女「なんですかこれ」 (14)

AM4:00



男「なにって、ジャガイモだろ」

女「……はぁ?」

男「ああ、メークインが良かったのか? でもコンビニだし男爵しかなくてさー」

女「……呆れました。無能ですね」

男「あれあれ、なんで僕は罵倒されているんだろう。女がイモを買ってこいと言うからわざわざ買ってきたのに」

女「イモと言えばマックのポテトでしょう!」

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男「知らねえよ! ポテトならポテトって言えよ!」

女「あの、あなた誰ですか?」

男「お前の彼氏だよ! 両親にも挨拶したよ!」

女「なんですか妄想ですかキモいですね。私の彼氏なら、
私が普段、マックのポテトをイモと呼称していることは、当然知っていて然るべきです」

男「……ぐ、もちろん知ってるさ。僕のストーキング性を見くびるなよ女。こと女に関して、
僕の知らないことは何もない。例えば、君の今朝の朝食は目玉焼きだ。どうだ図星だろう、はっはっはー」

女「いえ、朝食は食べていません。ダイエット中です」

男「おかしいな。今朝僕は確か、キュートな女の子と一緒に朝食をとっていたんだけど……」

女「……そうでしたねうっかりしていました。ていうか同棲してるんですから、毎日一緒ですよね」テレ

男「あ、デレた超可愛い!
……まあ、なんにせよ安心したよ。僕が彼氏だと証明できて。危うくストーカーに逆戻りするところだったぜ」

女「いや、まだですよストーカーさん」

男「やめて。自分で言うのは良いけど、女に言われたら凄い傷つくから」

女「スーさんは嘘をつきました」

男「アダ名にしないで! 定着しちゃうから! 友だちに『どうしてスーさんなの?』とか聞かれて、
『ストーカーさんの略だよ』と答えなければいけない僕の気持ちを考えて!」

女「じゃあどうしろと言うんですか。ワガママですね」

男「今まで通りダーリンにしてください」

女「わかりましたダーリン」

男「……ごめんなさい。僕が悪かったです男くんにしてください」

女「ふん、肝っ玉の小さい野郎ですね男くんは」

男「言わないで。それ気にしてるやつだから……ていうか、僕が嘘をついたってどういう意味だ?」

女「ようやく本題に戻りましたか。そう、嘘をついたんです。
なぜなら、私は普段ポテトをイモとは呼んでいません。ポテトはポテトです」

男「嘘をついたのお前かよ! いや僕もついたけど!」

女「よって、あなたが彼氏であるという証明は成り立ちません。さあ、帰ってください」

男「捨てないで! 何でもするから!」

女「ポテトを置いてとっとと消えてください! 目障りです!」

男「あ、ポテトならほら」

女「それはイモでしょう! 私が言っているのはマックのポテ……しまった!」

男「はっはー、引っ掛かったな女。お前は今、ポテトをイモと呼称した自分のミスを認めたのだ!」

女「うぐぐ……」

男「さてと、僕に非はないと分かったことだし、そろそろ部屋に上がって良いか? いい加減足も疲れたし」

女「ま、まだです! まだあなたが彼氏であると証明されていません!」

男「……やれやれ」カベドン

女「ななな!? いったいなにをs

男「女」アゴクイ

女「あうあう」

男「……口を結ぶな。ベロチューができないじゃないか」

女「……分かりました。100歩譲って彼氏であることは認めましょう」

男「なら――」

女「キ、キスは駄目です! なんなんですかあなたは!? 馬ですか鹿ですか!?」

男「じゃあ逆に聞くけどさ、どうしたら僕はベロチューができるんだ?」

女「議題がすりかわってますよ! 欲望の赴くままに!」

男「落ち着けって。ほら、シチューでも食べてさ」

女「ないですよそんなもの……てまさか、シチューを作らせるためにイモを買って来たんじゃ――」

男「女、愛してる」キリ

女「す、すぐそうやって誤魔化すんですから……」

男「I love you」

女「……コホン、分かりました。このままじゃ埒があかないので妥協案を出しましょう」

男「妥協案?」

女「はい。まず男くんはポテトを買ってきてください。そこは譲れません。
そして、その間に私はシチューを作ります。あなたの冷えきった身体をポカポカ暖める、極上のシチューです」

男「なるほど。して、そのあとは?」

女「……と言いますと?」

男「冷えきった身体は暖まりましたが、冷えきった心がまだ解凍されていません」

女「……本当に馬鹿ですねあなた」

男「からの~?」

女「私が暖めてあげますよこんちきしょー!」

男「よし、そうと決まったらさっそく、ポテトを買いにいくか」

女「私は急いでシチューを作らなきゃですね。すでにクタクタですが……」

男「栄養ドリンクも買ってきた方が良いか? まだまだ先は長いんだし」

女「要りません!………………あなた用だけ買っておいてください」ボソ

男「オーケーオーケー! じゃあ、行ってくるよハニー!」

女「はいはい、行ってらっしゃいダーリン」

ガチャバタン

タッタッタッタッタ……

女「もう、何も走らなくても……」

AM5:30



男「ただいまー。お、良い匂いがする」

女「おかえりなさい。今夜はシチューですよ」

男「もう朝だけどな。ほら、ポテト」

女「わーい! ポテト♪ ポッテト♪」

男「冷めてないかな? いやー、結構急いだんだけど、コンビニとは逆方向だったから時間食っちゃってさー」

女「良いですよう別に。男くんの気持ちだけでおなかいっぱいで――」

男「ん? どうしたんだ?」

女「なんですかこれ」

俺「なにって、ポテトだけd



女「ハッシュドポテトじゃないですか!!!」



fin

乙、ハッシュドポテトうまいよなまた書いてくれ

あれ3個くらい食べたいけど朝の安さがなくなる

なんで俺君が!!

朝からシチューとイモか……

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