下記作品の続きとなっております
一作目・【デレマス】姫川友紀「美羽ちゃん。あたし、プロデューサーのこと――」
【デレマス】姫川友紀「美羽ちゃん。あたし、プロデューサーのこと――」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1431955912/)
二作目・友紀「美羽ちゃんも一緒に、野球観戦に行かない?」
友紀「美羽ちゃんも一緒に、野球観戦に行かない?」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442232320/)
全部繋がってますが、一作目だけを読んで貰ってれば問題無いです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1445692117
―――事務所
友紀「おはようございまーす!」
美羽「ユッキーさんおはようございます」
友紀「美羽ちゃん。おはよー!」
美羽「あれ、ユッキーさん、今日はなんか雰囲気違いますね?」
友紀「え、ああ、うん。そうかな?」
美羽「そうですよー。なんというか、ちょっと可愛い系ですね。ズボンじゃなくてスカートですし」
友紀「あはは……やっぱ変?」
美羽「全然! 凄い似合ってますよ!」
友紀「そうかな? ありがと」
美羽「でも、いきなりどうしたんですか? スカッとしたい気分だったんですか! スカートだけに!」
友紀「いやあ、こういうのもアリ、かなーって」
美羽「?」
友紀「ああ、ほら。ホームラン狙いばかりじゃなくて、たまにはバントを決めに行った方がいいかなーとか?」
ガチャ
P「おう、お疲れ」
美羽「プロデューサーさん、お疲れ様です」
友紀「おっ。お疲れ、プロデューサー」
P「あれ、友紀、今日は珍しい恰好してるな」
友紀「珍しい恰好ってどういう意味?」
P「女の子っぽい」
友紀「それって、あたしがいつも女の子じゃないみたいじゃん!」
P「ははは、そうともとれるかな?」
友紀「ひどーい」
P「冗談だよ。似合ってるよ」
友紀「あ、うん……ありがとう」
ちひろ「プロデューサーさん、ちょっといいですか? この書類なんですけど」チョイチョイ
P「はい」
友紀「……ヘヘッ」
美羽「……」ニヤニヤ
友紀「……どうしたの美羽ちゃん?」
美羽「いえいえ、別に何でもないですよ~」
友紀「ちょっと、何か言いたい事があるなら言いなよー!!」
美羽「バントは成功したみたいですね?」
友紀「し、知らないって!」
美羽「じゃあ私レッスンがあるんで、これで」
友紀「ちょっとー!」
美羽「ユッキーさんはごゆっくり」デハー
友紀「あたしもレッスンだって!」
P「? 何騒いでるんだ、あの二人」
ちひろ「さあ、なんでしょうねー。あ、ここ間違ってましたよ」
P「うっ……」
友紀「ちょっと、美羽ちゃん待ってってー」タッタッタ
ガチャッ
紗南「うおっ!」
友紀「うわぁ! ゴメン、紗南ちゃん。あれ、あいさんも一緒なんだ」
あい「危ないな、君……って友紀くんか?」
友紀「何、その間?」
あい「いや、ただ……」
美羽「ユッキーさん、早くー」
友紀「ちょっと待って。じゃあね二人とも」タッタッタ
あい「友紀くん、そんなスカートで走ると――」
友紀「あっ、そっか!?」バッ!
友紀「……あはは、じゃあね」
紗南「ほう、友紀さん。なかなか可愛いものを穿いてるねぇ」
あい「こら、紗南」
紗南「いやいや、ゲームでもああいう所の作り込みって結構拘ったりするもんだよ」
P「何を拘ってるんだ?」ヒョイ
紗南「プロデューサー。いや何でもないって」アハハ
P「あいも一緒か、なんか珍しい組み合わせだな」
あい「自販機の所でばったりあったんだよ。紗南は自販機の前でゲームしていたんだ」
P「なんでそんな所で?」
紗南「いやあ、いまやってるステージをパーフェクトクリア出来なかったら、特濃ウルトラ青汁を買おうかって思っててねー」
P「ああ、なぜか自販機にある、あの凄くマズイ奴か……で、結果は?」
紗南「『サナ ハ アオジル ヲ テニ イレタ!!』」
あい「私が邪魔をしてしまったようでね」
P「それならノーカンでいいだろ」
紗南「いや、どんな理由があろうともあたしのプライドが許さないよー」
紗南「……という訳で今から頑張って頂きます」ハア
P「ハハハ。全く、紗南らしいな」
あい「あそこまで情熱を持てるのは凄いものだと思うよ」
あい「しかし、たまにはらしくない姿というのも悪くはないものだと思わないかい?」
P「? なんのことだ」
あい「珍しく可愛い姿だったじゃないか?」
P「……ああ、友紀ですか」
あい「一瞬誰か分からなかったよ。服装一つであそこまで印象が変わるものなんだね」
P「まあ、この前のグラビアの仕事で似たような服を着てたし。その時に気にいったんじゃないかな?」
あい「その時には君も一緒に?」
P「ええ、まあ」
あい「……なるほど。いじらしい所もあるんじゃないか」
P「なんですか、それ」
あい「友紀くんは素敵だといってるのさ」
P「……はあ」
あい「ふふっ。私も偶にはああいう可愛い服をでも着てみようかな?」
P「あっ、いいんじゃないか?」
あい「……ほう?」
P「そういう感じの服でも、似合うと思うよ」
あい「本気で言っているのかい?」
P「? ああ。川島さんだって、この前ギャルメイクにチャレンジしてたみたいし、やってみるのは悪くないと思うぞ。チャレンジだけはな」
あい「そう、かな?」
紗南「ううっ、マズ……プロデューサー、お口直しに別のゲームやるんだけど、一緒にやらない?」
P「ああ、いいぞー」
紗南「えっ!? 本当?」
P「でも俺、ゲーム機ないから貸してくれよ」
紗南「いいよいいよ。ほら、こっち来てー」
ちひろ「プロデューサーさん。お仕事は?」
P「あー。それはまた後でやりますから……」
ちひろ「まあ、やってくれるなら私はいつでもいいですけどね」ニコッ
P「あははー……」
紗南「プロデューサー、どれやる?」
P「あー、どんなソフトがあるんだ?」
あい「なあ、ちひろさん」
ちひろ「なんですか?」
あい「プロデューサーは、少し変わったと思わないか」
ちひろ「そうですかね?」
あい「前だったらあんなお世辞、もう少し白々しい風に言っていたのに」
ちひろ「お世辞じゃないかもしれませんよ?」
あい「……プロデューサーの素直な気持ちだと?」
ちひろ「さあ?」
あい「まあ、どちらにせよ。前より私たちアイドルに対して距離が近くなったように思うよ」
ちひろ「何か理由があるんですかね?」
あい「ちひろさんなら知ってると思うのだがね」
ちひろ「私がですか?」
あい「ああ、そうさ」
ちひろ「さあ? 私には特に心当たりはありませんけど?」
あい(……本音かどうか読みずらいな)
ちひろ「ですけど、少し脇が甘くなっているかもしれませんね。プロデューサーは」
あい「?」
P「おい、このデカイのは倒せるのか?」
紗南「イケるって、いける……けど」
P「?」
紗南「ちょ、ちょっとプロデューサー、近いよ」
P「ああ……そう、か? 悪い」
紗南「い、いや。いいんだけどさ……あはは」
――
―
―
――
友紀「お疲れ様でーす」
奏「あら、お疲れ様」
ナターリア「お疲れさまだゾ!」
伊吹「お疲れー……友紀さん?」
友紀「なんで疑問形なのかなー、伊吹ちゃん」
伊吹「いやいや、なんか友紀さんっぽくない恰好しててさ、誰かと思っちゃって」
友紀「会う人みんなそんな反応……なんか慣れてきたよ」
奏「ふふっ、でもとっても似合ってるわよ?」
友紀「そ、そう? ありがと」エヘヘー
伊吹(二人とも年齢不相応すぎて、どっちが年上かわからないな……)
友紀「ところで、みんなで何見てるの?」(20)
奏「映画のDVD。レンタルしてきたのよ」(17)
伊吹「アタシと奏で仕事があったんだけど、早く終わったからさ。帰りにレンタルショップによったんだ」
奏「事務所にちょうどナターリアもいたから、一緒に見る事にしたのよね」
ナターリア「そうなんダー!」
友紀「どんな映画見てるの? 野球映画?」
伊吹「違う違う。恋愛映画」
友紀「へえ、恋愛映画なんだ」
伊吹「そっ、奏おすすめのね」
ナターリア「奏、映画好キだもんな!」
奏「普段は恋愛映画って見ないのだけど、これは評判が良くてね。興味があったの」
伊吹「友紀さんも、あんまり恋愛映画とか視なさそうだよね」
友紀「まあねー。映画もいいけど、やっぱ野球の方が好きだし。生なら尚のことよし!!」
伊吹「それって野球観戦の話? それともビール?」
友紀「両方かなー」ウーム
ナターリア「友紀は野球とビールが好キだもんな!」
奏「あら。でも野球の映画にも、結構名作は多いわよ。最近でも、GMっていうのかしら?プロデューサーみたいな立場の人が主演の映画があったわね。なかなか素敵だったわ」
友紀「イチローが少し映ってたの! ああいう裏側が見れるのは面白いよねー。野球映画だと、あのメジャーリーグのコメディ映画は外せないよね」
伊吹「ああ、それならあたしもテレビでやってるの見たことあるよ」
友紀「あと何だっけ、畑に球場を作ったら昔の名選手がやってくるファンタジー映画? あれも良かったなー」
伊吹「へえ、野球でもファンタジーとかってあるんだ」
奏「映画だものも、色々あるわよ。ゴリラが野球の選手になるのとか」
ナターリア「へえ、そんな映画もあるんだナ」
伊吹「あんた、また変な映画見てるわね……」
友紀「そういえば、プロデューサーとちひろさんはいないの?」
伊吹「アタシたちが戻ってきた時には、二人ともいなかったよね」
ナターリア「ナターリアが来た時はちひろさんはいたゾ。プロデューサーはお仕事で他の会社に行ってテ、ちひろさんも何か用事だって、どっかに行ったぞ」
友紀「ふうん……」
ナターリア「そうだ。どうセなら友紀も一緒に映画みるか? マダ始まったばかりだぞ」
友紀「……そうだねえ。じゃああたしも見ようかな?」
伊吹「へえ、意外。友紀さん恋愛映画なんて全然興味ないと思ってたのに」
友紀「あ、あはは。まあ滅多に見ないけどさ。たまにはいいかなって」
奏「そうね、じゃあ四人で改めて見ましょうか」
友紀「ところで、ビールとかってあるかな? 映画の時はやっぱビールだよね」ネー
伊吹「いやいや、ここ事務所だから……」
――
―
ナターリア「うー。面白かっタ!」
奏「ええ、とっても良かったわ」
伊吹「でも、確かに普通の恋愛映画じゃないわね。記憶を消す装置なんて出てきたし。オチもひとひねりある感じだったし」
奏「何でもないオープニングの意外性が後から見えてくる。凝った構成をしてるけど、描かれてる事は普遍的なテーマなのかもね」
ナターリア「へー。奏が何言ってるかさっぱりわからないゾ!」
伊吹「まあ楽しかったでいいんじゃない?」
奏「そうよ、映画の感想は自由でいいの。映画は広いのだから」
伊吹「友紀さんは、映画どうだった?」
友紀「いやあ……面白かったけど、なんか照れるね」アハハ
奏「その気持ちは分かるわ。なんだかむず痒いものね」
伊吹「そういうのがいいんじゃん!」
ナターリア「イいよなー」ウンウン
伊吹「ああ、アタシも映画見たいな恋愛したいなー」
奏「あら、アイドルらしからぬセリフね?」
伊吹「言うのは自由でしょ。ナターリアもそう思わない?」
ナターリア「恋愛カー。アイドルが楽シいから、まだイイかなー」
伊吹「そりゃあ、アイドルも楽しいけどさ」
奏「恋愛をするには、まずは恋愛する相手と出会わなきゃね」
伊吹「そうだよね。出会いがないからな」アハハ
ナターリア「あっ、その相手なら、プロデューサーはどうダ?」
友紀「」ピクッ
伊吹「プロデューサー?」
奏「年上は好みじゃないの?」
伊吹「そうは言ってないでしょ……悪くないけど、結構ビジネスライクな所あるじゃん。あくまで仕事優先のプロデューサーって感じ」
奏「でも、最近は少し変わったと思わない?」
伊吹「プロデューサーが?」
奏「前はよりも、私たちアイドルと近くなったように思うわ」
伊吹「まあ、言われれば」
ナターリア「奏の言う通りカも! プロデューサー、前よりみんなと仲良くしてるゾ!」
伊吹「そういえば、この前も保志たちとお菓子食べてる時に、誘ったら一緒にテーブルで食べたな。仕事途中だったし、断ると思ったんだけど」
友紀「お菓子を……」
ナターリア「ナターリアも事務所にいる時にお寿司食ベタいって言ったら、その日に連れてって貰ったゾ!」
友紀「お寿司……」
奏「あたしも、色々ね……」
友紀「色々……?!」
伊吹「色々ってなんだよ」
奏「ふふっ、秘密」
伊吹「あっそ……そういえば友紀さんも、プロデューサーと野球を見に……って、友紀さん? どうかした」
友紀「うえっ!? あ、なにが?」
伊吹「なんかボーっとしてるみたいだけど?」
友紀「そ、そんなことないって。もう、アハハ」
奏「野球、行ったんでしょ?」
友紀「え、うん!? キャッツは勝ったよ!」
ナターリア「キャッツの結果は聞いてないゾ」
奏「プロデューサーも、態度を改める何かがあったのかしら?」
伊吹「まあいいじゃん。どんな理由でもさ」
伊吹「『私たちアイドル』と仲良くやったほうがいいって思ったんじゃないかな。ねえ、友紀さん」
友紀「あ……そ、そうかもねー……」アハハハ…
伊吹「?」
ナターリア「?」
奏「……」
――公園
藍子「今日もいい天気で、気持ちいいなあ」
藍子(もう少しお散歩していたいけど、そろそろレッスンの時間だし、事務所に戻らないと)
P「よう」
藍子「あれっ、プロデューサーさん? プロデューサーさんもお散歩ですか?」
P「散歩って訳じゃないんだけど。公園の前を通りかかったら、藍子の姿が見えたからさ」
藍子「あ、そうでしたか」
P「ああ、事務所に戻る途中だから、もう行かないと」
藍子「それなら、私も一緒に帰ります。そろそろレッスンの時間ですし」
P「そうか? じゃあ行こうか」
藍子「はい」
――
藍子「それで、奇麗な花があったから、写真を撮ったんですよ」
P「ああ、そのカメラでか?」
藍子「はい。うまくに撮れてるといいんですけど」
P「それって、今すぐには見れないのか?」
藍子「これはトイカメラなので。パソコンに取りこまないと見れないんです」
P「そうなんだ。じゃあ、今度にでも撮った写真を見せてくれよ」
藍子「えっ?」
P「他人に見せるのは嫌なタイプか?」
藍子「そうじゃないんですけど……」
P「なんだよ」
藍子「プロデューサーさん、少し変わりましたね」
P「そう、かな?」
藍子「前はもう少し、公私を分けてるというか」
P「ああ……そうはしてたけど。色々あってさ、少しは歩み寄った方がいいかなって。前の距離感の方が良かったか?」
藍子「いえ、そんなこと……! えっと……今の方が、いいと思います」
P「そうか? それなら良かった」
藍子「はいっ!」
――
―
――
―――
友紀(プロデューサー、みんなと仲良くなってるんだなー)
友紀(そりゃそうか。プロデューサーはプロデューサーなんだから)
友紀(別にあたしが特別ってわけとかでもなく……)
友紀「いや、特別になりたいとかじゃないけど……」
友紀(って、誰にいい訳してるんだか……)ムー
友紀(うう……なんか深く考えすぎてる気がする)
友紀(外の空気でも吸いに行こ)
友紀(あれ? あれは……プロデューサーと、藍子ちゃん?)
友紀(仲……よさそう)
友紀「って、だからあたしー!!」ウー
P「なにを独りで言ってるんだ、友紀」
友紀「あ、あははは。な、何でもないって」
藍子「お疲れ様です」
友紀「あ、お疲れ様……二人は、一緒に帰ってきたの?」
P「そこの公園からな」
友紀「へえ……そうなんだ……」
P「? 友紀、どうか――」
茜「みなさん、お疲れ様です!!」
P「おう、お疲れ」
藍子「お疲れさま、茜ちゃん。これからどこかに行くの?」
茜「はい!! 良いお天気ですし、少し走ってこようと思いまして!!」
友紀「あ、茜ちゃん! あたしも一緒に行くよ!!」
P「はっ?」
茜「おお、本当ですか!? しかしそのう……」
P「そうだよ、友紀――」
友紀「いいから、ほら早く」ダッ
P「じゃなくて、馬鹿!?」
友紀「馬鹿ってなにさ!?」
茜「ゆ、友紀さん! スカート、スカートですよ……!?」
友紀「あっ、そっか……!?」バッ
P「気をつけろよ、全く」
友紀「あ、あはは……ゴメンゴメン。着替えてこなきゃ」
茜「では着替え終わるまでここで待ってますね!!」
友紀「ああ、いいよいいよ。気にしないで先に行ってて」
茜「そう、ですか? それなら、失礼しますが……」
友紀「うん、じゃあね!」
P「友紀?」
友紀「それじゃあ、プロデューサーも、藍子ちゃんもまたね!」
P「お、おう……?」
茜「行ってしまいましたね」
P「なんなんだよ、全く……」
茜「どうかしたのでしょうか友紀さん。少し様子がおかしく見えましたが?」
P「さあ……なんだと思う?」
藍子「どうでしょうね……」
P「なにかあったのかな、あいつ」
藍子「……」
――更衣室
友紀(ああ、あたし何やってんだか……勝手に混乱して自滅とか、最悪の失点プレイだよ……)
友紀「……スカートなんか、はいて来なきゃ良かった」
ガチャ
心「あれ、友紀ちゃーん。お疲れさまー☆」
友紀「心さん、お疲れ様」
心「なんか友紀ちゃん、ちょっとお淑やかな感じの服じゃなーい? いつもと違うじゃん♪」
友紀「あ、ちょっとね……」
心「イメチェン? 結構行けてるよー☆ そういうお淑可愛い系の服もありなんじゃない」
心「はぁとはそういう系はちょっとねー」
友紀「ああ、年齢的に?」
心「うるせえぞ野球馬鹿☆ 年齢じゃなくてキャラ的な意味だっつの☆」
心「てか、どうかしたの。なんか元気なさげじゃない?」
友紀「そ、そんなことないよ」
心「ロッカーに向かってもたれかかってた奴のセリフじゃねーぞ♪」
友紀「本当に、何でもないって」
心「ふーん、まあそっちがそー言うなら別に良いけどー?」
友紀「うん、それじゃあね」
心「オッツー」
友紀「……ねえ、心さん」
心「帰んじゃねーのかよ☆」
友紀「いいじゃん。一つぐらいー」
心「ダメって言ってねえだろ♪ どうかした?」
友紀「プロデューサーって、最近変わったと思う?」
心「はあ、プロデューサー? なんでそんなこと聞くの」
友紀「いやあ、さっき話してたら、プロデューサーが少し変わったっていう話になってさー。心さんはどう思うのかなーって思って」
心「まあ確かにぃ、いろいろ変わったっちゃ変わったんじゃね? ノリは良くなったよねー」
友紀「やっぱり……そうなんだ」
心「? でもまあ、いいじゃねーの。あたしらとしても、楽しく出来るに越したことはないんじゃね?」
心「あたしらのケアも仕事のうちだよ」
友紀「仕事……かぁ」
心「でもまあ、いままでビジネスライクだった奴がいきなり近くなると、勘違いしちゃう奴とかも出てきそうだけね」
友紀「勘違い?」
心「そりゃああれだよ」
心「そういう男と女の恋愛的な奴とさ」
友紀「……っ!」
心「っていうはぁとも、まあプロデューサーならありかなー」キャー
心「なーんて……って、友紀ちゃん?」
友紀「……」
心「おーい、無視すんな☆」
友紀「はい? え、どうかした?」
心「どうかしたじゃねーぞ♪ 急に黙りこくってんじゃねーよ」
友紀「い、いやあ。別になんでもないよ。じゃ、じゃあね」
心「お、おーい……行っちゃったし」
心「……」
心「はぉと、もしかしとんでもないシュートを決めちゃったー……的な?」
―――
――
友紀(プロデューサーの、お仕事か……)
友紀(でも確かに、最近プロデューサーも色々な子に気を使ってるかも)
――
―
夏樹「この前アタシがお勧めしたバンドの曲を聞いたんだ?」
P「ああ、なかなか激しくてカッコイイ曲だったよ。李衣菜にも見習って欲しいな」ムリカ
――
―
美世「この前のドライブ楽しかったね。また行こうよ!」
P「おう……でも飛ばし過ぎには気をつけてくれ」イヤマジデ
――
―
ありす「プロデューサーさん、この前言っていたイチゴ・フルコースのお店なんですけど」
P「あ、ああ……こ、今度、今度行こうな……?」コンドナ?
――
―
――事務所
美羽(? なんかユッキーさん、さっきからプロデューサーの机見てるけど、どうかしたのかな)
友紀「ねえ、美羽ちゃん」
美羽「はい? どうしました」
友紀「プロデューサーの机、ちょっと汚いよねー」
美羽「ああ、本当ですねー。缶とか瓶とか、飲み終わったのを置きっぱなしですし」
友紀「あんなにドリンク飲んで。頑張り過ぎだよね」
美羽「本当ですよね。ちひろさんも調整してくれてるみたいですけど」
友紀「ホント、頑張り過ぎだよ」
美羽「?」ミウーン!
美羽「そうだ、それなら今日は私たちでプロデューサーを癒しませんか!」
友紀「癒すって、どうするの?」
美羽「それは……ファミレスで一緒にご飯を食べるとか?」
友紀「それって癒しなの?」
ガチャ
P「おう、友紀と美羽か」
美羽「おお、話してたら丁度ですよ」
P「なんだよ、丁度って」
美羽「プロデューサー、今晩は私と友紀さんとでごはん食べに行きません? いっぱいサービスしますよ!」
P「悪い。今日は楓さんと志乃さんと飲みに行こうって誘われてるんだ」
美羽「そうだったんですか?」
P「……それで、友紀も一緒にどうかと思うんだけど」
美羽(ほう! プロデューサーさんから仕掛けてくるとは。これは好機ですよ、好機!)
美羽「いいんじゃないですか、ユッキーさん!」
友紀「いやあ、あたしは遠慮しとこっかな?」
美羽(あれ?)
P「そう、か?」
友紀「ほら、あたしってつい飲みすぎちゃって迷惑かけること多いからさ。プロデューサーも疲れちゃうでしょ?」
P「そんなことはないさ」
友紀「いいからいいから、今日は三人で楽しんできてよ!」
P「まあ、無理にとは言えないけど……」
友紀「アイドルのケアも、プロデューサーの仕事だもんね!」
P「あ、ああ……? でも――」
友紀「それより、机を片づけた方がいいんじゃなーい? 汚すぎだよ」
P「う、うるさいな。ちょっと忙しかっただけだよ」
友紀「まったく、プロデューサーは仕方ないなあー」
友紀「ほら、美羽ちゃんゴミ箱持ってきて。あたし達で片付けちゃおう!」
美羽「はい、ちょっと待ってください」
P「あんまりひっくり返すなよ……」
――
―
美羽「よかったんですか?」
友紀「? 何が」
美羽「ほら、さっき。プロデューサーに飲みに誘われたのに」
友紀「ああ、別に? 人数が多くなり過ぎると、気疲れしちゃうでしょ? プロデューサーも大変なんだから」
美羽「でも」
友紀「でもも何もないの。そんなこと言ってると、美羽ちゃんも気疲れしちゃうよ? アイドルにも、メンタルコントロールは大事なんだぞー!」
美羽「分かってますけど」
友紀「じゃあ、今日は二人で御飯でも行こっか? 今日はお姉さんが奢ってあげるよ」
美羽「本当ですか?」
友紀「じゃあ、何処行く? 居酒屋で一杯いっちゃう?」
美羽「居酒屋はちょっと……」
美羽(ユッキーさん、なんかおかしいと思ったけど)
美羽(気のせい……だよね?)
――
―
朋「ムムムム」
友紀「プロデューサーに朋ちゃん、何やってるの?」
P「いや、朋が新しい占いのやり方を勉強したらしくてな。実験体になってるんだ」
朋「実験体なんて言わないでよ。今回のはいい感じなんだから」
P「今回のはって……あ、どうせなら友紀も見てもらえば?」
友紀「あたしは……いいや、なんか気分じゃないし」
P「そう……か?」
朋「あ、出ましたよ! プロデューサー。この先は些細な事を見逃すと危険。必要なのは勇気! だって!
朋「って、聞いてるプロデューサー?」
P「あ、ああ。聞いてる。聞いてるよ」
――
―
P「なあ友紀。みちるから貰ったパンだけど、お前も食べるか?」
友紀「いいや。さっきご飯食べちゃったし」
P「そ、そうか?」
――
―
P「なあ友紀。このクリームいるか?」
友紀「なんのクリーム?」
P「楓さんがCMやってる化粧品会社から貰った、美容クリームなんだけど」
友紀「いやー、いいかな。あたしはまだまだ大丈夫だから」
P「そ、そうか?」
友紀「あたしより、川島さんにあげた方がいいんじゃない?」
P「川島さんにはもうあげてるから」ハコデ
――
―
ちひろ「……」カタカタ
P「……」カタカタ
ちひろ「あら、プロデューサーさん、ここの予定」
P「あっ、しまった……」
ちひろ「こちらの方が優先ですかね。調整しておきます」
P「本当に助かります……」
ちひろ「らしくないミスですね、プロデューサーさん」
P「そう……ですかね」
ちひろ「さあ?」カタカタ
P「さあって、えぇ……」
P「ちょっと、あるアイドルに、無視されているというか」
ちひろ「はい」カタカタ
P「いや、無視じゃないんですけど。なんというか……仕事もちゃんとしてくれてるんですけど……なんというか」
ちひろ「はい」カタカタ
P「……いや、やっぱいいです」
ちひろ「そうですか」カタカタ
P「……」
ちひろ「……」カタカタ
P「……」
ちひろ「でも、その子もアイドルですから」
P「?」
ちひろ「いいたくても、言えない事もあるんじゃないですか?」
P「なんですか、それ」
ちひろ「さあ? ただ、不器用なのはプロデューサーさんだけじゃないって事ですよ」カタカタ
P「俺、不器用じゃないですから」
ちひろ「あら、そうですか?」カタカタ
P「そうですよ」
ちひろ「そうですか?」カタカタ
P「……たぶん」
ちひろ「そうですか」カタカタ
P「……」
――某スタジオ
伊吹「はあ、終わったー!!」
未央「お疲れ、伊吹ちゃん、ユッキー!」
友紀「お疲れ、二人とも!!」
未央「いやあ、しかし今日は絶好調だったね、ユッキー?」
友紀「へっへっへー。体を使うのならあたしの十八番だからねー!」
未央「本当にそれだけですかな?」
友紀「っていうと?」
未央「何かプロデューサーとあったりしてー?」
伊吹「へっ? なになに、どういうこと?」
未央「それがですねえ――」
友紀「ちょっと、未央ちゃん?」
未央「あはは……?」
友紀「もう、そういうのはプロデューサーに迷惑掛かるんだから、やめなよねー」
友紀「プロデューサーも大変なんだから」
未央「?」
伊吹「ねえ、どういうこと?」
友紀「伊吹ちゃんは気にしなくていいの」
ガチャ
P「お疲れ」
未央「お疲れさまでーす!」
伊吹「お疲れ様です!」
友紀「お疲れ様!」
P「今日は良かったよ、向こうの人も褒めてたよ」
未央「ホント? やったね!」
友紀「まあ、あたし達だからね? こんなの余裕余裕」
P「ははっ、調子に乗り過ぎるなよ?」
友紀「大丈夫だよ。プロデューサーに迷惑かけないように、しっかりやるから」
P「そ、そうか」
友紀「じゃあ、あたし着替えてくるね」
P「おう」
未央「……ねえ、プロデューサー、ユッキーとなんかあった?」
P「どういうことだよ」
未央「まったまたー。誤魔化さなくたっていいって。ユッキーと、ねえ?」
伊吹「なに、なに?! どういうこと? アタシにも教えてよー」
P「お前ら落ち着けって。別になにもないから」
未央「えー、ホントに? 喧嘩とかしたんじゃない」
P「本当だって。別に喧嘩とかもしてないし、いつもどおりだよ。ていうか、喧嘩した態度じゃないだろ」
伊吹「確かに、喧嘩したならもっとヨソヨソしくなるもんね」
P「だから……別になんでもないんだよ、多分」
未央「プロデューサー?」
伊吹「というか、友紀さんとプロデューサー……そう言う感じだったり?!」
P「どういう感じだよ」
未央「それはですなぁ」
P「みーおー」
未央「あはは。こ、怖いよプロデューサー?」
P「ったく。だから、伊吹も変な噂流さないようにな。あいつにも迷惑がかかるんだから」
伊吹「はーい」
P「ほら、お前らも早く着替えろよ」
未央「わかったけど……ねえ、プロデューサー」
P「なんだ」
未央「本当に何でもないの?」
P「……なんでもないよ」
伊吹「なーんだ。友紀さんとプロデューサーがそういうのじゃないんだ。つまんないのー……」
伊吹「って、未央? どうしたの」
未央「ムムー……ムムムムム?」
―
――
あい「友紀くんの様子がおかしいと?」
美羽「はい……やっぱり何かおかしいんですよねえ、ユッキーさん。気のせいだと思っていたんですけ」
あい「もっと具体的には分からないのかい? 傍から見てる限り、いつもの元気な彼女に見えるのだが」
美羽「具体的にといわれると……」
あい「……ハア」
あい「……だが実を言えば、私も少し違和感を覚えていたんだ」
美羽「あいさんもですか?」
あい「勘違いだと思っていたが、君も同じ事を感じているならば、あながち間違いでもないようだね」
ガチャ
心「あれ、なんか珍しい二人じゃね?」
あい「やあ、心さん、お疲れ様」
美羽「お疲れ様です」
心「二人してなんの話してるの?」
美羽「それは……」
あい「私と美羽君の秘密だよ」
心「うっへー。はぉとは仲間外れかよ☆」
あい「誰にもでもいいたくないことはあるだろ。君の体重とか」
心「うるせぇぞ♪」
美羽「ごめんなさい。こればかりは」
心「でもその感じだと、誰かの噂話だったりしてー」
あい「さあね」
心「あれ、否定しねえって事は外れでもなさげ感じ?」
心「もしかして、どっかの野球馬鹿が関係してたり?」
心「なーんて☆」アハハ……
美羽「」キョトン
あい「」キョトン
心「って、あれ?」
あい「心さん、友紀くんについて、何か心当たりがあるのかい?」
心「うっそーん……まさかの当たりって――」
美羽「それですよ!!」
心「それって何が?」
あい「どれが、それなんだい?」
美羽「違和感の理由ですよ。何で気がつかなかったんだろう」モウッ
あい「?」
心「ねえ、なにがどうなってんの? 無視かーい☆」
――
―
ちひろ「……」カタカタ
P「……」カキカキ
ちひろ「そう言えばプロデューサーさん」
P「はい?」
ちひろ「ここの予定、かぶっていましたよ」
P「うっ……」
ちひろ「ちゃんと変更しておきましたので」ニコッ
P「……本当に助かります」
ちひろ「この前も、似たようなミスしましたよね」
P「そう……ですね」
藍子「プロデューサーさん」
P「おう、藍子か。また新しいアルバム持ってきたのか?」
藍子「いえ、そうじゃなくて……」
ちひろ「ここで一息つきましょうか。プロデューサーさん、お茶いります?」
P「あーいえ、大丈夫です」
ちひろ「藍子ちゃんは?」
藍子「私もいいです。ありがとうございます」
ちひろ「そうですか……私は欲しいので、自分の分入れてきますね」ガタッ
P「はあ、どうぞ」
ちひろ「秘蔵のあれでも頂こうかしら」ボソッ
P「え、ちょっとなんですか、秘蔵のあれって!?」
P「……行っちゃったよ」
藍子「あの、プロデューサーさん」
P「それで、どうしたんだよ」
藍子「やっぱり、最近なにかありましたよね、プロデューサーさん。未央ちゃんも心配してましたし」
P「あいつ……未央から何か聞いたのか?」
藍子「詳しくは聞いていませんけど、誰かと仲が悪くなったとか……」
P「いいよ。あいつの勘違いなんだから」
藍子「未央ちゃんが勘違いしたとは思いません……」
藍子「私にも、プロデューサーさんが悩んでいるように見えますから」
P「そう、かな?」
藍子「はい」
P「あー……そうだな。でも、お前たちが気にする事じゃないさ。個人的な事だし」
藍子「私じゃ、相談相手にはなれないですか?」
P「そうじゃないさ。藍子は十分信頼出来る。ただ、なんて言えばいいのかな……」
藍子「……私をそれだけ信頼出来るなら、その相手の事も、もっと信頼してもいいんじゃないですか?」
P「藍子?」
藍子「たぶん、その人は子供っぽいですけど、大人ですから。手を伸ばしていいか分からないんだと思います」
藍子「そう言う時は、プロデューサーさんから手を伸ばしてあげたらいいと思います。少し強引な位に」
P「……藍子、本当に未央から何も聞いてないのか?」
藍子「未央ちゃんからはホントに……ただ、ずっと見ていましたから」ボソッ
P「? 今なんて言った」
藍子「いえ、なんでもないです!」フルフル
藍子「と、ともかく。私も、未央ちゃんも。みんなも心配してますから。では!」
P「お、おう……」
ちひろ「お話は終わったんですか?」
P「ちひろさん」
ちひろ「またアイドルに心配されていますね」オチャズズー
P「ホント、プロデューサー失格ですね」
ちひろ「で、お悩みの方はどうなりました?」
P「そうですね……失格プロデューサーなりに、何とかやってみますよ」
ちひろ「そうですか」
P「そうですよ」
ひちろ「……」ズズー
P「……ところで、その秘伝のお茶を少し飲ませて貰っても」
ちひろ「大丈夫っていいましたよね」ニッコリ
P「はい……」
――夕方
事務所入り口
友紀(ああ、今日も疲れたー)
友紀(プロデューサーは、まだ仕事してるのかな。今から行ったら……)
友紀(……いや、早く帰ろ)
美羽「ユッキーさん」
友紀「おお、美羽ちゃん。美羽ちゃんも今帰り?」
美羽「そうですけど。帰る前にあそこのベンチで少し話していきませんか?」
友紀「? うん、いいけど」
美羽「今日は私が飲み物奢ってあげますよ。何にします?」
友紀「ホント?」
ガチャコン
友紀「へへ、ありがとうね」
美羽「いえいえ、ユッキーさんにはいつもお世話になってますから」
友紀「それで、美羽ちゃん何か話でもあるの?」
美羽「別に特にはないですけど。何か最近面白いこととかありました?」
友紀「面白い事かー。うーん、そうだなー」
友紀「今日レッスンで美嘉ちゃんと一緒だったんだけどね、その途中で莉嘉ちゃんが乱入してきたんだよ」
友紀「ここまではよくあるじゃん?」
美羽「ありますね」
友紀「でもその恰好がね、何とルキトレちゃんの服だったの! ルキトレちゃんの服と取り換えっこしたんだって」
友紀「その後にこんどは莉嘉ちゃんの服きたルキトレちゃんが来てさ」
美羽「え、よく着れましたね」
友紀「うん、めっちゃキツそうだった」
美羽「……それって、取り換えっこっていうより、すり替えられたみたいですよね」
友紀「それでね。ベネトレさんがね、莉嘉ちゃんを怒るじゃん。レッスン邪魔されたって」
美羽「いたずらの方を怒ってる訳じゃないんですね」
友紀「監督不行届きってことで、美嘉ちゃんも怒るじゃん」
美羽「美嘉さんも大変ですね」
友紀「でもってね、脇が甘いってルキトレちゃんも怒られてさ」
美羽「被害者なのに可哀そう……」
友紀「で、それ見て笑ってたら、たるんでるってあたしも怒られた」
美羽「笑っちゃだめですよー」
友紀「いや、でも笑っちゃうって」アハハ
美羽「……他には何かないんですか」
友紀「他? うーんそうだなあ――……」
――
―
友紀「――とかかなあ」
美羽「……私ですね」
友紀「?」
美羽「最近なんだか、ずっと友紀さんの様子がおかしいと思ってたんですよ。」
友紀「あたしの様子が?」
美羽「今、話を聞いて、やっとどこがおかしいがわかりました」
友紀「お、おかしいところ? 全然そんなこと――」
美羽「ユッキーさん、ずっと野球の話をしてないです」
友紀「……」
美羽「ユッキーさん、元気なんですけどなにか足りないよなーって思ってたんですよ」
美羽「最近はちゃんと話をする機会もなかったんで、気がつかなかったんですけど」
美羽「ユッキーさん、野球関連のことを一切口にしてないんですよ」
友紀「そ、そんなの偶然だって」
美羽「いーえ、そんな偶然はありえませんね。間違いありません。野球の話をしないユッキーさんなんかただの美少女です」
友紀「なにそれ。野球の話をする時もあたし美少女じゃくなるみたいに!?」
美羽「いえ、野球好きの美少女ですね」
美羽「……でもやっぱり、好きな事に素直なユッキーさんが、一番輝いていると思いますよ」
友紀「そう、かな」
美羽「……もしかして、最近野球を見てないとか」
友紀「そんな訳ないじゃん! あたしの人生にとって野球はぜったい外せないものだよ! 後ビールも」
友紀「家じゃあ毎日欠かさずチェックしてるし!!」
美羽「じゃあ、なんで野球の話をしなくなったんですか?」
友紀「……だって」
友紀「事務所のみんなと、野球の話をすると……プロデューサーのことが浮かんで……」
友紀「ほら、最近、結構さ。事務所で野球の話とか、してたし……プロデューサーとね……球場にも一緒に言ったし」
美羽「ユッキーさん……」
友紀「……でも、プロデューサーみんなと仲良くしててさ。アイドルのケアって奴? あたし一人で舞い上がっちゃっててさ。馬鹿みたいよねー」アハハ……
美羽「そんなこと――」
心「結局、プロデューサーが紛らわしい事したせいかよ」
友紀「うえっ?! 心さん?!」
心「その驚きようはなんだよ☆」
あい「私もいるよ」
友紀「あいさんも?! なんで!?」
あい「細かいことは気にしない」
心「なんかあたしのイラン一言でいろいろ考えさせちゃったぽいし? 少しは反省してる感じな訳だしー」
友紀「別に心さんのせいじゃないって」
心「……なんか色々愚痴愚痴悩んでいるっぽいけどさ、こういう時は、あれじゃね?」
友紀「あれ?」
あい「ああ、あれだね」
美羽「あれ?」
心「お酒で、パーっといこうぜ♪」
――友紀・自宅。
美羽「おじゃましまーす」
心「あら、わっふーな室内。どっかのウサミン星みたい」
あい「いいじゃないか。気取っていないのは友紀君らしいよ」
友紀「うう……なんでこんなことに」
心「仕方ねーだろ。外で飲むのもあれだし。それにお店だと美羽ちゃん追い出されちゃうかもしれないもんねー☆ 減るもんじゃねーんだからケチケチすんな♪」
友紀「まあ、そうだけどさ」
あい「しかし、だいぶ買い込んだね、心さん」
心「あるに越したことねーだろ☆ ほら、はやく飲もーぜ♪ あ、美羽ちゃんは残念だけでノンアルだけだかんね☆」ガサッ
あい「そういうところは、意外と真面目だね」
心「あたしをなんだと思ってるんだよ☆」
心「普通に考えて中学生に飲ませようとはしねーよ☆」
美羽「ユッキーさんにはよく進められますけどね」
友紀「いや、あれは酔いの勢いで」
心「……お前、本当に何やってんだよ」
友紀「アハハ……」
あい「ほら、早く準備をし」プシュッ
あい「……心さん?」
心「ッあぁぁ。うまい!」プヘー
あい「もう飲んでるのかい」
心「いいじゃない。かてーこと気にすんなよ☆ 気楽にいきゃいいんだよ♪ ほら、あんたも」ポイッ
友紀「あ、ありがとう」キャチ
美羽「そうですよ、おつまみとかは私が準備しますんで、皆さんは楽しんでいてください」
あい「そうだね。今日は美羽君に甘えるとしようか」
美羽「そうですよ! どんどん甘えちゃってください。今日は私がお姉さんですから。そばつゆだってなんだって用意しますよ!!」
心「ほら、なにボケっとしてんだよ☆ いつもみたいにグイッといったちゃえって」
友紀「あ、うん」プシュ
友紀「……」グイグイグイ
友紀「っぷはー!!」
あい「良い飲みっぷりじゃないか」
心「ほら、あいちゃんも。みんな飲んで飲んで☆」
友紀「うー……こうなったら。飲みまくってやる!!」
ワイワイ
美羽「飲み過ぎには気をつけてくださいよ……って、もう」
―――
――
心「そもそもさ、プロデューサーと何がどうなってこうなってんのよ?」
友紀「何がってこともないけど……というか、別に何もないし」
心「なんだ、なにもないの? つまんないの」
美羽「でも、いい感じになったとかいつか言ってませんでした?」
友紀「ちょっと美羽ちゃん!?」
心「やっぱ何かあったんじゃーん♪ 言えよ☆」
あい「私も聞きたいな」
友紀「あいさんまで?」
美羽「私も詳しく聞いてないんで興味あります!」
友紀「美羽ちゃんも!?」
心「ほらほら、飲んで正直になりなさーい」コポコポ
友紀「ちょっと、こぼれちゃうって、もー!」
――
―
心「っか~、情けないわね。何それ、チャンスに弱い感じ」
友紀「ねえ、そう言う人って最悪だよね。打てよ!! ってなるよ!! 何だよ、得点圏打率1、22!!?」
心「もうホントそう言うのダメダメ」
あい「難しい立場にあるんだよ」
友紀「難しい立場ってなんだよ!! 四番にいるなら打ってくれなきゃ困るんだよー!! こんなんだから負けるんだー!!」
友紀「打つ時はこうね――」
心「ああ、あたしの丸焼きネギを振りまわすなって☆」
美羽「仕方ないですよ、ネギって、ネぎるにはちょうどいい形ですから!」
心「あ、今のは酔った勢いの所為ってことで、聞かなかった事にするね♪」
美羽「私はお酒飲んでないですよ!?」
――
―
心「あんたは若いからいじゃない? あたしなんかそれなりの歳よ? どっかの星人みたいにウン十七歳なんて言えってか?!」
あい「いいじゃないか。美しさに男も女も関係ないように、素敵な女性には歳は関係ないよ」
心「本当?」
あい「心さんは十分素敵さ」
心「……あいちゃんも素敵よねー。そこら辺の男より」
あい「そう言われるのも複雑だが……ありがとうと言っておこうか」
心「あいちゃん、私が間に合わなかったらお嫁に貰ってくれる?」
あい「はい?」
心「あいちゃん、美しさに男も女も関係ないっていったっしょ☆」
あい「いや、そういう意味でいったのは……」
心「いやーん、はぁとじゃ嫌なの~?」
あい「ちょっと、抱きつかないでくれ……酔いすぎじゃないか」
友紀「お似合いだよお似合い。バッテリー賞狙えるって!!」ケタケタ
あい「友紀くん、適当な相槌はやめてくれないか」
美羽「大丈夫ですって! そう言うのは世間も認めてくれますから!!」
あい「美羽くんも掻きまわさないでくれ……」
―――
――
ワイワイワイワイ
――
―
ワイワイ…
「――いいんですか?」
「いいのいいの。後はなるようになるっしょ☆」
「さあ、早く行こう」
――
―
友紀「……うっ」
友紀(あれ、あたし寝ちゃってた……)
友紀(みんなは……いないけど、帰ったのかな?)
友紀(一人か……まだ外は暗いけど……今、何時だろう)
ガタッ
友紀(台所の方に、誰かいる?)
友紀「美羽ちゃん?」
「あ、起きたか」
友紀「……!?」ガバッ!!
友紀「うえっ!? な、何でプロデューサーが!?」
P「はぁとに呼ばれたんだよ。お前んちで飲んでるから迎えに来てって」
友紀「あれ、じゃあみんなは?」
P「これ」ヒラッ
友紀「何かのメモ? えっと……『待つのに飽きたので、タクシーで帰ります。きゃは☆(笑)』」
P「人を呼びつけておいて、あいつら……それで、帰ろうと思ったんだけど、汚れてたから少し掃除してからって思ってな」
友紀「あはは、ありがとう。も、もう大丈夫だから。プロデューサーも帰っていいよ? 明日も早いでしょ」
P「そうだな」
友紀「お仕事も、大変なんだから」
P「……」
P「強引に、手を伸ばせ……か」
友紀「何? ギリギリの捕球する時のコツ?」
P「なあ、友紀」
友紀「? なに」
P「俺、お前のこと好きだ」
友紀「……へっ?」
P「好きなんだ、お前のこと」
友紀「はっ?! なっ!? ふえっ!?」
P「プロデューサーとアイドルとかそういうの関係なしで好きなんだ。大好きなんだ」
友紀「ちょっと!? ちょっと待ってよ!?」
P「スカウトした時から可愛いと思ってたし、その後にバーで野球の話をしてるときも野球の話は全然分からなかったけど、楽しそうに語る友紀が凄い魅力的だった」
友紀「だから――」
P「普通にしてたら二十歳に見えないくせに親父みたいに酒飲む所もいいし
自分の女性っぽいところを理解してる癖に、間接キスぐらいで動揺するようなウブな所も可愛いと思う」
友紀「ちょっと待ってよ、いきなり――」
P「料理番組の時に野菜で野球しだすところも馬鹿って思ったけどなんだか目が離せなかったし、
馬鹿みたいにまずい料理を作ったときも、すごくお前らしいなって思えて。
むしろ食えるものにしちゃうのかよ!? って驚きもあったし。
そんなお前が全部大好きで。それに――」
友紀「黙ってよ!」ブンッ!!
P「痛っ!?」
P「缶を投げるなよ。って……!?」
友紀「うるさい、うるさいうるさいうるさい!!」ブンブンッ!!
P「だから物を投げるなって、おい!? クソっ。無駄にコントロールがいいな!?」
友紀「人の気も知らないで~!!!」
P「ああ、知らないね。俺は俺の気持ちに素直なだけだ!!」
P「ドラフト指名だよ。俺はお前を一番最初に指名したんだ。他の球団になんかとられたくないから!!」
友紀「……でも」
P(……?)
友紀「でも、あたしは……ドラフトに出れないよ」
P「友紀……?」
友紀「選手にだって、いろいろ事情があるんだよ……ドラフトに出たくたって、色々あって、出れない事もあるんだよ……」
P「それは……」
友紀「だって……あたし、アイドルだもん」
友紀「アイドルが大好きだもん。アイドルとそう言うのを両立できるほど、あたし器用じゃないし……」
友紀「だから……そのドラフトにはあたしは出れないよ……」
P「……じゃあ、お前がドラフトに出られるようになるまで、俺は待ち続けるよ」
友紀「……いつになるか分からないんだよ? それに……」
友紀「その時には、スカウトの目だって別の人に目映りしててもおかしくないじゃん。若くていい選手はどんどん、沢山でてくるし」
友紀「同期にだって沢山、魅力的な子はいるし……」
P「いいや、俺はお前から目を離さないよ」
P「俺の目からすれば、ここ二百年はお前を超える逸材は出てこないな。だから安心しろ」
P「ベーブルースやイチローだって、俺の目からすればお前の足もとにも及びやしないさ」
友紀「……でも、あたしだって別のスポーツに浮気するしれないよ」
P「お前が? 冗談だろ? お前みたいな奴は、来世でだって野球が好きに決まってる」
友紀「うわ……凄い自信」
P「あー。それは比喩とかじゃなくてだな……まあ、魅力的な球団であり続ける努力はするよ」
P「だからさ。これだけは分かってくれ」
P「俺は今、世界で一番、お前が大好きだ。お前を球場の外で一目見たときから、俺のナンバーワンだ」
P「もうメロメロだ。例え俺が宝くじで百兆円当てたとしても、お前と出会ったという幸運に比べれば屁みたなもんだ」
友紀「……ホント、プロデューサーって馬鹿みたい」
P「たまにはこういう馬鹿も悪くないだろ」
友紀「うー……」
P「だから、待ってるよ。お前がドラフトに出られる時を」
P「俺は待つよ、何年でも、何十年でも、何百年でも」
P「俺は、絶対にお前を逃がさないんだから。例え他の球団に取られても、トレードでもなんでも駆使して、お前を絶対に取りに行く」
P「もし、俺と契約したときには、絶対に離さないからな? 覚悟しておけよな?」
友紀「……ずるいなあ」
P「ああ、そうだよ。俺はずるい手を使ってでもお前を取りに行く、悪徳監督さ」
P「マスコミが文句を言う? 知るかよ。世間の白い目? 知るかよ」
P「どう言われようと、お前を絶対に取りに行くし、とりに行ったからには何が何でも逃がさないからな」
P「だから、俺はお前を待つ……お前が俺の前で笑ってくれるなら。何でもするさ」
P「例え、俺の手から届かない所に行くとしても、その時まで、俺は……そうしたいんだ」
P「だから、泣かないで。笑ってくれよ」
友紀「……馬鹿」
友紀「泣かしたのは……どこの誰だよ」
P「友紀……」
友紀「ホントにいいの……?」
P「ああ、お前さえよければ。いつまでもな」
友紀「……」
P「この裏取引は、成立したってことで、いいかな」
友紀「……うんうん、成立の証が未だだよ」
P「証? それって――」ガバッ!
P「ッ!」
友紀「ッ……へへ」
P「……酒くせえぞ、友紀」
友紀「これで取引完了だよ」
友紀「だから……」
友紀「待っててね。プロデューサー」
――後日
友紀「って訳で、山だー!! 紅葉狩りだー!!」
美羽「うわー、いい感じに紅葉がきれいですね」
友紀「ホントだねー。ビールが進みそうだよ」
P「夕食まで我慢しろよな」
友紀「うっ、プロデューサー。分かってるって。言っただけじゃん」
P「ホントか?」
友紀「あー、子供扱いしないでよ。それくらい我慢できますよーだ」イー
美羽「アハハ」
伊吹「ねえ、奏」
奏「どうしたの、伊吹ちゃん」
伊吹「なんか、プロデューサーと友紀さんがいい感じに見えるんだけど、気のせい?」
奏「あら、知らなかったの?」
伊吹「え、どういうこと?! やっぱりあの二人、未央の言ってた通り……!?」
奏「さあ、どうなのかしら。私は知らないわ」
伊吹「どうみても知ってそうな感じじゃん!」
奏「ふふっ」
伊吹「ちょっと、おいー!?」
ナターリア「うわー紅葉、本当に綺麗だナ!」
薫「本当だね。あいお姉ちゃんもそう思うでしょ!!」
あい「ああ、勿論」
心「ほーんと、天気もいーし、超スイーティーな感じ☆ やっぱ息抜きって大事だわ♪」
ナターリア「こんなに綺麗で食べれるなんて、本当に凄いな、紅葉ハ!!」
心「ちょっと待て、食える訳ねーだろ☆」
ナターリア「そうなのカ? でも狩りに来たんだろ?」
あい「あくまで呼び方であって、実際に狩りをする訳じゃなくてだね……」
茜「おや、友紀さん。今日もスカートなんですね!」
未央「あり、本当だ? 山に来たんだし、ユッキーならもっと動きやすい恰好かと思ったけど」
茜「あれでは一緒に走ることは出来ませんね」ザンネンデス
未央「だけど、恰好はともかく、いつものユッキーに戻った感じだね。プロデューサーとも、フムフム」ニヤニヤ
茜「フムフム?」
藍子「プロデューサーさんも元気になったみたいだね」
未央「そしてその二人が一緒にいるという事は……」ニヤニヤ
藍子「みたいだね。未央ちゃん」
茜「???」
未央「あれ? っというかあーちゃん、二人のこと知ってたの?」
茜「知ってた? 何をですか?」
藍子「知ってた、って訳じゃないけど……プロデューサーさんを、いつも見てたから」
未央「あーちゃん……まさか」
藍子「なにって訳じゃないよ? ただ、ちょっと……」
未央「もう、あーちゃん言ってよー!! それだったらユッキーじゃなくて、あーちゃんの応援したのにー!」
茜「応援!? 何だかよく分からないですけど、応援なら任せてください!!」
藍子「いいって、そんな」
未央「いーやよくないねー……なんだったら、いまから略奪しちゃう?」
藍子「えっ!?」
茜「なんを略奪するんです?」
未央「そりゃあ、人の心さ……いわゆる、略奪恋愛?」
茜「れんあ!?……略奪!?!?」プシュー
藍子「ダメだよ!? そんなの、それに」
未央「そうだよね、簡単に略奪されちゃうようなプロデューサー。あーちゃんは好きにならないもんね」
茜「好き?!?! プ、プ、プロデューサーをですか!?!?」
藍子「茜ちゃん、声大きいよ!?」
伊吹「なになに? なんの話」
奏「興味深いわね」
藍子「べ、別になんでもないです」
伊吹「ホントー? っていうか未央、ちょっと聞きたいんだけど」
未央「何かな何かなー?」
薫「薫もせんせぇのこと好きだよ?」
ナターリア「ナターリアもだゾ!」
あい「おやおや、プロデューサーは大人気だな」
奏「ライバルは多そうね、藍子」
藍子「だから……もうっ!」
茜「ラ、ライバル!? なんだかよく分かりませんが、燃えてくる響きですね!」
心「おめーら、うるせえぞ☆」
ワイワイ
美羽「なんか騒がしいですね」
友紀「あはは、いーじゃん元気があって」
P「全く、ウチらしいよ」
――
―
美羽「あー、いい景色」
友紀「だねー。風も気持ちいいし。こうやって、みんなでこれて楽しいね!」
美羽「本当ですね……このまま、ずっとこんな時が続けばいいなー……」
美羽「事務所のみんなと笑って過ごして……そう言うのが一生続かないかな」
友紀「美羽ちゃん……」
友紀「んなの無理に決まってるじゃん!」アッハッハ
美羽「えー……」
友紀「こう見えてあたしの方が人生は長く経験してるからね。ずっと続くなんてことなないってわかってるんだ」
友紀「あたしだって、野球をやってるのは楽しかったけど、それも中学に入って終わったし」
友紀「高校のマネージャーしてるときも、楽しかったけど、やっぱり引退して終わってさ」
友紀「どんなものも、ずっとは続かないんだよ」
美羽「ユッキーさん……」
友紀「そう、あの黄金時代も日々も……連続日本一も過去の栄光だし。輝かしい四番だって引退したり、アメリカいっちゃったり……」トオイメ
美羽「あ、あはは……」
友紀「ともかく、ずっと続くことなんかないんだよ。だからさ」
友紀「だからこそ、今を楽しまなきゃね!!」
友紀「終わった後に後悔しないよう、いつでも全力投球だよ!!」
美羽「そう……ですね。そうですね!」
P「おー、ここにいたのか」
友紀「プロデューサー」
美羽「あら……私、未央ちゃんのところ言ってきますね」
友紀「うん、そっか」
美羽「ええ、では」
P「おう、気をつけろよ」
友紀「美羽ちゃん」
美羽「なんですか?」
友紀「ありがとう、ね」
美羽「……いえいえ。こちらこそ!」
友紀「……ところで、プロデューサーさんはお一人ですか? 寂しいねえ~」
P「お前だって今は一人だろ」
友紀「さっきまでは美羽ちゃんがいたから一人じゃないもーん」
友紀「……それに、今はプロデューサーがいるでしょ?」
P「……ああ、そうだな」
友紀「お、葉っぱがついてるよ~?」
P「どこに?」
友紀「動かないで、あたしが取ってあげるから……ほらっ」
P「ありがとう」
友紀「どういたしまして。エヘヘ」
P「ハハハ」
友紀「……そういえばさ」
P「?」
友紀「私、まだプロデューサーに言ってないことがあるんだ」
友紀「あのね」
友紀「プロデューサー。あたし、プロデューサーのこと――」
友紀「プロデューサー。あたし、プロデューサーのこと――」
《終》
以上でおしまいです。
月末のユッキにほだされて書き始めたみたものの、思った以上に時間がかかってしまった……
でも今までで一番イチャイチャしてくれたと思います……したよね?
とりあえずはこれで完結です。
読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
うわっ、気づいたら終わってた…
前スレ、前々スレともに楽しく読ませていただいたものです。
これからゆっくり読む予定ですが、とりあえず今言わせていただきます。
おつかれさまでした、完結おめでとうございます
>>90
おお、シリーズで読んで頂いていましたか!! 本当に感謝感激です。
この作品も、気にいって頂けたなら幸いです!
本編とはまるで関係ないのですが、初月末の結果です。
改めて、本当にありがとうございました。
乙 面白かったよ
本当にいいssだった
乙
全作読んできたー面白かった乙ー
乙
このSSまとめへのコメント
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