南条光「進化する絆」[R18] (111)

信じる気持ちが絆になって、
触れ合う気持ちが友情になって、
交わし合う気持ちが信頼になって、
空を見る眼差しが尊敬になって、

……そして今、アタシは彼を何だと思ってるんだろう。

ただ絆だったはずの物が、何時しかアタシを見てくれないとよぎるだけで不安になって。

友情だったはずの物が、彼を想うだけで切なくなって。

信頼だったはずの物が、失うことを怯え始めて。

尊敬だったはずの物が、……妄想で汚しちゃうぐらい、隣にいてくれる人であって欲しくなって。

その気持ちの名前が、何時まで経ってもわからなくって。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1459273606


「P、いいかな」

「光?」

キッカケに頼ることすら出来なかった。

たった一つ確かな物、ネジを撒き散らしながら突き進む激情だけを握りしめ、彼に相対する。

ただ二人きりになれた時間を選んで、訪ねた。

彼に抱きついたのは、そうしなきゃいけないと思ったからだ。


「光……それは……」

「わからないんだ。……恐いんだ! 自分が自分じゃなくなるだけじゃない。胸が痛くて、些細なことで涙が出て! ……教えて、欲しい……」

言葉なく、唇に返事が重なる。

腕に抱かれると、自分がどうしても小さいんだと知らされる。

「……ダメなんだがな」

「んちゅ……P、P……?」

腰に巻き付いてた手がお尻に伸びる。

大きくなってきたお尻を、ズボンの上から捏ねられた。

普段からは想像できない切羽詰まった指使いが、積極的な風で凄く嬉しい。

甘く触れ合うだけのハズだったキスは、何時しか舌を絡め合うそれにフォームチェンジ。

粘膜を巻きつけ合う、気持ちいいオトナのキスで胸が破裂しそう。

息苦しさの極致に達して唇を離すと、二人の間に銀の橋が架かった。

「……光、本当にいいんだよな」

名残惜しく別れた口から、最終確認が問われる。

その震える声が、彼もまた抑えきれない心を抱いてると教えてくれた。

「……アタシはヒーローだ。嘘は、吐かない」

シャツを脱いで、ブラをあらわにする。

こんなことがあるかもしれないと思って、何時もは使わない普通のブラを着けてきた。

スポブラよりも実用性に劣るけど、……ちょっとだけ可愛い、女の子の為のブラジャー。

戻れない分かれ道に右か左、選ぶのを彼に委ねてしまうぐらい、心が止まりそうに恥ずかしい。

進化し続けた気持ちの正体が、今わかってしまう、かもしれない。

とりあえずここまで。リクエストありで適度にヤッてきます

ヤッてる最中に麗奈に目撃されるのを

まゆちゃんでもいいと思います

南条P発狂案件

光がヒーロー衣装、Pが悪役風で

純愛ラブラブ子供マシマシで

中出し中出し

ケツを揉んだのだ、もっともっともてあそぼう
ガン突きしてやれ

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ヒーロー拷問シーンの練習という名目でいぢめるとか

>>12
グロ


「綺麗な髪だな。ずっと、触りたいって思ってた」

髪を温かい手で梳かれると、頭皮から背中がぞくぞくする。

黒髪を褒めながら胸を揉みしだく彼の息は、荒くって悲しそう。

初めて彼で自分を慰めた時に似た罪悪感を、彼も抱いてるんだと思う。

けど、これからするのは空想となれ合うごっこ遊びじゃない。

「年の離れた妹とか、娘みたいに思ってた。……けど」

ためらいを振り切るみたいに、ブラごと胸が絞られる。

彼の中でも気持ちが変わり続けていて、アタシも変わってしまってて……

これまでが相棒で、親子みたいな関係だとしたら、これからはどうなっちゃうんだろう。

男と女、になっちゃうんだと思う。

互いを近くに感じたくって、触れ合うと胸がときめいて、一つになるまで溶け合いたいと望む二人に、……これからなる。

親子じゃできないことを、いっぱいするんだ。

「あ、あんっ♪ なら、もっと早く告白するべきだったかな? ……ひゃうっ!」

「光は乳首まで可愛いんだな。ブラの上からなのに、こんなに敏感でさ」

「んっ! ……おっぱいだけなのに、こんなに気持ちいいのかぁ……?」

彼に触って貰ってるのが嬉しくて、気持ちいい。

尊敬する人に欲望をぶつける苦しさを分かち合ってくれる人に『可愛い』と言ってもらえることが、一番嬉しい。


「もっと、気持ちよくしてやる」

彼にズボンを脱がされて、その下のショーツ越しに彼の指が触れる。

もうすっかり勃ってるクリトリスを布地で擦られて、頭がバチバチ弾けてく。

その快感は自分で擦るのとは桁違いで、爪で先端を引っかかれただけで軽くイきそうになる。

おまんこは期待に震えてお汁まみれで、大陰唇に張り付いてその形になってる。

「ひゃ、きゃぁっ……! ふぅーっ……ひっ!」

「このままじゃ光、ノーパンで帰ることになりそうだな」

「ズ、ズボンだから大じょ……うぅんんっ!」

ぐしょぐしょのショーツに指が差し込まれて、ぷにぷにの丘を開かれる。

布一枚しか守りがない膣内を二本指に抉られて、奥に隠れてた熱い愛液をどろっとかき出された。



「そ、そろそろ……その、見たくないか、P」

本気になって渦巻く熱を絡ませ合いたくて、アタシなりの誘い文句を述べる。

早くおまんこを見て、……興奮したのなら、おちんちんをここに入れてみないか、と言ったんだ。

彼と出会った頃のアタシが聞いたら、きっと卒倒するような言葉だ。

お前は職場の同僚を相手に何を考えてるんだ、自分のやってることが恥ずかしくないのか、と説教されてると思う。

恥ずかしい。もうこのまま頭に血が上って死にそうなぐらい恥ずかしい。

心臓は速く大きく高鳴りすぎてて、部屋の外の人にまで鼓動が聞こえてしまいそう。

「光が見せたいなら、見たい」

身を投げる覚悟の返事は、ちょっとどころじゃなく意地悪だった。

リードしてくれ、なんて甘い考えは捨てるべきなのかもしれないけれど、初めてエッチをする人間に『自分からおまんこを見せろ』なんて、ハードルが高くないだろうか。

……そう思ったけど、彼の目を見て考えを改めた。

彼だって、怖がってる。これまで娘だと思ってたアタシと、本当の本当にエッチしちゃうんだって、怖がってるんだ。

自慢じゃないが、彼にはたくさん大事にして貰ったと思ってる。

大事にしてきた物に、自分の欲望を押しつけて、汚すのだから……それが悲しくないわけがない。

大丈夫。その気持ちを分かち合おうって、とっくに決めたじゃないか。

彼のためで、自分のためにすることだ。なら、それは簡単なことだ。

一緒に手を取り合えば、きっと乗り越えられる。

なら、まずアタシから手を伸ばそう。

「……見て、欲しい。アタシの、……全部……」

ずるずるずるずる……と引っかけながらショーツを降ろし、すっかり火照ったおまんこを彼に見せた。



Pの視線が割れ目に突き刺さって、それだけでヒクヒクと痙攣してしまう。

こんなのずっと繰り返してたらそれだけで興奮で死んじゃいそうなのに、アタシ達はまだ見せ合いっこしかしてないという事実で卒倒しそうになる。

まだ、この続きがある。それが期待と不安の両方を加熱させた。

「ど、どう、かな? 変なところとか無い?」

「無い。……綺麗だ、光」

ごくり、と彼が生唾を飲んだ。どうやらお世辞では無いみたいだ。

「おっぱいが大きいし……お腹はもうくびれ始めてて、尻も丸くって……肌は白くてすべすべで……」

ザラザラの掌でなぞられながら、アタシの身体を隅々まで評論されてしまった。

「え、えっちだぁ、P……!」

「ああ。光が可愛すぎて、こんなになっちまった」

カチャカチャ忙しない音を立て、彼のズボンがずり落ちる。

そして現れたのは、象の鼻みたいなでっかい大人のオチンチン。

長い肉色のそれは古い大砲のように黒ずんでいて、紫の血管が外からでもわかるほど脈打ってる。

グロテスクで、生臭くて、熱を放つそれの先端で、ぬらぬら粘液が漏れ出てる。

それがまるで、飢えて涎を垂らしてる怪獣のようにすら見えて、怖くなって後ずさってしまった。


「このままじゃ入りそうにないから、少しヌいてくれないか」

怯えに気付いてくれた彼が、これからエッチをする為の作戦を出してくれた。

『ヌく』の意味はよくわからないけど、射精したらオチンチンがちっちゃくなることは、性教育で習ってる。

「手で、こすればいいのか?」

「頼む」

言葉とともに、オチンチンを顔の前に押し付けられた。

ツンとするアンモニア臭が混じった獣の臭いが、むわぁ、と鼻先で立ち昇る。

一緒にいると感じる彼の臭い、それが何倍も濃くなった臭いが鼻を満たして、それだけでむせてしまいそう。

そんな物が目と鼻の先にあるせいで、頭の中がしびれてきた。

だんだん頭が朦朧としてきて、考えがばらばらとほどけ始める。

……ケガさせないようにしなきゃと思いながら、誘われたようにモノをねろっと舐めた。


「っ! ひ、光」

「ん……」

どうしよう、舌先がビリビリとする。

昔、間違えて白ワインを舐めてしまった時に似たあの感触が、舌先から頭まで響いてる。

怖いって気持ちを押し流すほどその痺れは甘くって、取り憑かれたようにオチンチンを舐め始めてしまった。

違う、逆だ。舌をオチンチンに舐められてる気がする。

彼のモノが放つ臭いが、アタシを重力みたいに吸い付けてるんだ。

舌先で裏筋を舐めたり、鈴口を舌先でこじったり

まだ口に含むことは出来ないけど、精一杯色んな所を舐め回す。

その都度彼がピクピク震えるのが、気持ちよくさせてあげられてると実感できて、ちょっとだけ楽しい。

鈴口でまた流れてきた半透明な粘液を唇で拭う。

傘みたいな部分だけ唇で包んでふみゅふみゅとすると、耳に入る彼の息遣いがどんどん荒くなってきた。

熱い呼吸に重ねるみたいに傘の舌を絡めると、オチンチンがビクビクと震える。

ちょっと勇気を出して唇を突き出してじゅうっと吸い取ると、その瞬間にぶるっと震えて射精された。

驚いて唇を離したけど、それで放精が終わるはずがなく、残りの精液が顔に次々かかった。

「ぷえっ、えほっ」

中にも外にも出された量は膨大で、味も酷いものだから床へ吐き出してしまった。


「わっ、すまん……出そうな時に言うべきだった」

「えふ、えふ……あ、ああいやっ、アタシちゃんと聞かないでオチンチン舐めちゃったし! こっちこそごめん!」

なぜか少しだけ冷静になって、漫才みたいに謝りあう。

鼻のまわりから口に垂れた精液を口に含むと、苦くて酸っぱい不思議な味がした。

美味しくはないけど……このドロドロしたものが、彼の精子の味。

オチンチンからおまんこの奥に放たれて、卵子と結びついて赤ちゃんを作るための液体の味だ。

正直損したと後悔するぐらいまずいネバネバを舐めて、言いようがないほど高鳴ってる。

呆然としながらドキドキしてるアタシの顔を、彼のハンカチが掃除した。

「可愛い顔を臭いので汚しちゃってごめんな」

「だ、大丈夫だっ、問題ない! それに臭くないぞ!」

「え……そうか?」

「昔よく遊んでた神社の樹の花の匂い……そうだ、栗だ! 栗の花みたいな!」

「そ、そうだな」

理由は分からないけど気が抜けてしまった彼を見て、アタシも安心する。

「……待って、可愛い、と言ってくれたのか?」

「ああ、言った。光の顔は可愛い」

「……えへへ。ありがとう」

やっぱり、彼にそんなことを言われると、顔が火照っておかしくなってしまう。

彼の顔を見られなくなって、視線を逸らした。その先には、彼のオチンチンがあった。

そしてそれは、確かに少しは小さくなっていたけど、まだ元気いっぱいに張り詰めていた。

とりあえずここまで。子作りまでちゃんとやりたいと思ってますが、とりあえずまずは処女喪失まで。

純粋にキモいなコイツ

だがそれがいい


「今度はPからしてくれたりしたら、……嬉しいかも?」

手に手を重ねて、おっかなびっくり彼を誘う。

絡み返された指が、じんわりあったかくて心地いい。

一回射精して彼も振り切れたみたいで、彼に手を引かれてベッドに向かった。

ぽふ、と座って胸を押し付け、ブラは彼に外されるに任せる。

胸、おっぱい、女の子が女の子である証拠。特撮の女性幹部の着ぐるみだとほぼ必ず強調されている、男じゃなくて女だって見せつける部分。

そんなものを、アタシは彼に晒していた。

彼の鼻息は荒く、目はかっと見開かれてる。

アタシ、この人に女として見られてる。

願いが叶った胸中で渦巻いてたるのは、嬉しさと恐ろしさ。

もうとっくにおまんこを見せつけてたのに、生のお胸を見せるのは、物事を考えられなくなるぐらい恥ずかしい。

胸を腕で隠すようにもじもじとしたら、その仕草で興奮したのか、オチンチンがクンッ、と持ち上がった。

「光。次の日歩けなくなるかもしれないけど、……挿れるぞ」

「そ、そんなに激しいものなのか」

「……初めて、だよな」

「……うん。お手柔らかに、でも一息に頼む!」

挿入されやすいように脚を軽く広げて、散々いじめられてくちょくちょの大陰唇を二つに割って、中身を外気に晒す。

ここに、何度も想像してきた物より凄いのが、割って入ってくる。

それを想像するだけで頭の中が桃色めいてきて、彼を急かしたくなってくる。

けれど、唸るように息しながら覆い被さってくる彼を急かす必要はないみたいだ。

生殖器が密着し合って、先端がゆっくりと入ってくる。

「っ……っつぅっ!」

言い表せない気持ちを抱く前の光景が脳裏でパノラマみたいに流れた瞬間、ぶつん、と音を立ててめりめりオチンチンが挿入された。

「痛いか?」

「いっ……痛くない、ぞっ! こんなの平気だ、へっちゃらだっ!」



本当は、ちょっとだけ痛い。けど、去勢を張ってるつもりはない。

彼に初めてを捧げられたのが嬉しくて、痛みがどうでもよくなってるからだ。

けど、取り繕うようにひきつる頬に、彼が掌を添えてくれた。

その手のひらはあたたかくて、ゴツゴツで、ザラザラで、……頼りがいがある男の人のそれだった。

「収まるまで、動かないようにする」

本当は動きたいだろうに気遣ってくれてるその事実が、一番心を安らげてくれた。

身体をぴったりくっついたまま、二人動かずじっとする。

動かず破裂しそうな心臓はそのままなのに、痛みが引いてくと同時に頭が冴えていく。

オチンチンをおまんこに挿れただけなのに、そうする前よりずっとずっと心が通じ合ってる気がする。

「……大丈夫だ。動いて、欲しい!」

「よし、いくぞ」

アタシの合図に合わせ、彼の腰がゆっくり動き始めた。



ぱん、ぱんと肉と肉がぶつかる音が断続的に響く。

今目の前にある彼の顔を見たらきっと死んじゃうと思って、快感で緩んだ顔を気張らせて目を瞑る。

そんなアタシの事情はお構い無しに、気持ちよくなりたがってるオチンチンが膣内を捏ねた。

その一突き一突きが膣内を甘く痺れさせ、ふとももの付け根から力が脱力する。

「あひっ♥ ひぅうう……っ♥」

まだジャブみたいな抽送なのに、気を抜いた瞬間トんでしまいそう。

彼を想って弄っていたところを擦られると、それだけで掠れた声が抑えられなくなる。

「ここが、っ、光の気持ちいい所なんだな」

目敏い耳に弱点を暴かれ、意地悪なオチンチンに入口のお腹側を何度も引っかかれた。

弱点をゴシゴシこすられて気持ちよくされてばっかりで、目を食いしばる力も保てなくなって目を開く。

目に入ってきたのは、血走った目でアタシを貪る彼。

気持ちよくなってあんあん鳴いてるアタシに、必死になって腰をぶつけてる、世界で一番信じられる男の人だ。

激しく求められる優越が興奮を煽り、昂ぶった感情が快感を増させ、またアタシに情けない声をあげさせた。

言葉と言えない弱気な叫びが好きなのか、だんだん彼の腰使いが加速してく。

さっきまでアタシをちょっとは気遣うような風だったのに、次第にアタシの弱点探しに夢中になってオチンチンを抜き差しされた。

「ひぃっ、ひーっ♥ は、はげしいよぉっ♥」

「っ、光が可愛くて、止まれそうにないっ」

「そ、そんなに? そんなにゃにかわいぃ? きゃうっ♥」

「好きだっ、好きだっ光っ!」

好き。好き。好き? 好き?

アタシのことが好き。女の子として好き。娘みたいな人じゃなくて、女の子として、好き?

何度も言葉がリフレインして、目の裏側に刻まれてく。

こだまするたび身体が震えて、胸の奥のくぐもった痛みが強くなった。



心拍が戸惑いとともに増していって、全身に気持ちいい成分が溶けた血液が流れてく。

「好きって言ってから締め付け凄いぞ、感じてるんだな、光っ!」

雲のベッドに寝転がるような心地を、嵐のようなピストンが吹き飛ばす。

「んにゃあっ♥ 嘘だぁ♥ そんなわけぇ、ひぃぃぃぃっ♥」

「初めてでこんなに感じられて、光はえっちだな。好きだ、光、光、ひかるっ」

頭蓋骨を揺さぶるみたいに突かれ、めちゃくちゃになった脳にチョコレートより甘い言葉が流し込まれる。

耳に絡み付く声で名前を呼ばれながら往復される度、背筋に緑色の雷が落ちた。

「だめだめだめぇっ♥ しんじゃうからだめ、むりぃっ、すとっぷしてぇっ!」

どうしよう予想よりずっと気持ちいい。胸もお尻もおまんこも唇も、触られてるところ全部気持ちいい。

こんなの覚えちゃダメなやつだ。心のバランス取れなくなっちゃう。

脳の彼を愛しく思う部分ばっかり活性化して、抱きつくための腕を動かす部分も口もそこに支配されていく。

だんだん真っ白な太陽がオデコの裏側から頭の中心に向けて降りてきて、それに比例してるのかオチンチンがブクブク膨らんできた。

「光っ、生理はまだ来てないよな……!?」

ナカダシしたくないと出てこない質問をするのは、アタシで気持ちよくなって射精したいってこと。

何もかもが嬉しくて、太陽に脳細胞を焼かれておぼろな頭で、必死に口を動かした。

「あんぜんび、だかりゃっ! らいひょーぶ、ナカにらひっ、イ、いぐ、いっ……♥ ♥ ♥」

全部を言い切る前に、今まで触れることが出来なかった奥を抉られながら中出しされてイかされた。



ふわっ、と身体が浮いてく浮遊感。

意識が宙で溶解して、気持ちよくなってる自分と彼以外の現実感が霧散してく。

全身に置かれた気持ちいい爆弾が連続で炸裂してビクビク痙攣が止まらない。

イってるおまんこに締められて気持ちよくなったのか、おちんちんのどくどくが終わる気配なく続いてる。

お腹の奥でも、あったかい感触がじわぁ、と広がる。

このぬくもりの全てが彼の精子だと思うと、それだけでまたキュンキュンと気持ちよくなってしまう。

キスあげられて、処女あげられて、ナカダシまでしてもらっちゃって。

今まで満たされなかった悦びを補填どころか溢れるまでそそがれて、その多幸感で視界が霞み、そのまま意識を手放してしまった。

とりあえずここまで。麗奈に見られながら等、次からリクに応えてきます。
シンデレラパーティー、面白いですね。設定協力に光が大喜びで参加してるんだろうな……龍騎的な意味で。

おつ
光は平成ライダーだとクウガ響鬼みたいのが好きそうだから龍騎はどうかなあ……
特にライダーバトルの所はあまり気に入ってなさそう


光が普通に性知識持ってる描写がいいですね
14だし当たり前かもしれんが新鮮


荒々しすぎる初めてを終えて、素面になってから改めてお付き合いを申し込んだ。

無事承諾して貰って、晴れて、その、……アタシたちは恋人同士、ということのになった。

今後のことを一緒に考えるうち、とりあえずデートをしようという計画が立ち上がった。

いいお店とかなんて全然知らないんだけど、と不安を見せたら、俺が計画を立てておくから大丈夫、と頼もしい返事が帰ってきた。

さて、デートの当日。駅前で落ち合ったPの隣には、友人の小関麗奈が立っていた。

「……なんで麗奈が来てるんだ?」

「それはこっちのセリフよ。何でアンタがここにいんの?」

「麗奈とは、たまたま電車で会ってな。付いてきてしまったんだ」

「人をカルガモ扱いすんなッ!」

グルルルル、と麗奈が犬歯を光らせた。

当たり前のことを当たり前に報告してるような風体のPを見る限り、どうやら本当に『たまたま』会っただけらしい。

――もし、アタシに飽きて麗奈に靡いてたのなら、怒ったり泣いたりするかもしれない。

胸をよぎったその気持ちこそ、自分がすっかり彼の『彼女』になってるらしくて、独りよがりながらも少し楽しくなってしまう。

「何よ、ニヤニヤしちゃって……気持ち悪っ」

「言わないでくれって。麗奈の用事は?」

「ウィンドウショッピングよ。ワルたるもの、見聞ってものを広めなきゃなんないの!」

かくしてアタシたちは、春の涼しい風がそよぐ駅前を三人で散策し始めた。

初めてのデートぐらい二人っきりで楽しみたかったが、Pと麗奈で両手に花だと思い直すと、寧ろ楽しみが増えた気がする。

かと言って、麗奈がPの腕に腕を絡めて歩こうとしたら、焼き餅だって妬いてしまうのだが……その時は、アタシもPに腕を絡めた。

時折、麗奈の目の前でキスして、この人はアタシの物だと見せつけてしまいたい衝動に駆られたが、それだけは自制する。

悶々としながら付かず離れずぶらぶらして、麗奈が贔屓にしてるらしい洋服屋さんにたどり着いた。


麗奈はこのお店でいくつか買い物をしていく予定らしく、店内ではとりあえず単独行動を取ることになった。

やっとこさ二人っきりになって、ようやくデートらしくなったと思う。

そう考えていたのはどうやら彼も同じらしく、彼の手には既に様々な洋服がかかっていた。

「こういうの、似合うと思うぞ」

「か、可愛いとは思うけどっ! ……アタシだぞ。アタシが着るんだよ?」

「絶対似合うだろうなぁ。可愛い光には可愛い服だ」

「馬子にも衣装……じゃなくてか!」

結局、可愛い可愛いと煽てられて、特撮恒例ヒロイン七変化のように次々と衣装を着替えた。

パンク・ゴスロリ・ホットパンツとお腹が丸出しになるTシャツ……どの衣装に着替えても褒められるし、その一つ一つを彼が厳選してくれるのだから、悪い気はしない。

むしろ、もっと綺麗なお洋服を着て彼を喜ばせたいとすら思うようになった。

「じゃあ、次はこれを」

「任せてくれっ! どんな衣装だってアタシな、……ら?」

次の洋服だと突き出された彼の手は、見慣れないデザインのハンガーを握っていた。

「……水着は気が早くないか?」

「最近暖かくなってきただろ? それに、温水プールの水は何時だってぬくい」

「そ、それは楽しみにしておくけど……」

額から落ちた汗を拭わず、彼が見繕った水着を見やる。

その水着はアタシが授業で使ってる水着とはまったく違っていて、下着みたいな構成をしていた。

黒地にファイアパターンが施されたデザインは正直カッコいいと思うけど、いかにも大胆な布を着込んで泳げる気がしなかった。


「ビキニって、アタシには早くないかなっ!?」

「そうか?」

「そうだっ! これをお仕事でもないのにみんなに見せびらかすのは、こう、公序良俗というものに反するというかだなっ!」

「……自慢の彼女はこんなに魅力的なんだって、自慢したいんだけどな」

んぐ、と反論が喉奥に詰まる。『自慢の彼女』とまで言われたのが嬉しかったからだ。

「……わかった。じゃあ、着替えるから待っててくれっ!」

ハンガーを受け取って試着室に戻り、カーテンをシャっと閉じた。

――それにしても、水着か。

水着を着るなら当然、ブラジャーとかそういうのだって外すのだ。

……薄布一枚隔てた向こうで、彼がいるのに、全裸になるんだ。

もうあの後からもう一回だけエッチはしてるけど、恥ずかしい物は恥ずかしい。

それに、ここはお店の中で、つまり公共のスペースだ。

無論、試着室の中は外からは見られないのだから、ここで裸になるのは本来恥ずかしいことじゃない。

けど、一緒に裸になった人が五メートルとない距離にいることを思うと、胸が弾けそうになってしまう。

忙しなく働く左胸を殴りつけ、無心で水着に着替えた。

鏡に映った女の腰は締まっていて、ヒーローにはまだ程遠いが、よく鍛えられたしなやかな筋肉がついていた。

(特訓の成果を自慢するためだって思えば、こういう水着も嫌いじゃないかも……?)



自画自賛しながら平成一期から現行ライダーの変身ポーズを一気に取って、着心地を確かめた。

身体をきちんと抑えてくれているので、ずり落ちる様子はない。

ただ、ちょっとサイズが小さいのか、お尻やお胸が少しだけパッツンパッツンする。

特に胸の部分は、ほんの少しとはいえ息苦しさを感じるほどキツい。

ワンサイズ小さめの水着は、アタシの肌に食い込むほど締め上げていて、最近大っきくなってきたおっぱいを迷惑なぐらい上向きに持ち上げてる。

お尻もお尻で、丸くなってるラインが完全に丸見えになっている上、サイズが小さいせいで、お尻のお肉がほんの少しハミ出てる。

「……見て貰わないことには始まらない、か」

見苦しくないだろうかとか、似合ってると思ってるのがアタシだけだったらどうしよう、なんて迷いが、カーテンを掴む手を邪魔した。

――選んでくれた人を信じよう。

色んな可愛いお洋服を選んでくれた人が、今回に限って外す筈がない。

ちょっとどころじゃなくえっち過ぎな衣装だと思うけど……えっちなアタシに夢中になってくれた彼のことは、知ってる。

彼に夢中になって欲しいし、彼がアタシの魅力を高めようと選んでくれた水着なのだから、見せてあげたい。

彼を信じる心で逡巡の霞を打ち払い、カーテンを左右に開いて彼に姿を晒した。

とりあえずここまで。数日顔を出せなくて申し訳ありませんでした。デレラジAの光のウワサノート、すっごく良かったです。

再開します

再開します


彼とアタシに挟まれた時間が、ピアノ線みたいに張り詰める。

肌がヒリつくその視線で血が沸き立って、顔から蒸気が吹き出てしまいそう。

無言か交わされ続ける状況が耐え難かったので、苦痛から逃げるように口を開いた。

「……ど、どうかなっ!? やっぱ似合わないか!?」

一つ、二つ、三つ。心の中で三つ数えたけど、その間彼は動かなかった。

萎縮が表情に現れそうになったとき、彼はグッと親指を突きだした。

「……すっごく可愛い」

「……ほんとう?」

「なんというか、こんなに似合うとは思わなかった。やっぱり光はスタイルがいいな」

「そ、そうか!?」

改めて、身体をおっかなびっくり見直した。

胸は小山状になってるし、お尻もむっちりしてきたなとは思ってたけど、スタイルがいいとまで言われたのは初めてだ。

背が低いとかどうとか、身体の話をされることにいい思い出は無いのだが、彼に褒められるなら嬉しいかもしれない。

「そ、そんなに言うなら……」

動かし辛くて好きじゃない身体。だけどそれが可愛いと煽てられて、さっきまでのファッションショーで仕込まれた色んなポーズを取った。

腰をくねらせ臍を突き出したり、胸を腕で締め付けるように強調したり、背筋を伸ばして腕を反らし、腋のラインを見せつけたり……

たったそれだけで彼の視線が色付くので、自力で喜ばせられてる実感が止まらない。

「凄く可愛いよ、光」

「えへへっ♪ いい水着を選んでくれてありがとう!」

頭に向けて腕が伸びてきた。それを受け止めたくて背伸びをしたけど、顔が彼の手と触れ合うことはなかった。

彼の指が掴んだのはアタシの頭ではなく、お胸だったからだ。

「……え? え、え……!?」

疑問に言葉の返事はなくて、さわさわ蠢く指がおっぱいを弾く。

骨ばった指が水着ごと乳房に沈み込んで、乳腺をやわくマッサージしてくる。


動揺を示すべく腕を掴もうとしたら、逆に掴み返されて、彼も試着室に入って来た。

「P!? 何をっ!」

文句を言いたくて尖らせた唇が、彼の唇で塞がれた。

反抗を試みる意志が、彼を押し返そうと舌を捌いたけど、舌の絡め合いは彼の方が上手で、ねとねとの舌を唾液ごと吸い取られた。

粘膜を走る痺れに酔わされ、次第に唾液がどろどろと濃くなってく。

朦朧として息を吸い込もうとすると、否応なく二人が混ざった涎を貪ってしまう。

酸欠を恐れて唇を離すと、その隙にアタシを掴む腕が誘導されて、ズボンの隆起に添えられた。

その山は噴火を今か今かと待ちわびていて、グツグツした熱を布越しでも伝わるほど放っていた。

「ぷ、ぷは……こ、これは……?」

「光がエロ可愛すぎてな」

「た、確かに刺激的なポーズをいくつかやったかもしれない! けど、ここでするのは……その、非常識だ!」

「俺はもう、我慢出来ない」

手負いの獣のように短い呼吸、狼より飢えた彼の瞳。それらは、彼が冗談を言ってないと物語っていた。

当然、それはアタシがどうなってしまうかを想起させる。

初めてシた時みたいに、ぶっといオチンチンをお臍の下まで挿し込まれて、ボロボロになりそうなぐらい激しく突かれて、アンアンいっぱい喘がされて……

淫らな想像で皮膚が強張り、下腹の奥がきゅん、と疼いた。

だめだ、このままじゃ流されちゃう。

強い言葉で抗わなきゃいけないのに、このまま流されて、見られるかもしれないセックスで気持ちよくなりたいって、心の片隅で思い始めてる。

またあの甘く果てしない万能感を味わいたいと、身体が唸るように欲望してる。

「光だって、したいだろ。顔にそう書いてある」

悪魔の囁きが耳を惚けさせる。酩酊した頭にくちゅくちゅと入り込んでくる。

セックスを覚えて神経だけオトナになった身体が、彼を頼りたがってる子どもな心を組み伏せるみたいに昂ぶってく。


色狂いの世界に引きずり込もうとする声。それをかき消したくて為に振るった首を、くるっと手の平で姿見へと捻られた。

そこに映った水着の女は、すっかり惚けたいやらしい顔をしていて、肌はいかにもエッチしたがってる桜色に上気していた。

「今ここで、光を可愛がりたい。……いいだろ」

「……一回だけだ。本当はダメなんだからな!? これっきりだ!」

恨みがましく彼を睨みながら、アタシは水着をゆっくり脱いだ。

あろうことかおまんこは既に濡れていて、クロッチに相当する部分にシミが出来てしまっていた。

そうしてアタシは、ビキニの上以外何も着てない、裸よりも恥ずかしい格好になった。

もし、店員さんにカーテンを開かれたら、この破廉恥すぎる格好を見られる。

もし、お客さんが中を見ようとしたら、それでアタシ達の人生は終わりだ。

そうでなくても、公序良俗に反した最低すぎることを、これからやる。

変態じみてて、まだ回数が多くもないのにするセックスとしてはあまりにもアブノーマルで、……けど、彼とだけの秘密の行為。

悪いことだと胸が締め付けられるほど、彼を想う気持ちに従って身体が果てなく疼いてしまう。

興奮した彼に人形の様に動かされて、姿見に腕を突かさせられた。

壁に手を突いてお尻を突き出して、準備万端な生殖器をフリフリと見せつけて。

この格好は恋人のそれじゃなくって、子作りしたがりのケダモノのそれだ。

彼がチャックを下ろし始めたところで、カバンにゴムを持ってきてるから着けてくれとお願いした。

前回がたまたま安全日だったからよかっただけで、今日は比較的危ない日だ。子どもが子どもを作っちゃうのは、流石にまずいだろう。

……なので、覚えたての快感に流されることを考慮して、念を入れて一応コンドームを持ってきたのだ。使うつもりは無かった。本当だ。嘘は吐いてない。……本当だ。

要求に彼はすぐ応えてくれた。ただ、彼はアタシのカバンを漁ることなく、サイフの中から取り出した私物を装着した。


「準備してた、ってことは……計画的犯行、という奴か!?」

「夜まで我慢するつもりではあった、けどな。予定変更」

その言葉と共に、熱い感触が性器に触れてきた。

受精はしたくないけど子作りの気持ち良さだけは味わいたい、なんてワガママな望みを叶える道具を使うのは、寧ろ好色って感じがしてドキドキする。

ふっと息を吐いて、力を抜いて。これから気持ちよくされちゃう覚悟を決めて、鏡越しに彼を見つめる。

そのアイコンタクトで火蓋が切られて、膣内をめりめりかき分けてオチンチンが入り込んできた。

生の時とは感触が違うけど、脊髄を燃やすような雷が何条も駆け巡った事実と比べれば、そんなの些細な問題だ。

切なさで泣き続けるおまんこを、熱い感触にごりごりと捏ね回される。

突かれると快い痛痒が駆け巡って、抜かれれば愛液ごと意識を持ってかれそうになる。

薄桃色の気持ちで朦朧とする頭で、肉がぶつかる音がこだま。

淫らな音を小さくすると快感が薄れ、早くイけなくて見つかるリスクが増えるが、早くすると水音が立つ。

イキたくてもイけなくて、イこうとしてもリスキーで。

そのもどかしさから逃げ出したくて、頭を滅茶苦茶にしてくれる喜悦を求めてお尻を振った。

気持ちよくなりたくて繋がってる部分を鏡で見せつけられてると、たまたまとはいえ安全日に告白しちゃう、セックスしたがりの悪い女には相応しい格好に見えてくる。

お腹の奥をエグられると声が出そうになって、抑える為に歯を食いしばる。

歯をガチガチ鳴らして堪え忍ぶ姿で興奮したのか、我慢の城が崩れるほど強く突いてきた。

「きゃうぅううっっ♥」

抑えきれずに溢れる嬌声。その全てが発される前に手で覆ったから、大事にはならなくて済んだはず。

しかし、麻痺して脱力しそうな腕一本で、身体を支えるのは限界だ。

一突きされるごとにふとももが強張って、脚が子鹿みたくぷるぷる震え、立ってるだけで精一杯。

このままイかされたら途轍もない声が、快感が迸るんじゃないか。

恐れと期待の両方の波が全身を打ち震わせ始めたとき、カーテンの向こうから声がした。


「光ー、いるわよね? アイツ、何処にいるか知らない?」

高ぶりきった興奮はそのまま、手足が一気に冷たくなる。

麗奈の声が外からする。服を着た友達が目鼻の先にいる場所で、アタシたちは裸になってる。

その事実を悟られたら、絶対彼女に侮辱される。

少しの揺れに気付いて怪しまれたら最後、友情だって永遠に終わりだ。

無論、それに限らず、彼はプロデューサーの職を追われてしまうし、アタシだってアイドルを続けられなくなる。

「さ、さぁ、知らないな。外で待ってたり……おひっ&♥」

はぐらかしたくて紡いだ言葉が、たった一回のピストンで台無しにされる。

彼が事態の深刻さを理解してないはずがない。だとすれば、状況を楽しんでいるのかもしれない。

一歩間違えば、信用も友情も何もかも失うセックス。

背徳で胸が張り裂けそうな、邪悪すぎる変態セックス。

淫心を煽られすぎた彼は、麗奈に見られるかもしれない緊張で寧ろ昂ぶっていたのだ。

「……アンタ大丈夫?」

「だ、だいじょ、ぶ……! チャック引っかかってっ♥; 着替えで手間取っててさっ、あひっ……♥」

カーテン越しに話し合ってる間も、Pは抽送を止めてくれない。

水音が発しないようペースを落としてるだけで、気を抜くとイきそうな弱点を重点的に削っている。

霞がかった頭が揺さぶられ続けて、ぴくぴく小イキしていてもう絶叫しそう。

だけど、中途半端な絶頂じゃ満足できなくて、より強い快楽が欲しくて欲しくて堪らない。

あの全身が破裂する開放感に酔いしれることが許されるなら、いっそ気が狂ったっていいとすら思えてくる。

もしカーテンを開いて裸身を晒し、見られながら思いっきり交われるとしたら、それはどれほどキモチイイだろうか。

きっと脳内麻薬が分泌され過ぎて、自分の名前も言えない廃人になるぐらいよがってしまうんじゃなかろうか。

滅亡に歩を進める妄想に支配しされそうになったとき、麗奈の陰が動いた。

「ったく、何やってんのよドジ。まぁいいわ、外探してくるから」


人影が立ち去って。それに安心した彼は、もう欲望を隠すことなく腰を叩きつけてきた。

痛さすら感じる乱れ突きに文句を言ったりしないのは、アタシも滅茶苦茶に犯されたかったからだ。

麗奈以外にも人が来るかもしれないのに、ゴムのせいで赤ちゃんも作れないのに、彼は繁殖オチンチンを奥に突っ込んだ。

姿見と彼で押し潰されそうな程密着されて、子宮が歪まさせられる度に頭が真っ白になる。

気持ちよくしてくれる彼と気持ちよくなってるアタシ以外関知できない、トんでしまった頭が考えるのは、麗奈のお小言への正確な返事。

何やってるかって、セックスだ。赤ちゃん作る気持ちいいことだ。

気持ち良さで全身を灼かれて、何もかもどうでもよくなっちゃうんだ。

おまんこにじゅぽじゅぽオチンチン突っ込まれて、身も心もこの人の物だって刻印されて、何度も何度もイキまくってるんだ。

麗奈もやってみろ、すっごくすっごくすっごくすっごくキモチイイぞ。

けどPはあげないぞ、彼氏は自分で見つけてくれ、だってこの人はアタシのなんだ、アタシを愛するって約束してくれた人なんだ、安全日とはいえネバネバざーめんナカダシしちゃうぐらい好いてくれた人だ、れいなにはわたさないいちばんすきなひとあいしてるついてついておかしてこねてめちゃめちゃにして。

愛液でずるずるな膣道を貪る猛突が、暴走特急みたいに加速する。

それが意味するのは、彼の限界が近くて射精したがってるということだ

気持ちよくなって下品に喘ぐしかできないアタシを、鼻息を荒げて後ろからぱんぱん突き刺してる。

優しさも何もない暴力的な往復なのに、振動と共に響く淫振が頭からつま先までアタシを揺さぶられる。

お尻が潰れるほど腰を打ち付けられ、ぷるんぷるん振り回されてるおっぱいを鷲掴みにされたとき、熱い津波に意識をさらわれた。

押しては返す快感が、振れ幅を増しながら全身を行き交う。

心地よい無力感が何もかも吹き飛ばし、お゛お゛っ゛、と獣の声を掌に叫んだ瞬間、彼の動きが急に止まった。


肉の棒だったはずの先端が一気に変形し、ぶくりと膨らむ感触が膣越しに伝わってくる。

射精に乱れるオチンチンの痙攣が、イき続けてるアタシをさらに狂わせた。

コンドームを知らない原始的な子宮口が、精液に代わって避妊具にしゃぶりついてる。

変態なセックスで気持ちよくなることを覚えた変態な身体が、快感の奔流を味わい尽くそうと震えてる。

ふぅふぅと荒立つ吐息を互いに漏らし、しばらく黙ったままで静止する。

肩を上下して息を整えて、こんなエッチでしか満足できない身体になっちゃうかも、なんて思ってると、ゆっくり彼が引き抜かれていく。

くちゅん、といやらしい音を立ててオチンチンが身体を放れ、続いてぷるぷるのコンドームが外へと取り出された。

まだ意識がぼんやりしたアタシの前に、彼は仕事を終えた袋を垂らした。

ぱんぱんな薄手のゴム風船の中には、真っ白に濁った汚液がみちみちと詰まってる。

もしこれを着けてなかったら、これを全部受け止めていた。

もう赤ちゃんを身ごもれる子宮は、きっと精子を大喜びで受け入れて……絶対、妊娠してただろう。

そして、こんなにも精液が溜まってたというのは、それほど彼が女の子を孕ませたいと思ってた証拠だ。

「どうする、P……これ、飲んだ方がいいか?」

「まだ、厳しいだろ。無理すんなって」

「そっか……。ありがと」

まどろみに陶酔してる頭を撫でられて、手の温もりに心を握られた。

そういえば、アタシたちのエッチは隠し切れたのだろうか。それとも、バレちゃっただろうか。

判断を拒む気怠い余韻に身を委ねながら、アタシで気持ちよくなった証をうっとりと見つめてた。

――もう一回、今度はアタシのゴムを使ってって、おねだりしちゃおうかな。

否定されて当たり前なことで思い悩み始める程、この離れ難い快感に魅力されてしまっていた。

とりあえずここまで。遅れて申し訳ありません。次からヒーローコス要素入れてきます。


その後しばらくして。

意識が明瞭になってから、試着室からこっそり抜け出して、水着をレジに持ち込んだ。

一応、濡れた部分は拭いておいたが、匂いでバレる可能性は多々あった。

けど、店員さんは気にせず処理していたので、バレてない筈だ。……たぶん。

胸を撫で下ろしながら店を出て、外で待ってた麗奈と合流した。

「P、アンタ何処行ってたのよ」

「ちょっと花を摘みに」

「女子かッ! ……まぁいいわ。次行くわよ、アタシの荷物持ちとしてキリキリ働きなさい!」

初耳な新設定に振り回されながらも、アタシ達は日が暮れるまで散策を楽しんだ。

帰り際、彼に小包を渡された。その持ち重みは、水着だけのそれじゃなかった。

「水着……それと、玩具とか?」

「間違いじゃないな。帰ったら開けてみてくれ。……帰るまで開けるなよ」

「りょ、了解! ありがと!」

真剣な彼の眼差しを信じて、はやる気持ちをセーブして女子寮へ帰った。

手洗いうがい、食事・歯磨きそれからお風呂を済ませて自室へ戻る。

ベッドに五体倒置し、天井の怪獣っぽいシミと空想の中で戦いを始めた。

(……したん、だよな。お外で)

お昼のあの興奮が浮かび上がる。

それを忘れようと意識するほど、粘着質な快美感、狂おしい劣情が記憶に刻まれ直された。

正義を守る自分じゃなく、エッチでおかしくなる自分をフィギュアたちに見られたくなくて、埃を巻き上げながら毛布を被った。

それでも責められるような視線を感じてしまって、団子みたいに身体を丸めた。



かといって、動かないでいたって何も始まらない。それに、一日の終わりを薄暗いものにしたくなかった。

分厚い布で口元を覆われる息苦しさから逃れたくて、布団から出て小包を開いた。

中に入っていたのは水着と手紙。そして、プラの棒が入った箱だった。

その棒はピンク色をしていて、根本にはスイッチが付いていた。

パチッと電源を押し込むと、棒の先端が膨らんだり上下したり、細かく振動したりした。

波打ったり出っ張ったりイボイボしたり、独特な形状をしたその十手は、いかにもオチンチンを模してるようでいやらしい。

そんな猥褻物が入ったケースには、『特選・大人のオモチャ』とかどうとか、興奮を煽るなまめかしい書体で大書されていた。

「これを、使え、ってことか!?」

パニックを起こしながら手紙を開いた。

その中身は想像通り、もし俺と会えない時はこいつで、とか、拡張した方が気持ちよくなれるぞ、とか、子宮口の裏側を意識して押し着けながら揺さぶってみろ、とか、口にするのも憚れることでいっぱいだった。

「きょ、きょ、今日が初デートだとか、考えてないのか……!? ……寝る!」

羞恥心でもうショート寸前で、考えることから逃げ出したくなった。

身体を休めるだけで効果はある、そういう決まり文句を信じて瞼を閉じた。

……眠れなかったので、一回だけ試した。電源を入れると中でブルブルして凄かった。

子宮口の裏側、というのはよくわからなかったけど、意識してみると確かにジンジンした。

生存報告がてら、とりあえずここまで。同期ミスってテキスト飛んでしまった……

おつ

遅くなってすみません。再開します


# # #

それ以来というもの、アタシ達は毎日のように身体を重ね合っていた。

視線を交わすことも出来ないほど忙しい日、寒気に似た寂しさを覚えるのは彼も同じらしく、しばらくぶりにする時は、まるで体温の奪い合いみたいだ。

ダメだと言ったって止まってくれない程獣欲を引きずり出し、その情熱に焼き尽くされることに、病みつきになっていた。

そんな爛れた生活と平行して、アイドル活動はもちろん続けてる。

ファンへの裏切りとか、仲間達に関係を悟られてはならないとか、アキレス腱は多いけど、一応問題は起きてない。

生活が崩れてしまう瞬間に怯えながら過ごしてたある日、彼は宿題を出すと言ってきた。

曰く、次の合同LIVEは多くの会社が関わってるらしく、挨拶周りだけでも出ずっぱりで、その間事務所に顔を出せないらしい。

一週間も離ればなれになるのは初めてだから、彼は通信添削というのをしてみたいらしい。

……アタシにメールを出して、その通りエッチなことを実行する、言いなりになるお勉強だ。

そんな変態じみたことはしたくないと思う反面、彼はどんなことに興味があるのかを知りたいとも思ってた。

それに、ちょっとだけ、期待もあった。

大きな彼にのしかかられて、お尻や胸をモチモチと捏ねられて、嫌というほどイかされて……

最低なことで昂ぶる恥ずかしい身体が、想像だけで火照り始めたのだ。

だから、考え無しに首肯した。次はどんな変態な事を教えてくれるのかと思って、破廉恥極まりない望みを引き受けてしまった。

隣に座って、彼を近くに感じられたら、きっとそれだけで満たされる。

そう夢見てた昔の自分が今のアタシを見たら、きっと卒倒するんじゃないか。

彼好みの自分になりたい、その欲求が背徳を塗り潰し、自己嫌悪も浅ましい願望も抑えられないのだ。

それに、課題をきちんとクリア出来たら、ご褒美なる物をくれるらしい。

その言葉に淫靡さを感じ取ってしまうこと、それこそ性を教え込まれた証拠みたいで、気付けば人差し指で唇をなぞってた。


課題提出、一日目。

次のLIVEで着る予定の衣装は、着慣れたヒーローのそれなので、練習を早々に終えて帰宅することが出来た。

部屋でくつろいでたアタシに出された課題は、動画を撮影すること。

水着でポーズを取って、それをカメラに納める宿題だ。

わざわざ着替えて手間をとるのは、えっちに乗り気みたいで顔が熱い。

心音の高鳴りに手間取りながら黒ビキニに身を包むと、試着室のことを思い出して尚もどかしい。

劣情のリフレインに身悶えしながら、姿見に身体を写した。

変身ポーズを確認したり、フォーマルな場所へ行くときの正装を着こなす為の大鑑……

生活と共にあった道具にふしだらな自分を写し込む背徳で、首の下が桜色に燃えていた。

「見ててね、……アタシのカラダ」

撮影アプリを立ち上げてスマホを固定し、一字一字を噛み潰すみたいに台本を読んだ。

自分で撮影するのは、グラビアとも、彼の前で裸になるのとは、恥の質が違う気がする。

セックスを肌の表面に点いた火に焼かれる恥ずかしさとすると、動画撮影は、意志と熱を持ったキャンディの蛇が、皮膚の下で這い擦り回る感覚だ。

鍛えて締った脚、ちゃんと毛を剃った太ももを通って、お腹から下乳まで大写し。

カメラの向こうの視線に追い立てられる想像をすると、腰をくねらせて腋を見せる以上に過激になりたくなる。

ガニ股で蹲踞してピースしてると、三角系の薄布の下に視線の針が刺さる錯覚を覚える。

一応、乳首や性器を見せないルールで撮影してる。

それはつまり、局部以外で、何処が雄を惑わすか……雌は何処で性を見せびらかして、男を狂わせようとしてるか理解しろ、ってことなんだ。

錯覚が熱を産み、熱が理性を茹だらせて、もっと大胆なことをしたくなってきた。

パッツンパッツンに抑えられた乳房に、水着ごと指が沈むよう握りしめる。

指の間から乳肉がはみ出てる光景は、自分でも生唾が出てしまいそう。

「ここ、いっぱい触ってたもんな。……アタシのおっぱい、好きか……?」

クスッ、と小さくはにかんだ。

妖艶な表情なんて知らないが、彼を魅了してまた融け合いたいとねだる気持ちは、ちゃんと込められたと思う。


とろけてきた判断力が、理性の鎖を弛ませる。

異性を欲しがって身悶えする身体は、劣情を受け止めたがってすっかり高まっていた。

――ただ撮影してるだけで興奮してるんだから、もし本当に誰かの目に触れたりしたら。

アタシに似た声が恐ろしいことを囁いた。

もしかしたら彼は、アタシを改造したいのかもしれない。いやらしい姿を見られて感じる、変態すぎる女子へとだ。

そんなのにはなりたくないという反発心と、彼に応えたい望みが葛藤を生じさせ、処理しきれなくなった感情が涙として吐き出された。

「あ、アタシのチン媚びポーズでっ……っ、チ、チンポをガチガチにボッキさせて、いっぱいシコシコしてね……」

台本を読み上げる声は、自分でもわかるほどたどたどしい。

ムリと言ったって辞めてくれない彼なら、泣き顔で興奮するのもありえるが、ただ悔しさがこみ上げた。

鼻声で音読した単語は、まるで外国語みたいに思えてならない。

けど、これが卑猥で下品であることだけは、メールのお陰でわかってる。

例えば精液一つをとっても、おちんぽミルクだとか、スペルマだとか色んな呼称がある。

オチンチンにしたって部位ごとに名前があって、カリ首と鈴口とか、下品な俗称は数え切れない。

そんな浅ましい言葉を学んでると、自分まで下品になってくみたいで頭がクラクラとしてくる。

そうして堕落したはしたない姿を撮影して、オチンチンを摩擦して気持ちよくなるあの運動をサポートしてあげるためだ。

鼻息荒くアタシを焼く視線を思うと、骨の髄まで焦げ付いてくる。

その熱は気づけば避けるべき物から求めたい物へと変移していて、胸の谷間をぐいっともちあげたり、尻肉を左右に開いたりすることへの抵抗感は薄れていった。

もしかしたら、アタシは好色な自分に酔ってしまう傾向があるかもしれない。

なら尚更、より淫らでいやらしい自分に成り果てて、甘くもどかしい羞恥心に酔い痴れてたい。

そう望み続けてたら間違いなく道を踏み外すと思いながらも、熱病のように狂おしい発作は果てなく膨らんでいった。

視線が否応が無くそうさせた。そう言い訳してれば、どんな悩ましいことだって自分からやれそうだった。


課題提出、二日目。

今日もビキニを着るのだが、今度は更に疑似パイズリ、というのをして欲しいらしい。

それにしても、パイズリとは凄くいやらしい名前だと思う。

男の人が大好きな膨らんだおっぱいで、がっちがちのオチンチンをずりずりする。

どんなことをするのか一発で想起される、これ以上なくえっちな響きに思えてならない。

「じゃあ、アタシのお胸の谷間でオチンチン挟まれてる想像して……せーしの無駄撃ち、いっぱいしてくれよな」

淫らな言葉を滞りなく読み上げられるようになるのは、一重に喜べる成長ではない。

けれど、彼に望まれる自分へとステップアップしてると思うと、腹の底から疼きがこみ上がってくる。

小さなトップス締められて上を向いてるおっぱいを、ぎゅっと掴んで持ち上げる。

左右から押し潰して谷間を作ると、ここだけ別の生き物みたいにむにゅむにゅした。

「ここにオチンチン突っ込んで、おまんこみたいに犯すこと、想像してね。……きっと、スッゴく気持ちいいから」

長めの舌をんべぇ、と突き出して、どろどろな涎を乳房に垂らした。

分泌した唾液は興奮に茹でられた熱を伴っていて、その粘り気も相まって、潤滑液として最適になっている。

粘液まみれの小山を捏ね合わせると、ぬっちゃぬっちゃいう音がはしたなく響いた。

女子寮は防音完備で、それぞれの部屋に鍵が備えられてるが、メールに従い開けている。

だから、もしアタシに気なんか使わない麗奈が訪れたりなんかしたら、見られてしまうのだ。

尻たぶがハミ出る程小さい水着を着て、涎を垂らして胸で遊ぶ変態を見られるのだ。

無論、それは可能性の話であって、実際麗奈が部屋に来る可能性は低い。

が、可能性が存在する事実だけでも恐怖の種としては十分だ。

恐れを興奮のスパイスに出来るようにされた身体は、アタシを無視して盛り上がった。

アタシにこんなことまで教え込んで、彼はアタシに何をさせたいんだろう。

全裸に首輪、みたいな格好で深夜の公園を徘徊するようなことまでさせたいんだろうか。

もしその時、お外でのおっぱい奉仕でしか感じられない女子になったらどうしよう。

破滅のビジョンに身震いしながら、妄想の指示通りに棒を谷間へ挟み込んだ。

その棒は、女の子の気持ちいい所を沢山抉ってくれる形をしていた。……オチンチンの形で、有用性は何度も証明されている。


彼と会えない日、彼に見立てて楽しんだプラ棒が触れると、本当に奉仕してる気分になる。

それは画面の向こうの彼も同じで、きっとパイズリされる想像で興奮してるはずだ。

ならば、その妄想のアシストを果たすのがアタシの使命だ。

彼を鼻血が出る程昂ぶらせたいと望みながら、カリ首に乳肉が挟み込むぐらい、ぎゅっと強く挟み込んだ。

棒と乳肉が唾液で渾然一体と溶け合うよう、混ぜるみたいに胸でしごく。

左右違いにおっぱいを擦り合わせると、水音が下品で耳が爛れそう。

何時か産む赤ちゃんを育てる為の乳腺を、劣情を煽る為に消費する後ろめたさが、逆に乱れたがりの身体を高めた。

もっと滑りをよくしたくて、更に唾を垂らしながら刺激を加速。

もしこれが本当のオチンチンなら、もっと気持ちよくさせたくなるに決まってる。

『練習は本番のように』に従い、大好きな男を骨抜きにするつもりでご奉仕する。

ぬっちゃぬっちゃと響き立ち、おっぱいがぐにゅっと変形しながらバイブに張り付く光景は、我ながら淫靡で生唾を飲みそう。

その唾を垂らしてズリズリし易くすると、乳房の全域がテラテラ光って、ナメクジが這った跡みたいにあやめかしい。

射精も出来ない玩具の棒に、本気になっておっぱい奉仕を施す姿を、スマホは淫乱女として写すだろう。

そんなのを男の人が見たら、セックスしたくて堪らないだろうな。きっとしこしこいっぱいしちゃうだろうな。

「好きにどっぴゅん、いっぱいしてね。おちちまんこ、いっぱい受精させてくれると嬉しいなっ♡」

これまでの台本から、彼が好きそうな言葉を汲み上げる。

アドリブの効果はわからないが、自力で喜ばせてみたくなったのだ。

身も心も男に使えるおっぱい女に近づくと、どうしてか模型から臭いがしてくる。

汗っぽくて獣臭い、いかにも雄らしいオチンチン臭さ。

鼻先で立ち昇って鼻腔を支配する、ビリビリと脳を焦がすあの臭いを思い出した。

それは想像でしかないが、オチンチンならばまとめて射精へ導いてあげるだけだ。

本物を慰めてあげる日を夢見て、臭いでに痺れて惑わされながら、バイブをぐにゅぐにゅといじめ抜いた。


課題提出、三日目。

三日も着替えてれば手慣れるもので、火照りは薄まらないが、焦って水着になるのに手間取ることは無くなった。

けど、今日の課題は、水着であろうと無かろうと、ひたすらに羞恥を煽るそれだった。

夜の二時、所謂丑三つ時に着替えを済ませ、冬用の外套を被って扉を開いた。

だいぶ暖かくなってきてはいるが、日の暖かさが抜けた真夜中は冷え込んでる。

けど、破廉恥な水着で寮内を歩く火照りを沈めるには、寧ろ心地いいかもしれない。

裸足に流れた廊下の冷たさが、アタシを責めるみたいにつん、と刺さる。

「……バレたら変態だって、思われるよな……」

今更、当たり前のことに思い至る。けど、その逡巡だって今更価値ある物ではなかった。
人っこ一人いない真っ暗なリビングを通り、庭に繋がる窓を開いた。

もしここに、昼のようにみんながいたら、その視線が外套の下に注がれたら……

そう思うと首筋の毛が逆立って、頬に血が流れ熱くなってきた。

サンダルを履いて庭に出て、一応周囲を見回した。

人影、無し。防犯カメラ、こんな所には無し。人に見られてる気配……有り。

それは恐らく、妄想の産物だろう。

何時もこの庭で走ったり遊んでるのだから、そこにある昼の人々の視線を想起して当然だった。

ためらいがちにボタンを外し、外套をその場に脱ぎ捨てた。

煌々と照る三日月に見せつけたのは、相も変わらず黒ビキニ。

いやらしく肉感を魅せつけ、男も女も盛らせる為の布を、まぼろしの視線に晒けだした。

ありもしない視線がへそに、尻に、ふとももに、胸の谷間へと注がれる。

もし、本当の本当に、昼間この格好で外出したら、どうなってしまうだろうか。

変態と罵られるだろうか、通報されてしまうだろうか。

もっとも、ここだって女子寮の一画だし、心の広い仲間達が住む場所だから、案外許容されるかもしれない。

しかしこれからするのは、その優しさを踏みにじることだ。

月明かりを頼りに歩みを進め、たどり着いたのは常緑樹の下。

確かちょっと前、寮の仲間達と共に、ここにタイムカプセルを埋めたような気がしたが、そんなのは昔の話だ。


雑草が枯れた砂地の上に立って、初めてスマホアプリを立ち上げた。

「……こんばんは、P。君が寝てる時間に、撮影してるぞ」

スマホに映った自分の顔は、りんごの様に赤かった。熱病患者のそれだった。

「ちゃんと、ルールは守ってるからね。……すけべなんだから」

ルールを守ってる証拠を撮影した。夜光を反射する半裸の肢体、そして、地面に脱ぎ捨てられた外套をだ。

その外套は、今立ってる場所からおよそ二十メートル離れてる。

つまり、これからすることが見つかった時、言い逃れ出来ないのだ。

夜闇の静けさをかき乱すほど、心音が響いて狂いそう。

恐怖と露出欲に痺れる指先を、心から切り離して一息に走らせ、ボトムスの紐を解いた。

はらり、と三角の布が肌を滑り、音も立てず草を覆う。

カバーが失われ、ついにアタシのおまんこが露わになった。

突き刺さる外気に反比例して、おまんこはじゅくじゅく灼け融けてる。

恐怖か期待か震える陰唇に触れると、膣内から濃い愛液がどろっと滴った。

真夜中の、誰もいない時間の庭で、下半身だけ裸になる。

何時心臓が破裂しても納得できるぐらい恥ずかしいけど、これすら課題の前準備。

木に寄りかかって腰を落とし、蹲踞の姿勢からおまんこだけ突き出す。

今すぐ犯されたがってパクつくおまんこを撮影しながら、腰に貯まった力を抜いた。

「……あっはぁ……♡」

最初は小刻みに、そして途中から勢いよく。

植物を育てて上げるみたいに、アタシはおしっこを振りまいた。

これまで彼にすら見せたこと無い、トイレで自分しか知らず終わる筈だった光景。

尿道口が震えて、鼻にひりつくアンモニア液を放出する姿を、一瞬も逃さず撮影した。

野外で放尿する行為は、屈辱すら生じる程恥ずかしくて、視界がじわっと歪んだ。

それが、一番興奮を煽った。

犬みたいになってる自分、それに自己嫌悪する自分、自己嫌悪する自分で盛り上がる自分。

何もかもが淫心を駆り立てる材料で、感情の奔流に思考力が流されそう。

卒倒しそうな程クラクラだけど、この開放感に浸り続けたい思考だけは明瞭だった。


課題提出、四日目。

『毎回水着に着替えるのはちょっと手間だ』

そう軽口のつもりでメールしたら、今日はフリースタイルでいいと返信された。

それなら手間が減って楽でいいなと思って、気張らず服を脱ぎ、アプリを立ち上げる。

が、リラックスした心持ちは、姿見に映ったブラによってかき乱された。

今日着ていた下着は、女の子らしいふつうのブラ。……初体験の日のブラだ。

初めて肌を重ね合い、はちきれそうな想いが素肌越しに通じ合ったあの瞬間。

決して色褪せないあの羞恥と達成感に引きずられ、身体があの日に帰ってく。

初々しい興奮で破裂しそうに拍動していて、皮膚が敏感にヒリつきだす。

やり方も知らずにフェラをした激情が、何度も開発された肉体で反響した。

彼に触れられるのが当たり前になってた身体が、限界寸前の悲鳴を上げている。

欲しい、欲しい、会いたい、会いたい。

服を脱ぐ前には思いもしなかった飢餓感が込み上げて、涙という形で溢れてきた。

それもこれも、連日エッチに挑戦したせいに違いない。

中途半端な性感に踊らされ、勝手に高ぶって絶頂感を欲しがって。

けどきっと、この乾きは彼と会うことでしか満たされないのだろう。

理性が融けるキスを繰り返し、堅くて太い指で全身を撫でられて、乳首をしゃぶられて、クリトリスをぐにゅっと潰されて……

べっちょべちょ膣壁を、太いガチガチチンチンに削られて、溢れるまでざーめんどぴゅどぴゅして貰うまで、落ち着ける気がしない。

精子と卵子が乱交しちゃうようなけだものセックスを夢見てると、骨髄で熱の蛇がのたうち回る錯覚を覚えた。

その感覚は吐き出さないと身体が引き裂けそうな程に獰猛で、快不快無しにエネルギーそのものだ。

絶叫したい程の狂おしさに涎を垂らしてる女が、姿見に映ってる。

現実と空想が入り交じりすぎて、縋り付く物が欲しくてすすり泣いてるのだ。

その幻想を満たす道具は手元にあって、役目を示すように艶めかしい隆起を誇示してる。

人間工学なる物に則って蠢くそれでほじくられたら、きっと盛大に絶頂出来る筈。

生唾を飲んで覚悟して、放置してしまった彼に謝るように台本を読み上げた。

「今日は、……おなにーをする。セックスごっこでアヘアヘ気持ちよくなってる所、ばっちり、見ててね?」


呪文のように唱える度に、唇の響きが全身を淫らに変身させてく。

淫夢で濡れたショーツを脱ぐと、刺激をねだるように痙攣する性器が露わに。

ヒクヒクしてる大陰唇をぷにっと揉むと、その感触だけで痺れが走る。

その電流に浸らず、もっと深い物に溺れたくて左右に開くと、熱い粘液が垂れてきた。

「ここに何時も、オチンチンが入ってるんだ。凄いよな、身体って。……Pも疑似ハメで興奮するか? アタシは……するぞ」

粘ってて濃い愛液まみれなおまんこに、小陰唇を巻き込みながらバイブを挿入する。

肉傘を模した部分が膣壁をこじ開け、波打つ部分が弱点を圧迫。

愛液を押し退けながら差し込むと、十手の鉤部に生えたゴムブラシがクリに触れた。

刺激する部分が十全に働けるようになったのを悟り、スイッチを押し込んで起動する。

虫の羽音の様に小刻みなモーター音と正反対に、その動きは妖しく生物的。

特に先端だけ収縮するその動きは、膣の入り口と子宮口を別々に歓ばせた。

「ひあぁぁぁぁぁぁっっ♡♡」

科学的にエロい運動が、生物には出来ない収縮で、オチンチンとは異質の快感を産んだ。

その周期的な甘痒さが、情緒も無く無理やり官能を高めてくる。

モーターらしい微細動にクリトリスを苛められると、その激震で目が白黒した。

子宮の周りでは気怠い熱が込み上げていて、多幸感の樹がその枝を全身へ延ばしてる。

曰く。このバイブは、子宮口の側面、ポルチオなる部分を刺激するのに適してるらしい。

調べた所、ポルチオの性感は、他が遊びに思える程次元が違うらしく……

そんなのを教えようとするのなら、それを覚えるために必死でぬぷぬぷ遊ぶだけだ。

「見てぇ♡ 見てぇっ♡ きおちぃのぉっ!」

性感の震源地を意識しながら、突くのではなく圧迫するようゴシゴシ抜き差し。

振動を『強』に押し上げると、カリ首が上下して、愛液と共に膣ヒダを引きずられた。

絶頂へ追い立てられながら奥を揺すると、火花が咲いて思考が乱れた。

ああ、そろそろだ。あたしもうイけるんだ。

愛液でずるずるな膣肉を、めちゃくちゃなピストンでかき混ぜる。

撹拌されすぎな粘液は最早泡状で、めくれた陰唇とバイブを汚してもう真っ白。

前後も左右も全く不覚で、猿みたいに棒を前後する以外何も出来ない。


本気オナニーで狂いきった痴態を鏡に見せられて、劣情はもう制御不能。

太股の付け根が痺れる快美感が、陶酔の暇を許さない程途切れがない。

よくもこんな気持ちいいことを教えたな、夢中になっちゃうに決まってる。

酷い、ずるい、もっと夢中になりたい、酔わせて、こわして、ぽるちおイかせて。

喜悦の叫びが滂沱と溢れそうになった瞬間、快感が砲火の様に突き抜けた。

「イきましゅぅっ♡ イく、イぐっ、っぃひぃっぃいっ♡♡♡」

手足のくびきから離れてく開放感。

砕けた身体から魂が遊離してくみたいに、現実感はまどろみの向こう。

水の中から外を見るように視界が歪んでて、脱力に支配されて口も開きっぱ。

「どぉ……? だいほんどーり、イくイくせんげん、できたよぉ……♡ あかちゃん汁、びゅうびゅうアシスト、できたかにゃ……?」

本気アクメに引きずられるまま、台本に無いセリフまで口走る。

無意識が組み上げたそのセリフは、学びが血肉となったその証拠。

媚びたい本能で必死に選んだ、浅ましく自分を飾る言葉だ。

「ねぇ、あたひねー……♡ ぜぇんぜん、物足りないんだぁ……♡」

スマホに手を伸ばして、振動で弛んだ固定を締め直す。アプリは、停止しない。

「ほんとぉのえっち、せっくす、こづくりするときは……もっとはげしく、ぱこぱこしてねぇ? びきびきちんちん、待ってるからねぇ……♡」

言葉の一つ一つが脳を炙って、理性を可燃ゴミに貶める。

いや、野生を縛る判断力なんてものは、とっくの昔に再利用不可能になっていた。

見え隠れし始めたポルチオの魔性に取り憑かれたように、また抽送を再開した。

もっと深くイきたい、長くイきたい、ずっとイきたい、イきながらイきたい。

絶頂への欲求が疲れを忘れさせ、いくら腕を振り回したって快感が欲しくて止まれない。

白目を剥いて涎を流し、舌と人らしさを放り出して、唸りながら単純運動を繰り返す……

姿見に映ってた異様な光景が、アタシの意識の最後に残ってた事だ。

それ以降はもう、本物の動物に成り果ててたから、覚えてない。

とりあえずここまで。ヒーロー拘束プレイの前に、光をちょっとだけ開発します。

おつ

乙でした
あくまでセルフ開発させるのがいいですね
他の玩具も使ってみてほしい

再開します


課題提出、五日目。

メール曰く、これまでで課題は殆ど終わったので、今日からは自由補修とするらしい。

ただ、するかしないかを選択させるのは、自分から決めて欲しいということだと思う。

何より、課題を引き受けて欲しいと思ってなければ、新しい玩具なんか寄越さない筈だ。

そう推測したので、課題に挑むことにした。彼の為だけじゃなく、……自分の為にも。

課題の支度を済ませて外套を着込み、寮からバスに乗って移動した。

それから数十分で訪れたのは、学校の近く。

アイドル活動を契機に転校した、アタシの学び舎だ。

課題の一環で変装をしてるので、南条光がここにいるとバレるのは考え辛い。

けど、万一は常に存在するし、アタシの変装術では、絶対の保証の方こそ有り得ない。

不安に揺れながら校舎の周辺を散歩してるいると、草の匂いが濃い突風が吹いた。

その青臭い風は外套の裾を踊らせて、その下の秘密を一瞬だけ暴いた。

膣からふとももに向けて生えたケーブルとバッテリー、内股から脚に向けて滴る愛液。

いやらしく気持ちよくなる性玩具以外、下には何も身に着けてないのだ。

こんなのを見られるわけにはいかないから、当然、慌てて外套を抑え込む。

だが、慌てて身体を動かした事実だけは隠せない。

その忙しなさは間違いなく不自然で、放課後練中の野球少年が一瞬こちらを見てきた。

(や、やばい……あいつ、クラスの男子じゃないか……?)

挨拶したり消しゴムを貸したりする程度の面識しか無いが、アタシを知ってる人に、見られたかもしれない。

もし変装がバレたりすれば、翌日から学校の噂になること間違いなし。

アイドルが露出散歩に出かけてるなんて流出したら、人生は一環の終わりだ。

仮にこの事実をかれが秘密にしたとして、オナニーのオカズにされるのは確実だろう。

外套とローターだけの格好で露出してる変態に昂奮して、がちがちオチンチンから精液発射するんだろうか。

淫乱女を公衆トイレに連れ込んで、子作りレイプする妄想で抜きまくるんだろうか。

もちろん、バレてない可能性もある。

けど、羞恥に炙られた頭は妄想漬けで、外套の下では湿気た淫臭が籠もっていた。

風に撫でられてざわついてるおまんこに、突き刺さるような快感が走った。


「くひゅっ……!」

かすれた艶声は抑えられたけど、それでローターが停止することはない。

絶頂したがりをよがらせる使命に燃えた性玩具は、電源が活きる限り震え続けるのだ。

その震えは入り口を揺さぶることで性感に変換されて、甘痒さが太股を脱力させた。

歩行が困難な程力が抜けて、電信柱に寄りかかった。

肩で息しながら立ち止まってると、びちょ、と重い音がした。濃い愛液が垂れ落ちたのだ。

幸い、こぼれた場所には犬の小便の跡があったので、目立つことはないと思う。

けれど、もしここ以外の場所で休んでたら、愛液泉が残ってたのだ。

全身が恐怖と快感で震えていて、鼓動はそれしか聞こえないほどばっくばく。

それでも立ち止まる訳にはいかなくて、子鹿みたいな足取りで歩き出した。

失神寸前で辿り着いたのは、中学校の近くの市民公園。

今回の課題は露出徘徊をすることじゃない。その事実を撮影することだ。

撮影場所を求め、男女仲良くヒーローごっこしてる子供達を尻目に公衆便所に向かった。

「……うそ」

けど、女子トイレは事故があったのか閉じられていて、入ることが出来なくなってた。

このままじゃ、課題が終わらない。そうでなくても、アタシは個室が欲しかった。

イきたかったのだ。一回じゃ全然足りないのだ。

ローターを引き抜いてクリに当て、甘痒さの針が刺さる感覚を楽しみたい。

欲望の呼び水でしとどに濡れて、涎を垂らすおまんこを全力でかき毟りたいのだ。

「おにーちゃん、だいじょーぶかいっ! 困ってない?」

性欲で濁った思考が、女の子の声でクリアになった。

その子供はヒーローごっこをしていた子で、振る舞いからレッド役だとわかった。

「あっ……うん。大丈夫だよ、困ってる人に声を掛けられて偉いねっ、ひぅっ♡」

話してる最中にも小さく絶頂を迎えて、また声が甘く震えた。

女の子はこちらの様子には興味がなさげで、「困ってる人を助けて上げるのは当然だもんっ!」と胸を張っていた。

「えへへ、かっこいいな。じゃ、地球の平和は君に託した、ぜ、っ、ぇっ♡」

「ばいばーいっ!」


全力で手をぶんぶん振ってる彼女に手を振り替えし、アタシはある決断を下した。

――おにーちゃん、か。

外套にはフードが着いていて、長い髪はその下に隠している。

子供の頃は年上の人はみんな大人に見えたし、なら自分が男子に見えても変じゃない。

なら、大丈夫、だよね。

自分に甘すぎる解釈が次々と連なり、夢遊病の様にふらふらとトイレに入った。

女子トイレは開いてない。けど、男子トイレは開いてた。

トイレには既に利用者がいて、ごそごそとトイレットペーパーが巻かれる音がした。

その人の利用が終わるまで、一つの場所に留まる訳には行かず歩き回る。

満足げな顔をして個室から出た男性は、怪訝そうな顔でアタシを見てきた。

その男性が去っていったのを見送り、鏡の前に立って、外套のボタンを外していった。

誰かが来る前に済ませなければ。使命感を持った指が働いて、鏡に裸体が晒された。

鏡の女の顔は真っ赤で、肌は発情して桜色。

前から見えるほど肉付いたお尻は愛液でてらてらで、自分の身体なのに桃みたい。

ケーブルが生えたおまんこは滝が流れてて、雌の匂いをまき散らしてる。

連日オナニー三昧だったからか、むっちりしてた胸は心なしか肉が膨らんでる。

その先端、乳頭は上向きに勃起していて、触られたがってびっきびき。

そんな、全身でセックスされたがってる格好を、あろうことか男子トイレで晒してた。

もしこの瞬間に誰かが訪れたら━━━背中は外套で隠せても、鏡が全てを映すだろう。

強姦されたって文句言えないぐらい下品だし、通報されることもあり得る。

早く済ませようとアプリを立ち上げた時、外からガヤガヤと声がした。

その音の群が進入する前に、アタシは個室へ逃げ込んで鍵を掛けた。

誰が訪れたかはわからないが、同年代で、いわゆる連れション仲間なのは理解できた。

今度は怪しまれることは無かったぞ、と便座に座って深呼吸。

外套のボタンを締め直し、全裸よりはマシな格好に戻った。


「やっぱ雫ちゃんだよなー」

個室の扉の向こう、その左側から男子の声がした。

「殺人的なでかぱいっ! 挟まれるならアレっしょ!?」

「うわ出たよ、おっぱい星人……」

左の男子を、真ん中の男子が窘めた。

「通はまゆちゃんさんの慎ましパイを選ぶ……!」

「お前ら胸の話しかしてねーじゃん!」

二人に突っ込む声が右側から聞こえた。

「じゃあ、お前はアイドルなら、ぶっちゃけ誰とヤりてーの?」

「愛海ちゃん。恥丘を登山して征服したい」

「「お前も胸かこのロリコン!!」」

「同い年だろ!?」

その会話を聞いて背筋が震えた。どうやら扉の向こうの三人は同級生らしい。

「同い年ってんなら……B組の南条、あいつはどうよ? アイドルだろ?」

「えー、あいつオタクじゃん」

「けど、身体はなんかエロくね? 体操服とかほら、それなりムネとケツあったじゃん」

「ムリムリ! なんつーかこう、湿度が足りなくね? エロいの似合ねーってかさー」

三人は猥談に花咲かせながら、小便を終えて去っていった。

けれど、アタシは個室から出られなくなっていた。ローターでクリを潰すオナニーに夢中になってたからだ。

「ぅぅっぅっ……♡ ぅぁっ……♡」

漏れ出そうな声を歯ぎしりして噛み潰しても、桃色の声が零れ出る。

充血した淫核を弾いて摘み、ぶるぶる震えさせると快感が止まらない。

一回、また一回と絶頂を重ね、人として積み上げて来た物が崩れてく実感が心地よい。

「いるんだぞ、……身体だけはエロい女が、変態おなにーしながら近くにいた、んだぞっ、ひぃぃっ……♡」

P以外の男に身体を触られるなんて、想像するだけで吐き気を催しそう。

そんな嫌悪感があるのに、指は暴れ回り、ローターはその機能を過分な程果たした。

色情狂の世界から帰ってきた時、日はとっくに暮れていた。

これ以上暗くなったら不審者に襲われると身震いし、一枚だけ撮ってすぐに撤退した。


課題提出、六日目。

今日は何も用意せず、スマホにイヤホンを着けて待ってろと言われた。

指示通り待機する。が、『待て』を守れたのは理性だけで、身体は期待に濡れ始めてた。

約束を破って勝手に盛ってはならないと自制してた時、メールが届いた。

『ビデオチャットをすること』

それが今日の課題だった。

声だけとはいえ再会出来るのが嬉しくて、読み終えるなりチャットアプリを立ち上げた。

《P、こんばんは! 元気にしてるか!?》

《こんばんは、光。絶好調だ。……添削の内容、ちゃんと確認してるからな》

ノイズ混じりの言葉が響き、アタシの背筋を凍らせた。

見られるのは最初からの前提だが、いざ見てると言われるのは恥ずかしかった。

《ああ、えぇと……変じゃなかった、か?》

《すっごくエロ可愛かったよ、光》

電話越しの声が、とくんとくんと胸を鳴らせた。

その震えは彼を欲求する切なさで、息苦しいほど夢中になる感情だった。

乙女すぎる思考が気恥ずかしくて、彼に課題を始めると言われるまで動けなかった。

《えっと、ビデオチャットって、お喋りだけでいいのか? えっちはしないのか?》

《今日はそれは禁止だな。今回はこれだ》

言葉が終わると同時にメールが送られてきた。添付されたURLを開くと、動画ファイルが再生された。

《……これ》

動画には裸同然な水着を着た女が映ってた。

その女は熱を帯びた視線をこちらに寄越し、陰茎の模型を胸に挟んでる。

ぴちぴちな乳房は唾液で汚れていて、てかてか光っていやらしかった。

《『ここにオチンチン突っ込んで、おまんこみたいに犯すこと、想像してね。……きっと、スッゴく気持ちいいから』》

粘っこい水音を立てながら台詞を読み上げる声は、これ以上なくアタシに似てた。

《このシーン、本当にエロかった。光ってこんな表情も出来るんだな》

淫乱女の嬌声に混じって、彼の評価が耳に届く。

その評価の通り、必死に疑似ぱいずりしてる表情は滑稽で、惨めさすら感じさせた。

彼好みに変わりたいと望んだのは自分の筈なのに、身勝手にもアタシは怒鳴った。


《い、言わないでくれっ! ……見ないでっ。恥ずかしいアタシを見ないでぇっ!》

そうは言ったって動画は止まらず、下劣な乳遊びは次第に加熱した。

《『好きにどっぴゅん、いっぱいしてね。おちちまんこ、いっぱい受精させてくれると嬉しいなっ♡』》

紛れもない自分の声が、淫語を幸せそうに読み上げた。

《それと、一昨日のもよかったぞ》

言い終わる前に映像が切り替わった。

映された女は変わらずアタシ。服装は挑発的な黒ビキニと違って、あくまで常識的な可愛いブラジャー。

しかしその行動は可愛くなくて、異常と言い表すことしか出来なかった。

《『見てぇ♡見てぇっ♡きおちぃのぉっ!』》

目は虚ろで舌が出ていて、愛液垂れ流しのおまんこがバイブで滅茶苦茶に混ぜられてた。

本気のオナニーでよがってる女は、知恵を捨てたみたいに狂った痴態を、見られたがって絶叫してた。

――これが、アタシか。この下品な生き物がアタシなのか?

否定しなければならない、こんなのアタシじゃない。

否定の意志が沸き上がった筈なのに、口が開かなかった。

怒りで声が出なかったんじゃない。見入ってしまったんだ。

小陰唇が千切れるぐらいピストンしてるけだものから、目が離せないんだ。

《今日は見てるだけだからな。まさか、オナニーしたりしてないよな?》

ノイズ混じりの声が現実感を取り戻させた。

はっとして自分を見直した。ズボンの股部が変色してて、その上を中指が這っていた。

《今日は禁止だからな》

彼は予測してたのだ。動画による羞恥心で変になると考え、わざわざ再確認したのだ。

《と、当然だ……約束は守る》

オナニーを覚える前なら当然のように言えた言葉が、こんなにも弱々しい。

《ヒーローは約束を守るものだし、こんなので興奮したら変態だものな》

いじわるにこだまする声が、、逆にアタシを煽ってる風に聞こえてならない。

自分に都合よく解釈してるだけだと否定するけど、その思考を甘い掠れ声がかき乱した。

その声の主は自慰に自由に耽っていて、絶大な性感に身悶えしてた。


渦を巻く思考に比例して身体が火照り、快感を甘受したがって獣欲を叫ぶ。

もう何もかもわからなくなって、激情が嗚咽となって溢れ出した。

《……なんで、こんなことするの……? やだよぉ、やだぁ、やめてよぉ……!》

しゃっくり混りの弱気な訴えは、虐げられて出る悲鳴に似てた。

なんでこいつは気持ちよくなっていいのに、アタシはダメなんだ。ずるい憎いこいつも自分なのになんであたしはだめなんだ。

約束を破ってこっそり気持ちよくなる選択もある。けど、そんな半端なオナニーじゃ満ち足りないのだ。

《何でも何も。今日は楽しく動画を一緒に見たいだけだか、な。もう一度言うが、今日はエロは休みだ》

白々しい囁きの、今までは理解出来なかった。理解したくないからだ。

《……お願いだ、P》

言ってはならない、この続きを言ってはならないと喚く深層心理を黙らせた。

言ってしまえば、画面の中のこいつと自分がだと認めることになる。

事実じゃないか。こいつもあたしも、えっちがだいすきなへんたいだ。

《おなにー、させてくれっ! 何されたっていいからぁ! イきたいの! おまんこぐちょぐちょしたいのっ!》

みじめに、涙声で叫んだ。

オナニーしたくて泣いて懇願するなんて、アイドル以前に人間として失格だ。

だから、何だというのだ。プライドじゃイけない、ぽるちおあくめさせてくれないんだ。

《まったく、帰ったらお仕置きだな》

《うん、うん! お仕置きすき! だから、だからぁ!》

《おねだりするんなら、それに相応しい頼み方があると思うんだが》

含むような物言いが、被虐心を撫で上げた。

情けない自分が悲しくて仕方ないのに、言葉を読み上げる舌はすらすらと走った。

《あたしは、えろ動画で発情しておなにー我慢出来なくなっちゃう、だめだめな変態ですっ♡ だからぁっ、だめまんこハッスル女に、おなにー許可くださいぃっ!!》

《いいぞ》と彼が言い切る前に、欲望に突き動かされた指が独りでに動いた。

《ひぃぃぃぃっっ♡ きたァ! はいってきたァ♡》

ちょっと立って箱を漁ればバイブが有るのだが、選り好みする余裕なんか無い。

指では満足出来ないとわかりきってるが、強引に突っ込んで膣内で暴れさせた。


最初は二本だった指は三本、四本と数が増して、気付けば拳が入りそうになっていた。

《すっごい声だな。そんなにオナニー気持ちいいのか?》

《うん、うんっ♡おにゃにーしゅっごくきもちーのっ! くちょくちょびらびら、すごくしゅきっ♡》

《まったく……そんなにオナニーで十分なら、俺、いらないかな?》

《やだやだやだァ! Pいなきゃやだっ! Pが一緒じゃなきゃやだなのぉ!》

子供みたいに泣き叫びながら、陰唇を千切れそうな程引っ張った。

日本語とは呼べない嬌声が動画と同調し、共鳴して快感を奏でた。

またこうなっちゃうんだ、キモチイイに流されるだけのアタシになっちゃうんだ。

変態と罵る声が心地よい。

もっと叱って、罵倒して、下品って言って。

片方の手を丸ごと突っ込み、もう片方の手でお腹を圧迫した時、一際大きな波が走った。

《ほひぃぃいぃぃぃいっ♡》

《うわ、ずいぶん盛大にイったな。もしかしてポルチオ開発、上手くいったか?》

《イったぁ♡ ぽるちおあくめ、たぶんできましたぁ♡》

《偉い偉い》

生徒をあやすみたいに褒める言葉が、何よりも甘美に脳髄へ沈む。

それがなおあの絶大な開放感への欲求を昂ぶらせ、果て知らずの性感へと昇らせた。

《『イきましゅぅっ♡イく、イぐっ、っぃひぃっぃい♡♡♡』》

動画の女が長く尾を引く雄叫びを上げたのに引きずられ、アタシもまたイった。

大波に浚われるような無力さと、全身が悦びにうち震えるこの快感。

身体も心も溶け合って、彼と自分以外全てが虚ろ。

一番愛してる男の言いなりになる幸福感。

現実と夢の垣根、その概念そのものが無価値になって、その幸せにうち震えてた。

《どうした、イく時は宣言するんじゃなかったのか?》

《ご、ごめんなひゃい……♡》

《ちゃんと言え。ふざけてるのか》


エクスタシーが抜けずに働かない耳でも、声に怒りが潜んでることは理解できた。

アタシは電話の向こうの彼に向かって、額を地面に擦り付けるような気持ちで話しかけた。

《ごめんなさい……ゆるして、ねぇ……?》

《んー……じゃあそうだな》

彼が条件を述べようとしてる間に、惚けた声が割って入ってきた。

《『ねぇ、あたひねー……♡ ぜぇんぜん、物足りないんだぁ……』》

その言葉を待ってたかのように彼が続いた。

《こいつよりイったらいいぞ》

それをしたら本当に許して貰えるか、そんなことは確かめない。

言われなくたって、そもそもしたかったことだからだ。

性具を使わずに指圧に拘るのは、錆びた鋸で丸太を切るほど愚かしい。

けど、辞められない。全身を駆ける甘い緊張が途切れることが、我慢ならなかったのだ。

汗と唾液と愛液の飛沫をまいて嗚咽を泣き叫ぶ様は、バレたら病院行き間違いなし。

イった回数を数えることが出来なくなり、呼吸すらキモチイイほどよがり狂ったある瞬間、ぶつん、と音がして意識が途切れた。

目が覚めたのは丑三つ時で、スマホの電源はとっくに落ちていた。

ビデオチャットと動画再生で、電力を一気に消費したからだ。

目が覚めて大分平常心が戻ってきてたので、落ち着いてスマホを再充電した。

それから水を一口飲んで、箱を漁ってバイブを手に取った。

「……あと三回」

それだけイけばビデオのアタシに勝てるかなんて、根拠はない。

膣奥を揺らされる快感を五回だけ楽しんでから、身体を拭いてもう一回寝た。


課題提出、七日目。

明日はもうLIVEなので、今日は課題無しになってる。

そういうことを気にしてくれてるので、彼は変態であると同時にプロデューサーだ。

事務所も似た方針で、今日は全体合わせも早々に済ませ、明日に向けて待機となった。

かくして、仲間達はそれぞれの方法で精神統一を計ってるので、それに続くこととした。

「……P、見てるか。いや、たぶんこのビデオは送らないけどさ」

頬を掻きながらはにかんで、撮影アプリを立ち上げた訳を述べた。

「……集中、出来ないんだ。クリトリス潰したり、ポルチオのトレーニングしたり、おしっこしたり。何かえっちなことしてないと、ぜんぜん落ち着かなくってさ」

改造成功おめでとう、これでアタシは貴方だけのオンナです、お気に召しましたか。

そう口走りそうになったが、気が早いと思って自制した。

「今日は課題が無いけど、ヒーローは自分で頑張る物だと思う。だから……」

数日前、水着ばかりで飽きないかと質問したとき、アタシはあるものを購入した。

それが今朝やっと届いたので、それを使おうと思ったのだ。

「自習をする。今日やるのは、……アナル開発、ってえっちだ」

箱を開けて潤滑液を取り出した。

他にも色々、例えばアナルバイブなる物も買ったけど……今日使うのは無理そうだ。

「一応、腸の洗浄は済ませたんだ。お湯を浣腸して、透明な液が出るまでトイレとお風呂を行ったりきたりして。……すっごく恥ずかしかった」

言葉と平行してコンドームを指に被せ、買ったばかりの潤滑液をかけた。

本来お尻の穴なんて、気持ちよくなる部分じゃない。

ここにもし精子が流れ込んでも赤ちゃんなんか作れない、汚いだけの穴だ。

けど調べたところ、きちんと触ればここでも気持ちよくなれる、らしい。

こっちの快感は、そのサイトの男の人によると、膣道とはまた別の締め方らしく……

とにかく、アタシに彼を気持ちよくさせられる部分があるのなら、有効に使いたいのだ。

全身を猥褻物に作り替え、それこそバイブみたいな性玩具になってみたい暗い欲望。

言いなりになる快感を毎日植え付けられて、自分からお尻を弄るまでになってしまった。

ふと一瞬、エッチに積極的すぎるアタシでは嫌われるんじゃないかとよぎった。


彼が付き合うと言ってくれたアタシは、もっと性に疎くて清純じゃないか、とだ。

「これから、お尻をおまんこにする特訓を始めるから……ヒかないでね?」

その不安を素直に伝えたのと同時に、ずぶぶ、と肉をかき分けて指を差し込んだ。

たぶん、色恋なんかわかってないアタシが好きだったのは事実だろう。

そして、アタシを作り替えたいと望んだのも彼で、それに応えたのは自分だ。

だからアタシは、ゴムにくるまれた指を奥へと掘り進めた。

便は全部流したから指通りはいいが、腸肉の締め付けは膣と次元が違った。

入る為には極めて強い圧が必要なのに、力むと締め付けも強くなる矛盾を抱えてる。

力を抜いて、出す。禅問答の答えはセックスにあって、あの気怠い感覚を意識すると、指がまた少しだけ進んだ。

それでも少しは所詮『少し』で、指が押し潰れそうな肉厚に変わりはない。

筋肉の塊にオチンチンが入るなんて嘘としか思えないが、それでも奥へ挑み続けた。

人差し指の第二関節までねじ込んだが、汗と寒気が止まらない。

その寒気はぞくぞくした快感に似ていて、指を引き抜くと排泄感が走った。

太いモノがアナルを通る開放感が、指が往復擦る度に流れる。

その痺れは確かにおまんことは全く別質で、もっと鋭くて硬質な刺激だった。

あくまで快感に似てるだけであって、あのうっとり惚けてしまう感覚とはやはり違う。

本来『出す』だけの器官に逆に『入れる』のは、体にとって異常事態らしく、心臓が悲鳴を叫ぶように高鳴った。

だんだんそのアブノーマルさに耽溺していって、口数も少なくなってく。

何か喋って動画の間を繋がなきゃと思うけど、抽送に集中すると言葉が出ない。

こんなことになるなら台本を書けば良かった、なんて公開したってもう遅い。

吐き気に近い肌寒さは次第に引いていて、口の中が粘ついていた。

その粘性は異常さに酔っただけじゃなく、アナル性感の片鱗を知って生じたんだろう。

「んぐっ……!」

嬌声と呼ぶにはまだ早い、低くて重たい声が漏れる。

それでも声を抑えきれない、息苦しさとも心地よさとも取れない疼きがあった。

もどかしさが背筋を駆け巡り、痙攣じみた神経の裏返りが何時までも続く。


ウンチしてるむず痒さがずっとして、こんなの絶対クセになる。

排泄を快感だと思いこむことこそ、アナル開発の真骨頂なのかもしれない。

お尻が気持ちいい穴だって知ったら、今後トイレに行く度に意識しちゃうんだろうか。

だとすれば、もっとお尻をほじってれば、一日中気持ちよくなる女子になれるんだ。

猛りがましい想像に溺れ、それでも更にエッチになりたくて、空いた指でクリを潰した。

鋭角的な快感が走って、脚がガクガク脱力する。

仰け反って快感を逃しても、欲しがりな指が動きを止めない。

打ち上げられた鮎みたいな姿は、鏡を通して見ると異様。

物足りなくて、膣内にまで指を突っ込む。

入り口のお腹側、恥骨の裏辺りを指圧すると、それだけで恥ずかしい波が打ち寄せる。

親指でクリを、人差し指と中指でGスポを、も片方の手でアナルを掘って。

気持ちよくなれる部分を片っ端から刺激すると、絶頂欲が高まるのはあっという間だ。

「い、いぐからっ……♡ みへへぇ……っっっっ!!」

読み上げる途中、堪え方を知らない熱が破裂した。

重々しくて、声が内側に出るような快感が暴れ出す。

エクスタシーと呼ぶには余りにも深すぎて、その消耗感は何時も以上。

肩で息して、汗を流して、心が擦り減った気分になりながら姿見を見た。

姿見の女は、ここ一週間と変わらず乱れてしどけなくって、目尻は赤くて涙を零してた。

「……きょ、今日は、お尻だけじゃイけなかったけど……何時かここも使える様にする」

短い息が混ざりながら、意味有る言葉を何とか喋る。

「だから、明日会えたら……いっぱい色んなことしよう。
 お話もそうだ、ご飯も食べたい。時間を作って映画も見たいかも」

恋人らしい睦みあいを並べ立て、マシュマロより柔い理想に酔いしれる。

恋するオンナノコらしいことを言いながらを穴から引き抜いて、ゴムを捨て、また穴に指を添えた。

陰唇を摘んだ指を引き、左右にぐぱぁとこじ開けた。

膣口は飢えた様にヒクついてて、一週間ぶりの体温の夢想でむせび泣いてる。

「いっぱいデート、楽しんだら……こっちをたーくさん、じゅっぽじゅっぽ、して欲しいな……♡」

今日はここまで。次からがヒーロー拘束プレイです。
関係ないですが、デレパにお呼ばれされるそうですね。今から楽しみです。

おつおつ
光ちゃん出来上がってんなぁ

お疲れです。地味に光の作品って18禁系多い気がする
純愛で突っ走るならP(分身)で乱交完堕ちとかもいいな
でも現実じゃ無理だから夢落ちになりそうだけど

再開します


八日目。

今日は課題に代わって、会場に来てくれたファンを大満足で帰してあげる使命があった。

この一週間、えっちばかりしてたのは事実だが、レッスン漬けだったのもまた事実だ。

いやらしいことだけじゃなく……アイドルとしての実力を証明できると思うと、身体が燃えて仕方ない。

その熱に退廃は欠片もなくて、夏日のようにパッショナブルだ。

そういう絶好調な状況下だったので、マイク調整やリハを順調にクリアできた。

「着こなし……よしっ!」

控え室にて衣装に着替え、軽くストレッチして着心地を確かめた。

グローブは手のひらに張り尽くし、首が少し痒くなるもふもふな毛の部分が、衣装を着てる感じがして心地いい。

(胸の部分はカイザ、腕はデルタ、ラインの色はファイズ……デザイナーさんはとてつもなく良い仕事をしてくれたっ、ふふっ、ふふふふふっ……!)

オタク特有の一人笑いに勤しんでいた時、髪にぬくい手が触れた。

「ん、Pか?」

「私もその方がいいけど……まゆですよぉ」

肩の方から聞こえてきたのは、とろっと甘くて優しい声。

女の子らしい衣装に身を包んだその人は、先輩かつ同僚の佐久間まゆさんだった。

「っと、まゆさんか! どうかした?」

「いつ見ても綺麗でいいなぁ、って」

耳に沈む様な声の響きに同調し、たおやかな指で髪を梳いてきた。

「あははっ、ありがと! ……ございますっ! けど、アタシの髪に何が?」

「最近、Pさんが光ちゃんの髪を、じぃっと見てる気がしたの」

朗らかな声が暗闇に沈んだ。鏡に映る彼女の瞳が、心なしか曇ってる気がする。

それは、色欲に濁ってるんじゃない。

例えば、正義感の拠り所になってた恩師を自分で殺してしまった生徒の様な……

そういう、自分の精神の安定の為にいかなる手段を選ぶことも辞さないと思い詰めてる様な、生気のない瞳をしていた。

「だから、知りたいんです」

頬に彼女の指が触れた。その指は白く、長く、冷たかった。

「光ちゃんは、どんなコンディショナーを使ってるんですかぁ?」


「え? えーっと……」

ちょっと拍子抜けで、間抜けな調子で返事してしまった。

「光ちゃんみたいな色艶が出たら、あの人はもっと私を、なんて……♪」

彼女は誰のことが好きであるとか、そんなのは事務所の公然の秘密だ。

……そして、事実で言うと、アタシは彼女の想い人を『寝取った』形になる。

もっとも、告白した時二人は付き合ってもいなかったので、その表現は不適切だが。

夜の赤ペン先生をしたりする関係になっちゃった事は当然秘密にしてるから、まゆさんはPがまだフリーだと信じてる。

という事なので、彼女と会う度、いつも気まずくなってしまうのだ。

別にまゆさんのことは嫌ってないし、寧ろ逆に、尊敬すべき立派な人物だと思ってる。

こと女性らしさに関して、アタシなんかの遙か先を行くトップランナーであり、彼女から服の着こなしを学ぶときもあった。

だけど、尊敬はどこまでも尊敬であって、恋を譲る程ウェットでは無かった。

……かと言って、目の前で彼の為に自分を磨く彼女を見て、何も感じない事はなかった。

彼女といると、人を騙してる事実を実感させられるのだ。

そしてこれから、ファンに対しても同じ気持ちを抱く。

アイドルが恋するって、そういう事なのだ。

アタシは、ファンの純真を踏みにじり、まゆさんの様な人を踊らせる選択をしたのだ。

(選んだこと、……Pに好きだって言ったこと、それをただ悪にするつもりはないぞ!)

最早自分に言い聞かせる様な物言いで、心に覚悟を刻み込んだ。

これから、何度も同じ事で悩むだろう。

その都度悩んで、苦しんで、彼と乗り越えたいと思った。

まぁそれに、恋をして表現に艶が出るとは、大昔から言われてることだ。

どうせなら、その効能を期待したい。前向きに捉えよう。

そんなこんな長々しく考えながら、使ってるコンディショナーの名前をメモって渡した。

取り立てて特別な事はしてないし、まゆさんからしたら拍子抜けかもしれないが。

「まゆさんの方が綺麗だと思うけどなぁ」

本心を伝えたら、彼女は小さくお礼を言ってくれた後、自分の持ち場に戻っていった。

不要なほど駆け足だったからか、こけた。助けた。また駆け足で去ってこけた。


いざこざを終えて、ついに本番が訪れた。

まゆさんとの会話で肩の力が抜けたからか、十全に力を発揮できた。

「みんなぁっ! もっと声出せぇっ!」

間奏の間に声を張り上げ、ファンの声援をさらに煽る。

こちらから手拍子をすると、ファンの皆も合わせてくれたので、空を回し蹴りで切るパフォーマンスで返事した。

テンションの最高潮で、最も大きいパフォーマンスを打ち込む。

切り札を最高のタイミングで切ることで、人の誰もが持つ『自分から喜ぼうとする事意志』としか言い表せない物が盛り上がった。

最高に加熱されたそれに駆り立てられたファンたちが、客席でウェーブを作り始めた。

そんな光景を魅せられたら、Bメロでは限界の先を魅せなければ気が済まなくなる。

(ファンとアタシが高め合うのって、なんかセックスに似てるかも……)

そんな失礼極まりないことを思いついたのは、アタシの番を終えて楽屋に戻った時。

今日、これ以降の出番はもう無いので、後は直帰を許されてた。

けどアタシは微動だにせず、楽屋でぬくい緑茶をすすってた。

体力的に余裕があるから、あわよくばアンコールに出陣して……という野望はある。

が、それだけで無駄に居座ってる訳じゃなかった。

程なくして、アタシが待つ理由が訪れた。

理由は、何かを言う前に、アタシを抱きしめてくれた。

「最高だった。……カッコ良かったぞ、光……!」

その言葉に嘘の響きは一つとしてなかった。

「本当か? それは、本当か、P?」

質問に疑問で応えるのは、決して疑ってるからではない。

もう一回、彼に褒められたいからだ。

「カッコ良さにビリビリ痺れた。最高のヒーローアイドルだ、光は」

「へへっ、へへ、えへへへへぇ……っ♪」

しばらく抱き合った後、誰も来ないのを確かめてからキスをした。

そのキスは、舌を絡ませ唾を与え合う様なそれではない。

けれど、成功と幸せを分かち合う啄みあいは、どんなキスより楽しかった。

二人の睦みあいが終わった時、また一人のアイドルが出番を終えていた。


二人並んで畳に座り、楽屋のお茶菓子を摘みながら、互いの近況を報告しあって。

それから話題が移り変わっていって、最終的に、これまでの課題の話になっていた。

「本当に、するとはな」

薄笑いする彼のスマホには、裸コートでよがってる女が映ってる。

「あは、あは、あはは……上手く、やれたかな?」

さすがに気まずくて、頬をぽりぽり掻いて返事した。

「そりゃもう、な」

頬に触れてた手を掬われ、その手を彼に包まれた。

骨張った指の温もりを味わう前に手を引かれ、手のひらにより熱い物が触れた。

手のくぼみに触れたズボンの隆起は、今にも噴火しそうな熱を発してる。

脈打つ淫気が布越しで伝わってきて、首の毛が逆立った。

「え、ええっと……ここでするのか? もうそろそろ皆戻ってくるし、お口でするのが限界だと思うぞ」

「ずいぶん乗り気だな」

「いや、そういうことじゃなくってだなっ!」

「なら、どういうことだ? しっかり言って貰わんとわからん。エスパーじゃないし」

いじわるな問いに、返事をしたくないと思った。

けれど、彼のそういった焦らしで胸が高まってくるのもまた事実。

この一週間で、自分は嗜虐心を煽るに適した人間になってしまったと思い知らされた。

特撮にたまーに出てくる、殴られたりなじられたりして喜ぶコメディタッチの敵。

彼らの悦びが、今は痛いほど理解できた。

「……その、久しぶりにするんなら、もっとしっかりシたいんだ」

「何をするんだ?」

これ以上しらばっくれられるのは堪らないと思って、彼をぽん、と押し倒した。

不意打ちに驚いた彼に、自分の出せる限りもっともハスキィな声で耳打ちした。

「……とっても、キモチイイこと」

言い切った途端、彼の身体がぴくん、と痙攣した。

(なんだ、Pも結構マゾっ気とかいうのがあるんじゃないか?)

そう調子に乗ってたら、その満身の隙を突かれて押し返され、一瞬で上下が逆転した。


「お仕置き。忘れたとは言わせないからな」

オシオキ。その言葉の響きの、なんといやらしいことだろう。

たしか課題でルールを破ったとき、そんな約束をした覚えがある。

その報いをきっと、払わされるのだ。

淫靡なフレーズにスイッチを入れられて、雑念を産む回路が回り始めた。

アタシの上に乗って、アタシの眼を見てくる彼の瞳。

その濁りようが、彼もまた会えない事で飢えているって物語ってる。

そんな彼がお仕置きとまで言うのだから、きっとすさまじいことだろう。

明日明後日が休みだからって、ホテルに缶詰にされて、寝ても覚めてもセックス三昧な生活をするんだろうか。

もしかしてだけど、首輪を着けて夜のお散歩をするかもしれない。

あるいはお仕置きと言うのだから、鞭でぶったり、電流を流されたりするかもしれない。

自分だけの桃源郷に浸り始めた時、アタシの額にチョップが炸裂した。

「ま、期待は裏切らんさ。一眠りを終えたら、すぐに実行だ」

「き、気が早いと思うぞ。もう準備が住んでたりするのか?」

「まぁな。すぐにでも始められる」

綺麗に髭が剃られた顎を撫でて、彼は楽屋の外に視線を向けた。

「通信添削の結果は、テストで試すものだ」

「中間か? 期末か?」

「赤点は取らないように」

冷静に考えると非常事態ながら、冗談を重ね合うと、甘く優しい気持ちが沸いてきた。

やっぱりアタシは、この人が好きなんだ。

変態だし、性欲旺盛すぎるけど、そんなのはお互い様だ。

「……大丈夫。先生が優秀だし、自習もしたからな」

「自習? 何の話だ?」

「ヒーローは秘密を持ってるものだ! 具体的に二十六個ぐらい! ってことで、アタシは寝るっ」

「この状況でか。太いな、神経が」

「今は寝るぐらいしか、することないしな。……楽しみにしてる」

素直な言葉を伝えたら、それを契機として、一気に意識が沈み込んでいった。

これまでもこれからも、アタシをむさぼってぐちゃぐちゃにする陵辱者。

そんな酷すぎる、そして最高に愛しい彼の体温を布団代わりにして、アタシは眠った。

とりあえずここまで。


まゆが怖い

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なんという……なんという……

ボーダーラインすれすれでも何でもないんだから光の胸張って移転するだけだべ

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よろしくおねがいします。。

再開します

  ♯  ♯  ♯

――どこだろ、ここ。

覚醒に伴って瞼を開いたはずだったのに、眼前には闇が満ちていた。

その理由は単純で、柔らかい布に目を塞がれてるからだ。

顔を覆うアイマスクを剥がそうとしたら、手首に拘束感が帰ってきた。

皮ベルトの冷たさに恐怖を煽られ、腕に力を込めたが、拘束を千切るのは不可能だった。

「っ!? ……っ!」

唇を動かそうとしたが、穴が空いた皿を挟まれてて、開けたまま閉じられなくなってた。

腕と同じ様に脚もまた、おっぴろげで固定されている。

首でちりつく、もふっとした痒い感じ。

慣れ親しんだ感覚がなければ、下品な格好を強制されてる事実に叫びそうだった。

その着慣れた衣装の感覚も、乳頭の異物感がおぞましい。

「目覚めた様だな、ヒーロー南条光よぉぉぉっ」

ほとんど音がしなくて寂しい空間に、芝居がかったエコーが反響。

耳まで縛られてたわけじゃないんだな、と思いながら、お約束を反射的に述べた。

「ひひゃふぁ! ひゃいほんひゃぁっ!」

述べられなかった。間抜けな声が飛び出て、口が涎まみれになっただけだった。

「外してやろう、だがその前に……ふふふ……」

大根ぎみな演技の方向から、骨張った指が延びてきて、無防備なお腹に触れてきた。

その長い指に臍をこじられ、くにゅくにゅと身体を探る様に圧迫された。

「何をするんだ」と叫べないので、身体を捩って抵抗を示す。

その行動を否定するように指が這って、下腹部を撫ぜ揉まれた。

温もりに子宮が暖められて、重たい甘さが下腹部で波打った。

「ふむ……ここが子宮、ここが卵管か」

腹の下を二本指で開かれると、籠もり始めた熱が膣口から垂れた。

どろっと重たい愛液が漏れて、衣装下のショーツが汚れる。

過敏なぐらい身体は燃えやすくて、恥ずかしい身体と教え込まれてるみたい。

視覚を閉ざされた身体は、刺激を欲しがって敏感になってる。

「フフフ……報告の通り、ポルチオはしっかり改造されてる様だな、ヒーロー南条光よ」

がくがくと痙攣しながら、マスクの下で男を睨んだ。


声の主は、殊更アタシをヒーローと呼ぶ。

そんな事をする人は、麗奈以外では一人しか思い当たらないので、マスクの向こうの男が誰かは理解できた。

その事実と『オシオキ』の話を照らし合わせると、現状のアタシが浮かび上がる。

ファンが望む姿を写し、それ以上の理想へと挑む為に生まれた、大好きなヒーロー衣装。

強さと正しさ、規律と勇気の象徴を纏ったまま、アタシは拘束されていた。

そして、『オシオキ』をされるなら……きっと、否、確実にいやらしいことだろう。

認識された現実が雑念を生み、淫心の火を灯らせた。

主導権を握られることで火照るよう、何度も条件付けられた身体が忌々しい。

けど、この衣装を纏うヒーローとして、己のみだらさに屈したくない。

そう強く願うから、これから何をされるかと高鳴る心臓を否定し続けた。

(抵抗、しないと!)

野外放尿したり色々したけど、この衣装でいやらしい事だけはしたくない。

恋に溺れてるアタシは彼に捧げてもいいが、ファンの為に有りたいアタシは、性欲に支配されたくない。

期待と敵愾心が同時に膨れ上がる最中、カチッ、と硬質なスイッチ音が鳴った。

音の正体を探ろうとした思考は、違和感から変化した胸の振動に遮られた。

蟲の羽音より細かい振動が乳首を揺すり、もどかしさを無理やり高められた。

「ひぁぁぁぁっ♡」

不意打ちの電流が突き刺さり、受け身を取ってない身体が仰け反った。

その反応で容赦されるはずなくて、膨らみ勃った乳首を嬲られ続けた。

「ふふふ、可愛いエロ声で喘ぐじゃないか、ヒーローもメスの本能にはあらがえんということか……」

「ひっ、ひひゃぅっ! いあぁあっ♡」

彼に可愛いと言われるのは、優しい気持ちになれるほど嬉しいが、今は喜べる訳がない。

アタシに構わず縛ってきて、機械で乳首を責めてきて、そもそも衣装でこんなことして。

そう、嫌なことを強いるからこそ、ヒーロー拷問プレイと言うのだろうか。

拷問の責め手は収まらず、股間に球状の物が乗った。

(何だ? ズボンの上からじゃ挿入出来ないよな?)

高をくくって甘く一呼吸をおいた矢先、球が回転を始めた。


「いぃぃいっ!?♡♡♡ 」

「ふはははは! もうすっかりビショビショだな! この淫乱め」

違うと心で叫びあげ、身体をねじって抵抗を示す。

けれど、口は開かれたままで、身体は気持ちよさに震えるだけだ。

あんあん唸ってその身を捩り、口をべとべとにしてよがってる姿は、ヒーローじゃなくて雌犬のそれで。

脊髄を突き走る電流から、逃げるみたいに腰を浮かせた。

けれど球はしつこく追すがり、クリをぶるぶる揺すられ続けた。

強すぎる性感を流し込まれて、蜜みたいに分泌が止まらない。

衣装はお漏らし同然にびっしょびしょ、ふとももまは粘液でべったべた。

恥辱が羞恥の呼び水になり、雌を振りまく惨状が屈辱を呼んだ。

その屈辱が、高められたマゾっ気を燃やし、勃起クリがビンビン膨らんだ。

身体がすっかり出来上がってきたのを、首領が見過ごす筈がなく。

快振に唇を咬んでた時、また掌が腹に乗った。

掌が女体を熟知した手つきで、ぐにぐにといやらしく子宮を圧迫。

孕み袋の中身を押し出すみたいに、二本の指が這いずり回った。

押し出された痴悦の種が血流に乗って飛散して、身体の隅々でその芽を開く。

淫欲の芽が理性を啜り、神経と絡みながら繁茂する。

身体を塗り替えられたくなくて、腹をくねらせ背中を反らす。

そうやって仰け反ったり身を捩ることすら、外気が擦れて気持ちいい。

何をやっても昂ぶらされて、おまんこが熱くて意識が虚ろ。

そんな意識を混ぜるようにクリが撫ぜられて、脳裏が焦げ付くほど電流が流れた。

(ああ、もうイっちゃうに違いない)

あの暴力的で、絶対的で、何もかもどうでもよくなっちゃう心地よさに、こころのすべてをしはいされちゃう。

あの快美感に流されると待ち望んだその瞬間、球が急に停止した。

肩透かしに驚いてたら手が首に伸びてきた。

「答えよ、南条光……降伏し、性奴隷になるか! 責め苦に身を削り続けるかを!」

首領風の男は、アタシに返事をさせるために、口の拘束を外してきた。


「ぜ、絶対に、イやだ……あぁぁっ!?」

いきり立って返事した途端、無慈悲な球が再起動。

せっかく自由になれたのに、発せられたのは叫声だった。

またイかさせられると奥歯を噛んだその瞬間、不愉快な球がまた停止。

絶頂させたがりのクリ責めマシンが、まるでイかせたくないみたいに焦らしてきて……

『お仕置き』とは、イく寸前の狂おしさを何度も味あわせる事だと教えられ、絶望に身体がいなないた。

渇望と忍耐に揺られるアタシで喜んだみたいに、淫豆がぐちゅっと潰される。

鋭角な快感が突き走り、それで登り詰めそうになった途端、機械はまた動きを止めた。

一回、二回と責め苦が続き、二桁も続けばもう限界で。

自覚出来る程ワレメがヒクつきが、愛液は滝みたいに垂れ流し。

ズボンはすっかり雌汁漬けで、ヒーローなんて到底言えない醜態を晒してる。

手酷くイかされたくて仕方なくて、全身がオチンチンを欲しがって媚び続けてるのに、彼は変わらず焦らしをやめない。

ガラスが擦れる幻聴と頭痛が止まらなくって、飢餓感でもう発狂しそう。

もっと言葉責めしてくれれば、それに甘えて堕落出来るのに。

彼がそれをしないのは、きっと、自分の意志で墜ちるアタシを見たいからだろう。

そう思い立った瞬間、首領の物ではない声が囁いた。

(ヒーロー拷問ごっこなら、堕落する君を魅せてPを喜ばせなきゃダメだ!)

(片意地張って何になる? 恋人のためにプライドを捨てられなくて何がヒーローだ!)

勇ましくって揺るぎない声が、反響しながら耳へと絡む。

その声は正しさの象徴で、ヒーローのそれで、自分の心の声だった。

「ま……」

彼のためならいいじゃないか。

ヒーローなんだから、ごしゅじんさまのためにひーろーやめなきゃ。愛する人のやくにたたなきゃ、せーどれーにへんしんしなきゃ。

「まけましたぁ♡ひーろーはおまんこきもちぃぃしたくってかんぜんはいぼくしましたぁ!!」

「こーふくしますぅ♡はいぼくだめメスまんこホジホジして、せーどれいにおっことしてくださいいっっっ♡♡」


(ああ、言っちゃった、アタシ、一番言っちゃだめなこと言っちゃった♡)

子供の頃から夢見てた、強くて格好いい子供の憧れ。

彼に出会い、仲間と出会い、そうして掴んだ望んだ自分を、たった今自ら捨てた。

淫らな遊びで理想を消費し、淫蕩の餌に貶めたのだ。

最低だ、ヒーローの風上にも置けないな、そう声が何度も木霊する。

だからどうした、そう小さく切り返す。

仕方ないじゃないか、だっておまんこえろさいこうだもん、ぷらいどイくイくはムリだもん、そんなのとっくにしってるもん。

不要な物を捨てられた、その実感で胸が軽くなり、刹那浮遊感が炸裂した。

球が今までの非じゃない激震を起こし、強烈な電撃を流し込まれた。

激しい快感が脳天を突き抜け、マスクの裏が明滅する。

白と黒が忙しなくターンし、脳が白熱電球になったみたい。

額骨が熱いほど炙られ惚けて、熔解した理性が口から溢れた。

「ひぁあ゛あ゛ぁァあぁ゛あァア゛ーーッッ!!♡♡♡♡♡」

自分の声とは思えない、低いうなりが放たれる。

これでは喉が枯れてしまうと思ったが、逡巡は随喜に押し流された。

それに、なんのかんけいがあるんだろう。

のどがかれてもふぇらはできるし、おまんこもおっぱいもげんきでえろえろ、あたしせーどれいだよなんでもいいじゃん。

刹那的で、破滅的で、享楽的で、退廃的。

唾棄すべきとすら思ってた考えが、こんなにも甘美で心地いい。

人らしさを捨てた陶酔に身を委ねてると、甘い余韻が止まらない。

水の中に篭もったようにまどろんでると、ぱちん、ぱちんと音が鳴った。

音と同時に手脚が放たれ、ぐいっと身体が持ち上げられた。

周りが見えないので確証はないが、その重力変異から、運ばれてると推測できる。

その揺れも絶頂感が落ち着いてきた頃には収束し、操られるまま彼を椅子にした。

攻守が逆転したんじゃない。いわゆる背面座位になったのだ。

べちょべちょズボンを引きずり降ろされ、下半身だけ雌を晒す。

そんなみみっちぃことせず、全裸にして滅茶苦茶にしてもらう方がいいんだけど、着たままするのも情緒かも。

そんな期待に溺れていたら、また愛液をどくどく分泌した。


真新しい蜜に塗れ、媚びへつらって牡を待つ、元ヒーローのオンナがゆっくり割り裂かれる。

挿入される直前の、大陰唇と亀頭がぷにゅっとキスされるじれったさに悶えているると、ずぷぷぅっ、と一息に侵略された。

「あひぃぃっ!!♡ キたぁ♡オチンチンキたぁァ!! ♡♡」

その熱、堅さ、長さに太さ。

間違いなく、力をくれた人で、恋を教えてくれた大人で、そしてアタシを支配した主様の、お仕置き専用生オチンチンだった。

突然のオトコに驚かされて、焦らされまんこがぴゅうぴゅう泣いた。

「まったく、喜びすぎだろ」

「うんっ、うんっ!♡ オチンチンずぷぅって、うれしぃのっ♡ ねぇ、ついてついてぇ♡ 早く早くぅ♡♡」

身体はすっかりくたくただけど、おねだりする余裕はある。

それに、首領様に勃起していただくためなら、無理して媚びるのは当たり前だ。

そんな使命感すら感じつつ、ねとねとのお尻をくいくい押し付ける。

必死に媚びてピストンをねだるが、なぜか彼は動かなかった。

何時もなら、やめてと言っても沢山突いて、日によってはナカダシしてくれるのに……

孕んだ疑問にとりつかれてると、ふっと眼前に光が射した。

それは比喩ではない。瞼の周りのぬくもりが、闇と共に剥ぎ取られたのだ。

「……え……?」

「南条光よ、この光景をしかとその目に焼き付けよ」

芝居がかったその台詞の、大意がわからず思考が停止。

それは決して、彼の言葉が複雑だからってワケじゃない。

マスクが無くなった裸の瞳に、周囲の光景が流れてくる。

そこには太陽があった。一眠りする前に歌ってた会場もあり、そして人だかりがあった。

アタシを取り囲むように並ぶ人々の、その一人一人の顔を覚えてる。LIVE中、あれだけ共に盛り上がったのだから。

ファン達の視線は、勿論と言うべきか、アイドル南条光に注がれている。

機械に責められ正気を失し、たった一本の肉棒に愛されたがって堕落する馬鹿を、にこやかに笑いながら見つめている。

「い、いや……いやぁぁぁあああああああああぁぁあぁあ! 見ないでぇえぇっっ!!」

背筋が凍り、手足が冷えて、泣き叫んだその瞬間。

閉塞してく感情を打ち砕くみたいに、Pはその腰を打ち付けてきた。


オチンチンを扱くヒダヒダ孔が、湿潤に満ちたのをこれ幸いと、重たいオチンチンが掘り進んでくる。

肺の膣内の空気が押し出されるほどごんごん突かれて、呻くように喘がされる。

開いた口をへの字で結ぶが、加速する抽送に一瞬で解かれた。

もはや身体の所有権はすべて握られてるみたいに、突けば喘ぐ玩具にされる。

捨てたと思った誇りや矜持が、ファンの視線で生まれ直す。

故に「見ないで」と叫ぶけど、甘くて掠れた嬌声なんかじゃ、見られたがって媚びてるみたい。

痴態を見られたくなくて、狂った膣口を手で隠す。

しかしその手は腕ごと引かれて、無力なオンナに元通り。

羞恥で頭が茹だりきり、心臓が破裂しそうになったその瞬間、人波が左右に開かれた。

間に出来たその道を通り、悠然と少女が向かってきた。

ベレー帽を被って変装していながら、周囲に手を振ることを止めない彼女は、間違いなく佐久間まゆさんだった。

彼女はアタシの前に立ち、中空を見据えてメモを取り始めた。

なにも言わず、考え事をするかの用に眉根を顰めたその表情。

恋敵にあたる人に見られる恐怖に震えていたら、急にふわっと腰を浮かされた。

フトモモをぐいっと持ち上げられ、おまんこを見せつけるその姿勢。

交尾に狂ってる真っ最中の孔を強調するそんな姿勢、頭おかしくて変態すぎだ。

抗議の意志を示そうと、ヒーローを犯す大悪漢を振り返り見る。

悪漢はマスクなんかついてなくて、虚ろな目をしてて、そしていきなりキスしてきた。

今は悪って設定だろうが、愛してる人の唇は甘い。

ディープキスなんて名前がぬるい、舌が絡み合うお口レイプを何度もされた。

口蓋を舐められ、歯茎を舐められ、唾をじゅっぱじゅっぱ吸われちゃったら、心まで彼に渡しちゃう。

もうとっくに渡したつもりで、ごっこ遊びなら渡していいが、人前でするのは訳が違う。

けれど、身体を渦巻く淫熱は、噴火前みたいにお腹に溜まり、素直なほどに愛を歌った。

一週間、視線で感じる特訓を積んだ身体は、視線に煽られ燃え上がってる。

そんなときに、こんな恋人べろちゅーされたら、限界なんて越えられてしまう。

屈服を言い渡すみたいに舌を絡み返したら、白緑の雷撃が背骨に墜ちた。


体幹から融けてく陶酔感。

キスイキとおまんこイキと露出イキに、クリイキとポルイキまで味合わされたら、もう雌らしく喘ぐことしか出来なくなっちゃう。

絶大な開放感に震えてたその瞬間、股間まで急に涼やかになる。

しゃばついた水を噴いてた孔から、二色の水が流れ出る。

片方は透明で、片方は黄色い二条の液流が、絡みながら宙を舞った。

体内の熱が奪われていって、優しげな快感が下腹部に満ちる。

尿はやがて出し切られたけど、透明な方はいつまでも止まらない。

ぴゅうぴゅう不随意に噴かれる液が、まゆさんの顔にひっかけられた。

けれど彼女が濡れたりはせず、アタシ達と外界を隔てる、壁の様な物にぶちまけられた。

「潮吹きしちゃうなんて、光はえっちな女の子だな」

首領モードとかけ離れた、落ち着いたいつもの大人の声。

「しお……おしお……? ちがう、えっちじゃない……」

「人前でえっちなお水を噴いちゃう女の子は、みんなえっちに決まってるだろ?」

トランスに入った様な頭に、優しい看護師さんみたいに話されたら、全部聞き入れちゃうに決まってる。

汗を飛ばして、愛液を垂らして、挙げ句自分じゃコントロール出来ない水まで垂れ流す。

こんなのヒーローでも、アイドルでも、まして人間とすら呼べないだろう。

セックスされたがって人前で狂っちゃう、アタシは蛇口になったのだ。

自覚が自認を伴って、潮吹きが終わる頃には誇りへと変異した。

このひとたち、まゆさんも、あたしのあいどる卒業式にきてくれたんだ。

こんなにいっぱいきてくれたんだ、こたえてあげなきゃ失礼だ。

頭も身体もふわふわしてたら、じゅぽぽぉ、と汚い音を立てて彼が引き抜かれた。

精液を欲しがった子宮が餓えるが、疑問はすぐに頭から消えた。

人前で忘我に耽るアタシの前で、すっと彼が仁王立ち。

アタシの眉間を貫く様に、カリ高オチンチン
がぐいっと屹立。

その、逞しくって、雄々しくて、強そうで立派すぎる、でかくてぶっといご主人様をうっとり見てると、びくん、と時々に律動した。

「こんな、人殺しの武器にしか見えないモノが、いつもアタシに入ってるんだな……♡」

そんな感慨を打ち消すように、彼はモノをがしゅがしゅ扱き始めた。


長すぎるオチンチンは太い指に摩擦され、響き迫る様な擦過音を立てた。

怪我しそうな程激しく見えるが、そんなの杞憂に過ぎないらしく。

ビデオを見ながらシてたんだなと、思い知らされる程上下が加速した。

生オカズに大興奮してるんだなと納得する反面、肺を握られる様な痛みを感じた。

ビデオでオナニーなんかしないで、アタシでだけ射精して欲しい。

記録媒体なんかに、負けてるなんて言われたくない。

こんな太くてカッコよくて、神々しさすらあるオチンチンを、昨日の自分にだって渡したくない。

これに奉仕していいのは自分だけだ、そう衝動に突き動かされた。

彼の目を見て舌を突き出し、顎の前で手皿を開いた。

「早く早くっ♡ いっぱいびゅーしてっ♡」

顔射待機のにヘンタイを見て、手つきが残像が残るほどシフトアップ。

強烈すぎる刺激に晒されちゃったら、おまんこしてたオチンチンが、限界に達するのは当たり前で。

鈴口がパクつきぶるっと震えて、白濁がマグマの様に噴き出した。

躍り出る様に飛び出た精液が、洗礼の様におでこに降り落ちる。

びちゃびちゃと次々かけられる濃精は、熱くてネバネバで男臭い。

こんなのおまんこで射精されたら、きっと安全日だって妊娠しちゃう。

そう思わされるほど濃いぃざーめんは、ぷるぷるで、せーしいっぱいで、ぴっちぴちだ。

雄臭を放つ汚液の雨が、ヒーローの衣装の全域にかかった。

避けようとはしなかった。この格好のすべてを彼色に染めて欲しいと思ってた。

びくんびくんと律動し、放精を終えたくたくたチンチンは、グロくて何処か誇らしげ。

汚れて悦び震える身体を自慢するように、まゆさんの方向に視線を向ける。

彼女は未だメモと睨めっこだし、周囲はアタシとまゆさんに釘付けだった。

その周囲の視線も、アタシではなくアタシの方向を向いてるという風体で、慌ててる様子は存在しない。

こんな異常な痴態を晒して、パニックが起きてない理由を知りたくなったが、そんなこと今は重要じゃない。

(まゆさん、見てるか。もしかしたら見えてないのかもしれないけど。
アタシ、精液かけられちゃったんだ。
貴女がアイドルになってまで追っかけたオトコノヒトの、せーえき、アイドルの衣装で浴びちゃった♡ こーんなに♡)


暗く重たいどろどろの愉悦が、胸を灼く様に甘く広がる。

スプーンで掬えそうな程粘ついた感情に支配されるまま、背中から床へとどさっと倒れた。

オチンチンを握ったままの彼の前で、性器だけを持ち上げたまま、、手足を畳んでえっちをねだる。

雌犬のポーズなんて。蛇口には高尚すぎるかと思ったが、どうやらこれで正解らしい。

一瞬でむくっと持ち上がったオチンチンを見てると、アタシが彼のモノになった様に、彼をコントロールしてるみたいで堪らない。

人前でえっち、セックス、こづくりぱこぱこ。

そんなことがまかり通ってる理由を探りたいなんて、そんな理性はとっくに霧散。

時間も場所も理解できずに、突っ込まれたオチンチンに泣かされるだけの、無力なアタシには関係ないことだ。

そう性奴隷らしくなっていたから、二回戦以降の記憶が存在しない。

ただ、空を飛んでるような心地と、強い雄に包まれる幸せが脳裏に残っただけだった。

とりあえずここまで。遅くなって申し訳ございません。ヒーロー拘束プレイ及び、まゆに見られながら、でした。

須賀京太郎様のスレ主

デュエル知ろよ

生態竜強い?

乙ー
まゆに見られながらということは観客は偽物か

再開します


 ♯  ♯  ♯

「━━━で、ここに書くと、完成するの。……光ちゃん、聞いてる?」

昼のまどろみにたゆたう肩を、まゆさんにそっと揺すられた。

「あ、ああ、ごめんなさい。クロスワードパズル、ついに解けたんだ?」

「一週間もかかったけど……恋が叶うおまじないだなんて、言われたら、ね……♪」

彼女はにこりと花開くように破顔し、小躍りしながらメモ帳を閉じた。

まゆさんの微笑みは、同性のアタシですらどきっとする程魅力的だ。

自分には似合わないかもしれないが、彼女のしなやかな可憐さを学びたいとも思ってる。

けれど、彼女と一緒にいると、喜びと同じくらい、重苦しい拘束感が募って仕方ない。

(アタシはもしかして、とんでもなく性格が悪いんじゃないか……!?)

一週間前、衣装を着たままシちゃった時、彼女に見られながら感じた思い。

麗奈に隠れながらシた時も抱いた、おどろおどろしい激情が、会う度に反芻されるのだ。

そんな薄暗さを押し隠しながら一頻り話した後に、互いの仕事の為に別れ、事務所の前でタクシーに乗車した。

「バレて、ないよな、やっぱり……」

車内でぼそり、と囁くようにごちていたら、スタジオに着くのはあっという間だった。

胸を行き交う想いとストロボに焼き焦がされながら、グラビアの仕事を完遂する。

スタッフさんたちとの挨拶を終わらせ、手早く帰り支度を済ませた時。

「よかった、光。何時も以上に快活だった」

何時だってエネルギーを、甘く優しい気持ちをくれる声が、仕事疲れの耳朶を癒した。

カメラさんの隣に、何時だって待ち望んでる人が立っていたのだ。

「ありがとP! 見ていてくれたんだなっ!」

「可愛い担当の晴れ舞台だからな、ふふふ」

ゴツゴツした手に頭をかき混ぜられ、「うわぁっ、何をするんだっ♪」なんて言って戯れると、スタッフさん達もどっと笑った。

団欒としたスタジオを離れ、そのまま彼に手を引かれて車に回収される。

薄橙色へと塗り変わりゆく窓町並みを窓から眺め、互いの仕事を報告しあった。

予定の話を済ませたら、寮に着くまでの残り時間は、すべて会話時間として利用できる。

「マジックミラー号って、昭和の特撮映画の特殊車両みたいな名前だな……」

「また乗ってみるか?」

「そ、そういう話じゃない! ……だいたい、絶対アレ、レンタル料とか高いだろ?」

「作る側と売る側というのがあって、往々にして売る側が稼ぐものだが」


車が直進し、しかし十字路で赤信号に阻まれた。

「一応、プロデューサーって売る側の仕事なんだよな、ふっふっふ……」

「うわぁ生々しい! ……っていうか、そうじゃなくても勿体ないだろ、お金が!」

「ま、そうだな。ヒーローの頑張りのお陰で、俺も事務所も光の口座もホクホクだ」

信号の変色に伴い、車がゆっくり前進する。

「……自覚が無いけど、アタシ、以外とお金があるのか……?」

「親御さんと相談して、資産は口座で塩漬けしてる。玩具の買い過ぎとか、無駄遣いをしないようにな」

「そ、その気遣いは嬉しいけど……そのお金って、何時渡してもらえるんだ?」

「ハタチになったら、振り袖及び梅酒と一緒に渡すと言ってたが……使う用事でも?」

「え? えーっと……そうだ! ふぁんど? に投資して、平和や科学の発展に貢献した人を表彰したいかも!」

「今適当に思いついただろ」

現実的なようで馬鹿らしい話をしてるうち、車が渋滞に閉じこめられた。

町を照らしてた夕日は、林立するビルの山に隠れてしまって、周囲には闇が立ちこめた。

暗闇に包まれた国道に、テールランプの光列と、街灯の燐光が並び灯った。

百鬼夜行の様な光景に心奪われて、気付けばアタシ達は黙りこくっていた。

「……いいかな、P」

車内に満ちた沈黙を、自分からかき消した。

「最近、変なんだ。……Pがただ好きだって気持ちだった筈なのに、それが苦しいんだ」

腹の底からコールタールが零れ出るような、重苦い風味がこみ上がる。

「もしPが別の女子のことを好きになったらとか、それはイヤだって、独り占めにしたいって気持ちで、はちきれそうになる……」

闇に灯る赤い列がじわじわと乱れ、その揺れが次第に視界を覆う。

膝上で握りしめた拳に、ほとほとと歪みの球が滴った時、なぜか彼は短く笑った。

「なんだ、意外と嫉妬深いんだな。俺、まだ浮気もしていないのに」

「そ、そうじゃない! ってか、笑わないでくれ! 気になってるんだ!」

「わかる。そこまで愛して貰えてるみたいで、嬉しい限りだ」

ミラーに写った横顔は落ち着き払っていて、心の薄暗さを許容した大人の顔をしていた。

「不安なのか。浮気するんじゃないかって」

「……いや、そうやって不安になっちゃうアタシって、本当は凄く嫌な奴なんじゃないかって、不安になるんだ」

「ソレを自覚しているんだから、立派なことだ」


「……自覚したくないって思うこともある」

肩がいななき、歯がかちかち音を立てる。

「まゆさんに見られながらえっちしたとき、アタシ、まゆさんを嗤ったんだ。Pとこういうことが出来るのはアタシだけだ、って」

「……そうか」

否定も肯定もしない、ただ存在を認める厳かな声響きに癒されて、毛玉のように絡んだ感情をやっと言語化出来た。

「ずるかったり、人を出し抜いて喜ぶ自分が嫌だって思うの……変か……?」

「ぜんぜん。ふつうだと思う」

さぞ当たり前の様に、けれど、無碍にするようにではなく、彼は静かに応えてくれた。

「独占欲は変じゃない。さっき言ったが、そこまで想われるのは、男冥利に尽きるって」

「……そうなの、かな。……ありがとう」

「というか、そう光が悩んだ原因は俺じゃないか? 寧ろ俺が謝るべきかも、というか」

「あっ! ……な、なら謝ってくれぇっ!」

感謝を口にしたら、その言葉に紐付けられた様に肺に詰まった霞が抜け出した。

車内から緊張が逃げ出した後、今度は彼が話題を切り出した。

「ご褒美、覚えてるか。課題を終えたら渡すって言っただろ」

「え? えっと……それって、一週間前のアレじゃないのか?」

「あれはあくまでお仕置き兼任のテストだ」

車が右へと傾くと、これまでの渋滞が嘘のように快適に進んだ。

そして、そう快調なのは道路事情だけじゃなく、どうやらアタシの身体もらしい。

自らを男好みに調教したご褒美と言われれば、自然、それに類するものに決まってる。

当たり前の想像に辿り着いた瞬間、熱がじとりと背中に立ちこめ、疼きが身体を蝕んだ。

「プレゼントで安心してくれ、とは言いたくないが……、このご褒美は、光の今後に関るから、受け取るかどうか任せたくてな」

笑う口元で、真っ白な犬歯が見え隠れする。

「……その聞き方は、ずるい」

非難する。が、怒りは込められなかった。

『ご褒美』に関して詳しい話を聞いてたら、すぐに女子寮に到達した。

別れを惜しみながら降車し、車を見送ってから入寮し、寮食をいただき、風呂を済ませ、部屋へと戻って荷物を仕舞った。

散乱した玩具を片づけ、軽く掃除してから消灯し、彼に言われたことを反芻した。

「……アタシが、決めていい」

一晩が明け、仕事が済んだら日が沈み、また夜が更けて朝が来て。

スケジュールを一緒にしっかり調整すること約束して、『ご褒美』を貰うと彼に告げた。

とりあえずここまで。まゆや観客が特に驚いたりしなかったのは、こういう理屈です。本筋は次が最後になる予定です。

……光って、「口づけ」で狼狽える子だったんだ……

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