【ラブライブ】希「花陽ちゃんならウチの隣で寝てるよ」 (22)


絵里『そう、あなたと一緒にいたの』

絵里『今日の練習は中止って花陽にも伝えてくれる?』

希「おっけ~」

ピッ

花陽「誰から?」

希「あ、起きてたん」

花陽「うん、たった今」

希「電話はエリち。今日の練習は中止だって」

花陽「なんで?」

希「にこっちと海未ちゃんが風邪ひいたって」

花陽「昨日、二人ともコンコン咳してたもんね」

希「この季節が風邪がはやってるからなあ」

希「ちゃんと体温めんと」ギュッ

花陽「希ちゃん///」

希「ということで、早速」

花陽「――よろしくお願いします」

ワシワシ

花陽「ぴぎゃ!」

希「ふふ、どうや」

花陽「か、必ず耐えてみせる」

花陽「わしわしの効かない女に、花陽はなってみせます」

希「ありがと、花陽ちゃん」

ワシワシ

花陽「ぴぎぃ!」


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―――――――


〈数日前〉


希「隙あり!」

ワシワシ

花陽「ひゃあ!」

希「相変わらず花陽ちゃんはわしわしのしがいがあるなあ」

花陽「や、やめてよ~」

希「ほい、仰せの通りに」

花陽「ふう……もう希ちゃん!」

希「ごめんごめん」

希「けど、どうしても止められんの」

希「ウチ、《1日1回わしわしをしないと爆発する病》なんよ」

花陽「エエエェェエ!?そうだったのォ!?」

希「うん」

花陽「大変なんだね」

希(え、信じたん?)

花陽「それじゃ、これからは言ってからしてね」

花陽「希ちゃんのためなら、いくらでもわしわしされるよ」

希「花陽ちゃん……」

希(もう、どんだけピュアエンジェルなんや、この子は)

希「ありがと」

花陽「えへへ」


花陽「あ、でも学校が休みの日はどうしてるの?」

希「え?」

花陽「だって、わしわしする相手がいないんじゃ……」

希(あかん、どうしよう)

希「えっと、それはやねー」

希(そうや!)

希「実はな、1日1回っていうのはあくまでウチが決めた目安で」

希「本当は週に7回わしわしをしないと爆発するんよ」

花陽「ということは」

希「そう。1日2回やれば次の日しなくてもいい」

花陽「5日で7回やれば、土日はしなくてもいい」

希「そういうことや」

花陽「だからあんなに皆にわしわししてたんだね」

希「そうなんよ」

希「でも、皆に本当のことを言うたら、いろいろと気を遣われそうで」

花陽「希ちゃん……」

希「勢いでつい花陽ちゃんに言っちゃったけど」

花陽「ううん、わたし、嬉しいよ」

花陽「希ちゃんのこと、もっと分かったようで」キラキラ

希(うう、この瞳の前で今更ウソだなんて言えんよ)


花陽「ねえ、希ちゃん。今度の連休、泊まりに行っていい?」

希「え、どうして?」

花陽「そこで花陽にいっぱいわしわしして」

花陽「そしたら、当分のあいだ安全になるでしょ」

花陽「それに、希ちゃんの家にも上がってみたいなー、なんて」モジモジ

希「花陽ちゃん」

ギュー

花陽「ひゃ!ど、どうしたの、希ちゃん?」

希「ウチ、花陽ちゃんのこと大好きや」

花陽「ありがとう、嬉しいな///」

〈土曜日〉


花陽「お邪魔します」

希「遠慮なくくつろいで」

花陽「希ちゃんのおうち、アパートだったんだね」

花陽「泊まって迷惑じゃないかな」

希「気にせんでもええよ。ウチ、一人暮らしやから」

花陽「そうだったんだ」

希「ところで夕飯はなに食べたい?」

花陽「う~ん」

希「やっぱりお米?」

花陽「希ちゃんのつくってくれるものなら何でもいいよ」

希「お、ウチに料理つくらせる気なん?」

花陽「あ、いや、そういうわけじゃ――」

希「よっしゃ、花陽ちゃんのためや、腕ふるうよ」

花陽「あ、ありがとう」

希「やっぱここはおうどんさんかな~」

希「ありゃ」

花陽「どうしたの?」

希「切らしてたみたい」

希「しょうがない、お肉でも焼こうか」

花陽「うん、楽しみ」

希「それに、ほっかほかのご飯も用意するよ」

花陽「うわあぁぁ!ありがとう!」


希「その間、花陽ちゃんはシャワーでも浴びてきたら?」

花陽「いいの?」

希「もちろん。練習後の乙女のケアを阻むほどウチは鬼じゃないよ」

花陽「そ、そういうことじゃなくて~」

希「浴室はあっちやから」

花陽「じゃあ使わせてもらうね」


カポーン

シャー


花陽「ふう、いいお湯」

花陽「人の家のお風呂ってなんか新鮮だな」

花陽「凛ちゃんのおうち以外じゃ初めてかも」

花陽「♪」

花陽「シャンプーも使わせてもらいます」


シャカシャカ

ザー


希「ふふふ」


ガララ


花陽「はあ、さっぱりさっぱり」


ワシワシ


花陽「ぴゃあ!」

希「ウチもいーれーて」

花陽「の、希ちゃん」

花陽「もう!」

希「はは、怒らんといて」

希「ウチ、今日まだわしわししとらんかったんよ」

花陽「だからってお風呂中に……」

希「ごめん。けどウチ、怖かったん。もしかしたら爆発するかもって」

花陽「……花陽、わしわしを克服してみせるね」

希「どうしたの急に?」

花陽「そうすれば、希ちゃんがいつしてきても平気だし」

花陽「希ちゃんも気兼ねなくできるでしょ」パアア

希(うう、天使や、大天使パナエルや)


希「ちょうどご飯が炊けたみたいやね」

花陽「ジュル」

希「ウチ、これからお肉焼くから」

希「花陽ちゃんはご飯だけでも食べてる?」

花陽「はい!」

希「じゃ、大盛りにしとくね」

希「はい、召し上がれ」

花陽「いただきます!」

パクパク

希「いっぱい食べてな~」

花陽「ふぁい」モグモグ


希「じゃ、今日はもう寝ようか」

花陽「うん」

希「それじゃ、お休み前のわしわしや」

花陽「どうぞ」

ワシワシ

花陽「ひゃう!」

希「わしわしは簡単に攻略できんよ」

花陽「な、なんとしても……あう!」

希(なんか悪い気もするけど)

希(この際、存分に堪能させてもらうよ、花陽ちゃん)


―――――――



花陽「いただきます」

希「ごめんね、こんな簡単な朝食で」

花陽「そんなことないよ」

花陽「このご飯も、目玉焼きも、すっごくおいしいよ」

希「ありがとう」

希「花陽ちゃん、今日なんか予定ある?」

花陽「とくにないよ」

希「じゃ、練習が休みになっちゃったから」

希「二人で遊びに行かへん?」

花陽「うん、ぜひ」

希「遊園地とかどう?」

花陽「え?」

希「やっぱちょっと子どもっぽいかな」

花陽「そんなことないよ。わたし、遊園地大好き」

希「それじゃ、決まりやね」


希「やっぱ休日なだけあって混んでるな~」

花陽「だね」

希「あ、花陽ちゃん。入場料はウチが出すね」

花陽「え、そんな、悪いよ」

希「せめてものお礼や。受け取って」

花陽「う、うん。じゃあお言葉に甘えて」

希「やっぱり花陽ちゃんは素直なええ子やね」

花陽「///」

希「最初はどれに乗りたい?」

花陽「あんまり激しいのはちょっと……」

希「ふんふん、それじゃここはベタにメリーゴーランドで」


希「花陽ちゃーん、こっち向いてー」

花陽「へへ」ピース

希「1周するごとに別のポーズ決めてな~」

花陽「エエエェェエ!?」

子ども「お姉ちゃんうるさい」

子ども「メリーゴーランドには静かに乗ってよね」

花陽「ご、ごめんなさい」



希「これは鏡の迷宮やね」

花陽「わたし、こういうの苦手です」

希「そんなら、はぐれんように手つなぎや」ギュッ

花陽「わっ!……ありがとう、希ちゃん」

希「任しとき」

希「ウチのスピリチュアルパワーなら一発でゴールや」

希「……」

花陽「……」

希「……」

希「出口どこ?」



希「負けんよー、花陽ちゃん」

花陽「わたしも負けません」

希「レディ、ゴー」

ブーン

希「ゴーカートとはいえ、運転は難しいなあ」

花陽「花陽はとある遊園地でゴーカートを極めた女」

花陽「この勝負、負けるはずありません!」

花陽「ここでスピードを上げ、一気に離します」

希「あ、花陽ちゃんが思いっきり壁に激突した……」

希「だ、大丈夫!?」



希「ほーれほれほれー」

花陽「希ちゃん、あんまり早く回さないでぇー」

希「コーヒーカップの醍醐味はこれやん?」

花陽「ひいいいー」

希「どんどん飛ばすよー」

花陽「ひゃああああー」


―――――――


花陽「はあはあ」グッタリ

希「ごめん花陽ちゃん。ウチ、調子乗りすぎたわ」

花陽「激しいのは嫌いって言ったのに~」

希「それじゃ、最後に定番中の定番、あれ乗ろうか」

花陽「観覧車……うん、そうだね」


希「あのね、花陽ちゃん」

花陽「なに?」

希「ウチ、実は遊園地来たの初めてなんよ」

花陽「そうなの?」

花陽「でも、あんなに詳しかったり」

希「雑誌とかの受け売り」

花陽「そっか」

花陽(希ちゃん、ご両親が忙しいって言ってたから……)

希「ごめん、何か変なこと言ったみたいやね」

花陽「ううん」

花陽「で、どうだった?初めてきた遊園地の感想は」

希「もう最高やった!」

花陽「良かった」

希「みんながハマるのも分かるわ」

花陽「今度は、皆でまた来ようね」

希「そうやね」

花陽「あ、見てみて、希ちゃん」

希「うわあ」

花陽「きれいな夕日だね」

花陽「なんか、心が洗われそう」

希「花陽ちゃんはもとから充分きれいやん」

花陽「そ、そんなこと――」

希「ウチが言うんやから間違いない!」

花陽「えへへ、ありがとう」

花陽「でも、そういう希ちゃんもそうだよ」

希「え?」


花陽「いつも皆ことを優しく見守ってくれて」

花陽「μ's結成のときも、穂乃果ちゃんたちと同じくらい頑張ってくれて」

花陽「きっと、希ちゃんがいなかったら、わたしたち全員揃わなかった」

花陽「だからね、今回、不謹慎かもしれないけど、嬉しかった」

花陽「わたし、やっと希ちゃんに恩返しができる」

花陽「希ちゃんの役に立てる、そう思うと――」

花陽「だから希ちゃん、これからも遠慮なくわしわししてね」

希「花陽ちゃん……」

花陽「ふう、やっと言えた……なんてね」

花陽「ねえ希ちゃん」

花陽「観覧車ってやっぱりいいね」

花陽「ほら、街があんなに小さく」

花陽「怪獣にでもなった気分」

花陽「シャーー!……なんて、凛ちゃんなら言うかな」

花陽「って、そんなわけないか」

希「花陽ちゃん」

希「ごめんなさい」

花陽「え?ど、どうしたの突然……」

希「ウチな、ウソついてた」

花陽「ウソ?」

希「わしわししないと爆発するなんて、ウソ」

花陽「ええ!?」


希「本当にごめんね」

花陽「どうしてそんなこと」

希「わしわしを正当化するための方便」

希「けど、もう限界や」

希「これ以上花陽ちゃんにウソつき続けたら罰が当たる」

希「お天道様がそう告げたんよ」

希「ううん、違う」

希「ウチがもう、耐えられなくなった」

希「勝手やけどね」

花陽「希ちゃん……」

希「嫌いに……なっちゃった……?」


ダキッ


希「……花陽ちゃん」

花陽「良かった」

花陽「希ちゃんが変な病気じゃなくて」

花陽「本当に」

希「……」

花陽「爆発しないんだよね」

希「うん」

花陽「危なくないんだよね」

希「うん」

花陽「これからも、一緒にいれるんだよね」

希「うん」

希「ありがとう、花陽ちゃん」


ダキッ


花陽「希ちゃんのウソのおかげで」

花陽「花陽は素敵な時間を過ごせたよ」

のぞぱないいぞ~


―――――――


にこ「ぎゃ!」

ワシワシ

希「にこっち、風邪はすっかり治ったみたいやね」

にこ「の~ぞ~みぃ~」

希「スキンシップやん」

にこ「ならあんたにもしてやろうかぁ?」

希「ほな、優しくな」

にこ「待ちなさいのぞ――って、あれ?」

希「どうしたん?」

にこ「いや、いつもの希ならわしわし返しされる前に逃げるから……」

希「たまにはウチもわしわしを味わわんとね」

にこ「いい心掛けじゃない」

にこ「この恨み、今こそ――」

ササッ

ワシワシ

にこ「ぎょえ!」

にこ「あんたねえ~」

希「ごめんな、にこっち」

希「ウチ、《1日2回わしわししないと爆発する病》なんよ」

にこ「そんなもん信じる馬鹿がいるか!」

ワシワシマックス

にこ「ひぎい!」

希「そんな言葉遣いはあかんで!」

にこ「分かったから、もうやめて~!」

花陽「あははは(汗)」



おしまい

初乙

あったけぇ

つまんね

のぞぱないいぞ!

これはいいのぞぱな

かわいい

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