千早「ふふっおかしなことを言うわね」

千早「無意識にこんな事するわけないでしょ」

春香「そ、そうなんだ」

千早「えぇ」

春香「でも重くないの？」

千早「そうね、気にならないわ」

春香「じゃまだったりしない？」

千早「特には」

春香「やっぱり仲良いよね！？」

千早「…………そうかしら？」

春香「なんでピンとこないの！？」

千早「？」

春香「えー……そこで首を傾げられても……」

千早「変な春香ね」

春香「私が変なのかぁ……」

春香「そもそもなんで膝枕なんてしてるの？」

千早「あぁ、これにはちゃんと理由があるのよ」

春香「あ、そうなの？」

千早「それは当然よ、私だって訳もなくこんな事しないわ」

春香「そっか！　言われて見ればそうだよね！」

千早「そうよ」

春香「…………」

千早「…………」



春香「理由は！？」

千早「あまり大声を出さないで、美希が起きてしまうわ」

春香「ごっごめん」

千早「もう……」

春香「でも、今理由を言う流れだったよね？」

千早「そうかしら」

春香「そうだよ！」

千早「理由があるって事で納得してくれたのだと思ったの」

春香「納得はしたけど、理由も知りたいよ！」

千早「実はね？」

春香「うん……」ｺﾞｸｯ

千早「春香をここに座って待っていたのだけれど」

春香「うん」

千早「そしたら美希が来たの」

春香「それで？」

千早「それで、美希に『して』ってお願いされたの」

春香「うん」

千早「だからよ」

春香「それだけぇ！？」ｶﾞﾀｯ

千早「……春香」ｼﾞﾄ

春香「ごめんなさい！」

千早「もうっ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

春香（ごく自然に美希の頭を撫でてる……）

春香（でも千早ちゃんは膝枕をお願いしたらやってくれるんだ！）

春香（しかも頭も撫でてくれる……）

春香（美希がすごく羨ましいけど、今これを知ったのは運がいいよ！）

春香（後で私もお願いするんだ！）

春香（なんたって千早ちゃんの一番の親友は春香さんだからね！）

春香（しかも今日はなんと千早ちゃんのお家にお泊り！）

春香（はるちはですよ、はるちは！）

千早（また変な事考えてるわね……）ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

美希「Zzzz」

美希「あふぅ」

春香「あ、おきた」

千早「おはよう、美希」

美希「おはようございますなの……」

春香「おはよう、美希」

美希「…………？」

春香「え？」

美希「……なんで春香がいるの？」

千早「美希、ここは事務所よ」

美希「あ、そっか」

春香「美希は用があって残ってたんじゃないの？」

美希「違うよ？　もう今日のお仕事は終わったもん」

春香「じゃぁどうして？」

美希「千早さんが春香を待ってるって言ってたから、一緒に待ってたの」

春香「寝てたよね！？」

美希「そうなの、お喋りするはずだったのに……魔性の膝枕なの」ｽﾘｽﾘ

千早「ちょっ美希っくすぐったいわよ」

美希「あはっ」

春香（うらやましいいいいいいい！）

春香（ふふ、でもいいよ……美希、今は見逃してあげる）

春香（思う存分千早ちゃんに甘えているがいいよ）

春香（なんていったって今日はお泊り！）

春香（千早ちゃんの夜のお供は私だから！）

春香（美希は今だけ、仮初の優越感に浸るんだよ！）

春香（そしてそのあとは！）

千早「美希も起きたことだし、私達も帰りましょうか」

春香「そうだね！　千早ちゃん！」

美希「春香、何だか機嫌がよさそうだね」

春香「わかる？　いやーわかっちゃうかー」

美希「うぜぇの」

春香「いやー別に自慢するわけじゃないんだけどさ」

美希「聞いちゃいないの」

春香「私、今日お泊りデートなんだ！」

美希「は？」

春香「へっへーいいでしょ？」

美希「春香、春香も一応アイドルなんだし……そういうのはよくないと思うな」

春香「一応って何！？」

美希「天海春香お泊りデート！　なんてスキャンダルなの」

春香「大丈夫、女同士だから！　それに……」

美希「それに？」

春香「千早ちゃんとのスキャンダルならどんとこいだよ！」

美希「千早さんに迷惑かけないでほしいの」

千早「というよりも、デートではないのだけれど」

春香「えー照れなくても良いんだよ、千早ちゃん」

千早「照れてないわ」

美希「千早さん、やっぱり春香は泊めないほうがいいと思うよ？」

千早「…………そうかも知れないわね」

春香「えええええ！？」

千早「冗談よ」

春香「良かったぁ……」

美希「ミキは冗談じゃなかったけどね」

春香「うるさいよ！」

春香「遅くならないうちに帰ろう！　そうだよ、帰ろ！」

千早「春香！？」

春香「ほらほら！　準備して！」

美希「あふっ春香必死なの」

春香「いいから！　美希も帰るなら準備して！」

美希「途中まで千早さんと一緒に帰る予定だったからもうできてるよ」

千早「偉いわ、美希」

美希「もっと褒めてもいいよ？」

千早「もう、仕方ないわね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

春香「はーい！　春香さんも準備出来たので帰りますよー！」

美希「……邪魔しないでほしいの」

帰りの電車

春香（ふう……美希には困ったものだよ）

春香（あそこまで露骨に甘えてくるなんて……）

春香（千早ちゃんも何だかんだで面倒見がいいもんだから……）

春香（でも、ここからは二人っきりですよ！）

千早「春香、早く降りないと……乗り過ごすわよ？」

春香「ヴぁい！？」

千早「もう着いてるのだから、早く降りて？」

春香「わわっごめんなさい！」

春香「こうやってお仕事帰りにさ」

千早「？」

春香「二人でスーパーによって、同じ家に帰ってるとさ」

千早「何？」

春香「まるで恋人同士みたいだね！」

千早「そうかしら……」

春香「そこは頷くか照れて怒るとこだよ千早ちゃん」

千早「ごめんなさい、私には難しかったわ」

千早「さ、あがって」

春香「おじゃましまーす…………あれ？」

千早「どうかした？」

春香「なんだか……前と比べて生活感が出てきたというか……」

千早「生活してるもの、当然じゃないかしら」

春香「それもそうかな」

千早「それよりも手洗いとうがいをしないと」

春香「あっはーい！」

春香「ねぇ千早ちゃん」

千早「何？」

春香「こっちの黄緑のコップとハブラシなに？」

千早「美希のだけれど」

春香「何で美希のがあるの！？」

千早「前に泊まった時に買ったのよ」

春香「わっわた……春香さんのは！？」

千早「ないけれど……」

春香「何で！？」

千早「買ってないじゃない……」

春香「明日買おう」

千早「いいけど……」

春香「今日のところはハブラシに名前を書いて置いておこう」

千早「ハブラシはおいていくのね」

春香「っていうか美希が千早ちゃんの家に泊まりに来たなんて聞いてないんですけど！？」

千早「言わなかったかしら」

春香「聞いてないよ！　聞いてたらこんなマーキング許してないよ！」

千早「マーキングって……」

春香「だって自分のイメージカラーのハブラシにミキ（はぁと）って書いてあるんだよ！？」

千早「美希らしくていいじゃない」

春香「おこだよ！　おこ！」

千早「なんで春香が怒るのよ……」

春香「ぷんぷん！」

千早「そういえばお腹が空いたし、春香のご飯が食べたいわ」

春香「任せてよ千早ちゃん！　美味しいご飯作るからね！」

千早（変なのに騙されないか心配ね……）

つづく

乙！

これはいずれ千早の家に他の皆の私物などか置かれるフラグだな

イチャイチャモノだと思いきや…
成る程…こういうのもあるのか…

おら！早く書くんだよ！

ﾘb春香は知らなかった…
二人が暑い日どころか、寒い日も暖かい日もだらだら(意味深)していた事を

千早「お風呂の準備ができたわよ」

春香「千早ちゃん、先に入ってよ」

千早「私は後でもいいけど」

春香「ううん、私は千早ちゃんに先に入ってほしいな！」

千早「そう？」

春香「そうだよ！　私は千早ちゃんの後がいいから！」

千早「じゃぁお言葉に甘えさせてもらおうかしら」

春香「私の事は気にしないでゆっくり温まってきてね！」

千早「えぇ、ありがとう」

千早「お待たせ、空いたわよ」

春香「おかえり～」

千早「ふふ、ただいま」

春香「それじゃぁ私も……」

千早「えぇ」

春香「そこは行ってらっしゃい、だよ！」

千早「あ、いってらっしゃい」

春香「いってきまーす！」

春香「ふむ、シャンプーよし、コンディショナーよし、その他よし！」

春香「うん、お風呂場には美希の痕跡は残ってないね！」

春香「美希のシャンプーなんかあったらリンスと入れ替えてるところだったけど」

春香「私のお泊りセットのシャンプー達をここにおいて置こう」

春香「ふふ、美希の悔しがる姿が眼に浮かぶよ！」

春香「心配もなくなったことだし……」

春香「ゆっくりとお湯を頂くとしようかな！」

春香「で、出ました～」

千早「…………」

春香「千早ちゃ～ん？」

千早「…………なんで上を着ないの？」

春香「間違えてパジャマのズボンを2着持ってきちゃったみたい……」

千早「そう、上半身下着姿だったから……嫌味か何かかと思ったわ」

春香「そんな事しないよ！」

千早「仕方ないわね……私の服を貸すわ」

春香「ありがとう、千早ちゃん」

千早「適当でいいわよね」

春香「千早ちゃんのだったら洗濯する前のでもいいよ」

千早「それは私が嫌よ」

春香「そっか」

千早「えぇ」

春香「あ、ありがとう……千早ちゃん……お借りします……」

千早「…………」

春香「……ち、千早ちゃんの服だーわーい」

千早「…………」

春香「…………似合う？」

千早「私……そんな柄の服持ってたかしら」

春香「……実際あるんだし……持ってたんだと思う……よ？」

千早「へぇ…………春香、キツくない？」

春香「…………ダイビョブダヨー」

千早「脱げー！」

春香「きゃー！」

春香「千早ちゃん……こういうのはもっとムードを大事にしないと……」ﾊｧﾊｧ

千早「うるさい、私のを服歪ませないで」

春香「えぇ～」

千早「おへそが出てたから、さっきのはサイズが小さかったのね、そうよね」

春香「…………うん」

千早「こっちのなら大丈夫だと思うわ」

春香「あ、うんちょうどいいよ」

千早「そう、良かったわ」

春香「も～最初からこっちを出してくれたらよかったのに」

千早「それ、一応美希のなの」

春香「え？」

千早「だから私ので大丈夫なら済ましたかったのだけれど」

春香「ごめんね、私の胸が大きいばかりに」

千早「怒ってもいいかしら」

春香「ごめんなさい！」

千早「全く……」

春香「っていうか千早ちゃん！」

千早「何？」

春香「美希の物多くない！？」

千早「そうかしら」

春香「そうだよ！」

千早「特に意識したことはないけど……」

春香「こうなったらあれだね」

千早「あれ？」

春香「春香さんが生きた証をここに刻まないと」

千早「何を言っているの……」

春香「とりあえずこの服には私のフェロモン染み込ませておくね」

千早「とりあえずでするようなことではないと思うわ」

春香「お風呂は春香さんセットを置いたから良いとして……」

千早「もう置いてあるのね」

春香「そうだ、履かなかった方のズボンを置いていこう」

千早「それくらいなら……」

春香「あとは……」

千早「その前に髪まだ濡れてるわ、乾かしたら？」

春香「そうでした！」

千早「私はその間に布団を出してくるから」

春香「！　ちょっと待って！」

千早「何？」

春香「美希ってお泊りの時お布団で寝てるの？」

千早「どうして？」

春香「ここまでの流れでさ、このままじゃ終わらない気がしたの」

千早「そう……じゃぁ準備してくるから」

春香「千早ちゃん！？」

千早「いいじゃない、美希の事は」

春香「これは事情を聞かざるを得ないよ」

千早「えぇ、美希は私と一緒にベッド寝てるわよ」

春香「やっぱり！」

千早「というわけで準備してくるわね」

春香「いやいやいや！」

千早「……何かしら」

春香「美希が一緒に寝たなら春香さんも一緒に寝るべきだよ千早ちゃん！」

千早「美希もね、最初から一緒に寝ていたわけじゃないの」

春香「？」

千早「最初は布団で寝ていたのだけれど、途中でベッドに来たってだけなの」

春香「じゃぁ私も忍び込めばOKってこと？」

千早「違うわ」

春香「でも結局忍び込むんだしお布団用意するのもったいないよ」

千早「当然のように宣言されると思わなかったわ」

春香「でも無駄は省くべきだよ」

千早「確かに使わないなら無駄だけど……」

春香「というわけで添い寝だね！　やったぜ！」

千早「もういいわ、わかったから早く髪乾かして」

春香「はーい」

春香「月明かりだけでも、意外と千早ちゃんの顔が見えるよ」

千早「これだけ近くにいるんだもの」

春香「えへへ」

千早「目を開いてたらいつまで経っても寝れないわよ」

春香「はーい……おやすみ、千早ちゃん」

千早「おやすみ、春香」




.

春香「………………」

春香（ふふ、千早ちゃんの寝顔を堪能できる……なんという幸せ！）

千早「…………」ﾊﾟﾁ

春香「！？」

千早「さっさと寝なさい」

春香「はい……」

つづく

乙です
はるちはサイコー

千早ちゃん抜け目ないなー
乙

事務所

真「はぁ……」ｶﾞﾁｬ

千早「真？」

真「あ……千早、お疲れさま」

千早「お疲れ様……今日は帰ったんじゃなかったの？」

真「そうなんだよ……聞いてよ！」

千早「何かあったの？」

真「仕事も終わって家に帰ったんだけどさ」

千早「えぇ」

真「いざ家について気づいたんだよね、ボク家のカギ持ってないって」

千早「あぁ……」

真「そしてそういう時に限って、家に誰もいないどころか今日はボク以外帰らないんだよ……」

千早「ついてないわね」

真「本当だよ、一応窓から侵入できないか試したんだけどさ」

千早「何やってるのよ……」

真「我が家の戸締りは完璧だったよ」

千早「傍から見たら貴女が不審者だけどね」

真「うっ……」

千早「ところで一つ良い？」

真「なに？」

千早「鍵はどこにあるか心当たりはないの？」

真「あーカギね」

千早「？」

真「家にあるんだよ」

千早「家を出るときはどうしたのよ」

真「かけてもらってる」

千早「それで忘れてたら世話無いわね」

真「返す言葉も無いです」

真「ま、そんなわけでさ、お願いして事務所に泊めてもらおうかと」

千早「事務所に泊まるの？」

真「仮眠室さえ使わせてもらえれば、一晩くらいなら何とかなると思う」

千早「アイドルとしては何とかなっちゃいけない気もするけど」

真「うっ」

千早「律子が許すとも思えないわね」

真「やっぱり？」

千早「えぇ」

真「でもさーちょっと調べたんだけどホテルって結構高いんだよね」

千早「当日だとそれなりになってしまうみたいね」

真「いや、カギを忘れたボクが悪いのはわかってるんだよ？」

千早「そうね」

真「でもさ、帰れる距離に家があるのにホテルに泊まるのってもったいない気がして」

千早「わからなくはないわね」

真「でしょー」

千早「でも事務所に泊まるのはどうかと思う」

真「やっぱり？」

千早「一応女の子なんだし」

真「一応って……」

千早「私の家でよければ来る？」

真「え、いいの？」

千早「えぇ、事務所よりはマシだと思う」

真「ありがとぉ！　千早ぁ！」ｶﾞﾊﾞｯ

千早「ちょっ真……苦しい！」

真「ごめんごめん」

千早「全く……」

真「正直言うと事務所に泊まるのは結構不安だったからさ」

千早「真でもそう思うのね」

真「そりゃ多少はね、だからホントありがとう！」

千早「ただ、私律子に用があるからそれまで待ってて」

真「それくらい待つよ！　余裕余裕！」

千早「あずささんを迎えに行っただけだからすぐ戻ってくると思うわ」

律子「ごめん千早、待ったかしら」

千早「真と話していたから、気にしないで」

あずさ「ごめんね、千早ちゃん」

千早「大丈夫です、あずささん」

律子「あれ、真はもう帰ったんじゃ……」

千早「実は家のｋ」

真「あはは！　今日は千早の家に泊まりに行くから一緒に待ってたんだ！」

千早「……」

真（恥ずかしいから内緒で！）

千早「……そういうことよ」

真（さんきゅー千早！）

律子「そうだったの……じゃぁ待たせちゃ悪いわね、私の机に来て」

千早「わかったわ」

あずさ「あら～お泊りだなんて楽しそうねぇ～」

真「あずささん」

あずさ「真ちゃん達、仲良しさんね」

真「へへっありがとうございます！」

あずさ「楽しんでねぇ」

真「はいっ」

帰り道


千早「夕食……どうする？」

真「そうだなぁ、千早って普段はどうしてるの？」

千早「最近は少しずつ自炊するようにはしているけど……出来合いの物が多いわ」

真「なるほど」

千早「真は今日はどうする予定だったの？」

真「ボクもなんか適当に買って食べるつもりだったよ」

千早「じゃぁそうしましょうか」

真「うん！」

千早「上がって」

真「お邪魔しまーす」ｷｮﾛｷｮﾛ

千早「洗面所はここだから手洗いうがいはしっかりとね」

真（お母さんみたいだ）

千早「あるものは好きに使っていいから」

真「ありがとう、何も準備できてないから助かるよー……ん？」

千早「どうかした？」

真（ハブラシとコップがひとつじゃない……だと！？）

真（えっこれってあれかな、もしかしてかかっかっかか彼氏！？）

真「千早！？」

千早「どっどうしたのよ急に」

真「あのハブラシなんだけど！？」

千早「あぁ、あれか」

真「どういうこと！？」

千早「美希が自分の分を置いてるのだけど、それを見た春香も対抗しただけよ」

真「美希……と春香ぁ？」

千早「名前まで書いてあるのよ、ほら」

真「ホントだ……なんだぁ……」ﾎｯ

真「ねぇ千早」

千早「何？」

真「さっき買ったボクのハブラシもここ置いていい？」

千早「真もなの？　別にいいけど」

真「やーりぃ！　なんか面白いじゃないか！」

千早「そういうものかしら……」

真「まことちゃん、でいいかな」

千早「着々と増えていっているわ……」

真「面白いから写真撮っておこう」ｶｼｬ

真「お風呂ありがとう、気持ちよかったー」

千早「着替え、きつくない？」

真「うん、ちょうどいいよ！　着替えまで悪いね」

千早「いいのよ、私真の事好きだわ」

真「ちっ千早！？　急にどうしたのさ！」

千早「その服、春香が着た時は一部が不自然に盛り上がっていてキツそうだったわ」

真「………………あぁ…………」

真「それにしても、新品の下着なんて良く持ってるね？」

千早「以前春香が泊まりに着た時に安いのをいくつか買っておいたの」

真「そうなの？」

千早「えぇ、シャツとかはともかくさすがに下着を貸すのには抵抗があったから」

真「それは普通じゃないかな……てか借りるほうも抵抗があると思うよ、ボクがいうのもなんだけど」

千早「春香や美希は何故か抵抗がないみたい」

真「すごいな……」

千早「むしろ履いた奴が良いって言われた時は少しショックだったわ」

真「よくそんなこというやつを泊めたね、千早の器の大きさに感動を隠せないよ」

千早「今履いてる奴でも良いよって言われた時は追い出そうかとも思ったわ」

真「よく実行しなかったね、あの二人の真実に動揺が隠せないよ……」

千早「あ、そういえば真は布団使う？」

真「えっ？」

千早「？」

真「あ、いや泊めてもらってる身で図々しいとは思うんだけど余ってたら貸してもらえると嬉しいんだけど……」

千早「あ、違う、違うの」

真「なければ毛布だけでももらえれば適当に床で寝るから……」

千早「ごめんなさい、違うのよ、あの二人と一緒にしたらダメだよね」

真「あの二人？」

千早「美希と春香は私のベッドで一緒に寝るから布団を使わないの」

真「千早、それはやめたほうがいいと思う！」

千早「ま、真？」

真「ボクも事務所の仲間を悪く言うつもりはないよ？」

真「でもさっきの話を聞いた後だと……千早が心配すぎるよそれは」

千早「さすがにそこまでじゃないと思うわ、あの二人も……」

真「ボクもさっきまではそう思ってたよ」

千早「とりあえず今日まで大丈夫だったわけだし……」

真「まぁ千早がいいならいいんだけどさ」

千早「じゃぁ布団用意するわね」

真「うん、ありがとう……あ、千早」

千早「何？」

真「風呂上りにしてた体操、バストアップの奴だよね」

千早「…………なんの事かしら……」

真「実はあれ、ボクもやってるんだよね」

千早「そうだったの……」

真「千早もやってたって事はやっぱ効果ないのかなぁ……」

千早「…………」ﾊﾞﾝﾊﾞﾝ

真「ちょっ！　いくらマクラでも地味に痛いよ！」

千早「もういいわ、さっさと寝ましょう」

真「敷布団しか見当たらないんだけど……」

千早「私と違って豊満なんだから寒くないでしょ」

真「ごめんってば！」

千早「電気消すわね」

真「ちょっと！？」

千早「おやすみ」

真「…………おじゃまします……」

千早「何でベッドに入ってきてるの……」

真「フリかと思った」

千早「違うわよ……」

千早「ちょっとしたら毛布も出そうと思ってたんだけど」

真「もうこのまま寝ちゃおうよ」

千早「そうしましょうか、面倒だし」

真「やったね」

千早「おやすみなさい」

真「おやすみ」





.

翌日、事務所

雪歩「お泊り！？」

真「お、驚きすぎじゃない？　雪歩」

雪歩「う、羨ましい……」

真「いいだろ～」

雪歩「通りで真ちゃんがいつもと違う香がするはずだよぉ」

真「えっ……」ｸﾝｸﾝ

雪歩「あっ臭いとかじゃなくて……シャンプーの匂いとかがね」

真「さすが雪歩、細かいところに気が付くなぁ」

千早（そういう問題なのかしら……）

真「これ見てよ、千早の家の洗面台」

雪歩「ハブラシが随分多いね？」

真「ボクと千早と美希と春香の分だよ」

雪歩（千早ちゃんにこのハブラシ頂戴って言ったら変態さんだと思われちゃうかなぁ……）

真「あとこれマニキュアが並んでて綺麗だったから」

千早「美希に勧められて買った物ね」

真「美希と春香の私物が多くてびっくりしたよ」

千早「物臭なのかウチに置いていきたがるのよね」

雪歩（わかる、わかるよ二人とも……）

真「ボクも着替え丸ごと全部忘れちゃったけどね」

雪歩「えっ？」

千早「一応アイドルなんだし、２か同じ服はどうかと思ったから」

真「だから千早に服を借りたんだけどさ」

千早「肝心の自分の服を持ってきてないのよね」

真「忘れないように袋も借りて詰めて置いたんだけどなー」

千早「そこで安心してしまったわね」

雪歩（ということは……いま千早ちゃんのお家には……真ちゃんの……！？）

真（なんか悪寒が……気のせいかな……）

続く

乙！

乙乙