上条「っ…ここはどこだ?」 (7)

 




上条「…何処だ此処?」

目を覚ますと、見たことのない場所に居た。
どこかの建物の中であることは解る。しかし、閉鎖的で周りには灰色な物しか置いてない場所など、上条の記憶には無かった。

上条「…とりあえず、進んでみるか」

ここに居座っていてもしょうがないと、上条は目の前に見える出入口へと足を進める。

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進んでみると、先ほどとはまるで違う光景が現れた。

上条「これは…下水道?」

臭いは殆どしない、しかし此処は紛れもなく何処かの下水道であった。

上条「なんでこんな所に…っと、下水道なら上に向かう通路が何処かにある筈だ」

とりあえず上を目指す。地上に出ない限り此処がどの辺りなのか知る術はない。
しかし、進めど進めど上へ繋がる通路は何処にも見つからない。

上条「…本当に下水道なのか此処…ん?」

気づけば、目の前に再び何処かの部屋へと繋がる入口の前に居た。

上条「此処しか進む所ないしな…よし」

進んだ先に上へと繋がる通路があることにに期待を込め、足を運ぶ。


そこは、最初の部屋よりも一回りほど小さく、そして四方が下水で囲まれている部屋だった。
結構な深さがあるようで、お世辞にも良いとは言えない下水の透度も相まって、底が全く見えない。

この部屋を見て、まるで闘技場のリングのようだ、と上条は感じた。

何より









ステイル「…来たね、上条当麻」

上条「ステイル…!?」

そのリングの中央に佇むステイルの存在が、そう思わせた。

いったんここまで

期待

上条「なんでお前が此処に居る!ていうか此処はどこだ!?」

ステイル「そんな事、僕が知るわけないだろう。気が付いたら此処に居たんだ」

上条「…お前もか」

ステイル「…そんな事より、いつまで余裕を気取ってるつもりだい?」

上条「あん?」

ステイル「君も既にわかってるんだろう?今がどんな状況か」

上条「……戦う理由が見当たらねえよ」

ステイル「そんな甘い事なんてすぐに言えなくなるさ……こんなことを自分で言うのもなんだが、僕はこれでもまだ14歳だ」

上条「…いきなり何を」

ステイル「黙って聞け、こんな状況でしか言わない事だ。まあ、なんだ。僕も年相応の思春期ってやつでね、多少の強い言葉を使いたくなる」

上条「焼き払う、とか殺す、とかか」

ステイル「その通り。だから、君によくそういう類いの言葉を使ってはいるが…実際の所はそこまでは思っていない。寧ろ、インデックスの件に対する恩義を持ち合わせている位だ」

上条「…お前がそんな事を言い出すとはな」

ステイル「でも、…あぁ、これは駄目だね。どうにもならない。どうやら僕は…誰かに操られているらしい」

上条「なっ…(精神系能力者の仕業か!?)」

ステイル「口は動く、でも身体が伴わない。頭に君への呪詛が響く。全身が君を殺せと悲鳴をあげる」


ステイル「驚いたよ、人間ってのはこんなにも殺意を抱けるのか」

ステイル「先述の通り、君に恨みはない。殺す理由も見当たらない。僕もこんなものは望んじゃいない。
…だから君も遠慮はしなくていい」


上条「なに、を…」


ステイル「…僕を殺すつもりで倒せ、上条当麻」

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