武内P「シンデレラ…プロジェクト…」 (71)
アニメ準拠はほとんど無いです
草は生えてませんが不快に感じたらすいません
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武内P「…」
ちひろ「プロデューサーさん、入りますよ?」コンコン
武内P「…ええ、どうぞ」
ちひろ「失礼します」ガチャ
武内P「…どうか、されましたか?」
ちひろ「ええ。頼まれてた資料が出来上がりましたので」
武内P「あ…千川さん、いつも、申し訳ありません…」
ちひろ「い、いえ!だって私の仕事って、こういうものですし…」
武内P「い、いえ…」
ちひろ「いえ…」
武内P「…」
ちひろ「…」
武内P「…シンデレラガールズプロジェクト、第2期生…」
ちひろ「ええ。…その内容で…OKですか?」
武内P「…ええ。これで、大丈夫です」
ちひろ「…そう、ですか…」
武内P「…」
ちひろ「…」
武内P「…」
ちひろ「…それで、ですね…」
武内P「…」
ちひろ「…そのー……もう一つ、ありまして…」
武内P「…」
ちひろ「…専務から…その…お返事の催促を、受けていまして…」
武内P「…」
ちひろ「…」
武内P「…分かっております。…ですが…」
ちひろ「…」
武内P「…もう少し、もう少しだけ…待っていては、くれませんか…?」
ちひろ「…」
武内P「…」
ちひろ「…分かりました。そう、伝えておきます」
武内P「…申し訳、ありません…」
ちひろ「…」
ちひろ「…プロデューサーさん」
武内P「…はい…」
ちひろ「…私は、一事務員です」
武内P「…」
ちひろ「私には、どうすることも出来ません。私に出来るのは…」
武内P「…」
ちひろ「…貴方を、サポートすることだけです」
武内P「…」
ちひろ「346の社員である、貴方を…」
武内P「…」
ちひろ「…私の方こそ、申し訳ありません」
武内P「…いえ」
ちひろ「…」
武内P「…」
未央「プーロデューサー!」ガチャ
卯月「…あれ?」
未央「あれー?開いてるからてっきりいると思ったのに…」
卯月「もしかしたら何か用事があるのかもしれませんね!」
未央「…んー…」
卯月「どうしたんですか?」
未央「ん?…あのさ、プロデューサーと最後に顔合わせたのって…いつ?」
卯月「?……確か…1週間前くらい…?」
未央「それ」
卯月「んー…きっと、忙しいんだと思いますよ!」
未央「まぁねぇ…最近は第2期生の迎え入れ体制整えるのに必死みたいだから…」
卯月「でも、嬉しいです!この部屋がアイドルのみんなでいっぱいになるんですよね!」
未央「そうだよお。大所帯になるよお」
卯月「どんな話をすればいいんでしょう?…先輩っぽくしたらいいの…かな?」
未央「そこはほら、…卯月先輩の腕の見せ所ですよ」
卯月「そ、そんな…そんな事したら…嫌がられるかも…」
未央「部活で言うところのOB面しないでくれますかみたいな?」
卯月「ひえええっ」
未央「ウソウソ。冗談だから」
卯月「で、でも…」
未央「私だっていつそう思われるか分かったもんじゃないからねぇ…」
卯月「み、未央ちゃんはそんな事ないですよ!とっても話しやすいですし!」
未央「そお?ありがとしまむー!」
卯月「えへへ…あれ?プロデューサーさんの机に…」
未央「ん?」
卯月「……え?」
未央「……え?」
『辞』
未央「……え?」
卯月「…ぷ、プロデューサーさん…?」
未央「…ちょ…ちょっ!!これナシ!!ダメ!!絶対!!!」バッ
卯月「ぷ、プロデューサーさんが…じ…辞職…?」
未央「そんな、プロデューサーに限って……!」ガサガサ
卯月「わ、私…え…嘘…?」
未央「……」
卯月「…」
未央「…………何これ?」
卯月「……?」
未央「……えー…辞令 ○○ ○○殿 貴殿を○月○日を以って 課長補佐に昇進とす…」
卯月「……」
未央「……」
卯月「……課長…」
未央「……補佐?」
未央「補佐?」
卯月「昇進なんですね!…良かったぁ…」
未央「もっとこう…課長!!って感じじゃないんだね…」
卯月「でも凄いですよ!プロデューサーさんの昇進!みんなで祝ってあげないと!」
未央「そうだよ!いきなりグンッて上がったもんね!…あれ?でも何でプロデューサーはこれをみんなに言わないの?」
卯月「…多分、恥ずかしかった…とかでしょうか?」
未央「…あー…自分の話しないもんねぇ、プロデューサーって」
卯月「…どうしましょう?」
未央「…んー…」
卯月「…」
未央「…じゃあ、とりあえず、知らないフリをしよう!みんなで!」
卯月「?」
未央「…ん、で!頃合いを見て、プロデューサーにサプライズパーティを開こうよ!」
卯月「!良いですね!…あ、でも…皆さんにバラしても良いのでしょうか?」
未央「…」
卯月「…」
未央「…多分、良いんじゃ、ない?悪い事じゃないし…」
卯月「…そうですね!」
みりあ「え!?」
莉嘉「Pクンが課長ホセ!?」
未央「メキシコ人にでもなるの?」
卯月「補佐ですよ!」
莉嘉「ホサ?」
未央「えーと…まあ、助ける人ってこと!副隊長みたいなもんだよ!」
みりあ「プロデューサー、課長補佐になるんだー!」
莉嘉「えっと…じゃあ、Pクンには黙っておけばいいんだよね!」
未央「そう!いつやるかって判断は私達がするから、二人ともたくさん祝ってあげてね!」
莉嘉「はーい!」
みりあ「わかったー!」
アーニャ「プロデューサー、偉くなる…ですか?」
美波「そうよ。きっと日頃の頑張りが認められたのね!」
卯月「プロデューサーさんは、私達の為にたくさん頑張って、色んな苦労してましたから…だから、私達も、私達に出来ることをしようかなって!」
アーニャ「ダー。それ、とても、良いことです」
美波「じゃあ、ちひろさんにも協力してもらわなきゃいけないわね?」
未央「あ!そうだ、ちひろさん!」
美波「ふふっ。はりきっちゃって…」
未央「えっ…?だ、だってほら、色々…迷惑、掛けた…じゃん?」
アーニャ「アー…じゃあ、これでホントに、仲直り…ですね?」
未央「う、うん!仲直りするよ!」
アーニャ「ダー」
美波「ふふっ…」
凛「…それ、大丈夫なの?」
未央「何で?」
凛「…何か、未央ってそういうの顔に出そうだし…」
未央「舞台で鍛えた演技力舐めちゃダメだよ」
卯月「そうですよ!未央ちゃん、凄く上手かったんだもん!」
凛「それは…そうだとは…思うけど…でも子供達は?」
未央「釘は刺しておいたけど…」
凛「…プロデューサー以外になら良いみたいな風にとられてない?」
未央「あっ…」
凛「ほらー…」
卯月「でも、それだったらもっともーっとたくさんの人達で祝ったら良いと思います!」
未央「…」
凛「…」
未央「…そう…だね!」
凛「うん。……ふふっ。卯月ったら自分の事みたいに嬉しそうだね」
卯月「だって!私達の為にあんなに頑張ってくれて、走ってくれて…」
未央「はいはいしまむー。分かったから」
凛「でも、やるならちゃんとやってあげないとね。中途半端なのは嫌だから」
未央「うん!派手にやっちゃお!!派手に!!」
凛「…で、私に出来ることは?」
未央「やってくれる?」
凛「出来ることならね」
未央「え!?じゃあ花でココ埋め尽くしてくれる!?」
凛「無理」
未央「だよね」
きらり「Pチャンがおっきーく!なるにぃ!」
未央「元々エグいくらい大きいよ…?」
きらり「んーん?心が、もーっと!おっきくなるの!」
かな子「じゃあ私は…ケーキを作ってくるね!すっごく大きいの!」
智絵里「え…じゃ、じゃあ私は…四つ葉…四つ葉のクローバーをたくさん集めます!」
きらり「でもでもぉ、やっぱりきゃわゆいプレゼントだよぉ!」
卯月「か、可愛いプレゼントですか?」
きらり「うん!」
智絵里「今すぐですか!?」
未央「え?そ、そんな今すぐじゃなくていいよ。でもこういうのって、ほら!お金じゃないから。大事なのは気持ち、ね!」
かな子「勿論お菓子にもケーキにも気持ちをたくさん込めてきます!」
卯月「私も手伝います!」
かな子「うん!」
智絵里「…こ、これなら…!」
未央「ん?…………何これ…」
智絵里「…四つ葉のクローバーを…」
未央「…」
智絵里「……コレクション…」
未央「何か怖い!!」
かな子「よ、よく集めたね…」
智絵里「…いざという時に…」
未央「一部枯れてるけど」
みく「プレゼントなら可愛い猫系かにゃ?だってみく達はアイドルだから!」
李衣菜「プレゼントならプロデューサーが貰って嬉しい物でしょ」
みく「それじゃ誕生日みたいになってるにゃ。だから、今回はあえてみくらしいものを…」
李衣菜「プレゼントって言われて馬の蹄渡されたらどう思う?」
みく「あー…」
蘭子「えっ」
卯月「わ、私は貰えるなら嬉しいですよ!」
蘭子「…ホントですか?」
卯月「は、はい!」
みく「机の引き出しの奥とかにしまわないかにゃ?」
卯月「えっ…」
蘭子「ふぇ」
未央「ぷ、プレゼントは後で考えようよ。今はとりあえず、こういうことがあるよーってさ…」
李衣菜「そ、そうだね!」
みく「じゃあ会場とかも決めるにゃ!」
未央「杏ちゃーん!」ガチャ
卯月「…あれ?」
未央「…いない?」
卯月「んー…いつもだったらこのうさぎクッションにいるのに…」
杏「…あー…」
卯月「あ!杏ちゃんいましたよ!」
未央「あ、こんなとこにいたー!」
杏「バレたか」
未央「ほーら!床下なんかにいたら埃まみれになるよ!」ヒョイ
杏「うぇー」
卯月「あ…もう、ゴミがついてますよ?はらわないと…」パンパン
杏「…17の扱いじゃないんだよなあ…」
未央「んー?さては…プロデューサーが送ってくれなくなってしょげてるな!?」
杏「…それ、違うぞー…」
卯月「…と、言うわけです!」
杏「…」
未央「…」
卯月「…」
杏「何で?」
未央「え?」
杏「…何でかなー?って」
卯月「だ、だって!祝ってあげたいから…!」
杏「ふーん…」
未央「杏ちゃんは何だかいつも通りだなぁ…」
杏「…」
未央「で、でもほら!やっぱりこれからもお世話になるんだし…」
卯月「そ、そうですよ!」
杏「…へー…」
未央「…?」
杏「…本当にこれからもお世話になるつもり?」
未央「えっ?」
杏「確かにさ、プロデューサーは今は、営業マンであり、一社員だよ」
卯月「…?」
杏「だから、いつもみんなと近い距離でいられて、いつでも駆けつけられて、相談にも乗ってくれて」
未央「…え…?」
杏「管理職になるってことはさ、それが出来なくなる…かもしれないってことなんだよ」
卯月「…え?」
杏「2期生だって無理でしょ。だって見てられなくなるだろうし」
未央「…え…」
杏「未央達は尚更だよ。…まあプロデューサーの事だから意地でも見に来るだろうけどさ」
未央「…ま、待ってよ…」
杏「でも、担当じゃなくなるんだよ」
卯月「…」
杏「多分、後任に引き継ぎして、それでプロデューサーは…」
未央「…やめて…」
杏「もうプロデューサーは、シンデレラプロジェクトにはいられなくなるよ」
未央「やめて!!!」
杏「…」
未央「…」
卯月「…」
杏「…そりゃ、プロデューサーの人生だもん。プロデューサーが幸せになるのが一番だよ」
卯月「…」
杏「…プロデューサーがそれなりに上に上がってさ、給料も良くなって、良い暮らしが出来るようになって…杏とは…」
未央「…」
卯月「…」
杏「…杏達とは、違う奥さん見つけてさ」
未央「…杏ちゃん…」
卯月「…」
杏「なんとなく、こうなるんじゃないかなって思ってたよ」
卯月「…杏ちゃん…」
杏「会うってことは、いつかは別れるって事なんだよ」
未央「…」
杏「杏も、未央も、卯月も」
卯月「…」
杏「…あーあ…」
未央「…」
杏「…最近杏の事送ってくれなくなったの、そういうことかー…」
部長「…おや?」
武内P「…」
部長「…」
武内P「…」
部長「…隣、よろしいかね?」
武内P「!…ぶ、部長…も、申し訳ありません!考え事をしておりまして…」
部長「ん?いやいや…それよりも…ここは数少ない喫煙所だよ?」
武内P「…あ」
部長「まあ…喫煙所とは名ばかりの隔離所だがね。こんな寒い外の駐車場に灰皿と小汚い椅子が少しだ」
武内P「…」
部長「…アイドルとは、ほぼ会わないだろうがね」
武内P「…」
部長「…良いかね?」
武内P「ええ。ここは喫煙所ですから…」
部長「…君も…あ、いや。君は吸わないだろうな」
武内P「…ええ」
部長「…まあ、今の君を責める権利など私に無い事は百も承知だよ」
武内P「…」
部長「…恨むかね?」
武内P「!そ、そんなことは…」
部長「…君を昇進させるということは役員会議で満場一致だったよ」
武内P「…」
部長「無論、私もその一人だ」
武内P「…」
部長「異例の昇進だと、上司に気に入られているなどと揶揄する者も中にはいるのかも、しれないがね」
武内P「…」
部長「私は、良かったと思っている」
武内P「…何故、でしょうか…?」
部長「…ふむ。何故、か…」
部長「今から話す事の一つは…君は恐らく誰かしらから聞いたのかもしれないが」
武内P「…」
部長「君の営業力やアイドルの育成、企画力。それらは目を見張るものがある。はっきり言って異常な程にね」
武内P「…」
部長「ここ数ヶ月。346プロダクションの売り上げは去年一昨年に比べさらに上がった。この不景気の時代にも関わらず」
武内P「…」
部長「考えてみたまえ。それをなんと、一社員がたった一人で立ち上げ、行動した功績によるものだと…信じられるかね?」
武内P「…」
部長「自分だけの力ではない。そう言うかもしれない。しかしだね、そのきっかけを作ったのは、誰なのかな?」
武内P「…」
部長「…君の力は、君だけで終わらせてはいけないんだよ」
武内P「…」
部長「…と、ここまでは綺麗な意見だ」
武内P「…?」
部長「…そうだね…君は…彼女達を見て、どう思うかね?」
武内P「…彼女達…シンデレラプロジェクトの皆様…でしょうか?」
部長「うむ。…私はね、ある種君には何か、危なっかしいものを感じるんだ」
武内P「…?」
部長「これは私の予想だ。しかし自信を持って言える」
武内P「…」
部長「…共依存」
武内P「…共…依存?」
部長「君と、シンデレラプロジェクトの関係だ」
武内P「…私達が、ですか?」
部長「うむ。無論、無意識の内に、だ」
武内P「…」
武内P「…それは…」
部長「例えば、双葉杏君」
武内P「…」
部長「彼女は、既に生活リズムの中の一つに君を加えている」
武内P「…」
部長「それと、諸星きらり君」
武内P「…」
部長「彼女の君に対しての接し方は、単なる親しい間柄だと言えるのかね?」
武内P「…」
部長「…島村卯月君」
武内P「…部長…」
部長「彼女は…」
武内P「今西部長!!」
部長「…」
武内P「…」
部長「私はね、老体になって、任される事も少なくなってきた。だからこそ…こうして視野を広げる事が出来るようになった」
部長「君の方にそのような感情があるとは思わない。しかし君もまた、ある種似たようなものを持っている」
武内P「…」
部長「無自覚な、小さな、小さな独占欲」
武内P「…」
部長「…高垣楓君の時のように、ね」
武内P「!!!」
部長「…今でも、高垣君は君を忘れていない」
武内P「…」
部長「引き離されたとしても、君から離れていったのだとしても、片時も君の事は忘れていない」
武内P「…」
部長「…あの時は、私の所で揉み消すことができた。しかし今度はそうもいかない」
武内P「…」
部長「私にはもう、君達を守ってやれるまでの発言権は無い。だからこうして警告することしか出来ない…それに…」
武内P「…」
部長「…もう、私も定年の身だ」
武内P「…高垣さんは…」
部長「…忘れたと思うかね?私はそんな事は微塵も感じないがね」
武内P「…」
部長「あの時のトラウマは、君にも彼女にも大きな傷を残した」
武内P「…」
部長「君も高垣君も、まだそれを忘れていない」
武内P「…」
部長「君はアイドル達の悩みを解決し続けた。だが君自身はどうかね?」
武内P「…」
部長「…そろそろ、自分自身と向き合ってみてはどうかね?」
武内P「…」
部長「…と!そういう思いも込めて、私は君を強く推薦した。…ああいや、実力もあるからこそ、だよ?」
武内P「…私は…」
部長「…あの話は、私と…数人しか知らない。高垣君もこの話の「核心」だけは心の許せる数人にしか語っていないようだ」
武内P「…」
部長「…いつの間にか、皆の心の中に封印され、暗黙の了解で皆が秘密にし続けている」
武内P「…」
部長「…さて、そろそろ昼休憩が終わるようだね。さあ、行こうか」
武内P「…部長」
部長「…何かね?」
武内P「…私は…」
部長「…」
武内P「…私は、変わりましたか?」
部長「…」
武内P「…」
部長「…変わったよ」
武内P「…」
部長「…また、接し易くなった」
武内P「…」
部長「…かな?」
ちひろ「…」
瑞樹「…」
早苗「…」
楓「…」
ちひろ「…私、どうしたら良いんでしょう?」
瑞樹「どうしたらいいって…」
ちひろ「プロデューサーさんが、この話を嫌がってるのは百も承知です」
早苗「っても、昇進でしょ?給料も上がるし、今までより好き勝手出来るじゃない」
ちひろ「違います。プロデューサーさんは…」
早苗「?」
ちひろ「プロデューサーさんは、これからは…人材を育成して…新人プロデューサーの教育を担当することになったんです」
瑞樹「あらあら…離されちゃうってこと…」
早苗「それだけ優秀って事でしょ」
ちひろ「はい。彼一人が仕事を作るのではなく、彼のような人材を増やして、さらに事業を発展させようという事らしいですが…」
楓「…」
瑞樹「…ふうん…」
早苗「…そっかあ…」
ちひろ「…?どうされたんですか?」
早苗「んーん。何でもないわ。若いのに大変ねえって」
ちひろ「…そうですね。私も正直、驚いています。…それに…」
瑞樹「…」
ちひろ「それに、今西部長も今年度末で定年を迎えられますし…」
瑞樹「あら…もうそんなに経つのね…」
早苗「そんなこんなでもう28だもんね」
瑞樹「アンタもね」
楓「…」
瑞樹「…あら、もうこんな時間?」
ちひろ「あ…そろそろお開きにしますか?」
早苗「そおねぇ。最近寒いし、さっさとベッドに入りたいわ」
ちひろ「それじゃ、お疲れ様でした」
早苗「はいねー」
瑞樹「また来週ね」
楓「お疲れ様でした」
早苗「…」
瑞樹「…」
楓「…」
瑞樹「…」
早苗「…」
楓「…」
瑞樹「…何かしらねぇ、本当」
早苗「アタシだってびっくりよ」
瑞樹「…」
楓「…」
早苗「…」
瑞樹「…」
楓「…私」
早苗「…」
瑞樹「…」
楓「…やっぱり、間違ってたんでしょうか」
瑞樹「…」
早苗「…」
楓「…私があの時…思いとどまっていれば…」
瑞樹「…貴方が正しい、だなんて言わないわよ」
楓「…」
瑞樹「…間違ってるとも、言わないわ」
楓「…」
瑞樹「…勿論…逆も然りだけれど」
早苗「よしなさい」
瑞樹「…」
楓「…」
早苗「それにそんなのもう前の事じゃない。今更どうしようもないわよ」
瑞樹「…そうね。結果論なのよ、そんなのは」
楓「…」
瑞樹「もう過去の事なのよ。…まあ…」
楓「…」
瑞樹「…貴方には、昨日の事のように思えるでしょうけれど」
早苗「…」
楓「…」
瑞樹「…」
早苗「ん…まあ、でも…」
楓「…」
早苗「完璧な人間なんて、いやしないからね」
楓「…」
瑞樹「みんなどこか、わがままな部分はあるものよ」
早苗「せいぜい悩み続ければいいわ。それくらいの方が、可愛げがあるってものよ」
瑞樹「菜々ちゃんは?」
早苗「そのうち開き直るでしょ」
楓「…」
瑞樹「…にしても、また思いきったものね。役員の人達も…あ、上の人達は知らなかったわね」
早苗「…ちょっと、理不尽な気もしないでもないわ」
楓「…」
瑞樹「…でも、もしあの時と同じだとしたら…?」
早苗「…なら、納得出来ないこともないわ。…まあ最も、あの子達次第なんだけどね」
瑞樹「…予防策ってこと?」
早苗「予防っていうよりは、防衛なのかしら?」
楓「…彼は、何も悪くありません」
早苗「バカね。…だから、防衛なのよ」
楓「…」
早苗「今西部長は、今も昔も彼の味方よ」
瑞樹「…そうね。アイドル…女性なら、まだ何とかなるのかもしれないけれど…」
早苗「彼…男性ならそうもいかないでしょ?その上彼はこの業界一筋でやってきた人間なんだから」
瑞樹「…どうかしらね。部長が守ってるのは、彼なのか、会社なのか…」
早苗「会社を守る事、それはすなわち彼をも守るってことよ。大は小を兼ねるって言うでしょ」
瑞樹「それ、正しい使い方なのかしら?」
早苗「大いに正しいわよ。この場合はね」
楓「…」
瑞樹「でも、その今西部長が定年退職となると…」
早苗「…」
瑞樹「…」
楓「…」
早苗「…よし!やめやめ!!」
瑞樹「…」
早苗「この話は今はこれでおしまい!…アタシらがここでブツブツ言ってても仕方ないでしょ?」
瑞樹「…そうね。ちひろさんにはアレだけど…たまにはウチに来なさい」
早苗「えー…」
瑞樹「何よ。アンタの家よりマシでしょ?」
早苗「だってアンタ汚したらすぐ怒るんだもん」
瑞樹「当たり前よ。何のために綺麗にしてると思ってるの?」
早苗「綺麗の為の綺麗?疲れる人生送ってるわねアンタ…ねー。楓ちゃん?」
楓「え?…あ、はい…」
早苗「…」
瑞樹「…」
楓「…はい…」
瑞樹「…」
早苗「…ね、楓ちゃん」
楓「…はい…」
早苗「分かってるとは思うけど」
楓「…」
早苗「…変なマネすんじゃないわよ」
楓「……」
瑞樹「…返事は?」
楓「…はい…」
早苗「約束よ?」
早苗「…」
楓「…はい」
瑞樹「…」
早苗「…」
楓「…」
楓「……」
楓「………!」
瑞樹「あ」
早苗「あ」
未央「…」
卯月「…」
未央「…」
卯月「…」
未央「…ねえ、しまむー」
卯月「…はい?」
未央「…みんなには、話した?」
卯月「…いえ、まだ…」
未央「だよね…」
卯月「…」
未央「…」
卯月「…プロデューサーさん、出世…するんですよね」
未央「…うん」
卯月「…じゃあ、良い事、なんですよね…」
未央「…うん」
卯月「…」
未央「…それにさ、分からないじゃん。杏ちゃんが大袈裟に言ってるだけかもしれないし」
卯月「…」
未央「専務だって、プロジェクトを立ち上げたでしょ?だったら、プロデューサーだって…」
卯月「…」
未央「…」
卯月「…でも…」
未央「…しまむー」
卯月「…はい…?」
未央「…私だって、絶対嫌だよ。そんなの」
卯月「…」
未央「…プロデューサーがいたから、ここまで来れたんだよ?」
卯月「…私も、です…」
未央「…それに…」
卯月「…」
未央「…しまむーも、でしょ…?」
卯月「…」
未央「…」
卯月「…分かりません」
未央「…そっか」
卯月「…でも…」
未央「…」
卯月「…違うだなんて、言えません」
未央「…」
卯月「…」
未央「…そう…だね…」
武内P「…」
武内P「…」ガチャ
武内P「…」
武内P「…」
杏「杏ならここにいるぞー」
武内P「!…双葉さん…もう夜も遅いですし、タクシーの方を…」
杏「えー…」
武内P「…」
杏「…プロデューサーの車がいいなあ。落ち着くんだよう」
武内P「…しかし、プロデューサーとアイドルが家まで同行するのは…それも一人暮らしの…」
杏「外は寒いんだよ。タクシーなんて待ってられないよ」
武内P「…分かりました。手配致しますので…」
杏「…そんなに嫌かなあ?」
武内P「…そうではありません。ただいつどこでカメラに収められているか、分からないものですから…」
杏「…あのさ」
武内P「…?」
杏「杏達に、何も隠してないよね?」
武内P「…」
杏「…」
武内P「…ええ」
杏「…」
武内P「…」
杏「……そっか…」
武内P「…では、タクシー会社に連絡を…」
杏「…」
武内P「それでは、お疲れ様でした」
杏「…ん」バタン
杏「…」
杏「…」
運転手「どちらまでですか?」
杏「…○○町、○○まで…お願いします」
運転手「はい。かしこまりました」
杏「…」
杏「……」
杏「………」グスッ
杏「………!!」ゴシゴシ
武内P「…」カタカタ
『私だ。入るぞ』コンコン
武内P「…ええ。どうぞ」
美城「夜遅くまでご苦労。…残業代もたまには請求したまえ」ガチャ
武内P「…専務も、お疲れ様です」
美城「うむ。…それは…?」
武内P「…後任の方への、引き継ぎにあたっての書類を…」
美城「…そうか」
武内P「…」
美城「…君にとっては、この昇進は望むものではなかった」
武内P「…」
美城「それは分かっている」
武内P「…」
美城「だが、分かってもらわねばならない。君の持っているものは、一社員に収まるものではない、ということを」
武内P「…」
美城「そして、その力は一人だけのものにしてはならない」
武内P「…」
美城「私と君は平行線。だが君の力は評価している」
武内P「…」
美城「だからこそ、君に辞令を出した」
武内P「…」
美城「君には将来的には…」
武内P「…」
美城「…」
武内P「…大丈夫です」
美城「…そうか」
武内P「…私は、この会社が好きですから…」
美城「…」
武内P「…」
美城「…返事は、もう少し待とう…」
武内P「…ありがとう、ございます」
武内P「…今西部長が、今年度末で定年退職されると…」
美城「そうだ。再雇用でという話もあったのだが…」
武内P「…」
美城「本人がそれを断った。理由は聞かなかったが…」
武内P「…そう、ですか」
美城「…彼は君を特別目にかけている。今日話した時も君を心配していたぞ」
武内P「まだ、経験も浅いですから」
美城「それは慣らせばいい」
武内P「…」
美城「…」
武内P「専務。一つ、聞いてもよろしいでしょうか」
美城「どうした?」
武内P「…私は、この仕事に向いているのでしょうか」
美城「結果を見たまえ。それだけだ」
武内P「…」
美城「少なくとも同期や同じ階級の社員より上の利益を出している」
武内P「…いえ。結果では、ありません」
美城「?」
武内P「…私は、人に本心を伝えるのが苦手です。そのせいか誤解を生む事が多かった気がします」
美城「前にも言ったことだが…そんなものは君が気をつければ済む話だ」
武内P「…」
美城「…」
武内P「…私は…」
美城「…」
武内P「…」
美城「…君が何を言いたいのかは分からない。ただもし言っておかなければならないなら言いたまえ」
武内P「…」
美城「…君に、それを話す機会が来たのなら」
武内P「…申し訳、ありません…」
美城「…うむ。それでは」
武内P「…はい」
武内P「…」カタカタ
『シンデレラガールズプロジェクト プロデューサー引き継ぎにあたって』
武内P「…」カタカタ
『シンデレラガールズプロジェクトとは…』
武内P「…」カタカタ
『アイドル達の個性を生かし、強めるプロジェクトを目指しましょう』
武内P「…」カタカタ
『POWER OF SMILE』
武内P「…」カタ…
『本当の、心からの笑顔をm』
武内P「…」
武内P「…」チラ
『辞令』
『課長補佐に昇進とす』
武内P「…」ペラ
『人材育成・教育課』
武内P「…」
武内P「…心からの、笑顔…」
『プロデューサー、私ね…?』
『あー!プロデューサーまた怖い顔してるー!笑顔笑顔!』
『アイドルの笑顔ですよ。ちゃんと笑えてます』
『ダメなんですか?誰かの為だけに笑ったら』
『プロデューサー、私…もう無理だよ』
『え…あの子が…?』
『ごめんね。アイドル失格だよね』
『…そんな…』
『…もう、会わないから。絶対に』
『…』
『…さよなら』
武内P「!!!」
武内P「…」
『AM6:00』
武内P「…夢…」
武内P「…」
武内P「…懐かしい…夢…ですね…」
武内P「…」
武内P「…私は…そんなつもりでは…」
武内P「…」
楓「…」
楓「…」
楓「…」
楓「…プロデューサー…」
楓「…」
楓「…今更、私は何を…」
楓「…こんな事しても…何の罪滅ぼしも…」
楓「…」
楓「…」
早苗『…変なマネすんじゃないわよ』
瑞樹『…返事は?』
楓「…川島さん、片桐さん、すいません…」
楓「…もしかしたら、破っちゃうかも、しれません…」
凛「ねえ、未央」
未央「ん…?」
凛「…最近、どうしたの?」
未央「な、何が?」
凛「未央だけじゃないよ。卯月だって…レッスンの時とか、今みたいに自由な時とか、そうやってボーッとして…」
未央「そう…かなあ?」
凛「そうだよ。それにプロデューサーの事祝うんじゃなかったの?」
未央「…ん…」
凛「…何かあったの?誘ったの未央なのに全然音沙汰無いし…」
未央「…」
凛「…もしかして、私にも言えないこと?」
未央「…言えない…わけじゃないよ」
凛「…言いづらい?」
未央「…うん」
凛「…そっか…」
未央「…」
凛「…」
未央「…他のみんなに話したりしない?」
凛「…」
未央「…」
凛「うん。しないよ」
未央「ホントに?」
凛「うん。しない」
未央「…あのね…」
凛「…」
未央「それでね…」
凛「…」
未央「私達、どうすれば良いのかなって…」
凛「…」
未央「だって、全部プロデューサーが始めたんだよ。そのプロデューサーがいなくなるんだよ?」
凛「…」
未央「…そんなの、やだよ」
凛「…」
未央「…」
凛「…そっか」
未央「…私、プロデューサーにいっぱい迷惑かけて、苦労させて…」
凛「…」
未央「…まだ、何も…恩返、し…出来て…」
凛「…うん…」
未央「…でも…杏ちゃんが…気にし過ぎてる…だけだって…自分に言い聞かせて…」
凛「…うん…」
未央「…でも、最近…プロデューサー…全然会わないし…もしかしてって…」
凛「…うん…」
未央「そんな…こと…ないって…でも…考えれば考える程…」
凛「…」
未央「…辻褄が合って…!」
凛「…」
未央「折角…これから…恩返し…しようって時に…!!」
凛「…」
未央「……ッッ!!!」
凛「…うん」
凛「…」
未央「…」
凛「…何て、言ったらいいんだろうね…」
未央「…」
凛「…プロデューサーの事だから、絶対断りそうだよね」
未央「…」
凛「…でも、私は……私は、それじゃダメな気がする」
未央「…?」
凛「…私もね、正直に言うと、離れたくない」
未央「…」
凛「でも、それじゃダメなんだよ」
未央「…どうして?」
凛「このままじゃ、多分…いつまでも私達はプロデューサーと離れられなくなる」
未央「…今までも、そうだったよ?」
凛「でも、プロデューサーの事を考えると…それじゃダメ」
未央「…」
凛「きっとこの人事は、プロデューサーが上にいく為のスタートだって」
未央「…」
凛「今までは私達がスタートの切符をきってもらってた」
未央「…」
凛「…次は、プロデューサーの番」
未央「…」
凛「…それじゃ、ダメかな?」
未央「…」
凛「…」
未央「…ダメじゃ…ない」
凛「…」
未央「…そんなの、分かってるよ」
凛「…」
未央「…でも…」
凛「…」
未央「…やだなぁ…」
卯月「…」
卯月「…」
卯月「…」
きらり「うっづきちゃあん!!」
卯月「ひゃっ!?」
卯月「す、すいません…びっくりしちゃって…」
きらり「卯月ちゃん最近静かだにぃ…元気からっからなのかなぁって…」
卯月「そ、そんな事ありませんよ!私、こーんなに元気です!」
きらり「…」
卯月「…」
きらり「…Pチャン?」
卯月「!」
きらり「にょっわー☆せーいかーい!!」
卯月「…」
きらり「…」
卯月「…」
きらり「…ね、卯月ちゃん。ここ、卯月ちゃんがレッスンしてた所?」
卯月「は、はい!研修生の方々がここで基礎レッスンをしているんです!私もここで…」
きらり「…」
卯月「…」
きらり「…あのね?きらりはね…?」
卯月「…」
きらり「…知ってるよ。何があったか」
卯月「えっ…」
きらり「だって…分かるもん。本当は、いけない事なんだって」
卯月「…」
きらり「きらり達は、アイドル…だから…」
卯月「…」
きらり「…」
卯月「…あの…」
きらり「…」
卯月「…一度、プロデューサーさんと、お話してみませんか?」
きらり「…」
卯月「…もし、このままお別れだとしても…」
きらり「…」
卯月「…このままは、嫌です…」
きらり「…」
卯月「…だから…」
きらり「…うん…」
翌日
瑞樹「…」
早苗「…」
友紀「…あの…」
菜々「…えっとぉ…」
楓「…」
友紀「…と、とりあえず…楓さん…その…」
菜々「…えっと…」
早苗「…」
瑞樹「…」
楓「…」
友紀「あ、あの、瑞樹さん…」
瑞樹「何かしら」
友紀「あ…えー…な、何で楓さん…お怪我を…」
早苗「…」
瑞樹「…」
友紀「あのー…」
菜々「…」
友紀「…」
菜々「…友紀さん、とりあえず出ましょう?」
友紀「えっ?」
菜々「ほら、ナナ達は退散ですよ」グイグイ
友紀「え?…あ、うん…」
早苗「…」
瑞樹「…」
楓「…」
菜々「終わったらカフェまで来てくださいね」
早苗「ありがと」
菜々「なら奢ってくださいね」
友紀「えっと…」
菜々「ほら行きますよ」グイグイ
友紀「あ、ちょ、ちょっとお…」バタン
瑞樹「…」
早苗「…」
楓「…」
瑞樹「…行った?」
早苗「…みたい」
瑞樹「…さて」
楓「…」
早苗「たったの一週間も守れてないじゃない」
楓「…」
早苗「いつもの悪ふざけじゃないわよ。本当に怒ってるから」
楓「…」
早苗「その怪我が無かったらアタシが引っ叩いてたわよ」
瑞樹「奇遇ね、私もよ」
楓「…ごめんなさい」
瑞樹「あら、言い訳しないのね」
楓「…」
瑞樹「…けど、してもらわないと困るのよ。この問題に関しては」
早苗「そうねぇ。猫と戯れてたくらいじゃこんなコブ作らないものね」
楓「…」
瑞樹「…まあ、言い訳はひとまず置いといて」
楓「…」
瑞樹「何があったのか、話しなさい」
楓「…」
瑞樹「…どうして、あの子に会いに行ったの?」
楓「…どうして…?」
早苗「…」
瑞樹「…」
楓「…分かりません。でも…」
瑞樹「分からないわけないでしょ。何か理由でも無ければ会いに行くような相手でもないわ」
楓「…ただ、私は、謝りたくて…」
早苗「謝ってどうするの?」
瑞樹「冷静に考えてみなさいよ。どんな別れ方したと思ってるの?」
楓「…」
早苗「お互いに誤解があるってのは知ってるわよ。けどアンタがそれを解きに行ったとこで解決するようなもんじゃないわ」
瑞樹「…ま、半分誤解で、半分正しいのだけれど」
楓「…私…」
早苗「また会いに行く?今度は何投げつけられるか分かんないわよ」
楓「…」
瑞樹「そうね。大方罵詈雑言の嵐をかけられたんでしょ?」
楓「…」
早苗「緊張すると無口になるアンタの悪い癖よ。それ、あの子の神経逆撫でしてるようなもんだから」
楓「…」
瑞樹「いずれにしても、それじゃ番組には出られないわね。こんな大きい帽子被ってきたもんだからびっくりしたわ」
楓「…」
早苗「…」
瑞樹「…彼女の誤解を解けば、今西部長もあの時の事を考え直してくれるって?」
楓「!」
早苗「あら、図星?」
楓「…」
瑞樹「…誤解、ね…」
楓「…」
瑞樹「そうやって、また自分を殺すつもり?」
早苗「誰も喜ばない結果になるだけよ。前みたいに」
楓「…」
瑞樹「…」
早苗「…」
瑞樹「…」
早苗「…もし、どうしてもって言うのなら…いn」
瑞樹「言うんじゃないわよ」ペシッ
早苗「…」
楓「…」
瑞樹「…そういうのって、そんな簡単なものじゃないのよ」
早苗「…簡単じゃないのは、知ってるわよ」
早苗「なら、アタシ達がどうにか出来る?信用あるって思えないんだけど」
瑞樹「そうね」
早苗「そうねって…ほっといたらまた傷増やすかも…」
瑞樹「背負ってくしかないのよ。一生」
早苗「…アタシ達全員後ろ指さされて生き続けろって?」
瑞樹「半分は事実なのよ?」
早苗「…」
楓「…」
瑞樹「早苗ちゃんの言葉を借りるなら、せいぜい悩み続けなさい」
楓「…」
瑞樹「…それは、貴方だけじゃないから」
楓「…」
早苗「…」
瑞樹「今日のところは帰りなさい。…ちゃんと家に真っ直ぐ、ね」
楓「…」
早苗「…」
瑞樹「…」
楓「…はい」
…。
早苗「…しかし、何だかまた嫌ーな空気になりそうね」
瑞樹「さあ、どうかしらね?」
早苗「要は彼をアイドル達と遠ざけて、適当な役職与えたって事なんでしょ?」
瑞樹「分からないじゃない。実力あってこその人事なのよ?」
早苗「他のオジンどもはどうなのかしらね。頭のかたーい役員達は」
瑞樹「せめて会社出てから言いなさいよ…」
早苗「…仮に、もしも彼が前みたいな事になっちゃったら」
瑞樹「…」
早苗「…今度はもう、どうにもならないかもしれないのよ?」
瑞樹「…」
早苗「誤解?たまたま?…そんなわけないわ」
瑞樹「…やめなさい」
早苗「…あの子はいつも、深く関わろうとして、それでいつも後悔するのよ」
瑞樹「…」
早苗「その結果性格まで変えて、自分を人形みたいにして」
瑞樹「…」
早苗「…ある意味、あの子も原因よ」
瑞樹「やめなさい」
早苗「アンタだって知ってるじゃない。忘れたなんて言わせないわよ」
瑞樹「早苗ちゃん」
早苗「…」
瑞樹「いい加減にしなさい」
早苗「…」
瑞樹「…今度は、違うはずよ」
早苗「…」
瑞樹「…彼は、変わったんだから」
早苗「…」
瑞樹「…私も、今日は真っ直ぐ家に帰るわ。それじゃあね」
早苗「…ん。じゃ」
早苗「…」
瑞樹『彼は、変わったんだから』
早苗「…」
早苗「(彼が変わった?)」
早苗「(…相変わらず、甘ったるい事抜かすのね)」
早苗「(どこが、どう変わったって言うの?)」
早苗「(あんなの、なーんにも変わってないのと一緒よ)」
早苗「(彼は、変わったんじゃないわ)」
早苗「(何にも、変わってない)」
早苗「(…ただ、元に戻っただけよ)」
前半終わります
後半はそのうち新スレ建てます
続き超気になるわ
待ってる
乙でした
乙
久しぶりに掲示板でSS読んだって感じがしたわ
後半もこのスレでええんでね?
おつん
数週間はスレ落ちないからここで続き書けるで
乙
思ってたより面白かった期待
2ヶ月でしょ
おっつ
作者の書き込み無しが2か月と、一切書き込み無しが1ヶ月だった記憶。間違ってたらすまん
最近ぶつ切りにしてすぐ新スレ立てる(立てようとする)のよく見るな
依頼出してりゃここのルール上問題ないとはいえちょっとモヤモヤするわ
武内Pと楓さんが絡むSSは高確率で話が重くなるという風潮…
ありだと思います
次スレ誘導がなされていればヒジョーに助かる
楓さんの話ってのは過去スレかアニメで語られたことなのかそれともぼかされてるのか
続き大いに期待乙
新作待ってた
あんた割とわかりやすい
28歳組の会話に特徴出てるよな
重い…
アニメに近い、巣立ちなのかね……
悲しいシリアス、救いがあればいいが
おお、あなただったか
珍しくシリアスだなー
これ書いてる人の他のssおちえて
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