「穂乃果ちゃん、お誕生日おめでと～♪」

えへへ～♪ 今年はことりが一番最初に言えました！

「うん……！うん……！プレゼントも用意してるから、楽しみにしててね！」

17歳になったばかりの穂乃果ちゃんを独占できてるのが楽しくて、ことりはついつい話し込んじゃってます♥


「…………うん！うん！それでねぇ～♪」

「あ、雪穂ちゃんが？大丈夫だよ♪」


あ、ちょっと話し声が聞こえる♪

誕生日おめでとうって言ってるのかな？

でも今年の一番最初はことりなんだよね……♪ え？お客さん？

で、でも深夜なのに……海未ちゃん！？

え、えぇ～！？

海未ちゃんどうしちゃったの！？

も、もしかして……

そ、そんなのダメ！

抜け駆けなんてさせません！！

「おかあさん！行ってきます！」

えっへへ～♪今日は穂乃果ちゃんの誕生日！

凛が朝一番でプレゼントをあげるんだにゃ！

いっつもお世話になって、遊んでくれてるお姉ちゃんみたいなμ'sの皆には最高の誕生日をあげないとね！

くるくるって躍りながら走りたくなる気持ちを抑えながら、朝一番に穂乃果ちゃんのおうちの前に！

かよちんと真姫ちゃんは後で来るみたいだし、海未ちゃん達も寝てるみたいだし、凛が一番最初にプレゼントをあげるんだにゃ！

インターホンを押したら出てきたのは穂乃果ちゃんのママ、全部わかったような顔で凛をお家にあげてくれた！

「おはよーございます！お邪魔します！」

挨拶も済ませて、お家にあがらせてもらって……いざ穂乃果ちゃんのお部屋に！

……え？海未ちゃん達もう来てたの！？

お泊まり！？ず、ずるいにゃー！


でもそんな事は気にしてちゃダメだよね！

だって、凛には一番のミッションがあるんだから！

それじゃあ今日の主役に胸いっぱいの気持ちを伝えちゃおう！

「おはよう！穂乃果ちゃん、お誕生日おめでとうにゃ！」


そういって凛はすぐにちっちゃな包みを差し出して、めいいっぱいの感謝の気持ちを伝えるにゃ！


「うん！もちろんすぐに開けて欲しいにゃ！」


……あ、笑ってくれたニャ♪

穂乃果ちゃんの笑顔が見れて、凛もすっごく嬉しいにゃ！

はぁ……まったく……なんなのよ。

皆して穂乃果の家に遊びに来るのが早すぎなのよ。

大体、人の家を訪ねるマナーって物もね……


……あら？ミサンガなんて着けてるのね。

白い服と黄色がマッチしてて、すっごく似合ってて、今日の穂乃果は全部が可愛いなんて思っちゃった。。

でも、そんな気持ちは表に出しちゃダメだよね。はずかしいんだもの。


「穂乃果、これプレゼントよ。」


……あっ、ちょっぴりさみしそうな顔。

もうちょっと愛想よく渡したかったかな……。


あ、でも……この大切な一言はまだ言ってなかったわね。

やっぱり、本心からめいいっぱい伝えた方がいいよね？

「えっと……誕生日おめでとう、穂乃果♪」

「あなたが生まれてきてくれて、私は最高に嬉しいわ！」

うん、今度ははっきり言えた♪

…な、なに！？なんで笑ってるのよ！！

「С днём рождения ♪」（ズドニョーム・ラジジェーニィヤ）

「誕生日おめでとうって意味よ、穂乃果♪」


フフ、もう皆からいっぱいお祝いしてもらってたみたいね、顔がすっごく綺麗よ♪

それに、その真っ白な青空の雲や雪みたいなワンピースは卸したてかしら？すっごく似合ってるわ。

……なんてキザな事は言っちゃダメかな？

そんな事を思って、服は一旦褒めずに嬉しそうな姿を褒めるだけにしておく。

フフ、それでもすっごくかわいい♥

プレゼントは結構簡単に決まったんだけど、普通にプレゼントをあげてもつまらない。

なんて考えて用意したこのサプライズ…効果はどのくらいかしら？

わわ！？ 穂乃果ちゃん、すごい反応！？

絵里ちゃんのプレゼントは……ラブレター！？

穂乃果ちゃんもすっごく動揺してて、顔が真っ赤になっちゃってる……

ど、どうしよう……このままじゃ花陽のプレゼントが霞んじゃいそう……

ここは早く渡して花陽は退散した方が良いの！？

「穂乃果ちゃん！！これ！花陽からのプレゼント！」

なんて言って二人の間に勢いで割り込んじゃって穂乃果ちゃんにプレゼントを押し付けちゃった。

そんな二人のぽかんとした顔が花陽の方を見つめてる……あれ？ジョークだったの？

あう……やっちゃった……

でも、穂乃果ちゃんは嬉しそうに2つの袋を受け取ってくれて……

「それじゃあ、改めてお誕生おめでとうね！穂乃果ちゃん！」


……それから、穂乃果ちゃんが2種類のヘアピンをつけることになっちゃって花陽がちょっぴり後悔しちゃったのはまた別のお話です。

全く、だからラブレターに偽装した感謝の手紙はやめた方が良いって にこは言ったのよ。

それに花陽も花陽よ。なんでそんなに慌てちゃうのかしら、もうちょっと落ち着きなさいよ。

大体、海未達も海未達よ、そんなに抜け駆けしちゃって・・・

せっかく希と一緒に用意したのに、なんだか出遅れた感じで、にこが悪いみたいじゃない。

ってダメダメ、今日は穂乃果ちゃんの誕生日だもんね！

今日だけは皆のアイドルじゃなくて、穂乃果ちゃんのアイドルだもんね！

しかめっ面なんてダメダメ♪

それに、この変な空気を変えるのだって、にこのお仕事にこ♥

本命のプレゼントの前に、まずは、にこのプレゼント♪

鞄に着けられるちびキャラのキーホルダー、気に入ってもらえて良かった♪



それじゃあ、本命の出番ね♪

「はい穂乃果ちゃん♪これは私と希からのプレゼントにこ♪」

え？ずるい？

そんな事知らないわよ♪私たちはもう乙女式なんかじゃないんだからね♪


やっぱり、最高のプレゼントっていうのは、こういうのだと思うのよ！


……え？ 真姫ちゃんの手のそれは何？

ことりとかよちゃんもなんだか、にこの見覚えのある箱を持ってるし……

え！？ 絵里と凛も同じ箱を持ってる！？

ちょっと！どういう事なのよー！？

ほのおめ～
支援

4つの細長い同じ箱を差し出された穂乃果ちゃんは目を丸くしてるけど、私たち7人も同じくらい目がまん丸になっちゃってる。

それぞれがどんな物を入れてるのか、にこは勿論、皆もわかってるみたい。。


でもこのまま皆に流されたままっていうのは、にこ的には気に入らないわね♪

「そうね……それじゃあ一斉に開けましょう♪」


だからこそ、皆に合図を送って、こっそり目配せして………大丈夫みたい♪


「それじゃ改めていくわよ！！穂乃果ちゃん！」

「せーのっ！」

お誕生日おめでとう！

7つの声が重なって、一斉に4つの箱が開いた。

ふぅ、今日も暑いなぁ……

用事が思ったより長引いてもうお昼手前になっちゃった。

急いで穂乃果ちゃんの家に向かいたかったんやけど、汗でびっしょりな姿は見せたくないし、慌てて入っていくのはウチらしくないなぁなんて思ってたら時間がかかっちゃた。

汗良し、服もよし、プレゼントよし！

にこっちと用意したものには及ばないと思うけど、うちもうちで自分のプレゼントを用意してるんよ♪


もう皆集まってるよね？

どんな大騒ぎになっちゃってるのかな？

ちょっと出遅れたけど、皆のことだからこんな暑さなんてにならない位盛り上がってそうだなぁ♪


「穂乃果ちゃんのお母さん、おじゃまします♪」

穂乃果ちゃんのお部屋に通してもらって……ガチャッ！

「穂乃果ちゃん！お誕生日おめでとう！」


……あれ？なんで穂乃果ちゃんそんなに泣いてるん？

穂乃果の名前を呼ぶ声が聞こえる、お風呂に早く入りなさいって穂乃果の事を急かしてるみたい。


はぁ……それにしても、今日はすごかったなぁ……

毎年、最高の誕生日だと思ってたけど、今年は、こんなに良い気持ちになれるなんて思ってもいなかったよ。

皆の前でポロポロ泣いちゃったのだけはちょっと後悔しちゃってるかも……？


でも、本当に楽しかったなぁ。

いっぱいはしゃいで、いっぱい騒いで、いっぱい楽しくて……

μ'sを作って本当によかったって今日だけで何回思ったのかな？

………あ、そうだ、早くお風呂に入らなきゃね。

でも、最後にもう一回だけやりたい事はやらないとね！

海未ちゃんからの手鏡をグイって上に掲げて、穂乃果の全身をを映してみる。

鏡に映ったのは、真っ白なことりちゃんのプレゼントに身を包んで、二つのちっちゃくてお洒落なヘアピンを髪に留めた穂乃果の姿！

自分で言うのはとっても変だけど、今日の穂乃果はすっごく綺麗な気がするなぁ。



鏡を見てると、自然と視界に止まる凛ちゃんと真姫ちゃんのプレゼント。

このブレスレット、何やら縁起のいい物らしいけど、もっともっと穂乃果が幸せになったらどうなっちゃうんだろう？

勿論、これも外さないとね。


……あ、でもミサンガってお風呂に入る時は外した方がいいのかな？

だけど、外したら願いの叶うおまじないが……

なんて思ったけど、やっぱりお風呂とかは外しても問題なんてないよね。

だって、もう穂乃果のお願いは叶ってるんだもん！。


にこちゃんからもらったキーホルダーと希ちゃんのお守りも、眺めて、飾って……うんっ！OK！

明日からこれをつけて登校するのが楽しみだなぁ。

最後に外したのは、パーティが始まってからずっと外せなかった皆からの4つのロケットペンダント。

一つ一つ、開けて、もう一度中を見る。

穂乃果がずっともらってきた最高のプレゼントが写ってた。

-Fin-

いい雰囲気ですき

グッド

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