雪乃「温泉を求めて?」 (26)
注意書
・日本語が弱点なので文章がつたないところが多々あります。
・原作未読でアニメのみです、キャラや設定に違和感を覚えてしまうかもしれません。
八幡「温泉を求めて?」の続編というか蛇足です。
八幡「温泉を求めて?」 - SSまとめ速報
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某県 電車内
俺はまた例の秘湯に行こうといつか乗った電車に乗っていた……雪ノ下雪乃と。
細かい経緯は省略するが雪ノ下は俺と自分の姉が温泉に行ったことに何故か猛烈に興味と怒りを抱いており、その鬼気迫る姿に俺は秘湯の事をポロポロと喋ってしまったのだ……決して普段と違う雪ノ下に気圧された訳ではない……ない……違うっていってるだろ!……
雪乃「ねぇ比企谷君、まだつかないのかしら?」
八幡「まだまだだ。というか行く前に言っただろう?相当長い時間がかかると」
雪乃「本当にその秘湯には姉さんと二人きりだったのかしら?」
八幡「まぁな、たまたま運が良かっただけだ……」
雪乃「運が良かった?……それはどういう意味かしら?まさか姉さんと一緒に……」
八幡「違うって、人がいなくて気を使わなくて良かったって事だ」
ここ最近雪ノ下はずっとこんな調子である
雪乃「……うまくいけば私も二人きりに……」ボソッ
八幡「あ?何かいったか?」
雪乃「べ、別に何もないわ」
聞こえてるんだろって?まぁな
その後、お互いの会話はなかった。
暫くすると最寄りの駅に着いたらしく電車を降り改札から出た…思わず伸びをする……ううーん、いつか見た寂れた田舎…やっぱこういう空気も悪くない
雪乃「比企谷君、その秘湯とやらはどこにあるのかしら?」
八幡「雪ノ下、今からまたさらに長い時間をかけて山を登って温泉に行く」
こいつ、そういえば全然体力無かったよな……大丈夫か?
雪乃「そ、そう……」
八幡「そういやお前のねーちゃんともここで会ったぜ」
雪乃「そう、ここでね………早く行きましょ比企谷君」
八幡「あぁ」
目的地に着けるか心配になってきたぞ…
雪乃「ハァ……ハァ……ちょっと休みましょ…比企谷君」
目的地の秘湯までまだ半分も進んでいないのだが雪ノ下から四回目の休憩の申し出があった
八幡「まぁしかたねーな…休憩するか…」
雪ノ下「……あとどれくらいかしら?」ハァハァ
八幡「気にしない方がいいぞ雪ノ下」
雪乃「そ、そう……」
雪ノ下雪乃……容姿端麗、頭脳明晰……だが体力がない……雪ノ下の数少ない弱点の内の一つだな
因みに雪ノ下の今日の服装は前回の誰かさんと同じくスポーティーな装いだった…姉妹揃ってキリッとした感じが様になっている……何度も言うようだがいやらしい感情は一切ない……ただ読者が想像しやすいようにってな……
五度目の休憩を挟んでしばらくした頃
雪ノ下は疲労でフラフラしていた…その内、道から落ちたりしないよな?…
雪乃「きゃあっ!……」
八幡「雪ノ下っ!!」ダキッ
ほら言わんこっちゃない
八幡「大丈夫か?怪我とかは?」
雪乃「……あ、ありがとう比企谷君……もういいわ離してちょうだい…」
八幡「あ、あぁ……す、すまん……」
思わず抱き止めていた雪ノ下の体を離す……だが実際問題この先は……
八幡「なぁ…雪ノ下……引き返さないか?」
雪乃「え?……」
八幡「お前の様子を見ているととてもじゃないが……」
雪乃「い、嫌よっ!……」
雪ノ下にしては珍しく強い否定
よっぽどショックだったのか?
八幡「だがな……雪ノ下…」
急に雪ノ下に手を繋がれた……えっ?何?……何?…
雪乃「こ、こうすれば落ちないわ…///」
少し顔を赤らめてしおらしい表情で横を見る雪ノ下…顔は合わさない…いつもとは違う表情…ば、ばかか……そんな顔すんじゃねーよ……こっちまでなんか照れる…
八幡「そ、そうだな……///」
俺は今、絶対顔が真っ赤だ……何故って?顔が火が出るくらい熱いからだ。
しかも今、雪ノ下と目なんてあったら……
雪乃「あっ……」
八幡「あ……」
お互いがお互いの顔を見てそれが一瞬か永遠か判断するほど冷静ではなかった……要するに死ぬほど照れてたってことだ……
八幡「そ、それじゃあ……いくか」
雪乃「え、えぇ……」
おお、来た
雪ノ下さんと来たときより倍近い時間をかけてやっとこさ例の秘湯に着いた。
そしていつかやったように先客がいないか服を着たまま確かめる……またまた運がいい……先客ナシだ
八幡「おい、雪ノ下!先客ナシだツイてるぞ」
雪乃「……」ハァハァ…
首だけ動かして無言で頷く雪ノ下。
あのあと二人は長い時間ずっと手を繋いだままだったが会話はなかった……でもいつもの沈黙より心地良く感じたのは何故だろうか…
そうこう考えてる内に雪ノ下は復活した
雪乃「やっと着いたわね…達成感か少し清々しく感じるのだけれど…」
八幡「あぁ、長かったな(色々とな)」
ところで、と俺が言う
八幡「お前水着かなんかは持ってきてるのか?」
雪乃「何を言ってるのかしら?比企谷君?本来温泉は水着を着て入るものじゃないわ」
八幡「それはそうだが……俺と……」
ちょっと待て、なぜ二人が一緒に入る必要がある?……
荷物をおいてそこらにあった座り心地のよさそうな岩に腰かける
八幡「なら、俺はここで待っておく……先入ってこいよ」
雪乃「えっ……」
そんなあからさまに残念そうな顔やめろよな
雪乃「……ここまで一緒だったんだから一緒に温泉に入るのは当然だと思うのだけれど?」
そんな当然俺は知らない
八幡「そうはいっても雪ノ下……ぐっ……は、入るよ」
分かっててやられる偽物の上目遣いにすら弱いのに本当に純粋な上目遣いを間近で見せられて勝てると思うか?
例のごとく俺は何も身に付けず雪ノ下より先に硫黄の匂いがする白く濁った温泉に入っていた…前ほどの疲労は無かったがやはり険しい道中だったので筋肉は強ばっていた……体中から力が抜けていく……ほど良い温度に思わずため息をつく……そろそろ雪ノ下も来ることだろう、俺は脱衣所から背を向けた。少し遠くでチャポンと水が……いやお湯か…、が跳ねる音がした。
雪乃「お湯が温かくて気持ちいいわね……」
すぐ近くで雪ノ下の声がした……どうやら俺のすぐ後ろに腰を下ろしたらしい
八幡「まあな……平塚先生が大学生の時に見つけたらしいぜ。ここ」
雪乃「そうなの……平塚先生が………あの人は何故こんなところに?……」
それは聞いてやるな雪ノ下……
遠い目をして私にも自分探しの旅に出掛けた時期があったのだよと語る平塚教諭の姿が目に浮かんだ
八幡「さぁな……」
再び訪れる心地良い沈黙……どこかの木から葉っぱの音が時おり聞こえるだけで二人の間には会話はない……雪ノ下雪乃は今何を考えているのだろう?……
雪乃「……姉さんと……姉さんとここでどんな話をしたのかしら?」
ふいに雪ノ下が口を開く
八幡「それは……そうだな……他愛も無い話ってやつかな?……」
雪乃「……どういうことかしら比企谷君?」
別にはぐらかした訳じゃないぜ?雪ノ下。
温泉とかで気が緩んでるときに話す内容なんて大抵は他愛もないぜ
八幡「普段なら雪ノ下さんには話したりしないような話……」
雪乃「……余計に分からなくなったわ…」
八幡「温泉の魔力ってことだ雪ノ下」
雪乃「まぁ……いいわ…」
雪ノ下陽乃との会話を思い出す……普段ならしないような話から見えてくる普段見せないような顔……実際顔を見てた訳じゃないけどな……雪ノ下雪乃はどんな顔を見せるのだろう……
八幡「なぁ……雪ノ下……お前って……」
雪乃「嫌よ、教えないわ」
八幡「おい、まだ何も言ってないぞ?」
雪乃「どうせ比企谷君の事だから将来の夢とか聞こうとしたんでしょう?」
何で雪ノ下姉妹は俺の心が読めるんだ?……分かりやす過ぎるのか俺って?
雪乃「自分の夢は自分だけの物よ…おいそれと他人に語ったりはしないわ」
流石、氷の女王。温泉のなかでも頭の中は冷えてるらしい…
パシャっといきなりお湯が頭にかかる
八幡「い、いきなり何すんだっ!」
雪乃「ふふっ失礼なこと考えるからよ比企谷君」
三度目の心地良い沈黙の後、雪ノ下は温泉から上がった…俺も暫くしてから上がる……少し辺りが暗くなってきている…早目に下山しないとまずいな……
まぁお察しの通り雪ノ下と下山し終える頃には辺りはすっかり暗くなってしまっていた……準備が良い事に彼女は懐中電灯とかその他諸々山登りに必要な備品を完璧に用意していたらしい……というかバスタオルと飲み水くらいしか用意していなかった自分の不備を反省した……
雪乃「ごめんなさい……比企谷君……私のせいで遅くなってしまったわ」
八幡「あぁ……気にするな……それよりさっさと駅に行こうぜ」
雪乃「その事なのだけれど……」
八幡「ん?」
都会とは違って田舎の終電は早いらしい……俺たちは帰りの電車を逃してしまった……こんな田舎に宿泊できるような場所なんてないぞ?……
雪乃「駅で寝ましょ……幸い都会と違って駅自体は閉めないようだから…」
八幡「まぁ……そうすっか……」
駅にあったベンチに腰掛ける……雪ノ下がすぐとなりに座る……というかピッタリくっついて座った……柔らかい感触と共に良い匂いがする……なんで女子ってこんな良い匂いがするんですかねぇ
八幡「な、なぁ雪ノ下……近すぎねぇか…///」
雪乃「あ、暖かくなってきたと言ってもまだ夜は寒いわ比企谷君……///」
八幡「ま、まぁそうだな……///」
今日の雪ノ下はちょっぴり大胆すぎるぜ…
俺も……こんな時くらい普段とは違う顔見せても良いよな?
八幡「寒いなら仕方ないよな?……」
雪ノ下雪乃の手を握った、彼女の温もりが俺の手に伝わる…
雪乃「そうね、仕方ないわね……///」
雪ノ下は俺の肩に頭をあずけてきた。
暫くして、女子との密着に緊張していると彼女から寝息が聞こえてきた……まぁ体力ないのにあんだけ頑張ったもんな……ん?……俺も眠くなってきた……
奉仕部
いつもの三人でいつもの定位置で各々過ごす……いつもと変わらぬ風景……しかし、温泉に行ってから雪ノ下とのちょっと近づいた距離に思わずニヤける……
雪ノ下方からも鼻歌が聞こえる…
由比ヶ浜「……二人とも機嫌良すぎない?」
敏感なレーダーが危険信号をキャッチした
八幡「そ、そんなことないぞ…」
雪乃「えぇ……そんなことないわ……」
由比ヶ浜「正直に言わないと本気で怒るよ?」ゴゴゴゴゴ
この後、温泉に行かなくても普段見せないような顔を見る事が出来た……由比ヶ浜の阿修羅のような迫力を前に二人はなす術もなく全てを喋ってしまっただった……
由比ヶ浜「二人でこっそり出掛けた挙げ句一夜を共に過ごすなんてどんだけだしっ!!」ムキー
八幡雪乃「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
~終わり~
以上で雪乃編終わりです。
お目汚し失礼しました。
>>17
乙
おつ
お疲れ様でした
いい作品ですね
次回作も期待します
前Pixivで書いてた人と同じ人?
こんな感じなの読んだことあるような?
>>21 いいえ、違います。
私は最近ssを書き始めましたので別人です
乙です
次は結衣編ですね!
おつー
戸塚はまだかな
沙希「あーあ、最近肩凝ってるし温泉とか行きたいなー」チラッチラッ
ハチマンコ編も
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