レッド「11歳にこういうことはまだ早いと思う」 (38)


ワタル「そうは言ってもね、チャンピオンになったからには色々やってもらうことがあるんだよ」


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レッド「…」

ワタル「とりあえず今日の予定は前もって伝えてある通り、まずはニビシティの博物館で関係各所への挨拶回り、お昼はシルフカンパニー社長らとの昼食会に参加。
それからタマムシ大学での講義を1コマ、あと夕方からはレッド君への挨拶ということでトクサネの宇宙センター研究員からのアポイントが1件に、それにポケモン進化の権威であるナナカマド博士からもアポイントが1件入ってるね」

レッド「…今日の挑戦者は?」

ワタル「予定はないねぇ」

レッド「…ワタルさんもこういう仕事したんですか?」

ワタル「したねぇ」

レッド「…」

ワタル「…」

レッド「リザードン!そらをとぶだ!」ダッ

ワタル「逃がすかぁっ!ハクリュー!冷凍ビームだ!」ダッ


レッド(レッドですがチャンピオンに就任して早2ヶ月経ちますが辛いです)

レッド(思えばオーキド博士のお願いから始まって、友達のグリーンに付き合ってあげていただけなのに気がついたらチャンピオンになってたでござるってやつです…)

レッド(なあなあでグリーンに勝ってその場の勢いで…俺ってば火影になるってばよ!って勢いでチャンピオンを引き受けたのが良くなかった)

レッド(大人の偉い人に混じって、良く分からない話を聞いて、愛想振りまきながら相槌打って、ロクにポケモンバトルもできやしない」
レッド「こんなの明らかに11歳がやる仕事じゃないだろ!」

シルフカンパニー社長(※以下シルフ社長)「ん?どうかしたかねレッド君?」

レッド「いえ、失礼。なんでもないですよ」(営業スマイル)

シルフ社長「おおそうかね。…それで話の続きだがロケット団の事件からもう2ヶ月、月日が経つのは速いものだが君の活躍は昨日のことのように覚えているよ。
君を初めて見たあの日、そうまさにロケット団の首領サカキに襲われていたワシを助けに来てくれたあの時から一目見て思っていたのだよ、この少年はただものではないとね、だがまさかあれから僅かの間でチャンピオンにまで昇りつめるなどとは思ってもいなかったよ」

レッド「はぁ」(あの時は通行規制をなんとかしてもらおうと思ったら何故か事件に巻き込まれてたんだっけか?)

シルフ社長「チャンピオンに就任してからもハナダ洞窟に住み着いていた噂の化け物を討伐したり。ナナシマを巡り宇宙から来た謎のポケモンと対峙したりと君の話題はあちこちで噂になっているよ、
何より我が社のボールも十分に活用してくれているみたいで結構、実に結構!」

レッド「はは」(帰りたい…)

シルフ社長「最年少チャンピオンとしてメディアからも引っ張りダコのようだし、今や一躍時の人だ。どうだい?今度ウチの娘にもポケモンバトルを教えてやってくれないかね?」

レッド「…え? (やべ、何の話だっけ?)
あー。えー、その件は前向きに善処して考えt」

カンナ「レッドさん、そろそろお時間でございます」

レッド「あれ?もうそんな時間かい?」

シルフ社長「おっと、これはワシしたことがつい引き止めてしまってすまなかったね。君といるとついワシまで若返った気分になってしまう」

レッド「いえ、今日は久しぶりにお会いできて良かったです。また近いうちに伺わせて頂きますので」

シルフ「おおそうかね。楽しみにしておるよ」

車内移動中

レッド「すみませんカンナさん、助かりました」(後部座席)

カンナ「いえ、それよりレッドさん。あまり不用意な約束はしないでくださいね。チャンピオンとしてレッドさんはあまりに多忙な身なのですから」(運転中)

レッド「あはは、すみません。社長のお話が長くてあまり聞いてなくてついつい」

カンナ「つい、ではありませんよ。お気をつけてください」

レッド「それより…、その、カンナさん?いつも言ってますけど。僕に対して敬語なんて使わなくて良いですって。僕のほうが年下なんですから」

カンナ「いえ、四天王としてレッドさんのお世話を任されてる以上。私はレッドさんの恥にならぬよう務める義務がございますので」

レッド(一時期の”様(さま)”付けよりかはマシになったけど、やっぱ硬いなぁ~)

カンナ「レッドさんこそ、私達四天王はレッドさん直属の部下のようなものなのですから、もっと自信をお持ちになって下さい」

レッド「あはは、命令とか慣れないしね。それに二人っきりなんだし。今くらいは砕けてくれても良いんじゃない?」

カンナ「……誰が見ているか分かりませんので」

レッド「じゃー、今度二人っきりでどっか行こっか!」

カンナ「~~~~~~ッ!!」(ビックリ顔)

レッド「うひゃおぅっ!!カンナさん!ハンドル!ハンドル真っ直ぐ持って!!」

カンナ「し、失礼しました」

レッド「あービックリした。ごめんね?僕なんか変なこと言ったかな?」

カンナ「い、いえ!大丈夫でうす!!」

レッド「でうす?」

カンナ「~~~~~~~~~~~!!」(真っ赤)

レッド(あ、顔耳まで真っ赤だ。そんなに噛んだの恥ずかしかったのかな?)

レッド「なんか今日のカンナさんは可愛いね」

カンナ「~~~~~~~~~~!!!」

レッド「ちょっ!カンナさん!?真っ直ぐ!真っ直ぐ運転して!ひぇぇっ!!!」

タマムシシティ

レッド(なんかヤマブキからタマムシに移動しただけなのにヤケに疲れた…。こんなことなら「そらをとぶ」で来たほうが速いし安全なんじゃないだろうか…)

レッド「まぁ、カンナさんの新たな一面を見れたし良いか」

レッド「しかしいつもながら思うが11歳の子供が大学で何を教えれば良いと言うんだ…」

レッド「…で、あるからして。このフリーザーとサンダーとファイヤーの3鳥のポケモンには明らかな優劣があり、
…おそらくはその相互バランスが、他に存在する伝説のポケモンに関連すると考えられております。
ただまだ何も確証はないのでこの実態に関しての調査が進みましたら、発表の機会を設けたいと思います。

キーンコーンカーンコーン(終業のベル)

レッド「おっと、それではキリも良いので今日はここまでにしようと思います。次回はビリリダマをモンスターボールへの転用について話をしたいと思います。それでは」

わいわいがやがや

生徒A「いやーレッド先生の授業ってやっぱおもしれーわー」

生徒B「俺ファイヤーなんて伝説のにらみつける要因としか思ってなかったわ」

生徒C「おいよせ、それはもう黒歴史だ」

生徒D「レッドきゅんhshs!!」

生徒E「あれでこの中の誰よりポケモンバトルが強いんだもんなぁ…たまげたなぁ…」

生徒F「子供だからってこのコマ取らなかった奴いるみたいだけどさ、馬鹿だよなぁ~」

生徒G「んんwwwwwwwwwwタマ大に入学してこの講義取らんとかありえないですなwwwwwwww」

生徒H「なんか上の会話に変な奴が2人ぐらいいねぇ?」

レッド(嘘だろ!フリーザーとサンダーとファイヤーの個人的な強弱を話して、あとは話すことがないからお茶を濁しただけだぞ!?)

退室後


???「レッドさん!」

レッド「…ん? あ、エリカさん」

エリカ「お久振りですわ、レッドさん」

レッド「えぇ、この間のジムリーダーの定例報告会以来ですね。今日はエリカさんも講師ですか?」

エリカ「はい、宜しければ私のゼミ室でお茶でも如何ですか」

レッド「そうですね…」(次の予定までは暫く時間があるか)

レッド「えぇ、頂きます」

エリカ「まぁ!! まぁまぁ!嬉しいですわ!それでは行きましょう!」

レッド「エリカさん!ちょっ!手!手痛い!?おうおぅぉぅぉぅぉぅ!?」





エリカ「着きました、こちらですわ」

レッド「あ、はは、エリカさんって以外と力強いんですね…」

エリカ「え? あ!?すみません大変失礼いたしました」

レッド「いえ、気にしてないですよ」

エリカ「本当ですか?」

レッド「はい、それにエリカさんの手って綺麗ですし、エリカさんの手に触れるのは好きですよ?」

エリカ「……(本当に)もうっ!///」

レッド「え? なんか言いました?」

エリカ「いえ、なんでもありませんわ。それより今お茶をお出し致しますね」

レッド「すみません、お気遣いありがとうございます」

キレイハナ「ハナー!」

ウツドン「ドン!」

レッド「お、キレイハナにウツドン!
流石はエリカさんだ、良く手入れが行き届いてるなぁ。おまえ達エリカさんがご主人様で良かったな~!」

キレイハナ「ハナ!ハナ!」
ウツドン「ウッス!」

レッド「お! お前らの肌すべすべだな!いくら触っててもこれなら飽きないなー、んー気持ち良いー」

キレイハナ「ハナ~~♪」

レッド「お前も、よ~しよしよしよしよし!」

ウツドン「ドン♪ドン♪」

レッド「はぁ~癒される。良いなぁお前らは自分の好きな用に生きれて」

キレイハナ「ハナ?」

レッド「なんでもないよー、ヨーシャヨッシャヨッシャ!」

エリカ「レッドさん、お待たせして申し訳ありません」

レッド「いえ全然。この子達が相手をしてくれましたので」

キレイハナ「ハーナー!」

ウツドン「ウッス!」

エリカ「あらあら、あなた達ありがとうね。後は外で遊んできて良いわよ」

キレイハナ「ハナ?」

エリカ「くれぐれも、邪魔のないようね」

ウツドン「…ウッス!」

 
レッド「…? キレイハナもウツドンも外に出しているんですか?」

エリカ「えぇ、太陽が出てる内はなるべくお日様の当たる場所にいさせようと思ってまして」

レッド「へー、そうなんですか」

エリカ「他の人の迷惑にならないように遊ぶようにあの子達には聞かせてますので」

レッド「偉いですね、キレイハナにウツドン」

エリカ「いえ…そんなことより、粗茶ですが」

レッド「あ、すみません。頂きます」

エリカ「…お味は如何でしょうか?」

レッド「美味しいですよ、凄く」

エリカ「そうですか!良かったですわ!」

レッド「それにしても今日エリカさんと会えるとは思ってませんでしたよ」

エリカ「あら、こうみえてもジムリーダー業と平行して講師のお仕事もきちんとこなしているんですよ?」

レッド「あはは、それは分かってますよ。でも月に一度と聞いてましたので」

エリカ「えぇまぁ…(レッドさんの日程と無理やり合わせましたから…)」

レッド「エリカさんは大学でも変わらないんですね」

エリカ「え?」

レッド「着物、前と変わらず凄く似合ってます」

エリカ「ほんとうですか!?」

レッド「はい。以前の和服も素敵でしたけど。今日の袴姿もとてもお似合いです」

エリカ「~~~~!ありがとうございます!」

レッド(って、女性はとりあえず褒めろって言われてたけどこれで良いのかな?)

~回想~

レッド「ねぇシバさん」

シバ「ウーーハーーッ!なんだー!主殿よー!!」

レッド「主殿って…まぁいいや、最近カンナさんが僕を見るとそわそわしてすぐどっかに行っちゃうんだ。何でかな?」

シバ「分からん!」

レッド「もうちょっと考えてよ!」

シバ「うぅむ、そう言われても俺もそういった方面にはあまり強くないのだ…む、待てよ」

レッド「どうしたの?」

シバ「うむ、以前修行仲間のトウキから言われたことがある」

~1シーン回想~

トウキ『良いかシバ?女ってやつは波と同じなのさ、あっちから押してくることも引いてくることもある、
だが男の俺たちはそれに合わせて動くしかないのさ、常に動きに合わせて押して引く。女心は掴むもんじゃない、乗るのものってことさ』

シバ『分からん!』

トウキ『…要は煽てて主導権を握るのがベストってことさ』

シバ『何言ってんだお前』

トウキ『この筋肉達磨!』

~回想終了~

シバ「つまり…うむ、女性は…褒めれば良い。だったかな?」

レッド「何それ」

シバ「分からん!」

レッド「ふーん、カンナさんも褒められたら嬉しいのかな」

シバ「それより主殿」

レッド「何?」

シバ「まだ負荷が足りぬ、カイリキーにイシツブテを持たせてくれ」

レッド「まだ上に乗せるの!?」

シバ「ウーーーッ!ハーーーッ!!」

※何してるかは各自でご想像下さい。

~回想終了~

 
レッド(エリカさん喜んでくれてるみたいだし、良かった)

エリカ「レッドさんは、少し見ない間に変わられましたね」

レッド「え?そうですか?」

エリカ「はい、以前よりも顔つきが大人らしくなりました。それにあの…お帽子が」

レッド「あー、帽子は今セキエイの自室なんだ。ワタルさんが公務中だと失礼に当たるからって」

エリカ「そうでしたの」

レッド「うん、お気に入りなんだけど。まぁ仕方ないね」

エリカ「…本当に、男の子ってすぐに大きくなるんですのね」

 
レッド「そんなことないですよ。僕なんてまだまだ…」

エリカ「いえ、初めてお会いした時はまだ頼りげない子供に見えましたが…。
今や立派なカントーのチャンピオンですわ」

レッド「エ、エリカさん!?」

エリカ「薄さと繊細さに加えて、逞しさが加わった所為か、より儚げで…」

レッド「え!!ちょっ!?エリカさん!?なんでギュッってするんですか!?」

エリカ「あぁ…可愛い人、そんなに1人で頑張らないでください。
そんなに急いで遠くに行かれては、わたくしは…わたくしはっ!」

レッド(な、なんかやばい気がする!でも色々柔らかいし!ど、どうしよう!?)

 
 
???「そこまでよ!!」

 

エリカ「っ!?誰ですかっ!!」

カンナ「レッドさん、お帰りが遅いのでお迎えにあがりました」

レッド「あ、え!?カンナさん!?」

エリカ「あらあら、カンナ様。お久しぶりでございますわ」

カンナ「えぇ、お久しぶりですねエリカさん。随分とレッドさんがお世話になったようで」

エリカ「いえいえ、”わたくしとレッドさん”の仲ですもの!ちっとも構いませんわ!」

カンナ「…そうですか。しかしレッドさんはチャンピオンとして多忙な身。あまり勝手なことをされると困りますね」

エリカ「レッドさんが不利になるようにわたくしがするとでも?勿論次の予定時刻には間に合うようにお帰しするつもりでしたわ」

レッド(あれ?なんでエリカさんが僕の予定把握してるんだろ…)

 
エリカ「カンナ様こそ、ノックもなしにいきなりぶしつけではございませんでして?四天王たる方、もっと一般の方の模範たる行動を心掛けて頂きたいものですね」

カンナ「それは失礼を、ですが私はてっきり”あれ”はエリカさんからの”案内状”かと思い急いで駆けつけたのですが?」

エリカ「いえ、わたくしなりの”おもてなし”のお気持ちだったので、もう少しお寛ぎ頂いても良かったのですが…?」

カンナ「…」

エリカ「…」

「「フフフフフ…」」

レッド(こ、怖い!ハナダの洞窟でミュウツーと戦ったときよりも怖い!一体この二人に何があったんだ!)



※チーン
(外で瀕死になっているキレイハナとウツドン)

 
エリカ「こうなれば」

カンナ「ここから先は」

「「実力行使」」


エリカ「お願いします!モジャンボ!」

カンナ「頼むわ!イノムー!!」

レッド(何これ怖い)





エリカ「モジャンボ!にほんばれ!」

カンナ「イノムー!ドわすれ!」





エリカ「これで決めて!ソーラービーム!!」

カンナ「迎え撃て!冷凍ビームよ!!」

レッド(…なんかもう、怖いし帰ろう)

レッド「リザードン、セキエイまで頼むね」ボンッ

リザードン「ぐるぁー!」


エリカ「流石にやりますね!」

カンナ「貴方もね!」


レッド「ねぇリザードン」

リザードン「グァ?」

レッド「11歳にこういうことはまだ早いと思うんだ」

リザードン「ぐぁー」

毎回レッドはかわいそうやな

とりあえず書き溜め分終了はじめてポケモンSS(というかSSが初)を書きました。
誤字脱字などで読みにくい部分がありましたらごめんなさい
レッドのチャンピオン就任期間を描いたSSがあまりなく眠れないのでムシャムシャして書いた
結構皆さんの想像力に頼る形になってしまい申し訳ないです
なんか歳相応な感じを出したかったけど難しいですね
続きができたらまた書きます

いやいや面白いぞw
これは山籠りもしたくなりますよね。

レッドにシロガネ山以外に落ち着けるスポットはあるのかってばよ。

おつ

面白かった
続き待ってます

乙です
カンナ可愛い

おつ


エリカちゃんにもっと出番を…!

カスミナツメと幼馴染のリーフちゃんはよ

多分ジムリーダーになったばかりのグリーンも同じような事しただろうな

リザードンにそらをとぶを覚えさせる悲しみを背負っている仲間として乙

うん、面白い

面白い、つづきも期待なの

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