亜美「失恋」 (19)

※百合です


雪歩「ねぇ、亜美ちゃん」

亜美「うん、分かってるよ。秘密にするから」

雪歩「本当?絶対、絶対に秘密、だよ?」

亜美「分かったって。亜美、ゆきぴょんが真剣に悩んでることぐらい、分かるよ」

亜美(ゆきぴょんのこと、いっつも目で追っちゃうもん。表情で分かるよ)

雪歩「うん…ありがとう、亜美ちゃん」

亜美「…えっ!い、いや別に、亜美は、仲間として当然っていうか」

雪歩「ふふっ…そうだね。亜美ちゃんは私の大切な仲間だよ」

大切な仲間。まだ、亜美はゆきぴょんの仲間でしかないけど
いつか、恋人になれる日がくるかな?

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亜美「んで?亜美にだけ相談するってことは、結構じゅーよーな感じ?」

亜美だけ。亜美一人にだけ。
二人だけの秘密って言うと、何だかカップルみたいでドキドキする。

雪歩「う、うん。あのね、引かないで聞いてほしいんだけど…」

そう言うとゆきぴょんは顔を赤くしてうつむいちゃった。
も、もしかして告白とか!?
…いやいやいや、それはないっしょ…

雪歩「……あの…ね…わたし……ま、真美ちゃんが…」

真美?真美がどうしたのかな?
真美が何かヤバいことをしてる所を見ちゃった的な?
そういう意味での告白?

雪歩「私、真美ちゃんが…真美ちゃんのことが、好き…なの……」

……………
え?

亜美が固まったままぽかーんとしてると
ゆきぴょんは今度は顔を真っ青にした。

雪歩「…ごっ!ごめん、ね…やっぱり、私…変だよね……ごめんね…」

亜美「…へ、変じゃない!変じゃないよ!ちょっと、びっくり、しただけで…」

正直言うとちょっとどころじゃない。
今すぐ家に帰ってベッドに顔をうずめて思いっきり泣きたいぐらい。

雪歩「ごめんね、驚いたよね……でも、本気、なの」

亜美「…う…ん」

泣きたいのがバレてないか不安になる。
今の声、変じゃなかったかな。

雪歩「あの…それでね、亜美ちゃんに、ちょっとだけでいいから…協力してもらいたいんだ」

亜美「いい、よ…」

雪歩「…亜美ちゃん?」

亜美「な、何でもない…!そ、それで、協力って、どうすればいいの?」

やば、今ちょっとギリギリだったかも。

雪歩「あのね…ちょっとだけでいいんだよ?真美ちゃんの好きな味とか、好きなゲームとか…教えてくれるだけでいいの」

亜美「ん、そんぐらいなら…いくらでも、教えてあげるよ!」

雪歩「あっ、ありがとう亜美ちゃん!」

それから、真美のことをたくさん教えてあげた。
途中何度も涙が出そうになったけど、何とかこらえた。


亜美「ただいまー…」

真美「亜美おかえりー!今日は遅かったね~。あ、そうそう、寝る前にゲームしない?」

亜美「あ…」ジワ

あれ、駄目だ。
何か、涙こらえきれないや。

真美「ちょっと亜美!?どーしたの?どこか痛いの?」

亜美「うぅんっ…ぐすっ、な、何でもない、から…うぅ、大丈夫…」

真美「大丈夫じゃないでしょ!?ほら、部屋行こ?」

亜美「……」

真美「…ねぇ、亜美。落ち着いた?……何か喋ってよー」

ヴー ヴー

真美「あ、ほら、ゆきぴょんからメール来てるって」

多分、真美のことについてのメール。

亜美「…ケータイちょうだい」

真美「んー…亜美が泣いた理由、話してくれたらかな」

亜美「…じゃ、いい」

真美「……じゃあ真美が勝手にメール見ちゃうよ?」

亜美「!ダメッ!!」バッ

真美「わっ!」

真美の手から強引に携帯を奪い取る。
やばっ。ちょっと怖かったかな?

真美「な、何、いきなり……確かに今のは真美が悪かったけどさ…そんなに怒ること、ないじゃん?」

亜美「……」

真美「まただんまり?…いいよ、別に。心配してたのに…」バタン

真美、部屋から出ていっちゃった。
違うよ、亜美が悪かった。ごめんねって、何故か言えなかった。

雪歩「おはようございます……あっ、亜美ちゃん。昨日のメール見てくれた?」

亜美「…あ、ごめん、見てないや」

雪歩「って、亜美ちゃん、目が真っ赤だよ!?ど、どうしたの…?」

亜美「ん…いや、ちょっと。真美と喧嘩しちゃって」

雪歩「真美ちゃんと…?」

多分、ゆきぴょんは亜美より真美の方が心配なんだろうね。
きっと亜美が想いを伝えたって、ゆきぴょんは真美が好きなんだ。

亜美「いっつもしてるから大丈夫。ちょっとエスカレーターしただけだよ」

雪歩「亜美ちゃん…それを言うならエスカレートだよ」

亜美「…あ、そうそう!」

雪歩「ふふっ…ちょっと元気、戻ったみたいだね」

全然戻ってないよ。胸がチクッてする。
亜美はゆきぴょんのこと真美より知ってるのに、ゆきぴょんは亜美のことを全然知らないんだね。
誰に対してかはよく分からないけど、イライラした。

メールの内容は、真美がどういうお菓子を持ってくれば喜ぶか、って内容だった。

亜美「んー…それはあんまり分かんないから、今日真美にそれとなく聞いてみるよ」

雪歩「えっ、でも、喧嘩してるんじゃ…」

亜美「だいじょぶだいじょぶ。いつも喧嘩した後、いつの間にかまた仲良しになってるから」

雪歩「へぇ…そうなんだ。じゃあ、よろしくね?」

亜美「うん!任せたまえ!」


っていってもなぁ。
真美は朝早くに現場に直行しちゃったし、今日はまだ顔合わせてないんだよなぁ…
謝らなきゃ駄目だよね。どうやって謝ろう。

考えてたら仕事に行く時間になっちゃった。
んーと…今日はやよいっちと雑誌の撮影か。

やよい「亜美ー!プロデューサーがそろそろ早く来てーって」

亜美「今行くー!」

車内

亜美「…ねぇ、やよいっち」

やよい「なに、亜美?」

亜美「昨日、真美と喧嘩しちゃって、謝りたいんだけど、どうすればいいかな?」

やよい「んー…亜美が謝りたいって思ってるなら、きっと真美だってそう思ってるよ!普通に、ごめんなさいでいいんじゃないかなぁ」

亜美「……うん、ありがと、やよいっち」

ごめんなさいだけで、いいのかな。
真美、許してくれるかな。

ちょっとだけ胸のモヤモヤが無くなって、昨日より仕事は結構上手くいった。

短いけど今日はここまで。


期待してるよ

あみたそ~

気持ち悪いスレだな。はよ屑百合豚しね

ゴミスレっと

もうすぐ真美が事務所に戻ってくる時間だ…
早く来てって気持ちとこのまま来なければいいのになっていう気持ちがごちゃごちゃになってて複雑な感じ。

亜美(ごめんなさいで、いいんだよね)ドキドキ

真美「…亜美?」

亜美「ひょっ!?」

びっくりして思わず変な声が出た。
ま、真美、いつの間に…!?

真美「もう、亜美ったら、いくら話しかけても返事してくんないから、まだ怒ってるのかと思ったよ」

亜美「あっ…亜美、もう怒ってないよ!…真美こそ、怒ってないの…?」

真美「んー?怒ってないよ?もしかしてそれを考えてたの?」

亜美「う…」

真美「…真美も同じ事ずっと考えてたんだ。亜美がまだ怒ってたらどうしよう、って。謝らなきゃって」

亜美「あ…亜美も、謝らなきゃって、思ってたよ!」

真美「えへへ…やっぱり、真美達、双子なんだね」

そう言って笑う真美の顔は、亜美と同じ顔のはずなのに、亜美よりも大人っぽく見えて。
きっと、こういう所に、ゆきぴょんは…

真美「ところで亜美はもう仕事ないの?」

亜美「えっ?…あー!!忘れてた!準備しなきゃ!」

ごめんなさいは言えなかったけど、まぁ、結果オーライだよね。

雪歩「あ、亜美ちゃん、あの…」

亜美「うん、ばっちし聞いてきたから大丈夫!」

雪歩「ありがとう…」

ゆきぴょんは、真美の好きな味のクッキーをはるるんと作ってくるらしい。

亜美「材料とかもはるるんと買うの?」

雪歩「ううん、材料は一人で買いに行くよ」

亜美「ねーねーそれ、亜美も行っていい?」

雪歩「えっ…真美ちゃんに怪しまれない?」

亜美「彼氏とデート行ってくるー、とかテキトーに理由作って行くから!いいでしょ?」

雪歩「か、彼氏…」

亜美「友達も彼氏いる子は結構たくさんいるよ?」

雪歩「そ、そうなんだ…最近の中学生は進んでるね」

亜美「普通だと思うけどなー。それで、ついて行っていい?」

雪歩「うん、いいよ。私は午後に行こうと思ってたんだけど…」

お昼前に買い物をして、一緒に昼ご飯を食べて解散する事になった。
ゆきぴょんが真美の事を好きなのは分かってるけど、ゆきぴょんと二人きりでお出掛けなんて、思わず顔がニヤけちゃう。

真美「あれー、亜美。なんかオシャレだね。もしかして彼氏とおデートとかぁ?」ニヤリ

亜美「うん、そーだよ」

真美「なん…だと…!?いってらっさーい」

亜美「いってきまーす!」

うぅ、髪変になってないかな。
持ってきた手鏡で何度も前髪をいじる。

亜美「む~…やっぱりあっちのヘアピンにした方が良かったかな…」

待ち合わせ場所に着いた。
待ち合わせすると何だかカップルみたいだよね。
え~っと、ゆきぴょんは…いた!

亜美「ゆきぴょーん」

雪歩「あっ、亜美ちゃん」

亜美「ちっと遅くなっちゃった。待った?」

雪歩「ううん、今来たところだったよ」

亜美「んふっ…ホントにカップルみたいじゃん!」

雪歩「良く聞くよね、このやりとり…ふふっ」

ゆきぴょんが笑ったら、ふわって良い香りがした。
…って、良い香りとか変態みたいじゃん。

その後はふつーにお買い物して
ふつーにお昼ご飯食べたよ。
ゆきぴょんが真美の話を嬉しそうなするのは、ちょっとやだったかな。

亜美「ねー、ゆきぴょん。この後も遊べる?」

雪歩「うん、いいよ。今日は午後は誰とも約束してないし…」

亜美「やった!ゲームセンター的なとこ行こ!」ギュッ

引っ張るつもりでゆきぴょんの手を握る。
握ってから、はっ、としたけど気にしないフリをして、無邪気なフリをしてちょっと早足で歩いた。
顔、赤くなっちゃってるかも…

亜美「ゆきぴょん、プリクラ撮ろー!」

雪歩「この銃を撃つの、やってみたいなぁ…」

たくさん遊んで、たくさん笑った。
大袈裟だけど、今一番幸せかも。

雪歩「もうちょっと左…かな?」

亜美「むむ…」

雪歩「……あっ」

亜美「や、やった!取れた!」

雪歩「やっとだねぇ…ぬいぐるみ、取れて良かったね亜美ちゃん」

亜美「はい、ゆきぴょん!あげる!」

雪歩「えっ?でも…亜美ちゃんが取った物だし」

亜美「元々ゆきぴょんにあげるつもりで取ったからいーの!」

雪歩「…ふふっ。ありがとう、亜美ちゃん。大事にするね」

こんな事しても意味無いんだろうけど、今日のお礼。
今は真美でも、いつかは亜美もちょっぴり好きになってくれればいいな。

続きはよ

まだ全部読んでないけど、百合士ね先輩が来たって事は名作の可能性大だな

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