夏樹「首都高に魅せられて」 (26)
※一応モバマスSSです
首都高バトル要素やら湾岸要素やら色々入り交じっています
作者の力量不足で拙い文章になっていますがお許しください
では始まります。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1459623957
2015年 東京 首都高速道路
若者の車離れや警察の目が厳しくなり夜になっても交通量も多い現在の首都高には90年代の様な命知らずな若者の姿は少なくなっている。
だが、未だに昔のような熱すぎる程の熱を持ったドライバーもいる訳で。
彼らは首都高の辰巳、大井、大黒などの各パーキングエリアに集まり、そして取り憑かれたように群れをなして深夜の首都高へと消えていく。
まるでパイロンを避けるかの様に一般車をかわしていく光景は一度見ると目に焼きついて離れない。
そして1度その蜜を味わえば首都高と言う無限回廊から降りる事は出来ない。
反社会的で狂った行為だが、走りに魅せられた者にはそんな事はお構いナシだ。
アイドル業を行う傍ら首都高を走る木村夏樹もその1人。
2輪で首都高を攻め、C1(都心環状線)の江戸橋JCTで事故を起す。1度は首都高から離れたものの4輪に乗り換え首都高に返り咲く。
知らず知らずのうちにスピードとスリルを求めて居たのだ。
そう言ったクレイジーなドライバーは少なくはないだろう。
何回もPAに通えば顔見知りのメンツが何人か出来るわけで
辰巳PAで何故か毎回も会う向井拓海と言う女性と意気投合して今ではいい仲である
そしていつものように他愛のない会話をしながらお互いのクルマに乗り首都高へと走り出す。
「よう夏樹。お前のクルマ調子悪いんじゃないのか?」
若干困り気味に夏樹は答える。
「今日初めての会話がそれかい…まあちょっとグズってる感じはあるかな」
「アンタのスープラ(JZA70型)はどうなのよ拓海サン?」
「そりゃ絶好調だっつーの!お前のシルビアには絶対に負けないって」
「アンタらしいわ本当に…」
「夏樹のそのシルビア(S15型)でこのスープラに付いてこれんの?非力だろうが」
「んじゃいっちょやる?」
「そうこなくっちゃな!行くぜ!」
2人は自慢のマシンに乗り込みエンジンを始動させ、2度3度エンジンをフかし、そしてアクセルを床まで踏み込み真夜中の首都高へと走り去る。
夜の非合法なサーキットへのトリップの始まりだ。
BGM.This is My Destiny(WMMT1.2)
辰巳PAから出るとまず深川線に合流する左カーブが待ち受ける。
そこを抜けると長い直線が続く。ここではエンジンパワーがものを言う。
まず2・直4ターボのシルビアが世代遅れとは言え2.5・直6ターボのスープラに太刀打ちする事は出来ない。
「やっぱり直線は速いなあのスープラ…」
「流石ブーストアップ&タービン交換470ps仕様と言った所か…」
エンジンノーマル、ROM&給排気系チューン300馬力仕様のSR20DETでは天と地程の差がある。そしてエンジンが不調な為尚更シルビアが遅く感じるのだろう。
だがこの先の中低速コーナーが続くセクションでは巻き返しは容易い。
マシンを手足の様に扱える腕があれば、だが。
「やっぱシルビアは遅いねぇ!やっぱりクルマはスープラが一番よ!」
「何しろパワーが違うしな!ガラスのSRエンジンとはひと味もふた味も違うんよ!」
出力の差は顕著である。そして拓海はパワー厨である。
だが首都高、そしてC1は馬力だけでは通用しない。マシンのトータルバランスが取れたマシンが一番速い。
枝川ランプを抜け、箱崎JCTまで続く中低速セクションへ。
ここではコーナリング性能がものを言う。ヘタな足回りとタイヤではすぐに外壁にへばりつくだろう
やはり拓海のスープラが苦戦しているようだ。フロントヘビーな直6エンジンを搭載するスープラでは少し辛いようだ。
そして見た目重視でかなり下げた車高が裏目に出たようだ。
「クソッ、アンダーが出るし思うように曲んねえや…かったるいったらありゃしねぇぜ…」
そして背後から夏樹のシルビアが迫る。度重なるセッティングで煮詰められた足回りとハイグリップタイヤがものを言う。
「やっぱりコーナーは遅いねぇ!トータルバランスではシルビアだよシルビア!」
「シルビアはドリフト小僧の物だけじゃない…サーキットでもストリートでも何処を走っても速いんだ!」
「それでいてFD3S(RX-7)より軽い車重。そしてこのSR20のレスポンスの良さ!このクルマの右に出る者は居ないね!」
木場ランプ手前の急な左コーナーでアウトに膨らんだ拓海のスープラを夏樹のシルビアが強引にパスする。
「ちぃっ…!やっぱコーナーリングはあっちが一枚上手か…!」
そして箱崎JCTへ向うS字コーナーへ。
そしてアクシデントは唐突に起こる。
S字コーナー手前の短いストレートで拓海はそのトヨタ自慢の1JZ-GTEエンジンから発生する有り余る程のモアパワーで一気にマシンを加速させシルビアを抜き去ろうとする。
そして嘲笑うかの様に抜き去る…が
「あっ、バカ!アイツなにやってんだ!」
「オーバースピードだろ!」
そう、拓海は追うことだけに熱中し過ぎていたのである。
シルビアのテールライトだけを見続け追いかけていた。コースレイアウトさえも忘れて。
誰もは1度はこう言う経験をするのでは無いだろうか。
「……!」
正気に戻ったが時すでに遅し。乗りすぎたスピードは急には殺せない。
車重が嵩むスープラなら尚更だ。
いくら性能の良いブレーキでも駄目であろう。
「クソッ…!」
とっさの判断で5速から4速にギアを落とす拓海。シフトロックによる急激なエンジンブレーキの掛かりによりスープラを減速させる。
ミッションを傷めてしまうが自らの命を1つ無くすよりはマシであろう。
外壁にリアを擦る程度で済んだものの判断が遅れたらどうなるか分からない。
エスケープゾーンの無い首都高なら尚更だ。ワンミスイコール死と言った結果が待ち受けている。
「まだ首都高で死ねねえよってか…ヘヘッ」
心臓が縮まるくらいの恐怖をものともしないのは流石と言ったところか
一方夏樹は冷や汗ダラダラである。
「危ないよマジで…命が何個あっても足りないっての」
箱崎JCTを左折、日本橋JCTへ。
拓海は内回りを選ばず外回りへ向う。どうやらC1経由で台場線、そして日本唯一の最高速エリア湾岸線へと向かうようだ。
「トンネルとかグネグネした道は性に合わないからなぁ。やっぱ真っ直ぐな道でパワーに物を言わせるのが楽しいんだっつーの!」
「おまけにゴミゴミした都心よりあっち(湾岸)の方が気持ちいいだろ?」
江戸橋JCT特有の直角コーナーを抜け銀座方面へと向かう。そして直線。そして下り坂。その先には走り屋の天敵オービスが待ち受けている。
場数を踏んだ走り屋ならもちろん馬鹿みたいに踏まない。彼女達も例外では無いようだ。
そして中央分離帯ときついコーナーの複合技、銀座シケインへ。
一般車が殆ど居ない真夜中なら思い切ったライン取りが出来る。夏樹はシルビアを試すかの如く攻めていく。オービスを過ぎれば警察と遭遇しない限り無法地帯なのだ。バレなければ犯罪では無い。誰かがそう教えてくれた…
「やっぱりグリップだろうがドリフトだろうがシルビアは曲がるねぇ!」
「タイヤも食うしエンジン以外はベストだね!」
そして汐留JCTを抜け浜崎橋JCTへ。横羽線へと抜けていく。
芝浦JCT。台場線へ。
台場線へと向かうと首都高の名所、レインボーブリッジが待ち受ける。
「ん?何だ?」
レインボーブリッジへ差し掛かる左コーナーの手前、後ろから何かが迫ってくる。こちらより1.5倍程のスピードで。
V6独特のバラついたエンジン音が聞こえてくる。
その瞬間2台をかなりのハイペースでパスして行く。
拓海は反射的に
「何だあのZ32…」
「不気味なエアロとあの存在感…忘れられない…」
「……冗談じゃねえ………」
書きだめ尽きたので一旦終わりにします。
乙、間違ってたらすまんが。もしかして以前にモバマス首都高安価やってた?
どう見ても首都高バトルの人です
本当にありがとうございました
>>9
>誰もは1度はこう言う経験をするのでは無いだろうか。
(一般人はそんな経験)ないです。
>>10
誤字
日本橋JCT・
江戸橋JCT〇
>>14
>>15
前にこんなクソ駄文書いてました(震え声)
渋谷凛「赤ゴミ…?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454136377/)
>>16
まあ物語中での事だから多少はね?(意味不明)
普段なら有明JCTを左折して湾岸線東行き東雲JCTを通り過ぎ、辰巳JCT、辰巳PAと言うルートで走るのだが
何故か右折し大井方面へ。
「あんなもの見せられちゃアクセル床まで踏み切りたくなるよなぁ?そうだろ?」
「ウズウズしてたまらねぇや」
つまりそういう事だ。走っている当事者にしか分からない事がある。我々には到底理解のしようがない
BGM.Acid Runner(WMMT1.2)
有明JCTから湾岸線西行きへ
幾つかの海底トンネルを潜り神奈川エリアへと抜けていく三車線の直線道路が待ち受ける。
直線大好きパワー厨の拓海は黙って居られない。湾岸線合流と同時にアクセルを踏み切る。
1JZエンジンの咆哮が首都高に響いてるかのように聞こえるようだ。
「パワ────────!!!!! 」
何処ぞの英国人の様である。
だが、高負荷でエンジン全開で長時間踏み切ることは出来ない。
何処ぞの英国人の様である。
だが、高負荷でエンジン全開で長時間踏み切ることは出来ない。
出力だけを視野に入れ、冷却性能のれの字もないこのスープラは一瞬で水温と油温がハネ上がりそして各圧力も落ち、エンジンがタレてしまう。瞬間湯沸かし器の様である。
「あちゃー…もう105℃かぁ…やっぱ全開くれると持たねぇなぁ」
「まあビンボーチューンだからしゃあねぇか」
一方シルビアはパワーは無いものの徹底的な基本的チューンを施しているため踏んでも壊れない、言わば安定感のあるクルマに仕上がっている
だが300馬力 αのパワーと若干ハイギアードに設定された6速ミッションのせいで思うようにスピードが伸びない。出ても260km/h程であろうか。
「やっぱりコレで湾岸はキツイねぇ」
「まあパワー無い分多少無理しても壊れないのが長所なんだけどね───」
フジテレビ前を走り抜け2台は東京港トンネルへと向かう。
そして東京湾へと潜る。
空気を切り裂き海底を貫く道へと矢のように突き進む。見えない何かを探すように────
およそ1.5kmのトンネルを抜け大井JCTへと抜ける緩い左コーナーが。
200km/hオーバーで抜けるのは普通の人間なら心臓が飛び出すほど恐ろしい。だが…
「たまらねぇ!このゾクゾクする感じ!」
「まさに『生きてる』って感じだぜぇ!」
恐怖が快感にすり変わっているようだ。クルマをただの「乗り物」として扱っている人間には分からない感覚である。
クルマに愛情を持ち、そしてクルマと一体化したような感覚を覚えた者にしか分からないようなそんな感じのようだ。
260km/hって走り屋の世界では遅いのか…凄い世界だな
湾岸はオーバー300km/hな車が稀に居るからね仕方ないね
夜景組な俺にゃ無理だ
秋川レイナが なかまに なりたそうに こちらをみている!
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