凛『ど、どうしよう……未央』未央「どうしようって何がさ」 (20)


「卯月ー!」と出したこともないような大声で呼んで、後ろから卯月に飛びつく。
卯月に足を担がれて背負われるような状態になりながら、笑顔で卯月を覗き込む。
卯月も微笑んで、私に答えてくれた。

そんな夢を見た。
「……………………………………………」

両手で顔を覆う。
「……………………………………………」

死にたくなった。

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未央「急に電話してきてどったの?なんかあった?」

凛『うん……えっと、いま未央って一人?』

未央「うんにゃ、今あーちゃんと茜ちんと一緒だよ、三人でバレンタインチョコ作ってるとこ」


藍子「こうして、刻んだチョコを湯煎にかけながらゴムベラでゆっくりかき混ぜて……と」

茜「なんだかいい匂いがしてきました!この溶けたチョコをご飯にかけて食べたら美味しいんでしょうか?!」

藍子「えっ?……えーっとそれはちょっと、チョココロネとかもあるけど……??」


凛『そっか、なら大丈夫かな……うん』


凛『実は、私もついさっきまでチョコを作ってて……というかその、手作りのやつ……なんだけど』

未央「まあ、バレンタインだもんねー」


凛『あ、手作りっていってもあれだから、カカオ豆から作るとかじゃなくて板チョコを刻んで溶かしてっていうあれだから』

未央「いやそれは分かってるよ、私たちも今そうしてるし……それで?話が進まないよしぶりん」


凛『……ごめん、それでね……その』

未央「うんうん」


凛『……出来上がったチョコが、ね……ちょっとひどいというか……まぁ、うん』

未央「……あー」


凛『……なんていうか、もう単にチョコレートを溶かして、固め直しただけというか……トッピングもしてないし、できないし』

凛『市販のチョコより口当たりも悪くて、味も一際いいわけでもないし、形も悪いしで……』


未央「なるほどね、そういうこと」

凛『……どうしよう、未央』


未央「……てかしぶりん、もしかして自分一人で作ったの?」

凛『え?……うん、そうだけど』


未央「なんでまた、誰かに相談すればよかったのに……私でも誰でも」

未央「それこそ、うちの事務所ならお菓子作りの見本市みたいなもんだしさ」


凛『それは、ちょっと恥ずかしくて……それに、バレたくなかったから……出来るだけ秘密にしておきたくて』

未央「だからこっそり作ってこっそり渡そうとしたと」

凛『……うん』

未央「それで失敗したと」

凛『うぐ……』

未央「はぁ、まったく……めんどくさいなぁしぶりんは』

凛『………ぅぅ』


凛『……………やっぱり……贈り物をするなら相手に喜んでもらわないと意味なくて……優先するべきは自分の想いの表現なんかじゃ、なくて……味気ないけど味が大事……だよね』

未央「うん、上手くないねぜんぜん」

凛『こんなことなら、最初から市販のものを買えばよかった……』

未央「……うーん」


未央「……まぁでも、そんなことないと思うけどね……大丈夫だよきっと」

凛『………え?』

未央「大事なのはやっぱり気持ちだからさー、心がこもった贈り物ならなんでも嬉しいもんだよ」


凛『……そう、かな……そんな風に真心で化学反応って起きるのかな……心ってそこまで万能……なの、かな』

未央「おう、ちょっと蒼くて何言ってるか分かんないけど多分そうだよ、多分」


未央「だからそんなに心配しなくても、しまむーだってきっと喜んでくれるよ、しぶりん」

凛『……だと……いいんだけど、って……うん?』


未央「ん?」

凛『ぁ、あれ?今、しまむーって……卯月にあげるなんてって……言ったっけ?私』

未央「いや言ってないけど、なんとなくそうかなーってカマかけちゃった♪」

凛『…………………………………』


凛『……………なっ!?なな……な、ぁ///』


未央「……あれ?しぶりん?どうかしたの、しぶりん?……しぶりーん?」

凛『な、なん……なん///』

未央「なん?」



凛『~~~~っ///なんだばs』
ガチャッ

未央「しぶりん?……あれ、切れちゃった」


未央「なんだったんだろ?ふむ……まあいいや」


未央「ごめーん二人とも長電話しちゃって、進捗のほうはどんな感じに」

茜「あっ!未央ちゃん、大変です!」

藍子「未央ちゃーん、たすけてー」

未央「へ?」



未央「何がどうした、って……ああ!あぁ……あーあ」


藍子「てんぱりんぐ?というのをしようと思っていたんですけど……なんかチョコがデロデロっていうか、モソモソした感じになっちゃって」

茜「完全にボロボロです!」

未央「あー……これは湯煎にかけすぎたのかな、あーちゃんゆるふわしすぎ、茜ちん火力強すぎぃ」

茜「面目次第もございません!」

藍子「あぅ」


未央「これは………作り直しだね、あはは」

……

~次の日~

未央(……昨日は大変だったなあ、まぁなんだかんだ楽しかったからいいけど)

未央「さてと……君の勇気がこの胸に、熱く響いていい感じ」

ガチャッ
未央「ニュージェネの一番星!未央ちゃん!おはようございまーっす!……あれ?誰もいない」


未央(私が一番乗りだったのか、あれ?……でもソファーのところに荷物置いてあるけど)

ゴソゴソ
未央「ん?何か物音が……給湯室の方から……?」



凛「……ここなら、いいかな……卯月」

卯月「はい、なんですか?凛ちゃん」

凛「その、あの……昨日言ったことなんだけど、その」

卯月「昨日?……ああ」

凛「許可を取れば、抱きついてもいいって……いう」


卯月「……抱きつきたいんですか?」

凛「…………………………うん」


未央(おやおや)コソコソ


卯月「じゃあはい、どうぞ」

凛「……ん」ギュゥ

卯月「ん、えへへ……」

凛「……へへ、ふしへへ」


未央(朝早くから、お熱いですなぁご両人……誰もいないとはいえこれはこれは……ぁ)

ガタッ
未央「おっ、と……やばっ」

凛「っ!?」ギクッ

卯月「え?」


凛「ぎゃっ!み、未央?!」

卯月「あっ、未央ちゃん来てたんですか?おはようございます」


未央「お、おぅ……おはよう二人とも」

凛「ち、違うからね未央これはそのそういうあれじゃなくて、違くて、あったまってただけっていうかなんていうか!」


未央(テンパってるなーしぶりん、それに対してしまむーは……うん、全然動じてないね)


未央「……ふふふ」

未央「おやおやいいですなあイチャイチャと、500円出すからしばらくやっててくんない?」

凛「や、やらない!」

卯月「?」


おしまい

お前に相応しいチョコは決まった!

依頼出す。

渋谷としまむら 乙
なんかゆゆ式ネタもあったりして私の好みピンポイントされたかと思った

で、続きは?

そのままちゃんみおもしまむーに抱きついても良いんよ?

うづりんを貰えただけで幸せなバレンタインになったよ……うん

おつ!


飯屋成分多めのちゃんみおですねw

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