凛「いーや、りんぱなだよ!真姫ちゃんは落ち着いてもう一度歌詞を読んでみるべきにゃ!」
真姫「何度も読んだ上で言ってるの!読めば読むほどまきぱなとしか思えないわ!」
海未「……あの二人は何を言い争っているのです?」
ことり「あはは……なんか、かよちゃんが書いてきた歌詞がどっちをモデルにしてるかで揉めてるみたい」
穂乃果「もうずっとああやって話し合ってるんだー」
海未「はあ……何事かと思えば……」
真姫「ほら、この最初の部分!『出会いがわたしを変えたみたい』って歌い出しから私のことじゃない!」
真姫「そして続く『なりたい自分を見つけたの』の部分、ここは私が花陽の歌唱力を見抜いたことでアイドルへの道が拓けた事を表してるわ」
真姫「これだけでまきぱなソングなのは確定的に明らかよ」
凛「ふふん、言いたいことはそれだけかにゃ?」
凛「その続きを見てみるといいにゃ。『いつも待っていたの君を』って」
凛「これはどう考えても幼馴染である凛のことにゃ!まきぱななんてこじつけも甚だしいにゃ」
絵里「これは……なかなか時間がかかりそうね」
にこ「というかそんなのどっちでもよくない?」
希「そんなんだからにこっちは友達が少ないんやでー」
にこ「なっ、べ、別に少なくないわよ!」
真姫「そもそも幼馴染ってだけで負けフラグじゃない。高校で出会ったクラスメイトの方が勝つなんて日常茶飯事よ」
凛「フィクションと現実を混同するのはよくないと思うにゃー。大体真姫ちゃんはかよちんの魅力をちっとも理解してないのに」
真姫「それは聞き捨てならないわね。新鮮な目で見ることができるからこそ分かる魅力もあるのよ」
凛「だったらどっちが多くかよちんの良いところを挙げられるか勝負してみようよ!」
真姫「望むところよ!」
海未「なんか話が逸れてきていませんか?」
絵里「確かに……というより練習は始めなくていいの?」
希「まあまあ、もうちょっと泳がせてもええんちゃう?まだかよちんも来てないことやし」
にこ「泳がせて、って何を企んでるのよ」
希「んー、別に何も企んどらんよ?ただ一年生にはもうちょっと仲良くなって欲しいかなって」
穂乃果「ケンカするほど仲が良い、っていうもんね!」
ことり「なんか違う気もするけど……」
にこ「絶対面白がってるわよね……」
凛「私服が小学生みたいなところ!すごく似合っててかわいいにゃー」
真姫「……それは良いところなの?」
凛「なに言ってるの!これでかよちんが真姫ちゃんみたいな私服だったら凛ショックで3日は寝込んじゃうよ!」
真姫「な、私の服のどこがセンス悪いってのよ!」
凛「誰もそんなこと言ってないにゃー。ほら、真姫ちゃんの番だよ」
真姫「え、えっとじゃあ……アイドルに対する情熱が度を越しているところかしら」
凛「!!真姫ちゃんもあっちのかよちんも好きになったの?意外と見る目があるにゃ」
真姫「意外ってどういう意味よ!」
絵里「凛も真姫もなかなか失礼な物言いのような気がするのだけど」
希「きっと二人ともそれだけ愛情が深いんよ」
絵里「……そういうものなのかしら?」
海未「ところで、花陽が書いた歌詞というのはどこにあるんです?私も読んでみたいのですが」
ことり「あ、ことりも読んでみたいかも」
穂乃果「さっきにこちゃんが読んでたよ」
にこ「えーっと、どこに置いたかしら……」
数十分後
凛「はあ、はあ……。真姫ちゃんもなかなかやるにゃ」
真姫「あ、当たり前でしょ……。でも、このままじゃ埒があかないわね」
凛「確かにかよちんの魅力は枚挙に暇がないにゃ。そもそも数で競えるはずが無かったんだよ」
真姫「それには同意せざるを得ないわ。決着は別の形でつけるしかないわね……」
凛「うーん……」
絵里「もう歌詞の件はどうでもよくなったのかしら……」
希「どっちがかよちんを好きかの対決になっとるねー」
にこ「あ、あったわ!」
海未「まったく、探すのにどれだけ時間がかかっているのですか」
にこ「まさか雑誌に挟まってるとは思わなかったのよ。許してらぶにこっ♪」
海未「……まあ、いいです。タイトルは『なわとび』ですか」
穂乃果「花陽ちゃんらしくていい歌詞だったよー」
凛「そうだよ、歌詞の話だったんだ!」
真姫「ああ、あのまきぱなの歌詞ね」
凛「だからりんぱなだよ!それにそもそも真姫ちゃんはなわとびできないでしょ!」
真姫「なな、で、ででで出来るわよ!っていうかそれは関係ないでしょ!」
にこ「確かに真姫ちゃんは運動苦手だしなわとびとかダメそうよね」
希「にこっちもなわとびは膝がヤバいんとちゃう?」
にこ「ひ、膝は関係ないでしょ!いや、関係なくないけど!っていうか別に膝悪くないし!」
ことり「かよちゃんの歌詞……なんか感動しちゃった」
穂乃果「ね、ね!上手く言えないけど、すごくいいよねー!」
絵里「確かに、これは花陽にしか書けない歌詞ね。ハラショーだわ」
海未「こ、これはっ……!」
穂乃果「どうしたの、海未ちゃん?」
凛「りんぱな!」
真姫「まきぱな!」
凛・真姫「ぐぬぬぬぬ……」
海未「二人とも!その気持ち、分かりますよ!!」
凛「う、海未ちゃん?」
海未「確かにこの歌詞は花陽が凛か真姫か私に『ありがとう』と言っているように感じます」
真姫「うぇえ!?」
にこ「ちょっと、なに話をややこしくしてくれてんのよ」
希「うみぱな……新境地やね」
海未「まあ、それは冗談ですが」
海未「二人は、花陽の気持ちが誰に向いているのか分からなくて辛いんですよね……分かります、分かりますよ!」
ことり「海未ちゃん変なスイッチ入っちゃってるね」
海未「どうにかして花陽の気持ちを確かめましょう!そうしましょう!」
凛「それはいいけど、いったいどうするんだにゃ?」
真姫「確かにそれが問題よね……」
海未「うーん……」
絵里「ねえ、さっきからずっと思ってたんだけど、花陽に直接聞いたんじゃダメなの?」
凛・真姫「!!!」
海未「その手がありましたか……!さすがかしこいかわいい絵里です!」
ことり「……てっきり、あえて選択肢から外してるのと思ってたよ」
にこ「無粋です、とか言ってね。マジで気づいてなかったのね……」
希「かよちんなら今アルパカ小屋の掃除をしてると思うでー?」
凛「そうと決まれば急いでいくにゃ!」
真姫「ええ、今すぐ決着をつけるわよ!」
穂乃果「あ、二人とも!廊下を走ると危ないよー!」
絵里「穂乃果が言えたことじゃないけどね」
穂乃果「え、えへへ……」
―アルパカ小屋―
凛「かよちーん!!!」
真姫「花陽ー!!!」
花陽「うぇぇ!?ふ、二人ともどうしたの、そんな慌てて」
凛「当然りんぱなだよね!?」
真姫「まきぱなに決まってるわよね!?」
花陽「え、え?じゅ、順を追って話してくれないとなにがなんだか……」
凛「かよちんがこないだ書いてきた『なわとび』!」
真姫「あれがまきぱななのか、それともりんぱななのかを教えて欲しいの!」
花陽「と、とりあえず二人とも落ち着こう?」
花陽「なるほど、それで二人ともそれを聞きに来たんだね」
凛「そうだよ!気になりすぎてラーメンも喉を通らないよ!」
真姫「私もトマトが喉を通らないわ!」
花陽「そ、そんなとこまで張り合わなくても……。えっと、あの歌詞はね」
凛・真姫「……」ドキドキ
花陽「どっちもだよ。凛ちゃんと真姫ちゃん、二人へのありがとうの歌なの」
凛・真姫「へっ?」
花陽「あのとき、私がμ'sに入るか悩んでるとき、二人が支えてくれて、引っ張っていってくれたでしょ?」
花陽「ずっと、二人にはちゃんとありがとうって言いたかったんだ」
花陽「本当は、μ'sのみんなへのありがとうでもあるんだけど、特に二人には、ね」
凛「か、かよちん……」ウルウル
真姫「そっか……そうよね、それでこそ花陽よね」
凛「そうだよ……。凛たちが愚かだったのにゃ」
真姫「花陽が私たちのどっちかを悲しませることするわけないわよね。りんぱなだのまきぱなだの、くだらないわ」
花陽「あはは……。でも、しいて言うならまきりんぱなの歌、かな?三人でもっとずっと仲良くできたらな、って」
凛「うん!考えてみたら真姫ちゃんにしても、かよちんのよさをあんなに分かってくれる人、今までいなかったもん!」
真姫「そうね……。私たちは花陽という絆で結ばれた、同志だったのよ。敵対する必要はないわ」
花陽「な、なんか恥ずかしいな……。じゃあ、掃除も終わったし、部室にいこっか!」
凛「うん!」
真姫「ええ!」
希「大団円、やね」
にこ「覗きなんて趣味悪いわねー」
海未「と言いつつ、にこもちゃっかりついてきているではないですか」
にこ「そ、それはまあ……部長としては部内の人間関係も気になりますし?」
絵里「まあ、なんだかんだみんな一年生のことが可愛いのよね」
穂乃果「おお!なんかそう言われるとちょっと上級生な気分!」
海未「では、私たちも早いところ部室に戻りましょうか」
ことり「部室に誰もいなかったら変に思われちゃうしね」
穂乃果「よーし、今日も練習がんばろー!」
ドラマCDの設定で書いてるみたいだが
真姫ちゃんは花陽のことはかよちんって呼ぶぞ
それと凛ちゃんの枚挙
それ以外は脳内再生余裕、がんばれ
凛「あ、真姫ちゃん真姫ちゃん」
真姫「どうしたのよ、凛?」
凛「今回の件で、わかったことがあるにゃ」
真姫「奇遇ね、私も多分同じことを考えていたわ」
花陽「二人ともー!早く行こうよー!」ニコッ
凛・真姫「かよちんマジえんじぇー」
おしまい
>>20
一応アニメ準拠のつもりだったけど、あんまり気にしてなかったわ
枚挙は個人的な凛ちゃんに難しい言葉を言わせたい欲が出てしまった、反省はしていない
ドラマCDでは
穂乃果、ことり→かよちゃん
希、凛、真姫、にこ→かよちん
海未、絵里→花陽
覚えておくといい
>>23
はえー、参考になります
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