ちょっと早いけどクリスマスネタです。
ゆりゆりしてるので苦手な方は注意してください。
ゆっくり投下していきますー。
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ずかしいのですが...クリスマスについてよくしらないもので...」
ありす「なんですか。そんなことでしたら私に任せてください!」
文香「では、ありすちゃんに任せますね」
ありす「はい!じゃあまた連絡しますね!」
文香「はい。ではまた、クリスマスに」
誰かとクリスマスに過ごす予定があるというのは例え同性であっても心躍るものなのですね。
7歳も下の子に教えられてしまうとは思いもしませんでした。
ですがこの高鳴りは隠しようがありません。どうやら私はクリスマスをありすちゃんと過ごせることが嬉しいようです。
あれ?切れてる...orz
投下し直します
事務所のソファに座って本を読んでいた私はありすちゃんから声をかけられ本から目を離してありすちゃんの方へ向き直ります。
文香「もうそんな季節ですか...」
ありす「クリスマスって少しウキウキしませんか?」
文香「そうなのでしょうか...私は季節のイベントごとに疎く、クリスマスも家族と過ごしたことしかありませんので」
ありす「文香さんは勿体ないと思います。そんなに綺麗なんですから外に出ないと」
綺麗、と言われると困ってしまいますが12歳の女の子に褒められて照れていては示しがつかないので少しいじわるをすることにしました。
文香「ありすちゃんもプロデューサーと同じことを言うのですね...でもありすちゃんも可愛いですよ」
ありす「そういうのは聞いてません!文香さんの話です!!」
頬を朱に染めたありすちゃんが凄い剣幕で私に詰め寄ります。
文香「ふふっ...では、クリスマスは二人でパーティをしませんか?」
ありす「はい!是非!」
パァァという音が聞こえてきそうな満面の笑みで答えるありすちゃん...かわいいなぁ。
ですが困りました、何分私もクリスマスを誰かと二人きりで過ごしたことがありません。
文香「すみません。誘っておいてお恥ずかしいのですが...クリスマスについてよくしらないもので...」
ありす「なんですか。そんなことでしたら私に任せてください!」
文香「では、ありすちゃんに任せますね」
ありす「はい!じゃあまた連絡しますね!」
文香「はい。ではまた、クリスマスに」
誰かとクリスマスに過ごす予定があるというのは例え同性であっても心躍るものなのですね。
7歳も下の子に教えられてしまうとは思いもしませんでした。
ですがこの高鳴りは隠しようがありません。どうやら私はクリスマスをありすちゃんと過ごせることが嬉しいようです。
橘です。なんと今年のクリスマスは文香さんと過ごすことになりました!
こんなに嬉しいことはありません!
しかし困りました。クリスマスを文香さんと過ごせるということに浮かれすぎて任せてくださいなんて言ってしまいました。
でも慌てる必要はありません。まだ少し日にちはありますしそれまでに調べればいいんです。調べるのは得意です。
おうちにも着きましたし善は急げです。早速調べていきます。
ありす「くりすます...クリスマス...『クリスマスに行きたい!おすすめデートスポット!!』ですか」
デート、と呼んでいいのかな...?でも二人で過ごすんですしデートって呼んでいいはずです。
このサイトを参考にすることにします。
ありす「『やっぱり定番!イルミネーション&夜景がおすすめ!』...ですか」
夜景やイルミネーションを文香さんと見るのは楽しそうです。
ですがこれはちょっと難しそうです。何より私は車を運転できないので夜景の綺麗な場所まで行く手段がありません。
ありす「『ちょっぴり贅沢!雰囲気たっぷりクリスマスディナー』...これは良さそうです」
ふむふむ。中々おしゃれなお店が多くて迷ってしまいますね...あれ?
『ドレスコード必須』...『小学生以下入店不可』...。
こればっかりは仕方ありません。しかし腹立たしいものです。
私のように弁えられる小学生もいるっていうのに!
ありす「『誰にも邪魔されずおうちデート!』」
おうちでーと...いい響きです。しかし私は文香さんの家を知りませんし...。
あ、そうです!私の家を使えばいいんです!これなら何の問題もありません!
そうと決まれば準備をしなければなりません。それに母にも許可をとらないと。
期待
ありすちゃんと約束をしてから日は流れ今日は12月24日。クリスマスイブということで世間はにぎわっているようです。
そんな中一人で買い物に来ている私は浮いているでしょうか。
このような日に外を一人で出歩くことに不慣れな私は周りの人々に笑われていないか不安になります。
ですが今日の私はいつもの鷺沢文香とは少し違います。ありすちゃんのためのクリスマスプレゼントを買いに行く鷺沢文香なのです。
どのような違いが?と問われると少し困りますが違うのです。
『人は誰かのために動くときいつも以上の力を発揮する』と何かの本で読んだことがありますし。
文香「それにしても何をプレゼントするか...悩みますね...」
店員「彼氏さんへのプレゼントをお探しですか?」
洋服売り場のマフラーのコーナーを眺めていると店員さんに声をかけられました。どうやら思考が漏れていたようです。
文香「...いえ、そのようなものではなく私の友人に」
店員「どんなものをお探しですか?」
文香「特にこれといっては...」
初対面の方と話すのが不慣れな私はこんな返事しかできませんでした。
店員さんも何か悟ったのか「何かお困りでしたらお気軽に声をおかけくださいねー」なんて言って去って行ってしまい
申し訳ないことをしたなぁと思いながら、目の前のベージュのマフラーを手に取ります。
大人っぽいマフラーですがありすちゃんにはきっと似合うと思いましたが、
もう少し色々見てから考えようと思い元の場所に戻してしまいました。
その後、これだというものに出会えずに売り場をさまよっていると素敵なタブレットケースを発見。
黒い猫と苺の刺繍が入っていて一目見て「ありすちゃんだ」なんて思い迷わず購入しました。
猫みたいだと言われたらありすちゃんは怒るでしょうか...。
こうして、私のクリスマスプレゼントを買うという試みは初陣にして大きな戦果を上げることができました。
ビギナーズラックとはこういうことなのですね。
12月25日!今日は待ちに待ったクリスマスです!
飾り付けも終え私のおうちはパーティ会場と言っても差し支えのない出来栄えです!
母に「友達とクリスマスパーティをやりたい」と言ったら大喜びで料理を作ってくれて
「じゃあゆっくり楽しんで」なんて余計な気を回して先程どこかへ父と出かけてしまいました。
どうやら男の子が来るとでも思っているようです。残念でした!来るのは文香さんです!
今はまだ15時、文香さんが来るのは17時なのでまだかなり時間があります。文香さん早く来ないかなぁ...。
12月25日。クリスマスです。
今日はありすちゃんの家に御呼ばれしているため夕飯はいらないという旨を家族に伝え家を出ました。
時刻は15時、困りました。約束の時間までまだかなりあります。
あまり早く行ってもご迷惑でしょうしどこかの喫茶店で時間をつぶそうかと思った矢先、私の携帯電話が鳴りました。
『もしもし、鷺沢です』
『あ、文香さんですか?橘です』
『あれ?ありすちゃん?どうかしましたか?』
『いえ、大したことではないんですが何時ごろ来られるかな。と思って』
『ええと、約束は17時でしたよね』
『....はい。そうです。ごめんなさい変なこと聞いて。ではまた』
ありすちゃんはそう言って電話を切ってしまいました。
携帯電話をパタンと閉じると、ふふっと笑みが零れます。
なぁんだ、考えることは同じなのですね。
ありすちゃんからの電話の後、私は教えてもらった住所を頼りにありすちゃんの家に辿り着きます。
インターホンを押して応答を待つ時間がとても長く感じられました。
ご両親が出たら何とご挨拶をしたらいいでしょうか...。
『はい...ってあれ?文香さん?』
どうやら杞憂であったようです。
ドタドタと走る音が家の中から聞こえ、勢いよくドアが開きました。
ありす「文香さんどうしたんですか?まだ早いですよ?」
文香「ありすちゃんに電話をもらって居ても立っても居られなくなってしまいまして...」
ありす「ふふっ、実は私もそう思って電話したんです!準備出来てるので入ってください!」
文香「はい。ではお邪魔します」
玄関をくぐり廊下を抜けて、通されたリビングルームは綺麗に飾り付けされていて
今日のために頑張ってくれていたことが一目でわかりました。しかし一つ疑問が生まれました。
文香「ありすちゃん、ご両親はいらっしゃらないのですか?」
ありす「はい。なんか男の子が来ると勘違いしたのか余計な気を回して出てっちゃいました」
文香「そうなんですか。それは少し申し訳ないことをしましたね」
ありす「そんな気にしないでください。うちの親が勝手に勘違いしただけですから!....それに文香さんと二人きりで嬉しいですし」
ずるいなぁありすちゃんは頬を赤らめながらそんなことを言われたらいくら同性の私と言えどもどきりとしてしまいます。
文香「そうだ、ありすちゃん。メリークリスマス...です」
恥ずかしさを紛らわせるため鞄から昨日買ったプレゼントを鞄から出します。
クリスマスプレゼントをどのタイミングで渡すのが適当かはわかりませんので手土産を渡すときの所作を参考にして
紙袋から出してありすちゃんの正面に来るよう180度回転させて差し出しました。
ありす「ぷっ...ふふふ。なんでそんなに畏まるんですか」
笑われてしまいました。何か可笑しいところがあったのでしょうか...。
ありす「ありがとうございます。開けてもいいですか?」
文香「はい、気に入っていただければ幸いです」
包装を破らないように丁寧にテープをはがし目をキラキラさせながら開けていくありすちゃんが可愛くて仕方ありません。
これだけで送った甲斐があるというものです。
ありす「わぁ...これタブレットケースですか?苺と猫がついてて可愛いです!それに私の好きなもの。覚えててくれたんですね!」
にっこりと笑ってタブレットケースを抱きしめながらそんなことを言われては、耐えられません。くらくらとします。
私は心の中で昨日の私を「よくやりました」と褒めてやります。
ありす「あ、そうだ。私も文香さんにプレゼントあるんです!」
そう言って、部屋の方へ駆けて行ったかと思えば凄い速さで戻ってきました。
ありす「メリークリスマスです!」
文香「ご飯までご馳走になるのにプレゼントまで...ありがとうございます」
私はプレゼントを鞄にしまいます。
ありす「あれ?...開けないんですか?」
こんなことをしていては怒られてしまうかもしれませんが
期待通りありすちゃんはしょんぼりして私にそう問いました。
文香「開けてもいいんですか...?」
ありす「はい!開けてください!」
文香「では...」
そうして私は先程のありすちゃんに倣って丁寧に包装をはがします。
中から出てきたのは...
文香「これはマフラー...でしょうか」
ありす「はい!文香さんに似合うと思って!」
文香「ふふっ、不思議なこともあるものですね」
ありす「?どうかしましたか?」
何を隠そうこのマフラー、私が最初にあの洋服売り場で手に取ったものでした。
文香「いえ、ありすちゃんの選んでくれたこのマフラーがとても嬉しくて」
この言葉に偽りはありません。
マフラーを送ってくれたこと、そして私とありすちゃんが同じものを送ろうとしたことが心の底から嬉しいのです。
文香「素敵なプレゼントをありがとうございます。大切にしますね」
ありす「喜んでもらえてよかったです!私も大事にします!じゃあ飲み物でも持ってきますから座っててください!」
ありすちゃんはそう言って私をソファに座るよう促し、キッチンの方へと行ってしまいました。
それにしてもたくさん飾り付けしてあるなぁ、と思い周りを見渡すとソファの上にヤドリギが飾ってあるのに気付きました。
ありす「文香さん天井なんか見つめてどうしたんですか?」
飲み物をテーブルに置くと私の隣にありすちゃんが腰掛けます。
文香「いえ、素敵な飾り付けだなぁと思いまして...全部ありすちゃんが?」
ありす「高いところは母がやってくれました」
なるほど、合点がいきました。お母様の気回しだったようです。
それにしても素敵なお母様だなぁ、小学生がヤドリギについて知っているかどうかは別として。
ありす「あ...」
ありすちゃんもヤドリギに気が付いたようでした。
ありす「その...文香さんはヤドリギって知ってますか?」
文香「ええ。ヤドリギとは、ヤドリギ類の総称でビャクダン科の寄生植物ですね」
ありす「詳しいんですね」
文香「それとこういうことも...」
ありす「えっ...」
ありすちゃんの前髪をたくし上げ額に唇を重ねました。
文香「ヤドリギの下でキスを...ありすちゃんも知ってたようでしたので」
ありす「いきなりこんなことされたら困ります!!」
両手を額に当てて真っ赤になっているありすちゃんの声が部屋いっぱいに響きました。
今日はクリスマス。思い出に残る楽しい一日になりそうです。
終わり
おつ!
乙
素晴らしいありふみ乙
これは素晴らしいSSですね、続きを書いてもいいんですよ・・・?
おつ!
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