛「うん」
乃々「……可愛かったです」
凛「え」
乃々「可愛、かったです」
凛「えっ」
乃々「いつもクールな凛さんが……あんなに甘えて……」
凛「あ、あの」
乃々「のあさんと心さ、はぁとさんが羨ましかったです……」
凛「ちょ、乃々」
乃々「二人が出ていく時、凛さんのこと撫でてたんですけど」
凛「のの、のの」
乃々「凛さん……えへ、って言ってました……!」
凛「えっそんな、うそ」
乃々「えへって……!!」
凛「あ、あぁ」
乃々「凛さん、可愛いです……!」
凛「や、やめ」
乃々「可愛い……! 凛さん可愛い!!」
凛「」
凛「」ムニー
乃々「いたいでふ」
凛「怒るよ」
乃々「もう怒ってるんですけど……」サスサス
凛「あぁ、もう……」
乃々「でも顔真っ赤です、可愛いです」グッ
凛「やめて」カァ
乃々「あ……そうだ」
凛「何……?」
乃々「凛さん……今日のこと、皆には黙っててほしいですよね?」
凛「そんなのもちろ……はっ、まさか乃々」
乃々「ふふ……取引なんですけど……!」
凛「そ、そうはさせない!」ダッ
乃々「なっ」
タッタッ
ゴソゴソ
タッタッ
凛「もし皆にバラしたら……これがどうなっても知らないよ……!」
乃々「そ、それは私のポエム帳……!」
凛「甘いね乃々!」
乃々「こすいんですけど……三代目シンデレラガールこすいんですけど……」
凛「うっ」
乃々「でも、甘いのはそちらですよ凛さん」
凛「え?」
乃々「その手帳をよく見て下さい」
凛「これは……『キノコ成長日誌66』……!?」
乃々「焦りましたね、それは輝子さんの日誌ですよ……!」
凛「くっ、何の役にも立たない……! 66ってっ……!! キノコ好き過ぎっ……!!」
乃々「三代目シンデレラガールも堕ちましたね……!」
凛「ほ、本物を……!」
乃々「そうはさせないんですけど……!」ガシ
凛「力強っ」ポス
乃々「もう逃げられませんよ……! 大人しくソファに座ってください……!」
凛「くっ……!」
乃々「……もうテンション戻していいですか?」
凛「うん」
乃々「はい」
凛「はい」
凛「で、どうすればいいの? 皆に広めるのは勘弁してほしいんだけど……」
乃々「そ、そうですね……」
凛「ていうか、いつまで馬乗りになってるの」
乃々「…」ジー
凛「…」グイ
乃々「…」ググググ
凛「……の、乃々?」
乃々「……私も」
凛「えっ」
乃々「私も凛さんを甘やかしたいです……!」フンス
凛「えっ」
乃々「お願いしますっ……!」
凛「お願いされるも何も……今断れないし……」
乃々「……と、ということは……!」
凛「い、いいよ」カァ
乃々「……!!」パァァ
凛「うぅ……」
乃々「…」
凛「…」
乃々(ど、どうしよう)
凛「……?」
乃々(どうすればいいのか全然分からない……!)
凛「どうしたの?」
乃々「え、えっと」
凛「その……」
乃々「は、はい」
凛「……好きにしていいんだよ?」チラ
乃々「はうっ……!」
凛「あ、あれ、この流れ」
乃々「凛さん……っ!」ギュー
凛「むぐっ」
乃々「凛さ、凛さん……」ギュ
凛「ちょっ、くるし、苦しいから」
乃々「もう少しだけ……!」ギュー
凛「あーもう……」
乃々「な、撫でてもいいですか……?」ギュ
凛「好きにしていいよ……」カァ
乃々「……やった……!」ナデナデ
凛「……ん」
乃々「幸せです……もう少し、もう少しだけ……」ナデナデ
凛「ん……まぁ、悪くないかな……」ギュ
乃々「ふぅ、堪能しました。それではもりくぼはお仕事があるので」テカテカ
凛「う、うん」
乃々「だ、誰にも言わないので安心してください……!」
凛「うん、助かるよ……」
乃々「……そ、その代わり」
凛「……?」
乃々「……またしてもいいですか」
凛「……じゃないと言う?」
乃々「…」
凛「…」
乃々「……え、えへ」
凛「分かった……」
乃々「やった……! そ、それでは……!」
バタン
凛「うぅ……乃々に弱みを握られるなんて……」
凛(ある意味、もう何も怖くないかな……)
凛「あはは」
凛「…」
凛「はぁ……」
ガチャ
凛「ん、ちひろさん帰ってきたかな……?」
スタスタ
凛「おかえ……」
クラリス「あら」
凛「クラリスさん……!」
クラリス「ふふっ、お出迎えですか? おはようございます、凛さん」
凛「……おはよう」
クラリス「? 何だか元気が無いですわね……どうかしましたか?」
凛「もう、誤魔化さないでよ」
クラリス「……? 誤魔化す?」
凛「ちひろさんと楓さんから聞いてるんでしょ……とりあえず、こっち来て」グイ
クラリス「はて、ちひろさ……あ、あっ、凛さん、わっ」
凛「ほら、座って」
クラリス「は、はい」スト
凛「ん」スト
クラリス「……どうして隣に?」
凛(乃々にバレたんだ、もう甘えるのなんて恥ずかしくないんだから)
クラリス「凛さん?」
凛「それじゃあ、まだちょっと恥ずかしいけど……甘えていい?」
クラリス「……甘える?」
凛「うん」
クラリス「甘えたいのですか……?」
凛「そうだよ」
クラリス「…」ツンツン
凛「わっ、なに」
クラリス「本物ですわ……」
凛「そ、そうだけど」
クラリス「まぁ……」
凛「?」
クラリス「あらぁ……」
凛「な、なに?」
クラリス(……凛さん、疲れているのですね。ここは大人として期待に応えましょう)
凛「……?」
クラリス「……えぇ、いいですよ。私でよければ、満足のいくまで甘えてください」
凛「……! うん!」
クラリス「……でも、困りましたね」
凛「え?」
クラリス「私、人を甘やかすという経験が余りないもので……」
凛「……確かに見たことないかも」
クラリス「えぇ……はて、どうすればいいのでしょう」
凛「えっと……じゃあ私がしてほしいこと、とか……だめ?」
クラリス「あぁ、そうしましょう……! 何でも言ってください、期待に応えられるよう頑張りますわ♪」
凛「……なんでも?」
クラリス「はい♪ せっかくこうして凛さんが甘えて下さるんですもの……」
凛「そ、そんな」
クラリス「私としてもとっても嬉しいですわ♪」
凛「……本当? ふふ、嬉しいな」
クラリス「ですから何でも言ってください……ね?」
凛「うん!」
クラリス「さぁさぁ♪」
凛「うん、じゃあ、こう……ぎゅってして」
クラリス「ハグですか?」
凛「うん……!」
クラリス「お安い御用ですわ♪」ギュ
凛「あっ……ん」ギュ
クラリス「どうでしょう……落ち着きますか?」
凛「うん……落ち着く」
クラリス「まぁ良かった♪」
凛「……今日色んな人に、その、ぎゅってされたけど」
クラリス「? はい」
凛「何でだろう、クラリスさんが一番落ち着くな」
クラリス「まぁ……! うふふ、嬉しいですわ♪ あ、そうですわ」
凛「?」
クラリス「これからは、凛ちゃんって呼んでもいいでしょうか?」
凛「うん。ふふ、むしろその方が嬉しいかな」
クラリス「あら、では……凛ちゃん」
凛「……クラリスさん」
クラリス「うふふ、凛ちゃん」
凛「クラリスさん」
クラリス「凛ちゃん♪」
凛「ふふ、クラリスさん……♪」
クラリス「……♪」ナデナデ
凛「ん……ねぇ」
クラリス「はい?」
凛「その、もっとくっついてもいいかな……?」
クラリス「えぇ、勿論ですわ♪」ギュッ
凛「ん……へへ」ギュー
クラリス「凛ちゃんったら気の抜けた声を出して……こんな凛ちゃん中々見られないですわ♪」
凛「と、特別なんだよ」
クラリス「えぇ、分かってますわ」
凛「もう……」ギュ
クラリス「ふふ♪」ギュ
凛(あー……また寝ちゃいそう……今日寝すぎじゃない……?)
クラリス「……♪」ナデナデ
凛(クラリスさん、自然に撫でてくれるし……このままじゃだめっ)
凛「そ、それにしてもさ」
クラリス「?」
凛「ちひろさんも楓さんもズルイよね。亜里沙さんにのあさん心さん、そしてクラリスさん」
クラリス「……?」
凛「人選が完璧だし、本気で私のこと甘えさせに来てるっていうか……嬉しいけどさ」
クラリス「あの……」
凛「ん?」
クラリス「さっきもそうでしたけど……ちひろさん楓さん、それに亜里沙さんなど……どういうことでしょう?」
凛「へ?」
クラリス「さっぱり分からないのですが……」
凛「……ん?」
クラリス「?」
凛「…」
クラリス「…」
凛「えっうそ」カァ
クラリス「?」キョトン
凛「かっ、楓さんとちひろさんから、電話……連絡来てない?」
クラリス「連絡ですか?」
凛「うん、うん」
クラリス「来てないですね」
凛「…」
クラリス「…」
凛「あ、あっ……あぁぁぁぁ」カァァ
クラリス「?」
*
凛「――――って、いう、ことが」
クラリス「まぁ……」
凛「私、クラリスさんも呼ばれたんだと思って……勝手に勘違いして……うぅ」
クラリス「そんなことが……でも、気にすることはないですわ」
凛「そ、そうは言っても恥ずかしいよ……」
クラリス「確かに、いつもの凛ちゃんとは違った一面を見せている訳ですから、少しばかり恥ずかしいかもしれません」
凛「うん……」
クラリス「それでも私は今日をきっかけに凛ちゃんとの距離が縮まった気がします。それは気のせいでしょうか?」
凛「そんなことない!」
クラリス「うふふ、そうでしょう? ですから気にすることはないのです。私は、嬉しいです」
凛「……クラリスさん」
クラリス「凛さんは、嬉しくないですか?」
凛「っ……そんなことない! 嬉しい。っ、だから」
クラリス「えぇ」
凛「…………凛ちゃんって、呼んで」
クラリス「えぇ♪ 凛ちゃん♪」
凛「……うん、ふふ、ありがとうクラリスさん」
クラリス「構いませんわ♪」
凛「……あれ、じゃあクラリスさん仕事待機とかで来たんじゃないの?」
クラリス「……はっ」
凛「……時間大丈夫?」
クラリス「い、いけませんわ急がないと……!」
凛「ふふっ」
クラリス「凛ちゃん」
凛「うん?」
クラリス「今日はお別れですが、私はいつでもまたこうして抱きしめてあげますわ、だからいつでも甘えてください♪」
凛「うん……ありがとう」
クラリス「それでは、失礼しま」
ガチャ
クラリス「あら?」
凛「えっ」
時子「……アァン?」
凛(えっ……正気? ちひろさん正気? 楓さんは……楓さんだったら仕方ないかいやでも)
クラリス「あら時子様、おはようございます」ペコリ
時子「えぇ、おはよう」
凛(まだ、まだ時子さんは関係なくてただ事務所に来た可能性が)
時子「ところで、そこの凛に用があるのだけど」
凛(マジか)
時子「さっきから私を見据えて微動だにしないけれど、生きているの?」
クラリス「大丈夫ですよ、少しばかり混乱しているのではないでしょうか……うふふ」
時子「……? まぁいいわ、凛」
クラリス「あっ、時子様」
時子「何?」
クラリス「ファイトですよっ」グッ
時子「……ハァ」
クラリス「それでは♪」
バタン
凛「…」
時子「…」
凛「…」
時子「…」
時子「……フッ」
凛「!?」
時子「アーッハッハッハ!!」
凛「!!??」
カツカツ
凛「えっ、えっ」
時子「聞いたわよ、凛」
凛「……やっぱり?」
時子「ククク……甘えたいらしいじゃない、貴女。ねぇ?」
凛「っ……そうだよ」
時子「貴女がねぇ……ククク」
凛「……ば、馬鹿にしに来たの!? だったら帰ってっ!」カァ
時子「帰れなんてあんまりね……こっちへ来なさい、凛」
凛「……え?」
時子「どうしたの? 誰も馬鹿にしに来たとは言っていないし、甘えさせないとも言ってないわよ」
凛「…」
時子「早くしなさい。私は気が短いの」
凛「……時子さん」
時子「何よ」
凛「風邪でも引いてる?」
時子「ひっぱたくわよ」
凛「ご、ごめんなさい」
時子「外を見なさい」
凛「?」
時子「貴女、皆に甘えっぱなしで時計も見てなかったんじゃないの? もうとっくに夜よ」
凛「う、うん……?」
時子「だから帰るってことよ」
凛「えっ?」
時子「私は貴女を寮に帰す役目があるの」
凛「……何で?」
時子「そう言われたからよ。ほら早くしなさい」
凛「で、でも」
時子「行くわよ」グイ
凛「わっ」
スタスタ
時子「…」
凛「…」
時子「…」
凛「……ねぇ」
時子「何? 私にも心やのあみたいにハグでもしてほしいのかしら」
凛「……べ、別に!」
時子「ふぅん……で、何よ」
凛「いや、その」
時子「何」
凛「っ…………な、何で手繋いでるの……?」
時子「…」ギュ
凛「…」ギュ
時子「迷子になったら大変でしょう」
凛「ならないよ!?」
時子「そんな小さいことを気にしてどうするの? 結局貴女も子供と言うことなのかしら……ククク」
凛「こっ……べ、別にいいよ子供でもっ」
時子「ククク……それにしても、どうしてクラリスが居たの?」
凛「え?」
時子「あの子は今回呼んでいないと聞いたけど、その癖去り際に知っているような素振りを見せていたわ」
凛「あー……えっと」
時子「何があったのかしら、ねぇ? 気になるわ」
凛「……やだ、言いたくない」
時子「あら……どうしてかしら……何か言いたくない理由でも?」
凛「っ」
時子「ククク……せっかくだし言いなさいよ、ほうら」
凛「……や、やだ。やだ」
時子「言わないと手離すわよ」
凛「えっ……」
時子「クク……」
凛「…」
時子「…」
凛「……えっとね」カァ
時子「アーッハッハッハ!!!!」
―――――――――――――――
――――――――――
―――――
時子「着いたわね」
凛「うん……」
時子「どうしたの? ククク」
凛「全部聞かれた……もう無理……」
時子「もっとも、のあと心の話は二人から直接聞いたけどね……それにしても貴女……フッ」
凛「う、うるさい」
時子「ククク……さぁ、お別れよ。私は自宅に帰るわ」
凛「……うん」
時子「……何よ」
凛「……別に」
時子「やっぱりハグでもしてほしかったかしら」
凛「っ……そんなこと」
時子「フン……素直じゃないわね」
凛「……よく言われる」
時子「……そうね」
凛「?」
時子「凛、頭を垂れ…………そうね、屈みなさい」
凛「え?」
時子「早く」
凛「う、うん」スッ
時子「…」
凛「……? わっ」
時子「……これで満足でしょう? それじゃあ私は帰るわ」
凛「え、ま、まってよ」
時子「話なら今度聞くわ。ただし手短にね、さよなら」
スタスタ
凛「えっ、あっ……」
凛「…」
凛「……撫でられた」
―――――――――――――――
――――――――――
―――――
凛「……部屋、戻ろう」
ガチャ
凛「?」
奏「あら、凛」
凛「奏」
奏「丁度良かったわ、付き合ってくれるかしら」
凛「え?」
奏「ほら、ついてきて」
凛「……? あ、待ってよ」タッタッ
奏「ふぅ……」ストン
凛「どうしたの? 周子の部屋から出てきて、何かやけに騒がし……あ、闇鍋?」
奏「あら、知ってるの?」
凛「私も誘われて……断っちゃったけど」
奏「ふふ、あの面子じゃ大変だものね。私も疲れて逃げてきちゃった♪」
凛「いいの……?」
奏「だって今、志希が入れた薬のせいで文香のテンションが凄いことになってるのよ」
凛「えっ」
奏「フレちゃんも周子もその薬食べちゃって収束つかなくてね……悪いけど私は一旦休憩。ふふっ」
凛(ちょっと気になる)
奏「それで部屋から出たら丁度凛を見つけて……あ、そうそう」
凛「?」
奏「周子とフレちゃんが言ってたけど、何だか今日の凛は様子がおかしいって」
凛「い、言ったの……!?」
奏「えぇ、言ってたわ」
凛「あぁー、もう……」
奏「何かあったの? 私で良ければ聞くけど」
凛「……何かあったって言うか……ありまくりだけど」
奏「あら」
凛「奏……」
奏「?」
凛「……奏になら、いいかな」
奏「……?」
凛「……ごめん、詳しいことは話せないけど」
奏「えぇ」
凛「我儘、言っていい?」
奏「良いわよ?」
凛「……じゃ、じゃあさ」
奏「うん」
凛「……肩貸して」
奏「――――ふふっ、満足?」
凛「……うん。落ち着く」
奏「なら良かった♪」
凛「…」ギュ
奏「手まで繋いじゃって……ね」ギュ
凛「……欲張りかな?」
奏「かもね。ふふっ」
凛「……さっきは、手だけだったから」
奏「ふぅん?」
凛「あ、なっ、何でもない」
奏「それにしても……珍しいわね? 凛が甘えてくるなんて」
凛「……私だってまだ15歳だよ」
奏「あら、そうだった。凛って大人っぽいから」
凛「そんなことない……それに、奏の方がよっぽど大人っぽいよ」
奏「ふふっ、そう? ありがとう」
凛「……?」
奏「なぁに?」
凛「奏、いつも大人っぽいって言われるとむっとしてるのに」
奏「凛にならいいのよ、実際年上なんだから」
凛「……何か嬉しい」
奏「ふふっ」
奏「私は何があったか知らないから、詳しくは言えないけれど」
凛「……うん」
奏「なんていうか……そうね、たまにはこうして甘えてくる凛も、可愛いわ」
凛「…」カァ
奏「ん……凛、ちょっとどいて?」
凛「? うん」
奏「……ん」チュ
凛「……えっ」
奏「適任が来たみたいだから、私は戻るわ。これはお別れのキスよ♪」
凛「てきに……なっ、なにが」
奏「またしてほしかったら、いつでも私の肩は空いてるわよ? それじゃあね、ふふっ!」
スタスタ
凛「か、奏……あ」
美優「凛ちゃん……探したよ……!」
凛「……美優さん」
美優「ちひろさんと楓さんから連絡が来て、それで凛ちゃんのこと……その」
凛「……うん、甘やかしてほしい」
美優「……! ほ、本当だったんだ」
凛「ふふっ、別に風邪は引いてないよ」
美優「うん、よかった……私、力になれるか分からないけど」
凛「そんなことないよ」
美優「……うん、頑張るね……!」
凛「……じゃあさ、我儘、お願いしてもいい?」
美優「うん……!」
凛「ありがとう……色々あって疲れちゃった。それじゃ――――」
*
「皆おっつかれー☆ このあとどうするー? 何かしおみーの部屋で闇鍋してるみたいだけど!!」
「闇鍋ェ!? しかも周子さんの部屋って……絶対ヤバイだろそれ!!」
「あ、私周子さんにCD返したいし行こうかなぁ」
「正気か卯月!? 地獄だぞ!!」
「お腹すいたしアタシもいこー」
「加蓮……頭でも痛いのか?」
「正気でーす。奈緒も行こうよー」
「かみやんだけ逃亡なんて許さないぞー!! 連行けってーい」
「うわあああ乃々助けてえええええ」
「……あれ? あれ!? 皆静かにしてくださいっ」
「?」
「んー? ……はっ」
「あらあら」
「これは……」
「美優さん、ちょっと話聞かせてー☆」
「あ、あはは……」
@翌日
ガチャ
凛「おは
卯月「かくほー!」
加蓮「ウィ」
未央「ウィ」
奈緒「ごめんな凛」
ガシッ
凛「えっ」
卯月「こっちでーす」
加蓮「ウィ」
未央「ウィ」
奈緒「ごめん」
凛「えっ」ズリズリ
凛「何? 皆揃って」
未央「はっは~ん! とぼけちゃってこの子は!」
凛「とぼけ……?」
卯月「…」ニコニコ
加蓮「卯月さん! 出しちゃってください!」
奈緒「何なんだお前らのテンション……まぁ分からなくはないけど」
凛「?」
卯月「えへへー凛ちゃん」
凛「……?」
卯月「これ、見てください!」スッ
凛「卯月のスマホ……? えっ」
卯月「凛ちゃんの寝顔待ち受けにしちゃいました!!」
凛「」
未央「聞いたぞしぶり~ん!」
凛「」
加蓮「なんかー、皆に甘えて回ってたらしいじゃん? ねーねぇーどうなの~~」ツンツン
凛「」
奈緒「ごめんな、昨日美優さんに膝枕されてる凛見つけてさ……」
凛「」
卯月「私達だって、凛ちゃんのこと甘やかしたいです!」
奈緒「まぁ、そういうことだ」
加蓮「ハグでもナデナデでもチューでも何でもしてあげるよ!! てかしたい!!」
未央「ということでしぶりん、甘えてこーい!!」
凛「……ぅ」
卯月「?」
未央「?」
加蓮「?」
奈緒「?」
凛「うわああぁぁぁぁーーーーー!!!!///」ダッ
卯月「あれぇ?」
加蓮「逃がすな追えーー☆」
奈緒「ごめんな」
未央「待ってよしぶりーーん!!」
ちひろ「……うん」
ちひろ「まぁ、当初の目的は達成できたってことで!」
ちひろ「…」
ちひろ「……凛ちゃん足速いなぁ」
ちひろ「…」
ちひろ「逃げるかぁ」
おしり
一つだけ重大なことを言わせてほしい。
劇場のつかさめっちゃかわいい。
前作です
【モバマス】奏「こずえちゃんが離してくれない」
【モバマス】奏「こずえちゃんが離してくれない」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458388547/)
おつ!
乙乙
乙
これはいいしぶりん総受け
ちひろさん、金なら払うから凛のことをもっと甘やかしてあげて
乙です。
これは良いものです
乙
大人組とのこういう絡みもいいもんだ
これまとめにのる(確信
まとめさん僕はピンクでお願いします
乙です
すばらしいssだった
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