乃々「サンタさんとパーティ」 (30)

乃々(どうも、もりくぼです)

乃々(本日は12/24)

乃々(クリスマスイブです)

乃々(世間では皆さん彼女さんや家族さんと過ごすのでしょう)

乃々(けど私は違います)

乃々(本日はアンダーザデスクの皆さんとクリスマスパーディをします)

乃々(机の下ではなく)

乃々(女子寮のまゆさんの部屋で)

乃々(なので、ケーキやお肉やらを買いました)

乃々(三人で一緒に買い物するのは楽しかったです)

乃々(ごきげんもりくぼです)

乃々(で、今は帰り道です)

乃々(真っ暗な帰り道も3人で歩いてると楽しくて、そんなに怖く感じません)

乃々(そんな感じの帰り道なのですが)

乃々(なんだかすごいものを発見してしまい)

乃々(固まっている、もりくぼです)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1451040013

??「うぅ……寒いですぅ~……ひもじぃですぅ~……」

乃々「……」

??「服もプレゼントも盗られちゃうなんてぇ……」

輝子「……な、なぁ」

輝子「私、変なキノコを食べたつもりは、な、ないんだけど……」

??「へくちっ……ふぇぇ……」

まゆ「私もありませんよぉ……」

乃々(今、私たちの前にいるのは)

乃々(体をダンボールとトナカイに包まれた裸のお姉さんです)

乃々(雪のように白い髪と、黄金色に輝く瞳の美人のお姉さんです)

乃々(でも裸のお姉さんです)

乃々(……)

乃々(思考が追いつきません)

乃々(混乱するもりくぼです)

乃々「……ど、どうしましょう?」

輝子「わ、わかんない……でも」

まゆ「放っておくわけにはいきませんよねぇ……」

まゆ「……」

まゆ「あ、あのぉ……」

??「これから、どうしよう……」

??「この辺のゴミ箱に実はプレゼントが帰ってきたり……?」

まゆ「す、すいません……」

??「……あ、私ですかぁ~?」

まゆ「は、はい」

まゆ「あの、なんだか、すごく困ってるみたいなんですけど……どうしたんですかぁ?」

??「えっとですねぇ~……」

??「ちょっとぽや~っとしてたら~……」

??「服もプレゼントもなくなっちゃっててぇ~……気がついたらこんな感じになっちゃいましたぁ……」

まゆ「……」

乃々(結局何もわからなかったんですけど)

輝子「そ、そうか……大変だな……」

??「はいぃ……大変なんですぅ……」

??「あのぉ……もしよかったら、何ですけどぉ~」

まゆ「は、はい」

??「ちょっとでいいので、ご飯くれませんかぁ~?」

乃々「ご飯、ですか?」

??「はい、お腹に入るものだったらなんでもいいのでぇ~」

まゆ「なんでも、ですかぁ?」

??「ちょっとでも入ったらがんばれる気がするんですぅ~」

??「だから、よかったら……お願いしますぅ~……」

まゆ「……」

乃々「あ、あの、まゆさん……」ヒソヒソ

乃々「その……も、もりくぼ、さすがに」ヒソヒソ

乃々「さすがに放っておけないんですけど……」ヒソヒソ

輝子「すごい、怪しい……というか、電波みたい、だけどな」ヒソヒソ

乃々「それは私も思ってますけど……」ヒソヒソ

まゆ「乃々ちゃん、輝子ちゃん」ヒソヒソ

まゆ「まゆも……見過ごせない、って思ってます」ヒソヒソ

まゆ「……というか、ここまで聞いといてみて見ぬフりはできません」ヒソヒソ

輝子「それは、私もだ」ヒソヒソ

乃々「もりくぼも、です」ヒソヒソ

まゆ「……」

まゆ「そ、それじゃあ、よかったら……なんですけどぉ……」

まゆ「まゆたちと一緒に来ませんかぁ……?」

??「一緒に、ですかぁ~?」

まゆ「はい」

まゆ「まゆたちこれからクリスマスパーティする予定なんです」

??「わぁ~! 楽しそうですねぇ~」

まゆ「なので……えっと、あなたも一緒にって」

??「え、いいんですかぁ~?」

輝子「人は多いほうが楽しい、からな」

輝子「私はぼっちだけど、そのくらいは、わかる」

乃々「正直、怪しいって思いますけど……本当に」

乃々「でも、さすがに放っておけないんですけど……」

??「あ、ありがとうございますぅ~!」

まゆ「その格好のまま動くのもあれでしょうし……まゆのコート貸してあげますねぇ」

まゆ「今はこれくらいしか渡せないですけど……部屋に着いたらほかにも服いっぱいありますから」

??「うぅ……何から何まで」

??「人の温もりがとても暖かいです……感動ですぅ~」

まゆ「うふふ、困ったときはお互い様ですよぉ」

??「ぐすっ……感動して涙が……」

乃々「ハンカチ……どうぞ、ですけど」

??「ありがとうございますぅ~……ぐすっ」

輝子「フヒ……じゃあ……えっと……」

イヴ「あ、私は、イヴっていいます、よろしくおねがいしますぅ~」

輝子「イヴさんか……じゃ、イヴさんが落ち着いたら、いくか」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


まゆ「ここがまゆの部屋です、どうぞ」

イヴ「わぁ~! お邪魔しますぅ~」

乃々「お、お邪魔します」

輝子「お邪魔します」

まゆ「……ふぅ」

まゆ「何とか、ここまでこれましたね」

輝子「そうだな……誰かに見つかったら危なかったよな」

イヴ「うぅ……ごめんなさいぃ~……」

まゆ「トナカイさんはさすがに中へは入れられませんでしたけど……」

イヴ「それは大丈夫です、ブリッツェンは頭がいいので、見つからないように隠れられますからぁ~」

乃々「すごいトナカイですね……」

まゆ「ええと……じゃあ、とりあえずイヴさんはこっちに来て着替えましょうか」

まゆ「乃々ちゃん達はお皿とかの用意をお願いしてもいい?」

輝子「お、おう、任せろ……フヒ」

乃々「了解……ですけど」

輝子「……」

乃々「……」

乃々「……よかったんでしょうか?」

輝子「い、イヴさん……か?」

乃々「はい……放っておけなくて、つれてきちゃいましたけど……」

輝子「……まあ、大丈夫だと思う」

輝子「悪い人には見えないし……」

乃々「それは、そうですけど……」

輝子「……というか、あんな状況で悪いこと考えられるのは、すごいと思う」

乃々「……そうですね」

輝子「フヒ……じゃ、用意するか」

まゆ「お待たせしましたぁ」

イヴ「ましたぁ~」

乃々「お帰り、なんですけど」

輝子「おう……お、遅かったな」

まゆ「まゆ、身長低いほうですから、ちょっとイヴさんには小さいのが多くて」

イヴ「でも、ちゃんと服を着れましたぁ~」

イヴ「まゆちゃんにはとっても感謝です!」

乃々「確かに……ちょっと、丈は短かったりするかもですけど」

乃々「でも、似合ってると思います」

イヴ「ありがとうございますぅ~」

まゆ「がんばりました!」

輝子「お、おう、お疲れ」

まゆ「うふふ……輝子ちゃん達もお疲れ様です」

イヴ「わぁ……とってもおいしそうですねぇ~」

輝子「フヒ……が、がんばった」

乃々「……といってもほとんどはまゆさんが作ってくれたんですけど」

輝子「私は、この辺のキノコだけだ……でも、おいしいぞ、絶対」

乃々「私はそもそも何も作ってませんけど……」

乃々「も、盛り付けはがんばりました」

まゆ「それじゃ、食べましょうか」

まゆ「みなさん手を合わせて……」

乃々「いただきます」

輝子「いただきます」

イヴ「いただきますぅ~」

まゆ「いただきます」

イヴ「はむっ……んぐんぐ……お、おいしい……!」

まゆ「うふふ、ありがとうございます」

輝子「さすが、まゆさんだな……」

乃々「ん……おいしいんですけど」

まゆ「……あの、あまり褒められると……照れます」

輝子「フヒ……ごめんごめん」

乃々「キノコさんの作ったキノコもおいしいですよ」

輝子「そ、そうか……よかった」

輝子「キノコの声を聞きながら作ったからな」

輝子「ショウコチャン! アツイ、アツイヨ! タスケテ!」

輝子「みたいな声が、聞こえなくなるまで……じっくりと……フヒ」

乃々「……」

乃々「一気に食欲なくなっ――」

イヴ「このキノコもおいしいですぅ~!」

乃々「――少なくとももりくぼは食欲なくなりましたけど」

輝子「冗談だ、冗談……そんなににらむな」

まゆ「輝子ちゃん。そこのパン取ってもらってもいい?」

輝子「いいぞ……なにかかけるか?」

まゆ「じゃあ、ジャムかけてもらえる」

輝子「おう……この血のように真っ赤なジャムをドロッドロに塗りたくって――」

乃々「……その微妙に残酷な言い回しはキノコさんのマイブームなんですか?」

輝子「そんなことはない……と、思う……たぶん」

乃々「正直む~りぃ……なんですけど」

輝子「そ、そうか……わかった、もうしない……」

イヴ「……あ、えっと……まゆちゃん、ですよねぇ~?」

まゆ「はい、そうですよぉ?」

イヴ「ジュースおかわりいりますかぁ~?」

まゆ「ありがとうございます……それじゃあお言葉に甘えて……」

イヴ「どうぞどうぞ……だば~♪」

まゆ「うふふ」

乃々「……そういえば、なんですけど」

乃々「もりくぼたち……自己紹介してないんですけど」

輝子「……あ」

まゆ「イヴさんから紹介は受けたけど……確かに」

イヴ「そういえばそうですねぇ~」

イヴ「でも名前はわかりましたよぉ~、まゆちゃんと、乃々ちゃんと、輝子ちゃんですよねぇ~?」

輝子「フヒ、せ、正解」

イヴ「人の名前を覚えるのは得意ですからぁ~」

まゆ「うふふ……でも、それだけじゃなくて」

まゆ「まゆたち……実はアイドルなんですよぉ」

イヴ「アイドル?」

輝子「そう、アイドル」

イヴ「へぇ~……」

イヴ「……アイドルってなんですかぁ?」

乃々「知らないんですか?」

イヴ「恥ずかしながらぁ~……」

乃々(いまどき珍しい人なんですけど)

まゆ「アイドルって言うのは……ええと、テレビで歌ったり、踊ったり……」

輝子「ライブとか、サイン会とか、あとは……」

イヴ「ライブ? サイン会?」

輝子「せ、説明が難しいな……」

まゆ「えっとぉ……」

乃々「……」

乃々「あの、いろんな人に、夢を届ける仕事だと、思います」

乃々「歌ったり、踊ったりして、たくさんの人に楽しさと、喜びを」

乃々「みんなが、みんな、笑顔になれるような仕事」

乃々「それがアイドル、だともりくぼは思います」

イヴ「夢を届ける……ですかぁ~」

乃々「……!」

乃々「あ、あの……もりくぼ、もしかしてすごい恥ずかしいこといってません?」

輝子「いや……ブラボーだ、と思う」

まゆ「いい答えだと思います……さすが乃々ちゃん」

乃々「あ、あうあう……」

乃々「つ、机の下……あ、でも料理載ってるし……低い……」

乃々「あうあうあう……」

乃々「に、逃げたいんですけど、も、もうむーりぃなんですけど……」

輝子「さすが、すごい、かっこいー、すてき」

乃々「追い討ちかけないでほしいんですけど!」

乃々「うぅ……」

乃々「あの人みたいにどこでも穴掘って埋まれるようになりたい……」

イヴ「夢を届ける仕事……いい仕事ですねぇ~」

イヴ「サンタみたいですねぇ~!」

まゆ「そんなことないですよぉ」

イヴ「そんなことありますよぉ~!」

イヴ「だって、こうして私にもプレゼントくれましたから」

イヴ「笑顔にもなりました~!」

輝子「確かに……私達、あわてんぼうのサンタクロース、か?」

まゆ「ひげも帽子もないですけどねぇ……」

イヴ「ひげは私にもないですよぉ~」

輝子「それはそうだな、女の子だし」

まゆ「でも帽子はありますねぇ……もしかしてサンタですかぁ?」

イヴ「その通り、サンタですぅ~」

輝子「拾った子はサンタだった……!」

輝子「ぼののさん、ぼののさん、大変だ……」

乃々「もう私のことは放っておいてください……」

乃々「もりくぼはこれから床になります」

乃々「ゆかくぼになりますので話しかけないでください」

輝子「……ぼののさんも大変だ」

イヴ「みなさんはプレゼントに何がほしいですかぁ~?」

まゆ「プレゼント……」

輝子「私は……キノコ、かな」

輝子「もってないキノコだとうれしい……トモダチが増える」

イヴ「キノコ……まゆちゃんは?」

まゆ「んー……」

まゆ「……プロデューサーさんの愛?」

輝子「いや、無理だろ」

まゆ「ですよねぇ……」

まゆ「今ほしいもの……今ほしいもの……」

まゆ「ペンとか、日記帳とか……でしょうか」

輝子「まゆさん、日記帳もペンもすぐ使い終わるからな」

まゆ「いっぱい書いちゃうとすぐなくなっちゃうんですよねぇ……」

イヴ「なるほど……乃々ちゃんは?」

乃々「……」

イヴ「あれ、乃々ちゃん?」

乃々「ゆかくぼはゆかくぼです……話しかけないでください……」

イヴ「えぇ~……?」

乃々「強いていうなら雑巾が欲しいです」

乃々「ゆかくぼをきれいにしてくれる雑巾が欲しいです」

イヴ「雑巾……本当にそれでいいんですかぁ?」

輝子「朝起きたぼののさんの枕元に雑巾……」

まゆ「……いじめでしょうか?」

乃々「……」

乃々「いぢめられたくはないので」

乃々「本……好きな作家さんの持ってない本が欲しいです」

イヴ「本ですかぁ~……なるほどなるほど」

輝子「サンタさん、きてくれるかな……?」

まゆ「うふふ……いい子にしてたからきっと来てくれますよ」

イヴ「……さて」

イヴ「まゆちゃん、乃々ちゃん、輝子ちゃん、今日はありがとうございましたぁ~」

イヴ「ご飯も、着替えも、本当に助かりましたぁ~」

イヴ「私はこの辺で失礼しますねぇ」

まゆ「……外、真っ暗ですよ?」

まゆ「別に一日くらい泊まっていっても……」

まゆ「……」

まゆ「ばれたら大変でしょうけど、たぶん大丈夫ですから」

輝子「その辺は正直だな」

まゆ「だって本当のことですし……」

まゆ「……でも、このまま返すのも忍びないですから」

まゆ「泊まっていきませんかぁ?」

まゆ「乃々ちゃんも、輝子ちゃんもここに泊まる予定ですし」

イヴ「でも……」

輝子「この部屋さえ出なければ、たぶん安全だからな、フヒ」

輝子「ばれたら私達……たぶんものすごく怒られるから、むしろ出ないで欲しい、かも」

イヴ「……いいんですかぁ~?」

乃々「イヴさんが危ない人じゃないって言うことはもうわかってますし」

乃々「怪しい人ではありますけど」

まゆ「……まあ、そんな感じです」

まゆ「私達のためにも、イヴさんのためにも」

まゆ「明日に……せめて明るくなるまではもう少しいませんかぁ?」

イヴ「……」

イヴ「怪しい私でいいならお言葉に甘えてもいいですかぁ~?」

まゆ「うふふ、どうぞ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


輝子「プレゼント交換の時間だぜえええぇぇっ! ヒャッハーーーーーーーッ!」

まゆ「輝子ちゃん、静かに」

輝子「あ、はい」

まゆ「もう夜も遅くなってきてるんですから……」

輝子「つい、テンションあがって……ごめん」

乃々「……どうやって交換しますか?」

イヴ「ここは私に任せてください~」

輝子「イヴさん?」

イヴ「私だけプレゼントを持ってませんし~」

イヴ「一回私にプレゼントくださ~い」

まゆ「わかりました、どうぞ」

輝子「わ、わかった」

乃々「どうぞ、ですけど」

イヴ「ありがとうございます~」

イヴ「じゃあ、これをこうして……えいっ!」

乃々「消えた……!?」

イヴ「後は私が皆さんにランダムに配りますね~」

イヴ「……って形にしようと思うんですけど、いいですかぁ~?」

イヴ「盛り上がりはないかもしれませんけど~」

まゆ「いえ、大丈夫……です」

まゆ「というか、プレゼントをどうやって……手品ですかぁ?」

イヴ「まあそんな感じです~」

輝子「す、すごいな……」

イヴ「特技みたいなものですので~」

イヴ「じゃ、皆さんに配りますねぇ~」

イヴ「まゆさんには……これっ!」

まゆ「!」

乃々「また、プレゼントが一瞬にして出てきたんですけど……」

乃々「もりくぼ、とてもびっくりです」

まゆ「これは……」

輝子「あ……私の、だな」

まゆ「うふふ、何でしょうか……?」ガサゴソ

まゆ「これは……時計、ですか?」

輝子「う、うん……置時計」

輝子「短針がしいたけで、長針がえのきだ……フヒ」

輝子「面白いかな、と思って」

まゆ「うふ、ありがとうございます」

まゆ「ユニークで面白いですね」

輝子「お、おう……ありがとう」

輝子「フヒ……うれしい」

イヴ「じゃあ、次は……輝子ちゃんにこれ!」

乃々「……あ、もりくぼのですね」

輝子「ぼののさんのか」

輝子「中身は……本?」

輝子「もしかして、ぼののさんのポエム集か?」

乃々「そんなわけないんですけど」

輝子「そうか……ちょっと残念、なんて、冗談」

乃々「……」

乃々「……クリスマスが舞台の物語です」

乃々「漫画……よりは小説のほうが長く楽しめるかな、と思ってこれにしたんですけど」

乃々「だめでしたか?」

輝子「いや……うれしい」

輝子「本はあまり読まないけど、ぼののさんが選んだものだから」

輝子「がんばってみる」

乃々「ありがとうございます」

輝子「読み終わったら感想、言うな」

イヴ「最後は乃々ちゃんですね……えいっ!」

乃々「まゆさんからの……ですよね?」

まゆ「そうですよぉ」

乃々「中身は……えっと……」

乃々「キーホルダー、ですか?」

まゆ「はい」

まゆ「ずっと使えるものがいいかなって、思って」

乃々「……ハート型のはちょっと恥ずかしいんですけど」

まゆ「あら……」

乃々「でも、可愛くて……いいですね」

乃々「ありがとうございます、まゆさん」

乃々「かばんにでもつけてみます」

まゆ「うふふ……ありがとう」

イヴ「というわけで、プレゼント交換はおしまいです~」

まゆ「じゃあ、引き続きパーティしましょうか」

輝子「お菓子食べよう……ポテチ食べたくなってきた」

乃々「そうですね……これとかもおいしそうですし」

イヴ「お菓子いっぱいですねぇ~」

まゆ「じゃあ、次はお菓子パーティですね、うふ」

乃々「ふわぁ……っ」

輝子「ぼののさん、おねむか?」

乃々「その言い方はやめて欲しいんですけど」

乃々「……でも、眠くなってきました」

輝子「まあ私も、なんだがな……ふわぁ」

まゆ「もういい時間ですしねぇ」

まゆ「……そろそろ寝ましょうかぁ?」

輝子「そうだな」

乃々「でも……この人数、どこで寝るんですか?」

まゆ「……」

乃々「……なんで目をそらすんですか」

乃々「いぢめですか」

まゆ「いえ……あの」

まゆ「……実はベッドひとつしかなくて」

輝子「な、なんと」

乃々「もりくぼはまたゆかくぼになるんですか」

まゆ「あ、ううん、さすがにお客様にそんなことさせるつもりはないですよぉ」

まゆ「まゆが床で寝るので……たぶん3人ならぎりぎり乗れるんじゃないかな、ってくらいの大きさはあるから……」

乃々「もりくぼと、キノコさんと、イヴさんで……ってことですか?」

イヴ「あ、そんあ、私は大丈夫ですよぉ~」

イヴ「私はお客様というよりお邪魔虫ですし~」

まゆ「でも……」

イヴ「冷たくて固い場所は慣れてますし~」

乃々「……それはそれで、余計罪悪感が」

イヴ「大丈夫です、本当に大丈夫ですから~」

イヴ「まゆちゃん達三人で寝ちゃってください~」

まゆ「……」

まゆ「……しっかりしてないまゆでごめんなさい」

イヴ「うふふ、大丈夫ですよぉ~」

イヴ「料理もおいしかったですし、着替えもくれましたし、楽しかったですし」

イヴ「まゆちゃんにも、乃々ちゃんにも、輝子ちゃんにも、とっても感謝してるんです」

イヴ「だから……こんな小さなことですけど、お礼っていうことで~」

まゆ「……わかりました」

輝子「……誰も三人で寝ることには突っ込まないんだな」

乃々「ちょっと狭いけど……本当に3人で寝れるとは思わなかったんですけど」

輝子「寝返りはとれなそうだな……フヒ」

まゆ「うぅ、ごめんなさい……」

まゆ「……まゆも床で寝たほうがいいでしょうか?」

輝子「だ、大丈夫だ、あったかいし」

乃々「むしろ、まゆさんが落ちないかどうか、心配なんですけど」

まゆ「まゆは大丈夫です……でも……」

まゆ「……あの、イヴさんも大丈夫ですか?」

イヴ「大丈夫ですよぉ~、毛布もありますし~」

イヴ「こんなにいっぱいあったら布団よりもあったかいですぅ~」

まゆ「……そんなことは」

イヴ「ありますよぉ~、現に今すっごくあったかいですからぁ~」

イヴ「うふふ、さあみんな、早く寝ないとサンタさんが着てくれませんよぉ~?」

まゆ「……」

イヴ「だから、おやすみなさ~い」

乃々「おやすみなさい」

輝子「おやすみ」

まゆ「……おやすみなさい」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


イヴ「……」

イヴ「……」

イヴ「みなさ~ん」

イヴ「……」

イヴ「……寝てますね」

イヴ「よい、しょっと」

イヴ「ブリッツェンも待たせてるしもういかないと~」

イヴ「きっと、この辺にもほかのサンタさんはいるはずですし~」

イヴ「盗られたプレゼントを一緒に探してもらって、ちゃんとお仕事しないと」

イヴ「ありがとう、まゆちゃん、乃々ちゃん、輝子ちゃん」

イヴ「三人のおかげでとっても助かりましたぁ~」

イヴ「……だから」

イヴ「これはサンタさんからのプレゼントですぅ~」

イヴ「たくさんの物を作るのはできないから、いつもはちゃんと買ってますけどぉ~」

イヴ「三人だけには特別に、私の作ったプレゼントです~」

イヴ「うふふ、メリークリスマ~ス」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


乃々「ん……ふわぁ……っ」

輝子「ああ、ぼののさんおはよう」

乃々「おはようございます、キノコさん……まゆさんも」

まゆ「おはよう、乃々ちゃん」

乃々「……イヴさんは?」

まゆ「早く起きて、イヴさんに謝って、それからおいしいご飯とかあったかい紅茶とかご馳走しないとって思ったんですけど」

まゆ「まゆがおきたときにはもうイヴさんはいなくて」

まゆ「代わりにこの書置きがありました」

まゆ「『今日は本当にありがとうございました、でももういかないと。着替えも後でちゃんと返します』」

まゆ「『それとこれはほんの少しのお礼です。まだまだお礼したりないけど、それはまた今度絶対にします』」

まゆ「『それでは三人に素敵な聖夜が訪れますように、メリークリスマス』」

まゆ「……って書いてます」

乃々「お礼、ですか?」

輝子「たぶん、これだ」

乃々「3つのプレゼント……」

乃々「……二人もあけてないんですか?」

まゆ「乃々ちゃんが起きたらあけようと思って」

乃々「そうですか」

輝子「名札もちゃんとついてるな……これが、ぼののさんのだ」

乃々「ありがとうございます」

輝子「これが私ので、これがまゆさんの」

まゆ「ありがとうございます」

まゆ「……開けてみますか」

輝子「う、うん」

乃々「……!」

乃々「欲しかった本が入ってます……!」

輝子「私も、キノコだ……新しいトモダチ……」

まゆ「まゆはペンと日記帳です」

輝子「どれも、イヴさんの前で欲しいって言ったやつ……だよな?」

まゆ「はい……」

乃々「……」

乃々「も、もしかしてイヴさんって、本物のサンタさん……?」

輝子「赤い帽子もかぶってたし」

まゆ「トナカイもいましたねぇ……」

乃々「手品みたいにプレゼントを隠したり、出したりもしてました」

輝子「ひげは生えてなかったけど、代わりに白くてきれいな髪だったな」

まゆ「金色の瞳でしたけどサンタさんってどうでしたっけ……?」

輝子「そういえば、本人がサンタさんですっていってた、はず」

乃々「……」

輝子「……」

まゆ「……」

まゆ「もしかして、まゆ達すごい経験しちゃったんでしょうか……?」

輝子「か、かもしれないな……」

乃々「サンタさんも服を盗られたりプレゼントを盗られたりするんですね……」

まゆ「すごい人間味のあるサンタさんでしたね」

輝子「ごはんもおいしそうに頬張ってたし……楽しそうだったな」

まゆ「……あまり話せない思い出ですよねぇ、家でサンタとパーティしたなんて」

乃々「そもそも信じてもらえないと思います……変な人に思われるだけだと思いますけど」

輝子「さ、三人だけの秘密の思い出、だな……フヒ」

まゆ「イヴさんはどうやってこのプレゼントを出したんでしょう?」

まゆ「プレゼント交換のときもだけど……どこにも隠す場所もなければ持っていることもなかったはずです……」

輝子「そこは……ほら、サンタの力じゃないか?」

まゆ「サンタさんすごいですねぇ……」

乃々「でも、プレゼントを盗られたっていってたような――」

乃々「――イヴさんは大丈夫でしょうか?」

まゆ「出会いがあんな感じだっただけあって心配ですよねぇ」

輝子「今日も行ってみるか、あの場所」

まゆ「……またイヴさんがダンボールに包まってるかもしれませんからねぇ」

乃々「さすがに昨日の今日でそれはないと思いますけど……」

輝子「でも、気にならないか……?」

乃々「いや、確かに気になりますけど」

まゆ「……もう一回、会いたいですしねぇ」

まゆ「お礼もしたいし、謝りたいですし」

まゆ「今日、事務所に行く前に寄っていきましょうか」

輝子「う、うん」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

乃々「……結局見つからないまま事務所まで来ちゃったですけど」

まゆ「無事だったってことでいいんじゃないですか?」

輝子「別の場所で同じようになってたり――」

まゆ「不安を煽るようなこと言わないでください!」

乃々「否定はできなそうですけど」

まゆ「それは、まあ……」

輝子「……帰るとき、探してみるか?」

まゆ「……」

乃々「しばらく帰るのが遅くなりそうなんですけど」

まゆ「……後でどうするか考えましょう」

まゆ「とりあえず、アイドルのお仕事です」ガチャ

乃々「……そうですね」ガチャ

輝子「フヒ……おはようございます」ガチャ

イヴ「あっ、おはようございますぅ~!」

まゆ「!?」

乃々「!?」

輝子「!?」

ちひろ「あら、イヴちゃん知り合いですか?」

イヴ「この三人には昨日とーっても助けてもらって!」

イヴ「実はここに来たのも三人に会いたかったからなんですぅ~」

ちひろ「そうなんですか」

輝子「い、イヴさん……なんでここに……?」

まゆ「やっぱりまたプレゼントと服を盗られたんですか……?」

乃々「でも、まだまゆさんの服着てますけど……」

イヴ「うふふ、昨日はおかげでちゃんとお仕事できましたよぉ~」

イヴ「盗られたプレゼントも無事見つかって、ちゃんと配れましたぁ~」

まゆ「そうですか……よかった……」

輝子「……じゃあ、なんでここに?」

イヴ「三人にお礼がしたかったのと~」

まゆ「お礼ですか……?」

イヴ「ちゃんと手紙に書いたじゃないですかぁ~」

輝子「こ、こんな早く来るとは……思ってなかった」

イヴ「それに、この服も早く返さないとですし~」

イヴ「それと、私もアイドルしようと思って~」

乃々「え、えぇ……!?」

まゆ「アイドルって……アイドルですか……?」

イヴ「はい、アイドルですぅ~」

イヴ「1年に1回のサンタのお仕事を除けば、やることっていっぱい働いてお金を貯めるだけですし~」

イヴ「どうせ働くなら、サンタと同じようなお仕事がやりたいなぁ~、って思ったんですぅ~」

輝子「そ、そうなのか……す、すごいな、いろいろと」

乃々「じゃあ、もりくぼたちはサンタと一緒の事務所にいることになるんですね……」

イヴ「よろしくお願いしますぅ~」

まゆ「よ……よろしくお願いします」

まゆ「……はっ!」

まゆ「そうだ、イヴさん」

まゆ「昨日は床で寝かせちゃってごめんなさい……!」

イヴ「だから大丈夫ですって~」

まゆ「でも……やっぱり、ちょっと罪悪感が……」

まゆ「とてもうれしいプレゼントまでもらいましたし……」

乃々「あ、そうです、プレゼントありがとうございました」

乃々「もりくぼ、感激です」

輝子「わ、私も……トモダチ増えた……うれしい」

イヴ「ありがとうございますぅ~」

イヴ「サンタとしてはそのうれしいって言葉が聴けるだけですごい幸せですよぉ~」

まゆ「……ですけど」

イヴ「何度も言ってますけど~、あの日、まゆさん達のおかげで私はすごい助かったんです」

イヴ「床で寝る程度じゃ返せないくらい、いっぱい、いっぱい」

まゆ「……」

イヴ「それでも罪悪感が拭えないって言うなら……まゆちゃん」

まゆ「はい」

イヴ「それに、乃々ちゃん、輝子ちゃんも」

乃々「な、何でしょうか……?」

輝子「なんだ……?」

イヴ「私に、いっぱいアイドルのこと教えてください~」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


乃々(どうももりくぼです)

乃々(そんな感じで私達の事務所に仲間が増えました)

乃々(でも、これだけじゃなく……)

イヴ「机の下って落ち着きますねぇ~」

イヴ「ダンボールに包まれていた頃のことを思い出しますぅ~」

乃々「……どれだけあの状態でいたんですか」

イヴ「そんなに長くないですよぉ~」

乃々(もりくぼに同居人が増えました)

乃々(ここは今、もりくぼとサンタさんがいます)

乃々(すさまじい組み合わせです)

乃々(サンタさんと同居するなんて恐れ多いです)

乃々(でも……)

まゆ「乃々ちゃん、イヴさん、クッキー食べますか?」

輝子「まゆさんの手作りだそうだ……フヒ」

イヴ「わぁ、本当ですかぁ~!」

乃々「も、もりくぼも欲しいです」

まゆ「うふふ、どうぞ……いっぱいありますからねぇ」

イヴ「まゆちゃんありがとう~」

イヴ「お礼にプレゼントを――」

輝子「そ、そんな簡単にプレゼントあげていいのか、サンタさん」

イヴ「――ダメでしたぁ~」

乃々(……でも、サンタさんはとても愉快で楽しい人です)

乃々(あの日、楽しいパーティもできたし)

乃々(たくさんのプレゼントももらいました)

乃々(それに、新しい仲間も増えました)

乃々(……)

乃々(本当にいい、クリスマスでした)



乙。

間に合いませんでした、イヴさんと雪歩、誕生日おめでとう。

ついに、森久保がデレステに来ました。最近になってようやく手に入れたので、これでようやくアンデスで躍らせることができます。
イヴさんも時期に来るかなと思ってたら来ませんでした、早く来て欲しいですね。

前に書いた
まゆ「いい叫びですねぇ」
まゆ「いい叫びですねぇ」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446054163/)
もよかったらよろしくお願いします

誤字脱字、コレジャナイ感はすいません。
ここまで読んでくださった方ありがとうございました。

心温まる話でした

優しい世界

素晴らしい

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