千川ちひろ「あべンジャーズ」 (92)
映画「アベンジャーズ」のコラボというか、クロスというか、パロというか。
注意
南条光「アタシがアイアンマンだ」
南条光「アタシがアイアンマンだ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439229269/)
依田芳乃「マイティ・ヨシノでしてー」
依田芳乃「マイティ・ヨシノでしてー」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439777706/)
安部菜々「キャプテン・ウサミン ――ザ・ファースト・あべンジャー――」
安部菜々「キャプテン・ウサミン ――ザ・ファースト・あべンジャー――」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1440030051/)
モバP「インクレディブル・モバP」
モバP「インクレディブル・モバP」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441615783/)
以上、四作品の設定等を引き継いでいます。
すべてにおいて無茶苦茶なので、それでも構わない、という方のみお読みいただければ幸いです。
書き終わってはいるので、今日中には遅くとも明日中には投稿完了できると思います。
また、作品の性質上、悪役にせざるを得なかった人物が何名か居ます。もし、不快感を感じるようでしたら申し訳ありません。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1452076107
事務所
TV『日本にもビッグフットが?』ガヤガヤ
TV『いや、これはどちらかと言えば雪男でしょう!』ガヤガヤ
TV『そういうわけで今日はCGプロより、エスパーアイドル堀裕子さんにお越しいただきました!』ガヤガヤ
ちひろ「はぁ……うちの娘が出てる番組とは言え、くだらない……」ピッ
ちひろ「仕事しなきゃ……」
ちひろ「……」カタカタ
ちひろ(プロデューサーさんと卯月ちゃんの暴走から早一か月)
ちひろ(同時に目を覚ましたプロデューサーさんが行方不明になってから一か月)
ちひろ(プロデューサーさんが行方不明になったと聞いてうちの事務所は大混乱の渦に包まれた)
ちひろ(あるアイドルは涙を流し、あるアイドルは目からハイライトが失われてしまった)
ちひろ(まったくもう……どこに行ってしまったんですか!)
ちひろ「ん?」カチカチ
ちひろ「このヤ○オクに出てるこれって……!」
晶葉ラボ
晶葉「こうしてみたらどうだろうか?」
志希「んー……やっぱパワーが足りないかな~……」
晶葉「やはり地球全体をスキャンしようなんて無謀だったのだろうか……」
志希「正直、人間一人をこの広い地球から探そうなんてやっぱり至難の業だと思う」
志希「でも、やらなきゃ見つからないよね」
晶葉「そう、だな。すまない。志希」
志希「にゃっはっはー! 大丈夫! 時間はかかるかもしれないけど、天才とギフテッドが組んでるんだから怖いものなし!」
凛「お疲れ様、二人とも」
志希「お疲れ様~」
晶葉「お疲れ様だ」
凛「どう?」
晶葉「毎日来てもらって申し訳ないが、良い報告は出来ない」
凛「そっか……だよね。ごめん」
晶葉「どうしてもエネルギー源に問題があってな……」
ちひろ「私に任せてください!」ドアバーン
晶葉「ちひろさん! ラボを壊すな!」
ちひろ「あ、すみませんすみません」ヘコヘコ
ちひろ「それよりも朗報ですよ!」
志希「朗報?」
ちひろ「これです!」パカッ
凛「なに? これ」
晶葉「これは……!」
志希「まさか……!」
ちひろ「そうです! 菜々さんの話に聞いてた『四次元キューブ』です!」
晶葉「そんなバカな! どこでこれを!?」
ちひろ「企業秘密です♪」
ちひろ「どうですか? これなら、プロデューサーさんを探せますよね?」
晶葉「ああ……! この四次元キューブほどのエネルギー源があれば、必ず!」
志希「うーん、でもまずは安定させるために実験しないといけないかにゃ~?」
晶葉「だな。まずいは制御装置を作って、実験。安全性が確立さえすれば!」
凛「どれくらいかかりそうなの?」
志希「多分半年はかからないと思うけどなぁ~」
凛「そんなにかかるの!?」バンッ
晶葉「落ち着け! 凛!」
晶葉「ウサミンの話によるとこの『四次元キューブ』は本当に危険な代物なんだ」
志希「下手すると地球が滅ぶよねー」
凛「そんなに……」
ちひろ「……」フム
晶葉「焦る気持ちは分かるが、もう少し待ってくれ。きっと、助手を見つけてみせるから」
凛「うん……」ギリッ
晶葉「それに、まゆ達も独自に探しているんだろう? なぁに、きっとすぐに見つかるさ」
凛「そう、だね……」
ちひろ「あ、凛ちゃん! 仕事の時間ですよ!」
凛「え? もう?」アタフタ
ちひろ「じゃあ、プロデューサーさんの事、お願いしますね」
晶葉「ああ、任せておけ!」
一か月後 晶葉ラボ
晶葉「……」
志希「安定しないな~……」
晶葉「おかしい、何故だ……?」
志希「やっぱ解析が先じゃない? 今のままじゃ未知数過ぎて使い物にならないし」
晶葉「しかし、それでは時間が……」
志希「急がば回れってゆーからね」
晶葉「それもそうだな……」
同時刻 事務所
凛「……」ブツブツ
光「ただいまーっ!」
麗奈「レイナ様のお帰りよ!」
光「あれ? 珍しいな。誰も居ないのか?」
麗奈「まったく、このレイナ様が帰ってきたっていうのに出迎えも無しなわけ?」テクテク
麗奈「キャアッ!?」ビクッ
光「どうした! レイナ!」
麗奈「って……凛じゃない! 居たなら返事くらいしなさいよ!」
凛「ん……ああ、お帰り」
光「元気なさそうだけど、どうかした?」
凛「どうか? そうだね。どうかしてるかもね」
凛「プロデューサーが居なくなってもう二か月だよ!?」
凛「なのに手かがりは一切なし! これでどうもしないなんてそっちの方がおかしいよ!」
凛「はぁはぁ……」
麗奈「落ち着きなさいよ、凛」
凛「ごめん……」
光「だ、大丈夫だよ! 池袋博士も芳乃さんも探してるし、アタシだってアイアンマンスーツで飛び回ってるんだし!」
凛「それでも見つかってないんだよ!?」
光「ご、ごめんなさい!」ビクッ
凛「ごめん、当たるつもりはないんだけど……」
麗奈「もう今日は仕事無いんでしょ? もう帰りなさいよ」
凛「そうする……。ごめん」トボトボ
麗奈「相当堪えてる感じね」
光「そう、だな……」
麗奈「何凹んでるのよ。あんたは充分働いてるわよ」
光「ありがと……やっぱりレイナは優しいな!」
麗奈「はいはい……」
帰り道
凛「……」トボトボ
凛(プロデューサーが居なくなってもう二か月)
凛(晶葉や志希が科学的に、芳乃が非科学的な探し方をしているけど、見つかる様子はない)
凛「どこにいっちゃったの……? プロデューサー……」ポロポロ
ちひろ「凛ちゃん?」
凛「あ……ちひろさん……」
ちひろ「大丈夫?」
凛「うん……」
ちひろ「辛いですよね。もう二か月も経っちゃいましたもんね……」
凛「でも、仕方ないよ……」
凛「実際、私には待つしかできないし……」ウツムキ
ちひろ「待つ以外に方法がある、と言ったらどうしますか?」
凛「え?」
ちひろ「晶葉ちゃんと志希ちゃんのやり方ではまどろっこしすぎます」
ちひろ「私ならあの『四次元キューブ』をもっとうまく使えます」
凛「……?」
ちひろ「『四次元キューブ』にはとんでもない力が秘められています」
ちひろ「プロデューサーさんを見つけるのは副産物にしか過ぎませんが、私ならもっとうまく使えます」
凛「何が言いたいの?」
ちひろ「ちょっとお手伝いをしてくれませんか?」
ちひろ「そう、ちょっとだけ、ね……」ニヤリ
翌日 晶葉ラボ
晶葉「解析すら終わらないとは……」
志希「ごめん……これは無理にでも使った方が早いカンジ」
晶葉「仕方ない。トライアンドエラーしか手はないからな」
凛「晶葉」
晶葉「凛、か……。すまない。まだなんだ……」ウツムキ
凛「……仕方ないよ」
凛「今どこまで進んだの?」
志希「解析しようとして失敗したとこかな~……」ショボン
凛「失敗!?」
晶葉「すまない……」
凛「……仕方ないよ」
凛「うん。仕方ない。これはもう仕方ない」
晶葉「凛?」
凛「ねぇ、晶葉。『四次元キューブ』を見せてもらっていいかな?」
晶葉「それは構わんが」ポチッ
晶葉「ほら、これが『四次元キューブ』だ」ウィーン
凛「これが……」
志希「あー! ねぇねぇ! 晶葉ちゃん! これならどう!?」
晶葉「今行く!」
晶葉「また帰る時に声をかけてくれ。剥き出しにしといて良いものではないからな」
凛「うん……わかったよ」
晶葉「で、どうした?」
志希「ここをこう弄ればエネルギー節約できると思わない?」
晶葉「おぉ! これならたしかに……!」
凛「これが『四次元キューブ』……」
凛「仕方ないよね。晶葉達じゃいつまでたってもできないんだから……」ソッ
凛「これが、プロデューサーを見つける、最善手……」グッ
ビーッ! ビーッ! ビーッ!
晶葉「な、なんだ!?」
晶葉「って凛!? 何をしてるんだ!」
凛「もう晶葉達には任せられない。いつまでたっても失敗ばかりの晶葉達には!」
志希「なんかやばそうな予感が……!」
晶葉「危ないから戻すんだ! 早く!」
ちひろ「それが危ないなんて真っ赤な嘘ですよ」
晶葉「ちひろさん!?」
凛「……」ハイッ
ちひろ「ありがとうございます。凛ちゃん」
晶葉「な……!? どういうことだ!?」
ちひろ「晶葉ちゃん達はこの『四次元キューブ』の本質を理解していないんです」ヤレヤレ
ちひろ「だから、これは私が有効に使わせてもらいますね!」
ちひろ「じゃあ、行きましょう。凛ちゃん」テクテク
凛「うん」
晶葉「待て! 待つんだ、ちひろさん!」
志希「あ、もしもし? 光ちゃん? 今すぐアイアンマンスーツで動けるかにゃ?」
志希「ちひろさんを止めて!」
光『あ、ああ! わかった!』
ちひろ「では、私のラボまで移動しましょう」
凛「……」
ちひろ「大丈夫ですよ。必ずプロデューサーさんを見つけてあげます」
光『止まるんだ! ちひろさん!』シュウゥゥ
ちひろ「光ちゃんですか。邪魔しないで欲しいんですけども……」
光『事情は良くわからないけど、一ノ瀬博士から止めるように言われたんだ!』ガシャッ
ちひろ「仕方ないですね」ピッ
光『な!?』ガクンッ
光『なんで、急に動かなく……!』
ちひろ「光ちゃんは暴走しちゃう事もありますからね」
ちひろ「今のアイアンマンスーツには暴走抑止のために安全装置がついてるんです」
ちひろ「ちなみにこれがそのボタンです♪」
光『そんな……!』
ちひろ「さ、行きましょう」
光『凛さん!』
凛「っ……!」ビクッ
光『お願いだ! ちひろさんを止めて!』
凛「今の私にはちひろさんしか居ないから……」
凛「光のお願いは聞けない」
光『凛さん! 凛さーんっ!!』
ちひろ『四次元キューブ』奪取から3時間後
芳乃「……むぅ」
麗奈「どう?」
芳乃「禍々しき気配に阻まれたのでしてー……」
麗奈「ちひろの仕業ね……」
光「くそっ!」バンッ
光「ちひろさんは一体何を考えているんだ!」
晶葉「すまない……。私達の落ち度だ……」
晶葉「まさか、凛があんな強硬策に出るとは……」
志希「油断しきってたからねー……」
芳乃「確かに最近の凛殿は良くない気を溜め込んでおりましたー」
晶葉「助手を見つけられない私達に対する苛立ちだろうな……」
光「そんな! 池袋博士達はよくやってくれていたのに……!」
晶葉「だが、成果を挙げられていないのも事実だ」
志希「過程より結果の良い例だよね……」
菜々「ただいま戻りましたー……」ガチャ
晶葉「おかえり、ウサミン。どうだった?」
菜々「……」フルフル
菜々「途中まではまゆちゃんの協力もあって追えたんですけど……」
晶葉「そうか……」
晶葉「まゆは?」
菜々「なんか『もう怒りましたよぉ……。まゆの本気を甘く見ないでくださいねぇ……』って言い残してどこかに……」
麗奈「本気、ねぇ……」
志希「とりあえず、今後の事を決めない?」
菜々「そうですね! ちひろさんの事もですが、プロデューサーさんもちひろさんも居ない状態じゃお仕事もままなりませんし……」
晶葉「誰か統率をとってくれる人を探すべきかもしれん」
瑞樹「ただいま戻りました」ガチャッ
早苗「たっだいまー!」
麗奈「ちょうどいいところに大人が来たわね」
芳乃「でしてー」
菜々「ですね!」
光「お願いだ! 瑞樹さん! 早苗さん!」
早苗「は、はい? え? 何?」
瑞樹「よくわからないから事情を聞かせてもらえると嬉しいんだけど……」
~説明中~
早苗「なるほど……」
瑞樹「ちひろちゃんと凛ちゃんの暴走、ね……」
光「アタシが止めていれば……くぅっ……」
早苗「仕方ないわよ。予想できなかったし」
麗奈「そうよ。どうにもならない事態だったわ」
瑞樹「とりあえず、こうしていても仕方ないわね」
瑞樹「まず、普通にお仕事がある人は仕事しましょう」
瑞樹「P君が戻ってきたときに事務所が無くなっていたら笑えないわ」
早苗「そうね。それからちひろちゃんに関しては対策を練って対処しましょう」
早苗「まゆちゃんの所在も分からないし、今は個別の行動よりも集団で行動をとっていきましょう」
芳乃「混乱は避けたいのでしてー」
早苗「そういうこと」
瑞樹「とりあえず、対策班を作りましょう」
瑞樹「事務所に関しては大人組でなんとかします」
早苗「ちひろちゃんに関しては詳しく事情を知っていて、尚且つ超人的に動ける人の協力は必須ね」
瑞樹「となると、ここに居るみんな、よね?」
早苗「そうね。あとはせいぜいまゆちゃんかしら?」
麗奈「はぁ!? アタシも!?」
瑞樹「当然よ。今は人手が欲しいの」
麗奈「じゃあ、事務所の連中全員に手伝わせるべきじゃない?」
早苗「もちろん手伝ってもらうわよ。でも、メインに動くのはこの9人」
瑞樹「ほかの娘にはサポートに回ってもらいましょう」
早苗「でも、とりあえずは身動き取れるようにいろいろ調整ね!」
翌日 晶葉ラボ
晶葉「……」カチャカチャ
光「おはようございます!」
晶葉「……」カチカチッ
光「池袋博士?」
晶葉「ん? ああ、光か……。すまない、気付かなかった」
光「って! 凄いクマだぞ!? 大丈夫なのか!?」
晶葉「何……、なかなか寝付けなくて徹夜してしまっただけだよ」
光「じゃあ、寝ないと……!」
晶葉「……責任を感じてしまってな」
光「責任?」
晶葉「私が助手を見つけていれば凛もちひろさんもこんな事にはならなかったんだろうな」
晶葉「そう思うと何かせずにはいられなかったんだ」
瑞樹「それは違うわよ」
光「瑞樹さん!」
瑞樹「凛ちゃんが暴走したのはP君絡みかもしれないけど、ちひろちゃんの暴走はもっと別の要因よ」
晶葉「そうなのか?」
瑞樹「ええ、マキノちゃんと泉ちゃんに頼んで、事務所内のありとあらゆる情報を当たった結果、面白い映像が残っていたわ」
光「面白い映像?」
瑞樹「逃亡直後の凛ちゃんとちひろちゃんよ」ピッ
凛『これでプロデューサーを見つけられるんだよね?』
ちひろ『もちろんですよ♪』
ちひろ『でも、言ってあるようにプロデューサーさんを見つけるのは副産物に過ぎません』
ちひろ『この「四次元キューブ」にはもっと素晴らしい力があるんです』
ちひろ『例えばですけど、この地球のすべてが自由になるって言ったらどうします?』
凛『そんなこと言われても想像もつかないよ』
ちひろ『ふふっ。正直ですね』
ちひろ『でも、この「四次元キューブ」を使えば、地球だけじゃなく、宇宙すらも自由に出来るかもしれないんです』
凛『そんなに……!?』
ちひろ『はい♪ この世のありとあらゆる全ての頂点に、王になることも可能です』
ちひろ『私はもっと力を手に入れたいんです。そのために、協力してくれますね?』
凛『プロデューサーを見つけてくれるなら……!』
ちひろ『ありがとうございます』
光「な!? ちひろさんは宇宙の王にでもなるつもりなのか!?」
瑞樹「みたいね」
晶葉「ちひろさんがそんなことを考えていたのか……」
光「これは何としてでも止めないと……!」
瑞樹「とにかく、上まで来てちょうだい。早苗が皆を集めて待ってるわ」
CGプロ
早苗「さて、みんな集まったところで、ちひろちゃんに対する今後の対応を考えていくわよ」
早苗「まず、晶葉ちゃんと志希ちゃんは引き続き、P君捜索のために開発をすすめてくれる?」
晶葉「了解した」
志希「あいあいさ~」
早苗「次に光ちゃんと芳乃ちゃんは機動力を生かしてちひろさんの捜索をお願いね」
光「了解っ!」
芳乃「承知しましてー」
早苗「最後に麗奈ちゃんと瑞樹とあたしは全体のフォローとバックアップに回るわよ」
麗奈「レイナ様がバックアップなんて……と言いたいけど今回は仕方ないわね」
瑞樹「状況把握が肝心よね、わかるわ」
菜々「あ、あのー……」ソワソワ
早苗「どうしたの?」
菜々「ナナはどうすれば……?」
早苗、瑞樹「「……」」
麗奈「菜々は待機でしょ?」
菜々「がーん!」
早苗「仕方ないわよね。一応生身だし」
瑞樹「そうよね。かといってパソコンは使えないだろうし……」
晶葉「ウサミンはお留守番だな……」
菜々「はい……」
瑞樹「でも、菜々ちゃんには監視カメラの映像チェックをお願いしたいわ」
瑞樹「菜々ちゃんなら同時にいくつかの画面も追えると思うし」
菜々「……はいっ! ナナ、頑張っちゃいますよ!」
光「なぁ、瑞樹さん今適当に仕事与えてなかったか……?」ヒソヒソ
麗奈「余計な事言うんじゃないわよ」ボソボソ
早苗「じゃあ、行くわよ! なんとしてでもあたしたちの手でちひろちゃんを止めるわよ!」
アイドルズ「おー!」
二日後 CGプロ
菜々「うぅ……」
菜々「辛い……辛すぎます!」
菜々「このテレビを見てるだけってのも相当目に負担がぁ……」
菜々「どこか目に優しそうな画面を見ていよう……ん? んん?」
菜々「これって……!」
数時間後
光「まゆさんが見つかったのか!?」
早苗「らしいわね」
菜々「はい! 確かにまゆちゃんでした!」
晶葉「今、映像をマキノと泉に解析してもらっているところだ」ピローン
晶葉「おお、終わったようだな。結果が届いたぞ」
光「それで、本当にまゆさんなのか!?」
晶葉「98%一致……! まゆで決まりだ!」
早苗「よし、そうと決まればまゆちゃんとも合流して協力しましょう!」
早苗「光ちゃん、お願いできる?」
光「任せてくれ! まゆさんの元まで飛んでくる!」ダッ
日本国内とある山中
まゆ「うふふ……。やっとみつけましたよぉ」
P「……」
まゆ「Pさんは例えどんな姿になろうともPさんですよぉ」
P「どうしてここがわかったんだ?」
まゆ「愛の力ですよ」
P「本当の事を言ってくれ」
まゆ「うふ。智絵里ちゃんとゆかりちゃん、響子ちゃんが協力してくれましたぁ」
P「そうか……」
まゆ「さぁ、帰りましょう? Pさんが居なくなってから事務所のみんなPさんを心配してたんですよぉ?」
まゆ「もちろん、まゆが一番心配してましたけど」
P「嬉しいが、戻るわけにはいかない」
まゆ「……どうしてですかぁ?」
P「いつ、お前たちを傷つけるかと思うと怖いんだ」
まゆ「大丈夫ですよ。Pさんはそんなことしません」
P「仕方なかったとは言え、卯月に手を挙げたのは事実だ……」
まゆ「あの時は仕方なかったんです。ああしなかったら卯月ちゃんももっと酷いことになってました」
まゆ「最悪、死んでたかもしれません」
P「……かもしれない。だが、俺が卯月に手を挙げた事実は変わらない」
まゆ「……どうしても戻ってきてくれませんかぁ?」
P「すまない」
まゆ「仕方ないですねぇ。この手だけは使いたくなかったんですけど……」
P「その後ろ手に隠してる包丁で俺を刺すつもりか?」
P「なら無駄だよ。何度も自分で試したんだ」
P「でも、その度に『もう一人の俺』が出てくる」
P「駄目なんだ……」
まゆ「まゆがPさんを傷つけるなんてありえませんよぉ」スッ
P「……?」
まゆ「もう一度言います」
まゆ「戻ってきてください。Pさん」
P「……」
まゆ「分かりました。じゃあ、もうまゆは要らないですね」
P「な!? 何をする気だ!」
まゆ「Pさんに会えない人生なんてもう要りません。さようなら」ザクッ
まゆ「っ……」ダバッ
P「まゆ! 何をしてるんだ!」
まゆ「左手首、切っちゃいました……。でもいいんです。Pさんと会えない人生に価値はありませんから……」フラフラ
P「くそっ! きゅ、救急車を……!」
まゆ「ふふっ……こんな山奥じゃたすけなんてきませんよぉ……」
まゆ「さようなら……Pさん……まゆは、あなたにあえて幸せで……した……」ガクッ
P「まゆ! まゆ!」
P「頼む! 目を開けてくれ! お願いだから! なんでもするから!」ガクガク
まゆ「ん?」パチッ
P「ん?」
まゆ「今、なんでもするって言いましたよね?」クワッ
P「え?」
まゆ「言・い・ま・し・た・よ・ね?」
P「は、はい……」
まゆ「うふっ。なら一緒に事務所に戻りましょう♪」
P「まゆ……? 手は?」
まゆ「え? ああ。演技、ですよぉ」ケロッ
まゆ「まゆのPさんならアイドルが自分を傷つけようとすれば絶対に止めてくれると信じてました」
まゆ「なので、智絵里ちゃんお手製の血糊が入った袋をあらかじめ響子ちゃんにリボンの中に縫い付けてもらったんです」
まゆ「あとはゆかりちゃんに演技指導をしてもらいました」ドヤァ
P「な……」
まゆ「うふっ……。まさかPさんともあろう人が自分の発言を曲げたりはしませんよね?」
P「はい……」
ゴオォォォ…… ガンッ……
まゆ「ちょうどお迎えもきたみたいですし、一緒に帰りましょうね?」
P「はい……」
光『まゆさん! ここか!?』
まゆ「はい、ここですよぉ」
光『一度事務所に……って、Pさん!?』
P「お、おう! 久しぶり……!」
光「え? どういうことなんだ……?」カシュッ
まゆ「大丈夫ですよぉ。Pさんは説得済みです。一緒に戻ってくれますよ」
まゆ「さぁ、もどってちひろさんにお仕置きを。そして凛ちゃんはしばき倒しましょう?」
事務所
P「や、やぁ! みんあ! 久しぶりだね! 元気だったかい!? ボクは元気さ! ははっ!」
早苗「P君」
P「おやおやー。そんなに怖い顔してどうしたんだい? カワイイ顔が台無しだよ」
瑞樹「正座」
P「おーっと、瑞樹さんもせっかくの美人が台無しだゾ☆ さぁ、笑顔笑顔♪」
麗奈「いいから正座しなさい」
P「はい……」スッ
晶葉「説明してもらおうか」
P「病院抜け出してから、一目のつかない山奥を転々としてました……」
志希「あれ? じゃあここ最近のUMA騒ぎってもしかして~?」
P「UMA? なんのことだ?」
芳乃「おそらくそなたのことかとー」
光「はい、週刊誌」
P「何々? 現代日本のUMA! ビッグフットを追え……?」
まゆ「目撃情報があったところはPさんが潜んでたところばかりですよぉ」
P「あー……。多分俺だな」
早苗「まったく……通りでどれだけ探しても見つからないわけだわ……」ヤレヤレ
瑞樹「そうね……日本の街という街を探してたものね……」
芳乃「わたくしもー探す場所を間違えておりましたー」
光「ん? じゃあまゆさんはこのUMAがPさんだと知ってたのか?」
まゆ「いえ……。まゆも確信はなかったんですけどぉ、ゆかりちゃんが『最後に聞こえた音が植物をかき分けるような音』って言ってたので」
麗奈「ふーん……。やっぱりゆかりは耳が良いのね」
菜々「あれ……? 最後に聞こえた……?」ハテ
まゆ「菜々さん? 世の中には知らなくていい事もあるんですよぉ」ニコッ
菜々「は、はいっ……!」
菜々(これってゆかりちゃんがPさんを盗聴してたってことじゃ……! 軍に居た頃、よく見た光景な気がします!)
瑞樹「はぁ……とにかく、P君はあとでみんなに謝る事」
P「はい……」
早苗「ま、いいわ。P君も戻ってきたことだし、本格的にちひろちゃんに対処しましょ」
まゆ「凛ちゃんはPさんが戻ってきたことを知ればすぐ来ると思いますよぉ」
晶葉「そうだな。そのためにも助手が戻ってきたことをそれとなく世間にアピールしよう」
まゆ「まぁ、戻ってきたら一通りしばきますけど……」ボソッ
菜々(不穏な発言が……)
瑞樹「そこは大丈夫よ。すでに仕事のある娘達にそれとなくテレビでP君が戻ってきたことを言うように指示を出してるわ」
早苗「じゃあここからはちひろちゃんに当たりましょう」
芳乃「まずはーちひろ殿の行方を探る事が先決かとー」
瑞樹「そうね。ラボがどこにあるのか探らないと」
P「ん? ちひろさんのラボのことか?」
光「Pさん、知ってるのか?」
P「デスこら太のあった奥の部屋だろ?」
アイドルズ「え!?」
P「なんだ、むしろ知らなかったのか?」
早苗「ま、またしても……」
瑞樹「灯台元暗しね……」
芳乃「でしてー……」
菜々「じゃあ、場所が分かったなら行きましょう!」
CGプロ ちひろラボ
P「ほら、ここだよ」ガラッ
ちひろ「おや、ずいぶん遅かったですね」
麗奈「ちひろ!?」
ちひろ「あれ? プロデューサーさん見つかったんですね。おめでとうございます♪」
光「ちひろさん! 今すぐ『四次元キューブ』を渡すんだ!」
菜々「そうですよ! あれは人間が持って良いものじゃないです!」
芳乃「少々おいたが過ぎたようでしてー」
ちひろ「ごめんなさい。今は手元にないんです」
ちひろ「ここにも必要なものを取りに来ただけですから」
ボカーンッ……!!
P「爆発音!?」
晶葉「まずい……! ラボか!」
ちひろ「はい♪ 今頃は凛ちゃんが晶葉ちゃんと志希ちゃんの研究を盗み出しているところですよ」
晶葉「くっ……!」ダッ
P「晶葉! 待て! 危ないぞ!」
菜々「ナナが行きます!」ピョンッ
麗奈「じゃあこっちはちひろをとっちめましょうか」
光『これも正義のためなんだ……!』パシッ
芳乃「でしてー」ブンッ
ちひろ「そうはいきません♪」カチッ
デスこら太「ぴにゃあああああぁぁぁぁぁ!!」
P「こいつは、デスこら太!? なんで!?」
ちひろ「『四次元キューブ』は本当に凄まじい力を持っていますよね」
光『ここはアタシが食い止める! だからPさんはちひろさんを!』
P「おう! いくぞ! 芳乃!」
芳乃「わたくしにお任せをー」
光『こっちだ! 来いっ!』
ちひろ「うーん。芳乃ちゃんにプロデューサーさんが相手ですか。困りましたね」
P「おとなしくしてもらおうか」
芳乃「己の罪を償う時でしてー」
ちひろ「じゃあこれはどうでしょう?」ピッ
モニター『うわあぁぁん……! せんせぇ……! せんせぇ……!』
モニター『大丈夫…………P……必ず……来てくれる……!』
P「これは……!」
ちひろ「さっきの爆発で巻き込まれちゃったみたいですね」
P「ちひろおおぉぉぉ!!」ドクンッ
P「っ……!」ドクンッドクンッ
P「ぐっ……がぁ……」ガクッ
芳乃「落ち着くのでしてー、そなたー」
P「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
麗奈「やばい……!」
麗奈「芳乃! Pをなんとかして! ちひろはアタシがなんとかするわ!」
芳乃「承知しましたー」
芳乃「わたくしがーP殿を引き離します故―よしなにー」
ちひろ「おや? なんの力もない麗奈ちゃんが私をどうするつもりですか?」
麗奈「どうするもこうするも止めるのよ」
ちひろ「はぁ……これだから頭の悪い娘は困るんです」ヤレヤレ
麗奈「なんですってぇ!?」
ちひろ「えいっ♪」ブンッ
麗奈「がっ……!」バキッ
麗奈「くそっ……ちひ……ろ……」ガクッ
ちひろ「あら、ちょっと小突いただけなんですけどね」ピロンッ
ちひろ「ちょうどデータのダウンロードも終わったみたいですね。ありがとうございます、凛ちゃん」
ちひろ「さて、じゃあ私は最後の仕上げにかかりますか」スタスタ
晶葉ラボ
凛「なんのつもり?」ギロッ
まゆ「凛ちゃんをしばこうかと」
まゆ「ちょぉっとおいたが過ぎるんじゃないですかぁ?」
凛「ちひろさんはプロデューサーを見つけてくれるって約束してくれたから」
凛「私はもう待てないの! このデータさえ送ればプロデューサーは私のところに帰ってきてくれる!」
まゆ「はぁ……これだから『蒼い』娘は……」ヤレヤレ
凛「やろうっての? 今の私はまゆが相手でも手加減できないよ」
まゆ「Pさんならすでに戻ってきてますよ」
凛「え?」
まゆ「ですから、Pさんなら帰ってきてます」
凛「……嘘だ」
まゆ「嘘なんかじゃありませんよぉ」
まゆ「ちゃぁんと『まゆが』見つけました。『まゆの』プロデューサーさんを」
凛「嘘だ……嘘だ嘘ウソ! 嘘に決まってる!」
凛「じゃあ私がしたことは何なの? みんなを裏切って事務所を爆破して……!」
まゆ「だから、まゆがお仕置きしてあげます♪」
まゆ「ちゃんと罪を償ってください」スパーンッ
晶葉ラボ 途上
薫「うわあぁぁん……! こわいよぉ……!」
雪美「泣いちゃ……ダメ……。逃げる……」
みりあ「でも……がれきに塞がれて逃げれないよ……」
雪美「……」ジワァ
菜々「ウサミンパワー!」バキッ
菜々「大丈夫ですか!?」
薫「菜々お姉ちゃーん……!」ガシッ
雪美「菜々……」ガシッ
みりあ「菜々さん……来てくれたんだね……!」
菜々「さぁ、ここは危ないです! 早く安全なところに!」
雪美「菜々……一緒……」グッ
菜々(くっ……! 凛ちゃんも気になりますけど、今はこの子達を優先しないと!)
菜々「ハイッ! じゃあ一緒に行きましょう!」
ちひろラボ 外
デスこら太「ぴにゃあああああぁぁぁぁぁ!」キュイーン
光『くらえっ!』バシューン
光(効果が薄い! リパルサーレイじゃダメか!?)
早苗『光ちゃん!? 聞こえる!?』
光『早苗さん!?』
早苗『晶葉ちゃんが前に芳乃ちゃんがデスこら太と戦った時のデータを転送してくれてるわ!』
瑞樹『転送に時間がかかるみたいだから、とりあえず要点をまとめるわね』
光『助かるっ!』キュイーン
瑞樹『とりあえず物理で殴れ! 以上よ!』
光『そんな無茶な!?』
光(でもやるしかないか……!)
光『くらえっ! 熱血アタック!!!』
ちひろラボ 内
芳乃「そなたーそなたー、落ち着くのでしてー」ヒラッ
P「うがああああぁぁぁあ!!!」ブンッ
芳乃「このままではー、ちひろ殿の思うつぼでしてー」フワッ
P「があああぁぁぁぁぁ!!」ブオンッ
芳乃「きりがないのでしてー……」ヒラリッ
芳乃「少々痛むかもしれませぬがー」
芳乃「お仕置きでしてー」ブンッ
P「!?」バキッ
芳乃「これもそなたの悪しき気を祓うためー」バリバリッ
P「あばばばばばば」シビシビ
芳乃「頭を冷やしませー」ブンッゴンッ
P「おごっ! おぶっ! ぼげぇっ!」
P「が、があぁ……うごっ……」バタリ
芳乃「ふー、一仕事終えましてー」
1時間後 CGプロ 事務所
瑞樹「状況は?」
早苗「ちひろちゃんは逃亡。また行方をくらましたわ」
志希「プロデューサーは芳乃ちゃんにボコられて気絶中~」
菜々「晶葉ちゃんは『アイアンマン』の改良中です!」
芳乃「光殿は麗奈殿に付き添っておられますー」
芳乃「清良殿も看てくれているので、当面は大丈夫かとー」
瑞樹「そして凛ちゃんはまゆちゃんからお仕置き中、っと……」
早苗「被害しかないわね」ヤレヤレ
瑞樹「そうね……ちひろちゃんの次の動きが読めない分、こちらも身動きがとれないし……」
志希「事務所の娘達も軽いパニックになってるから事務所から出せないしね~」
菜々「困りましたね……」
早苗「世界支配なんて本当に大それたことを考えたもんよね」
瑞樹「それだけの力があの『四次元キューブ』にはあるんでしょうね……」
CGプロ別室
まゆ「うふっ」
凛「……」
まゆ「強情ですねぇ。知ってる事全部吐けばいいんですよぉ」
凛「だから、何も知らないんだって……」
まゆ「本当ですかぁ?」
凛「私はプロデューサーを見つけてくれるってちひろさんが言ったから……」
まゆ「それは何度も聞きました」
まゆ「まゆはそういうことを聞いてるんじゃんくて、ちひろさんが何をしでかすつもりなのか聞いてるんですよぉ」
凛「私にもわからない……」ウツムキ
まゆ「はぁ……仕方ないですねぇ……」
CGプロ 医務室
麗奈「……」
光「……レイナ」
光「敵は……敵はとるからな」
光「全部終わったら、また一緒にどっか遊びに行こう」
光「だから……! 早く目を覚ましてくれっ……! レイナ……!」
CGプロ 晶葉ラボ
晶葉「……」ジジッ
晶葉(なぜ、ちひろさんはこのタイミングで事務所に戻ってきたんだ?)カチャカチャ
晶葉(単純に考えて、超人が集まっているこの事務所に近づくのは危険なはず)カタカタ
晶葉(よほどの自信があったのか、もしくは……)
晶葉「ここでないといけない理由があった、のか……」
CGプロ 事務所
瑞樹「こうしていても仕方ないわ。とりあえず、出来る事をしましょう」
早苗「出来る事と言っても、ちひろちゃんの捜索くらいよね」
志希「みんなの避難もしとくべきかも?」
菜々「探すって言ってもどうします? 光ちゃんのアイアンマンはデスこら太戦でズタボロですし……」
芳乃「わたくしもー此度ばかりは失せ物がみつかりませぬー……」シュン
瑞樹「地上をしらみつぶしにってわけにはいかないものね……」
瑞樹「どこかに当たりをつけないとね……」
早苗「ま、その前に事務所の娘を非難させましょうか」
志希「晶葉ちゃんのラボが一番安全かにゃ~?」
瑞樹「そうね……。菜々ちゃんが寝てたところが一番被害少なくて済みそうだわ」
菜々「じゃあ、移動させましょうか!」
晶葉「分かったぞ!」ドアバンッ
瑞樹「晶葉ちゃん!?」
早苗「わかったって、ちひろちゃんの居場所が?」
晶葉「ああ……! ちひろさんはおそらく、女子寮の屋上に居る!」
菜々「なっ……!」
晶葉「おそらくだが、私の空間転移装置が目的だろう!」
晶葉「作ったのは良いが、エネルギーがなくて動かせなかったのだが、『四次元キューブ』があれば動かせる!」
芳乃「ほー……」
凛「それ本当?」ガチャ
まゆ「ならさっさとちひろさんにお仕置きしないといけませんね」
瑞樹「まずいわね……今日、オフで女子寮に居た娘には危ないから出ないようにって伝えちゃってるわ……」
早苗「裏目に出ちゃったわね……」
光「……アタシが先行する!」
光「池袋博士、『アイアンマン』は!?」
晶葉「新型は最終調整がまだだ……、終わり次第すぐに出す!」
光「わかった! すぐ行ってくる!」ダッ
凛「待って! 私も行く!」
光「でも……!」
凛「迷惑かけっぱなしじゃ皆に顔向け出来ない……お願い……」
光「わかった……!」
晶葉「なら、これを持っていけ」ブンッ
凛「これは……?」パシッ
晶葉「矢の先端に可変ギミックを搭載した私特性の弓矢だ」
凛「弓なんて使ったことないよ」
まゆ「凛ちゃんってスナイパーぽいから大丈夫じゃないですかぁ?」
凛「そんな理屈……でも、ありがとう!」
凛「じゃあ、行こうか、光!」
光「おう!」
菜々「ナナもいきますね!」ダッ
まゆ「まゆも行きますよぉ」シュタタタ
芳乃「わたくしもー」トコトコ
早苗「ちひろちゃんはあっちに任せて、私たちは避難誘導させましょう!」
瑞樹「ええ!」
女子寮 屋上
ちひろ「ふふ……さすが晶葉ちゃんです」
ちひろ「まさか女子寮の屋上に空間転移装置の試作品を保管してるなんて……」
ちひろ「エネルギー不足で使いこなせなかったみたいですが、この『四次元キューブ』があれば……」
光『そこまでだ!』キュイーン
光『な……!? バリア!?』
ちひろ「無駄ですよ」
ちひろ「この『四次元キューブ』には多くの知識が詰まってます」
ちひろ「いえ、『真実』というべきかもしれません」
ちひろ「そして、その『真実』を使えばこの程度簡単なことです」
光(ダメか……、でも今は時間を稼がないと……)
光『ちひろさん、一度話し合おう!』
光「人は話せば分かり合えるはずだ!」カシューンッ
ちひろ「私を前にしてアイアンマンスーツを脱いで良かったんですか?」
光「さっきのデスこら太戦でもう動くだけだったし、ちひろさんを脅すのにスーツは必要ないさ!」
ちひろ「あら、私を脅してるんですか」
光「ああ!」
ちひろ「それは怖いですね」クスクス
光「ああ……怖いぞ!」
光「何せちひろさんは怒らせちゃいけない人を残らず怒らせたからな」
光「現代に蘇ったスーパーソルジャーの菜々さんに、神様みたいな芳乃さん」
光「蒼の力の凛さん、それに紅い力のまゆさん」
光「超人ハルクと化したPさん、それに無敵のスーツのアタシを!」
ちひろ「みんな顔なじみなので、よく知ってますよ♪」
ちひろ「でも、そんな人達も怖くないくらいの力が今の私にはあるんです」
ちひろ「それに、もう時間です。大いなる力の目覚めの時ですよ」
ゴゴゴゴ……
光『これは……!』
ワラワラワワ……
ちひろ「これが大いなる力の正体……圧倒的な武力です♪」
ぴにゃっぽい奴ら「「「「ぴにゃあああああぁぁぁぁぁ!!!」」」
ちひろ「生身の光ちゃんじゃどうにもなりませんよ」
ぴにゃっぽい奴「ぴにゃあああぁぁぁぁ!」ブンッ
光「くっ……!」バッ
ちひろ「飛び降りて逃げるとは……無茶苦茶ですね」
光(やっちゃった……スーツなかったんだった……)
光(アタシ、死ぬのかな……レイナ、ごめんな……)
キランッ……
光(あれは……!)
晶葉『光! すまない! 今送った!』
光『さすが池袋博士! ナイスタイミングだ!』カチャカチャ シュイーンッ
ちひろ「この高さなら死んじゃうかもしれませんね……」フゥ
光『その心配はないぞ!』ゴオォォォッ
ちひろ「アイアンマンスーツ……!?」
光『池袋博士の最新作だ!』
光『そして言い忘れてたけど、ちひろさんが怒らせたアイドルがもう一人いる』
ちひろ「……」
光『ちひろさんはレイナも怒らせたんだ。アタシの親友を!』
光『その罪! 償ってもらう!』
ちひろ「余裕があればいいですね」
光『え?』
デスこら太サイズの空飛ぶ何か「びにゃああああああああぁぁぁ!!!」ゴゴゴゴ
光『くっ……! とりあえず引きつけるか!』バシューン
ちひろ「さぁ、次々送り込んでもらいましょう♪」
女子寮 前
菜々「な、なんですかあれ!」
まゆ「ぴにゃこら太……?」
芳乃「悪しき気をまとっていますのでー、ぴにゃこら太殿ではないかとー……」
凛「とにかく避難を急ごう!」
凛「光がひきつけてくれているうちに、なるべく早く……!」
光『Pさん! Pさんは居ない!?』ザザッ
菜々「プロデューサーさんはまだ医務室のはずです!」
光『来たら教えてくれ!』ザザッ
まゆ「わかりましたぁ」
菜々「避難急ぎましょう!」
女子寮 上空
光『引きつけたけど、どうすれば……!』ビーッ
晶葉『無理だな……こちらのエネルギーがきれてしまう……』
光『でも、なるべく引きつけておかないと避難が……』
晶葉『ウサミン達が頑張ってくれているが……』
女子寮 前
まゆ「早く晶葉ちゃんのラボまで!」
あずき「逃亡大作戦だよ!」タタタ
忍「いいから走る!」
穂乃香「ぴにゃこら太がいっぱい……!」パァッ
柚「危ないよ!?」
凛「くっ!」パシュッ
菜々「せいっ!」バキッ
芳乃「えい、でしてー」ゴンッ
まゆ「きりがないですね……」ザシュッ
凛「やっぱりあの穴をふさがないと駄目かな」
P「おー、お待たせーすまんすまん」テクテク
まゆ「うふっ……来てくれると待ってましたよぉ」
凛「光? プロデューサー来たよ」
光『わかった! 愉快な仲間を連れていくからPさんによろしくって言っておいて!』
菜々「なんか愉快な仲間がくるらしいですよ?」
P「あれかな?」ユビサシ
芳乃「ほー……!」
菜々「デカッ!」
P「ふむ」ゴキゴキ
P「お前らに俺の秘密を教えてやろう」
P「ガチャもガシャも爆死するせいで、俺は常に怒っているんだ」
光『Pさん! 後頼んだ!』
P「ぐおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」ドゴンッ
デスこら太サイズの飛ぶ何か「び、びにゃあああぁぁぁ……」
光『た、たすかった……』
芳乃「でも、これでー」
凛「みんな揃ったね」
まゆ「うふっ……」
P「うがぁ!」
菜々「……ハッ!」
菜々「あべンジャーズ、アッセンブル!」キャハッ☆
凛、まゆ「「……」」
菜々「じょ、冗談ですよ!」
菜々「と、とにかく!」オホンッ
菜々「今はこの状況をどうにかしましょう」
菜々「光ちゃんはこの敷地から出るぴにゃっぽい奴らを押し戻すか、灰にして下さい!」
菜々「凛ちゃんは高いところからのサポートを!」
光『了解!』
凛「運んでくれる?」
光『ああ、いくぞ!』バシュッ
菜々「芳乃ちゃんはあの穴から出てくる敵を、雷でしびれさせてあげてください!」
芳乃「承知しましてー」ブンブンッ フワッ
菜々「まゆちゃんはナナと一緒にここで事務所に向かう敵を倒しますよ!」
まゆ「わかりましたぁ」チャキッ
菜々「プロデューサーさん!」
P「があっ!」
菜々「暴れてください!」
P「うおおぉぉぉっ!」ブンッ
光『くらえっ!』キュイーン
凛『そこっ……!』パシュッ
芳乃「それではいきましてー……」
芳乃「えい、でしてー」バリバリッ
P「うがああぁぁぁ!」ブオンッ
P「があっ!」ボカッ
まゆ「邪魔ですねぇ……」ザシュ
菜々「キャハッ!」バキッ
晶葉ラボ
瑞樹「避難は!?」
早苗「今点呼中!」
晶葉「この調子ならなんとかなりそうだが、あの穴をふさがないとどうにもならないな……」
志希「んー……ちひろさんなら保険をかけてそうだけどねぇ~」
晶葉「どこかに安全装置があるのか?」
志希「わかんにゃいけどー、ちひろさんって本当にヤバい橋は渡らなくない?」
こずえ「ふわぁ……ぼたん、たくさん……」ピッ
ビーッ! ビーッ!
晶葉「な、なんだ!?」
晶葉「ウサちゃんロボが勝手に……! ってあれは!?」
志希「どうしたのかにゃー?」
晶葉「地球破壊爆弾を積んだウサちゃんロボだ!」
瑞樹「はぁ!? なにそれ!? ドラえもんの!?」ギョッ
早苗「なんでそんなもんあるのよ!?」
ウサちゃんロボ『目標、設定、起動します』ウィーン バシュッ
こずえ「ふわぁ、とんだよぉ……」
光『あー! もうキリがない!』キュイーン
晶葉『みんな! 聞こえるか!』
菜々「どうしました!?」バキッ
晶葉『まずいことになったぞ……!』
凛「忙しいんだから、もったいぶらずに早く」シュパッシュパッ
晶葉『地球破壊爆弾を積んだウサちゃんロボがそっちに向かっている……!』
まゆ「はい?」ピタッ
芳乃「ほー……それは一大事でしてー……」ゴンッ ガンッ
光『……! 捨てるにはちょうどいいところがあるぞ!』
晶葉『それは本当か!』
光『アタシがあの穴の中に捨ててくる!』
光『到着までは!?』
晶葉『二分ないくらいだ!』
光『わかった!』
光『Pさん! こいつ頼んだ!』シュイーンッ
P「がああああぁぁ!」ドゴンッ
光(あの穴の中がどうなってるか分からないけど……!)
光(行くしかない!)シュイーンッ
ウサちゃんロボ『ピピピッ』
光『あれだな!』ダキカカエ
光『アタシはこいつを捨てるから、みんなはあの穴の方を頼む!』
光『うおおおおぉぉぉぉ!』
女子寮 屋上
ちひろ「そんな……こんなはずじゃ……」ヨロヨロッ
ちひろ「おかしい……私は今頃世界の王に……神になっているはずなのに……」
P「……」ズンッ
ちひろ「ぷ、プロデューサーさん……!」ビクッ
ちひろ「ち、近寄るな! 私は神ですよ!」
P「……」パシッ
ちひろ「え?」
ブンッ ゴンッ バキッ ボコッ
ちひろ「かはっ……」
P「それでも神か」ポイッ
菜々「えいっ!」バキッ
凛「びくともしないね」
菜々「困りましたね」
まゆ『だ、だれかぁ、手が空いてたら助けてくださいー!』
凛「なにやってんの?」
まゆ『Pさんに見惚れてたらいつの間にか囲まれてて……』
凛「しょうがないなぁ……」シュパシュパッ
凛「プロデューサーも、芳乃とまゆ助けにいったげて」
P「ぐおおぉ!」ヒョイッ
光(あと少しであの穴の中だ!)シュイーンッ
光『捨ててくるから待っててくれ!』
菜々「お願いしましたよ!」
光『……池袋博士。レイナに伝えてほしいことがある』
晶葉『縁起でもないことを言うな!』
光『最後かもしれないからさ……』
晶葉『な……を! ……なこ……!』
光『……レイナ、約束守れそうにない。ごめん』ポイッ
光(……)フッ
女子寮 屋上
菜々「うーん……水かければ壊れませんかね?」
凛「そんなバカな……」
凛「でも、ものは試しか」ゴソゴソ
凛「ちょうどちひろさんがくれたスタドリが大量にあるよ」
菜々「片っ端からかけてみましょう!」タパパ
空間転移装置『プシューッ! ガタガタッ ボンッ!』ドロォー
菜々「あれ……?」
凛「壊れた……?」
凛(というか、溶けるってどういうこと……スタドリの中身って……)
菜々「みたいですね。穴が小さくなっていきます」
菜々「って!? まずいです! 光ちゃんが戻ってません!!」ワタワタ
凛「!」
晶葉『……頼む、戻ってきてくれ』
キラッ……
光『』ヒューンッ
まゆ「ぎりぎりセーフみたいですね」
芳乃「……あのままでは落下しましてー!」ブンブンッ フワッ
P「うおおおおぉぉぉぉ!」ダンダンッ バッ
P「があああぁぁぁ!」パシッ ドゴーンッ!
女子寮 前
菜々「だ、大丈夫ですか!?」
光『……』グタッ
芳乃「仮面が邪魔でしてー」バキッ
凛「光!? 光!」
まゆ「光ちゃん! 返事を! 返事をしてください!」
光「……」
菜々「そんな……」
P「……うおおおおぉぉぉぉ!」
麗奈「どきなさいよ! バカ! 邪魔よ!」
麗奈「このバカ光! 何死んでるのよ!」ガクガク
まゆ「麗奈ちゃん……」
麗奈「ふざけるんじゃないわよ! こんなとこまでヒーローのつもり!?」グスッ
麗奈「起きないとレイナサマバズーカーぶちこむわよ!」チャキッ
凛「麗奈……」
麗奈「起きなさいよ!」カチッ
ボカーンッ!
光「う、うわあああああぁぁぁぁ!!!!」バッ
光「はっ!!? 何!? なんなの!?」
麗奈「う、うわあぁぁぁん……」
光「は!? は!? どうなったの!? え!?」アタフタ
菜々「終わりましたよ。光ちゃんのお陰です」
光「よ、よかったぁ……、つかれたぁ……」
光「そうだ……! 終わったんなら映画見に行こう映画……! 今近所の映画館でアントマンやってて……」
まゆ「その前にまだやることありますよぉ」
光「え……? そうだね。じゃあ終わったら見に行こう……アントマン……」
女子寮 屋上
ちひろ「くっ……いたた……」ムクリ
ちひろ「ひっ……!」ビクッ
まゆ「お仕置きの」ニコニコ
凛「時間だよ」ニッコリ
麗奈「覚悟しなさい?」ニッコリ
ちひろ「ひ、ひえぇぇぇ……」ガクガク
後日
P「あー……」カタカタ
まゆ「うふっ……Pさぁん……お茶が入りましたよ」
P「おー、さんきゅー」カタカタ
光「いーや! ぜったいに泣いてた!」ワイワイ
麗奈「泣く訳ないでしょう!? このレイナ様が泣くなんてありえないわ!」
光「泣いてたって! ね!? 凛さん!」
凛「ふふっ。そうだね。麗奈、ボロ泣きだったよ」クスクス
芳乃「仲良き事は美しき事かなー」ズズズ
菜々「ですねぇ……」ズズズ
芳乃「お茶が無くなりましてー」
ちひろ「はい! ただいま!」ヘコヘコ
瑞樹「お茶請けも欲しいわね」
ちひろ「すぐに!」ヘコヘコ
早苗「あー、なんか肩凝っちゃったわ」グルグル
ちひろ「ここでしょうか!」グイグイ
早苗「あー。きくわー」
晶葉「ちひろさんは居るか!」ドアバーン
ちひろ「はい! ここに!」シュタッ
晶葉「新しいメカが出来たぞ! 早速実験だ!」
ちひろ「はい、喜んでー!」
志希「ちひろさーんいる~? 新しいオクスリよん♪」
ちひろ「いただきます!」グイッ
ちひろ「グボォ……」バタッ
まゆ「ちひろさんが倒れちゃいましたよぉ」
P「ほっとけ」
光「それにしても、やっといつもの事務所だな!」
麗奈「まぁ、そうね……」
光「やっぱりヒーローが力を合わせれば、怖いもの無しだな!」
End
実はアントマン見れてません……。BD買うつもりだったんですが、デレステ新春ガシャで爆死したので買えません。
誰かお金下さい。
それはともかく、長くなってしまいましたが、お読みいただけましたら幸いです。
台本形式で戦闘描写は難しいですね。多分これ以降マーベル作品で書く事は無いと思います。
では、依頼だしてきます。
おっつおっつばっちし☆
乙
乙
ちっひドンマイだ
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