友「最近のバッタ怖くね?」(25)
友「うちの婆ちゃんの畑を食い荒らしたっておま……」
まあ、最近と言わず、バッタというのは変身するものだからね、怖いよね。
最近どころか聖書の時代からの災厄
全部蝗のせい
おのれ飛蝗、お前のせいでこの世界も破壊されてしまった
などと古事記にもそう書かれてる
バッタファック!
くそっ!乗っ取りてぇけど時間がねぇっ!!
誰か書いてもいいのよッ!!
>>5
ゆっくりマイペースでもいいのよ
乗っ取っちゃいなYO
友「うちの婆ちゃんの畑を食い荒らしたっておま……」
男「そりゃ大変だな。でも聖書の時代から蝗の被害があるぐらいだし、珍しくはないだろう」
友「でも怖いんだって! お前はちゃんと見た事ないからそう言えるんだよ!」
男「いや、バッタぐらい見た事あるって……お前は大げさすぎるんだ」
男「けどお前の婆ちゃん県内に住んでるんだよな?」
男「畑を食い荒らすほどの大発生なんてニュースで観た事ないぞ?」
友「何言ってんだお前。大発生なんかしなくてもバッタは畑を食い荒らすぞ」
男「へぇー。あんまり農業については詳しくないから勉強になるわ」
友「何言ってるんだよ。お前本当に変だぞ」
友「今年も結構やられてるんだぜ。ほら、コレ見ろよ」
スマホ『バッタの被害拡大! A市内のビル3棟が破壊尽くされる!!』
男「えっ? あ、あぁ……ジョークか。確かにボロボロだな。でもバッタのせいとか、ぷふっ!」
友「お前、よく笑えるな。今年だけでも千人は犠牲になったのに。しかも日本だけで、だぜ?」
男「あぁはいはい。判ったからさ、もういいよそういうの。次はもうちょっとマシなネタ仕入れてくれ」
友「おい、お前なぁ――」
男「じゃあな友。明日は駅前に十時だからな。遅れんなよ」
友「おい男! ちょっと待て――」
男の自宅
男「はぁー、何がバッタ怖くねだよ。あいつあんなつまらない冗談言うとはな」
男「オカルト好きだからって、オカ板見せたの良くなかったかな?」
男「今日は何やってたっけ?」 ポチポチ
TV『――贈賄容疑を否定しており、引き続き○○議員の秘書宅を家宅捜索中と警察は――』 ピッ
TV『――次はバッタ被害についてです。今月に入ってから□□県での被害は広がるばかりで――』 ピッ
TV『――あぁーっと、残念!! ナナシ選手、痛恨のミス! まさかの1回戦脱落――』
男「……はあっ!?」 ピッ
TV『――また世界各地でもバッタの猛威は留まる事を知らず、NY市では先日のバッタ発生で』
TV『未だ混乱が収まらず暴動が起きています。地元メディアの一部でバッタが再来すると誤報があり』
TV『逃げ惑う人々でますます混乱が広がっています。日本のバッタ専門家である――』
男「…………」
男「バッタって、何だよ」 カタカタ
男「ネット由来のデマじゃないのか?」 カタカタ
Wiki『バッタの項目は存在しません。記述される場合は――』
男「はぁ? 誰かが消したのか。じゃあ掲示板で聞いてみるか」
男「オカルト板しか普段見ないけど、速報覗こう」
男「笑いのネタ探し以外で利用するの初めてかも……」 カタカタ
某掲示板
男「……全然バッタについて話題に上がってないな。TVで放送されていたはずなのに」
男「えっと、『【いつもの】夕日TVで不祥事【知ってた】』か。さっきのニュースここの局だったよな」
男「ここで聞いてみるか。『ニュースでやっていたバッタって何?』っと」
男「――誰も応えない。いや、もう少し更新しながら待つか」 カチ、カチ
男「……えっ? スレストッパー!?」
男「まあいい。他のスレで聞いてみよう」
男「結局いくつかのスレで書き込んでみたら、すぐにスレストになったな」
男「しかも書き込めなくなったし。どうなってんだよ」
男「親に聞いても、バッタはバッタだとしか言わねえし」
男「なんだか知らない所に迷い込んだ気分だ。そうだ、友に聞いてみるか」 プルル……
男「……出ねぇ。もう寝てるのか?」
男「明日になれば会えるし、俺ももう寝るか」
翌朝 駅前
男「もう時間過ぎたよな。何してんだよ友は」
友「おーい、すまんすまん! 待たせたな」
男「お前が遅れるって珍しいな。でも連絡ぐらいしてくれよ」
友「悪かったって。婆ちゃんの畑の片付け手伝っててさ。ったく、遊ぶ前から疲れたぜ」
男「へぇ大変だったんだな。あっ、そうだ。ちょっと聞きたい事あんだけど」
男「バッタってさ、どんなものなんだ?」
友「…………」
男「おい黙るなよ。意地悪しないで教えてくれよ」
友「……判った。でも、少し静かに話せる場所に移ろう」
男「お、おう」
繁華街外れ 公園
友「バッタについて聞くってことは、お前昨日は知ったかぶってたのな」
男「いや知ってるけどさ、何か訳が判らな過ぎて混乱してんだよ。整理するためにも教えて欲しいんだ」
友「教えるも何もそのまんまだよ。ニュースで騒ぎが起きるのは毎年だけど、今年は特に酷いものさ」
友「畑はもちろん、人間を含めた動物も、建物だって荒らす奴らさ」
男「なぁ友。俺が知っているバッタってさ、手の平に収まるような小さな虫だと記憶してるんだが……」
友「お前本当におかしいぞ? バッタが手の平に収まるわけないだろ」
男「頼む、教えてくれ。それじゃあバッタって何だよ。昨日スレで聞いても判らない」
男「wiki見ても記載されてないし、性質の悪い夢を見ているみたいで気持ち悪いんだよ……!」
友「それは当たり前過ぎて書かれてないだけじゃないか? wikiもスレも良く判らないけど」
友「バッタっていうのは――」
ウゥーーーーーーーーッ!!
男「な、なんだよこのサイレン!?」
友「バッタだ! ボサっとしてないで逃げるぞ男!!」
男「逃げるって、何処にだよ!?」
友「いいから早くこっちに来い!」 タタタッ
男「ま、待ってくれ! 置いてかないでくれ!」 タタタッ
避難所
友「はぁはぁ、助かったな。ここに隠れていれば大丈夫だ」
男「結構避難している人多いな」
友「この辺じゃあ、ここしか避難所はないからな。地下にこもるのは気が滅入るけど、仕方ないさ」
男「なあ、バッタってそんなに食い荒らすものなのか?」
友「雑食というより、悪食だからな。目に入れば何でも荒らすぞ」
友「こんなこと、子供だって知っているのに。頭でも打ったのか?」
男「俺も良く判らないんだよ。バッタといえば虫の事と思っていたのに、どうなっているんだよ……」
バァン!!
??「とうとう……見つけたぞ!」
友「!? しまった、もう見つかったか……!」
男「な、あれが、バッタ……なのか!?」
友「そうだ。俺の婆ちゃんの畑を荒らし、各地で猛威を振るうバッタだ!!」
??「もう逃さないぞお前ら!」
男「そ、そんな馬鹿な……バッタ、あれがバッタなんて……!」
男「仮面ライダーじゃねえか!!」
友「当たり前だろう! なんだと思っていたんだ。あいつらのせいで、俺達の生活は……ちくしょう!」
仮面「違法の麻薬栽培ならびに武器製造・販売! いずれも見逃すわけにはいかん!」
男「あの、ビルを何件か破壊したって報道があったけど……」
仮面「むろん武器を密造している施設だ。周囲の住民はしっかり避難させてから破壊したぞ!」
友「ちなみにお前が見ていた番組、俺達の組織の息がかかっている、というか俺達が乗っ取っている」
友「今日もバッタ専門家である、元ショッ○ーの博士の解説を世間に垂れ流し洗脳していた」
友「ネット上でもバッタとつくなら荒らしまわっている」
男「報道の公正中立はどこいったよ!? 完全に悪そのものじゃん!!」
仮面「世界各地に散らばり活動しようとも、俺と仲間達がいる限りお前達の好きにはさせん!」
男「待ってくれ! それじゃあ千人以上の命を奪ったって、もしかして戦闘員――」
仮面「人体実験をして、無実の人々の命を奪った所業、忘れたとはいわせんぞ!!」
友「ふん! 貴様を倒すためだ。お前が倒されれば犠牲は減るぞ!」
男「予想の斜め上だった! しかも実験はやめないのか!!」
仮面「貴様らの所業は何一つとして見逃さん! 覚悟しろ!!」
友「おのれ仮面ライダー!! お前達、かかれぇ!!」
戦闘員ズ「「「キキィーーー!!」」」
男「避難した奴ら全員戦闘員かよ!! う、うわぁーーーっ!!」
戦え仮面ライダー! 負けるな仮面ライダー! 悪を滅ぼすその時まで!
完!!
最初はホラーにしようと思ったけど、つまらん落ちだったのでコレにした
それなのにこんな落ちとか、我ながら泣けてくる
仮面ライダーは昭和も平成も場面毎に見るとシュールな所があるけど、まとめて
観れば細かい事は気にせず、最後まで観る事が出来る良い作品だと思う
うん、正直スマンカッタ
友は幹部なのか…
サバクトビバッタ
アバドン
あげ
このあとライダーはちゃんと無実の男を救ってあげられたんだろうか?気になる
age
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