凛「現代文の課題が」未央「終わらない」 (19)
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ー事務所ー
凛「おはよう、未央」
未央「おっはよー、しぶりん!」
凛「フフッ、暫く見ない間に良い面構えになったね」
未央「何キャラ?」
凛「今日はサムネの左半分に黒背景に文字が入ってる文字動画作ってないんだね」
未央「いや作った事無いよ!?風評被害広めようとするのやめてよ!」
凛「おっと、未央に構ってる場合じゃなかった」
未央「しぶりんから絡んできたんだけどね?」
凛「最近凄く忙しかったでしょ?学校の課題が全然終わってなくてさ…」
未央「あ、私も!めちゃくちゃ残ってるよ~」
凛「半年分なんて今から終わるかな…」
未央「その量はもう激務関係なしにただサボってただけじゃない?」
凛「まあそれは冗談だけどね。今日は現代文をやろうかな」
未央「あ、その問題集私のと同じだ!一緒にやろっ!」
凛「いいよ。フフッ、未央もそんな事が言えるくらい成長したんだね。鼻が高いよ」
未央「何でちょいちょい師匠キャラ出すの?」
凛「えっと…まずはこれからだね」
『静かな森の大図書館』
未央「へえ、何か面白そう!」
『鷺沢文香 著』
未央「ふみふみ!?」
凛「本なんて出してたんだね…」
『木漏れ日が降り注ぐある静かな森の大図書館に、一人の美少女が住んでいました』
凛「へえ、文香らしいしっとりとした優しい文章だね」
未央「どんな子が主人公なんだろ?」
アカネ『うおおおお!!今日はいい天気ですね!!読書なんて勿体ない、早速走りに行きましょう!!ボンバーーーーーー!!!!」
未央「完全に人選ミス!!」
凛「どう見ても茜がモチーフだよね、これ…」
『アカネは、今まで図書館の蔵書を一冊も読んだ事がありませんでした』
凛「タイトル詐欺じゃない?これ」
未央「何で図書館に住んでるんだろ…」
『ある日、いつも晴れている森に大雨が降りました。とても外へは出られません』
未央「あ、なるほど!これで仕方なく本を読んだあかねちんが読書に目覚めるんだね!」
アカネ『雨になんて負けませんよ!ボンバーーーーーーーー!!!』
『アカネは雨の中に走り去っていきました』
未央「そこは負けてよ!話進まないじゃん!」
『元気があってとても可愛いですね』
凛「文香の本音漏れてない?」
アカネ『ふー、良い汗かきました!全身グッショリです!』
凛「多分それ汗じゃなくて雨」
『帰って来たアカネは、ドアに鍵がかかっていない事に気付きました』
アカネ『おや?このドアはオートロックのはず…』
未央「無駄にハイテクだね!?」
アカネ『あ、そうか!私が出る時に鍵を閉めたまま開けて壊れたんでした…』
凛「防犯意識皆無だね」
『うっかり屋さんでとても可愛いですね』
未央「さっきからふみふみ我を出しすぎじゃないかな!?」
『中に入ったアカネは、ふと部屋の奥に人の気配を感じました』
アカネ『む、この気配は…カレー!?』
未央「いや全然人の気配感じてないけど」
『部屋の奥には、ヘアバンドをした髪の長い色白の少女が座って本を読んでいました』
アカネ『貴女は…?』
フミカ『あ…すみません。フミカといいます。雨に降られてここに入ってしまって…』
凛「遂に本人出て来たよ」
アカネ『そうだったんですか!…おや、本を読んでいたんですね!それは…何の本ですか?』
フミカ『…あ、これはグレゴリウス松山田さんの自伝です』
未央「著者の名前が強すぎるよ!」
フミカ『あ…すみません、勝手に…』
アカネ『いえいえ!フミカちゃんが本を読んでいるのはとても可愛いです!』
フミカ『か、可愛いなんて、そんな…』
未央「何見せられてるんだろうね、これ…」
凛「完全に夢小説だね…」
『可愛いのは貴女です』
未央「仕事してよナレーション!!」
アカネ『そうだ、折角ですし、一緒にカレーを食べましょう!』
フミカ『え…よろしいんですか?』
アカネ『ええ、カレーは皆で食べた方が美味しいですから!』
フミカ『…ありがとうございます。では、お言葉に甘えて…』
『尊い』
凛「文香が語彙力失ってるんだけど!?」
アカネ『いやー、カレーは美味しいですね!』
フミカ『ええ、そうですね』
アカネ『もう五カ月連続カレーですが、全く飽きません!!』
未央「この図書館一年中カレーの匂いしてそうだね」
アカネ『そうだ、これも何かの縁!良かったらここで一緒に暮らしませんか?』
フミカ『え!?し、しかし…』
アカネ『気にしないで下さい!私もフミカちゃんがいた方が楽しいです!』
フミカ『…では、よろしくお願いします』
『こうして二人の甘い同棲生活が始まりました』
未央「同人でやってよ!!!」
凛「何というか、これ以上見てられないね…。もう問題に移ろうか」
未央「うん、そうだね…」
『問1.筆者がこれを書いた目的を答えなさい』
凛「文香の妄想の可視化以外にあるの?」
『問2.これを読まされた問題製作者の心境を答えなさい』
未央「いや知らないよ!!」
『問3.何故これが問題集に採用されたか教えて下さい』
未央「製作者の人も困惑してるじゃん!!」
凛「尋常じゃないくらい疲れたね…」
未央「う、うん…」
凛「次行こうか…」
『ぴにゃこら太が及ぼす経済効果について』
未央「もう作者絶対あの子じゃん!!」
『綾瀬穂乃香 著』
未央「ほらやっぱり!!」
凛「この事務所のアイドル本出しすぎじゃない?」
穂乃香『ご存知の通り、ぴにゃこら太には何百もの種類があります』
未央「いや、知らないけど」
穂乃香『テーマパーク<ぴにゃこランド>もレゴランドを超える大盛況』
凛「もうちょっとマシな比較対象なかったのかな」
穂乃香『そんな大人気のぴにゃこら太が世界に及ぼす経済効果について、語りたいと思います』
未央「凄い真剣だね…」
穂乃香『何故ぴにゃこら太がこんなにも人気なのか…それはぴにゃが神の御技によって生み出されたキャラクターだからです』
凛「はい?」
穂乃香『可愛らしいリボン、ぷっくり出たお腹、生気のない目…まさに完璧と呼ぶにふさわしい!どこにも欠点がありません』
未央「何か宗教みたいになってるんだけど!?」
穂乃香『ぴにゃこら太の生みの親、グレゴリウス松山田さんの頭の中を一度覗いてみたいですね』
未央「グレゴリウス松山田実在したの!?」
穂乃香『彼が残した功績は数え切れません。ノーベル平和賞は既に何回も受賞しています』
凛「グレゴリウス松山田凄すぎない!?」
穂乃香『そもそもぴにゃこら太の起源は平安時代まで遡り…』
『(中略)』
未央「ちょ、平安時代って何!?何で一番気になるところだけ中略するのさ!!」
穂乃香『…という事があって、ぴにゃこら太によって第三次世界大戦は未然に食い止められたのです』
凛「私達の知らない間に何があったの!?」
『問1.この本の問題の作り方を教えて下さい』
未央「いや確かに気持ちは分かるけど匙は投げないでよ!!」
『問2.上司が346プロのアイドルオタクだと判明した時の私の心境を答えなさい』
凛「職権濫用だったの!?」
未央「もう…疲れたよ…課題も終わらなかったし…」
凛「この事務所もう嫌だ…。転職しようかな…」
未央「しぶりんがいきなり転職なんて、事によっちゃ大ニュースになるね」
凛「コンクリート職人になりたい…」
未央「予想の斜め上すぎてもはや垂直だよ」
ガチャ
P「おい未央、凛、お前らの次の仕事が決まったぞ!」
未央「仕事?」
P「ああ!何とかの有名なグレゴリウス松山田さんとの対談企画だ!失礼の無いようにするんだぞ!」
未央・凛「「だからグレゴリウス松山田って誰だよ!!!」」
終
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