真美「五年後の未来で」 (82)
※完結まで書きためてないので、随時投下していきます。
[過去SS]
春香「私達は仮想世界『THE IDOLM@STER』で生きている」
(春香「私達は仮想世界『THE IDOLM@STER』で生きている」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434271168/))
響「2」
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441547161)
卯月「Battle of the idol's spirit」
(卯月「Battle of the idol's spirit」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441701492))
千早「気が付けば私は、病棟の一室で眠っていた」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1444573443
あのゲームの話の人か
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira091102.png
自作の支援絵です。
今回は、真美が可愛い話にする予定なのでどうぞ最後までおつきあいください。
[五年後の未来]
チュンチュン
P「……う、ううん」
P(朝の陽ざしが飛び込んできて、俺は意識を取り戻した)
P(昨日残業したせいか、体を起こそうにも言うことをきかない)
P(……あーあ、今日も一日仕事かあ)
P(春香の営業もあるし、他には貴音や真もあったな……)
アリスとメアリーの話しで1週間は1人で夜中トイレに行けなくなった
許さんぞ
P「……起きるか」
P(いつまでも考えていても仕方ない)
P(俺は、体を起こしてそして瞼を開いた――のだが)
P「――――――え?」
P(俺は思わず間抜けな声に出した)
P(なぜならば……そこは……)
P「な、なんで俺は神社で寝てるんだ?」
P(そう、俺の目を覚ました場所は神社だったのだから)
P「――あっはっは、そうか仕事が疲れすぎて神社で寝てしまったわけか!」
P(俺は腹を抱えて笑った)
P(なんだ、今から悪趣味なゲームシナリオでも始まるっていうのか? あっはっは)
P「んなわけないだろ……」
P(そして、すぐに頭を抱えた)
P「ここどこだよ……」ガックリ
P(しっかりしろよ、俺……)
P「っていうか、今日仕事じゃないか!」ガバッ
P「じ、時間は――うわっ! 八時過ぎかよ!」
P(俺は一先ず、神社から飛び出すと現在地を把握するために辺りを見回した)
P(ここは……都心に近い場所か?)
P(だったら、事務所までは間に合うか)
P「……とりあえず良かった」ホッ
P(俺は胸をなでおろす)
P「って、そうじゃない――とりあえず、会社に連絡を」
P(俺はそう言って携帯を取り出そうと思ったが――荷物などは一切持ち合わせていなかった)
P(一瞬思考が止まった)
P「う、嘘だろ……」タラリ
P(冷や汗をかきながら、俺はポケットを漁る――しかし、やはり何も持ち合わせていない)
P(さっき寝ていた場所に戻ってみても、そこにはなにもなかった)
P「俺、もしかして……落としたのか?」
P(さっきまでの、安堵から一気に奈落へ叩き落される)
P(財布に携帯、カバンには重要案件の書類――やばい、俺クビどころじゃない気がする)
P「……」
P(完全に思考を停止してから、俺は頭を切り替える)
P(考えていても仕方ない……もう、素直に謝ろう)
P(お金もないが、とりあえずここからだったら歩いて1時間くらいで事務所に着けるだろう)
P「はあ……なにやってんだろ」ガックリ
P(俺は項垂れながらも事務所へ向かった)
――――
――
―
P(事務所へ向かう道中、俺は不可解なことに気付いた)
P「んー、なんか見ないアイドルが多いな」
P(広告やTVで見るアイドル達は、どれも見たことのない女の子たちばかりだった)
P「……俺もリサーチが甘いのかな」
P(反省する点が多いなあ、今日は)
P(俺は歩みを進めながらそんなことを考えた)
P(それに、どこか店の並び方も違う気がするが――気のせいだろうか)
P(……まあ、そんなことよりも今はもっとやばいことが待ち受けている)
P「もうすぐ着くな……」テクテク
P(俺は社長や音無さんに謝る内容を頭に巡らせつつも、事務所へと向かった)
――――
――
―
P「さて……」
P(俺は事務所の扉を見つめる)
P(結局、謝る内容考えつかなかったな……)
P(でも、こうなったら誠意を込めて謝ればなんとかなるはずだ)
P(俺は大きく深呼吸をして――事務所の中へ入っていた)
P「……」
カチャリ
P「お、遅れてすいません……」ペコリ
P(俺がそう言いながら、事務所へと入ったが――そこには誰もいなかった)
P「あれ? もしかして、まだ誰も来てないのか?」
P(この時間なら、音無さんは来ているはずだし、律子だって)
P(俺はおそるおそる中へと踏み込んでいく)
P「ホワイトボードに見慣れない名前が書いてるな……」チラッ
P(それに、スケジュールもこんなに埋まってる)
P(おかしいな、俺こんなに仕事取って来てたか?)
P「部屋の配置も変わってるし……」
P(昨日の間になにがあったっていうんだ?)
P(誰かに聞きたいところだけど、誰もこないし――)
カチャリ
P(そのとき、俺の後ろで扉の開く音が響いた)
P「おっ、誰か来たみたいだな」クルッ
P(俺はゆっくりと振り返る)
「こんにちは――――って、えっ!?」
P(しかし――その人物は、俺を見るなり目を見開いて固まっていた)
>>5
あれ別に怖くなかったやん響の廃村シリーズ読めばいいよ
P「ま、真美か?」
真美「に、兄ちゃん……?」
P(真美は扉に手をかけたままの状態で、わなわなと震えていた)
P(俺も、真美と同じように口をあんぐりと開いていた)
P(なぜなら――高校生くらいの背丈の真美が、そこに立っていたのだから)
P(ど、どうなってんだ?)
P(そんなことを口に出せないまま、俺は硬直していた)
[双海真美という女の子]
P(しばらくしてから、真美は俺を指さして、今度は鋭い目つきで俺を見据えた)
真美「兄ちゃん――いや、不法侵入の人そこでなにしてんの?」
P「おい、真美何言ってるんだ?」
真美「さっきから、なんで真美の名前なれなれしく呼んでるのさ」
P「そりゃあ、俺はお前のプロデューサーだからに決まってんだろ」
真美「え? でも兄ちゃん今アメリカにいるんでしょ?」
P「あー、えーと、ちょっとすまない。色々と情報がこんがらがってきた」
P(俺は両手を突き出すと、真美を見据えた)
P「真美、ここは765プロで間違いないか?」
真美「まあ……そうだよ」
P(それはあってるんだな、よし)
P「それじゃあ、他の皆はどうした?」
真美「他の皆って?」
P「春香とか、雪歩とか、みんなのことだよ」
真美「はるるんもゆきぴょんも、もうアイドル引退してるよ?」
P(俺は真美の言葉に硬直した)
P「え……? い、引退?」
真美「はるるんは二年前に引退したし、ゆきぴょんは三年前に引退したよ? ニュースとか見てないの?」
P「ちょっと待ってくれ」
P(二年前とか、三年前とか真美は何を言ってるんだ?)
P(そもそも、そのころはまだみんな765プロには――)
P(そのとき、俺はあることに気付く)
P「ま、真美」
真美「なに?」
P「今、何年だ?」
真美「え?」
P「今年は西暦何年だ?」
真美「20XX年だよ」
P(そうだ――そのとき、俺は一つの事実を知った)
P(俺は……)
P「ご、五年後の未来に来ていたのか?」
真美「……?」
P(真美は俺の言葉に小首をかしげていた)
――――
――
―
P「まあ、つまり――俺は神社で起きた時五年後の世界に来ていたわけだ」
真美「それ、本気で言ってる?」
P(真美に事情を話してみたが、真美は全くと言っていいほど信じてくれなかった)
P「そりゃあ、説得力のかけらもないけどさあ……」ガックリ
P(真美は少しだけ離れた場所で、俺をじっと眺めていた)
P(今の話で余計におかしな奴って思われたのか?)
P(そんなことを思っていた矢先、真美はふうっと溜息を吐くとちょっとだけ頬を緩めた)
真美「でもさ、兄ちゃんってあの時の『兄ちゃん』にそっくりなんだよね」
P「あの時の俺?」
真美「五年前の兄ちゃんだよ」
P「……」
真美「だから真美、信じてもいいよ」
P(真美はそう言うと、にっこりと笑った)
P(その笑顔は、どこか俺の知っている真美の笑顔にそっくりだった)
P(……やっぱり、五年後の真美は成長してるんだな)
真美「なにそんなにじろじろ見てんの」ジトー
P「いや、なんでもないよ……」
P(そうは言ったものの、真美は警戒心を持った目つきで俺を見ていた)
P(……ちょっと辛くなった)
真美「っていうか兄ちゃん、これからどうすんの?」
P「え?」
真美「家もないし、お金もないし、どうやって生きていくのって聞いてるんだけど」
P「あっ……」
P(真美に言われた通り、俺は今何も持ち合わせていない)
P(社会的に見てもかなりやばい存在だ)
P(ど、どうすんだよ俺)
真美「……だったらさ」ボソリ
P(真美はソファに座って足をぶらつかせながらつぶやいた)
真美「いいところがあるんだけど、どう?」
P「……」
P(真美は少しだけ憎たらしく笑うと、俺の瞳を見つめていた)
P(どぎまぎしながら、俺は目をそらす)
P「それは、どこにあるんだ?」
真美「んっふっふー、仕方ないから教えてあげようかな」
P(大層上機嫌の真美は、やはりいじらしく笑った)
真美「それじゃあ、真美についてきて」
P「ま、真美?」
P(俺は真美に手を引かれると、事務所を後にした)
P(俺はどうなってしまうんだろうか……)
――――
――
―
真美「ここだよ」
P「ここは……レッスン場?」
P(真美につれられてやってきたのは、事務所近くのレッスン場だった)
P(でも、なぜ?)
真美「ここ、真美専用のレッスン場なんだ」
P「へえ、真美専用の――って、え!?」
真美「んっふっふー、だから真美以外は基本的に誰も来ませんぞー」
P(俺は大層驚いた)
P(真美曰く、今現在の765プロはかなりのお金を持っているらしく、事務所も元の場所だけではなく、都心に近い場所にも複数個あるるらしい)
P(どうなってんだよ、こっちの765プロは……)
真美「ほいほい、中に入ってー」グイグイ
P「あっ、ちょ、ひ、引っ張るな真美!」
P(俺は真美に連れられてレッスン場に入っていった)
真美「どう、少し狭いけどいいでしょ?」ジャーン
P「そうだな」
真美「えー、なんかリアクションうすーい」ブーブー
P(真美は不平不満を言っていたが、俺はじっとレッスン場を見回していた)
P(確かに真美の言う通り、あまり大きなレッスン場ではなかった)
P(年期も入ってるみたいだが……)
真美「ここでね、真美たちずっとレッスンしてたんだよ」
P「え?」
P(唐突に、真美はそんな言葉を漏らした)
真美「前は、はるるんもゆきぴょんも、ひびきんもここでレッスンしてたんだ」
P「……」
真美「でもね、みんないろんな理由があって……アイドルを引退したんだよ」
真美「で、最後まで残ったのが真美ってわけ」
P(真美は、にっと笑顔を作っていた)
P(でもその笑顔は少し無理をしているように思えた)
真美「でもね、765プロもそこから色んなアイドル達を迎えてさ、どんどん大きくなったんだ」
真美「今では、真美が最年少とは言わせませんぞ!」
P「……そうだな」
P(俺はそんな真美を見て、少しだけ微笑んだ)
P「……そう言えば亜美はどうしたんだ?」
P(俺はふとした疑問を投げかけた)
P(真美と同い年なら、亜美もまだ765プロにいるはずだが……)
真美「亜美もね、今年の春で引退しちゃった。受験勉強に専念するんだって」
P「そう、だったのか」
P(真美はレッスン場の鏡を見つめていた)
真美「真美も、高校を卒業したらアイドル引退しようかなって思ってたんだ」
P「……」
真美「それが、一番いいのかなって」
P「真美……」
P(俺はそんな真美に何も言ってやることが出来なかった)
P(……そう、何も)
真美「湿っぽい話はこれくらいでいいから、ほらほらここ好きに使ってていいから! あと、はいこれ、お金! ご飯食べてね!」
P「お、おい真美?」
真美「勝手にいなくなったらダメだからね! 真美、もう仕事行くから! じゃあね!」
バタン
タッタッタッタ
P「……まじかよ」
P(おいてけぼりをくらった俺は、レッスン場で一人立ち尽くしていた)
P「どうなってんだよ、まったく」
P(俺は溜息をつきながら、そんなことをぼやいた)
P(心労はまだ続くのだろうか……)
P(考えたくもないな……)
――――
――
―
真美「ふぅー……」
真美(レッスン場の下で、少しだけ溜息を吐いた)
真美「う、うあうあー!」バタバタ
真美(に、兄ちゃんが来ちゃった!)
真美(それも、五年前からだって!)
真美「……ど、どうしよう」
真美(ちゃんと笑えてたかな……? へ、変な顔してないよね?)
真美「……」キョロキョロ
真美(こんなとこ、ファンの人には見せられないよね……)
真美「に、にやけが止まらない……」
真美(……やばいなあ、これは)
真美(…………兄ちゃん、あのときのままだったもんなあ)
真美(真美、もう18だし……)
真美「ど、どうしよう……」
真美(それに、あの『神社』から来たって――)
真美「……とりあえず、仕事行こ」
真美(真美だけの秘密、だもんね)
[五年前の約束]
真美「兄ちゃーん、起きてるー?」
P「ああ……って、なんでここにきてるんだ?」
P(レッスン場で寝たせいか、すごい体が痛かった)
真美「そりゃあ、兄ちゃんが死んでないか心配で」
P「……本気で言ってるなら、ありがとう」
真美「どういたしまして」
P(俺は体を起こすと、寝惚けたままの瞳で真美を見つめた)
P「なんか、俺に用か?」
P(ふと時計を確認すると、時刻は夕刻をさしていた)
P(……結構寝ちまったな)
真美「んっふっふー、よくぞ聞いてくれた」
P「な、なんだ。藪から棒に」
真美「今日、兄ちゃん暇してるよね?」
P(すごいいじらしい顔で、真美は俺にそう言ってきた)
P(高校生がするような顔では到底ない)
P「なんだ、暇だぞ」
真美「だったら、この後の時間真美にちょうだい?」
P(真美はそんなことを持ちかけてきた)
P「……出来る範囲でなら付き合おう」
真美「やった!」
P(真美は俺の手を引くと、レッスン場を飛び出た)
P「おい、真美……少しは人の目を気にしたらどうだ?」
P(仮にもトップアイドルなんだから、ゴシップ記事にでもなったらどうするんだ)
真美「それもそうだね」
P(真美はそう言うと、帽子を深く被り、めがねをかけた)
真美「これでいい?」
P「……ああ」
P(少しだけ大人びた真美に、どきりとした)
真美「ほら、行くよー」
P(俺は真美の後を追いながら、歩みを進めた)
P(いったいどこに行くと言うのだろうか)
P(まだ寝惚けた頭を抱えながら、俺は溜息をついた)
――――
――
―
ガヤガヤ
P「……真美、お前の来たかったのってここだったのか?」
真美「そうだよ、今年はまだ行ってなかったから」
P(真美に連れられてきた場所――それは花火大会だった)
P「すごい人込みだな」
真美「ん」スッ
P「……どうした?」
真美「手、つなご?」
P「…………そうだな」
P(俺は真美の手を握る)
P(少しだけ背丈の伸びた真美は、祭りの明かりでぼんやりと照らされていた)
真美「ほらほら、いくよー!」
P「ああ」
P(でも、中身はまだまだ子供かな)
P(俺は少しだけ笑いながら、真美の後をついていった)
P(これじゃ、まるで兄妹みたいだな)
P(なんてことを思いながら)
――――
――
―
真美「はいはい、兄ちゃん焼きそば」
P「おいおい、たこ焼きまだ食べ――あっつい!」ジタバタ
真美「あ、ごめん」
P「……謝るならやるなよな」ガックリ
P(俺と真美は、神社の椅子に腰かけながら屋台で買った焼きそばなんかを食べていた)
P(全て真美が買ってくれたと言うことがひどく心が痛いわけだが……)
真美「おいしいね」モグモグ
P(本人はあまり気にしてなさそうなので、そっとしておこう)
P(もう日も落ちて、そろそろ花火が上がる頃だろうか)
P(都会の夜空も、こう見れば綺麗なもんだ)
P(それにしても、確かこの神社……俺が今朝目覚めたときの神社だよな?)
P(なんで、真美がここを知ってるんだろうか)
真美「ねえ、兄ちゃん」
P(そんなとき、真美から声がかかった)
P「どうした?」
真美「五年前に真美とした約束、覚えてる?」
P「……」
P(全く身に覚えがなかった言葉に俺は思考を止める)
P「約束だって?」
真美「うん」
P(真美はじっと俺を眺めたまま、視線を外そうとしなかった)
P「……悪い、覚えていないみたいだ」
P(だから、俺も誠意を込めて謝った)
P(真美は少しだけ、穏やかに微笑むと夜空を眺めた)
真美「そっか」
P「……」
P(俺は押し黙ったまま、地面を眺めていた)
P(俺たちの間に静寂が訪れた)
真美「……こっちの兄ちゃんはね」
P(そんな静けさを破ったのは、真美の方だった)
真美「今、アメリカですごいプロデューサーなんだ」
P「俺がか?」
真美「うん」
P(にわかに信じがたい話だが……真美が嘘をついているようにも思えなかった)
真美「でね、兄ちゃんは言ったんだよ」
P「……俺は、なんて言ったんだ?」
真美「『俺は真美のことも最後までプロデュースするからな』って」
P「……」
真美「でも、兄ちゃんはアメリカに行っちゃった」
P(真美は足をブラブラとぶらつかせていた)
P「そうか……」
真美「でもね、兄ちゃんが悪いわけじゃないんだよ。兄ちゃんにも兄ちゃんの夢がある。それを真美がなくしちゃうのは嫌だったんだ」
P「……」
真美「ねえ、兄ちゃん」
P「どうした?」
真美「……」
P(真美はじっとこっちを見つめていた)
P(何かを言おうとして、眉を下げて)
真美「あのね、真美ね――」
P(そのとき、大きな大輪が夜空を照らした)
P(轟音が、辺りに響いた)
P「真美?」
P(遮られた音を拾おうとして、俺は真美に問い返す)
真美「……ううん、なんでもない」
P(何も言わずに、真美は花火を眺めていた)
P(その瞳に映る光は、キラキラと輝いていた)
P(俺はそんな真美に――きっと見とれていたんだ)
P「……」
真美「……あっ、そうだ! 約束破った罰、受けて貰っていいよね?」ニヤリ
P(その悪戯な目つきは、あの頃と何も変わらなかった)
P「……ああ、いいぞ」
P(俺は覚悟を決める)
P(こっちの俺がやったことなら、俺が償ってやろうじゃないか)
真美「じゃあ、この油性ペンで兄ちゃんのおでこに落書きしてやるぞー」
P「……どんとこい」
真美「ほれほれ、書いてるとこ見られたくないから目を瞑りなされ~」
P(俺は真美の言う通り、目を瞑った)
P(落書きなんて、そう言えば最近はなかったな)
P(あいつらも少しずつ忙しくなってきてる)
P(いいことなんだろうけど……なんだか少しだけ寂しいな)
P「えーと……真美?」
P(一向に何もされる気配がないことに不信感を抱いた俺は――少しだけ目を開いた)
真美「……兄ちゃん、それ」
P「え?」
P(真美に指を指されたとき、俺は自分自身の体がうっすらと消えかけていることに気付いた)
P(これは……)
真美「……」
P(そんな俺の姿を真美は、悲しげに瞳を揺らしていた)
真美「兄ちゃん、もう行っちゃうの?」
P「……」
P(俺はもう喋ることすらできなかった)
P(遠くで、花火の音が響いていた)
P(真美の横顔がうっすらと、花火で照らされる)
P(真美は――穏やかに笑った)
真美「兄ちゃんが、未来に来てくれたのはね、きっと真美との約束を過去で果たすためなんだよ」
真美「……だから、そっちの真美をよろしくね」
P(真美は、俺の手を握ったままそう言った)
P(俺は一度だけ頷くと――その意識を手放した)
P(真美は、何かを言いかけて口を噤んでいた)
P(それを聞けないまま、俺の視界は消えていった)
――――
――
―
真美「結局、言いそびれちゃったな」
真美(足をぶらぶらさせて、夜空を眺める)
真美(花火も、もう終わっちゃった)
真美「……それに、最後に嘘ついちゃった」
真美(ほんとはね――兄ちゃんとはあんな約束してないんだ)
真美「できもしない約束、兄ちゃんがするわけないのにね」
真美「でも、久しぶりに会えてうれしかったなあ」
真美「……この神社でずっとお祈りしてたもんね」
真美「『兄ちゃんとまた会えますように』って」
真美(まさか、こんなふうに会えるなんて思ってもなかったけどさ)
真美「……兄ちゃん、やっぱりかっこよかったなあ」
真美(まだ心臓がトクトク鳴ってる)
真美「……また会えるかなあ」
真美(……)
ガタッ
タッタッタッタ
真美「……くっそー! 兄ちゃんが好きだー! バカヤロー!」
真美(言えなかった言葉は、伝えたい人がいなくなってから簡単に出てきた)
真美(真美の意気地なし!)
真美「……はあ」
真美「五年前の真美なら、言えたのかなあ」
真美(じっと夜空を眺める)
真美(たぶん、最後の機会だってのにね)
真美(……)
真美(変わっていくものがあって、変わらないものなんてないんだろうけど)
真美(この気持ちだけは――きっと、いつまでも)
真美「好きだよ、兄ちゃん」
真美(真美の言葉は、どこかに消えていった)
真美(もうこれを言うこともないんだろう)
真美(……なんてね)
[みつけたもの]
ジリリリリリリリ
P「……あ、朝か」ガチャリ
P(目覚まし時計を止めると、俺はゆっくりと起き上がった)
P「……なんか、変な夢を見たな」
P(俺は頭をかきながら、仕事に行く準備をした)
P「……五年後の未来、ね」
P(どうなっているのかなんて、俺にも分からない)
P(ましてや、あの双子に関していえば――その未来は到底想像はつかないだろう)
P「……ほんと、どうなってるんだろうな」
P(俺は少しだけ、笑みを浮かべた)
――――
――
―
真美「あー! 兄ちゃんだー!」ドタバタ
P「おー、真美おはよう」
律子「こら! プロデューサー殿に迷惑かけちゃダメでしょ!」
小鳥「うふふ、真美ちゃん今日も元気ですね」
P「ええ」
P(俺は笑顔を振りまく真美のことをじっと見据える)
真美「なに? 兄ちゃん」
P「俺は真美のことも最後までプロデュースするからな」
真美「え! なに急に! 怖い!」
P(真美はそう言っていたが、やっぱり少しだけ笑っていた)
P(俺はそんな真美を見て、つられて笑った)
P(そうだ、この事務所にはきっと驚くべき未来がある)
P(だけど、その未来を描いていく中で俺は最後まで彼女たちを見届けてやりたい)
P(夢で見た、未来じゃなくても、きっとそれが俺の夢見る765プロの姿なんだろう)
小鳥「何かあったんですか?」
P「いや……そうですね」
P(俺は少しだけ笑う)
P「ちょっと、未来まで行ってきたもので」
おわりです。
恋愛ものを書いていたはずが、いつの間にかSFとかも入ってました。
次は、病院SSよりもかなりアレな感じのものを書く予定です。
それでは。
乙です
乙
アレよりアレなのか…
おつおつ
あれよりあれとか俺読め無い
あれよりアレなのか…どんな風にAREなるSSなのか楽しみだ
乙
アレがアレしたのが面白かった
乙
このSSまとめへのコメント
おー、『病院脱出』『私、みたの』の人か
病院ssは面白かったぞ
俺のコメがあれを書くキッカケになったのかな?それなら素直嬉しい
まあ、コメした時はあれを書けるとは思わなかったけど……
病院に関しては、作者も書いてて楽しかったんじゃない。そういうのがもっと書ける様に努力しよう
ただ、この作品は
これはひどい……
の一言に尽きる。作者が名無しなら完全スルーするlv
まず()の内容の9割が地の文で書くべき事
()はキャラが心の中で思った事を表現する時に使うという基本が出来ていない
例えば……
千早「高槻さん、おはよう」
やよい(こいつ、uzeeeeeeee)
千早(高槻さんペロペロしたい)ハァハァ
やよい(はやく消えないかな)
千早「聞いてるの?」
やよい (うるさいなぁ。聞いてるよ)
千早「もう一度言うわ。高槻さん、おはよう」
やよい「うっうー、おはようございます。千早さん♪」
という感じで使うもの
それをふまえて>>4は
チュンチュン
P「う、うーん」
夏特有のギラギラとした朝日が、カーテンの隙間から飛び込んできた。
ベットの上でやかましい騒音を鳴らして寝ていたPは、余りの眩しさに夢の世界から意識を取り戻した。
しかし昨日は、夜遅くまで残業していた為、疲れが完全には抜けきっていない様で
、体を起こそうとしてもいうことを聞いてくれない。
P (あーあ、今日も仕事か…。春香の営業もあるし、貴音や真の付き添いもあったな)
P「……起きるか」
いつまでも考えていても仕方がないので、瞼を開いた。────のだが、
P「・・・・・え?」
思わず間抜けな声を出していた。
なぜならば、そこは……
と、一人称と三人称を使っててきとーに手直ししてみた
それと行間は話の『ま』を考えた方がいい。書くのがめんどいから↓の鉄腕dash作者の作品と自分のをよく見比べると言いたい事がわかると思う
それと話自体もつまらん
これを見るに、作者はまだオリジナル作品でまともな話を書けるlvじゃないのかも知れない
たぶん物書きの基本『物語を作る』力がないと思う
もっとミニ短編を書いてその力を付けた方がいい。これができてないとつまらん話しか書けないぞ
前回ので読者に覚えてもらったんだし、読者を失望させないようにしろ
つまらん話ばっかり書いてると読者に愛想をつかれるぞ
そうならない為にも起承転結をや話の流れ意識して何度も推敲
とにかく常に『物語を面白くしよう』という気持ちが大事だ
今回の話なんか起承結だ。書き方の勉強はした方が後々役に立つぞ
卯月のやつとか普通に地の文使ってたくね。
なんかよくわからん奴が張り付いてて大変だな、作者も。
でもまあこのSSは微妙だったから次に期待しとく。