――夜のベッド
金髪ピアスゲーマー「今夜こそ当ててやるぜ!オラッ!孕めっ!」ガチャガチャ
妻「やめてー!」アンアン
金髪ピアスゲーマー「オレの精子を相手のホールにシュゥウウウウトッ!!」ずぶっ
妻「あんっ!」ビクビク
ドピュドピュドビュッシー!
金髪ピアスゲーマー「・・・へへ、5億くらいのオレの種を注ぎ込んでやったぜ」
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――十月十日後
ガチャガチャ
――ポンッ!
助産師「産まれました!」
金髪ピアスゲーマー「オ? Nか? SRか? それともURかあああっ!?」
赤子「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!」
妻「それで、息子は・・・」
医師「・・・申し上げにくいのですが、このお子さんは」
医師「障害をもっています」
医師「目も見えず、耳も聞こえないようです」
金髪ピアスゲーマー「!!」
妻「そんな・・・」じわっ
妻「あんまりよ」ぐすぐす
医師「全盲に加えて全聾、この確率は数万分の1の確率で・・・」
赤子「あうあうあー(^q^)」
金髪ピアスゲーマー「・・・すげぇ」
医師「え?」
金髪ピアスゲーマー「コイツはウルトラレアなんてもんじゃねえ!ミラクルレアだぜ!」
金髪ピアスゲーマー「人生っていう世界一でけぇオンラインゲームに、まさか」
金髪ピアスゲーマー 「"二重縛りプレイ"でエントリーしてくるだなんてな!すっげぇ気合だぜ!」
金髪ピアスゲーマー「天国からやってきたに違ぇねぇ!」
金髪ピアスゲーマー「オイ妻よくやった!いっしょにコイツを育成すっぞ!」
妻「・・・はい、あなたとなら」にこ
――全盲全聾の赤子は、金髪ピアスゲーマーによって『堕天使(ルシファー)』と名付けられた
――ある日
妻「大変よあなたっ!」
金髪ピアスゲーマー「あん?」コチョコチョ
全盲全聾のルシファー「きゃっきゃ」パタパタ
妻「ルシファーの眼のドナーが見つかったのよ!」
金髪ピアスゲーマー「ほーん」
妻「でもその移植手術にかかる費用は3000万円・・・」
金髪ピアスゲーマー「うちのギルドじゃゴールドが足りねぇなぁ」
妻「そうよね・・・うちは貧しいし」
金髪ピアスゲーマー「おいルシファー聞け。いや聞こえねぇけど、聞け」
金髪ピアスゲーマー「おめぇは縛りプレイでこのゲームにログインしたわけだからよぉ」
金髪ピアスゲーマー「それがお前の戦型なんだろ? 尊重するわ」
ルシファー「あうあうあー」
妻「・・・」ぐす
金髪ピアスゲーマー「でもよぉ・・・うちのカミさん、めっちゃ美人なんだわ」
金髪ピアスゲーマー「一回おめぇに自慢してぇから」ペチペチ
ルシファー「あう?」
金髪ピアスゲーマー「妻の顔見て、そんでまた戻りてぇってんなら」
ルシファー「あーうー」
金髪ピアスゲーマー「今度は目隠し、買ってやっから」
――金髪ピアスゲーマーは日勤を務めた後、別の職場で夜勤をするようになった
――同僚の間では「あいつは大好きなゲームもやらなくなったらしい」と噂になった
色んな意味でうわぁ・・・
――数年後
妻「あなた、ルシファーを少しでもいい学校に入れたい気持ちはわかるけど」
妻「近くに安くてそこそこよさそうな学校にだって、特別支援学級があるのよ?」
妻「・・・眼の手術のとき組んだ医療ローンだって、まだ」
金髪ピアス「ぶぁあっかやろぉてめぇオイ」
金髪ピアス「せっかく引いたミラクルレア、教育に課金しないでどぉすんだよバカ」
金髪ピアス「こういう育てゲーの基本はな、最初からいいギルメンが集まったトップギルドにぶち込むことだ」
金髪ピアス「多少のゴールドを惜しむポイントじゃねーよソコ、むしろ俺らの食料コストでもなんでも減らしゃぁ済むことだ」
金髪ピアス『・・・おい、そう思うだろ、お前も』(手話)
全聾のルシファー『父さん、ぼくは、お父さんたちにもっとまもとなものをたべてほしいです』(手話)
金髪ピアス『全聾学校はおめぇとおんなじ、縛りプレイで人生挑んでる気合入った奴ばっかのすげぇギルドだ』
金髪ピアス『てめぇも調子のってんじゃねぇ』
ルシファー『・・・やすいところがいいです』
金髪ピアス『交渉決裂か。これはデュエルしかねーな』
ルシファー「?」
金髪ピアス『決闘の勝者の意見が通るってことだよ、そんなことも知らねーのかよ少しはゲームくらいやれ』
――おやこげんか が はじまった!
――かつて格ゲーで全一を修めた金髪ピアスは しょうぶにかった!
――言葉のいらない 単純な 親子の肉体同士のぶつかりあいだった――
――数十年後 病院の一室にて
ピーッ・・・ピーッ・・・
白髪ピアスおじいちゃん(86)「(大好きなゲームがやりてぇなぁ・・・)」スーハー
ピーッ・・・ピーッ・・・
白髪ピアス「(好きだったソフトをいくつか、もう一度だけでいいからよぉ・・・)」
白髪ピアス「腕も持ち上がらねぇんじゃ、無理か」ごほっ
――バターン!
ルシファー「おうあんっ!!(父さんっ!! 意識が戻ったのですか!?)」
白髪ピアス「ああ、最期にちょっとだけ、な」
白髪ピアス「手話もできねぇから、おめぇと会話はできねぇけどよ」
ピーッ・・・ピーッ・・・
ルシファー『父さんの唇くらい、読めます』(手話)
白髪ピアス「ハッ!てめぇ、その歳で読唇術とか、中二、か、よ・・・」
ルシファー『それに通訳だって連れて来ました』
ピーッ・・・ピッ・・・
――たたたっ
孫娘「おじいちゃんっ!」
白髪ピアス「おうエンジェル、せっかく、遠くからきてもらったけどよ、」ごほっごほっ
白髪ピアス「オレぁもうそろそろ、強制ログアウトの時間みてーだ」
白髪ピアス「だからさいごに、ルシファーに伝えてぇことがあんだ、通訳してくれや」
エンジェル「わ、わかった・・・!」
白髪ピアス「おい、ルシファ」
エンジェル『おい、ルシファー』(手話)
ルシファー「・・・見えていますよ、父さん」
白髪ピアス「おれの、なげぇゲーマー人生で、一番うれしかった瞬間ってのはな」
ルシファー「・・・」こくり
ピッ・・・ピッ
白髪ピアス「ガチャで、てめぇを、引けた、ときだ」
ルシファー「・・・」じわっ
ルシファー「お"う"あ"ん"(父さん)・・・っ!!」ぽたぽた
ピッ・・ピッ・・
白髪ピアス(あれ・・・? ルシファーとエンジェルの顔が見えねぇ)
白髪ピアス「わりぃルシファ、もう目がロスったみてーだ」
白髪ピアス「ゲームスタートしたときのお前といっしょだなぁ・・・」
ピッ・・・ピッ・・・
白髪ピアス(なんも見えねぇ、すげぇ暗闇だ)
ルシファー『~~~!? ~? ~~!』(手話)
白髪ピアス(ルシファが必死に手話してるのがわかる。手ェ振り回し過ぎだ)
白髪ピアス「あーあぁ、ゲームオーバーかぁ」
白髪ピアス「エリクサーは使いきったから後悔しねぇ・・・」
白髪ピアス「・・・そう思ってたけど、やっぱゲームオーバーは悔しいな」
ピッ・・・・ピッ・・・・
エンジェル「おじいちゃん! おとうさんがね! ・・・伝えるよ」
『お父さんはゲームオーバーなんかじゃありません』
『全クリです。フルコンです。おめでとうございます』
『父さん、愛してます。そしてありがとうございました』
『いまは一度だけログオフされるようですが』
『またインしたら、また一緒にギルド組みましょう』
エンジェル「・・・ってさ」ぽろぽろ
エンジェル「おじいちゃん、エンジェルもおじいちゃん大好き、ありがとう、ありがとう・・・」ぐすぐす
白髪ピアス(そうか、オレは・・・)
ピッ・・・・
白髪ピアス(こいつらの故郷に、行くだけなのか)
ピー――――――――・・・・・・
おわり
乙
もうちょいキレがあるとよかった
クズかと思ったらゲーム脳なだけでいい人だった…(なおネーミングセンス…)
乙
イイハナシダナー
乙。よくわからんが感動した…ネーミングセンス…
うーん(゜゜)
感動したが名前ェ……
いい話だった…
イイハナシダナー(T_T)
夫は発言と見た目がアレなだけで根は真面目で良い人間で、妻もそれを理解してるようなのに何故最初の子作りは拒否していたんだろうかw
乙です
いい話だなー
乙!
>>18
貧乏だからとか?
うっかりグッと来てしまった
(全て作者の自演です)
言動と行動が良い意味でことなってやがるw
>>18
妻は同人誌脳なんかね
不覚にもうるっときた
乙
乙!
よかったよ
乙
これはいいフルコン
乙
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