P「今日は4時00分からTHE iDOLM@SCLETERか・・・」 (53)

例の石油王や商店街ごと巻き込んだあずささん暴走事件から数日。

正確に言えば、その後の第二次あずささん暴走事件の翌日。

当然この日も俺はプロデューサーとして、早朝から積極的に活動していた。

あんな大きな事件があったのだからしばらくは平和だろう、という根拠のない安心とともに。



だが。

今思えば、その時すでに始まっていたようだった。

765プロを震撼させたあの忌まわしき事件は……

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この番組は

P「今日は0時00分からTHE iDOLM@SCLETERか・・・」

から始まる一連の話の続きとなっていますが

とりあえず筋肉だということだけわかっておけばなんとかなるかもしれません


 

~CM~

10thライブ

まもなく開催!

~CM~

 




話    筋肉だから出来ること


 

~街中~

律子「さっきのドラマ収録お疲れ様。ディレクターさんも良かったっていってたわよ」

亜美「とーぜんっしょ→」

伊織「ま、この伊織ちゃんなら当たり前よね?」

律子「次はラジオのゲスト出演ね。一度事務所に戻るけど、30分ぐらい休んだらすぐ出かけるわよ」

亜美「えー!?この後真美と最終ステージ攻略する約束してたのにー!30分じゃラスボスのところまでいけないよー!」ピコピコ

律子「仕方ないでしょ、仕事とゲームと、どっちが大事なの?」

亜美「そんなの選べるわけないっしょー!」

亜美「いおりん、なんかご機嫌だね?」

伊織「にひひ、まあね。ドラマの撮影終了を記念して、自分へのご褒美を用意してあるの」

亜美「ご褒美って?」

伊織「巷で話題の高蛋白食品、ゴージャスセレブプロテインよ!」

律子亜美あずさ「ご、ゴージャスセレブプロテイン!?」

律子「形はカロリーメイトそっくりだけど、一日50本限定生産の……!」

亜美「食べるだけで力がみなぎってくるっていう……!」

伊織「にひひ、4本しか手に入らなかったけどね、事務所の戸棚に入れてあるから、帰ったら一緒に食べましょう?」

律子亜美あずさ「やったー!」

~事務所~

律子「なんだか、私たちだけ頂くなんてちょっと皆に申し訳ないわね」

亜美「真美の分は亜美が半分こしてあげよーっと」

伊織「さあ、いよいよご対面よ……!」ガチャ

伊織「………………」

亜美「どしたのいおりん?」

伊織「……ない……ないわ……」

伊織「ゴージャスセレブプロテインがなくなってる!」

伊織「誰よ、誰が食べたのよ!」

律子「昨日の昼過ぎにゴージャスセレブプロ……長いからGSPって呼ぶわね。GSPを買ってきて、戸棚に入れておいたのよね?」

伊織「そうよ」

律子「昨日の晩は私たちはあずささんを追いかけた後直帰したし、他のアイドルたちも昨日は昼に仕事終わり、社長は一昨日くらいから出張だったわ」

伊織「とするとやっぱり今日の私たちの仕事中に誰かが食べたってことね」

律子「今日の仕事は竜宮と私は撮影で一緒だったし、音無さんは虫歯で食べられない、真美ちゃんは……」

P「ただいま帰りましたー」ガチャ

真美「たっだいまー!」

律子「今帰ってきたわね」

真美と昼の仕事を終えて事務所に帰ってくると、何か雰囲気が剣呑としていた。

律子「一応聞いておきますか。プロデューサーは今日何してましたか?」

P「俺?俺は朝から外回りして、昼前にスタジオの真美を迎えに行って、そのまま別の現場に行って、今戻ってきたところだけど」

亜美「とすると……ここにいない誰かが犯人ってことになるね」

真美「なになに?どういう話?」

亜美「よぉく聞いてくれたまえ真美刑事、実はな……ごにょごにょ」

真美「ふむふむなるほど、GSPが無くなって……犯人が事務所の誰か……」

P(なんだろうGSPって。全地球測位システム?……あれはGPSか)

事務所の何かがなくなったらしい、ということまではわかったが。

真美「オッケー、事態は全て把握したよ!ピヨちゃん、今日事務所に来てたのは誰?」

小鳥「えっと、やよいちゃん真ちゃん雪歩ちゃんは三人でイベントの衣装合わせ、響ちゃんと貴音ちゃんはダンスレッスン、春香ちゃん千早ちゃん美希ちゃんはさっきボイストレーニングに行っ
たわね」

律子「全員来てるのね……」

伊織「あーあ、GSP楽しみにしてたのに……」

亜美「ふっふっふ……」

真美「任せていおりん!」

真美「灰色のジハードと七色のターボマンを持つ!」

亜美「マッスル美少女探偵、亜美アンド真美!」

真美「コマンドーとグリーンベレーの名にかけて!」

亜美「機械に代わって……」

真美亜美「人類制圧よ☆」


律子「なんかもう、いろいろ混じってますね……」

P「完全に遊んでるな……」

というか、人類制圧しちゃダメだろ。

そういうわけで、亜美真美による取り調べが始まった。

最初は冷蔵庫の周囲の目撃情報があったらしいやよいからだ。

二人はやよいをつれて社長室へと消えて行ったが……

P(大丈夫かなあ。筋肉事情聴取とかになってないかなあ。事務所壊れないかなあ)

俺の心配は早くも事務所の損壊レベルの方へと移っていた。

~社長室~

真美「じゃー最初は真美から行くっしょ→!」

やよい「うっうー!負けないかなーって!」

亜美「それじゃー第一回戦、双海真美VS高槻やよい……レディー、ゴー!」

真美「先手ひっしょー!右足もらったぁー!」ガシッ

亜美「よっしゃー!そのまま引き倒せぇー!」

真美「このままフォールして3カウント……!?」ゾクッ

 
        おかしい
                なぜ簡単に足が取れた?
 隙がありすぎる
              不意打ちだから当然?
                        いや、不意打ちにしても簡単すぎる
    相手はあの高槻やよい

          得意技は……カウンター……

やよい「よっ……」ブンッ

真美「っ!」バッ

やよい「……と!」スタッ

亜美「あー、惜しかったよ真美!しっかりつかんでないからバク宙で逃げられちゃった……」

真美(違うよ亜美……今やよいっちは……)

真美(真美ごとバク宙して、天井に叩きつける気だった……!)

真美(足をつかむことを見越して、その力を使って回転するところまで考えてたなんて……!)

やよい「うー、惜しかったなーって……でも」

やよい「次は逃がさないよ、真美」ゴゴゴゴゴゴ

真美(あ、勝てない)

765プロ所属双海亜美氏
この時の様子を後にこう語っている

亜美「真美がやよいっちに襲い掛かるまでの時間?」

亜美「いや……もうホント、2、3秒かそこいらで、うん……」

亜美「真美もスピードついてるからね、大抵の相手なら背中を取るぐらいは出来るんじゃないかと……」

亜美「バク宙も出来ないように、狭いところからやよいっちを羽交い絞めだったよ」

亜美「え?やよいっちが負けると思ったかって?」

亜美「ん~~~~」

亜美「やっぱり、あなた達はワカってない。高槻やよいという人物を……」

亜美「そりゃ、ああなっちゃうと普通は勝負ありだよ。普通はね」

亜美「でもこれはやよいっちのハナシでしょ」

亜美「亜美もアイドルやってるからワカる。あの状態の羽交い絞めは絶対に逃げられない」

亜美「もっと厳密に言うと、逃げられる返し技がないというべきかな」



亜美「ここであえて『技』という言葉を使ったのはね」

亜美「あれは技じゃない……ただやよいっちは後ろに跳んだだけ」

亜美「真美もやよいっちの返し技にばかり気を取られていたんだろうね……反応が遅れて」

亜美「そのまま壁にぶつけられたんだよ……やよいっちと壁に挟まれてね……」

亜美「残念ながら、一撃で気絶だったそうだよ……」

真美「というわけで、やよいっちはシロでした」

P「なんで!?」

色んな何故が頭の中を駆け巡ってるが、多分聞いても答えてもらえないだろう。

彼女たちにとってあれが常識のようだし。

亜美「じゃあ次の容疑者行ってみよう!」

~再び社長室~

亜美「じゃあ今度は亜美が行くっしょ→!」

真「ねえ、なんでボク呼ばれたのさ。そろそろ教えてよ」

真美「甘いよまこちん!亜美たちの職業はなに?」

真「え?ア、アイドルだけど……」

亜美「そう!アイドルならば……」

亜美「肉体で語るんだYO!」ムキムキィッ!

765プロ所属双海真美氏
この時の様子を後にこう語っている

真美「ええ……もうホント、2、3秒かそこいらで、うん……」

真美「え?亜美が勝てると思ったかって?」

真美「無理無理、だって亜美ってば上半身に筋肉つけすぎだもん」

真美「折角仕掛けたトラップも発動させる暇なく、まこちんのスピードで瞬殺だったね」

亜美「というわけで、まこちんはシロでした」

P「ああ、そう……」

二度目ともなればもう深くは問うまい。

亜美「じゃあ次の容疑者行ってみよう!」

真美「あと事務所にいるのは誰?」

亜美「確かゆきぴょんならお茶を用意して……」



雪歩「キャー!」パリーン!パリーン!



P「雪歩!?」

真美「給湯室からだ!」

ついでに悲鳴で窓ガラスが数枚被害を受けたぞ!

P「雪歩!大丈夫か!?」

真美「ゆきぴょん!誰にやられたの!?」

雪歩「ひ……ひび……」ガクッ

亜美「ひびってことは……ひびきん!?」

真美「ゆきぴょんがこんなにあっさり倒されるなんて……」

亜美「強敵のにおいがするよ、ひびきん……」

亜美「えー!捜査打ち切りってどういうことっすか!」

真美「政治家の圧力っすかデカ長!」

律子「誰がデカ長よ、休憩は三十分だけだって言ったでしょ。もうすぐラジオ出演の時間なの」

亜美「まだ全員と戦ってないよー!」

真美「バトルロイヤルで勝ち抜かないとゆきぴょんも浮かばれないよ!」

P「目的変わってないか?」

というか、本当に人類制圧が目的になってないか?

律子「だーめ、ほら行くわよ亜美」

亜美「もー、これから激しくなりそうなのにぃ……」

そうしていつものように窓から出ていく律子と竜宮小町の三人たち。

ちなみにここは9階であり、命綱は無いが外壁にはボルタリング用の足場が取り付けてあるため彼女たちには安全だ。

真美「あーあ、行っちゃった……」

P「しょうがないだろ真美、戻ってきたらまた続きをやればいいじゃないか」

真美「甘いよ兄ちゃん、ダダ甘だよ!道場ってのは自分から破りに行くものなんだよ!」

P「ということは……まさか?」

真美「まずはダンスレッスンに行ってるお姫ちんとひびきんのところだ!急ぐよ!」ドスドスドス

P「あぁ待て待て!車出すから!」

~ダンスレッスンスタジオ前~

真美をなんとか車に押し込み、スタジオ前で出待ち状態の俺たち。

真美ときたらいつ不意討ちをかけようかとワクワクしているようだった。

真美「あ、そういえば亜美のラジオの時間だ」

と、道場破りに夢中になっているかと思えば、ちゃんと妹の出番も気にしている。

P「なあ真美、亜美と遊ぶ時間が減ってつまんないか?」

真美「つまんないよ、決まってるっしょ?」

真美「ゲームするのもシュワちゃん見るのも鍛えるのも、兄ちゃんいじって遊ぶのも……最近全部別々だもん」

P「そっか……まあ、気持ちはわかるけど、亜美は今……」

大事な時期だからな、と言うのを遮るように、

真美「わかってるよ。でもつまんないもんはつまんないの」

半分拗ねたような、そんな声と顔で気持ちを表すのだった。

と思えば、

真美「だから、真美ももっとチョー売れっ子になって、亜美と一緒に仕事できるようになるんだ!しっかり頼んだよ、兄ちゃん!」

いずれそうなることを信じて疑わない、真っ直ぐな目と元気な声で気持ちを語る。

彼女から溢れ出る夢と希望は、その大きな体にすら収まりきらないようだった。

P「ああ、了解!」

しかし最近慣れて麻痺してきたが、13歳で180cmってのは改めて自覚するととんでもないなぁ。

真美「あ、出てきた!」

P「え?どこだ?」

真美「ほらあそこ!屋根の上!」

車の窓から顔を出して見てみると、貴音が屋根の上を伝って事務所の方へ帰っていた。

あんな重量で跳んでるのに瓦一枚割らないとはどうなってんだあれ。

P「あれ、響は?」

真美「もしかして地下から……?」

P「まさか……いや、否定できない」

真美「踏み込むよ兄ちゃん!」

俺たちがスタジオに乗り込むと、そこにはすでに先生以外誰もいなかった。

ちなみにダンスの先生は普通の体型だ。

ダンス先生「あら、真美ちゃんに765プロのプロデューサーさん……どうしました?」

真美「ひびきんはどこ行ったの?」

ダンス先生「響ちゃんなら、三十分以上前にここを出たわよ?」

P「え、そんな前に?」

真美「高飛びだ!外国に逃げたんだよ!急いで追わないと!」

真美「兄ちゃんは駅の方探して!真美は事務所を見てくる!」ドスドスドス

言いながら走り去る真美。

P「お、おい真美……行っちゃった……」

ダンス先生「どうかなさったんですか?」

P「いやぁ、子守りの一環というかなんというか……」

ダンス先生「噂通り、大変そうですね……ところで、プロデューサーさんも何かトレーニングを始められたんですか?」

P「俺、ですか?いえ、特には……」

ダンス先生「ええ、以前見た時よりなんだか逞しくなったような、そんな気がするんですけど」

そういえば今日は階段の上り下りもあまり辛くなかったし。

ひょっとしていよいよ俺も筋肉の仲間入りかな?

~事務所~

真美「ひびきーん?……ま、いないか」

貴音「おや、どうしたのです真美?プロデューサーと外回りに行っていたのでは?」

真美「あ、お姫ちんちょうどいいところに!」

貴音「はい?」

真美「真美はお姫ちんにケットーを申し込むよ!真美が勝ったら洗いざらい喋ってもらうからね!」

貴音「はて、隠し事など確かに星の数ほどありますが……」

貴音「まあ、これも765プロの流儀です。かかってきなさい真美、格の違いを教えて差し上げましょう」

真美「ちょーっと待ったお姫ちん!ケットーは握手してからだよ!」

貴音「握手、ですか……ふむ、まあそれも礼儀でしょうか」

真美(んっふっふー、握手と同時にこのスタンガンで電流を流して、動きの止まったところにあらかじめ用意してた花火をぶつける作戦!)

真美(その名もビリビリボンボン大作戦!さあ、握手だよお姫ちん!)

ギュッ

真美(スイッチオン!)

ボキン

真美「あら?」プラーン

貴音「言い忘れていましたが、先程壁の修繕をしていたのでゴム手袋をしているのです。……だから、そのスタンガンは効きませんよ?」

真美「バ、バレてるぅ……」

貴音「また、握手と同時に決闘開始だという事で、真美の右手の関節をほぼ全て外させてもらいました」

真美「あの一瞬で!?」

貴音「まだ続けるのであれば利き手の方も外しますが……どうしますか、真美?」

真美「ギブアップで」

雪歩「あ、終わりましたか四条さん?」

貴音「いえ、まだ半分ほどです」

真美「ゆきぴょん!目が覚めたの?」

雪歩「うん、ごめんね真美ちゃん、心配かけたみたいで」

真美「ひびきんは一体なんでいきなりゆきぴょんを狙ったのかなあ……なんか心当たりある?」

雪歩「え、響ちゃん……?響ちゃんがどうかしたの?」

真美「ひびきんにやられたから気絶してたんじゃないの?『ひび』って言ってたじゃん」

貴音「真美、それはおそらくこの壁のヒビの事でしょう」

真美「どれ?……ってうわ、なにこの凄いヒビ」

貴音「そろそろ皆戻ってくる頃です。一度話を整理してみましょう」

P「春香、千早、美希以外は全員揃ったな」

真美「さぁてゆきぴょん、洗いざらい喋ってもらおうかぁ!」

亜美「さぁさぁゆきぴょん!」

捜査ごっこの続きが出来るからか、やたらテンションが高いな二人とも。

雪歩「その、給湯室でお茶入れてたらテンションあがっちゃって、スコップ振ったら真空裂破出ちゃったんですぅ……」

小鳥「じゃあ、気絶したのは自分で作った壁の傷に驚いたからで」

律子「『ひび』っていうのは、この壁のヒビのことだったの?」

P「ヒビ……?」

それはヒビと言うにはあまりに大きすぎた。

大きく分厚く深く、そして大雑把すぎた。

それはまさに断層だった。

これをヒビと呼ぶ彼女たちの世界に比べ、俺の世界はなんてイッツアスモールワールド。

P「で、貴音は雪歩の話を聞いて壁を修理していたと」

貴音「ええ、まだ途中までですが」

律子「つまり、雪歩とGSPは何の関係もなかったってことね」

亜美「んっふふ……」

真美「んふふふふ……」

雪歩「な、なんですかぁ?」

亜美「これで容疑者は絞られたようだね?」

真美「いよいよクライマックスが近づいたようだねぇ」

亜美「罠を張りましょう、事件の幕を引くために!」

真美「兄ちゃんは危ないから部屋の外に出てた方がいいよ、あの壁のようになりたくなければね」

あの壁のようにはなりたくなかったので、大人しく外に出ることにする。

 




その日、

765プロの入っているビルは、

6階を丸ごと失った。





 

~ビル8階、765プロオフィス(元9階)~

P「なんで帰ってきたら10階建てのビルが9階建てになってるんだ」

真美「亜美が火薬の量間違えたからっしょー!」

亜美「真美だって調合する時間をロクに稼いでくれなかったじゃん!」

真美「三対一じゃ無理に決まってるっしょ!」

P「……で、なんだっけ、GPS?とか何とかを取った相手は見つかったのか?」

亜美「亜美たち今日は全敗だから聞けてないよ……」

真美「GPSじゃなくてGSPだよ……兄ちゃん代わりに聞いてきてー……」

P(相変わらずルールがわからん……)

とりあえずみんなが瓦礫掃除してる元6階に降りる。

律子「まったく、派手にやってくれるんだからもう……と、プロデューサー?」

P「うわあ、これはまた凄いな。解体工事みたいだ」

律子「まだ細かい破片とか散らばってるから危ないですよ」

P「ああいや、ちょっと皆に聞きたいことがあるだけ。終わったらすぐ戻るよ」



P「かくかくしかじか……というわけで、GSPに心当たりのあるやつはいるか?」

美希「あ、それならミキだよ」

事件は自白によって無事解決した。

伊織「ちょっと、あんた何勝手に食べてんのよ!」

美希「だってミキが入れといたムキムキファンキークレアチン、誰かが食べちゃってたの。すっごく楽しみにしてたのに」

伊織「だからって代わりに食べなくてもいいでしょうが……」

P「GSPは美希、と。邪魔してごめんな。じゃあまた後で」

P(GSPって食べ物だったのか……)



そのあと事務所に戻ってきて話をしたところ、

美希のムキムキなんとかを食べたのは亜美真美で、

結局のところ因果応報だったとか。

そんなわけで片づけも終わるともう日も暮れて、

事務仕事の残っている俺と音無さん以外は皆帰宅となった。

~外~

伊織「だけどあんた、よく四本もゴージャスセレブプロテイン食べられたわね」

美希「え?戸棚には一本しか入ってなかったよ?」

伊織「え?」

~事務所~

P「あいたたた……なんか急に体があちこち痛くなってきた」

小鳥「大丈夫ですかプロデューサーさん、怪我ですか?」

P「いや、筋肉痛っぽい感じです。でもそんな激しい運動はしてないのになあ」

小鳥「湿布でも用意しましょうか。そういえばプロデューサーさん、今朝自分でドア開けて入ってきませんでした?」

P「そうなんですよ。今朝から体の調子が良くて、出る時も自分で開けられましたし」

ドアが開いたときは、ついに俺も彼女たち並みに筋肉がついてきたかと思ったものだ。

だが、さっき試したところもう俺の力ではビクともしなくなっていた。

小鳥「無理しちゃいけませんよプロデューサーさん、あれ軽自動車押すぐらいの力は要りますから」

P「俺そんな力出てたんですか!?」

P(しかし本当に不思議だな……なんか変なものでも食ったっけ?)

                            ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
P(昨日は帰れなかったから、事務所にあったカロリーメイトぐらいしか食べてなかったんだけど……)

―――――――――――――――
~昨夜~

P「あー腹減った……けど、みんなあずささんを追いかけたあと直帰しちゃったからな……」

P「俺一人じゃあのドア開けられないし、窓から出るのも怖いし……」

P「なんか戸棚にあったかな……っと、なんだこれ、カロリーメイト?」

P「あいつらもこんな普通のもの食うんだな。夜食代わりにもらって、明日の朝買い足しに行けばいいや」

~早朝~

P「うたた寝して起きたらなんかすっごい力がついてる気がする」

P「試しに……」ガチャ

P「うおっ!ドア開けれたぞ!いつの間にこんな力が!」

P「っと、そんなことに興奮してる場合じゃなかった。外に出れるんだし、誰か来る前にどこかでシャワーぐらい浴びてこないとな」

P「その後は外回りして、昼からは真美を迎えに行って……」

―――――――――――――――

次回のTHE iDOLM@SCLETERはー?

突然ですがクイズでーす!

今トレーニングをしているのは、上腕二頭筋、下腿三頭筋、脊柱起立筋のどれでしょうか?

え?それどこの筋肉だって?

ま、そういうのはウェブで確認よろよろ→!

次回、『脚力で、少しでも前へ』を

お楽しみにー!

☆NOMAKE
~用語集8~
・ゴージャスセレブプロテイン
『食べて美味しく、鍛えて嬉しく!』でお馴染みの
第三回筋力補助食品コンテスト優勝食品

その簡素なデザインとは裏腹に
職人が一本一本手作りで仕上げているため生産数が上がらない
一本2980円、イチゴ味とマスカット味もあってより食べやすくなっている
ちなみにムキムキファンキークレアチンは準優勝食品だった

~アイドル名鑑No.5&6~

双海亜美

おやつ代わりに家にある健康食品を食べていたら
スポーツ医学に基づいた日頃の食事も相まっていつのまにかマッチョになっていた
変則的な動きと、真剣勝負では使わないが様々なトラップと化学薬品が武器
真美よりはパワー型だが、筋力系としてはまだまだ未熟
密かに解説役を狙っているとの噂


双海真美

おやつ代わりに家にある健康食品を食べていたら
スポーツ医学に基づいた日頃の食事も相まっていつのまにかマッチョになっていた
変則的な動きと、真剣勝負では使わないが様々なトラップと化学薬品が武器
亜美よりはスピード型だが、筋力系としてはまだまだ未熟
野外戦では真に負けたことがないが、速度でも勝ちたいと思っている

という感じで九話おしまいです
一階のたるき亭大惨事
小鳥さんは恥ずかしがって湿布を貼ってくれない

続き乙です

乙乙。久しぶりでもやっぱり面白い。

乙乙。久しぶりでもやっぱり面白い。

乙乙。久しぶりでもやっぱり面白い。

おつおつ!

次も楽しみに待ってるぜ

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!

いい筋肉だった、かけ値なしに

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