コナン「珍しくまともなもん作ったな」
阿笠「ホッホッ、ボスであるワシとて、哀君に幸せになってもらいたい気持ちだけは本物じゃからのう!!」
コナン「で、どうなるんだよ?」
阿笠「それは押してのお楽しみじゃ。まあ見ておれ」ポチッ
阿笠「んほおっ!?」ビュルルルル
コナン「は、博士!?」
阿笠「」バタッ
コナン「ペロッ……こ、これはテクノブレイク!!」
灰原「……」
コナン「……元気出せよ、灰原」
灰原「無茶言わないで……博士が……こんな……!!」
灰原「私がもっとしっかり食事の管理をしていれば……こんなことには……」
コナン「灰原のせいじゃねえよ……」
コナン「だいたい死因はテ……原因不明の心臓麻痺なんだし、オメーは博士のためによくやってたよ」
灰原「……」
コナン「……」ウーン
コナン「博士さ、ずっと独身で一人暮らしだったから……」
コナン「死ぬ前に一時的でもオメーと家族になれて、幸せだったと思うぜ?」
コナン「だから、さ……オメーには、いつでも笑っててほしいって……博士も思ってるんじゃねーかな」ポリポリ
灰原「……」
灰原「そう、ね……私がいつまでも落ち込んでいたら、博士が向こうで安心できないわね」
灰原「ありがとう、工藤君」ニコ
コナン「」バッキューン
コナン(ただでさえスパイだらけでガタガタだった黒の組織は、ボスが消えたことで自然消滅した)
コナン(しかし、博士の発明で殺されたりなんだりした光彦がその後姿を現すことは、二度となかった)
コナン(おそらく今までは博士がその都度復活させていたのだろう)
コナン(だが、光彦にとってもこれが幸せだったのかもしれない)
コナン(苦しみと憎しみの輪廻から逃れることができたのだから……)
灰原「ねえ工藤君、あなた本当にこれで良かったの……?」
コナン「バーロ、今更何言ってんだよ。俺が好きで決めたんだ」
コナン「それから俺は小学生探偵、江戸川コナン!」
コナン「『工藤新一』はもういねえんだから、間違えんなよ?」
灰原「……そうだったわね、江戸川君」
コナン「……」ジトーッ
灰原「……」スー、ハー
灰原「……コ、コナ……」
灰原「……コナン、……くん……」カアアア
コナン「やっと名前で呼んでくれたな、哀!!」ニカッ
灰原「もう、馬鹿なんだから」フイッ///
コナン(あの時、不覚にも灰原の未亡人くさい笑顔にやられた俺は)
コナン(蘭に別れを告げ、江戸川コナンとして哀と共に新たな人生を送っている)
コナン(……正直、『工藤新一』を殺してしまったことが正解だったのかは、今でも分からない)
コナン(だが、哀のそばにいることを選んだことだけは、後悔していない)
コナン(なぜなら――)
ガチャリ
灰原「お背中でもお流しいたしましょうか? ゴシュジンサマ」クスッ
コナン「!! ふ、風呂に急に入ってくんな!!」アセアセ
灰原「あら、彼女とは裸の付き合いができるのに、私に見られるのは嫌なのかしらね?」
コナン「そっ……それとこれとは話が別だろ!///」
灰原「うふふ、冗談よ。からかいに来てみただけ。じゃごゆっくり」クル
コナン「……おい、待てよ」
灰原「? 何よ」
コナン「俺だけ見られたってのはフェアじゃねーと思わねえか?」ニヤリ
灰原「……」
コナン「オメーも入れよ、それでチャラだろ?」
灰原「なっ……!」
コナン(俺の”幸せ”はこれなのだと、胸を張って言えるからだ)
灰原「あなた……ロリコンだったの?」
コナン「」
灰原「そろそろ博士の月命日ね……美味しいものでも用意しておこうかしら」
コナン「そうだな、カツ丼か牛丼か天丼……あ、焼きそバンズの特大バーガーなんて喜ぶんじゃね?」
灰原「ふふっ、コナンったら。そんなもの食べさせたら博士のメタボが悪化しちゃうじゃない」
コナン「おいおい、天国でも食事制限かよ……博士も鬼娘を持って大変だな」
灰原「あら、その呼び名は心外だわ。よく出来た娘と言ってほしいわね」
コナン(哀は組織が潰れたことは知っているが、博士が黒幕であったことは知らされないまま)
コナン(これからも優しかった博士のことを大切に胸に抱き続け――博士の分まで生きていくのだろう)
コナン(これが哀の”幸せ”なんだよな? 博士……)
.
15年後
「「オギャー! オギャー!」」
.
コナン「よくやったな! 哀!!」
哀「あなたのおかげよ……」ニコ
コナン「元気な男の子だな! しかも双子なんてすげーよ!!」
哀「ふふっ、……ねえあなた、この子たちって……」
コナン「ああ、あいつらそっくりだ! もう名前はあれっきゃねえな!」
哀「そうね、私も賛成よ」クスッ
哀「これからよろしくね……ヒロシ、ミツヒコ」
Happy end
怖い話?
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ひろし、みつひこは草