父「勇者は剣を使えなくちゃな!」 (18)
息子「はい!わかりました。」
一年後…
父「剣一本で戦うのはつらい…二刀流だ!」
息子「わかりました」
一年後…
父「やはり槍だ!」
息子「はい」
一年後…
父「もう教えることは何もない…」
息子「お世話になりました。」
父「ワシからの餞別だ!受けとれ!」
なぜか息子に渡された武器は斧だったという…
Oh No!
完
再開
勇者「なぜ斧なんだ……」
父「それは選別であり、そして最後の試練ということだ……」
勇者「試練なのに教える事は無いのかよ」
父「そしてこれから旅に出すが、最後の試練が終わるまで、その斧以外の武器を使うことを禁止する」
勇者「そりゃないよ! 親父!」
――街――
勇者「流石は国でも1,2を争う商業都市」
友人「よう勇者!」
勇者「友人! お前どうしたんだ!」
友人「お前が勇者として鍛えてる間、俺は商人をやってたんだ!」
勇者「そうなのか! 出世したな!」
友人「ところで勇者、一つ頼まれてくれないか……」
勇者「どうしたんだ。そんな深刻な顔をして」
友人「先月、海に魔王城が出現したんだ」
勇者「なんだって!?」
友人「港の船がいくつも襲われてるって噂だ」
勇者「ひどい事しやがる……! 許せねぇ!」
友人「だが、魔王側は『そのような事実はない。これは人間側が我々を侵略するために行っている自作自演だ』の一点張りさ」
友人「だが魔王城は、船こそ襲っているが、具体的に人間への攻撃はしていない」
友人「まだ侵略戦争をする段階じゃないって事だ」
勇者「なら今のうちに国の騎士団で攻撃すれば……」
友人「そういうわけにも行かないさ。相手の戦力が知れないうちから、そんな無謀な事は出来ない」
勇者「なるほど……そこで俺の出番ってワケか」
友人「そうだ。お前には威力偵察に行って欲しいんだ。商会の上層部に掛けあって、それなりの額は出させるさ」
勇者「分かった」
友人「さて、欝ってても仕方がない。パーティを作るぜ!」
勇者「パーティ?」
友人「そりゃそうだ。一人で行くわけにはいかないだろう?」
友人「少数精鋭のパーティだ。人選はしっかりしろよ
勇者「ああ、そうだな」
友人「とはいえ、雑用係は必要だろう。一人くらい買っていくか
勇者「一人? 何を?」
友人「知らないのか? ここは国でも1,2を争う奴隷市でもあるんだ」
勇者「へぇ……どれどれ」
奴隷商人「さぁ次はコイツだー!」奴隷の首輪に繋がっている鎖を引っ張る
奴隷「ぐぇ」
奴隷商人「5000ペリカから~!」
客1「7000!」
客2「12000!」
勇者「へぇ……盛んじゃないか」
友人「おっ! いいのがいるじゃん!
美少女奴隷「……」
友人「よさげじゃねぇか。毎晩楽しみたい放題だぜ」(ゲス顔)
勇者「いや……俺はあっちがいい」
目付悪女「……」ジー
友人「お前……趣味悪いなぁ。そんなヤツのどこがいいんだよ?」
友人「体じゅう傷だらけだし、筋張ってるし、手もごついし。顔も乳もこっちの方がいいぜ?」
勇者「いいんだよ……親父! これ幾らだ!」
奴隷商人「ん? ああ。それなら3000ジンブバエドルだ」
勇者「よし買った」
奴隷商人「まいど」
友人「経費節約かよ……」
目付悪女「……どうも」ペコリ
友人「おいおい。主人の勇者に対してその口の利き方はなんだ?」
勇者「いいんだよ。使えれば何でも良い」
友人「そりゃそうだけどよ……」
勇者「魔王の城は海にあるんなら、足がいるな。船はどうする?」
友人「知り合いの漁師に掛けあってみよう」
勇者「顔が広いな」
友人「物理的にもな」
目付悪女「……ップ」
友人「笑ってんじゃねぇよ!」
-港-
漁師「魔王城まで偵察ですか。ご苦労です」
勇者「頼む」
友人「ところで、何で俺がお前の武器を持ってかなきゃいけないんだ? 剣とか槍とか」
勇者「親父に最後の試練を課されてる身でな。分かるまで斧以外の武器は使っちゃいけないんだ」
友人「なんだそりゃ?」
目付悪女「……」ピクッ
勇者「どうした?」
目付悪女「斧って、勇者が使うんすか?」
友人「敬語めちゃくちゃだなお前!」
勇者「……やっぱりか」
友人「会話をしろよ勇者」
きたい
>>12
期待してくれてるところ悪いが短いぞ。
-30分後-
友人「魔王城まであとどのくらいですかね?」
漁師「うーん。あと……」
ド ン !
全員「うわああああ」
友人「なんだ! 突然海面に水柱が……!」
海獣「ギャォォオオオオオ!」
友人「魔王の手下か……!」
海獣「ガアアアアア!」ゴッ!! 尻尾で船攻撃
船「」グワングワン
勇者「うわぁああ! 酔う! 酔う! 絶対酔う!」
友人「案外余裕あるなお前」
目付悪女「ゲロゲロゲロゲロ……」
友人「こっちはダメだ!」
勇者「どうすれば……ハッ!」
勇者「友人! 槍だ! 遠間からなら船の上からでも攻撃は届く!」
友人「そうか! やられてばっかじゃねぇぞバケモンがぁ!!」槍グサー!
勇者「(これでヤツは反撃するはず……!」
海獣「ギャァアアア!」ドン!
目付悪女「ぐああっ!」
友人「奴隷が吹っ飛んだぞ! 勇者!」
勇者「いいんだ。これはチャンスだ……」
友人「何言ってんだよお前!」
勇者(そういうことだったんだな……親父……!)
勇者「親父が俺に与えた最後の試練……それは……」上空に向かって斧投げ
海獣「!?」
目付悪女「ハッ!」斧キャッチ
勇者「自分の力を過信せず、時には仲間を頼れってことさ!」
目付悪女「ハァアアア!!!!!」ドォン!!!
海獣「ギャァアアアア!」
友人「ぶあぁっ! なんて威力だ!」船グラグラ
友人「あの海獣を真っ二つに切りやがった!」
友人「(そうか……だから勇者の親父は、勇者が技術を磨いていなかった斧を託したのか!)」
友人「適材適所……その武器を使うにふさわしいのは自分ではないと気づかせる為に!」
友人「一人で鍛錬して来た勇者に、仲間の大切さを教える為に!」
海獣・撃破
勇者「あの女……なんで目付きが悪いか分かるか?」
友人「なんだよ。いきなり」
勇者「視力が悪い人間が、目を凝らそうとすることもある」
勇者「だが勉学に励む貴族じゃともかく、あの女はそんなナリには見えない」
友人「じゃあ生まれつき目付きが悪いんだろ」
勇者「違う。あいつは見てたんだ……俺の斧をな」
友人「斧?」
勇者「それがヤツの得物だったんだ……だから気になっていたんだろう」
友人「どういう意味だ?」
勇者「体中の傷やマッシブな体格が、彼女がかつて別の国の女戦士である事を物語っている」
友人「なるほど」
目付悪女「どうも」斧差し出す
勇者「いや、それはお前が持っていてくれ。……それは、お前のものだ」
目付悪女「……!」
魔王を倒すその日まで、勇者の戦いは続く……! -完ー
なんか超わくわくする
打ち切りエンドワロタ
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