*4回目やねん。生暖かく見守ってください
*話は続いてるけど、前作を見る必要はない……と思います。
*あらすじ:NGが漫才を……おや?
*漫才ってことで、ちょっと語調が強くなってます。
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イェスゥイー ガンガン ガンガン ガンガン ガンガン ガーン!!
卯月
「はにかみスマイリングです!」
美穂
「よ、よろしくおねがいしますっ!」
卯月
「美穂ちゃん! 今日はがんばっていきましょう!」
美穂
「は、はいっ! ががががんばりますっ!」
卯月
「美穂ちゃん、緊張で声が震えてます」
美穂
「す、すみません。漫才なんて初めてで……」
卯月
「美穂ちゃん、深呼吸ですよ。落ち着きましょう」
美穂
「は、はい……すー……ふぅー……すー……ふぅー……」
「…………すー…………」
卯月
「…………」
美穂
「…………すー」
卯月
「…………あれ?」
美穂
「…………くぅ」
卯月
「…………美穂ちゃん? 寝てません?」
美穂
「ふぁっ!? す、すみません!」
卯月
「漫才中ですよ!? しっかりしてください!」
美穂
「昨日緊張であんまり寝れなくて」
卯月
「う~ん……これは重症ですね」
「じゃあ、美穂ちゃん。ちょっと眼を閉じてもらっていいですか?」
美穂
「えぇっ!? 漫才中に寝ちゃってもいいんですか!?」
卯月
「寝ちゃだめです! 相方寝た状態で私一人漫談ですか!?」
美穂
「す、すみません! なんか頭もぼーっとして……」
卯月
「完全に睡眠不足ですね」
「今日の漫才大丈夫ですか? 体調が悪いなら中止します?」
美穂
「いえ! 大丈夫です。続けてください! 皆さんにご迷惑はかけられません!」
卯月
「本当につらかったら、いつでも言ってくださいね」
美穂
「はい。ありがとうございます、卯月ちゃん」
美穂
「ところで、目をつぶって何をしようとしたんですか?」
卯月
「でこピンです! 美穂ちゃん、寝たらピシっとやっちゃいますよ!」
美穂
「は、はい! むしろお願いします」
「寝てるところをお客さんに見られるのは恥ずかしいです……」
卯月
「それじゃあ、恥ずかしいところを見られないように頑張っていきますよ!」
美穂
「はいっ!」
卯月
「それでですね、美穂ちゃん。美穂ちゃんは何か憧れているものとかありますか?」
美穂
「…………すぅ」
卯月
「ちょっとお!? 舌の根も乾かぬ内にもう寝息たてちゃってるじゃないですか!」
美穂
「ふぇぁっ!? ち、違いますよ!? 寝てませんよ!」
「えっとアレですよね亜子ちゃんとカレー食べた話ですよね!? ちゃんと聞いてましたとも!」
卯月
「違いますよ! 亜子ちゃんとカレーじゃなくて、憧れているものですよ!」
卯月
「本当に大丈夫なんですか?」
美穂
「だ、大丈夫です! 昨日、実家に電話してお母さんに」
「私、明日漫才やるんだ! どっかんどっかん笑いを取って、会場を爆笑の渦で大嵐起こしちゃうから!」
「って言っちゃったんです!」
卯月
「ハードル上げ過ぎじゃないですか!?」
美穂
「だって、ハードルは高いほうがくぐりやすいって言うじゃないですか」
卯月
「それダメ人間の発想ですよ!」
美穂
「あ、杏ちゃんになんてこと言うんですか!」
卯月
「教えたの杏ちゃんなんですね!? 杏ちゃん! 美穂ちゃんを怠惰の道へ引き込むのはやめてください!」
卯月
「ふぅ……それじゃあ続けますけど、しっかりしてくださいね?」
美穂
「はいっ! もう大丈夫です! それで、憧れている人ですよね」
「私、小心者なので、堂々とした人にあこがれちゃいますね」
卯月
「堂々とした人ですか。私たちの事務所だと……ヘレンさんはすごく堂々としてますよね」
美穂
「あの……ヘレンさんは堂々とって言うより、我が道を突き抜けてると言った方が……」
卯月
「……結構言いますね美穂ちゃん」
「他に、堂々とした人というと……のあさんに、あいさんも堂々とした人ですよね」
美穂
「…………すぅ……ぐぅ……」
卯月
「……おーい。たった今まで普通に喋ってたじゃないですかよーう」
卯月
「いいですか会場の皆さん。ちょっと静かにしてくださいね。しー、ですよ」
「そー……っと。でこ……ピン!」
美穂
「うにゃ? ……どうかしましたか?」
卯月
「あ、あれ?」
「あ、あの……おでこ、痛くないですか?」
美穂
「えっと……別に。あ、あの、もしかしてでこピンしました?」
卯月
「あれぇ~? 何で痛くないんですか~?」
美穂
「あははっ。きっと卯月ちゃん優しすぎるんですよ」
卯月
「うう~……ちょっと悔しいです。今度、きらりちゃんか真奈美さんに訊いてみましょう」
美穂
「そ、それは……ケガしちゃう人が出ちゃうような……」
卯月
「それよりです! 美穂ちゃん、寝ないでちゃんと話を聞いてください!」
美穂
「ね、寝てません! ちゃんと聞いてましたとも!」
「ノーザンライト、つまり北極のオーロラの話ですよね?」
卯月
「ちがいますよ!」
美穂
「えっ!? あ、えっと、もしかして洋楽の……403って言うアーティストでしたっけ?」
卯月
「カッコいい曲ですよね! でも違います!」
美穂
「えーっと……ああ! 佐々木健介選手の!」
卯月
「ノーザンライトボムでもないです!」
卯月
「ノーザンライトじゃなくてのあさんにあいさんですよ!」
美穂
「イメージはあってましたね!」
卯月
「イメージあって……あー、うーん……んん~? 神秘的な感じ?」
「って、いやいやいや。どのみち間違いですから」
美穂
「えぇ~、そんなぁ」
卯月
「そんなぁ、って言いたいのは私です……」
卯月
「もぉ~、本当に大丈夫なんですか?」
美穂
「だ、だいじょうぶです! ちょっと頭がボーッとしてますけど、行けます行けます! クラスのみんな言っちゃったんですよ」
「ここでドカーンと笑いを取って、いつかエンタの神様に呼ばれてみせますよ!」
「って」
卯月
「だからなんでそんなハードル上げてきたんですか!?」
美穂
「だから、大丈夫なんです!」
卯月
「大丈夫な点が何一つ見つからないんですけど……じゃあ、続けますよ?」
卯月
「私はですね、大人っぽい、カッコいい女性にあこがれてるんですよ」
美穂
「大人っぽくてカッコいい女性……留美さんとか、礼さんはすごくカッコいいですよね」
卯月
「私たちと3つしか違わないのに、千秋さんもカッコいいですよね」
美穂
「そうですねー」
卯月
「私もいつか、あんなふうな……男の人を手玉にとれるような、魅力的な女性になれますかね?」
美穂
「…………くー……すやぁ……」
卯月
「さすがの卯月ちゃんも、激おこしまむーでちゃいますよこれ」
「もぉ~……あ、皆さん、ちょっと席外しますね、すみませんホント」
<チョットスミマセンスタッフサン ナニカタタクモノモッテマセンカ?
<デキレバオオキナオトノデルモノヲ……ア! アリガトウゴザイマス!
卯月
「すみません皆さん、お待たせし~ま~し~……たぁっ!」
美穂
「んあっ!? な、なんですか!?」
「は、ハリセン? そんな、いつの間にそんなものを……」
卯月
「美穂ちゃんが舟をこいでる間です。音が大きいだけで、あんまり痛くないハリセンらしいですよ」
美穂
「そうですね、びっくりしちゃいましたけど、痛くはないです」
卯月
「他にもいろいろ借りてきましたよ」
「メガホンに、スリッパ……ビラビラしたムチもありますよ」
美穂
「あの、卯月ちゃん……なんか、ちょっとワクワクしてませんか?」
卯月
「そんなことより! というか、大丈夫なんですか? 続けられますか?」
美穂
「だ、大丈夫です! 今度はちゃんと聞いてましたよ!」
「卯月ちゃんは男の人のタマを取りたいんですよね?」
卯月
「何言ってんですかぁ!」
「え? なんですかそれは? タマって何ですか? 命ですか命ですよねそういう意味のタマですよねそれ以外にありませんもんね!?」
美穂
「う、卯月ちゃん! 女の子がそんな……た、タマなんで大声で言っちゃだめですよ!」
卯月
「やめてください! お願いだからやめてください!」
卯月
「はぁ……はぁ……」
「えっとですね、美穂ちゃん。私は、男の人を、手玉に、取れる女性に、なりたいんです」
美穂
「えっ、卯月ちゃんがですか? う~ん……ごめんなさい、難しいと思います」
卯月
「まさかの正論に私泣きそうです」
美穂
「でもほら、卯月ちゃんはみんなに愛されるアイドルですから!」
「男の人を手玉に取って、最後の一滴まで搾り取るような卯月ちゃん、誰も見たくないですよ」
卯月
「私そこまで言ってないです」
美穂
「あっ! 卯月ちゃん。私、憧れているものがもう一つあるんです!」
卯月
「そうなんですか?」
美穂
「はい! えっとですね、まるでお母さんのように、柔らかく誰でも包み込んでくれる包容力があってですね」
卯月
「ふむふむ。誰でしょう?」
美穂
「それに包み込まれると、ついつい安心してうっとりしちゃうんです」
卯月
「……それ? 人に対してそれって使わな……って」
「その憧れてるものって、お布団のことですよね?」
美穂
「はい!」
卯月
「おうちかえって寝たいだけじゃないですかぁ~もぉ~~~」
卯月
「まったく! 美穂ちゃんと漫才はやってられません! やめさせてもらいますっ!」
卯月・美穂
「「どーも、ありがとうございましたー!」」
卯月
「この漫才はフィクションです!」
美穂
「事務所のみんな! 勝手に名前使ってゴメンなさーい!」
~終幕~
*居眠り漫才。他に適役がいる気もするが……気にしない!
思ったより短かった。まぁいいや。
今回はローテ漫才じゃなくて、普通のボケとツッコミの漫才です。普通の……普通?
乙!
ネタが面白いかというとちょっとアレだけど、かわいくて微笑ましいことは間違いないよ!
>>21 読んでいただきありがとうございます。素直に面白いと言わせるネタをひり出せるよう精進します。
乙
うづみほイイゾ~
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