【艦これ】清霜は大戦艦になった (47)
※グロ注意
ある日、私は姉妹の駆逐艦達と一緒に遠征に行った。
遠征での作業を終え、そろそろ帰投しようとした時、
旗艦の天龍さんが叫んだ。
天龍 「回避運動!!!」
天龍 「雷撃だ!!!」
天龍 「全力で回避しろ!!!」
龍田 「天龍ちゃん!!!」
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私たちは必死に回避運動をした。
なんとか魚雷をかわしたが、地獄はそこからだった。
天龍 「駆逐艦達は速度一杯で逃げろ!!!」
天龍 「振り向くな!!!」
天龍 「悪りぃけど……」
天龍 「龍田は俺と沈んでくれ」
龍田 「うん」 ニッコリ
天龍さんと龍田さんの向こうにレ級がいた。
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天龍さんと龍田さんは必死に戦ったけど、時間は稼げなかった。
私達は必死に逃げた。
夕雲 「頑張りましょう!」
巻雲 「はわわわわぅ……」
高波 「……」
清霜 「あ……」
レ級は、すぐ間近に迫っていた。
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夕雲姉さんが笑った。
夕雲 「私、お姉さんだから?」 ニコッ
夕雲 「またね……」
夕雲姉さんは振り向いて、レ級に立ち向かっていった。
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直ぐにレ級は追いついた。
巻雲姉さんは泣いていた。
巻雲 「私もお姉さんだからぁ……」 ポロポロ
巻雲 「夕雲姉さん……」 グシグシ
巻雲姉さんは振り向いて、レ級に立ち向かっていった。
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直ぐにレ級は追いついた。
高波姉さんが言った。
高波 「私達の分まで生きてほしい、かも……」 ニコッ
高波姉さんは振り向いて、レ級に立ち向かっていった。
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最後にレ級は私に追いつき、私の目の前に立ちはだかった。
レ級 「プッ」
レ級は巻雲姉さんのメガネをスイカの種のように吐き出した。
清霜 「!?」
レ級は私の腹を蹴り上げた。
清霜 「ゴアッ」
私は血反吐を吐いた。
散々私をなぶった挙句、レ級は言った。
レ級 「モット可愛クシテヤルヨ」 ニヤリ
清霜 「ギャアアア」
レ級は私の右耳を引きちぎった。
私は気を失った。
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私は捜索隊に発見され、鎮守府に帰ることが出来た。
生き残ったのは私だけだった。
ベッドで横になっていた私の頭に、皆の顔が浮かんだ。
清霜 「天龍さん…… 龍田さん……」 ポロポロ
清霜 「夕雲姉さん…… 巻雲姉さん……」 ポロポロ
清霜 「高波姉さん……」 ポロポロ
そしてレ級の顔が浮かんだ。
清霜 「あのレ級……」
清霜 「絶対、沈めてやる…… 私の手で……」
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怪我から回復した私は、死に物狂いでトレーニングをした。
しかし、すぐに絶望した。
私の鎮守府で最高錬度の駆逐艦は夕立さんだった。
私は演習で夕立さんと勝負した。
そして私は泣いた。
負けたからじゃない。
私より遥かに強い夕立さんでも、レ級に遠く及ばないと思ったからだ。
レ級は、天龍さんと龍田さんの主砲や魚雷の直撃を受けても、
全くダメージが無かった。
レ級は、バスケットボールのレイアップシュートをはたき落とすかのように
軽々と天龍さん、龍田さん、私の姉妹の頭を手刀で切り飛ばした。
私は夕立さんの頭が切り飛ばされるイメージしか湧かなかった。
大和さん、武蔵さんと演習しても同じだった。
頭でお手玉したり、リフティングしている、あの時のレ級の記憶が甦った。
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私には絶望と憎悪しかなかった。
絶望と憎悪にかられて、私にトレーニングに打ち込んだ。
ある日、私はオーバートレーニングでぶっ倒れ、工廠に運ばれた。
提督からは無理なトレーニングをしないよう、
既に何度も注意されていた。
私は謹慎処分となった。
謹慎後、問題のある艦娘を矯正する特別な鎮守府に
配属されることになった。
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そこでも私はオーバートレーニングで、ぶっ倒れた。
私は工廠に運ばれた。
工廠長の明石さんは私に聞いた。
明石 「なぜ無理なトレーニングを?」
清霜 「強くなりたいんです」
清霜 「絶対、沈めたいやつがいるんです」
明石 「強くなりたい…… ですか……」 ニタァ
この鎮守府の明石さんは怪我で左目を失明していた。
明石さんは艦娘や艤装の違法改造を行い、
この鎮守府に流れついたそうな。
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明石 「強くなるために明日を捨てる覚悟はありますか?」
清霜 「はい。私には、もう何もありません」
明石 「どんな苦痛でも耐えられますか?」
清霜 「はい」
明石 「では駆逐艦の限界突破の……」
明石 「協力をしましょう……」 ニタァ
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明石さんは私をメンタル異常と診断し、
隔離された工廠での長期修理の手続きをした。
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明石 「まず、あなたの船体を大きくします……」
明石 「全身の骨を切断し、少しだけスキマを空けます」
明石 「時間が経つとスキマが埋まって、骨が伸びます」
明石 「これを繰り返します……」
私は全身を切り開かれ、骨を切断され、スキマを空けられ、
スキマが埋まるまで骨を固定された。
信じられないほどの激痛だった。
明石 「高速修復材は使いません」
明石 「骨の金属の結晶が成長するまで時間が掛かるからです」
明石 「大きな結晶にならないと金属に粘りがでません」
明石 「高速修復材を使うと結晶が大きくなる前にスキマが埋まり」
明石 「脆い骨になります」
私は手の指から足の指まで、ほぼ全身の骨を切断され、伸ばされた。
手術は数百回にも及んだ。
そして私の骨格は戦艦以上になった。
身長でいえば、大和さんより頭一つ大きくなった。
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明石 「次は馬力です」
明石 「ウェイトトレーニングをやりましょう」
明石 「疲れたら高速修復材を使います」
戦艦の艤装を持てるようになるため、私はウエイトトレーニングを始めた。
私がバテると、明石さんが私を蹴り上げる。
起き上がってトレーニングを続け、またバテる。
明石さんが蹴っても起き上がれなくなったら、
バケツで高速修復材がぶっ掛けられる。
それを繰り返し、私が気絶したら、その日のトレーニングは終了する。
明石 「人間の筋肉繊維のように」
明石 「艦娘の油圧シリンダー繊維もトレーニングで破壊され」
明石 「回復した時、繊維が太くなり、数が増えます」
明石 「通常は回復に3日かかりますが、高速修復材を使えば即座に回復します」
明石 「通常のトレーニングの数十倍の速さで油圧シリンダー繊維が増えます」
明石 「まあ、船体の寿命も数十倍の速さで無くなっていきますけどね」 ニヤリ
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ある日、私の廃液がコーラのように真っ黒になった。
あまりにも多くの油圧シリンダー繊維が破壊され、
シリンダーの油が廃液に混じったのだ。
清霜 (私の寿命は長くないかも……)
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ウェイトトレーニング開始から1年近く経過したある日、明石さんが言った。
明石 「この艤装を付けてみてください」
試製51cm連装砲が4機付いた艤装だった。
私は艤装を付けた。
戦艦の艤装を想定してトレーニングしてきた私にとって、特に重くは無かった。
軽いといえる程だった。
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清霜 「特に重くないです。軽いぐらいです」
明石 「これが軽い?」 ニヤリ
明石 「アッハハハハハハ」
明石 「軽い、ですか……」
ウエイトトレーニングのターゲットを、
実は大和型戦艦の艤装の2倍の重量にしていた、
と、明石さんは言った。
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明石 「もうあなたを止められる者はいません……」
明石 「ヤりあう前に、これを飲んでください」
時限カプセルに入った高速修復材だった。
明石 「飲んでから10分後」
明石 「10分間カプセルから高速修復材がにじみ出ます」
明石 「その間、あなたはゾンビのように不死身になります」
私はカプセルを受け取った。
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夜明けと共に、私はレ級の出没する海域に向かった。
すると、出没海域から随分手前で遠征部隊がレ級に襲われていた。
球磨 「なんでこの海域にレ級が……」
球磨 「駆逐艦だけでも逃がすクマ……」
木曾 「ああ……」
球磨さんが魚雷の直撃を受け大破した。
レ級が球磨さんに襲い掛かった。
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私はカプセルを飲んだ。
清霜 「レ級!!!」 カッ!
清霜 「私が相手してやる」 クイクイ
BGM:パシフィックリム-メインテーマ
https://youtu.be/tMTr2rbqSBM
レ級はコッチを向いて、ニタリと笑った。
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レ級は一瞬で間合いを詰めてきた。
清霜 「!?」
私は主砲を撃った。
レ級は瞬時に横に回りこみ、私の横腹を蹴りつけた。
ボコッ
私のわき腹の肋骨が折れた。
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レ級の真の恐ろしさは、その機動性にあった。
コンパクトな船体に超大出力の主機関。
設計者の夢を具現したような存在だった。
相手にとっては、ただの悪夢だった。
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レ級 「アレデ沈マナインダ」
レ級 「ヤルジャン」 ニタァ
レ級は艦載機を飛ばし、主砲を撃ってきた。
木曾 「加勢するぞ!」
木曾さんが艦載機を打ち落とした。
私は主砲をレ級に撃ち続けた。
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木曾 「危ない!」
レ級は私の目の前にいた。
主砲の次弾の装填の間をつかれた。
レ級は笑いながら主砲を撃った。
私の腹に穴が開いた。
勝利を確信したレ級は油断した。
そのスキに私はレ級を抱きしめた。
そして力一杯締め付けた。
ミシミシミシッ
レ級の背骨が軋んだ。
レ級の顔に恐怖が浮かんだ。
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メチメチメチッ、メキメキメキッ
なおも私は締め上げた。
レ級 「ググッ、ガハッ!」
レ級は私の腕を主砲で吹き飛ばし、脱出した。
私の腕が瞬く間に再生した。
腹の穴は塞がっていた。
レ級 「!?」
レ級 「バケモノメ!!!」
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私は主砲を撃った。
主砲弾はレ級を直撃したが、やっと小破程度だった。
清霜 (バケモノはどっちよ……)
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レ級は作戦を変えて、距離を取って撃ち続けてきた。
私の体が、文字通り削られていった。
木曾 「グッ!」
木曾さんが魚雷を受けて大破した。
私も足に被弾して、体勢を崩した。
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その時、レ級が鬼神の速さで飛び込んできた。
私の頭を切り飛ばしに来たのだ。
私はその時を待っていた。
拳を握り締めた。
主砲全8門を後ろに向けて撃った。
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清霜 「うおおおおおおおおおお!!!」
全主砲の反動を、右の拳に乗せた。
流石のレ級、超反応で体をヒネった。
私のイメージでは顔を殴るはずが、胸に当たった。
胸に当たった拳は、レ級の胸部装甲を圧壊し、胸部機関を破壊した。
拳の骨は全て砕けた。
勢いは止まらず、圧力で手首の骨が開放骨折し、骨が飛び出した。
骨折した骨の先端は、竹やりのように鋭かった。
その骨がレ級の胸に刺さり、押し込まれていった。
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レ級 「グギャアアア!!!」
私の腕の骨が完全にレ級の胸を貫いた。
腕のひじまでがレ級の胸に押し込まれたところで、やっと止まった。
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レ級は口から血を吐いた。
レ級 「ガフッ……」
レ級 「トドメヲ…… ササナイノカ……?」
清霜 「あなたは、もう長くないよ」
私は髪をかき上げ、ちぎれた耳を見せた。
清霜 「私のこと、覚えてる?」
レ級 「……」
レ級 「思イ出シタ……」
レ級 「アノトキノ駆逐艦カ……」
レ級 「ズイブン鍛エ直シタナ……」
レ級 「俺ハ襲撃ノトキ、必ズ1人……」
レ級 「シルシヲ付ケテ、生カシテ返シテイタ……」
レ級 「マサカ駆逐艦ニヤラレルトハ……」
レ級 「ソンナニ俺ノコトヲ、思ッテクレテタノカ……」 ニタリ
レ級 「キシシ……」
レ級は息絶えた。
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清霜 「天龍さん、龍田さん」
清霜 「夕雲姉さん、巻雲姉さん、高波姉さん」
清霜 「敵を討ちました……」 ポロポロ
突然、私は気付いた。
明石さんも、あのレ級にやられたのだと。
シルシを付けられて失明したのだと。
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私は鎮守府に帰投した。
私は無断出撃のため罪に問われた。
レ級撃破と球磨さん達の嘆願によって執行猶予となった。
明石さんも私の実験データで取引し執行猶予となった。
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私は自室に帰った。
私は疲れていた。
ベッドに入ると、高波姉さんの「私達の分まで生きてほしい、かも……」
という言葉を思い出した。
私は強さの代償に寿命を差し出した。
寿命がどれだけ残っているかは分からない。
清霜 (何が出来るかわからないけど)
清霜 (姉さんたちの分まで生きます)
姉さん達に託された命をどのように生きるかを考えながら、私は眠りについた。
- 完 -
これで終りです。
私の妄想に付き合ってくれてありがとう。
雑談有りでhtml化を申請しましたので、
もしコメントが有れば、遠慮なくどうぞ。
ではでは。
面白かった。
実際レ級ってそこまで強いのか?
まだ戦ったことないんだが空母おばさんより強かったら発狂するけど
普通のレ級はまあ大した事ない、2割くらいで大破撤退する程度
俺は潜水編成で毎月やってるけど、最悪だったのがエリレの開幕爆撃で大和が大破して開幕雷撃で武蔵が大破して攻撃2ターンでしおいとゴーヤが大破して雷撃で旗艦のビス子が大破した
清霜の改造見てると、ジャック・ハンマーを思い出す
乙
おつでした
>>37
空母お姉さんにハイパーズ足した感じ
私にとってレ級さんは、エゲツナイ悪役をやらせて良し、男前な主役をやらせて良し、の演技派女優?です。
お世話になりっぱなしですわ。
>>39
鋭いですね!
この作品は、グラップラー刃牙のジャックハンマー、シグルイの「伊達にして帰すべし」、餓狼伝の丹波文七にインスパイアされてます。
清霜ちゃんは、無理を情熱で押し通す感じが好き。
どうにかして戦艦にしてやりたい。
そして無理やり戦艦にする話を考えるのが面白い。
ククク……
誰も見ていないだろうから、衝動的に描いてしまった大戦艦清霜ちゃん画像でも張るかな……。
http://imgur.com/O6yObs6
しかし、なぜ俺はこんな絵を描いちまったんだろうか……?
ちょっとガチムチすぎませんかねぇ(混乱
まだ筋肉が足りないな
このSSまとめへのコメント
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