姫宮千歌音「聖杯戦争?」 (9)
月には誰も知らない社がある。そこにはオロチによって壊れた世界を再生する為、贄に捧げられた巫女の魂が眠っている。
次にオロチが復活の兆しを見せた時に、また世界に生まれ、その身命を供物に世界を浄化する。それは終わりなき輪廻の運命として永劫に続き、決して逃れることはできない。
それが剣の巫女の宿命だと理解していた。いや、理解しているつもりだった。だけど、その心の奥底では、月の巫女の魂は今なおその残酷な運命を呪っていた。最愛の女性に刃を突き立てる己の存在を憎み、嫌悪していた。
そして、その想いに誘われるようにそれは現れた。それに姿形はない。ただ、何も見えない暗闇の世界に、一筋の光となって膨れ上がり、そこに奉納された月の巫女の魂ごと包み込んだ。
月の巫女の魂はーーー姫宮千歌音の魂は、その輝きに取り込まれ、彼女は目を覚ました。
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光が収まった時には、彼女は見知らぬ場所に立っていた。そこは埃が空気中に蔓延し、薄暗い地下室のような所だった。
「ここは……?」
誰が答えるわけでもないのに思わず疑問を口にした千歌音は、その目の前に少し落胆気味な同年代の少女の姿を見付けた。
「それとあなたは誰?」
千歌音の問いに目の前の女の子は、溜め息混じりに呟いた。
「この状況なんだから察しなさいな。あなたはそれでもサーヴァントなの?」
その少し棘のある言い方に千歌音は思わず失笑する。
「さあ、それもわからないわ」
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「聖杯戦争、ねえ」
その後、千歌音は彼女に色々なことを尋ねた。まず彼女の名前は遠坂凛というらしい。曰く、優れた魔術師の家系のようだ。
そして、次に千歌音がこの場に在る理由。千歌音は先まで月の社の中で、眠りの中にいたはずだった。それなのに気付いた時には、見知らぬ場所に立っている。それが一番大きな疑問だった。
そして、その答えに千歌音は心の奥底から歓喜した。それは万能の願望器を巡る聖杯戦争への参戦の為だった。
(俄には信じがたい話だけれど、もしも仮にそんなものがあるなら私は……)
千歌音の口元に笑みが溢れる。
(ずっと姫子と一緒に)
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(サーヴァントとは、こんなことまで出来るのね)
自身の霊体化。姿形なき己を自覚し、意識だけが消えずに在るその状態に千歌音は少しだけ驚いていた。
それに対して凛は、呆れたように呟いた。
「本当にこんなので大丈夫かしら」
千歌音は霊体から戻り、言葉を返す。
「ふふ、さあ、どうかしら」
「そこは嘘でも必ず勝つって言いなさいよ」
「私、嘘は嫌いなの」
「……あっそ」
お互いに軽口を叩きながら、二人は歩く。他のマスターを探す。その為に凛は魔術の痕跡を地道に辿っていた。
「それで、次はどちらに?」
「学校よ」
そのまま二人は、学校を目指す。
神無月の巫女とかまた懐かしいものを
剣の巫女でアーチャー?
そういやあれ、fate女性陣が結構出てたような。
懐かしいな
懐かしいって言いたくなるな
7騎+αだから数的には丁度いいくらいか
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