執務室
伊19「即答されるとは思わなかったの」
提督「どうしてそんなことを聞くんだい?」
伊19「提督が怒ったところを誰も見たことないから、イクは不思議に思ったのね」
提督「んー、怒るような出来事が今まで無かったからかな」
伊19(きっとそれはないと思うのね。初戦大破撤退とか、連続で逸れる羅針盤とか、怒ってもおかしくないと思うのね)
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提督「それで、また何か企んでいるのかな?」
伊19「何も企んでないのね」
提督「そうか……とりあえず、執務を始めよっか」
伊19「了解なのね」
――――――――――
伊19(提督が怒る様子が見てみたいのね。けど、怒られる趣味は持ち合わせてないの)
伊19(だから少しでもイラッとする様子が見られたら十分なの。一体どうしたら……)チラッ
提督「フンフンフフーン」カキカキ
伊19(……決めたのね)ガタッ トコトコ
提督「フフフー……ん、どうしたの?」
伊19「イクから目をそらしちゃダメなの」ズイッ
提督「えっ? 今書類書いてるから目が離せな――」
伊19「ダメなの!」グイッ
提督「ええっ……そんなぁ」
伊19「……」ズイッ
提督(顔を更に近づけて来たから、なんかいい匂いが……ちょっとムッとしてて可愛いし)
伊19「……」ジーッ
提督「……」ジーッ
提督(可愛いなぁ……)
伊19(怒るどころか、嬉しそうなのね……)
――――――――――
工廠
伊19(イクがやられたらイラッとする行動が、提督には効果がなかったのね)
工廠妖精「ドレヲハイキスルンダイ?」
伊19「えっと、これとあれとそれと……これの二四個を頼むの」
工廠妖精「ハイヨー」カーンカーンカーン
伊19(次は一体何を……ん?)
伊19「あっ……やっ、やっちゃったのね!!」
伊19「ど、どうしよう……」
――――――――――
執務室
伊19「た、ただいま戻ったの……」ガチャ
提督「おかえり。って、暗い顔してどうしたの?」
伊19(隠してもすぐに気づかれるから……素直に話すの)
伊19「その――――ということがあって……」
提督「あー……四連装酸素魚雷と間違えて五連装酸素魚雷を廃棄しちゃったのか。あの魚雷は改修の素材だったから、ロックしてなかったのを忘れてたよ」
伊19「ご、ごめんなさいなの……」
提督「……まあ、今回はロックを忘れていた俺にも落ち度はあるし、装備の一つくらいまた集めればいいからさ。そんなに落ち込まないでよ」
伊19「でも……」
提督「失敗は誰にでもあることさ。大事なのは、そこから同じ失敗をしないように気をつけることだよ」
伊19「……次は間違えないように、廃棄や解体の時は確認を今以上にしっかり行うようにするのね」
提督「うんうん。忘れないようにね」
伊19(提督はこんな時でも優しくて……本当に申し訳ないのね)
―――
――
―
提督「終わったー。今日も一日お疲れ様」
伊19「お疲れ様なの……」
提督(まだ気にしてるのかな。こういう時は――)
提督「よし、今日は一緒に呑もう」
伊19「イク、あまり呑みたい気分じゃないの」
提督「そんなこと言わずに、ちょっと付き合うだけでいいからさ」
伊19「……少しだけなら、付き合うの」
―――
――
―
眠いので残りは起きてから投下します
伊19がやっても笑って許せる自信がある
伊58がやったらオリョクル100周させる自信がある
19ちゃん自演はやめるでち
オラでち公!オリョクル行くぞ!!
あざといのは大好き
イクはかわいいのね
ゴーヤのほうがかわいいでち
ええやん。支援。待ってるで
鹿島「ろーちゃん!です!」
提督、私頑張ったよ…100週…オリョールに行ってきたよ…ねえ提督…どこにいるの?声だけじゃわからないよ…すごく真っ暗だよ…てい…と…
おはようございます
では、嵐掘りながら投下します
鳳翔の店
伊19「ぷはーっ、おいしいのね!」
提督(少しと言ってたのにメチャクチャ呑んでるけど……まあ別にいいか)
提督「ところで、工廠行く前にしてたアレって何だったの?」
伊19「アレは……提督の反応が見てみたかっただけなの」
提督「あー、もしかして執務の邪魔をしたら怒るか試したのかな?」
伊19「そうな……あっ」
提督「やっぱりそうだったか」アハハ
提督「いやー、あんなに顔を近づけられたから期待してたんだけどね」
伊19「何を期待してたの?」
提督「それは秘密で」
伊19「何でなの!」
提督「それは傍から見たらどんな光景か考えれば分かる」
伊19「傍から見たら? ……あっ」カァァ
提督「おやおや、思わせぶりな事をするイクにしては珍しい」ニヤニヤ
伊19「そ、そんなつもりじゃなかったから……今思うと恥ずかしいのね」
提督(こんな時に青葉がいたら映像に残せるけど諦めるか……)
提督「うーん、あまり覚えてないけど確かに失敗したことはあったかもね」
提督「でもその中には俺の作戦が悪かったケースもあったと思うから叱れる立場ではないと思うんだよね 」
伊19「うっ……」
提督「……まあ、イクにはよく秘書艦頼んでるから特別に教えてあげよう」
伊19「本当に教えてくれるの?」
提督「うん。他の艦娘に聞かれたら何言われるか分からないから、秘密だぞ?」
伊19「了解なの!」
提督「いい返事だ。じゃ、話すとしますか」
提督「まずさ、俺とイク達艦娘は一応上司と部下の関係だよね」
伊19「一応ってつけていることが引っかかるけどイクは少なくとも部下なの」
提督「まあそこは気にしないで……で、俺の仕事は主に執務室で行われ、イクは秘書艦じゃなければ大体は現地に行って戦うのが仕事だよね?」
伊19「当たり前のことなのね。艦娘だから深海棲艦と戦うのは自然なことなの」
提督「そうだね。つまり俺は比較的安全な仕事内容だけど、イクは常に死と隣合わせの状況で仕事をこなさないといけないわけだ」
提督「俺はさ……戦場で時には死にかけたりしながらも戦うイク達の方がよっぽど偉いし、頑張ってると思っている」
伊19「でも――」
提督「おっと、まだ話は終わってないから待ってくれないかな?」
伊19「……了解なの」
提督「ありがとう。でさ、過去に聞いた話なんだけど……とある航空会社ではパイロットの給料が社長の給料より高いんだ。何故か分かるかい?」
伊19「うーん……たくさんの人を乗せて操縦してるから?」
提督「そうそう。他人の命を預かるパイロットの方が責任が重いから、自分なんかより見返りがあるべきだと、そう社長が判断したらしい。ただ、ちゃんと覚えてないから少し違うとは思うけどね」
提督「……この話から、なんとなく分かってきたんじゃないかな?」
伊19「えっと、提督は今の話の社長みたいに自分よりイク達の方が大変な思いをしてるから怒れない……とか?」
提督「一部は違うけどだいたいそんな感じかな。俺は基本的に作戦の成功よりも誰一人欠けずに戻ってくることの方が大事だからさ、作戦を失敗されても怒らず、労ってあげたいんだ」
伊19「……」
提督「とんだ甘ちゃんだとは思うけどさ……俺は一人一人大切にしたい。過去に辛い思いをした艦娘はたくさん居るから、人として転生できた皆には幸せな日々を送って欲しい」
提督「……ま、現状を守るためにはイク達に任務を達成してもらったり、出撃による戦果稼ぎや遠征の成功実績が不可欠なんだけどね。放置してたらここから追い出されかねないし」
伊19「それが、本当の理由……」
提督「うん。まあ他にも無くはないけど、これが一番の理由だよ」
伊19「……提督がイク達の事を考えて、怒らなかったのはよく分かったの。でも、怒らなければいけない時はきっと来ると思うの」
提督「それは分かっているよ。いつかは誰かが取り返しのつかないことをするかもしれない……みんな根はいい子だから無いと信じたいけどね」
伊19「みんなきっと提督を裏切るようなことはしないって、イクも思うのね」
提督「そっか。イクが言うと何だか安心出来るよ」ナデナデ
伊19「んふー、提督が撫でてくるなんて珍しいのね」
提督「なんとなくそんな気分だったのさ。ま、今後もよろしく頼むよ」
伊19「こちらこそ、よろしくなのね!」
提督「うんうん……さて、少し酔いがさめちゃったし、もう少し呑むか?」
伊19「まだまだ呑み足りないから賛成なのね」
提督「OK、すいません追加注文を――」
――――――――――
次の日 執務室
提督「フフンフフンフーン」
タタタッ ガバッ
提督「うおっ! だ、誰だ?」
伊19「提督、おはようなの!」ニコッ
提督「イクだったか。飛びつかれたからびっくりしたよ」
伊19「執務室に向かうのを見かけたから、驚かせようと思ったのね」
提督「あはは……イクの思惑通りになったわけだね」
伊19「んふーっ、大成功なのね!」
提督「嬉しそうで何よりだ。それにしても、よく飽きずに色々としてくるね」
伊19「提督は何をしても怒らないから、色々したくなっちゃうのね」
提督「そうかー。ま、じゃれてくるくらいなら怒りはしないさ。おっとそろそろ始まる時間だから急がないと……」
伊19「イクも出撃があるから、もう行くの」
提督「そうだったね。気をつけてな」
伊19「大好きな提督のために、頑張ってくるのね! じゃ、行ってくるの!」
タタタッ
提督「……大好きな提督のために、か。どういう意味で使ってるか知らないけど、どちらにせよ信頼してもらえてるのは嬉しいかな」
提督「さーて、皆のために俺も一日頑張りますかー」
ガチャ バタン
――――――――――――
本編は終わり
夜におまけ投下できるように頑張るので待っててください
かわいいなあ
翔鶴ちゃんは俺の嫁だからな忘れるなよ?
ageカスに嫁扱いされてつきまとわれてる翔鶴かわいそう
つきまとわれる事に対する怒りを力に変え改二になることが出来た翔鶴であった
逆に言えば艦娘は絶対の上司である提督に何をされてもそうそう怒れない立場だよな
満潮霞曙摩耶瑞鶴叢雲龍田
絶対の上司に爆撃したり 問題のあるカレーライス食わせたり
褒めろと要求したり 色香で誘惑してきたり
自分の食事を作らせたりしてるんですが・・・
>>41 ビスマル子も追加で
乞食多過ぎだろ
自重しろや
でも最終的な指揮とかを担当するのは提督で
実際命預かってるのは提督なんだよなぁ
と俺は考えた
なんで乞食がこんなにいるんだ?
age翔鶴乞食のせいでこの流れになったんだろ
書けたから投下します
おまけ
――――――――――
執務室
伊19「ただいまなの……」
提督「おかえ……って、派手にやられたみたいだね」
伊19「敵の爆雷が珍しく直撃しちゃったのね。水着がボロボロなの……」
提督(水着が破けていつもは見えてない素肌が晒されている……実に危険だ。だけど、目を逸らすと逸らしちゃダメと言われるし……うーむ)
伊19「提督、もしかしてイクの身体に見蕩れていたの?」ニヤッ
提督「……とりあえず、入渠してきなさい」メソラシ
伊19「話を逸らそうとする辺りが怪しいのね」ニヤニヤ
提督「おいおい、こっちに近づいてこないで早く入渠ドックに――」
伊19「答えてくれないとダメなの」
提督「えぇ……」
提督(これは非常にまずい。手で隠しているとはいえ胸部装甲がこんな間近で……落ち着け、俺)
伊401「……イク、私もいるんだけど?」
伊19「あっ……すっかり忘れてたの」
伊401「提督を困らせてないで、早く入渠してきてよ。まだ出撃してもらわないといけないんだから」
伊19「ぐぬぬ……仕方が無いのね。入渠ドックに行ってくるの」
提督「い、行ってらっしゃい」
ガチャ バタン
提督「……ふう、助かったよ」
伊401「今回は私が居たからあっさり引き下がったけど、提督だけで対処出来るようにならないとダメだよ」
提督「しおいの言うことはもっともなんだけど、なんだかねえ」
伊401「……提督って、私も含めて艦娘に対して甘い気がするんだよね。怒らないし……だからイクみたいにちょっかいかけたりする子がいるんだよ」
提督「うーん、確かにそうなのかもしれないけどさー」
伊401「そうなのかもしれないじゃなくて、現にそうなってるからね?」
提督「あはは……」
伊401「もう……提督らしく、しっかりしてね?」
提督「ああうん……気をつけるよ」
―――
――
―
夜 提督の部屋
伊19「今日は提督の布団に入って、驚かすのね」
伊19「寝ようと近づいた時に布団から出たらきっと驚くこと間違い無しなのね」ニヤニヤ
伊19「早速潜り込んで……後は待つだけなの」
伊19(……ほんのりと提督の匂いがするの。特にこの枕)スンスン
伊19(何だか落ち着くの……)
伊19「……」
―――
――
―
次の日
提督「……」パチリ
提督「ふあーっ……朝か」
提督「さーて、着替えるk……ん?」
提督(なんか人肌を感じるn――)チラッ
伊19「zzz」ギュッ
提督「」
提督(い、いつの間にこっちの布団にイクが入って――)
コンコンコン
提督「うーさみさみ、暖かくして早く寝ないと……ん?」
提督「何で布団がこんな盛り上がって……まさか」ピラッ
伊19「zzz」
提督「」
提督(な、何でイクが俺の布団に潜り込んでいるんだ!?)
提督(……もしかして、脅かそうとして潜りこんだらそのまま寝てしまったのかな?)
伊19「ん……えへへー……」
提督(うーん、流石に起こしてしまうのも良くないし、このまま寝かせてあげよう)
提督(確かここに収納して――あったあった)
提督(家具コインで手に入れた布団の予備が役に立つ日が来ようとは思いもしなかったなー。よいしょっと)ポスン
提督(ドッキリさせられたけど、これで寝られるな)
提督(うーん。内側からしか鍵を掛けられないから入られちゃうのは良くないなー。明日になったら鍵をつけるように相談してみるか)
伊19「……」ムクリ
――――――――――
伊8「提督、朝ですよー」
提督(そう言えば今日の秘書艦ははっちゃんだったっけ。よりにもよって一番バレたらまずい相手とは……)
提督「あ、ああもう起きてるから大丈夫だ! 着替えてるからはっちゃんは先に執務室で待ってて!」
伊8「了解です」
提督(と、とりあえずこれで開けて入ってくることはないだろうから、慎重にイクを離して着替えよう)
伊8(これは何かハプニングがあったみたいですね。そう言えばイクが夜に居なかったのも気になります……まさか)
つづけたまへ
提督(起きないようにうまいこと引き剥がして、着替えも済ませた。後は伊19の行動次第だけどきっと何とかなると信じてるy――)ガチャ
伊8「おはようございます、提督」ニコッ
提督「あ、ああ……おはようはっちゃん」ダラダラ
提督(な、なんで部屋の前にいるんだ!?)
伊8「あら、何だか焦っているように見えますが、何かありましたか?」
提督「そ、そう見えるかい?」
伊8「はい」
提督「……ま、まあ大したことじゃないから心配しないで。それより早く執務室に行って執務を始めないとね」
伊8「そうですね。でも、はっちゃんとしてはとても気になって執務に見が入らなくなりそうなので、教えてもらえると嬉しいのですが……」
提督「いや、大したことではないけどね。その――」アタフタ
ダダダ ガバッ
伊19「提督、おはようなのー!」
提督「」
伊8「あらあら、これは青葉さんが知ったら大スクープものですね」ニコッ
その後、提督はこの件について事細かに聞かれ一日中はっちゃんに振り回されたことは言うまでもない
――――――――――
おまけも終わり
読んでくれてありがとうございます
イクがメインのSSを見たことが無かったので書いてみたけど投下ミスやらかして申し訳ないです
航空会社の話はうろ覚えなので多分違うところがあると思います
とりあえず依頼出してきます
乙なのね
可愛かったのね
乙でした
今度はわたはっちゃんのSSも読みたいアハト
おつおつ!
はっちゃ...私のss見たいです
乙、19が可愛かったのね
乙
我が鎮守府唯一の嫁艦はっちゃんの可愛さは天井知らずやで
>>65
はっちゃん「俺のSSでいいのか、孫悟空?」
乙!もうちょっと見たかったですっ!
70get!
>>69
懐かしいなぁ…
次スレ
ビスマルク「まだ足りないわ。あなたもそうでしょう?」提督「もちろん」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1449497730/)
新スレ乙です
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